特許第5746722号(P5746722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746722
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】持続性製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4439 20060101AFI20150618BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 9/22 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 9/58 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20150618BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   A61K31/4439
   A61K47/32
   A61K9/14
   A61K9/16
   A61K9/22
   A61K9/58
   A61K9/30
   A61P1/04
【請求項の数】13
【全頁数】156
(21)【出願番号】特願2013-62667(P2013-62667)
(22)【出願日】2013年3月25日
(62)【分割の表示】特願2009-265244(P2009-265244)の分割
【原出願日】2003年10月15日
(65)【公開番号】特開2013-155181(P2013-155181A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2013年4月23日
(31)【優先権主張番号】特願2002-301876(P2002-301876)
(32)【優先日】2002年10月16日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2003-66336(P2003-66336)
(32)【優先日】2003年3月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】秋山 洋子
(72)【発明者】
【氏名】倉沢 卓
(72)【発明者】
【氏名】坂東 博人
(72)【発明者】
【氏名】永原 直樹
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−526211(JP,A)
【文献】 特開2000−302681(JP,A)
【文献】 特開平07−002650(JP,A)
【文献】 特表2001−502333(JP,A)
【文献】 特開2002−080398(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/060415(WO,A1)
【文献】 特表2002−501897(JP,A)
【文献】 特表平09−505609(JP,A)
【文献】 特表2001−511441(JP,A)
【文献】 特開平01−193215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4439
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒であって、ランソプラゾールの光学活性R体もしくはその塩を活性成分として含有する核粒と
タクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれる、放出条件が異なる2種の高分子物質の混合物で、該2種の高分子物質がメタクリル酸コポリマーSおよびメタクリル酸コポリマーLであり、pH6.0以上pH7.5以下の範囲で溶解する高分子物質を含有するpH依存溶解性放出制御被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒。
【請求項2】
pH依存溶解性放出制御被膜が核粒上に形成された中間層を介して形成されていることを特徴とする請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項3】
pH依存溶解性放出制御被膜が、pH6.0以上で溶解する高分子物質とpH7.0以上で溶解する高分子物質を1:0.5〜1:5の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項4】
請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒を含有するカプセル。
【請求項5】
請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒とランソプラゾールの光学活性R体もしくはその塩を含有する腸溶コーティングされた錠剤、顆粒または細粒とを含有するカプセル。
【請求項6】
活性成分を含有する核粒上に腸溶性被膜と、該腸溶性被膜上に崩壊剤を含有する崩壊剤層と、該崩壊剤層上に放出制御被膜とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項7】
ゲル形成性ポリマーにより被覆されていることを特徴とする請求項6記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項8】
請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒とゲル形成性ポリマーとを含有する持続性カプセル。
【請求項9】
活性成分の放出が2種類以上の放出制御被膜によって制御される錠剤、顆粒または細粒であって、最外層放出制御被膜が内層の放出制御被膜よりも高いpHで溶解することを特徴とする請求項1記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項10】
内層の放出制御被膜が、pH6.0−7.0の範囲で溶解し、最外層の放出制御被膜が、pH7.0以上で溶解することを特徴とする請求項9記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項11】
内層の放出制御被膜が、pH6.5−7.0の範囲で溶解し、最外層の放出制御被膜が、pH7.0以上で溶解することを特徴とする請求項9記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項12】
最外層放出制御被膜厚が、100μm以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の錠剤、顆粒または細粒。
【請求項13】
放出が制御された顆粒または細粒が、100−1500μmの粒径を有する請求項9〜11のいずれか1項に記載の錠剤、顆粒または細粒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管移動速度を遅らせるゲル形成性ポリマーとを含有する持続性製剤、とりわけカプセル剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品のなかで経口投与製剤は最も多用される剤形であり、近年はQOL向上の観点から1日1−2回投与で薬効が持続する経口投与製剤が多く開発されてきている。化合物自身の合成段階から1日1−2回の投与で薬効が持続するような動態を示す化合物を合成する試みも行われているが、製剤的な工夫により持続性製剤を設計し動態を修正する場合も少なくない。経口持続性製剤の剤形としては、放出制御膜やマトリックスによる化合物拡散制御による放出制御、マトリックス(基剤)の浸食による化合物の放出制御、pH依存的な化合物の放出制御、一定のラグタイム後化合物を放出させる時限放出制御など種々の放出制御システムが開発され応用されている。上記放出制御システムに消化管移動速度の制御を組み合わせることによりさらに持続性を延長することが可能になると考えられる。
また、プロトンポンプインヒビター(以下、PPIと称することがある)作用を有するベンズイミダゾール(ベンツイミダゾールともいう)系化合物(以下、本明細書ではベンズイミダゾール系化合物と称する)のような酸に不安定な特性を有する薬物を活性成分とする製剤では、腸溶性被膜を施す必要がある。すなわち、PPI作用を持つベンズイミダゾール系化合物を含有する組成物は小腸で速やかに崩壊することが必要であるため、錠剤よりも表面積が大きく、速やかに崩壊または溶解しやすい顆粒ないし細粒として製剤化されることが好ましく、錠剤の場合も小型の錠剤にすることが望ましい(例えば、特許文献1参照)。
錠剤、顆粒および細粒は経口投与された後、それ自身が消化管を胃、十二指腸、空腸、回腸、大腸と活性成分を放出しながら移動して、その間に活性成分はそれぞれの吸収部位において吸収される。放出制御製剤は活性成分の放出をなんらかの形で遅らせることにより吸収がコントロールされることを目的としている。放出制御システムに付着性、浮遊性など消化管移動速度を制御する機能を組み合わせることによりさらに持続性を延長することが可能になると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−277322号公報
【特許文献2】国際公開第01/89483号パンフレット
【特許文献3】特表2001−526213
【特許文献4】米国特許第6274173号明細書
【特許文献5】米国特許第6093734号
【特許文献6】米国特許第4045563号
【特許文献7】米国特許第4686230号
【特許文献8】米国特許第4873337号
【特許文献9】米国特許第4965269号
【特許文献10】米国特許第5021433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、薬物活性成分の放出が制御され、さらに消化管内で滞留乃至ゆっくり移動しながら、長時間にわたって活性成分を放出する持続性製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒とゲル形成性ポリマーを含有するカプセル剤、
(2)活性成分の放出が、活性成分を含有する核粒上に形成された放出制御被膜により制御される上記(1)記載のカプセル剤、
(3)放出制御被膜が、pH依存的に溶解するポリマーを含有する上記(2)記載のカプセル剤、
(4)放出制御被膜が、拡散制御膜である上記(2)記載のカプセル剤、
(5)活性成分の放出が、錠剤、顆粒または細粒を構成する放出制御性マトリックス中に活性成分を分散することにより制御される上記(1)記載のカプセル剤、
(6)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒が、活性成分を含有する核粒上に形成された崩壊剤を含有する崩壊剤層と、該崩壊剤層上に形成された放出制御被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒であって、活性成分の放出が一定のラグタイム後に開始される上記(3)または(4)記載のカプセル剤、
(7)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒が、ゲル形成性ポリマーにより被覆されていることを特徴とする上記(3)〜(6)のいずれか1に記載のカプセル剤、
(8)さらにゲル形成性ポリマーを含有する上記(7)に記載のカプセル剤、
(9)活性成分の放出条件が異なる2種類の錠剤、顆粒または細粒を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1に記載のカプセル剤、
(10)pHが約5.5で活性成分を放出する腸溶性被膜を有する錠剤、顆粒または細粒と、pHが約6.0以上で活性成分を放出する放出制御被膜を有する錠剤、顆粒または細粒とを含有する上記(9)記載のカプセル剤、
(11)ゲル形成性ポリマーが、25℃における5%水溶液の粘度が約3000mPa・s以上のポリマーである上記(1)、(7)または(8)記載のカプセル剤、
(12)ゲル形成性ポリマーが、分子量400000−10000000のポリマーである上記(1)、(7)または(8)記載のカプセル剤、
(13)放出制御被膜が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネートおよびポリビニルアセテートフタレートからなる群から選ばれる1種以上を含有する被膜である上記(2)〜(4)または(6)のいずれか1に記載のカプセル剤、
(14)放出制御被膜が、2種以上の被膜からなることを特徴とする上記(13)記載のカプセル剤、
(15)放出が制御された顆粒または細粒が、約100‐1500μmの粒径の顆粒または細粒である上記(1)記載のカプセル剤、
(16)活性成分がプロトンポンプインヒビター(PPI)である上記(1)記載のカプセル剤、
(17)PPIが式(I’):
【化1】
〔式中、環C’は置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環を、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基を、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を、およびYは窒素原子またはCHを示す〕で表されるイミダゾール系化合物もしくはその塩またはその光学活性体である上記(16)記載のカプセル剤、
(18)イミダゾール系化合物が、ランソプラゾールである上記(17)記載のカプセル剤、
(19)PPIが、ランソプラゾールの光学活性R体である上記(17)記載のカプセル剤、
(20)ゲル形成性ポリマーが、ポリエチレンオキサイド(PEO、分子量400000−10000000)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマーからなる群から選ばれる1種以上の物質である上記(1)、(7)または(8)記載のカプセル剤、
(21)ゲル形成性ポリマーが、ポリエチレンオキサイド(分子量400000−10000000)である上記(1)、(7)または(8)記載のカプセル剤、
(22)ゲル形成性ポリマーが粉末状、細粒状または顆粒状で配合された上記(1)または(8)記載のカプセル剤、
(23)pH依存的に溶解するポリマーが、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体である上記(3)記載のカプセル剤、
(24)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒であって、式(I’):
【化2】
〔式中、環C’は置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環を、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基を、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を、およびYは窒素原子またはCHを示す〕で表されるイミダゾール系化合物もしくはその塩またはその光学活性体を活性成分として含有する核粒と、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレートおよびシェラックからなる群から選ばれる1種または放出条件が異なる2種以上の混合物で、pH6.0以上pH7.5以下の範囲で溶解する高分子物質を含有するpH依存溶解性放出制御被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒、
(25)pH依存溶解性放出制御被膜が核粒上に形成された中間層を介して形成されていることを特徴とする上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(26)上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒を含有するカプセル、
(27)上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒と式(I’)の化合物を含有する腸溶コーティングされた錠剤、顆粒または細粒とを含有するカプセル、
(28)活性成分が、ランソプラゾールである上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(29)活性成分が、ランソプラゾールの光学活性R体である上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(30)活性成分が、ランソプラゾールの光学活性S体である上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(31)活性成分が、ランソプラゾールの誘導体である上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(32)活性成分が、ランソプラゾールの光学活性R体の誘導体である上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(33)活性成分を含有する核粒上に腸溶性被膜と、該腸溶性被膜上に崩壊剤を含有する崩壊剤層と、該崩壊剤層上に放出制御被膜とを有することを特徴とする上記(24)、(25)または(28)〜(32)のいずれか1に記載の錠剤、顆粒または細粒、
(34)ゲル形成性ポリマーにより被覆されていることを特徴とする上記(28)〜(33)のいずれか1に記載の錠剤、顆粒または細粒、
(35)上記(28)〜(32)のいずれか1に記載の錠剤、顆粒または細粒とゲル形成性ポリマーとを含有する持続性カプセル、
(36)活性成分の放出が2種類以上の放出制御被膜によって制御される錠剤、顆粒または細粒であって、最外層放出制御被膜が内層の放出制御被膜よりも高いpHで溶解することを特徴とする上記(24)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(37)内層の放出制御被膜が、pH6.0−7.0の範囲で溶解し、最外層の放出制御被膜が、pH7.0以上で溶解することを特徴とする上記(36)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(38)内層の放出制御被膜が、pH6.5−7.0の範囲で溶解し、最外層の放出制御被膜が、pH7.0以上で溶解することを特徴とする上記(36)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(39)最外層放出制御被膜厚が、100μm以下であることを特徴とする上記(36)記載の錠剤、顆粒または細粒、
(40)放出が制御された顆粒または細粒が、約100‐1500μmの粒径を有する上記(36)記載の顆粒または細粒、
(41)(i)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒であって、式(I’):
【化3】
〔式中、環C’は置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環を、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基を、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を、およびYは窒素原子またはCHを示す〕で表されるイミダゾール系化合物もしくはその塩またはその光学活性体を活性成分として含有する核粒と、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレートおよびシェラックからなる群から選ばれる1種または放出条件が異なる2種以上の混合物で、pH6.0以上pH7.5以下の範囲で溶解する高分子物質を含有するpH依存溶解性放出制御被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒と、
(ii)活性成分を含有する核粒と、pH5.0以上pH6.0未満の範囲で溶解して、活性成分を放出する腸溶性被膜とを有する錠剤、顆粒または細粒とを含有するカプセル剤、
(42)pH依存溶解性放出制御被膜が活性成分を含有する核粒上に形成された中間層を介して形成されていることを特徴とする上記(41)記載のカプセル剤、
(43)活性成分が、ランソプラゾールである上記(41)記載のカプセル剤、
(44)活性成分が、ランソプラゾールの光学活性R体である上記(41)記載のカプセル剤、
(45)活性成分が、ランソプラゾールの光学活性S体である上記(41)記載のカプセル剤、
(46)活性成分を含有する核粒が、塩基性無機塩の安定化剤を含有する上記(41)記載のカプセル剤、
(47)活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒におけるpH依存溶解性放出制御被膜が、pH6.5以上pH7.0以下の範囲で溶解する被膜である上記(41)記載のカプセル剤、
(48)pH依存溶解性放出制御被膜が、放出制御条件の異なる2種以上のメタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体を含有することを特徴とする上記(47)記載のカプセル剤、および
(49)さらにゲル形成性ポリマーを含有する上記(41)記載のカプセル剤を提供する。
【0006】
本発明の持続性製剤は、主薬の放出を長時間にわたって制御することにより治療有効濃度の持続を可能にするので、投与回数の低減のみならず、低投与量での治療の有効性および血中濃度の立ち上がりに起因する副作用の軽減などを図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒、または、これらの錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管移動速度を遅らせるゲル形成性ポリマーを含有する医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、これらの錠剤、顆粒あるいは細粒そのものの、もしくは錠剤、顆粒あるいは細粒とゲル形成性ポリマーとの混合物そのものの形態であってもカプセルに充填されたカプセル剤であってもよいが、カプセル剤が特に好ましい。これらの組み合わせにより経口投与後の血中濃度持続性が著しく延長されることが明らかになった。
本発明の「活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒」における活性成分の放出の制御は、錠剤中の活性成分や錠剤、顆粒あるいは細粒を活性成分の放出を制御する膜で被覆して、または活性成分を放出制御性マトリックス中に分散することによって行う。なお、本発明の「活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒」には、pHが約5.5程度で溶解する通常の腸溶性被膜で被覆された錠剤、顆粒あるいは細粒およびこれらの顆粒あるいは細粒を含有する錠剤も含む。
一方、本明細書において「放出制御被膜」というときは、pH5.5程度で溶解するような通常の腸溶性被膜より、より高いpH領域で溶解するpHに依存して溶解する被膜または膜自体は溶解しないが膜に生じた細孔を通じて活性成分を放出する拡散制御膜など、より活性成分の放出遅延乃至持続させる機能を有する膜を示し、pH5.5程度で溶解し、腸液中で速やかに溶解して、活性成分を放出する通常の腸溶性被覆膜及び/層は含まない。尚、ここでいうpHは、McIlvaine溶液あるいはClark−Lubs溶液で調整したpHを意味する。以下pH依存的に溶解する膜のpHは、このpHを意味する。
また、本発明の「放出制御被膜」における被膜は、フィルム状の被膜層のみならず、より大きな厚みを持つ被膜層も含み、さらに、完全に内部の核粒もしくは層を被覆する被膜層のみならず、部分的には被覆しない部分はあるが、内部の核粒もしくは層の大部分を被覆する被膜層をも含む(内部の核粒もしくは層の表面の少なくとも80%以上、好ましくは全体を被覆する被膜)。
本発明の医薬組成物からの活性成分の消化管からの吸収は、(1)放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒による活性成分の放出制御および(2)ゲル形成性ポリマーによる錠剤、顆粒あるいは細粒の消化管内滞留延長を利用した2種類のシステムまたはそれらの組み合わせにより調節される。本発明の医薬組成物のうち、ゲル形成性ポリマーを含有する組成物は、経口投与された場合、消化管においてゲル形成性ポリマーが急速に水分を吸収することにより、粘着性のゲルを形成してゲル表面あるいはゲル中に錠剤、顆粒あるいは細粒を保持し徐々に消化管を移動する。その間に活性成分の放出が制御され、錠剤、顆粒あるいは細粒から活性成分が連続的にあるいはパルス的に、制御された方式により放出され、結果として持続した吸収と薬効の発現が得られる。
放出を長時間にわたって制御することにより治療有効濃度の持続を可能にする上記システムは投与回数の低減のみならず、低投与量での治療の有効性および血中濃度の立ち上がりに起因する副作用の軽減などの利点を有する。
【0008】
ゲル形成性ポリマーとしては、水と接触することにより急速に高粘度のゲルを形成し、消化管内での滞留性を延長するポリマーであればよい。このようなゲル形成性ポリマーとしては、25℃における5%水溶液の粘度が約3000mPa・s以上のポリマーであるものが好ましい。また、通常ゲル形成性ポリマーが、分子量400000−10000000程度のポリマーが一般に好ましい。このようなゲル形成性ポリマーは粉末状、顆粒状ないしは細粒状のものが製剤化するうえで好適である。このようなゲル形成性ポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000)、Polyox WSR N-60K (分子量2000000)、Polyox WSR 205 (分子量600000) ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na、Sanlose F−1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC−H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなどが挙げられる。これらは単独または少なくとも2種以上の粉末を適当な比率で混合して用いてもよい。とりわけPEO、HPMC、HPC、CMC−Na、カルボキシビニルポリマーなどがゲル形成性ポリマーとして好ましく用いられる。
【0009】
活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒の好ましい1つの態様として、少なくとも1つの活性成分を含む核粒上に放出制御膜を被覆した錠剤、顆粒、細粒またはこれらの顆粒もしくは細粒を含有する錠剤があげられる。このような有核錠剤、顆粒あるいは細粒を調製するにはノンパレル(ノンパレル-101(粒径850-710、710‐500、500‐355)、ノンパレル-103(粒径850-710、710‐500、500‐355)、ノンパレル-105(粒径710‐500、500‐355、300‐180)、Freund社製)、セルフィア(CP−507(粒径500-710)、CP−305(粒径300-500)、旭化成(株)製)などの不活性担体を核として、その上に活性成分をコーティングした錠剤、顆粒あるいは細粒またはこれらの顆粒もしくは細粒を用いて調製した錠剤、あるいは活性成分と通常製剤化に用いられる賦形剤を用いて造粒することにより得られた粒子を核粒として用いることができる。例えば特開昭63−301816に記載の方法によって製造することができる。例えば、不活性担体の核上に活性成分をコーティングすることにより核粒を得る場合には、例えば遠心転動造粒機(CF−mini、CF−360、Freund社製)あるいは転動造粒装置(パウレック MP−10)などを用い湿式造粒により活性成分含有核粒を調製することができる。また結合剤等を含む溶液を不活性担体の核上に噴霧等にて添加しながら活性成分を散布してコーティングしてもよい。製造装置は限定されないが、例えば、後者のコーティングにおいては遠心転動造粒装置等を用いて製造するのが好ましい。上記の2種の装置によるコーティングを組み合わせて実施して活性成分を2段階でコーティングしてもよい。不活性担体核を用いない場合には、乳糖、白糖、マニトール、コーンスターチ、結晶セルロースなどの賦形剤と活性成分をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、マクロゴール、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などの結合剤を用い、必要ならばカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC International社製)、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤を加えて撹拌造粒機、湿式押し出し造粒機、流動層造粒機などで製造することにより得られる。
得られた顆粒あるいは細粒は篩い分け操作により所望の大きさの粒子を得ることができる。ローラーコンパクターなどによる乾式造粒により核粒を調製してもよい。粒子の大きさとしては50μmから5mm、好ましくは100μmから3mm、さらに好ましくは100μmから2mmの粒子が用いられる。
【0010】
このようにして得られた活性成分含有核粒にさらにコーティングを施して中間被覆層を設けて、このような粒子を核粒としてもよい。主薬が、例えば、PPIなど酸に対して不安定な薬物である場合など、中間被覆層を設けて活性成分含有核粒と放出制御膜との直接の接触を遮断することは、薬剤の安定性の向上を図る上で好ましい。このような中間被覆層は複数の層で形成されていてもよい。
中間被覆層用のコーティング物質としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、TC-5等)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの高分子基剤に、ショ糖〔精製白糖(粉砕したもの(粉糖)や粉砕しないもの)等〕、コーンスターチなどの澱粉糖、乳糖、蜂蜜および糖アルコール(D−マンニトール,エリスリトールなど)等の糖類を適宜配合したものなどが挙げられる。中間被覆層には、この外にも下記する製剤化を行うため必要により添加される賦形剤(例、隠蔽剤(酸化チタン等)、静電気防止剤(酸化チタン、タルク等))を適宜加えてもよい。
中間被覆層の被覆量は、主薬を含有する顆粒1重量部に対して、通常、約0.02重量部〜約1.5重量部、好ましくは約0.05〜約1重量部である。被覆は常法によって行える。例えば,これらの中間層被覆層成分を精製水などで希釈し、液状として散布して被覆するのが好ましい。その際、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を噴霧しながら行うのが好ましい。
【0011】
本発明の医薬組成物が含有する放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒としては、このような核粒上に、pH依存的に溶解/溶出し、放出を制御するコーティング物質を被覆して放出制御被膜を設けた錠剤、顆粒あるいは細粒またはこれらの放出制御顆粒もしくは細粒を含有する錠剤にするのが好ましい。ここで、「pH依存的」とは、一定のpH以上の環境で溶解/溶出し、活性成分を放出することをいう。通常の腸溶コーティングではpH5.5程度で溶出し、薬物の放出が開始するが、本発明のコーティング物質としては、より高いpH(好ましくはpH6.0以上7.5以下、より好ましくはpH6.5以上7.2未満のpH)で溶出し、胃での薬物放出をより抑制する物質が好ましい。
このような医薬活性成分の放出をpH依存的に制御するためのコーティング物質としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55, HP−50、信越化学(株)製)、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100(メタクリル酸コポリマーL)もしくはEudragitS100(メタクリル酸コポリマーS)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100−55(乾燥メタクリル酸コポリマーLD)もしくはEudragitL30D−55(メタクリル酸コポリマーLD)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS 信越化学(株)製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどのポリマーが用いられる。活性成分の放出条件が異なる2種類以上の放出制御被膜を有する錠剤、顆粒または細粒としてもよく、上記したコーティング物質としてのポリマーを単独で、あるいは少なくとも2種以上のポリマーを組み合わせてコーティングしてもよく、または少なくとも2種以上のポリマーを順次コーティングして多層にしてもよい。好ましくはpH>6.0以上、より好ましくはpH>6.5、さらに好ましくはpH6.75以上で溶解するように、コーティング物質を単独であるいは必要により組み合わせて用いるのが望ましい。また、pH6.0以上で溶解するポリマーとpH7.0以上で溶解するポリマーを組み合わせて用いるのがより望ましく、pH6.0以上で溶解するポリマーとpH7.0以上で溶解するポリマーを1:0.5−1:5の割合で組み合わせて用いるのがさらに望ましい。
さらにコーティングには必要に応じてポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチルなどの可塑剤、安定化剤などを用いてもよい。コーティング物質の量は核粒に対して5%−200%、好ましくは20%−100%、より好ましくは30%−60%が望ましい。このようにして得られた活性成分放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒からの活性成分の溶出はpH6.0液中での溶出率が5時間で10%以下、pH6.8液中での溶出率が1時間で5%以下でかつ8時間で60%以上であることが望ましい。
このようにして得られた活性成分放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒上に、ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000)、Polyox WSR N-60K (分子量2000000)、Polyox WSR 205 (分子量600000) ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na、Sanlose F−1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC−H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなど水と接触することにより粘性を生じる物質を被覆した錠剤、顆粒あるいは細粒を放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒(以下単に放出制御顆粒と称することがある)としてもよい。
【0012】
放出制御顆粒としては、活性成分を含有する核粒上に、拡散により活性成分放出を制御する作用を奏する拡散制御膜でコーティングを施す形態にしてもよい。このような拡散制御膜としてはアクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(Eudragit RS (アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS)もしくは Eudragit RL(アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRL)、Rohm社製)、メタクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit NE30D、Rohm社製)、エチルセルロースなどが挙げられる。またこれらの膜は適当な比率で混合してもよく、HPMC、HPC、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール6000、乳糖、マニトール、有機酸などの親水性ポア形成物質と一定の比率で混合して用いることもできる。
【0013】
さらに一定のラグタイム後に活性成分が放出されるように制御した錠剤、顆粒あるいは細粒を得るには、上記の拡散制御膜をコーティングする前に、崩壊剤等の膨潤性物質をあらかじめコーティングして活性成分含有核粒と放出制御被膜との間に崩壊剤層を設ける。例えば、活性成分を含む核粒上にクロスカルメロースナトリウム (Ac−Di−Sol、FMC International社製)、カルメロースカルシウム(ECG505、五徳薬品製)、クロスポビドン(ISP Inc)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC、信越化学(株)製)などの膨潤性物質を1次コーティングし、さらにアクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(Eudragit RS もしくはEudragit RL、Rohm社製)、メタクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit NE30D、Rohm社製)、エチルセルロースなどを単独もしくは混合して、さらにはHPMC、HPC、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール6000、乳糖、マニトール、有機酸などの親水性ポア形成物質と一定の比率で混合した拡散制御膜を2次コーティングするのが好ましい。このような2次コーティング物質としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55, HP−50、信越化学(株)製)、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100(メタクリル酸コポリマーL)もしくはEudragitS100(メタクリル酸コポリマーS)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100−55(乾燥メタクリル酸コポリマーLD)もしくはEudragitL30D−55(メタクリル酸コポリマーLD)、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS 信越化学(株)製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどのpH依存的に活性成分を放出する腸溶性ポリマーでもよい。コーティング物質の量は核粒に対し1%−200%、好ましくは20%−100%、より好ましくは30%−60%が望ましい。
【0014】
さらにコーティングには必要に応じてポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチルなどの可塑剤、安定化剤などを用いてもよい。このようにして得られた活性成分放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒上に、ポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000)、Polyox WSR N-60K (分子量2000000)、Polyox WSR 205 (分子量600000) ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na、Sanlose F−1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC−H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなど水と接触することにより粘性を生じる物質を被覆した錠剤、顆粒あるいは細粒を放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒としてもよい。
【0015】
活性成分の放出条件が異なる2種類以上の放出制御膜を有する錠剤、顆粒、細粒において、該放出制御被膜間に活性成分を含有する層を設けてもよい。このような放出制御被膜間に活性成分を含む多層構造の態様として、本発明の放出制御被膜により活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒上に活性成分をコーティングし、その後本発明の放出制御被膜をさらにコーティングした錠剤、顆粒または細粒が挙げられる。
【0016】
