(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746710
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】粉体分配装置
(51)【国際特許分類】
B65G 53/04 20060101AFI20150618BHJP
B65G 53/56 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
B65G53/04 A
B65G53/56
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-544156(P2012-544156)
(86)(22)【出願日】2011年10月14日
(86)【国際出願番号】JP2011073634
(87)【国際公開番号】WO2012066884
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2014年3月13日
(31)【優先権主張番号】特願2010-256054(P2010-256054)
(32)【優先日】2010年11月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(72)【発明者】
【氏名】救護 勝
【審査官】
中島 慎一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−248516(JP,A)
【文献】
特開2003−021309(JP,A)
【文献】
特開平08−226620(JP,A)
【文献】
実開昭61−157533(JP,U)
【文献】
特開昭59−032933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00 − 53/28 , 53/32 − 53/66
F23K 3/00 − 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱形状の分配室と、
前記分配室の中心軸に沿って延びると共に前記分配室に面した導入口から前記分配室内に粉体を導入する粉体導入管と、
前記分配室内に前記分配室の中心軸の回りに旋回する旋回ガス流を形成する旋回ガス流形成手段と、
それぞれ前記分配室の外周面に連通する複数の粉体分配通路と、
前記分配室の外周面上で且つそれぞれの粉体分配通路と前記分配室との連通部に形成されたスリットと
を備え、
前記スリットは、それぞれの粉体分配通路の断面積よりも小さな断面積を有し、これにより、前記分配室の外周面における開口面積を低減して、前記分配室内の旋回ガス流の減衰を抑制することを特徴とする粉体分配装置。
【請求項2】
前記旋回ガス流形成手段は、
前記粉体導入管の外周部に形成されると共に前記分配室に連通する円筒形状の圧縮ガス導入室と、
前記圧縮ガス導入室の周に沿って配列されると共に前記圧縮ガス導入室内に圧縮ガスを噴出して周方向のガス流を形成するための複数のノズルと、
前記複数のノズルに圧縮ガスを供給する圧縮ガス供給源と
を含む請求項1に記載の粉体分配装置。
【請求項3】
前記分配室の底面から前記粉体導入管の前記導入口までの高さは、前記分配室の内径の1/2以上で且つ前記分配室の底面から前記複数のノズルまでの高さ以下である請求項2に記載の粉体分配装置。
【請求項4】
旋回ガス流形成手段により形成される旋回ガス流は、粉体分配装置全体を流れるガス流量の1/2以上の流量を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体分配装置。
【請求項5】
前記複数の粉体分配通路は、前記分配室の中心軸に対して放射状に延びている請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉体分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉体分配装置に係り、特に、旋回ガス流を利用して粉体を分配する分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業、農業、食品業等において、処理対象となる粉体を複数箇所へ分配する処理が施される場合がある。このような分配処理を行う装置が、例えば特許文献1および2に記載されている。これらの装置は、いずれも、頂点を鉛直下方に向けた円錐形状の分配室を有しており、この分配室内に旋回ガス流を形成すると共に、気流搬送される粉体を分配室内に頂点部から上方に向かって導入することで、分配室に対して放射状に配置された複数の排出口から粉体を分配するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−25166号公報
