(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る通電加熱線は、芯部と、周縁部とを具備する。
上記芯部は線状であり、タンタルからなる。
上記周縁部は、炭化タンタルからなり、上記芯部を被覆する。
【0014】
タンタルは高温でのクリープ強度が小さいため、金属タンタルのみからなる通電加熱線は成膜時に熱伸びや溶断が生じるおそれがある。これに対し本実施形態に係る通電加熱線は金属タンタルからなる芯部を、高温でのクリープ強度が大きく、機械的強度も高い炭化タンタルからなる周縁部により被覆しているため、通電加熱線の熱的及び機械的耐久性を高いものとすることができる。一方で炭化タンタルは金属タンタルに比べて導電性が小さく(電気抵抗が大きく)、炭化タンタルのみからなる通電加熱線は加熱に大きな電力が必要となる。これに対し本実施形態に係る通電加熱線は、断面構造の大部分が金属タンタルからなる芯部であるため、導電性が高く(電気抵抗が小さく)、金属タンタルのみからなる通電加熱線と同程度の印加電圧により加熱することが可能である。
【0015】
上記周縁部は、50μm以下の厚さを有するものであってもよい。
【0016】
周縁部の厚さが50μmより大きくなると、周縁部内に炭素の組成比が異なる炭化タンタルの層構造が形成され、層剥離が生じ易くなる場合がある。また、周縁部の厚さが芯部の直径に対して大き過ぎると通電加熱線の電気抵抗が大きくなる。したがって、周縁部の厚さを50μm以下とすることにより、通電加熱線の耐久性を確保し、かつ電気抵抗を小さくすることが可能となる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る通電加熱線の製造方法は、チャンバにタンタルからなるタンタル線を設置する。
炭素源は、上記チャンバに導入される。
上記タンタル線の周縁のタンタルは、上記タンタル線が通電加熱されることにより炭化される。
【0018】
炭化タンタルは金属タンタルに比べて電気抵抗が大きいため、炭化タンタルのみからなる通電加熱線を製造する場合には炭化に進行に伴なって大きな電力が必要となる。これに対し、本実施形態では、タンタル線に含まれる金属タンタルの全てを炭化するのではなく、その周縁のみを炭化するものであり、通電加熱の完了までに電気抵抗は大きく変化しない。したがって、本実施形態では通電加熱により通電加熱線を作製することが可能であり、ヒータ等の外部加熱手段を要しない。
【0019】
上記タンタル線を通電加熱する工程は、上記タンタル線の温度が1800℃以上となる電圧を上記タンタル線に印加するものであってもよい。
【0020】
加熱温度を1800℃以上とすることにより、長時間を要せずに通電加熱線を作成することが可能となる。炭化の進行の程度、即ち周縁部の厚さは通電加熱の温度、時間及び炭素雰囲気の圧力等に依存する。本実施形態では、タンタル線に含まれるタンタルの全てを炭化するのではないため、比較的低い加熱温度で所望の通電加熱線を作成することが可能である。
【0021】
本発明の一実施形態に係る成膜装置は、通電加熱線と、チャンバと、支持体と、ガス導入系とを具備する。
上記通電加熱線は、タンタルからなる線状の芯部と、炭化タンタルからなり上記芯部を被覆する周縁部とを有する。
上記チャンバは、上記通電加熱線が設置される。
上記支持体は、成膜対象物を上記通電加熱線と対向するように支持する。
上記ガス導入系は、上記チャンバ内に、成膜用ガスを導入する。
【0022】
上述のように、本実施形態に係る通電加熱線は、熱的及び機械的耐久性が高い。これにより、成膜中の通電加熱線の熱延びや溶断の発生が防止され、成膜後に頻繁に通電加熱線を交換する必要もないため、この成膜装置を用いることにより成膜の生産性を向上させることが可能である。
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[成膜装置の構成]
図1は本発明の実施形態に係る成膜装置1の概略構成図である。成膜装置1は反応室2が内部に形成された真空チャンバ3を備えている。真空チャンバ3には真空ポンプ4が接続されており、反応室を所定の真空度に真空排気可能とされている。反応室2は、真空チャンバ3の内部に設置された防着板5の内方に形成されている。
【0025】