少なくとも1つの活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒または細粒のもう1つの形態としては、活性成分が放出制御性マトリックス中に分散した錠剤、顆粒あるいは細粒であってもよい。このような放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒は、硬化ヒマシ油、硬化ナタネ油、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどのワックス類やポリグリセリン脂肪酸エステルなどの疎水性担体中に活性成分を均一に分散させることによって製造することができる。マトリックスとは担体中に活性成分が均一に分散している組成物のことであり、必要ならば、製剤調製に一般的に用いられる乳糖、マニトール、コーンスターチ、結晶セルロースなどの賦形剤を活性成分とともに分散させてもよい。さらにこのマトリックス中に活性成分、賦形剤とともに水と接触することにより粘性のゲルを生じるポリオキシエチレンオキサイド、架橋型アクリル酸ポリマー(ハイビスワコー(R)103,104,105、カーボポール)、HPMC、HPC、キトサンなどの粉末を分散させてもよい。
調製方法としては、スプレードライ、スプレーチリング、熔融造粒などの方法により調製することができる。
このようにして得られた活性成分放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒上に、ポリエチレンオキサイドポリエチレンオキサイド(PEO、例えばPolyox WSR303 (分子量7000000)、Polyox WSR Coagulant (分子量5000000)、Polyox WSR 301 (分子量4000000)、Polyox WSR N-60K (分子量2000000)、Polyox WSR 205 (分子量600000) ; Dow Chemical社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Metlose 90SH10000、Metlose 90SH50000、Metlose 90SH30000 、信越化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース(CMC−Na、Sanlose F−1000MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、例えばHPC−H、日本曹達(株)製)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシビニルポリマー(ハイビスワコー(R)103、104、105、和光純薬(株)製;カーボポール943、Goodrich社製)、キトサン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなど水と接触することにより粘性を生じる物質を被覆した錠剤、顆粒あるいは細粒を放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒としてもよい。このような水と接触することにより粘性を生じる物質を被覆に用いる他にさらにカプセル剤等の同一製剤中に共存させてもよい。
本発明の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒は上記したような各種の放出制御性膜や放出制御性マトリックスなどを組み合わせて有する形態にしてもよい。
活性成分の放出が制御された錠剤、顆粒あるいは細粒の大きさとしては、50μmから5mm、好ましくは100μmから3mm、さらに好ましくは100μmから2mmの粒子が用いられる。最も好ましくは約100−1500μmの細粒や顆粒である。
【0017】
さらに製剤化を行うための賦形剤(例えば、ぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなど)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、部分α化デンプン、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末、ゼラチンなど)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチなど)、矯味剤(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5'−イノシン酸ナトリウム、5'−グアニル酸ナトリウムなど)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、香料(例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油など)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、蔗糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールなど)、着色剤(例えば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄など)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウムなど)、隠蔽剤(例えば、酸化チタンなど)、静電気防止剤(例えば、タルク、酸化チタンなど)などの添加剤を用いることができる。
これらに用いられる原料の粒子径については特に制限がないが、製造性や服用性の観点から約500μm以下の粒子が好ましい。
【0018】
このようにして得られた錠剤、顆粒あるいは細粒は、消化管滞留性のゲル形成性ポリマーと混合して、そのまま投与してもよく、あるいはカプセルに充填することによりカプセル剤とすることもできる。放出制御錠剤、顆粒あるいは細粒に対する消化管滞留性ゲル形成性ポリマーの量は0.1%−100%、好ましくは2%−50%、より好ましくは10%−40%、さらに好ましくは10%−35%が望ましい。
このようにして得られる本発明の医薬組成物は、少なくとも6時間、好ましくは8時間、より好ましくは12時間、さらに好ましくは16時間の間、治療効果を発揮するような放出制御システムによる薬効持続性の組成物である。
【0019】
活性成分としては特に制限されるものではなく、薬効領域にかかわらず適用することができる。インドメタシン、アセトアミノフェンなどの抗炎症薬、モルヒネなどの鎮痛剤、ジアゼパム、ジルチアゼムなどの心血管系作用薬、クロルフェニラミンマレアートなどの抗ヒスタミン薬、フルオロウラシル、アクラルビシンなどの抗腫瘍薬、ミダゾラムなどの催眠薬、エフェドリンなどの抗鬱血薬、ハイドロクロロサイアザイド、フロセミドなどの利尿薬、テオフィリンなどの気管支拡張薬、コデインなどの鎮咳薬、キニジン、ジゾキシンなどの抗不整脈薬、トルブタマイド、ピログリタゾン、トログリタゾンなどの抗糖尿病薬、アスコルビン酸などのビタミン類、フェニトインなどの抗痙攣薬、リドカインなどの局所麻酔薬、ヒドロコルチゾンなどの副腎皮質ホルモン、エーザイなどの中枢神経に作用する薬、プラバスタチンなどの抗高脂血症薬、アモキシシリン、セファレキシンなどの抗生物質、モサプリド、シサプリドなどの消化管運動促進薬、胃炎、胃食道逆流症、胃・十二指腸潰瘍の治療薬であるファモチジン、ラニチジン、シメチジンなどのHブロッカーおよびランソプラゾールおよびその光学活性体(R体およびS体、好ましくはR体(以下、化合物Aと称することがある))、オメプラゾールおよびその光学活性体(S体:エスオメプラゾール)、ラベプラゾールおよびその光学活性体、パントプラゾールおよびその光学活性体などで代表されるベンズイミダゾール系プロトンポンプインヒビター(PPI)およびテナトプラゾールなどで代表されるイミダゾピリジン系PPIなどが例として挙げられる。
【0020】
本発明によれば、とりわけ、ランソプラゾールとその光学活性体等の下記一般式(I’)で表される酸に不安定なイミダゾール系化合物、とりわけ(I)で表される酸に不安定なベンズイミダゾール系化合物、または後記一般式(II)、(III)で表される比較的酸に安定なイミダゾール系化合物誘導体(プロドッラグタイプPPI)もしくはそれらの塩またはそれらの光学活性体であるPPIなどを活性成分として用いた製剤等は、すぐれた薬効の持続性を発揮する。この結果服用コンプライアンスも向上し、治療効果が増す。
【化4】
式中、環C’は置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環を、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基を、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を、およびYは窒素原子またはCHを示す。
上記式(I’)で表される化合物のうち、特に、環C’が置換基を有していてもよいベンゼン環である化合物については下記式(I)で表す。
【化5】
すなわち、式(I)中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R、R、R、RおよびYは上記式(I’)におけると同意義である。
前記式(I)において、好ましい化合物は、環Aが、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-4アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1-4アルコキシ基および5または6員複素環基から選ばれた置換基を有していてもよいベンゼン環であり、Rは水素原子、置換されていてもよいアラルキル基、アシル基またはアシルオキシ基であり、RがC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基であり、Rが水素原子、C1−6アルコキシ−C1‐6アルコキシ基またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基であり、Rが水素原子またはC1−6アルキル基であり、Yが窒素原子である化合物である。
特に好ましくは、式(Ia):
【化6】
〔式中、RはC1−3アルキル基またはC1−3アルコキシ基、Rはハロゲン化されているかまたはC1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基、Rは水素原子またはC1−3アルキル基、Rは、水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基またはピロリル基(例えば、1‐,2−または3−ピロリル基)を示す〕で表される化合物である。
式(Ia)において、RがC1−3アルキル基、Rがハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基、Rが水素原子、Rが水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1−3アルコキシ基である化合物が特に好ましい。
【0021】
上記式(I)で表される化合物〔以下、化合物(I)と称する〕中、環Aで示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシ基、アシル基、アシルオキシ基、5ないし10員複素環基などが挙げられ、これらの置換基はベンゼン環に1ないし3個程度置換していてもよい。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。これらの置換基のうち、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基などが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子などが挙げられる。なかでもフッ素が好ましい。
「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、例えば、C1−7アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル基など)が挙げられる。「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等)、カルバモイル基などで例示でき、これらの置換基の数は1ないし3個程度であってもよい。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
「置換基を有していてもよいアルコキシ基」の「アルコキシ基」としては、例えば、C1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ等)などが挙げられる。「置換基を有していてもよいアルコキシ基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」と同様のものが例示でき、置換基の置換数も同様である。
「アリール基」としては、例えば、C6−14アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル、2−アンスリル基等)などが挙げられる。
「アリールオキシ基」としては、例えば、C6−14アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ基等)などが挙げられる。
「アシル基」としては、例えば、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル基などが挙げられる。
「アルキルカルボニル基」としては、C1−6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル基等)などが挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル基等)などが挙げられる。
「アルキルカルバモイル基」としては、N−C1−6アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル基等)、N,N−ジC1−6アルキル−カルバモイル基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル基等)などが挙げられる。
「アルキルスルフィニル基」としては、例えば、C1−7アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル基等)が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」としては、例えば、C1−7アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル基等)が挙げられる。
「アシルオキシ基」としては、例えば、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルカルバモイルオキシ基、アルキルスルフィニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基などが挙げられる。
「アルキルカルボニルオキシ基」としては、C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、例えばC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルキルカルバモイルオキシ基」としては、C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ基等)などが挙げられる。
「アルキルスルフィニルオキシ基」としては、例えばC1−7アルキルスルフィニルオキシ基(例えば、メチルスルフィニルオキシ、エチルスルフィニルオキシ、プロピルスルフィニルオキシ、イソプロピルスルフィニルオキシ基等)が挙げられる。
「アルキルスルホニルオキシ基」としては、例えばC1−7アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ基等)が挙げられる。
「5ないし10員複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば、1〜3個)を含む5ないし10員(好ましくは5または6員)複素環基が挙げられ、具体例としては、2−または3‐チエニル基、2−、3−または4‐ピリジル基、2−または3‐フリル基、1‐、2−または3−ピロリル基、2−、3‐、4‐、5−または8−キノリル基、1‐、3‐、4−または5−イソキノリル基、1‐、2−または3−インドリル基などが挙げられる。このうち好ましくは1‐、2−または3−ピロリル基などの5または6員複素環基である。
好ましくは環Aは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルコキシ基および5または6員複素環基から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンゼン環である。
【0022】
上記式(I’)において、環C’で表される「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の芳香族単環式複素環等が挙げられる。これらC’環で示される「芳香族単環式複素環」としては、とりわけ、上記した環Aで示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と「置換基を有していてもよいピリジン環」が好ましい。C’環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」は、上記環Aで示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。
「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」がイミダゾール部分と縮合する位置に特に限定はない。
【0023】
上記式(I’)または(I)において、Rで示される「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」としては、例えば、C7−16アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチルなどのC6−10アリールC1−6アルキル基等)などが挙げられる。「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」と同様の置換基が例示でき、置換基の数は1ないし4個程度である。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
で示される「アシル基」としては、例えば、上記環Aの置換基として記載した「アシル基」が挙げられる。
で示される「アシルオキシ基」としては、例えば、上記環Aの置換基として記載した「アシルオキシ基」が挙げられる。
好ましいRは水素原子である。
上記式(I’)または(I)において、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」としては、上記環Aの置換基として記載した「置換基を有していてもよいアルキル基」が挙げられる。
、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアルコキシ基」としては、上記環Aの置換基として記載した「置換基を有していてもよいアルコキシ基」が挙げられる。
、RまたはRで示される「置換基を有してもよいアミノ基」としては、例えば、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ等)、モノ−C6−14アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、ジーC1−6アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、ジ−C6−14アリールアミノ基(例えば、ジフェニルアミノ等)などが挙げられる。
好ましいRは、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基である。さらに好ましいRはC1−3アルキル基またはC1−3アルコキシ基である。
好ましいRは、水素原子、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基である。さらに好ましいRはハロゲン化されているかまたはC1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC1−3アルコキシ基である。
好ましいRは、水素原子またはC1−6アルキル基である。さらに好ましいRは水素原子またはC1−3アルキル基(特に水素原子)である。
好ましいYは窒素原子である。
【0024】
化合物(I)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾール(ランソプラゾール)、2−[[(3,5−ジメチルー4−メトキシ−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]‐5‐メトキシ−1H−ベンズイミダゾール、2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール・ナトリウム塩、5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールなど。
これらの化合物のうち、特にランソプラゾールすなわち2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールが好ましい。
上記した、ベンズイミダゾール系化合物のPPIのほかにイミダゾピリジン系化合物のPPIも本発明が好適に適用される。このようなイミダゾピリジン系化合物のPPIとしては、例えば、テナトプラゾールが挙げられる。
なお、上記化合物(I)やイミダゾピリジン系化合物を含む化合物(I’)は、ラセミ体であってもよく、R−体、S−体などの光学活性体であってもよい。例えば、ランソプラゾールの光学活性体、すなわち(R)−2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールおよび(S)−2−[[[3‐メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールなどの光学活性体が特に本発明に好適である。尚、ランソプラゾール、ランソプラゾールR体およびランソプラゾールS体等は通常結晶が好ましいが、後記するように製剤化すること自体で安定化されることに加え、塩基性無機塩を配合し、さらに中間被膜層を設けることにより、より安定化されるので、結晶のみならず非晶形のものも用いることができる。
【0025】
化合物(I’)および化合物(I)の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、アルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、複素環式アミン(ピリジン、ピコリンなど)、アルカノールアミン(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
これらの塩のうち好ましくは、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である。とりわけナトリウム塩が好ましい。
【0026】
化合物(I’)または(I)は、自体公知の方法により製造でき、例えば、特開昭61‐50978号、米国特許4,628,098、特開平10195068号、WO 98/21201、特開昭52−62275号、特開昭54−141783号等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。なお、光学活性な化合物(I)は、光学分割法(分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法、微生物または酵素を用いる方法など)不斉酸化などの方法で得ることができる。また、ランソプラゾールR体は、例えばWO 00−78745、WO 01/83473等に記載の製造法などに従い製造することもができる。
【0027】
本発明で用いる抗潰瘍作用を有するベンズイミダゾール系化合物としては、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、レミノプラゾール、テナトプラゾール(TU−199)などまたはそれらの光学活性体ならびにそれらの薬学的に許容される塩が好ましく、さらに好ましくはランソプラゾールまたはその光学活性体特にR体が好ましい。ランソプラゾールまたはその光学活性体特にR体は、結晶形が好ましいが非晶形であってもよい。また、これらPPIのプロドラッグにも好都合に適用される。
【0028】
これらのプロドラッグの好ましいものとして、化合物(I)または(I’)に含まれるプロドラッグに加え下記一般式(II)および(III)で表される化合物が挙げられる。
【化7】
上記式(II)で表される化合物〔以下、化合物(II)と称する〕において、B環は「置換基を有していてもよいピリジン環」を示す。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」のピリジン環はその置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3−メトキシプロポキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)等が挙げられる。
【0029】
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」の置換基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし11のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられ、置換基の数および置換位置に特に限定はない。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」の置換基の数および置換位置に特に限定はないが、1ないし3個の上記置換基がピリジン環の3、4、および5位のいずれかに置換しているのが好ましい。
B環で示される「置換基を有していてもよいピリジン環」としては、3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジルが好ましい。
【0030】
本発明において、C環はイミダゾール部分と縮合する「置換基を有していてもよいベンゼン環」または「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」を示し、なかでも前者が好ましい。
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の該ベンゼン環はその置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、低級アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)等が挙げられる。
【0031】
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の置換基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし17のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられ、置換基の数および置換位置に特に限定はない。
C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」としては、ベンゼン環が好ましい。
【0032】
C環で示される「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の芳香族単環式複素環等が挙げられる。これらC環で示される「芳香族単環式複素環」としては、とりわけ、ピリジン環が好ましい。C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。
「置換基を有していてもよい芳香族単環式複素環」の「芳香族単環式複素環」がイミダゾール部分と縮合する位置に特に限定はない。
本発明において、X1、X2はそれぞれ酸素原子または硫黄原子を示す。X1およびX2がともに酸素原子を示す場合が好ましい。
【0033】
本発明において、Wは「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」、あるいは式:
【化8】
(式中、W1、W2はそれぞれ「二価の鎖状炭化水素基」または結合手を示し、Zは「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」、「置換基を有していてもよい二価の複素環基」、酸素原子、SOn(式中、nは0、1または2を示す)または>N−E(式中、Eは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、チオカルバモイル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、スルファモイル基、モノ−低級アルキルスルファモイル基、ジ−低級アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基を示す)を示し、Zが酸素原子、SOnまたは>N−Eである場合、W1、W2はそれぞれ「二価の鎖状炭化水素基」を示す)で表わされる二価の基を示す。なかでも、Wとしては「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」が好ましい。
Wで示される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」および、W1、W2で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、例えば、C1-6アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン等)、C2-6アルケニレン基(例えば、エテニレン等)、C2-6アルキニレン基(例えば、エチニレン等)等が挙げられる。Wの二価の鎖状炭化水素基は、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし6個有していてもよい。
Wで示される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」および、W1、W2で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、メチレン基、エチレン基が好ましい。Wとしては、エチレン基が特に好ましい。Zが酸素原子、SOnまたは>N−E(n及びEは前義の通り)のとき、W1で示される「二価の鎖状炭化水素基」としては、炭素数2以上の炭化水素基が好ましい。
【0034】
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「炭化水素環」としては、例えば、脂環式炭化水素環および芳香族炭化水素環等が挙げられ、炭素数3ないし16のものが好ましく、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。炭化水素環としては、例えば、シクロアルカン、シクロアルケンおよびアレーン等が用いられる。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「シクロアルカン」としては、例えば、低級シクロアルカン等が好ましく、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびアダマンタン等のC3-10シクロアルカン等が汎用される。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「シクロアルケン」としては、例えば低級シクロアルケンが好ましく、例えばシクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のC4-9シクロアルケン等が汎用される。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「アレーン」としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン等のC6-14アレーン等が好ましく、例えばフェニレン等が汎用される。
【0035】
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「複素環」としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む、5〜12員の「芳香族複素環」あるいは「飽和または不飽和の非芳香族複素環」等が挙げられ、C環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」と同様の置換基をその置換可能な位置に1ないし4個有していてもよい。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「芳香族複素環」としては、芳香族単環式複素環または芳香族縮合複素環等が挙げられる。
該「芳香族単環式複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の芳香族単環式複素環等が挙げられる。
該「芳香族縮合複素環」としては、例えば、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、フェノキサチイン、チアントレン、フェナントリジン、フェナントロリン、インドリジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジン等の8〜12員の芳香族縮合複素環等が挙げられる。
【0036】
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「飽和または不飽和の非芳香族複素環」としては、例えば、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキセパン、チエン、オキサゼパン、チアゼパン、アゾカン、オキソカン、チオカン、オキサゾカン、チアゾカン等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環(脂肪族複素環)などが挙げられる。これらは、オキソ置換されていてもよく、例えば、2−オキソアゼチジン、2−オキソピロリジン、2−オキソピペリジン、2−オキソアゼパン、2−オキソアゾカン、2−オキソテトラヒドロフラン、2−オキソテトラヒドロピラン、2−オキソテトラヒドロチオフェン、2−オキソチアン、2−オキソピペラジン、2−オキソオキセパン、2−オキソオキサゼパン、2−オキソチエパン、2−オキソチアゼパン、2−オキソオキソカン、2−オキソチオカン、2−オキソオキサゾカン、2−オキソチアゾカン等でもよい。
Zで示される「置換基を有していてもよい二価の炭化水素環基」の「炭化水素環基」あるいは「置換基を有していてもよい二価の複素環基」の「複素環基」からの2本の結合手は可能な位置であればどこでもよい。
【0037】
Eで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、後述で定義する通りである。
Eで示される「低級アルカノイル基」として、例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルコキシカルボニル基」として、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「アラルキルオキシカルボニル」として、例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルキルスルフィニル基」として、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等が用いられる。
Eで示される「低級アルキルスルホニル基」として、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等が用いられる。
Eで示される「モノ−低級アルキルスルファモイル基」として、例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「ジ−低級アルキルスルファモイル基」として、例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルファモイル基」として、例えば、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル等のC6-10アリールスルファモイル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルフィニル基」として、例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等が用いられる。
Eで示される「アリールスルホニル基」として、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等が用いられる。
Eで示される「アリールカルボニル基」として、例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール−カルボニル基等が用いられる。
Eで示される「置換基を有していてもよいカルバモイル基」として、例えば、式−CONR23(式中、R2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していてもよい複素環基を示す。また、式−CONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基等が用いられる。
【0038】
本発明において、Rは「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」を示し、また、RはWと結合することができ、なかでも、置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、とりわけ低級(C1-6)アルキル基が好ましい。Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、後述で定義する通りである。また、RがWと結合する場合については後述にて詳説する。
【0039】
本発明において、D1、D2は、それぞれ、結合手、酸素原子、硫黄原子または>NR1を示し、式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。ただし、本発明においては、D1とD2がともに結合手である場合は除かれる。なかでも、D1、D2がそれぞれ結合手または酸素原子であるのが好ましく、特に、D1が酸素原子であり、かつD2が酸素原子または結合手であるのが好ましい。R1で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、後述で定義する通りである。
【0040】
本発明において、Gは「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」を示し、なかでも置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、または置換基を有していてもよく、環構成原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する飽和複素環基が好ましい。とりわけ、Gとしては、置換基を有していてもよいC1-6炭化水素基、または置換基を有していてもよく、環構成原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子をさらに1ないし3個含有していてもよい飽和含酸素複素環基が好ましい。Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」または「置換基を有していてもよい複素環基」は、下記に定義する通りである。
【0041】
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式−脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族−飽和または不飽和の脂環式炭化水素基等が挙げられ、好ましくは炭素数1ないし16、より好ましくは炭素数1ないし6のものが挙げられる。具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルケニルアルキル基、アリール基およびアリールアルキル基等が用いられる。
「アルキル基」は、例えば、低級アルキル基(C1-6アルキル基)等が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル基等が汎用される。Rにおいては低級アルキル基(C1-6アルキル基)が好ましく、特にメチル基が好ましい。