【特許文献2】特開2010−145071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2に記載のように、頂点を鉛直下方に向けた円錐形状の分配室内で粉体を分配しようとすると、粉体が分配室の内側壁を形成する円錐面上に付着することがある。特に、例えば、粒径が1μmを下回るサブミクロン粒子等の微粉体は、円錐面上に付着凝集して粒径の大きな凝集体を形成しやすくなる。このようにして形成された凝集体が円錐面から剥離して微粉体に混合されると、所望の分配を行うことが困難となり、また、分配された粉体の粒度分布が変動するために後段の処理において支障を来すおそれが生じてしまう。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、微粉体に対しても凝集体の形成を抑制しつつ所望の分配を行うことができる粉体分配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る粉体分配装置は、円柱形状の分配室と、分配室の中心軸に沿って延びると共に分配室に面した導入口から分配室内に粉体を導入する粉体導入管と、分配室内に分配室の中心軸の回りに旋回する旋回ガス流を形成する旋回ガス流形成手段と、それぞれ分配室の外周面に連通する複数の粉体分配通路と、
分配室の外周面上で且つ複数の粉体分配通路と分配室との連通部に形成されたスリットとを備え
、スリットは、それぞれの粉体分配通路の断面積よりも小さな断面積を有し、これにより、分配室の外周面における開口面積を低減して、分配室内の旋回ガス流の減衰を抑制するものである。
【0007】
好ましくは、旋回ガス流形成手段は、粉体導入管の外周部に形成されると共に分配室に連通する円筒形状の圧縮ガス導入室と、圧縮ガス導入室の周に沿って配列されると共に圧縮ガス導入室内に圧縮ガスを噴出して周方向のガス流を形成するための複数のノズルと、複数のノズルに圧縮ガスを供給する圧縮ガス供給源とを含んでいる。
さらに好ましくは、分配室の底面から粉体導入管の前記導入口までの高さは、分配室の内径の1/2以上で且つ分配室の底面から複数のノズルまでの高さ以下である。
また、旋回ガス流形成手段により形成される旋回ガス流は、粉体分配装置全体を流れるガス流量の1/2以上の流量を有していることが好ましい。
また、複数の粉体分配通路は、分配室の中心軸に対して放射状に延びるように形成すれば、粉体分配装置をよりコンパクトに構成することができるが、粉体に応じて様々な形状に形成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、円柱形状の分配室内に旋回ガス流を形成し、分配室の中心軸に沿って延びる粉体導入管から分配室内に粉体を導入し、スリットを介して分配室の外周面に連通する複数の粉体分配通路に分配するようにしたので、微粉体に対しても凝集体の形成を抑制しつつ所望の分配を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態に係る粉体分配装置の構成を示す正面断面図である。
【
図4】実施の形態に係る粉体分配装置において1カ所から排出された粉体流量に対する変動係数の関係を示すグラフである。
【
図5】変形例の粉体分配装置において1カ所から排出された粉体流量に対する変動係数の関係を示すグラフである。
【
図6】実施の形態の粉体分配装置において粉体導入口の高さ位置に対する変動係数の関係を示すグラフである。
【
図7】実施の形態の粉体分配装置において分配室の内径に対する粉体導入口の高さの比と変動係数との関係を示すグラフである。
【
図8】実施の形態の粉体分配器において全体風量に対する旋回ガス流量の比と変動係数との関係を示すグラフである。
【
図9】実施の形態の粉体分配器において粉体供給流量に対する変動係数の関係を示し、(A)はスリット高さ2mm、(B)はスリット高さ4mm、(C)はスリット高さ8mmの場合のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1に、実施の形態に係る粉体分配装置の構成を示す。この粉体分配装置は、ケーシング1と、ケーシング1に取り付けられた粉体導入管2を備えている。
ケーシング1内の下部には、その中心軸Cが鉛直方向を向くように配置された、高さの低い円柱形状の分配室3が形成され、分配室3の中心軸C上に、ケーシング1の上端部から分配室3にまで至る断面円形状の貫通孔4が形成されている。このような貫通孔4に上方から粉体導入管2が挿入され、貫通孔4の上半部の内周面と粉体導入管2の中間部の外周面とが互いに螺合あるいは嵌合されることにより、粉体導入管2がケーシング1に固定されている。
【0011】
分配室3は、内径D1を有し、貫通孔4は、分配室3の内径D1より小さい内径D2を有し、粉体導入管2は、貫通孔4の内径D2よりさらに小さい外径D3を有している。
これにより、粉体導入管2の下半部2aの外周部に、分配室3に連通する円筒形状の圧縮ガス導入室5が形成され、粉体導入管2の下端部に形成された粉体導入口6が分配室3に面するように配置されている。なお、圧縮ガス導入室5の上端部は、ケーシング1の貫通孔4の内周面と粉体導入管2の外周面との間の螺合あるいは嵌合により閉じられている。
【0012】