防着板5で区画された反応室2の内部には、複数本の「通電加熱線」6が設置されている。通電加熱線6の詳細については後述する。本実施形態では、複数本の通電加熱線6が反応室2の内部を上下方向に横切るように平行に設置されている。なお、通電加熱線6の設置形態は上述の縦方向だけに限らず、反応室2を横方向に横切る形態で設置されていても構わない。
【0026】
各々の通電加熱線6は、防着板5の天面および底面に形成された通し穴5a,5bを貫通して設置され、両端部が真空チャンバ3の外部に設置されている制御部8に接続されている。制御部8は、通電加熱線6の通電加熱を連続通電により行うもので、電流供給源と供給電流を調整するコンピュータ等によって構成されている。
【0027】
反応室2の内部には、成膜対象物としての基板Sが設置されている。基板Sは、例えば矩形状のガラス基板が用いられている。本実施形態においては、
図2に示すように、2枚
の基板Sが通電加熱線6を挟むように互いに対向配置されている。ここでは、基板Sの長辺方向が通電加熱線6の延在方向と直交するように、基板Sが反応室2の内部に設置されている。なお、基板Sは、図示しない基板支持手段によって支持されている。この基板支持手段は、基板Sを所定温度に加熱する加熱源を内蔵した構成を有している。
【0028】
防着板5はほぼ直方形状を有しており、その4辺部にそれぞれガス導入配管7が設置さ
れている。ガス導入配管7は、反応室2へ「炭素源ガス」及び「原料ガス」を導入するためのものある。炭素源ガスは、後述する、タンタル線の表面を炭化させて通電加熱線6を形成する際に供給されるガスであり、メタン、アセチレン、エチレン、プロパン等のいずれかとすることができる。原料ガスは、通電加熱線6を用いて基板Sに成膜する際に供給されるガスであり、膜の種類に応じて決定される。
【0029】
ガス導入配管7は、真空チャンバ3の外部に設置された原料ガス供給部9a及び炭素源ガス供給部9bにガス供給ラインを介して接続されている。ガス導入配管7は、炭素源ガス又は原料ガスが主として2枚の基板Sの間に噴出するように形成されている。成膜装置1は以上のように構成される。
【0030】
[通電加熱線の構成]
次に通電加熱線6の構成について説明する。
図3は通電加熱線6の断面構造を模式的に示す断面図である。
図4は通電加熱線6の断面の光学顕微鏡像である。なお、
図4は、通電加熱線6のサンプルを2つ並べて撮像されたものである。これらの図に示すように通電加熱線6は、芯部6aと周縁部6bを有する。芯部6aは通電加熱線6の中心部分であり、周縁部6bは芯部6aを覆う通電加熱線の外周部部分である。芯部6aは金属タンタル(Ta)からなり、周縁部6bは炭化タンタル(TaC
x)からなる。
【0031】
図5は、通電加熱線6のEPMA(Electron Probe Micro Analysis:電子線マイクロ分析)の測定結果である。
図5(a)は炭素、
図5(b)はアルミニウム、
図5(c)は酸素、
図5(d)はタンタルについてのそれぞれの測定結果である。これらの測定結果に示すように、芯部6aは金属タンタルからなり、周縁部6bは炭化タンタルからなっていることが確認される。
【0032】
図6は、通電加熱線6のXRD(X‐ray diffraction:X線回折)測定の結果である。この図は複数本の通電加熱線6を並べて、種々の角度からX線を照射して測定されたものであり、各照射角度について「照射角度1」、「照射角度2」及び「照射角度3」として示す。「Ta」は参照用の金属タンタルの測定結果である。同図に示すように、通電加熱線6の測定結果において炭化タンタルに同定されるピークが存在し、炭化タンタルが形成されていることが確認される。
【0033】
周縁部6bを構成する炭化タンタルの組成は、「Ta:C=1:1」のTaC、もしくは「Ta:C=2:1」のTaC
2とすることができ、炭素の組成比(TaC
xのx)が高くないほうが好適である。炭素の組成比が高いと墨化し、層剥離が生じ易くなるためである。
【0034】
芯部6aの直径は数mm程度であり、周縁部6bの厚さは数十μm程度とすることができる。即ち、通電加熱線6の断面構造は大部分が金属タンタルであり、炭化タンタルが占める割合は小さい。このため、通電加熱線6の電気抵抗は、金属タンタルからなる線と同程度である。周縁部6bの厚さは数十μm程度としたが、具体的には50μm以下が好適である。周縁部6bの厚さが50μmより大きくなると、周縁部6b内に炭素の組成比が異なる炭化タンタルの層構造が形成され、層剥離が生じ易くなるためである。