「アルケニル基」は、例えば、低級アルケニル基等が好ましく、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニルおよび2,2−ジメチル−ペント−4−エニル等のC2-7アルケニル基等が汎用される。
「アルキニル基」は、例えば、低級アルキニル基等が好ましく、例えばエチニル、プロパルギルおよび1−プロピニル等のC2-6アルキニル基等が汎用される。
「シクロアルキル基」は、例えば、低級シクロアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルおよびアダマンチル等のC3-10シクロアルキル基等が汎用される。
「シクロアルケニル基」は、例えば、低級シクロアルケニル基等が好ましく、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル等のC3-10シクロアルケニル基等が汎用される。
「シクロアルキルアルキル基」は、例えば、低級シクロアルキルアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチル等のC4-9シクロアルキルアルキル基等が汎用される。
「シクロアルケニルアルキル基」は、例えば、低級シクロアルケニルアルキル基等が好ましく、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキセニルプロピル、シクロヘプテニルメチル、シクロヘプテニルエチルおよびビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル等などのC4-9シクロアルケニルアルキル等が汎用される。
「アリール基」は、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルおよび2−アンスリル等のC6-14アリール基等が好ましく、例えばフェニル基等が汎用される。
「アリールアルキル基」は、アリール部分としては上記で定義した「アリール基」を有し、アルキル部分としては上記で定義した「アルキル基」を有する。なかでも、例えば、C6-14アリール−C1-6アルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、フェネチル等が汎用される。
【0042】
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等のモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-6アルキル基等)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、クロロメチルオキシ、ジクロロメチルオキシ、トリクロロメチルオキシ、フルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、2−ブロモエチルオキシ、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ、ペンタフルオロエチルオキシ、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ、4,4,4−トリフルオロブチルオキシ、5,5,5−トリフルオロペンチルオキシ、6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシ等のモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-6アルコキシ基等)、低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カルボニル基等)、チオカルバモイル基、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、スルファモイル基、モノ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、ジ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイル基等)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル等のC6-10アリールスルファモイル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキシ基等)、ハロゲン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニルアミノ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、式−CONR23(式中、R2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していてもよい複素環基を示す。また、式−CONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、式−NR23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す。また、式−NR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいウレイド基(例えば、式−NHCONR23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す。また、式−NHCONR23において、R2とR3は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表わされる基)、置換基を有していてもよいカルボキサミド基(例えば、式−NR2COR3(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す)で表わされる基)、置換基を有していてもよいスルホンアミド基(例えば、式−NR2SO23(式中、R2およびR3は前記と同意義を示す)で表わされる基)、置換基を有していてもよい複素環基(R2およびR3で示されるものと同意義である)等が用いられる。
2およびR3における「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、シクロアルケニル基(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等の炭素数3ないし8のシクロアルケニル基等)、シクロアルキルアルキル基(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル−炭素数1ないし6のアルキル基等)、シクロアルケニルアルキル基(例えば、シクロブテニルメチル、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル基等の炭素数3ないし8のシクロアルケニル−炭素数1ないし6のアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、ナフチルメチル基等の炭素数6ないし14のアリール−炭素数1ないし6のアルキル基等)等が挙げられる。
2およびR3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、ピリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、2−オキソアゼピニル、フリル、デカヒドロイソキノリル、キノリニル、インドリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、モルホリニル等の窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれた1〜2種のヘテロ原子1〜4個を含有する、5〜12員の、単環式または縮合複素環基等が挙げられる。R2およびR3における「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基としては、それぞれ、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル基等の炭素数1ないし6のアルキル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル基等の炭素数2ないし6のアルケニル基等)、低級アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3ないし8のシクロアルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等の炭素数1ないし6のアルコキシ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、低級アルカノイル基(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等の炭素数1ないし6のアルキル−カルボニルオキシ基等)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等の炭素数1ないし6のアルコキシ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数7ないし17のアラルキルオキシ−カルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6ないし14のアリール基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリールオキシ基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニル基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基等の炭素数6ないし14のアリール−カルボニルオキシ基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えば、アミノ;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1ないし6のアルキル基でモノ−置換ないしジ−置換されたアミノ基等)等が挙げられる。置換基の数および位置に特に限定はない。
2とR3が隣接する窒素原子とともに形成する環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、モルホリン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等が挙げられる。
上記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、それぞれ前記の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1〜3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0043】
上記E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし3個)含む、5〜12員の、芳香族複素環基あるいは飽和または不飽和の非芳香族複素環基等が挙げられる。Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、上述のように、環原子として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれるヘテロ原子1ないし4個、さらに好ましくは1ないし3個含む飽和含酸素複素環基等が好ましく、とりわけ5〜12員の、飽和含酸素複素環基等が好ましい。
【0044】
該「芳香族複素環基」としては、芳香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基等が挙げられる。
「芳香族単環式複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5ないし6員の芳香族単環式複素環基等が挙げられる。
「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル等の8〜12員の芳香族縮合複素環基(好ましくは、前記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン環と縮合した複素環または前記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基の同一または異なった複素環2個が縮合した複素環)等が挙げられる。
【0045】
該「飽和または不飽和の非芳香族複素環基」としては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、アゾカニル、オキソカニル、チオカニル、オキサゾカニル、チアゾカニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)などが挙げられる。これらは、オキソ置換されていてもよく、例えば、2−オキソアゼチジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソアゾカニル、2−オキソテトラヒドロフリル、2−オキソテトラヒドロピラニル、2−オキソチオラニル、2−オキソチアニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソオキセパニル、2−オキソオキサゼパニル、2−オキソチエパニル、2−オキソチアゼパニル、2−オキソオキソカニル、2−オキソチオカニル、2−オキソオキサゾカニル、2−オキソチアゾカニル等が挙げられる。好ましくは2−オキソピロリジニル等の5員非芳香族複素環基である。
【0046】
上記E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例えば、前記E、R、R1、Gで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のもの等が用いられる。
E、R、Gで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」は、それぞれ前記の置換基を、複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1〜3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0047】
本発明化合物において、RがWと結合する場合について説明する。RとWが結合する場合、RとWが結合する位置は、それぞれRおよびWにおける結合可能な位置であれば特に限定はない。
Rにおける結合可能な位置としては、上記Rで定義される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」および「置換基」における結合可能な位置、ならびに上記Rで定義される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」および「置換基」における結合可能な位置が挙げられる。
Wにおける結合可能な位置としては、上記Wで定義される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の「二価の鎖状炭化水素基」における結合可能な位置、上記W1、W2で定義される「二価の鎖状炭化水素基」における結合可能な位置、ならびに上記Z環で定義される「置換基を有していてもよい炭化水素環」の「炭化水素環」における結合可能な位置および上記Z環で定義される「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環」における結合可能な位置が挙げられる。
RとWは互いの結合可能な位置で結合し、隣接する窒素原子と一緒になって環を形成し得る。該環としては、例えば、飽和含窒素環(例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン等)、不飽和含窒素環(例えば、テトラヒドロピリジン等)、芳香族含窒素環(例えば、ピロール等)、RおよびWが隣接している窒素原子以外に窒素、酸素、硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含むヘテロ環(例えば、ピペラジン、モルホリン等)、縮合環(例えば、インドール、インドリン、イソインドール、イソインドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等)等が挙げられる。なかでも4〜7員環が好ましい。
RとWが互いの結合可能な位置で結合し、隣接する窒素原子と一緒になって形成する環は、その置換可能な位置に1ないし4個の置換基を有していてもよい。置換基数が2以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。置換基としては、Rで定義される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基、ならびにWで定義される「置換基を有していてもよい二価の鎖状炭化水素基」の置換基が挙げられる。具体的には、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−エチルプロピルおよびヘキシル等のC1-6アルキル基等の置換基が挙げられる。
【0048】
RとWが結合することによって例えば、
【化9】
等が形成されるがこれらに限定されない。これらは、上記で定義するように置換基を有していてもよく、また、異性体を含み得ることは当業者に理解されるべきである。
本発明において、Xは、例えば、ハロゲン原子、ベンゾトリアゾリル基、(2,5−ジオキシピロリジン−1−イル)オキシ基等の脱離基を示し、中でもフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が好ましく、塩素が特に好ましい。
【0049】
本発明において、Mは水素原子、金属陽イオンまたは第4級アンモニウムイオンを示す。
本発明における「金属陽イオン」としては、アルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+、Li+、Cs+など)が挙げられ、中でもNa+が好ましい。
本発明における「第4級アンモニウムイオン」としては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが挙げられ、中でもテトラブチルアンモニウムイオンが好ましい。
【0050】
化合物(II)では、分子中の酸性基と無機塩基または有機塩基等とが薬理学的に許容され得る塩基塩を形成することができ、また分子中の塩基性基と無機酸または有機酸等とが薬理学的に許容され得る酸付加塩を形成することができる。
化合物(II)の無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等が、また化合物(II)の有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との塩等が挙げられる。
【0051】
化合物(II)の酸付加塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等が挙げられる。
本発明の化合物(II)としては、水和物を包含している。該「水和物」としては、0.5水和物〜5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和物、1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物が好ましい。
【0052】
本発明の化合物(II)としては、ラセミ体および光学的に活性な化合物を包含している。光学的に活性な化合物としては、一方のエナンチオマーが90%以上のエナンチオマー過剰率(e.e.)のものが好ましく、より好ましくは99%以上のエナンチオマー過剰率のものが挙げられる。光学活性体としては、一般式
【化10】
〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされる(R)体が好ましい。
化合物(II)に含まれる好ましい化合物としては、具体的には例えば次のような化合物が挙げられる。
【0053】
すなわち、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル トリメチルアセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル シクロヘキサンカルボキシレート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−メトキシベンゾエート、2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−フルオロベンゾエート、2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 2−ピリジンカルボキシレート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル メトキシアセテート、
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
イソプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
イソプロピル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
ベンジル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
2−メトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[エチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル エチル カーボネート、
2−[[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
tert−ブチル [2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]−3−ピリジル]メチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ベンジル アセテート、
2−[[2-(アセチルオキシ)エチル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
[(2S)−1−[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]−2−ピロリジニル]メチル アセテート、
エチル [メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]アセテート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル ベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル アセテート、
エチル 4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル カーボネート、
エチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル カーボネート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル アセテート、
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル ジアセテート、
ジエチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル
ビスカーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−エトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
3−メトキシプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル N,N−ジメチルグリシネート、
S−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル] チオアセテート、
エチル 2−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]エチル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート、
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート、
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート、
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
(−)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートおよび
(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートおよびその塩等が挙げられる。
【0054】
とりわけ、下記の化合物及びその塩が好ましい。
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート、
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート、
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート、
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート、および
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート。
【0055】
化合物(II)は、以下の方法AまたはBにより製造できる。
(方法A)
化合物(IV)またはその塩と、化合物(V)またはその塩とを塩基の存在下、あるいは非存在下で縮合させることによって化合物(II)またはその塩を得ることができる。化合物(IV)の塩、化合物(V)の塩としては、上記化合物(II)の塩と同様の塩が挙げられる。例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩を挙げることができる。
【0056】
【化11】
(式中の各記号は前記と同意義を示す。)
方法Aにおける反応は一般に溶媒中で行われ、方法Aの反応を阻害しない溶媒が適宜に選択される。このような溶媒としては、例えば、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等)、エステル類(例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,2−ジクロロエタン等)、炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等の他、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が挙げられ、これらは単独または混合溶媒として用いられる。これらの溶媒の使用量は、反応混合物を撹拌できる量であれば特に限定はなく、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常2〜100倍重量、好ましくは5〜50倍重量である。
【0057】
化合物(V)またはその塩の使用量は、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常1モル〜10モル、好ましくは1モル〜3モルである。
方法Aの反応は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲で行われる。
方法Aの反応時間は化合物(IV)、(V)またはそれらの塩および溶媒の種類や反応温度等により異なるが、通常1分〜96時間、好ましくは1分〜72時間、より好ましくは15分〜24時間である。
方法Aの塩基としては、例えば、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン等)、アルキレンオキシド類(例えば、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。当該塩基の使用量は、化合物(V)またはその塩1モルに対して、通常0.01モル〜10モル、好ましくは1モル〜3モルである。
【0058】
化合物(IV)またはその塩は、特開昭61−50978号公報、USP4,628,098等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。
化合物(V)またはその塩は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。例えば、Xが塩素原子の場合、脱酸剤の存在下、溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等)で、式(VII):
【化12】
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされる化合物またはその塩にホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、炭酸ビス(トリクロロメチル)、チオホスゲン等を作用させることにより得ることができる。あるいは、化合物(VII)またはその塩とクロロギ酸エチルを作用させることにより得られるエチルカルバメート体を、シンセティック コミュニケーションズ(SGnthetic Communications) 第17巻、1887頁(1987年)に記載の方法またはこれに準じた方法に従い、オキシ塩化リンで処理することによっても得ることができる。化合物(VII)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩等が挙げられる。
【0059】
ここでいう脱酸剤としては、例えば、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン等)等が挙げられる。
【0060】
化合物(VII)またはその塩は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造することができる。例えば、D1が結合手以外の場合は、適切な溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等)中、式(VIII):
【化13】
(式中、R4は水素原子あるいは窒素原子の保護基、他の記号は前記と同義である)で表わされる化合物またはその塩と、式(IX):
【化14】
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされるカルボン酸もしくはチオン酸またはそれらの反応性誘導体(例えば、無水物、ハロゲン化物等)、あるいはそれらの塩とを縮合させた後、必要に応じて脱保護することにより得ることができる。化合物(VIII)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩等が挙げられる。
あるいは、D1が結合手の場合は、適切な溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等)中、式(X):
【化15】
(式中、各記号は前記と同義である)で表わされるカルボン酸またはチオン酸もしくはそれらの反応性誘導体(例えば、無水物、ハロゲン化物等)、あるいはそれらの塩と、G−D2−Hで表わされる化合物とを縮合させた後、必要に応じて脱保護することにより得ることができる。化合物(X)の塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等、及び例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との有機塩基塩等が挙げられる。
【0061】
式(VIII)、式(X)中、R4で示される保護基としては、例えば、ホルミル基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル等)、ベンジル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、C7-10アラルキル−カルボニル基(例えば、ベンジルカルボニル等)、トリチル基等が用いられる。これらの基は1ないし3個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、ニトロ基等で置換されていてもよい。
これらの保護基の除去方法としては、自体公知又はこれに準じる方法が用いられ、例えば酸、塩基、還元、紫外光、酢酸パラジウム等を使用する方法等が用いられる。
【0062】
(方法B)
化合物(VI)またはその塩を酸化反応に付すことによって、化合物(II)またはその塩を得ることができる。
【化16】
(式中、各記号は前記と同義である)
方法Bにおける反応は、例えば、硝酸、過酸化水素、過酸類、過エステル、オゾン、四酸化二窒素、ヨードソベンゼン、N−ハロスクシンイミド、1−クロロベンゾトリアゾール、次亜塩素酸tert−ブチル、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン臭素錯体、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、二酸化セレン、二酸化マンガン、クロム酸、硝酸セリウムアンモニウム、臭素、塩素、スルフリルクロライド、モノパーオキシフタル酸マグネシウム塩等の酸化剤を用いて行うことができる。酸化剤の使用量は、化合物(VI)またはその塩1モルに対して、通常0.5モル〜2モル、好ましくは0.8モル〜1.2モルである。上記過酸化水素や過酸類の酸化剤を用い、さらにバナジウムアセテート、酸化バナジウムアセチルアセトナート、チタンテトライソプロポキシド等の触媒存在下に酸化を行うこともできる。
【0063】
方法Bの反応は、通常、上記酸化反応に不活性な溶媒中で行う。該「不活性な溶媒」としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、極性溶媒(例えば、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド等)が挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として用いる。該「不活性な溶媒」は、化合物(VI)またはその塩に対して、通常1倍重量〜100倍重量用いられる。
反応温度は、通常−80℃〜80℃、好ましくは0℃〜30℃である。
反応時間は、通常1分〜6時間、好ましくは15分〜1時間である。
【0064】
方法Bの原料である化合物(VI)は、例えば、化合物(IV)の替わりに以下の式(XI):
【化17】
(式中、各記号は前記と同義である)で表される化合物を用い、方法Aと同様の反応によって得ることができる。
化合物(XI)は、以下の文献に記載の方法またはそれに準じた方法に従って合成することができる:特開昭61−50978号、特開昭54−141783号、特開昭61−22079号、特開平1−6270号、特開昭63−146882号。
【0065】
化合物(VI)の塩としては、上記化合物(II)の塩と同様の塩が挙げられ、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩を挙げることができる。
【0066】
上記方法AまたはBで得られた化合物(II)またはその塩は、自体公知の分離手段(例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により、反応混合物から単離、精製することができる。また、上記方法AまたはBで得られた化合物(II)またはその塩はそのあらゆる異性体を包含するため、化合物(II)またはその塩を光学分割に付すか、あるいは化合物(VI)またはその塩を不斉酸化することにより光学的に純粋な化合物(II)またはその塩を得ることができる。
光学分割の方法としては、自体公知の方法が挙げられ、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。不斉酸化は、自体公知の方法、例えば、WO96/02535に記載の方法等を用いてもよい。
「分別再結晶法」としては、ラセミ体と光学活性な化合物〔例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等〕とで塩を形成させ、これを分別再結晶法等によって分離し、所望により中和工程に付し、フリーの光学異性体を得る方法が挙げられる。
【0067】
「キラルカラム法」としては、ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)に付す方法が挙げられる。例えば、液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)またはダイセル社製CHIRALシリーズ等のキラルカラムにラセミ体を添加し、水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液等)、有機溶媒(例えば、ヘキサン、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン、トリエチルアミン等)、またはこれらの混合溶媒で展開して光学異性体を分離する方法が挙げられる。例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイセンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する方法が挙げられる。
【0068】
「ジアステレオマー法」としては、ラセミ体と光学活性な試薬を反応させてジアステレオマーの混合物を得、次いで通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)により一方のジアステレオマーを得た後、化学反応(例えば、酸加水分解反応、塩基性加水分解反応、加水素分解反応等)に付して光学活性な試薬部位を切り離し、目的とする光学異性体を得る方法が挙げられる。該「光学活性な試薬」としては、例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等の光学活性な有機酸;(1R−エンド)−2−(クロロメトキシ)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の光学活性なアルコキシメチルハライド等が挙げられる。
【0069】
また、下記一般式(III):
【化18】
で表わされるベンズイミダゾール化合物またはその塩も上記プロドラッグの具体例として挙げられる。
上記式(III)において、Dは酸素原子又は結合手を、Qは置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
【0070】
Qで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、脂肪族または芳香族の炭化水素基を包含し、ここでいう脂肪族炭化水素基とは、飽和または不飽和の、直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素基を意味する。炭化水素基としては、炭素数が1〜14である炭化水素基が好ましく、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C6-14アリール基が挙げられ、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C6-14アリール基が好ましく、中でもC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基がより好ましい。
【0071】
上記「アルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基(「C1-6アルキル基」)であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブチル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。Qにおいては、中でもメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルが好ましく、特にtert-ブチルが好ましい。
【0072】