また、ケーシング1には、圧縮ガス導入室5の外周部に、それぞれ圧縮ガス導入室5内を臨むように複数のノズル7が形成されると共に、これらノズル7の外周部にリング状のガス溜まり部8が形成され、ガス溜まり部8が複数のノズル7を介して圧縮ガス導入室5に連通している。さらに、ガス溜まり部8に連通してガス供給口9が形成され、このガス供給口9に圧縮ガス供給源10が接続されている。
さらに、ケーシング1には、分配室3の外周面に連通する複数の粉体分配通路11が形成されており、これらの粉体分配通路11と分配室3との連通部にスリット12が形成されている。このスリット12は、分配室3内の高さおよび各粉体分配通路11の高さより小さな高さhを有している。
【0013】
図2に示されるように、複数のノズル7は、圧縮ガス導入室5の周に沿って均等に配列されると共にそれぞれ円筒形状の圧縮ガス導入室5の接線方向に向けられており、このため、圧縮ガス供給源10からガス供給口9を介してガス溜まり部8に供給された圧縮ガスは、複数のノズル7から接線方向に向けて圧縮ガス導入室5内に噴出され、圧縮ガス導入室5内に旋回ガス流を形成するように構成されている。なお、この実施の形態においては、複数のノズル7として、4つのノズル7が形成されている。
【0014】
図3に示されるように、複数の粉体分配通路11は、分配室3と通路側から見て略矩形状断面で接続され、その後丸断面へと形状が変わり、分配室3の中心軸Cに対して放射状に延び、ケーシング1の外周面に開口している。なお、この実施の形態においては、複数の粉体分配通路11として、4本の粉体分配通路11が形成されている。すなわち、粉体を4方に分配する粉体分配装置を構成している。
【0015】
次に、実施の形態に係る粉体分配装置の動作について説明する。
まず、圧縮ガス供給源10からガス供給口9に圧縮ガスが連続的に供給されると、圧縮ガスは、ガス供給口9からガス溜まり部8に流入し、4つのノズル7から圧縮ガス導入室5内に噴出される。このとき、4つのノズル7は、いずれも円筒形状の圧縮ガス導入室5の接線方向に向けて形成されているため、これらのノズル7を通過した圧縮ガスにより、圧縮ガス導入室5内を旋回する旋回ガス流が形成される。
【0016】
円筒形状の圧縮ガス導入室5の上端部は、ケーシング1の貫通孔4の内周面と粉体導入管2の外周面との間の螺合あるいは嵌合により閉じられているので、圧縮ガス導入室5内に形成された旋回ガス流は、次第に圧縮ガス導入室5内の下部へと拡がり、分配室3内に中心軸Cの回りに旋回する旋回ガス流が形成され、旋回ガス流の一部がスリット12を通過して4本の粉体分配通路へと流れる。なお、スリット12は、分配室3内の高さおよび粉体分配通路11の高さより小さな高さhを有しているため、ガスは、スリット12を高速で通過することとなる。
【0017】
この状態で、分配しようとする粉体をガス搬送して粉体導入管2の上端部から導入すると、粉体は、粉体導入管2内を落下し、粉体導入管2の下端部に形成された粉体導入口6から分配室3内に入って中心軸Cの回りに旋回する旋回ガス流に晒される。これにより、粉体は、分配室3内において分散され、さらに、スリット12を高速で通過するガス流と共にスリット12を通って粉体分配通路11へ入る。このようにして、粉体は、4本の粉体分配通路11に分配される。
【0018】
この実施の形態では、従来のように頂点を鉛直下方に向けた円錐形状の分配室を用いるのではなく、円柱形状の分配室3内に旋回ガス流を形成し、スリット12を介して分配室3の外周面に連通した4本の粉体分配通路11に分配するようにしたので、粒径の小さな微粉体に対しても、分配室3の内壁面への粉体の付着、凝集を抑制しつつ良好に分配を行うことができる。
なお、分配室3の外周に沿って円周状のスリット12が形成され、このスリット12に複数の粉体分配通路11が連通形成されていてもよく、あるいは、分配室3に連通された複数の粉体分配通路11のそれぞれに対応して複数のスリット12が形成されていてもよい。
【0019】
なお、粉体としては、粒径が1μmを下回るサブミクロン粒子等の微粉体を分配対象として用いることができ、また、シリカ、トナー等の低密度のものから、金属、アルミナ等の高密度のものまで各種の粉体を分配対象として用いることもできる。
圧縮ガス供給源10から供給される圧縮ガスとしては、圧縮空気を用いることができるが、分配対象となる粉体に応じて、例えば、不活性ガスを用いてもよい。
上記の実施の形態では、分配室3に4本の粉体分配通路11を接続して粉体を4方へ分配したが、これに限るものではなく、同様にして、2方、3方、あるいは5方以上に分配する粉体分配装置を構成することができる。このように、複数の粉体分配通路11を分配室3の中心軸に対して放射状に延びるように形成すれば、粉体分配装置をコンパクトに構成することが可能となる。ただし、取り扱う粉体に応じて複数の粉体分配通路11を様々な形状に形成してもよい。
【0020】
ここで、粉体として関東ロームを用い、上記の実施の形態に係る粉体分配装置で4方へ粉体の分配を行ったときの、1つの粉体分配通路から排出される粉体の流量に対する変動係数の関係を測定したところ、