【0035】
図7に、周縁部6bの厚さを80μmとした通電加熱線6の断面の光学顕微鏡像を示す。
図7に示す通電加熱線は、後述する製造方法において加熱温度1900℃、加熱時間5hの条件で作製されたのものである。この通電加熱線では約80μmの厚さで周縁部6bが形成されている。
図8に、この通電加熱線のEPMA分析の結果を示す。
図8(a)は炭素、
図8(b)はタンタルについてのそれぞれの測定結果である。
図7及び
図8に層L1及び層L2として示すように、周縁部6bにおいて、炭素の組成比が異なる炭化タンタルの層構造が形成されていることが確認される。このように、周縁部6bの厚さを少なくとも80μmとすると、周縁部6b内に層構造が形成され、層剥離の原因となる。
【0036】
以上のように通電加熱線6は金属タンタルからなる芯部6aと炭化タンタルからなる周縁部6bを有する。金属タンタルは高温でのクリープ強度が小さいため、金属タンタルのみからなる通電加熱線は成膜時に熱伸びや溶断が生じるおそれがある。これに対し本実施形態に係る通電加熱線6は金属タンタルからなる芯部6aを、高温でのクリープ強度が大きく、機械的強度も高い炭化タンタルからなる周縁部6bにより被覆しているため、通電加熱線6の熱的及び機械的耐久性を高いものとすることができる。具体的には、金属タンタルのみからなる通電加熱線は、成膜の度に交換が必要となる場合が多いが、本実施形態に係る通電加熱線6は交換を要することなく複数回の成膜に利用することが可能である。
【0037】
一方で炭化タンタルは金属タンタルに比べて導電性が小さく(電気抵抗が大きく)、炭化タンタルのみからなる通電加熱線は加熱に大きな電力が必要となる。これに対し本実施形態に係る通電加熱線6は、断面構造の大部分が金属タンタルからなる芯部6aであるため、導電性が高く(電気抵抗が小さく)、金属タンタルのみからなる通電加熱線と同程度の印加電圧により加熱することが可能である。
【0038】
[通電加熱線の製造方法]
真空チャンバ3の内部に、通電加熱線6の素となる「タンタル線」を1本又は複数本設置する。タンタル線は、金属タンタルからなる線であり、その直径は数mmとすることができる。真空ポンプ4を作動させて真空チャンバ3の内部を真空排気し、反応室2を減圧する。次に、炭素源ガス供給部9bから反応室2へ炭素源ガスを所定の圧力になるまで導入し、制御部8により各タンタル線に電圧を印加する。各タンタル線は、この電圧により生じる抵抗加熱により昇温される。タンタル線に印加する電圧は、所望する加熱温度に応じて調整され、例えば200Vとすることができる。タンタル線の表面における炭素源ガスの接触によりタンタル線の表面に反応生成物である炭化タンタルからなる周縁部6bが形成される。即ち、タンタルからなる線状の芯部6aと、炭化タンタルからなり芯部6aを覆う周縁部6bとを有する通電加熱線6が作製される。
【0039】
なお、本実施形態では上述のように金属タンタルからなる芯部と炭化タンタルからなる周縁部を有する通電加熱線を作成するがために、通電加熱によりタンタル線を加熱することが可能となる。タンタル線を加熱して炭化タンタルのみからなる通電加熱線を製造する場合には、通電加熱線の電気抵抗がタンタルの炭化に伴なって増大する。このため、比較的規模の大きい(タンタル線が長い)生産設備においては莫大な電力が必要となり、通電加熱は非効率的であるため、例えばヒーター等による外部加熱が考えられる。
【0040】
通電加熱によるタンタル線の加熱温度について説明する。
図9は、タンタル線を種々の温度に加熱して作製した通電加熱線の断面の光学顕微鏡像である。それぞれの加熱温度は
図9(a)は1900℃、
図9(b)は2000℃、
図9(c)は2100℃、
図9(d)は2200℃である。各加熱温度とも、加熱時間は30分間であり、炭素雰囲気はメタン(1.0Pa)である。
図9(a)に示すように、加熱時間が30分間の場合、1900℃ではタンタル線に変化は認められない。一方、
図9(b)、
図9(c)及び