上記「C2-6アルケニル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、イソペンテニル、ネオペンテニル、1−メチルプロペニル、n−ヘキセニル、イソヘキセニル、1,1−ジメチルブテニル、2,2−ジメチルブテニル、3,3−ジメチルブテニル、3,3−ジメチルプロペニル、2−エチルブテニル等が挙げられ、炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、中でもビニル、n−プロペニル、イソプロペニルが好ましい。
【0073】
上記「C2-6アルキニル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキニル基であり、例えば、エチニル、n−プロピニル(1−プロピニル)、イソプロピニル(2−プロピニル)、n−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、tert−ブチニル、n−ペンチニル、イソペンチニル、ネオペンチニル、1−メチルプロピニル、n−ヘキシニル、イソヘキシニル、1,1−ジメチルブチニル、2,2−ジメチルブチニル、3,3−ジメチルブチニル、3,3−ジメチルプロピニル、2−エチルブチニル等が挙げられ、炭素数2〜3のアルキニル基が好ましく、中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニルが好ましい。
【0074】
上記「C3-8シクロアルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の、炭素数3〜8のシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、中でもシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが好ましく、特にシクロヘキシルが好ましい。
【0075】
上記「アリール基」とは、単環式または縮合多環式の芳香族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基(「C6-14アリール基」)であり、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルが挙げられ、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基が好ましく、Qにおいては、中でもフェニルが特に好ましい。
【0076】
上記「炭化水素基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、例えば、C6-14アリール基、水酸基、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
【0077】
「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基としては、例えば、アリール基、水酸基、ハロゲン、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0078】
「置換基を有していてもよいアリール基」における置換基としては、例えば、ハロゲン、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルキル基、アリール基、水酸基、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0079】
上記「C1-6アルキル基」、「C2-6アルケニル基」および「C2-6アルキニル基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基、(vii)アシルアミノ基、(viii)C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられ、中でも(i)〜(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0080】
上記「C3-8シクロアルキル基」および「C6-14アリール基」は、置換されていてもよく、置換基の例としては、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基、(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、(viii)C1-6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられ、中でも(i)〜(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0081】
式(III)においてQは、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基であるか、あるいは
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC6-14アリール基であるのが好ましく、
【0082】
(1)(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基および(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、または(2)(i)ハロゲン、(ii)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基、(iii)C6-14アリール基、(iv)水酸基、(v)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(vi)C7-12アラルキルオキシ基および(vii)C1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよいC6-14アリール基であるのがより好ましく、
【0083】
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC6-14アリール基であるのが更に好ましく、
【0084】
中でも、QがC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはC6-14アリール基であるのが好ましく、Qがフェニル基であるか、またはメチルもしくはtert−ブチル基であるのが特に好ましい。
【0085】
化合物(III)は分子中の酸性基と無機塩基または有機塩基等とが薬理学的に許容され得る塩基塩を形成することができ、また分子中の塩基性基と無機酸または有機酸等とが薬理学的に許容され得る酸付加塩を形成することができる。
【0086】
本発明の化合物(III)の好適な態様の1つとして、Dが結合手であり、かつQが置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である化合物が挙げられる。
【0087】
化合物(III)の無機塩基塩としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、アンモニア等との塩等が、また化合物(III)の有機塩基塩としては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピリジン、コリジン等との塩等が挙げられる。
【0088】
化合物(III)の酸付加塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等を挙げられる。
【0089】
本発明の化合物(III)としては、水和物を包含している。該「水和物」としては、0.5水和物〜5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和物、1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物が好ましい。
【0090】
本発明の化合物(III)としては、ラセミ体および光学的に活性な化合物を包含している。光学的に活性な化合物としては、一方のエナンチオマーが90%以上のエナンチオマー過剰(e.e.)のものが好ましく、より好ましくは99%以上エナンチオマー過剰のものが挙げられる。光学活性体としては、一般式
【化19】
〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされる(R)体が好ましい。
【0091】
化合物(III)は、自体公知の方法により製造でき、例えば、特開2002‐187890号、WO 02/30920等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。なお、光学活性な化合物(III)は、光学分割法(分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法、微生物または酵素を用いる方法など)不斉酸化などの方法で得ることができる。その他のベンズイミダゾール系化合物誘導体のPPIとして、WO03/27098に記載の化合物も本願発明に適用できる。
【0092】
本発明で用いられる一般式(I’)、(I)、(II)および(III)で表される活性成分の配合量は、活性成分の種類、投与量にもより異なるが、例えば、本発明の錠剤または顆粒全量に対して約1重量%〜約60重量%、好ましくは約1重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約8重量%〜約40重量%である。活性成分が、ベンズイミダゾール系化合物PPI、特にランソプラゾールの場合、約8重量%〜約40重量%である。
【0093】
ランソプラゾールまたはその光学活性体(R体など)等の式(I’)または(I)で表されるイミダゾール系PPIとりわけベンズイミダゾール系PPIや式(II)および(III)で表されるイミダゾール系誘導体PPIを含有するカプセル剤の場合、それぞれ放出特性や条件の異なる放出制御膜を用いて、放出の仕方の異なる2種類以上の錠剤、顆粒或いは細粒(例えば、比較的早く放出する顆粒とより遅延して活性成分が放出されるタイプの2種類の顆粒等)を組み合わせて充填してもよい。また、各顆粒や細粒中にこのような2種類の放出制御膜を2層以上重ねてもよい。本発明の放出制御被膜を有する錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管滞留性ゲル形成性ポリマーに加え、上記したような活性成分を含有する核粒上に必要により中間被膜を施し、その上に通常の腸溶コーティングだけを施した顆粒(従って、本発明による上記の放出が制御された顆粒や細粒の中で、活性成分の放出が比較的速い顆粒)も合わせて含む製剤(好ましくはカプセル剤)にすることにより、または本発明の放出制御被膜を有する錠剤、顆粒あるいは細粒と消化管滞留性ゲル形成性ポリマーを含むカプセル剤と通常の腸溶コーティングを施した顆粒のみを含む製剤とを併用投与することにより、より早い段階から血中濃度が上がって薬効を奏し始め、その後放出制御された顆粒の薬効の発現により薬効が持続する製剤が可能になる。尚、本発明のカプセルは、充填する錠剤(この場合小型錠剤が好ましい)、顆粒または細粒が十分放出制御能を有する場合、ゲル形成性ポリマーを必ずしも含有しなくてもよい。放出制御性錠剤、顆粒または細粒等のみあるいは放出制御性錠剤、顆粒または細粒等と腸溶コーティングのみ施した速い放出型の顆粒等と組み合わせてカプセルにしてもよい。このような組み合わせ製剤や組み合わせ投与の場合、好ましくはより早い段階から血中濃度が上がって薬効を奏し始めて最初の極大血中濃度に達し、その後より放出制御された顆粒の活性成分の放出により2回目の極大血中濃度に達するような2回ピークが発現するような製剤にすることができる。尚、上記の本発明の持続性カプセル剤等の持続性製剤と、通常の比較的早く活性成分が放出されるタイプのカプセル剤とは同時にまたは時間をおいて投与してもよい。このような併用投与によっても活性成分の高い血中濃度が長時間に亘って維持することができる。
【0094】
通常の腸溶コーティングを施した顆粒は、例えば特開昭63‐301826に記載の方法に従って製造することができる。さらに特開昭62‐277322に記載の方法に従い安定化された製剤とすることが好ましい。
また、より高濃度にランソプラゾールまたはその光学活性体等を含有し、かつ、十分安定化された顆粒は次のようにして製造することができる。すなわち、転動造粒法(例、遠心転動造粒法)、流動造粒法、攪拌造粒法(例、転動流動造粒法)などの公知の造粒法を用いて、主薬層と、該主薬層上に形成された中間被覆層と、該中間被覆層上に形成された腸溶性被膜層とを有する顆粒で、主薬層は顆粒全量に対して約10重量%〜約40重量%のランソプラゾール等および安定化剤として塩基性無機塩を含有し、平均粒子径が約600μm〜約2500μmである顆粒を製造する。
具体的には、主薬層は、例えば、核顆粒にヒドロキシプロピルセルロース等の結合液を噴霧しながら、イミダゾール系PPI、塩基性金属塩、賦形剤、崩壊剤等を含む粉状散布剤を被覆する方法により得られる。該核顆粒としては、例えば、ショ糖(75重量部)をトウモロコシデンプン(25重量部)で自体公知の方法により被覆したノンパレル(Nonpareil)および結晶セルロースを用いた球形核顆粒等が挙げられ、また、核顆粒自体が主薬となる上記した主薬成分であってもよい。該核顆粒の平均粒度としては、一般に14〜80メッシュである。
核としては、ショ糖およびでんぷんの球形造粒品、結晶セルロースの球形造粒品、結晶セルロースおよび乳糖の球形造粒品などが挙げられる。
核に対する被覆層の割合は、主薬の溶出性および顆粒の粒度を制御できる範囲で選択でき、例えば、核1重量部に対して、通常、約0.2重量部〜約5重量部、好ましくは約0.1重量部〜約5重量部である。
次いで、常法によって、得られた主薬層上に中間被覆層を形成する。例えば、中間被覆層成分を精製水などで希釈し、液状として散布して被覆する。その際、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を噴霧しながら行うのが好ましい。中間被覆層成分としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、TC-5等)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの高分子基剤に、ショ糖〔精製白糖(粉砕したもの(粉糖)や粉砕しないもの)等〕、コーンスターチなどの澱粉糖、乳糖、蜂蜜及び糖アルコール(D−マンニトール,エリスリトールなど)等の糖類を適宜配合した層などが挙げられる。中間被覆層には、この外にも製剤化を行うため必要により添加される賦形剤(例、隠蔽剤(酸化チタン等)、静電気防止剤(酸化チタン、タルク等))を適宜加えてもよい。
中間被覆層の被覆量は、例えばベンズイミダゾール系PPIを含有する顆粒1重量部に対して、通常、約0.02重量部〜約1.5重量部、好ましくは約0.05〜約1重量部である。
さらに、常法によって中間被覆層上に腸溶性被膜層を形成してランソプラゾールなどを高濃度で含有する十分安定化された顆粒を製造することができる。腸溶性被膜層成分としては、例えば、セルロースアセテ−トフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(Eudragit RS or RL、Rohm社製)、メタクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit NE30D、Rohm社製)、カルボキシメチルエチルセルロース、セラックなど水系腸溶性高分子基剤、カルボキシメチルエチルセルロース、セラックなど水系腸溶性高分子基剤等の徐放性基剤、水溶性高分子、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール6000(商品名:マクロゴール6000など))、アセチル化モノグリセリド、トリアセチン、ヒマシ油などの可塑剤が用いられる。これらは一種または二種以上混合して使用してもよい。
腸溶性被膜層の被覆量は腸溶性被膜を施す前の顆粒全量に対して約10重量%〜約70重量%、好ましくは約10重量%〜約50重量%であり、より好ましくは約15重量%〜約30重量%である。
【0095】
錠剤の場合には、例えば、ベンズイミダゾール系化合物、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を混合し直接錠剤を圧縮製造したり、上記顆粒剤と同様にして製造した造粒末を打錠すればよい。また別法として、造粒した造粒末を用いて市販の積層錠剤機により2層の錠剤としてもよい。
【0096】
本発明の製剤のうち、活性成分としてランソプラゾールやその光学活性体のような一般式(I‘)で表されるイミダゾール系化合物のPPI、とりわけ一般式(I)で表されるベンズイミダゾール系PPI化合物やプロドラッグタイプのイミダゾール系化合物誘導体のPPI(とりわけ上記一般式(II)および(III)で表わされる化合物やその光学活性体)を含有する製剤は、生体内で、優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピロリ作用等を有し、また、毒性は低いので、医薬として有用である。特に、上記一般式(II)で表わされるイミダゾール系化合物は、酸に安定なので、経口投与する際に腸溶製剤にする必要がなく、腸溶製剤化の費用を削減し、また、製剤が小さくなることにより嚥下力の弱い病人、特に老人や小人に服用しやすくなる。しかも、腸溶製剤よりも吸収が速いので胃酸分泌抑制作用が速く発現し、また生体内で徐々に元の化合物に変換されるので持続性があり、抗潰瘍剤等として有用である。本発明の化合物(I’)またはその塩等のPPI化合物は、毒性が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体とともに混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、口腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等の製剤として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
【0097】
本発明の錠剤、顆粒および細粒は、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)において、消化性潰瘍(例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍等)、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症候群、胃炎、逆流性食道炎、食道炎を伴わない胃食道逆流症(Symptomatic GastroesopHageal Reflux Disease (Symptomatic GERD))、NUD(Non Ulcer Dyspepsia)、胃癌(インターロイキン−1の遺伝子多形によるインターロイキン−1βの産生促進に伴う胃癌を含む)、胃MALTリンパ腫等の治療および予防、ヘリコバクター・ピロリ除菌、消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍および出血性胃炎による上部消化管出血の抑制、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)による上部消化管出血の抑制、非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍の治療および予防;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍の治療および予防などを目的として経口投与できる。ヘリコバクター・ピロリ除菌等のためには、本発明の顆粒やカプセル剤と他の活性成分(例えば、1ないし3種の活性成分)と併用してもよい。
【0098】
「他の活性成分」としては、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合物、キノロン系化合物等の抗菌剤やビスマス塩が挙げられる。とりわけ、本発明の顆粒やカプセル剤と抗菌剤と組み合わせてなる医薬が好ましい。このうち、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合物などの抗菌剤との併用が好ましい。「抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質」としては、例えば、ペニシリン系抗生物質(例えば、アモキシシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシリン、メシリナムなど)、セフェム系抗生物質(例えば、セフィキシム、セファクロルなど)、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのエリスロマイシン系抗生物質)、テトラサイクリン系抗生物質(例えば、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ストレプトマイシンなど)、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、アミカシンなど)、イミペネムなどが挙げられる。中でもペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質などが好ましい。
【0099】
「イミダゾール系化合物」としては、例えば、メトロニダゾール、ミコナゾールなどが挙げられる。「ビスマス塩」としては、例えば、ビスマス酢酸塩、ビスマスクエン酸塩などが挙げられる。「キノロン系化合物」の抗菌剤も好ましく、例えば、オフロキサシン、シプロキサシンなどが挙げられる。とりわけ、ヘリコバクター・ピロリ除菌のためには、本発明の顆粒やカプセル剤と、ペニシリン系抗生物質(例えば、アモキシシリン等)および/またはエリスロマイシン系抗生物質(例えば、クラリスロマイシン等)とを併用して用いるのが好ましい。
尚、例えば、ランソプラゾールの場合、従来結晶形のランソプラゾール15mg含有カプセル剤は3号カプセルに、また30mg含有カプセル剤は1号カプセルに充填されることが多かったが、中間被覆層を設けたり塩基性無機塩安定化剤を配合したり、さらには顆粒の粒度調整をすることにより予想外に高濃度に活性成分を含む顆粒にすることにより主薬や製剤の安定性をそこなうことなく主薬以外の成分の量を低減できるので、15mg含有カプセル剤は4号乃至5号カプセルに、また30mg含有カプセル剤は3号乃至5号カプセルにそれぞれ小型化することもできる。
さらに60mg含有するカプセル剤においても、1号乃至3号カプセルの使用が可能である。
また、ランソプラゾールの光学活性体の場合も、30mg、40mgおよび60mg含有するカプセル剤用に、それぞれ、3号乃至5号カプセル、2号乃至4号カプセルおよび1号乃至3号カプセルを用いることができる。
たとえば、ランソプラゾールまたはランソプラゾールR体を60mg含有するカプセル剤は、高濃度に活性成分を含有し小型化されたカプセル剤は、飲み易いため、とりわけゾリンジャー・エリソン症候群を含む酸過剰分泌症状の治療に好適である。
【0100】
1日の投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、投与の時期、間隔、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、例えば、抗潰瘍剤として、成人(60kg)に対し、経口的に投与する場合、有効成分として約0.5〜1500mg/日、好ましくは約5〜150mg/日である。これらベンツイミダソール系またはイミダゾール系化合物含有製剤は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよい。
【0101】
尚、本発明の固形製剤を保管時や輸送時等の安定性を向上させるために、包装形態においても安定化を施してもよい。例えば、水分や酸素透過を抑制した包装、ガス置換包装(すなわち、酸素以外の気体で置換する包装)、真空包装および脱酸素剤封入包装等の包装形態を用いるなどにより、本発明のベンズイミダゾール系またはイミダゾール系化合物を含有するカプセル製剤の安定化の向上を図ることができる。このような包装形態にすることにより、固形製剤が直接接触する酸素量を低減することにより安定化が向上する。脱酸素剤を封入する場合は、酸素が透過する材料で医薬固形製剤を包装したのち、その包装品とともに新たな包装を施すことでもよい。
【実施例】
【0102】
以下、参考例、合成例、実施例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の製剤の実施例で用いられるトウモロコシデンプン(コーンスターチ)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、ポリエチレングリコール6000、酸化チタンとしては、第十四改正日本薬局方適合品をを用いた。
以下の参考例、合成例において、室温は、約15〜30℃を意味する。
H−NMRは、Varian Gemini−200またはMercury−300を用いて測定し、CDCl、DMSO−d、CDODを溶媒として用い、内部標準のテトラメチルシランからのケミカルシフトδ(ppm)を示した。
その他の本明細書中の記号は以下の意味を示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
bs:ブロードシングレット
bm:ブロードマルチプレット
J:結合定数
【参考例1】
【0103】
2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化20】
2−(メチルアミノ)エタノール(30.04g)と酢酸エチル(90mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(87.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(66.19g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.47(9H,s),2.92(3H,s),3.40(2H,t,J=5.1Hz),3.72−3.80(2H,m).
【参考例2】
【0104】
2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
【化21】
2−(メチルアミノ)エタノール(1.50g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.37g)を添加した。氷冷下、1.5時間攪拌後、無水酢酸(2.08mL)、ピリジン(1.78mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加した。室温で2時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.07(3H,s),2.53(3H,s),3.12−3.17(2H,m),4.24−4.30(2H,m),9.29(2H,br).
【参考例3】
【0105】
2−(メチルアミノ)エチル トリメチルアセテート塩酸塩
【化22】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(15mL)の混合物にトリエチルアミン(1.67mL)を添加した後、トリメチルアセチルクロリド(1.35mL)と酢酸エチル(5mL)の混合物を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(1.62mL)を添加し、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.65g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.18(9H,s),2.56(3H,s),3.17(2H,t,J=10.5Hz),4.22−4.28(2H,m),9.19(2H,br).
【参考例4】
【0106】
2−(メチルアミノ)エチル シクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩
【化23】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、シクロヘキサンカルボニルクロリド(1.60mL)を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(0.65mL)、シクロヘキサンカルボニルクロリド(0.58mL)を追加し、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.88g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.10−1.45(5H,m),1.54−1.73(3H,m),1.83−1.93(2H,m),2.29−2.42(1H,m),2.54(3H,s),3.12−3.18(2H,m),4.23−4.29(2H,m),9.23(2H,br).
【参考例5】
【0107】
2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩
【化24】
2−(メチルアミノ)エタノール(30.04g)と酢酸エチル(90mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(87.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で1時間攪拌後、塩化ベンゾイル(61.8g)、ピリジン(38.8mL)を氷冷下添加した。室温で1時間攪拌後、固体を濾去した。固体を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(200mL)を加え、室温で30分間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加後、固体を濾取した。酢酸エチル(100mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(57.4g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=9.9Hz),7.51−7.57(2H,m),7.68(1H,m),8.11(2H,d,J=7.8Hz),9.26(2H,bs).
【参考例6】
【0108】
2−(メチルアミノ)エチル 4−メトキシベンゾエート塩酸塩
【化25】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−メトキシベンゾイルクロリド(1.88g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で14時間攪拌後、4−メトキシベンゾイルクロリド(0.70g)、ピリジン(0.97mL)を追加し、室温で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(10mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、ジエチルエーテル(20mL)を添加して、析出した固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.99g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.48(2H,t,J=5.0Hz),7.07(2H,d,J=8.7Hz),8.06(2H,d,J=8.7Hz),9.04(2H,bs).
【参考例7】
【0109】
2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩
【化26】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3−クロロベンゾイルクロリド(1.92g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、60℃で6時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で22時間攪拌後、ジエチルエーテル(15mL)を添加して、析出した固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(2.01g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.63(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=4.9Hz),7.60(1H,t,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=8.0Hz),8.05(1H,d,J=8.0Hz),8.15(1H,s),9.07(2H,bs).
【参考例8】
【0110】
2−(メチルアミノ)エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート塩酸塩
【化27】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3,4−ジフルオロベンゾイルクロリド(1.77g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で3日間攪拌後、反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で4時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)で洗浄後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(2.05g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.53(2H,t,J=5.0Hz),7.64(1H,m),8.00(1H,m),8.25(1H,m),9.25(2H,bs).
【参考例9】
【0111】
2−(メチルアミノ)エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート塩酸塩
【化28】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.30g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド(1.83g)、ピリジン(0.72mL)を添加した。60℃で25時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(60mL)を加え、水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で14.5時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.83g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.63(3H,s),3.31(2H,m),4.54(2H,t,J=4.9Hz),7.55(2H,d,J=8.5Hz),8.24(2H,d,J=8.5Hz),9.02(2H,bs).
【参考例10】
【0112】
2−(メチルアミノ)エチル 4−フルオロベンゾエート塩酸塩
【化29】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に4−フルオロベンゾイルクロリド(1.74g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で6.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(80mL)を加え、水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、析出した固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.89g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.62(3H,s),3.32(2H,m),4.52(2H,t,J=4.9Hz),7.34−7.44(2H,m),8.16−8.24(2H,m),9.18(2H,bs).
【参考例11】
【0113】
2−(メチルアミノ)エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート塩酸塩
【化30】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(2.54g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。60℃で14時間攪拌後、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(1.30g)、ピリジン(0.97mL)、酢酸エチル(10mL)を追加し、60℃で24時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液に酢酸エチル(50mL)、水(30mL)を添加した。分液後、酢酸エチル層を1N塩酸(30mL)、水(30mL)、硫酸銅(II)水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で4時間攪拌後、減圧濃縮した。トルエン(10mL)を加え、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに懸濁させ、固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で洗浄した後、減圧下乾燥し、標題化合物(1.79g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.61(3H,s),3.28−3.35(2H,m),3.74(3H,s),3.87(6H,s),4.48−4.54(2H,m),7.40(2H,s),9.43(2H,br).
【参考例12】
【0114】
2−(メチルアミノ)エチル 2−ピリジンカルボキシレート二塩酸塩
【化31】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)、2−ピリジンカルボニルクロリド塩酸塩(2.67g)、ピリジン(1.21mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に、氷冷下、トリエチルアミン(2.09mL)を滴下し、室温で6時間攪拌した。反応液に水(200mL)を加え酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。残留物を酢酸エチル(50mL)、エタノール(100mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を加え、室温で1時間攪拌した。析出した固体を濾取し、酢酸エチル(100mL)で2回洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.08g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.62(3H,t,J=5.4Hz),3.35(2H,m),4.63(2H,t,J=5.0Hz),5.26(1H,bs),7.77−7.84(1H,m),8.14−8.18(1H,m),8.36−8.40(1H,m),8.70−8.90(1H,m),9.48(2H,br).
【参考例13】
【0115】
2−(メチルアミノ)エチル メトキシアセテート
【化32】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(10mL)の混合物にメトキシアセチルクロリド(1.20g)、ピリジン(0.97mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(70mL)を加え、水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(5mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で1時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物に水(60mL)とジエチルエーテル(30mL)を加え、攪拌した後、水層を分取した。水層を炭酸水素ナトリウムで塩基性にした後、酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、標題化合物(1.00g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.40(1H,bs),3.06(3H,s),3.44(3H,s),3.57(2H,t,J=5.1Hz),3.75−3.82(2H,m),4.13(2H,s).