図4に示すような結果が得られた。粉体の排出流量に関わらず、良好な分配が行われている。
また、上記の実施の形態と同様にして、2方に分配する変形例の粉体分配装置を構成し、1つの粉体分配通路から排出される粉体の流量に対する変動係数の関係を測定したところ、
図5に示すような結果が得られた。粉体としては、関東ロームとカラートナーをそれぞれ用いた。関東ロームおよびカラートナーのいずれに対しても、また、排出される粉体の流量が異なっても、良好に分配が行われたことがわかる。
【0021】
また、粉体導入口6の高さ位置、すなわち、分配室3の底面から粉体導入管2の下端部の粉体導入口6までの高さHを、3mm、8mm、18mmの3通りに変えて、それぞれ変動係数を測定する実験を行ったところ、
図6に示すような結果が得られた。なお、D1=30mmとし、圧縮ガス供給源10からガス供給口9に供給した圧縮空気の圧力を0.4MPa、粉体導入管2から粉体を供給するための搬送空気圧を0.6MPa、粉体の供給流量を2kg/hとした。このとき、ノズル7の個数を4つ、ノズル径を1.0mmとした場合、前記圧縮空気の流量は160L/minであり、また径を1.2mmとした場合には、前記圧縮空気の流量は240L/minであった。
粉体導入口6の高さHに応じて変動係数が変動しており、この実験環境においては、3通りの高さHのうち、H=18mmが最適であることが示されている。
【0022】
さらに、分配室3の内径D1を40mmとし、この内径D1に対する粉体導入口6の高さHの比率を種々変化させたときの変動係数の関係を測定したところ、
図7に示すような結果が得られた。粉体としては、関東ロームと平均粒径5.3μmのトナーをそれぞれ用いた。関東ロームおよびトナーのいずれに対しても、比率H/D1が0.5以上、すなわち、分配室3の底面から粉体導入口6までの高さHが分配室3の内径D1の1/2以上の場合に、良好な分配が行われることが確認された。なお、粉体導入口6の高さ位置の上限としては、分配室3の底面から粉体導入口6までの高さHが、分配室3の底面から旋回ガス流を形成するためのノズル7までの高さ以下であることが望ましい。
【0023】
また、実施の形態に係る粉体分配装置の全体を流れるガス流量に対する旋回ガス流の流量の比率を種々変化させたときの変動係数の関係を測定したところ、
図8に示すような結果が得られた。粉体としては、平均粒径2μm、粒子密度2.9g/cm
3の関東ロームと平均粒径5.3μm、粒子密度1.2g/cm
3のトナーをそれぞれ用いた。関東ロームおよびトナーのいずれに対しても、粉体分配装置内の全体風量に対する旋回ガス流量の比率が1/2以上の場合に、良好な分配が行われることがわかった。
【0024】
さらに、スリット12の高さhを、2mm、4mm、6mmの3通りに変えると共に、圧縮ガス供給源10からガス供給口9に供給した圧縮空気の圧力と粉体の供給流量とを種々変化させて、それぞれ変動係数を測定した。なお、粉体導入管2から粉体を供給するための搬送空気圧は0.6MPaに設定し、圧縮ガス供給源10からガス供給口9に供給した圧縮空気の圧力は、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.6MPaの4通りに変化させ、粉体の供給流量は、2kg/h〜10kg/hの間で変化させた。
図9(A)、(B)、(C)は、それぞれスリット12の高さhを、2mm、4mm、6mmとしたときの測定結果を示している。
【0025】
これらの測定結果から、スリット12の高さh、圧縮空気の圧力、粉体の供給流量のそれぞれの変化に応じて変動係数が様々に変動していることがわかる。例えば、圧縮空気の圧力を0.4MPaとした場合、すなわち、
図9(A)、(B)、(C)に■で示される変動係数を見ると、粉体の供給流量を2kg/hとしたときには、スリット12の高さhは、3通りのうち、h=2mmが最適であり、また、粉体の供給流量を8〜10kg/hとしたときには、今度は、h=6mmが最適であることを示している。
【0026】
以上の
図6〜
図9の測定結果に見られるように、ガス供給口9に供給される圧縮空気の圧力、粉体導入管2から粉体を供給するための搬送空気圧、粉体の供給流量、分配室3の底面から粉体導入口6までの高さH、旋回ガス流量、スリット12の高さh、さらには、粉体の材質、粒径等を含めた種々の要件の間でそれぞれ分配に最適な環境が存在するものと思われる。
このため、個々の処理条件に応じて最適な環境が形成されるように各要件を設定して粉体の分配を行うことが望ましい。
【符号の説明】
【0027】
1 ケーシング、2 粉体導入管、2a 粉体導入管の下半部、3 分配室、4 貫通孔、5 圧縮ガス導入室、6 粉体導入口、7 ノズル、8 ガス溜まり部、9 ガス供給口、10 圧縮ガス供給源、11 粉体分配通路、12 スリット、C 中心軸、D1 分配室の内径、D2 貫通孔の内径、D3 粉体導入管2の外径、H 分配室の底面から粉体導入口までの高さ、h スリットの高さ。