【参考例14】
【0116】
エチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化33】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、クロロ炭酸エチル(1.25mL)を滴下した。室温で終夜攪拌した後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.66g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.23(3H,t,J=7.1Hz),2.54(3H,s),3.16−3.22(2H,m),4.15(2H,q,J=7.1Hz),4.32−4.37(2H,m),9.25(2H,br).
【参考例15】
【0117】
イソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化34】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、クロロ炭酸イソプロピル(1.35g)、ピリジン(1.94mL)を添加した。氷冷下、3.5時間攪拌後、クロロ炭酸イソプロピル(1.84g)を追加し、室温で2.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(120mL)を加え、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、析出した固体を濾取した。酢酸エチル(15mL)で洗浄した後、減圧下60℃で乾燥し、標題化合物(1.38g)を白色固体として得た。1H−NMR(DMSO−d6):1.25(6H,d,J=6.2Hz),2.56(3H,s),3.20(2H,t,J=5.1Hz),4.32(2H,t,J=5.1Hz),4.80(1H,m),8.95(2H,bs).
【参考例16】
【0118】
ベンジル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化35】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(0.97mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加した後、クロロ炭酸ベンジル(1.57mL)を滴下した。室温で2時間攪拌後、ピリジン(0.65mL)、クロロ炭酸ベンジル(1.28mL)を追加した。室温で5日間攪拌後、氷冷下、ピリジン(0.81mL)を追加し、さらにクロロ炭酸ベンジル(1.43mL)の酢酸エチル溶液(5mL)をゆっくり滴下した。室温で2時間攪拌後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加した。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.99g)を白色固体として得た。1H−NMR(DMSO−d6):2.55(3H,s),3.21(2H,t,J=5.1Hz),4.37(2H,t,J=5.1Hz),5.18(2H,s),7.30−7.50(5H,m),9.07(2H,br).
【参考例17】
【0119】
2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩
【化36】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(2.97g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(2.43mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、テトラヒドロピラン−4−オール(1.91g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)をゆっくり滴下した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(50mL)と水(50mL)を加えた。酢酸エチル層を分取し、0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して、クロロ炭酸テトラヒドロピラン−4−イル(1.53g)を得た。参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.40g)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合物にピリジン(0.78mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸テトラヒドロピラン−4−イル(1.53g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1、続いて3:2で溶出)で精製した。得られた無色油状物(2.03g)をジエチルエーテル(2mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で30分間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、終夜攪拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(1.20g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.50−1.65(2H,m),1.87−1.98(2H,m),2.54(3H,s),3.20(2H,m),3.40−3.50(2H,m),3.74−3.83(2H,m),4.36(2H,t,J=5.1Hz),4.72−4.83(1H,m),9.32(2H,br).
【参考例18】
【0120】
2−メトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化37】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(1.62mL)を添加した後、クロロ炭酸2−メトキシエチル(2.77g)の酢酸エチル溶液(5mL)をゆっくり滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をジエチルエーテル(2mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で30分間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)を添加して、終夜攪拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(1.56g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.54(3H,s),3.19(2H,m),3.26(3H,s),3.52−3.57(2H,m),4.20−4.25(2H,m),4.33−4.39(2H,m),9.26(2H,br).
【参考例19】
【0121】
エチル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化38】
2−(エチルアミノ)エタノール(8.91g)と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)を添加した。室温で3日間攪拌後、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(19.0g)を無色油状物として得た。1H−NMR(CDCl3):1.11(3H,t,J=7.0Hz),1.47(9H,s),3.27(2H,q,J=7.0Hz),3.37(2H,t,J=5.2Hz),3.73(2H,q,J=5.2Hz).
【参考例20】
【0122】
2−(エチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
【化39】
参考例19で得られたエチル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.89g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に無水酢酸(1.04mL)、ピリジン(0.89mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加した。室温で3時間攪拌後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル(10mL)、ジエチルエーテル(20mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.54g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.22(3H,t,J=7.3Hz),2.07(3H,s),2.95(2H,q,J=7.3Hz),3.15(2H,t,J=5.3Hz),4.24−4.30(2H,m),9.17(2H,br).
【参考例21】
【0123】
2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
【化40】
2−(イソプロピルアミノ)エタノール(10.0g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(22.2g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで、標題化合物(21.21g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.12(6H,d,J=6.6Hz),3.30(2H,t,J=5.0Hz),3.71(2H,t,J=5.0Hz),3.80−4.30(1H,m).
【参考例22】
【0124】
2−(イソプロピルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
【化41】
参考例21で得られた2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(5.0g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(6.0mL)と無水酢酸(2.79mL)を加え室温で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた無色油状物を4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥することで、標題化合物(3.14g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.25(6H,d,J=6.6Hz),2.08(3H,s),3.10−3.40(3H,m),4.29(2H,t,J=6.0Hz),9.11(2H,br).
【参考例23】
【0125】
エチル 2−(イソプロピルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化42】
参考例21で得られた2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(5.0g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(6.0mL)とクロロ炭酸エチル(2.81mL)を加え室温で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた無色油状物を4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、減圧下乾燥することで、標題化合物(3.34g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.20−1.30(9H,m),3.10−3.40(3H,m),4.17(2H,q,J=7.4Hz),4.37(2H,t,J=5.6Hz),9.13(2H,br).
【参考例24】
【0126】
シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化43】
2−(シクロヘキシルアミノ)エタノール(14.3g)のエタノール溶液(200mL)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)を滴下した。室温で2日間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(24.2g)を無色油状物として得た。1H−NMR(CDCl3):1.26−1.39(4H,m),1.47(9H,s),1.61−1.81(6H,m),3.30−3.40(2H,m),3.69(2H,t,J=5.4Hz),3.66−3.90(2H,br).
【参考例25】
【0127】
2−(シクロヘキシルアミノ)エチル アセテート塩酸塩
【化44】
参考例24で得られたシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(2.43g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、ピリジン(1.05mL)、無水酢酸(1.23mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.78g)を白色固体として得た。1H−NMR(DMSO−d6):1.05−2.03(10H,m),2.07(3H,s),2.90−3.10(1H,m),3.17(2H,t,J=5.2Hz),4.29(2H,t,J=5.2Hz),9.19(2H,br).
【参考例26】
【0128】
2−(シクロヘキシルアミノ)エチル エチル カーボネート塩酸塩
【化45】
参考例24で得られたシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(2.43g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、ピリジン(1.45mL)、クロロ炭酸エチル(1.71mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.122g)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、5%硫酸銅(II)水溶液(100mL)、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(15mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(15mL)を添加した。室温で3時間攪拌後、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(2.12g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.01−2.08(10H,m),1.23(3H,t,J=7.0Hz),2.90−3.10(1H,m),3.21(2H,t,J=5.2Hz),4.16(2H,q,J=7.0Hz),4.39(2H,t,J=5.2Hz),9.27(2H,br).
【参考例27】
【0129】
2−アニリノエチル アセテート塩酸塩
【化46】
2−アニリノエタノール(137g)のテトラヒドロフラン溶液(700mL)に氷冷下でピリジン(97.1mL)、無水酢酸(113.2mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(12.22g)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(1L)を加え、水(1L)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)、5%硫酸銅(II)水溶液(1L)及び飽和食塩水(1L)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去した。得られた残留物の酢酸エチル(700mL)溶液に氷冷下、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(250mL)を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(156g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CD3OD):2.11(3H,s),3.71−3.76(2H,m),4.32−4.37(2H,m),7.49−7.64(5H,m).
【参考例28】
【0130】
tert−ブチル [2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メチル カーボネート
【化47】
[2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メタノール(2g:WO 01/32652に記載の方法で合成)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に二炭酸ジ−tert−ブチル(3.48g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.18g)を加え、1時間還流した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得た残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.51g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.49(9H,s),3.02(3H,d,J=4.8Hz),4.99(2H,s),5.00(1H,bs),6.55(1H,dd,J=7.0,5.0Hz),7.37(1H,dd,J=7.0,1.8Hz),8.16(1H,dd,J=5.0,1.8Hz).
【参考例29】
【0131】
2−(メチルアミノ)ベンジル アセテート
【化48】
[2−(メチルアミノ)フェニル]メタノール(1.37g:WO 01/32652に記載の方法で合成)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)にピリジン(1.05mL)、無水酢酸(1.23mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.18g)を加え、室温で8時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を5%硫酸銅(II)水溶液(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5、続いて1:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.38g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.08(3H,s),2.87(3H,s),4.40(1H,br),5.08(2H,s),6.64−6.74(2H,m),7.17−7.32(2H,m).
【参考例30】
【0132】
2−[(2−アセチルオキシエチル)アミノ]エチル アセテート塩酸塩
【化49】
2,2'−イミノジエタノール(2.10g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.37g)を添加した。氷冷下、1.5時間攪拌後、無水酢酸(2.08mL)、ピリジン(1.78mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加した。室温で2時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(6.18g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.07(6H,s),3.23(4H,t,J=5.3Hz),4.27−4.33(4H,m),9.40(2H,br).
【参考例31】
【0133】
(S)−2−ピロリジニルメチル アセテート塩酸塩
【化50】
(S)−2−ピロリジニルメタノール(1.01g)と酢酸エチル(10mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.18g)を添加した。氷冷下、1時間攪拌後、無水酢酸(1.04mL)、ピリジン(0.89mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加した。室温で1時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)、5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。ジエチルエーテル(10mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(1.68g)を微褐色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.56−2.10(4H,m),2.06(3H,s),3.05−3.24(2H,m),3.63−3.68(1H,m),4.15(1H,dd,J=11.8,8.1Hz),4.26(1H,dd,J=11.8,4.1Hz),9.21(1H,br),9.87(1H,br).
【参考例32】
【0134】
3−(メチルアミノ)プロピル ベンゾエート塩酸塩
【化51】
3−アミノ−1−プロパノ−ル(0.75g)と酢酸エチル(2.25mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.18g)の酢酸エチル溶液(0.25mL)を添加した。室温で21.5時間攪拌後、塩化ベンゾイル(1.30mL)、ピリジン(0.98mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加した。室温で5時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(32.5mL)を加え、水(12.5mL)、飽和食塩水(12.5mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、ヨウ化メチル(5mL)を添加した。氷冷下、60%水素化ナトリウム(0.4g)を添加した。室温で3時間攪拌後、反応液を氷冷した塩化アンモニウム水溶液(60mL)に注いだ。ジエチルエーテル(80mL)で抽出し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:9)で精製し、3−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]プロピル ベンゾエート(2.52g)を無色油状物として得た。4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(10mL)を添加して析出した固体を濾取した。ジエチルエーテル(10mL)で洗浄後、減圧下乾燥し、標題化合物(1.73g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.02−2.16(2H,m),2.56(3H,s),3.05(2H,t,J=7.3Hz),4.35(2H,t,J=6.1Hz),7.51(2H,m),7.65−7.73(1H,m),8.01(2H,d,J=7.2Hz),8.95(2H,br).
【参考例33】
【0135】
2−[(エトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
【化52】
2−(メチルアミノ)エタノール(100g)の酢酸エチル溶液(1000mL)にピリジン(222mL)を加え、氷冷下、クロロ炭酸エチル(240mL)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を室温で18時間攪拌した。水(300mL)を加え、酢酸エチル層を分離した後、1N塩酸(200mL)と飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物を減圧蒸留することにより、標題化合物(180g)を沸点95−100℃(圧力:0.1−0.2mmHg)の無色留分として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.20−1.40(6H,m),2.97(3H,s),3.50−3.60(2H,m),4.05−4.35(6H,m).
【参考例34】
【0136】
2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
【化53】
参考例33で得た2−[(エトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(150g)のアセトニトリル溶液(1500mL)にオキシ塩化リン(200mL)を加え、4日間還流した。反応液を減圧濃縮した後、残留物を水(500mL)−氷(700g)−酢酸エチル(300mL)の混合物に少しずつ攪拌しながら加えた。1分間攪拌した後、飽和食塩水(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)、飽和食塩水(300mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物を減圧蒸留することにより、標題化合物(77g)を沸点100−105℃(圧力:0.1−0.2mmHg)の無色留分として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.33(3H,t,J=7.2Hz),3.12(3H×0.4,s),3.22(3H×0.6,s),3.68(2H×0.6,t,J=4.8Hz),3.78(2H×0.4,t,J=4.8Hz),4.23(2H,q,J=7.2Hz),4.30−4.40(2H,m).
【参考例35】
【0137】
4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化54】
4−アミノブタノール(3.57g)と酢酸エチル(9mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(8.73g)と酢酸エチル(1mL)の混合物を滴下した。室温で24時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(50mL)、1N塩酸(40mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(7.54g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.44(9H,s),1.47−1.61(4H,m),3.07−3.22(2H,m),3.61−3.76(2H,m),4.62(1H,bs).
【参考例36】
【0138】
4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル アセテート
【化55】
参考例35で得られた4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル(3.83g)と酢酸エチル(20mL)の混合物にピリジン(1.80mL)、無水酢酸(2.27g)を添加した後、室温で19時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(4.55g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.44(9H,s),1.51−1.69(4H,m),2.05(3H,s),3.15(2H,m),4.07(2H,t,J=6.5Hz),4.55(1H,bs).
【参考例37】
【0139】
4−(メチルアミノ)ブチル アセテート塩酸塩
【化56】
参考例36で得られた4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル アセテート(4.50g)とヨウ化メチル(4.85mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,0.94g)を添加した。室温で4時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(120mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.58−1.70(4H,m),2.01(3H,s),2.50(3H,s),2.82−2.90(2H,m),4.00(2H,t,J=6.0Hz),8.90(2H,br).
【参考例38】
【0140】
4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル エチル カーボネート
【化57】
参考例35で得られた4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル(3.71g)と酢酸エチル(20mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(1.71mL)、クロロ炭酸エチル(2.55g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(4.92g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.44(9H,s),1.46−1.80(4H,m),3.15(2H,m),4.11−4.25(4H,m),4.54(1H,bs).
【参考例39】
【0141】
エチル 4−(メチルアミノ)ブチル カーボネート塩酸塩
【化58】
参考例38で得られた4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル エチル カーボネート(4.90g)とヨウ化メチル(4.67mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,0.90g)を添加した。室温で6時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(120mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(40mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.86g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.51−1.73(4H,m),2.50(3H,s),2.82−2.94(2H,m),4.05−4.15(4H,m),8.88(2H,br).
【参考例40】
【0142】
3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化59】
3−アミノプロパノール(7.51g)と酢酸エチル(30mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(21.8g)と酢酸エチル(3mL)の混合物を滴下した。室温で22時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(80mL)、1N塩酸(60mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(16.01g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.45(9H,s),1.62−1.70(2H,m),3.24(2H,q,J=6.6Hz),3.66(2H,q,J=5.1Hz),4.73(1H,bs).
【参考例41】
【0143】
3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル アセテート
【化60】
参考例40で得られた3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル(8.00g)と酢酸エチル(50mL)の混合物にピリジン(4.06mL)、無水酢酸(5.13g)を添加した後、室温で21時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200mL)を加え、水(100mL)、硫酸銅水溶液(40mL)、水(60mL)、飽和食塩水(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(8.34g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.44(9H,s),1.77−1.86(2H,m),2.06(3H,s),3.20(2H,q,J=6.3Hz),4.12(2H,t,J=6.3Hz),4.67(1H,bs).
【参考例42】
【0144】
3−(メチルアミノ)プロピル アセテート塩酸塩
【化61】
参考例41で得られた3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル アセテート(17.28g)とヨウ化メチル(19.8mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(80mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,3.82g)を添加した。室温で15時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(300mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.85−1.97(2H,m),2.02(3H,s),2.50(3H,s),2.87−2.96(2H,m),4.06(2H,t,J=6.3Hz),8.87(2H,br).
【参考例43】
【0145】
3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル エチル カーボネート
【化62】
参考例40で得られた3−ヒドロキシプロピルカルバミン酸tert−ブチル(8.00g)と酢酸エチル(50mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(4.06mL)、クロロ炭酸エチル(5.95g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(50mL)、硫酸銅水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(9.31g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.44(9H,s),1.82−1.90(2H,m),3.22(2H,t,J=6.3Hz),4.15−4.23(4H,m),4.68(1H,bs).
【参考例44】
【0146】
エチル 3−(メチルアミノ)プロピル カーボネート塩酸塩
【化63】
参考例43で得られた3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル エチル カーボネート(9.31g)とヨウ化メチル(9.00mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(40mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,1.82g)を添加した。室温で12時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(200mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(200mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(4.98g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.91−2.00(2H,m),2.50(3H,s),2.88−2.98(2H,m),4.08−4.16(4H,m),8.90(2H,br).
【参考例45】
【0147】
(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル
【化64】
3−(メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール(24.5g)と酢酸エチル(50mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(51.4g)と酢酸エチル(10mL)の混合物を滴下した。室温で15時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、水(80mL)、1N塩酸(60mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、標題化合物(26.9g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.47(9H,s),2.92(3H,s),3.20−3.36(2H,m),3.41(2H,bs),3.50−3.62(2H,m),3.73−3.88(1H,m).
【参考例46】
【0148】
3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ジアセテート塩酸塩
【化65】
参考例45で得られた(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル(10.26g)と酢酸エチル(50mL)の混合物にピリジン(10.11mL)、無水酢酸(12.76g)を添加した後、室温で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、硫酸銅水溶液(100mL)、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(40mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.76g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.03(3H,s),2.07(3H,s),2.55(3H,s),3.18−3.22(2H,m),4.09−4.28(2H,m),5.20−5.27(1H,m),9.01(2H,br).
【参考例47】
【0149】
ジエチル 3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ビスカーボネート塩酸塩
【化66】
参考例45で得られた(2,3−ジヒドロキシプロピル)メチルカルバミン酸tert−ブチル(15.53g)と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(18.35mL)、クロロ炭酸エチル(24.62g)を添加した後、室温で96時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、硫酸銅水溶液(100mL)、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(80mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(200mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(5.93g)を白色固体として得た。1H−NMR(DMSO−d6):1.20−1.28(6H,m),2.57(3H,s),3.12−3.28(2H,m),4.10−4.43(6H,m),5.13−5.22(1H,m),9.14(2H,br).
【参考例48】
【0150】
2−エトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化67】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(2.97g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、2−エトキシエタノール(1.80g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。続いてピリジン(2.43mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、クロロ炭酸2−エトキシエチル(1.29g)を得た。参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.23g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)にピリジン(0.68mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸2−エトキシエチルのテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5、続いて2:3で溶出)で精製した。精製物(1.60g)をジエチルエーテル(3mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(3mL)を添加した。室温で終夜攪拌した後、析出した固体を濾取し、減圧下乾燥して、標題化合物(0.94g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.10(3H,t,J=7.0Hz),2.57(3H,s),3.18−3.25(2H,m),3.44(2H,q,J=7.0Hz),3.56−3.60(2H,m),4.19−4.24(2H,m),4.30−4.37(2H,m),8.79(2H,br).
【参考例49】
【0151】
3−メトキシプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩
【化68】
水素化リチウムアルミニウム(2.85g)とジエチルエーテル(100mL)の混合物に氷冷下、メチル 3−メトキシプロパノエート(11.8g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)をゆっくり滴下した。室温で1時間攪拌後、再び氷冷し、水(3mL)、10%水酸化ナトリウム水溶液(3mL)を滴下した。室温に戻し、水(9mL)を滴下した後、しばらく攪拌した。析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮することにより、3−メトキシプロパノール(7.64g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.83(2H,quintet,J=5.8Hz),2.43(1H,t,J=5.3Hz),3.36(3H,s),3.57(2H,t,J=6.0Hz),3.77(2H,q,J=5.5Hz).
炭酸ビス(トリクロロメチル)(4.45g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、N−エチルジイソプロピルアミン(5.75mL)を滴下した。しばらく攪拌した後、上記で得られた3−メトキシプロパノール(2.70g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を滴下した。氷冷下で30分間、室温で1日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に希塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、クロロ炭酸3−メトキシプロピル(4.39g)を得た。参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にピリジン(0.97mL)を添加した後、上記で得られたクロロ炭酸3−メトキシプロピル(1.83g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で2時間攪拌した。ピリジン(0.65mL)、クロロ炭酸3−メトキシプロピル(1.22g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を追加して更に1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を5%クエン酸水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9、続いて3:7で溶出)で精製した。精製物(3.40g)をジエチルエーテル(5mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(5mL)を添加した。室温で終夜攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。ジエチルエーテルを加えて結晶化することにより、標題化合物(2.06g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.78−1.90(2H,m),2.54(3H,s),3.15−3.25(2H,m),3.23(3H,s),3.33−3.42(2H,m),4.16(2H,t,J=6.0Hz),4.36(2H,t,J=6.0Hz),9.27(2H,br).
【参考例50】
【0152】
2−(メチルアミノ)エチル N,N−ジメチルグリシネート二塩酸塩
【化69】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)、N,N−ジメチルグリシン塩酸塩(5.29g)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(7.67g)、トリエチルアミン(5.58mL)、4−ジメチルアミノピリジン(1.22g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=5:95、続いて20:80で溶出)で精製した。精製物(2.46g)に1N塩酸(24mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮することにより、標題化合物(2.14g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.52(3H,s),2.85(6H,s),3.20(2H,m),4.30(2H,s),4.43−4.49(2H,m),9.60(2H,br),10.81(1H,br).
【参考例51】
【0153】
S−[2−(メチルアミノ)エチル] チオアセテート塩酸塩
【化70】
参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.50g)、チオ酢酸(1.72mL)、トリフェニルホスフィン(7.87g)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に氷冷下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.91mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)をゆっくり滴下した。氷冷下で1時間、室温で2時間攪拌した。再度反応液を氷冷し、トリフェニルホスフィン(7.87g)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.91mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を追加して、氷冷下で30分間攪拌した。チオ酢酸(1.14mL)を追加して、氷冷下で30分間、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物にヘキサン、ジイソプロピルエーテルを加え、析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。この操作を再度繰り返した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=5:95、続いて15:85で溶出)で精製した。精製物(4.47g)に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(10mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル、ジエチルエーテルを加えて結晶化することにより、標題化合物(1.79g)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):2.38(3H,s),2.52(3H,s),2.96−3.08(2H,m),3.12−3.20(2H,m),9.35(2H,br).
【参考例52】
【0154】
エチル 2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル カーボネート塩酸塩
【化71】
2−(2−アミノエトキシ)エタノール(99.52g)と酢酸エチル(200mL)の混合物に氷冷下、二炭酸ジ−tert−ブチル(208.57g)と酢酸エチル(50mL)の混合物を滴下した。室温で60時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解し、水(200mL)、1N塩酸(200mL)、水(300mL)、飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(169.2g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.45(9H,s),3.33(2H,q,J=5.1Hz),3.54−3.59(4H,m),3.74(2H,q,J=5.1Hz),4.88(2H,bs).
上記で得られた[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(53.93g)と酢酸エチル(350mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(53.78mL)、クロロ炭酸エチル(70.57g)を添加した後、室温で96時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(500mL)を加え、水(500mL)、硫酸銅水溶液(200mL)、水(300mL)、飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、2−[2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ]エチル エチル カーボネート(93.19g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.32(3H,t,J=7.2Hz),1.44(9H,s),3.32(2H,t、J=5.1Hz),3.54(2H,t、J=5.1Hz),3.67−3.74(2H,m),4.21(2H,q、J=7.2Hz),4.26−4.31(2H,m),4.91(1H,bs).
上記で得られた2−[2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ]エチル エチル カーボネート(93.15g)とヨウ化メチル(83.6mL)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(350mL)に氷冷下、水素化ナトリウム(60%油性,16.12g)を添加した。室温で24時間攪拌後、反応液を氷−塩化アンモニウム水溶液に注入した後、ジエチルエーテル(800mL)で抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(300mL)を加え、室温で2時間攪拌した。ジエチルエーテル(300mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(33.21g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.2Hz),2.51(3H,s),3.02−3.09(2H,m),3.65−3.72(4H,m),4.12(2H,q,J=7.2Hz),4.22(2H,t,J=4.5Hz),9.06(2H,br).
【参考例53】
【0155】
エチル 2−[メチル[[2−(メチルアミノ)エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート塩酸塩
【化72】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(11.87g)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に氷冷下、ピリジン(9.71mL)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(17.52g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を滴下後、室温で15時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(500mL)および無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物に、氷冷下、2−(メチルアミノ)エタノール(5.00g)の酢酸エチル溶液(50mL)とトリエチルアミン(10.0mL)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(150mL)、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物と酢酸エチル(100mL)の混合物に氷冷下、ピリジン(2.91mL)、クロロ炭酸エチル(3.44g)を添加した後、室温で48時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200mL)を加え、水(100mL)、硫酸銅水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3で溶出)で精製した。精製物に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(30mL)を加え、室温で3時間攪拌した。ジエチルエーテル(100mL)を添加して、析出した固体を濾取した。減圧下乾燥し、標題化合物(2.90g)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.21(3H,t,J=7.2Hz),2.57(3H,bs),2.86(1.5H,s),2.93(1.5H,s),3.16(2H,bs),3.34(1H,bs),3.48(1H,t,J=5.1Hz),3.58(1H,t,J=5.1Hz),4.12(2H,q,J=7.2Hz),4.16−4.24(4H,m),8.94(1H,br).
【参考例54】
【0156】
2−(メチルアミノ)エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート二塩酸塩
【化73】
エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(4.72g)、ヨウ化メチル(2.24mL)、炭酸カリウム(8.29g)及びアセトニトリル(50mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、水(150mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物(2.64g)に1N水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に1N塩酸(20mL)を加えて中和した後、減圧濃縮した。残留物にエタノールを加え、析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。この操作を再度繰り返した後、残留物にエタノール、酢酸エチルを加えて結晶化することにより、1−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1.79g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CD3OD):1.80−1.98(2H,m),2.00−2.14(2H,m),2.28−2.42(1H,m),2.78(3H,s),2.88−3.04(2H.m),3.32−3.44(2H.m).
上記で得られた1−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1.72g)、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.75g)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(2.30g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.24g)及びアセトニトリル(50mL)の混合物を室温で16時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=50:50、続いて80:20で溶出)で精製した。精製物(2.73g)に1N塩酸(25mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、イソプロパノールを加え、再度減圧濃縮した。析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.72g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.70−2.20(4H,m),2.40−3.50(13H,m),4.31(2H,m),9.25(2H,br),10.77(1H,br).
【参考例55】
【0157】
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート
【化74】
4−フルオロベンゾニトリル(6.06g)、2−アミノエタノール(3.71g)、炭酸カリウム(8.29g)及びジメチルスルホキシド(50mL)の混合物を100℃で終夜攪拌した。反応液に水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×4)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=30:70、続いて50:50、続いて80:20、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゾニトリル(5.89g)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.04(1H,t,J=4.8Hz),3.33(2H,m),3.86(2H,q,J=4.8Hz),4.66(1H,br),6.58(2H,d,J=8.7Hz),7.39(2H,d,J=8.7Hz).
上記で得た4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゾニトリル(0.81g)、水酸化カリウム(1.12g)及びtert−ブタノール(20mL)の混合物を100℃で1時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物(0.83g)、ピリジン(0.49mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、無水酢酸(0.57mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。室温で1時間攪拌した後、水(80mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(80mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=30:70、続いて60:40で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.68g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.08(3H,s),3.44(2H,q,J=5.6Hz),4.29(2H,t,J=5.4Hz),4.48(1H,br),6.59(2H,d,J=8.9Hz),7.43(2H,d,J=8.9Hz).
【参考例56】
【0158】
2−(メチルアミノ)エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート二塩酸塩
【化75】
N,N'−カルボニルジイミダゾール(3.36g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に、参考例1で得られた2−ヒドロキシエチル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(3.30g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を氷冷下、ゆっくり滴下した。氷冷下で40分間、室温で2時間攪拌した後、N,N'−カルボニルジイミダゾール(0.31g)を加え、更に3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に酢酸エチル(150mL)を加え、飽和食塩水(100mL×2)、水(50mL×3)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシレ−ト(5.24g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.39(9H×0.5,s),1.42(9H×0.5,s),2.94(3H,m),3.63(2H,m),4.51(2H,t,J=5.3Hz),7.06(1H,m),7.42(1H,m),8.13(1H,s).
上記で得た2−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル 1H−イミダゾール−1−カルボキシレ−ト(1.35g)、1−メチル−4−ピペリジノール(1.38g)及びアセトニトリル(20mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。1−メチル−4−ピペリジノール(0.92g)を加えて更に終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物(1.60g)に1N塩酸(12mL)を添加して、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、水、イソプロパノール、酢酸エチルを加えて、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.09g)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.85−2.20(4H,m),2.55(3H,s),2.70(3H×0.5,s),2.73(3H×0.5,s),2.90−3.50(6H,m),4.38(2H,m),4.65−5.00(1H,m),9.21(2H,br),11.10(1H,br).
【合成例1】
【0159】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化76】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.77g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:4、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.13g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.10(3H,s),2.24(3H,s),3.09(3H,bs),3.60−4.00(2H,br),4.25−4.50(4H,m),4.89(1H,d,J=13.3Hz),5.05(1H,d,J=13.3Hz),6.65(1H,d,J=5.5Hz),7.35−7.51(3H,m),7.80−7.90(1H,m),8.35(1H,d,J=5.5Hz).
【合成例2】
【0160】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル トリメチルアセテート
【化77】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例3で得られた2−(メチルアミノ)エチル トリメチルアセテート塩酸塩(0.98g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.01g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.23(9H,s),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.30−4.50(4H,m),4.80−5.20(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.78−7.88(1H,m),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例3】
【0161】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル シクロヘキサンカルボキシレート
【化78】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例4で得られた2−(メチルアミノ)エチル シクロヘキサンカルボキシレート塩酸塩(1.11g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.11g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.10−1.55(5H,m),1.55−1.82(3H,m),1.84−1.98(2H,m),2.23(3H,s),2.27−2.40(1H,m),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.30−4.50(4H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.48(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.34(1H,d,J=5.4Hz).
【合成例4】
【0162】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート
【化79】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.09g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.12(3H,bs),3.50−4.30(2H,br),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.68(2H,m),4.80−5.20(2H,br),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.48(5H,m),7.53−7.61(1H,m),7.82(1H,d,J=8.1Hz),8.04(2H,d,J=7.2Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例5】
【0163】
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル ベンゾエート
【化80】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.99g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.81mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(2.16g)を添加した。トリエチルアミン(1.39mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を添加後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(100mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(2.90g)、トリエチルアミン(2.20mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.096g)を添加し、60℃で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(80mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。アセトンから再結晶することにより、標題化合物(2.62g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.13(3H,bs),3.68−3.98(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.69(2H,m),4.80−5.10(2H,bm),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.27−7.48(5H,m),7.59(1H,m),7.83(1H,m),8.06(2H,d,J=6.0Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例6】
【0164】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−メトキシベンゾエート
【化81】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.584g)のテトラヒドロフラン溶液(18mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、40分間攪拌後、参考例6で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−メトキシベンゾエート塩酸塩(1.48g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で80分間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.55g)、トリエチルアミン(1.17mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.051g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することにより、標題化合物(1.08g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.11(3H,bs),3.68−3.90(2H,bm),3.85(3H,s),4.37(2H,q,J=7.9Hz),4.58−4.72(2H,m),4.82−5.14(2H,bm),6.63(1H,d,J=5.7Hz),6.91(2H,d,J=9.0Hz),7.27−7.40(3H,m),7.82(1H,m),7.99(2H,d,J=9.0Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例7】
【0165】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート
【化82】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例7で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩(1.50g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.44g)、トリエチルアミン(1.09mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.048g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製し、標題化合物(0.84g)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),3.12(3H,bs),3.78−4.08(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.64−5.08(4H,bm),6.64(1H,d,J=5.2Hz),7.34−7.42(4H,m),7.56(1H,m),7.82(1H,m),7.94(1H,d,J=7.6Hz),8.02(1H,s),8.34(1H,d,J=5.2Hz).
【合成例8】
【0166】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート
【化83】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例8で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3,4−ジフルオロベンゾエート塩酸塩(1.51g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.71g)、トリエチルアミン(1.29mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.056g)を添加し、60℃で17時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。アセトン−ジイソプロピルエーテルより結晶化し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することにより、標題化合物(1.37g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),3.11(3H,bs),3.82−4.08(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.14(4H,bm),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.20(1H,m),7.33−7.41(3H,m),7.78−7.92(3H,m),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例9】
【0167】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート
【化84】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例9で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−トリフルオロメトキシベンゾエート塩酸塩(1.79g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で1.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.57g)、トリエチルアミン(1.18mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.052g)を添加し、60℃で4.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、水層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.44g)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.11(3H,bs),3.85−4.05(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.12(4H,bm),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.24(2H,d,J=8.7Hz),7.25−7.40(3H,m),7.82(1H,d,J=7.2Hz),8.09(2H,d,J=8.7Hz),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例10】
【0168】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 4−フルオロベンゾエート
【化85】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例10で得られた2−(メチルアミノ)エチル 4−フルオロベンゾエート塩酸塩(1.40g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(40mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.32g)、トリエチルアミン(1.00mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で14.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(150mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル:ヘキサン=1:1から結晶化し、濾取した。続いてアセトンから再結晶することにより、標題化合物(1.39g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.12(3H,bs),3.78−4.20(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.58−5.08(4H,bm),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.11(2H,t,J=8.4Hz),7.28−7.44(3H,m),7.81−7.86(1H,m),8.03−8.11(2H,m),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例11】
【0169】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート
【化86】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.60g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例11で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3,4,5−トリメトキシベンゾエート塩酸塩(1.22g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を希塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で3時間、室温で2日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.56g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),3.12(3H,bs),3.50−4.30(2H,br),3.83(6H,s),3.90(3H,s),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.67(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.25−7.40(5H,m),7.78−7.86(1H,m),8.33(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例12】
【0170】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 2−ピリジンカルボキシレート
【化87】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.422g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.345mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例12で得られた2−(メチルアミノ)エチル 2−ピリジンカルボキシレート二塩酸塩(1.08g)を添加し、トリエチルアミン(1.19mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.31g)、トリエチルアミン(0.99mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.043g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(100mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.9g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.16(3H,s),3.80−4.20(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.60−5.10(4H,m),6.64(1H,d,J=5.8Hz),7.29−7.40(2H,m),7.47−7.52(2H,m),7.81−7.89(2H,m),8.14(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.8Hz),8.75−8.79(1H,m).
【合成例13】
【0171】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル メトキシアセテート
【化88】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.652g)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)に氷冷下、ピリジン(0.55mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例13で得られた2−(メチルアミノ)エチル メトキシアセテート(0.99g)を添加した。室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.13g)、トリエチルアミン(0.86mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で4日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(30mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:3で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて3:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.588g)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(CDCl3):2.32(3H,s),2.68(3H,s),3.48(3H,s),3.69−4.02(4H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.67(2H,t,J=6.6Hz),4.99(1H,d,J=13.9Hz),5.12(1H,d,J=13.9Hz),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.29−7.46(2H,m),7.62(1H,m),7.81(1H,m),8.25(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例14】
【0172】
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化89】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.31g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(1.07mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(2.02g)を添加した。トリエチルアミン(1.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(50mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(3.69g)、トリエチルアミン(2.09mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(3.84g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.32(3H,t,J=7.2Hz),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.50−4.20(2H,br),4.22(2H,q,J=7.2Hz),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.45(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.50(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例15】
【0173】
イソプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化90】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例15で得られたイソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.99g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)、トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を順次追加し、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で12時間、室温で3日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(0.58g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(6H,d,J=6.3Hz),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),4.37(2H,q,J=7.9Hz),4.32−4.53(2H,m),4.80−5.20(3H,m),6.63(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=7.2Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例16】
【0174】
イソプロピル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化91】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例15で得られたイソプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.18g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を添加後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(80mL)と水(30mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.73g)、トリエチルアミン(1.31mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.057g)を添加し、60℃で5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(100mL)と水(50mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製した。ジイソプロピルエーテル−ヘキサンより結晶化し、ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.20g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(6H,d,J=6.6Hz),2.23(3H,s),3.08(3H,bs),3.50−3.90(2H,bm),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.36−4.58(2H,bm),4.79−5.15(3H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.5Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例17】
【0175】
ベンジル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化92】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例16で得られたベンジル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:3、続いて3:2で溶出)で精製した。アセトン−ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジエチルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.17g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.22(3H,s),3.05(3H,bs),3.50−4.20(2H,br),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.46(2H,m),4.80−5.10(2H,br),5.17(2H,s),6.62(1H,d,J=5.6Hz),7.26−7.48(8H,m),7.77−7.88(1H,m),8.33(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例18】
【0176】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート
【化93】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.48g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.39mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、20分間攪拌後、参考例17で得られた2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩(0.96g)を添加した。トリエチルアミン(0.67mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.26g)、トリエチルアミン(0.71mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.042g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化し、アセトン−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.45g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.64−1.81(2H,m),1.92−2.03(2H,m),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),3.45−3.57(2H,m),3.87−3.97(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.45(2H,m),4.77−5.15(3H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例19】
【0177】
2−メトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化94】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例18で得られた2−メトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.07g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.85g)、トリエチルアミン(1.05mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.061g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル−ジエチルエーテルより結晶化し、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、標題化合物(1.39g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.37(3H,s),3.50−4.20(2H,br),3.59−3.65(2H,m),4.28−4.33(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.46(2H,m),4.80−5.15(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.47(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例20】
【0178】
2−[エチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化95】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例20で得られた2−(エチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.67g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(1.58g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.25(3H,m),2.08(3H,s),2.23(3H,s),3.30−4.10(4H,br),4.23−4.45(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.75−5.20(2H,br),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.46(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例21】
【0179】
2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化96】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.543g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.445mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考例22で得られた2−(イソプロピルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(1.0g)を添加した。トリエチルアミン(0.805mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.73g)、トリエチルアミン(1.53mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.134g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に加え、40℃で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物(1.50g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.20−1.40(6H,m),2.05(3H×0.4,s),2.11(3H×0.6,s),2.18(3H×0.6,s),2.27(3H×0.4,s),3.40−3.60(1H,m),3.70−4.60(6H,m),4.70−5.25(2H,m),6.65(1H,d,J=5.8Hz),7.30−7.50(3H,m),7.75−7.90(1H,m),8.37(1H,d,J=5.8Hz).
【合成例22】
【0180】
エチル 2−[イソプロピル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化97】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.467g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.381mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考例23で得られたエチル 2−(イソプロピルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.0g)を添加した。トリエチルアミン(0.69mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、0℃で15分間、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.48g)、トリエチルアミン(1.32mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.115g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に加え、40℃で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物(1.20g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.20−1.40(9H,m),2.17(3H×0.6,s),2.27(3H×0.4,s),3.40−3.70(1H,m),3.75−4.65(8H,m),4.70−5.30(2H,m),6.64(1H,d,J=5.8Hz),7.35−7.55(3H,m),7.75−7.90(1H,m),8.38(1H,d,J=5.8Hz).
【合成例23】
【0181】
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化98】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.593g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例25で得られた2−(シクロヘキシルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(1.33g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.61g)、トリエチルアミン(1.21mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.053g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(20mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(2.12g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.00−2.42(16H,m),3.30−3.70(2H,m),3.80−4.00(1H,m),4.27−4.42(2H,m),4.40(2H,q,J=8.2Hz),4.78(1H×0.5,d,J=13.2Hz),4.97(2H×0.5,s),5.20(1H×0.5,d,J=13.2Hz),6.67(1H,d,J=5.8Hz),7.36−7.46(3H,m),7.81−7.91(1H,m),8.39(1H,d,J=5.8Hz).
【合成例24】
【0182】
2−[シクロヘキシル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル エチル カーボネート
【化99】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.238g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.20mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例26で得られた2−(シクロヘキシルアミノ)エチル エチル カーボネート塩酸塩(0.605g)を添加した。トリエチルアミン(0.335mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.60g)、トリエチルアミン(0.45mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.02g)を添加し、60℃で24時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(50mL)を加え、水(20mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.92g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.02−2.27(16H,m),3.40−4.60(9H,m),4.78(1H×0.5,d,J=13.2Hz),4.97(2H×0.5,s),5.44(1H×0.5,d,J=13.2Hz),6.69(1H,d,J=5.6Hz),7.32−7.54(3H,m),7.80−7.91(1H,m),8.38(1H,d,J= 5.6Hz).
【合成例25】
【0183】
2−[[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
【化100】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(13.4g)のテトラヒドロフラン溶液(350mL)に氷冷下、ピリジン(10.38mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(25.9g)を添加した。トリエチルアミン(18.4mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に酢酸エチル(500mL)と水(500mL)を加え、攪拌した。酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(500mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、2−[(クロロカルボニル)(フェニル)アミノ]エチル アセテートを得た。これをテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(41.2g)、トリエチルアミン(15.6mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.363g)を添加し、60℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(800mL)を加え、水(800mL)で2回、さらに飽和食塩水(800mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(54.1g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.00(3H,s),2.25(3H,s),4.15−4.48(6H,m),4.83(1H,d,J=13.6Hz),5.05(1H,d,J=13.6Hz),6.67(1H,d,J=5.4Hz),7.03−7.45(8H,m),7.64−7.69(1H,m),8.40(1H,d,J=5.4Hz).
【合成例26】
【0184】
2−[[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
【化101】
合成例25と同様にして調製した2−[(クロロカルボニル)(フェニル)アミノ]エチル アセテート(0.58g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.739g)、トリエチルアミン(0.558mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.024g)を添加し、60℃で15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(30mL)を加え、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:4、続いて3:2で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.779g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.25(3H,s),4.20−4.48(6H,m),4.83(1H,d,J=13.6Hz),5.05(1H,d,J=13.6Hz),6.67(1H,d,J=5.8Hz),7.03−7.45(8H,m),7.64−7.69(1H,m),8.40(1H,d,J=5.8Hz).
【合成例27】
【0185】
tert−ブチル [2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]−3−ピリジル]メチル カーボネート
【化102】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.30g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.24mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例28で得られたtert−ブチル [2−(メチルアミノ)−3−ピリジル]メチル カーボネート(0.71g)を添加し、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.92g)、トリエチルアミン(0.70mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.031g)を添加し、60℃で1時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:2で溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.38g)を薄黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.46(9H,s),2.25(3H,s),3.54(3H,s),4.37(2H,q,J=8.0Hz),4.95(2H,s),5.15(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),6.63(1H,d,J=5.4Hz),7.26−7.45(3H,m),7.69−7.87(3H,m),8.33(1H,d,J=5.4Hz),8.44−8.46(1H,m).
【合成例28】
【0186】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ベンジル アセテート
【化103】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.46g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(1.16mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例29で得られた2−(メチルアミノ)ベンジル アセテート(2.57g)を添加し、室温で3時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(4.41g)、トリエチルアミン(3.33mL)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.15g)を添加し、60℃で18時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:4、続いて1:2で溶出)で精製した。酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサンから結晶化することにより、標題化合物(2.76g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.10(3H,s),2.00−2.30(3H,br),3.20−3.50(3H,br),4.38(2H,q,J=7.6Hz),4.70−5.20(2H,m),5.20−5.50(2H,m),6.65(1H,d,J=5.4Hz),7.10−7.82(8H,m),8.38(1H,d,J=5.4Hz).
【合成例29】
【0187】
2−[[2-(アセチルオキシ)エチル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化104】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例30で得られた2−[(2−アセチルオキシエチル)アミノ]エチル アセテート塩酸塩(1.13g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル(20mL)を加え、析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.48g)、トリエチルアミン(1.12mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらに塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製した。酢酸エチル(20mL)に溶解し、活性炭を加えて終夜攪拌した。活性炭を濾別し、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(1.60g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.06(3H,s),2.08(3H,s),2.24(3H,s),3.40−4.45(8H,m),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.88(1H,d,J=13.2Hz),5.05(1H,d,J=13.2Hz),6.66(1H,d,J=5.6Hz),7.38−7.50(3H,m),7.87(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例30】
【0188】
[(2S)−1−[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]−2−ピロリジニル]メチル アセテート
【化105】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例31で得られた(S)−2−ピロリジニルメチル アセテート塩酸塩(0.90g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で1日間、室温で2日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1、続いて酢酸エチル、続いてアセトン:酢酸エチル=1:4、続いて2:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.80g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.80−2.30(4H,m),2.09(3H,s),2.30(3H,s),3.39(1H,m),3.50−3.62(1H,m),4.20−4.45(4H,m),4.58(1H,m),4.89(1H,d,J=13.5Hz),4.96(1H,d,J=13.5Hz),6.65(1H,d,J=5.9Hz),7.36−7.48(3H,m),7.89(1H,d,J=8.7Hz),8.38(1H,d,J=5.9Hz).
【合成例31】
【0189】
エチル [メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]アセテート
【化106】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.50g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に氷冷下、ピリジン(0.40mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、サルコシンエチルエステル塩酸塩(0.77g)を添加した。トリエチルアミン(0.70mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(33mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリウム塩(1.37g)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.40g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.33(3H,t,J=7.1Hz),2.24(3H,s),3.10(3H,bs),3.70−4.30(2H,br),4.28(2H,q,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.82−5.10(2H,br),6.63(1H,d,J=5.5Hz),7.34−7.52(2H,m),7.70−7.90(2H,m),8.32(1H,d,J=5.5Hz).
【合成例32】
【0190】
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエート
【化107】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.344g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.281mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応液に参考例5で得られた2−(メチルアミノ)エチル ベンゾエート塩酸塩(0.750g)を添加した。トリエチルアミン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加後、0℃で1時間、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(1.0g)、トリエチルアミン(0.808mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.071g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に加え、40℃で18時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製し、標題化合物と2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル ベンゾエートの1:1混合物(1.50g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.05−2.35(6H,m),3.00−3.30(3H,br),3.60−4.40(8H,m),4.60−5.10(4H,m),6.80−7.00(2H,m),7.20−7.70(4H,m),7.95−8.25(3H,m).
【合成例33】
【0191】
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル ベンゾエート
【化108】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例32で得られた3−(メチルアミノ)プロピル ベンゾエート塩酸塩(1.38g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.054g)を添加し、60℃で4時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.26g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),2.20−2.30(2H,bm),3.06(3H,bs),3.60−3.75(2H,bm),4.36(2H,q,J=7.8Hz),4.30−4.50(2H,bm),4.80−5.15(2H,bm),6.62(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.44(5H,m),7.54(1H,m),7.81(1H,m),7.93−8.03(2H,bm),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例34】
【0192】
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート
【化109】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、20分間攪拌後、参考例17で得られた2−(メチルアミノ)エチル テトラヒドロピラン−4−イル カーボネート塩酸塩(1.43g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.027g)を添加し、60℃で17.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(120mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(1.23g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.64−1.81(2H,m),1.92−2.03(2H,m),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.40−4.30(2H,br),3.46−3.59(2H,m),3.87−3.99(2H,m),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.45(2H,m),4.77−5.15(3H,m),6.65(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.50(3H,m),7.85(1H,m),8.36(1H,d,J=5.4Hz).
【合成例35】
【0193】
エチル 2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化110】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.63g)、トリエチルアミン(1.23mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.054g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.27g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.32(3H,t,J=7.1Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.50−4.76(4H,br),4.21(2H,q,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.9Hz),4.84−5.14(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.46(3H,m),7.83(1H,d,J=7.2Hz),8.34(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例36】
【0194】
エチル 2−[メチル[[(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化111】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.15g)、トリエチルアミン(0.87mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.035g)を添加し、60℃で12時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.40g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.32(3H,t,J=7.2Hz),2.23(3H,s),3.10(3H,bs),3.50−4.56(4H,br),4.22(2H,q,J=7.2Hz),4.38(2H,q,J=7.9Hz),4.84−5.14(2H,m),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.34−7.50(3H,m),7.85(1H,m),8.36(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例37】
【0195】
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化112】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(1.10g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.44g)、トリエチルアミン(1.16mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.721g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.25−1.34(3H,m),2.23(6H,s),3.15,3.32(合計3H,s),3.72(3H,s),3.90−4.53(9H,m),4.86(1H,d,J=13.4Hz),4.95(1H,d,J=13.4Hz),6.79(1H,d,J=8.7Hz),7.95(1H,d,J=8.7Hz),8.22(1H,s).
【合成例38】
【0196】
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル アセテート
【化113】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.922g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.85g)、トリエチルアミン(0.70mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.025g)を添加し、60℃で5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(90mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.173g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.04,2.09(合計3H,s),2.24(6H,s),3.13,3.30(合計3H,s),3.45−3.97(2H,m),3.72(3H,s),3.97(3H,s),4.15−4.50(2H,m),4.85(1H,d,J=13.1Hz),4.96(1H,d,J=13.1Hz),6.80(1H,d,J=8.9Hz),7.96(1H,d,J=8.9Hz),8.22(1H,s).
【合成例39】
【0197】
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
【化114】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.867g)、トリエチルアミン(0.697mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.020g)を添加し、60℃で10時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)で精製した。ジエチルエーテルより結晶化することにより、標題化合物(0.311g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.96(3H,s),2.23(3H,s),2.25(3H,s),3.72(3H,s),4.01(3H,s),4.12−4.52(4H,m),4.78−5.22(2H,m),6.62(1H,d,J=8.7Hz),7.02−7.18(3H,m),7.32−7.48(2H,m),7.73(1H,d,J=8.7Hz),8.26(1H,s).
【合成例40】
【0198】
4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル アセテート
【化115】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例37で得られた4−(メチルアミノ)ブチル アセテート塩酸塩(1.08g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.02g)、トリエチルアミン(0.77mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.93g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.65−1.85(4H,m),2.03(3H,s),2.23(3H,s),3.02(3H,bs),3.45−3.63(2H,m),4.03−4.13(2H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.46(3H,m),7.84(1H,d,J=8.4Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例41】
【0199】
エチル 4−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]ブチル カーボネート
【化116】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例39で得られたエチル 4−(メチルアミノ)ブチル カーボネート塩酸塩(1.27g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.26g)、トリエチルアミン(0.95mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.08g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.2Hz),1.73−1.91(4H,m),2.23(3H,s),3.01(3H,bs),3.50−3.62(2H,m),4.15−4.22(4H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.87−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.4Hz),7.35−7.46(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.4Hz).
【合成例42】
【0200】
エチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル カーボネート
【化117】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例44で得られたエチル 3−(メチルアミノ)プロピル カーボネート塩酸塩(1.18g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.10g)、トリエチルアミン(0.83mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.88g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.29(3H,t,J=7.2Hz),2.10−2.20(2H,m),2.22(3H,s),3.02(3H,bs),3.55−3.77(2H,m),4.14−4.30(4H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.83−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.35−7.46(3H,m),7.82(1H,d,J=8.1Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例43】
【0201】
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロピル アセテート
【化118】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.19g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(0.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例42で得られた3−(メチルアミノ)プロピル アセテート塩酸塩(1.90g)を添加した。トリエチルアミン(1.68mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.99g)、トリエチルアミン(1.50mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.22g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.97(3H,s),2.05−2.15(2H,m),2.22(3H,s),3.03(3H,bs),3.42−3.72(2H,m),4.10−4.22(2H,m),4.37(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.13(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.24−7.44(3H,m),7.83(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例44】
【0202】
3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル ジアセテート
【化119】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例46で得られた3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ジアセテート塩酸塩(1.35g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.27g)、トリエチルアミン(0.96mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.64g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.05(3H,s),2.13(3H,s),2.23(3H,s),3.07(3H,bs),3.42−3.95(2H,m),4.06−4.43(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.85−5.05(2H,m),5.42−5.50(1H,m),6.63−6.66(1H,m),7.38−7.51(3H,m),7.78−7.85(1H,m),8.33−8.36(1H,m).
【合成例45】
【0203】
ジエチル 3−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]プロパン−1,2−ジイル
ビスカーボネート
【化120】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例47で得られたジエチル 3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジイル ビスカーボネート塩酸塩(1.71g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.53g)、トリエチルアミン(1.16mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.42g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.28−1.34(6H,m),2.22(3H,s),3.07(3H,bs),3.42−4.60(10H,m),4.85−5.08(2H,m),5.30−5.42(1H,m),6.62−6.64(1H,m),7.37−7.42(3H,m),7.80−7.83(1H,m),8.32−8.35(1H,m).
【合成例46】
【0204】
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル 3−クロロベンゾエート
【化121】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.194g)のテトラヒドロフラン溶液(7mL)に氷冷下、ピリジン(0.162mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例7で得られた2−(メチルアミノ)エチル 3−クロロベンゾエート塩酸塩(0.50g)を添加した。トリエチルアミン(0.279mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.445g)、トリエチルアミン(0.357mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(70mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.360g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(3H,s),2.23(3H,s),3.32,3.38(合計3H,s),3.72(3H,s),3.81(3H,s),3.92−4.09(2H,m),4.50−4.73(2H,m),4.87(1H,d,J=13.4Hz),4.94(1H,d,J=13.4Hz),6.77(1H,d,J=8.8Hz)、7.36(1H,m),7.52(1H,m),7.80−8.03(3H,m),8.20(1H,s).
【合成例47】
【0205】
2−[メチル[[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化122】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.582g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.485mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例2で得られた2−(メチルアミノ)エチル アセテート塩酸塩(0.922g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(25mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.10g)、トリエチルアミン(0.84mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.036g)を添加し、60℃で4.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.18g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.10(3H,s),2.24(3H,s),3.09(3H,bs),3.60−4.00(2H,br),4.25−4.50(2H,m),4.38(2H、q,J=7.8Hz),4.84−5.18(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.48(3H,m),7.85(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例48】
【0206】
エチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化123】
(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(130g)、トリエチルアミン(63.8mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.86g)、参考例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(84.8g)のテトラヒドロフラン(813mL)溶液を45−50℃で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物に水(300mL)を加え、酢酸エチル(700mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(300mL)で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(130g)と活性炭(13g)を加えた。室温で30分間攪拌した後、濾過した。濾液を減圧濃縮した後、残留物をトリエチルアミン(0.49mL)を含むジエチルエーテル(600mL)に溶かし、減圧濃縮した。この操作をさらに2回繰り返した。得られた油状物をトリエチルアミン(2.45mL)を含むエタノール(200mL)に溶かし、氷冷下、水(120mL)を滴下した。析出した結晶を濾取し、氷冷したエタノール−水(体積比1:1,150mL)で3回洗浄し、乾燥することにより、標題化合物(172.2g)を無色固体として得た。1H−NMR(CDCl3)は合成例14で得られた化合物と同一のチャートを示した。
【合成例49】
【0207】
2−エトキシエチル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化124】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.43g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.35mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、10分間攪拌後、参考例48で得られた2−エトキシエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.82g)を添加した。トリエチルアミン(0.60mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3日間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で11時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチル:ヘキサン=7:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.39g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.19(3H,t,J=6.9Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.40−4.20(2H,br),3.53(2H,q,J=6.9Hz),3.63−3.69(2H,m),4.27−4.34(2H,m),4.39(2H,q,J=7.8Hz),4.47(2H,m),4.80−5.20(2H,m),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.30−7.52(3H,m),7.84(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例50】
【0208】
3−メトキシプロピル 2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化125】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.53g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.44mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、5分間攪拌後、参考例49で得られた3−メトキシプロピル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.82g)を添加した。トリエチルアミン(0.75mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて酢酸エチル:ヘキサン=7:3で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.70g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.94(2H,quintet,J=6.2Hz),2.23(3H,s),3.09(3H,bs),3.31(3H,s),3.40−4.20(2H,br),3.44(2H,t,J=6.2Hz),4.25(2H,t,J=6.5Hz),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.44(2H,m),4.80−5.20(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.35−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.34(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例51】
【0209】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル N,N−ジメチルグリシネート
【化126】
参考例50で得られた2−(メチルアミノ)エチル N,N−ジメチルグリシネート二塩酸塩(1.06g)をテトラヒドロフラン(40mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.77g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(2.17mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で3時間攪拌した。析出した固体を濾別した後、酢酸エチル(80mL)を加え、氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL×2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で6時間、室温で3日間攪拌した。4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃でさらに6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製した。ジエチルエーテルから結晶化することにより、標題化合物(0.41g)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.23(3H,s),2.35(6H,s),3.08(3H,bs),3.21(2H,s),3.50−4.20(2H,br),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.44(2H,m),4.80−5.18(2H,m),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.48(3H,m),7.84(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例52】
【0210】
S−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル] チオアセテート
【化127】
参考例51で得られたS−[2−(メチルアミノ)エチル] チオアセテート塩酸塩(0.75g)をテトラヒドロフラン(30mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.66g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(1.85mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、氷冷下で30分間、室温で30分間攪拌した。析出した固体を濾別し、濾液に酢酸エチル(50mL)を加え、氷冷した0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.96g)、トリエチルアミン(0.54mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.032g)を添加し、60℃で6時間、室温で8時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=3:7、続いてアセトン:ヘキサン=7:3で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.19g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):2.23(3H,s),2.34(3H,s),3.10(3H,bs),3.22(2H,t,J=6.6Hz),3.67(2H,m),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.80−5.20(2H,m),6.64(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.83(1H,d,J=6.9Hz),8.35(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例53】
【0211】
エチル 2−[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]エチル カーボネート
【化128】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.19g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に氷冷下、ピリジン(0.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例52で得られたエチル 2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル カーボネート塩酸塩(2.73g)を添加した。トリエチルアミン(1.68mL)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(2.80g)、トリエチルアミン(2.11mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(2.19g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.28(3H,t,J=7.2Hz),2.24(3H,s),3.10(3H,bs),3.38−3.80(6H,m),4.18(2H,q,J=7.2Hz),4.27−4.34(2H,m),4.38(2H,q,J=8.4Hz),4.83−5.30(2H,m),6.65(1H,d,J=5.7Hz),7.35−7.50(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例54】
【0212】
エチル 2−[メチル[[2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート
【化129】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.59g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ピリジン(0.49mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例53で得られたエチル 2−[メチル[[2−(メチルアミノ)エトキシ]カルボニル]アミノ]エチル カーボネート塩酸塩(1.71g)を添加した。トリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.59g)、トリエチルアミン(1.20mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.62g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.24−1.31(3H,m),2.24(3H,bs),2.97−2.99(3H,m),3.10(3H,bs),3.55−3.58(2H,m),4.09−4.50(10H,m),4.88−5.08(2H,m),6.65(1H,t,J=5.7Hz),7.36−7.48(3H,m),7.85(1H,d,J=6.9Hz),8.36(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例55】
【0213】
エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化130】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.551g)を添加した。トリエチルアミン(0.418mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.817g)、トリエチルアミン(0.661mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で12時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物とエチル 2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの3:2の混合物(0.92g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.27−1.34(3H,m),2.10−2.30(3H,m),2.23(3H,s),2.99−3.23(3H,m),3.40−3.85(2H,m),3.69(6/5H,s),3.71(9/5H,s),3.86(6/5H,s),3.88(9/5H,s),4.14−4.25(2H,m),4.38−4.60(2H,m),4.82−5.06(2H,m),6.92−7.08(7/5H,m),7.33(3/5H,d,J=9.0Hz),7.66(1H,m),8.21(1H,s).
【合成例56】
【0214】
2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
【化131】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.829g)、トリエチルアミン(0.669mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で14時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)で精製することにより、標題化合物と2−[[[6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテートの1:1の混合物(1.10g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.19(1.5H.s),2.21(1.5H,s),2.25(3H,s),3.70(1.5H,s),3.71(3H,s),3.78(1.5H,s),3.84(1.5H,s),4.15−4.56(4H,m),4.74−4.80(1H,m),4.91−4.98(1H,m),6.83−6.91(1.5H,m),7.04−7.19(3.5H,m),7.25−7.53(2.5H,m),7.51(0.5H,d,J=8.7Hz),8.25(1H,s).
【合成例57】
【0215】
エチル 2−[[[(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化132】
特表平10−504290の合成例1に記載の方法で合成した(S)−5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.34g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に参考例34で得られた2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.9mL)、トリエチルアミン(1.08mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.010g)を添加し、60℃で6時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)で精製することにより、標題化合物とエチル 2−[[[(S)−6−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの3:2の混合物(0.92g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.25−1.34(3H,m),2.10−2.30(3H,m),2.23(3H,s),2.99−3.23(3H,m),3.40−3.85(2H,m),3.69(6/5H,s),3.71(9/5H,s),3.86(6/5H,s),3.88(9/5H,s),4.14−4.25(2H,m),4.38−4.60(2H,m),4.79−5.05(2H,m),6.92−7.08(7/5H,m),7.33(3/5H,d,J=9.3Hz),7.65(1H,m),8.21(1H,s).
【合成例58】
【0216】
エチル 2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化133】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.551g)を添加した。トリエチルアミン(0.418mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で2.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(15mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.723g)、トリエチルアミン(0.528mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で17時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.44g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.1Hz),2.05(2H,m),2.18(3H,s),3.08(3H,bs),3.34(3H,s),3.54(2H,t,J=6.1Hz),3.61−4.01(2H,m),4.08(2H,t,J=6.3Hz),4.21(2H,t,J=7.1Hz),4.38−4.54(2H,m),4.81−5.12(2H,m),6.68(1H,d,J=5.6Hz),7.34−7.48(3H,m),7.83(1H,d,J=7.8Hz),8.27(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例59】
【0217】
2−[[[2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](フェニル)アミノ]エチル アセテート
【化134】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.291g)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、ピリジン(0.243mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、参考例27で得られた2−アニリノエチル アセテート塩酸塩(0.647g)を添加した。トリエチルアミン(0.419mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.877g)、トリエチルアミン(0.641mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で16時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(40mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(15mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物(0.93g)を無色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.07(3H.s),2.19(3H,s),3.35(3H,s),3.54(2H,t,J=6.2Hz),4.09(2H,t,J=6.2Hz),4.14−4.40(4H,m),4.80(1H,d,J=13.7Hz),5.00(1H,d,J=13.7Hz),6.71(1H,d,J=5.7Hz),7.03−7.34(7H,m),7.38(1H,m),7.65(1H,m),8.32(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例60】
【0218】
2−[[[5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート
【化135】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.174g)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)に氷冷下、ピリジン(0.146mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、参考例14で得られたエチル 2−(メチルアミノ)エチル カーボネート塩酸塩(0.330g)を添加した。トリエチルアミン(0.250mL)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)を滴下後、室温で3時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(10mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解した。5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.432g)、トリエチルアミン(0.279mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.008g)を添加し、60℃で17.5時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2、続いて1:1で溶出)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1、続いて酢酸エチルで溶出)で精製することにより、標題化合物と2−[[[6−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]メチルアミノ]エチル エチル カーボネートの1:1の混合物(0.09g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.31(3H,t,J=7.2Hz),3.06(3H,s),3.42−3.98(2H,m),3.87(3H,s),3.90(3H,s),4.21(2H,q,J=7.2Hz),4.36−4.54(2H,m),4.90(1H,d,J=13.2Hz),4.98(1H,d,J=13.2Hz),6.54(0.5H,t,J=73.5Hz),6.61(0.5H,t,J=73.5Hz),6.78(1H,d,J=5.3Hz),7.15−7.25(1.5H,m),7.44(0.5H,d,J=9.0Hz),7.59(0.5H,s),7.80(0.5H,d,J=9.0Hz),8.17(1H,d,J=5.3Hz).
【合成例61】
【0219】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート
【化136】
参考例54で得られた2−(メチルアミノ)エチル 1−メチルピペリジン−4−カルボキシレート二塩酸塩(0.98g)をテトラヒドロフラン(50mL)に加えてしばらく攪拌した後、炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.53g)を加えた。氷冷した後、トリエチルアミン(2.01mL)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)を滴下し、室温で3時間攪拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(80mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.74g)、トリエチルアミン(0.56mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.049g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=7:3、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.78g)を黄緑色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.65−2.05(6H,m),2.23(3H,s),2.25(3H,s),2.24−2.38(1H,m),2.75−2.85(2H,m),3.07(3H,bs),3.40−4.10(2H,br),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.40(2H,m),4.80−5.10(2H,br),6.64(1H,d,J=5.6Hz),7.36−7.47(3H,m),7.84(1H,d,J=7.8Hz),8.35(1H,d,J=5.6Hz).
【合成例62】
【0220】
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化137】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.45g)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、参考例55で得られた2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート(0.67g)とトリエチルアミン(0.63mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下し、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を0.2N塩酸(20mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で30分間、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:6、続いて6:4、続いて8:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(1.26g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.26(3H,s),4.15−4.55(4H,m),4.41(2H,q,J=7.9Hz),4.80−5.20(2H,br),6.69(1H,d,J=5.7Hz),7.26−7.38(3H,m),7.48(2H,d,J=8.9Hz),7.54(2H,d,J=8.9Hz),7.66−7.73(1H,m),8.39(1H,d,J=5.7Hz).
【合成例63】
【0221】
2−[メチル[[(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート
【化138】
参考例56で得られた2−(メチルアミノ)エチル 1−メチル−4−ピペリジニル カーボネート二塩酸塩(1.01g)をテトラヒドロフラン(30mL)に加えてしばらく攪拌した後、氷冷した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.69g)を添加後、トリエチルアミン(1.95mL)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下した。氷冷下1時間、室温で1時間攪拌した後、析出した固体を濾別した。減圧濃縮後、酢酸エチル(50mL)を加え、氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.11g)、トリエチルアミン(0.63mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.037g)を添加し、60℃で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1、続いて酢酸エチル、続いてメタノール:酢酸エチル=1:19で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.70g)を黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.70−1.86(2H,m),1.90−2.04(2H,m),2.23(3H,s),2.28(3H,s),2.10−2.35(2H,m),2.60−2.72(2H,m),3.08(3H,bs),3.40−4.20(2H,br),4.39(2H,q,J=7.9Hz),4.44(2H,m),4.60−4.74(1H,m),4.80−5.15(2H,br),6.65(1H,d,J=5.9Hz),7.35−7.52(3H,m),7.84(1H,d,J=7.5Hz),8.35(1H,d,J=5.9Hz).
【合成例64】
【0222】
2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル][[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]カルボニル]アミノ]エチル アセテート
【化139】
炭酸ビス(トリクロロメチル)(0.12g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に氷冷下、参考例55で得られた2−[[4−(アミノカルボニル)フェニル]アミノ]エチル アセテート(0.22g)とトリエチルアミン(0.17mL)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴下し、室温で30分間攪拌した。水(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(0.37g)、トリエチルアミン(0.28mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.012g)を添加し、60℃で1時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7、続いて5:5、続いて8:2で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.34g)を淡黄色アモルファス状固体として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.99(3H,s),2.26(3H,s),4.15−4.55(4H,m),4.41(2H,q,J=7.9Hz),4.80−5.20(2H,br),6.69(1H,d,J=5.9Hz),7.26−7.40(3H,m),7.47(2H,d,J=8.8Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz),7.65−7.74(1H,m),8.38(1H,d,J=5.9Hz).
【合成例65】
【0223】
(−)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化140】
特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを分取HPLCで光学分割して得た(−)エナンチオマー体(0.10g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に、参考例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.081g)、トリエチルアミン(0.080mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.007g)を添加し、50℃で18時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物(0.053g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.30(3H,t,J=7.1Hz),2.24(6H,s),3.15,3.32(合計3H,s),3.73(3H,s),3.90−4.55(9H,m),4.85(1H,d,J=13.2Hz),4.97(1H,d,J=13.2Hz),6.80(1H,d,J=8.8Hz),7.96(1H,d,J=8.8Hz),8.23(1H,s).
【合成例66】
【0224】
(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネート
【化141】
特開昭63−146882に記載の方法で合成した5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを分取HPLCで光学分割して得た(+)エナンチオマー体(0.10g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に、参考例34で得た2−[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]エチル エチル カーボネート(0.081g)、トリエチルアミン(0.080mL)、4−ジメチルアミノピリジン(0.007g)を添加し、50℃で18時間攪拌した。減圧濃縮後、残留物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1で溶出)で精製することにより、標題化合物と(+)−エチル 2−[[[5−メトキシ−2−[[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル]スルフィニル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル]カルボニル](メチル)アミノ]エチル カーボネートの2:1の混合物(0.115g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3):1.20−1.38(3H,m),2.24(6H,s),3.08,3.15,3.33(合計3H,s),3.73(3H,s),3.88−4.55(9H,m),4.78−5.05(2H,m),6.80,6.86(1H,d,J=8.8Hz),7.76,7.96(1H,d,J=8.8Hz),8.21,8.22(合計1H,s).
【実施例1】
【0225】
下記組成のうち、ランソプラゾールR体(以下、「化合物A」と称す)247.7g、炭酸マグネシウム184.6g、精製白糖492.2g、とうもろこしでんぷん299.9gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース329.6gをよく混合し、散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぷん球状顆粒(商品名:ノンパレル-101、フロイント産業株式会社製)を880g投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。該球形顆粒を40℃、16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒300.0mg中の組成
白糖・でんぷん球状顆粒 110.0mg
化合物A 30.0mg
炭酸マグネシウム 22.4mg
精製白糖 59.8mg
とうもろこしでんぷん 36.4mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 40.0mg
ヒドロキシプロピルセルロース 1.4mg
計 300.0mg
【実施例2】
【0226】
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。実施例1で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒を得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒369.2mg中の組成
実施例1の顆粒 300.0mg
メタクリル酸コポリマーLD 148.7mg(固形分として44.6mg)
タルク 13.8mg
マクロゴール6000 4.4mg
酸化チタン 4.4mg
ポリソルベート80 2.0mg
計 369.2mg
【実施例3】
【0227】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例2で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒605.5mg中の組成
実施例2で得られた腸溶性顆粒 369.2mg
メタクリル酸コポリマーS 110.8mg
メタクリル酸コポリマーL 36.9mg
タルク 73.8mg
クエン酸トリエチル 14.8mg
計 605.5mg
【実施例4】
【0228】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチル4.8gを溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例2で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒605.5mg中の組成
実施例2で得られた腸溶性顆粒 369.2mg
メタクリル酸コポリマーS 73.85mg
メタクリル酸コポリマーL 73.85mg
タルク 73.8mg
クエン酸トリエチル 14.8mg
計 605.5mg
【実施例5】
【0229】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例3で得た放出制御顆粒500mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant、 Dow Chemical社製)205mgを添加し、0号ゼラチンカプセル2個に充填してカプセル剤を得た。
【実施例6】
【0230】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例4で得た放出制御顆粒500mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)205mgを添加し、0号ゼラチンカプセル2個に充填してカプセル剤を得た。
【実施例7】
【0231】
化合物A 300g、炭酸マグネシウム105g、精製白糖195gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース75gをよく混合し、主薬層散布剤とした。精製白糖75g、酸化チタン48.8gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8gをよく混合し、中間層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぶん球状顆粒(商品名:ノンパレル-101、フロイント産業株式会社製)375gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。引き続き、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の中間層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒120.0mg中の組成
白糖・でんぶん球状顆粒 37.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.75mg
主薬散布剤
化合物A 30.0mg
炭酸マグネシウム 10.5mg
精製白糖 19.5mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 7.5mg
中間層散布剤
精製白糖 7.5mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 1.875mg
酸化チタン 4.875mg
計 120.0mg
【実施例8】
【0232】
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。実施例7で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒を得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒149.86mg中の組成
実施例7の顆粒 120.00mg
メタクリル酸コポリマーLD 65mg (固形分として19.5mg)
タルク 5.85mg
マクロゴール6000 1.88mg
酸化チタン 1.88mg
ポリソルベート80 0.75mg
計 149.86mg
【実施例9】
【0233】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチル4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例8で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒245.86mg中の組成
実施例8の腸溶性顆粒 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 45.00mg
メタクリル酸コポリマーL 15.00mg
タルク 30.00mg
クエン酸トリエチル 6.00mg
計 245.86mg
【実施例10】
【0234】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチル4.8gを溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例8で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒245.86mg中の組成
実施例8の腸溶性顆粒 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 30.0mg
メタクリル酸コポリマーL 30.0mg
タルク 30.0mg
クエン酸トリエチル 6.0mg
計 245.86mg
【実施例11】
【0235】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例9で得た放出制御顆粒175mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)70.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例12】
【0236】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例10で得た放出制御顆粒175mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)70.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【試験例1】
【0237】
実施例5で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ186ng/mL、132ng/mL、107ng/mL、303ng/mL、355ng/mL、216ng/mL、113ng/mLであった。
【試験例2】
【0238】
実施例6で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ192ng/mL、137ng/mL、473ng/mL、478ng/mL、364ng/mL、257ng/mL、28ng/mLであった。
【試験例3】
【0239】
実施例11で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ308ng/mL、245ng/mL、323ng/mL、81ng/mL、39ng/mL、26ng/mL、0ng/mLであった。
【試験例4】
【0240】
実施例12で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ160ng/mL、319ng/mL、631ng/mL、371ng/mL、230ng/mL、144ng/mL、25ng/mLであった。
【実施例13】
【0241】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチル4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例8で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒221.86mg中の組成
実施例8の腸溶性顆粒 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 33.75mg
メタクリル酸コポリマーL 11.25mg
タルク 22.5mg
クエン酸トリエチル 4.5mg
計 221.86mg
【実施例14】
【0242】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチル4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例8で得た腸溶性顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1400μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒221.86mg中の組成
実施例8の腸溶性顆粒 149.86mg
メタクリル酸コポリマーS 22.5mg
メタクリル酸コポリマーL 22.5mg
タルク 22.5mg
クエン酸トリエチル 4.5mg
計 221.86mg
【実施例15】
【0243】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例13で得た放出制御顆粒168mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)68.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例16】
【0244】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例14で得た放出制御顆粒168mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)68.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例17】
【0245】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例13で得た放出制御顆粒168mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例18】
【0246】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例13で得た放出制御顆粒168mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【試験例5】
【0247】
実施例14で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ403ng/mL、687ng/mL、803ng/mL、463ng/mL、329ng/mL、217ng/mL、65ng/mLであった。
【実施例19】
【0248】
実施例1で得た顆粒100gを遠心転動造粒機(CF−mini、フロイント産業株式会社製)に投入し、イソプロピルアルコールに溶解したヒドロキシプロピルセルロース溶液(8w/w%)を噴霧しながら崩壊剤であるAc−Di−Solを顆粒に対し32w/w%コーティングし、球形顆粒を得た。該球形顆粒を40℃、16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し1400μm以下の顆粒を得た。
【実施例20】
【0249】
アセトン120gとイソプロピルアルコール288gの混液にアミノアルキルメタアクリレートコポリマーRSを24g溶解し、得られる溶液にタルク48gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例19で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.1g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、下記組成からなる放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒130.0mg中における組成
実施例19で得た顆粒 100mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS 10.0mg
タルク 20.0mg
計 130.0mg
【実施例21】
【0250】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例20で得た放出制御顆粒420mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)175mgを添加し、0号ゼラチンカプセル2個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例22】
【0251】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例20で得た放出制御顆粒420mgを混合し、0号ゼラチンカプセル2個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【試験例6】
【0252】
実施例21で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ657ng/mL、406ng/mL、223ng/mL、504ng/mL、399ng/mL、228ng/mL、50ng/mLであった。
【実施例23】
【0253】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチル4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例19で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:150rpm、注液速度:3.3g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し710μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒164.0mg中における組成
実施例19で得た顆粒 100mg
メタクリル酸コポリマーS 30.0mg
メタクリル酸コポリマーL 10.0mg
タルク 20.0mg
クエン酸トリエチル 4.0mg
計 164.0mg
【実施例24】
【0254】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例23で得た放出制御顆粒614mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)239mgを添加し、0号ゼラチンカプセル2個に充填してカプセル剤(化合物A:30mg相当)を得た。
【実施例25】
【0255】
実施例2で得た腸溶性顆粒104mgと実施例23で得た放出制御顆粒614mgを混合し、0号ゼラチンカプセル2個に充填してカプセル剤(化合物A:30mg相当)を得た。
【試験例7】
【0256】
実施例24で得たカプセル剤を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ106ng/mL、135ng/mL、639ng/mL、129ng/mL、49ng/mL、16ng/mL、0ng/mLであった。
【比較例1】
【0257】
実施例2で得た腸溶性顆粒414mgを充填した0号ゼラチンカプセル1個を絶食下のビーグル犬に水30mLとともに経口投与した。投与後、1時間、2時間、4時間、6時間、7時間、8時間、10時間の化合物Aの血漿中薬物濃度はそれぞれ2068ng/mL、689ng/mL、70ng/mL、0ng/mL、0ng/mL、0ng/mL、0ng/mLであった。
【実施例26】
【0258】
化合物A 150g、炭酸マグネシウム50g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース25gおよびヒドロキシプロピルセルロース25gを精製水1420gに懸濁させて噴霧液とした。転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)に結晶セルロース(粒)200gを投入し、給気温度62℃、ロータ回転数:300rpm、注液速度:10g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件で噴霧し下記組成の球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し500μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒41.24mg中の組成
結晶セルロース(粒) 22.5mg
化合物A 11.25mg
炭酸マグネシウム 3.75mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 1.87mg
ヒドロキシプロピルセルロース 1.87mg
計 41.24mg
【実施例27】
【0259】
化合物A 90g、炭酸マグネシウム31.5g、精製白糖58.5gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース22.5gをよく混合し、主薬層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−mini、フロイント産業株式会社製)に実施例26で得た顆粒110gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし、下記組成の球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒118.03mg中の組成
実施例26の顆粒 41.25mg
化合物A 33.75mg
炭酸マグネシウム 11.81mg
精製白糖 21.94mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.44mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.84mg
計 118.03mg
【実施例28】
【0260】
実施例27で得られた顆粒に中間層コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)を用いてコーティングし、そのまま乾燥し下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水361.55gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を20.09g溶解し、得られる溶液に酸化チタン8.03gおよびタルク12.05gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:62℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2で行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
中間層コーティング顆粒133.03mg中の組成
実施例27の顆粒 118.03mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.5mg
タルク 4.5mg
酸化チタン 3.0mg
計 133.03mg
【実施例29】
【0261】
精製水1206gにマクロゴール6000を25gおよびポリソルベート80を10g溶解し、得られる溶液にタルク78g、酸化チタン25gおよびメタクリル酸コポリマーLDを866.7g(固形分として260g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。実施例28で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度45℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.8g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングし、そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒を得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥した。
腸溶性顆粒165.18mg中の組成
実施例28の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーLD 70mg(固形分として21mg)
タルク 6.30mg
マクロゴール6000 2.02mg
酸化チタン 2.02mg
ポリソルベート80 0.81mg
計 165.18mg
【実施例30】
【0262】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例28で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒196.88mg中の組成
実施例28の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーS 29.93mg
メタクリル酸コポリマーL 9.98mg
タルク 19.95mg
クエン酸トリエチル 3.99mg
計 196.88mg
【実施例31】
【0263】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを24g、メタクリル酸コポリマーLを24gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例28で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒196.88mg中の組成
実施例28の顆粒 133.03mg
メタクリル酸コポリマーS 19.95mg
メタクリル酸コポリマーL 19.95mg
タルク 19.95mg
クエン酸トリエチル 3.99mg
計 196.88mg
【実施例32】
【0264】
実施例29で得た腸溶性顆粒28mgと実施例30で得た放出制御顆粒98.7mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)42.3mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例33】
【0265】
実施例29で得た腸溶性顆粒28mgと実施例31で得た放出制御顆粒98.7mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)42.3mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例34】
【0266】
実施例29で得た腸溶性顆粒56mgと実施例30で得た放出制御顆粒197.4mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例35】
【0267】
実施例29で得た腸溶性顆粒84mgと実施例30で得た放出制御顆粒296.1mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例36】
【0268】
実施例29で得た腸溶性顆粒42mgと実施例30で得た放出制御顆粒148.05mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例37】
【0269】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを48gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例30で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒207.52mg中の組成
実施例30の顆粒 196.88mg
メタクリル酸コポリマーS 6.65mg
タルク 3.32mg
クエン酸トリエチル 0.67mg
計 207.52mg
【実施例38】
【0270】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを48gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例31で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒207.52mg中の組成
実施例31の顆粒 196.88mg
メタクリル酸コポリマーS 6.65mg
タルク 3.32mg
クエン酸トリエチル 0.67mg
計 207.52mg
【実施例39】
【0271】
実施例29で得た腸溶性顆粒28mgと実施例37で得た放出制御顆粒103.8mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)43.9mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例40】
【0272】
実施例29で得た腸溶性顆粒28mgと実施例38で得た放出制御顆粒103.8mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)43.9mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例41】
【0273】
実施例29で得た腸溶性顆粒56mgと実施例37で得た放出制御顆粒207.5mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例42】
【0274】
実施例29で得た腸溶性顆粒84mgと実施例37で得た放出制御顆粒311.3mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例43】
【0275】
実施例29で得た腸溶性顆粒42mgと実施例37で得た放出制御顆粒155.6mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例44】
【0276】
化合物A300g、炭酸マグネシウム105g、精製白糖195gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース75gをよく混合し、主薬層散布剤とした。精製白糖75g、酸化チタン48.8gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8gをよく混合し、中間層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぶん球状顆粒(商品名:ノンパレル-101、フロイント産業株式会社製)375gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒158.07mg中の組成
白糖・でんぶん球状顆粒 56.25mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.57mg
主薬散布剤
化合物A 45.00mg
炭酸マグネシウム 15.75mg
精製白糖 29.25mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 11.25mg
計 158.07mg
【実施例45】
【0277】
実施例44で得られた顆粒に中間層コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)を用いてコーティングし、そのまま乾燥し下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水361.55gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を20.09g溶解し、得られる溶液に酸化チタン8.03gおよびタルク12.05gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:62℃、ロータ回転数:200rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2で行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
中間層コーティング顆粒188.07mg中の組成
実施例44の顆粒 158.07mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 15.00mg
タルク 9.00mg
酸化チタン 6.00mg
計 188.07mg
【実施例46】
【0278】
精製水69.12gと無水エタノール622.08gの混液にメタクリル酸コポリマーSを36g、メタクリル酸コポリマーLを12gおよびクエン酸トリエチルを4.8g溶解し、得られる溶液にタルク24gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例45で得た顆粒100gに、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(SPIR−A−FLOW、フロイント産業株式会社製)中で給気温度30℃、ロータ回転数:100rpm、注液速度:3.0g/分、スプレーエア圧力:1.0kg/cm2の条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)な溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。次いで、40℃で16時間真空乾燥した。
放出制御顆粒278.35mg中の組成
実施例45の顆粒 188.07mg
メタクリル酸コポリマーS 42.32mg
メタクリル酸コポリマーL 14.11mg
タルク 28.21mg
クエン酸トリエチル 5.64mg
計 278.35mg
【実施例47】
【0279】
実施例8で得た腸溶性顆粒35.5mgと実施例46で得た放出制御顆粒139.2mgを混合し、さらにポリエチレンオキサイド(商品名:Polyox WSR Coagulant 、Dow Chemical社製)58.2mgを添加し、1号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例48】
【0280】
実施例8で得た腸溶性顆粒71mgと実施例46で得た放出制御顆粒278.35mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例49】
【0281】
実施例8で得た腸溶性顆粒106.5mgと実施例46で得た放出制御顆粒417.5mgを混合し、2号カプセル2個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例50】
【0282】
実施例8で得た腸溶性顆粒53.3mgと実施例46で得た放出制御顆粒208.8mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例51】
【0283】
化合物A824.4g、炭酸マグネシウム303.2g、精製白糖1062gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース228.2gをよく混合し、主薬層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぶん球状顆粒(商品名:ノンパレル-101、フロイント産業株式会社製)722.4gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒86.67mg中の組成
白糖・でんぶん球状顆粒 20.64mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.24mg
主薬散布剤
化合物A 22.50mg
炭酸マグネシウム 8.25mg
精製白糖 28.83mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 6.21mg
計 86.67mg
【実施例52】
【0284】
実施例51で得られた顆粒に中間層コーティング液を転動流動層コーティング機(MP−10、株式会社パウレック製)を用いてコーティングし、そのまま乾燥し下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水4874gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を270.0g溶解し、得られる溶液に酸化チタン163.5gおよびタルク108gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:67℃、給気量:1.5m3/分、注液速度:12.0g/分、スプレーエア圧力:0.28MPa、スプレーエア量:90Nl/hrで行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
中間層コーティング顆粒97.50mg中の組成
実施例51の顆粒 86.67mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5.40mg
タルク 2.16mg
酸化チタン 3.27mg
計 97.50mg
【実施例53】
【0285】
精製水2724gにマクロゴール6000を57.60gおよびポリソルベート80を26.40g溶解し、得られる溶液にタルク174g、酸化チタン57.6gおよびメタクリル酸コポリマーLDを1932g(固形分として579.6g)分散させ腸溶性コーティング溶液を製造した。実施例52で得た顆粒に、上記の腸溶性コーティング液を転動攪拌流動層コーティング機(MP−10、株式会社パウレック製)中で給気温度:65℃、給気量:1.5m3/分、注液速度:15.0g/分、スプレーエア圧力:0.30MPa、スプレーエア量:90Nl/hrで行った。そのまま乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの下記組成の腸溶性顆粒を得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥後、顆粒1918gに対して、タルク0.96gおよびエアロジル0.96gを混合して腸溶性顆粒を得た。
腸溶性顆粒120.0mg中の組成
実施例52の顆粒 97.5mg
メタクリル酸コポリマーLD 48.3mg(固形分として14.49mg)
タルク 4.35mg
マクロゴール6000 1.44mg
酸化チタン 1.44mg
ポリソルベート80 0.66mg
タルク 0.06mg
エアロジル 0.06mg
計 120.0mg
【実施例54】
【0286】
化合物A1131g、炭酸マグネシウム302.4g、精製白糖750.1gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース226.8gをよく混合し、主薬層散布剤とした。遠心転動造粒機(CF−360、フロイント産業株式会社製)に白糖・でんぶん球状顆粒(商品名:ノンパレル-101、フロイント産業株式会社製)720.0gを投入し、ヒドロキシプロピルセルロース溶液(2w/w%)を噴霧しながら上記の主薬層散布剤をコーティングし球形顆粒を得た。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
顆粒189.0mg中の組成
白糖・でんぶん球状顆粒 45.0mg
ヒドロキシプロピルセルロース 0.54mg
主薬散布剤
化合物A 67.5mg
炭酸マグネシウム 18.0mg
精製白糖 44.46mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 13.5mg
計 189.0mg
【実施例55】
【0287】
実施例54で得られた顆粒に中間層コーティング液を転動流動層コーティング機(MP−10、株式会社パウレック製)を用いてコーティングし、そのまま乾燥し下記組成の顆粒を得た。中間層コーティング溶液は、精製水4255gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910を236.4g溶解し、得られる溶液に酸化チタン141.6gおよびタルク94.8gを分散させ製造した。コーティング操作条件は給気温度:65℃、給気量:1.5m3/分、注液速度:12.0g/分、スプレーエア圧力:0.26MPa、スプレーエア量:90Nl/hr
で行った。得られた球形顆粒を40℃で16時間真空乾燥し、丸篩で篩過し710μm〜1400μmの顆粒を得た。
中間層コーティング顆粒212.64mg中の組成
実施例54の顆粒 189.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 11.82mg
タルク 4.74mg
酸化チタン 7.08mg
計 212.64mg
【実施例56】
【0288】
精製水734.8gと無水エタノール6614gの混液にメタクリル酸コポリマーSを382.8g、メタクリル酸コポリマーLを127.7gおよびクエン酸トリエチルを50.88g溶解し、得られる溶液にタルク255.1gを分散させコーティング溶液を製造した。実施例55で得た顆粒に、上記コーティング溶液を転動攪拌流動層コーティング機(MP−10、株式会社パウレック製)中で給気温度:65℃、給気量:1.5m3/分、注液速度:15.0g/分、スプレーエア圧力:0.30MPa、スプレーエア量:90Nl/hrの条件でコーティングすることにより、pH依存的(一定のpH以上の環境で活性成分を放出する)に溶解をする放出制御膜をコーティングした下記組成の放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を丸篩で篩過し1180μm〜1700μmの放出制御顆粒を得た。得られた球形顆粒を、40℃で16時間真空乾燥後、顆粒1101gに対して、タルク0.525gおよびエアロジル0.525gを混合して放出制御顆粒を得た。
放出制御顆粒315.0mg中の組成
実施例55の顆粒 212.64mg
メタクリル酸コポリマーS 47.85mg
メタクリル酸コポリマーL 15.96mg
タルク 31.89mg
クエン酸トリエチル 6.36mg
タルク 0.15mg
エアロジル 0.15mg
計 315.0mg
【実施例57】
【0289】
実施例53で得た腸溶性顆粒120mgと実施例56で得た放出制御顆粒315mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例58】
【0290】
実施例53で得た腸溶性顆粒80mgと実施例56で得た放出制御顆粒210mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例59】
【0291】
実施例53で得た腸溶性顆粒40mgと実施例56で得た放出制御顆粒105mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例60】
【0292】
実施例53で得た腸溶性顆粒240mgと実施例56で得た放出制御顆粒210mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例61】
【0293】
実施例53で得た腸溶性顆粒160mgと実施例56で得た放出制御顆粒280mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例62】
【0294】
実施例53で得た腸溶性顆粒192mgと実施例56で得た放出制御顆粒252mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:90mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例63】
【0295】
実施例53で得た腸溶性顆粒160mgと実施例56で得た放出制御顆粒210mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:75mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例64】
【0296】
実施例53で得た腸溶性顆粒100mgと実施例56で得た放出制御顆粒262.5mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:75mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例65】
【0297】
実施例53で得た腸溶性顆粒133.3mgと実施例56で得た放出制御顆粒233.3mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:75mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例66】
【0298】
実施例53で得た腸溶性顆粒200mgと実施例56で得た放出制御顆粒175mgを混合し、1号カプセル1個(化合物A:75mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例67】
【0299】
実施例53で得た腸溶性顆粒106.7mgと実施例56で得た放出制御顆粒186.7mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例68】
【0300】
実施例53で得た腸溶性顆粒128mgと実施例56で得た放出制御顆粒168mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例69】
【0301】
実施例53で得た腸溶性顆粒160mgと実施例56で得た放出制御顆粒140mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:60mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例70】
【0302】
実施例53で得た腸溶性顆粒60mgと実施例56で得た放出制御顆粒157.5mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例71】
【0303】
実施例53で得た腸溶性顆粒120mgと実施例56で得た放出制御顆粒105mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例72】
【0304】
実施例53で得た腸溶性顆粒80mgと実施例56で得た放出制御顆粒140mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例73】
【0305】
実施例53で得た腸溶性顆粒96mgと実施例56で得た放出制御顆粒126mgを混合し、2号カプセル1個(化合物A:45mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例74】
【0306】
実施例53で得た腸溶性顆粒53.3mgと実施例56で得た放出制御顆粒93.3mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例75】
【0307】
実施例53で得た腸溶性顆粒64mgと実施例56で得た放出制御顆粒84mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【実施例76】
【0308】
実施例53で得た腸溶性顆粒80mgと実施例56で得た放出制御顆粒70mgを混合し、3号カプセル1個(化合物A:30mg相当)に充填してカプセル剤を得た。
【産業上の利用可能性】
【0309】
本発明の放出制御膜は、固形製剤であれば適用することができるので、該放出制御膜を施すことにより、または放出制御膜を施した組成物とゲル形成性ポリマーとを組み合わせた製剤とすることにより、経口投与製剤における薬物活性成分放出の持続化や不安定な薬物の安定化の用途にも適用することができる。