図9(d)に示すように、加熱温度をより高温にすると、タンタル線の表面に炭化タンタルが形成され、タンタルからなる芯部6aと炭化タンタルからなる周縁部6bを有する通電加熱線6が作成される。以上より、他の条件が同等の場合、加熱温度が高ければ、炭化タンタルの形成が進行することがわかる。なお、ここでは、加熱温度を30分間としたため、加熱温度1900℃では炭化タンタルが形成されなかったが、より長時間加熱すると、加熱温度1900℃であっても炭化タンタルが形成されることが確認されている(後述)。より低い加熱温度の場合は、加熱時間がさらに長時間となるため、加熱温度は1800℃以上が好適である。
【0041】
次に、通電加熱時間について説明する。
図10は、タンタル線を1900℃で種々の加熱時間加熱して作製した通電加熱線の断面の光学顕微鏡像である。それぞれの加熱時間は
図10(a)は1時間、
図10(b)は2時間、
図10(c)は3時間、
図10(d)は5時間である。各加熱時間とも、炭素雰囲気はメタン(1.0Pa)である。
図10(a)及び
図10(b)に示すように、加熱時間が2時間程度まではタンタル線に変化が認められない。一方、
図10(c)に示すように、加熱時間が3時間となると、炭化タンタルからなる周縁部が形成されていることが確認される。さらに
図10(d)に示すように、加熱時間がより長くなると、タンタルの炭化が進行していることが確認できる。以上のように、他の条件が同等の場合、加熱時間が長ければ、炭化タンタルの形成が進行することがわかる。
【0042】
次に、通電加熱時の炭素雰囲気の圧力について説明する。
図11は、タンタル線を加熱温度1900℃、加熱時間2時間で異なる炭素雰囲気圧力下において通電加熱して作製した通電加熱線の断面の光学顕微鏡像である。それぞれの炭素雰囲気の圧力は、
図11(a)は1.0Pa、
図11(b)は3.5Paである。ともに炭素雰囲気はメタンである。
図11(a)に示すように、炭素雰囲気の圧力が小さい場合、1900℃、2時間の加熱条件では炭化タンタルの形成が認められない。一方、
図11(b)に示すように、炭素雰囲気の圧力が大きい場合、同条件の通電加熱であっても炭化タンタルが形成されることが確認できる。
以上のように、他の条件が同等の場合、炭素雰囲気の圧力が大きければ、炭化タンタルの形成が進行することがわかる。なお、炭素雰囲気の圧力が高すぎると、通電加熱線に印加される電圧によって炭素雰囲気がプラズマ化し、膜質低下の原因となるアーク放電が発生するおそれがある。このため、炭素雰囲気のガス種、印加電圧にもよるが数Paから数百Paの間が好適である。
【0043】
以上のように、通電加熱線における炭化タンタルの形成の程度は通電加熱の加熱温度、加熱時間及び炭素雰囲気の圧力等によって異なる。したがって、これらの条件を適切に調節することによって、芯部6aがタンタルからなり、周縁部6bが炭化タンタルからなる通電加熱線6を作成することが可能である。特に、上述のように周縁部6bの厚さが厚い(50μより大きい)と周縁部6b内に層構造が生じ、層剥離が発生し易くなるため、周縁部6bの厚さが50μm以下となるような加熱条件が好適である。
【0044】
[成膜装置を用いる成膜工程]
通電加熱線6が設けられた成膜装置1による成膜工程について説明する。
真空ポンプ4を作動させて真空チャンバ3の内部を真空排気し、反応室2を減圧する。原料ガス供給部9aから反応室2へ原料ガスを所定の圧力になるまで導入し、制御部8により各通電加熱線6に電圧を印加する。各通電加熱線6は、この電圧により生じる抵抗加熱により昇温される。通電加熱線6に印加する電圧は、所望する加熱温度に応じて調整される。
【0045】
本実施形態では、原料ガスとしてシラン(SiH
4)と水素(H
2)の混合ガスを用いて、基板Sの表面にシリコン(Si)膜を成膜する。なお、基板Sの表面に形成する膜は、シラン、水素、アンモニア(NH
3)を用いて成膜した窒化シリコン膜(SiN)、トリシリルアミン((SiH
3)3N)、アンモニア、水素を用いて成膜した窒化シリコン膜、ヘキサメチルジシラザン((CH
3)3SiNHSi(CH
3)
3、略してHMDS)を用いて成膜した窒化シリコン膜、シラン、水素と酸素(O
2)又は一酸化二窒素(N
2O)を用いて成膜した酸化シリコン膜(SiO)、シランと正珪酸四エチル(Si(OC
2H
5)
4、略してTEOS)を用いて成膜した酸化シリコン膜、シラン、水素とホスフィン(PH
3)又はジボランを用いて成膜したリンドープシリコン膜(n+Si膜)やボロンドープシリコン(p+Si膜)、シラン、水素とアセチレン又はメタンを用いて成膜した炭化シリコン膜、シラン、水素、ゲルマンを用いて成膜したシリコンゲルマン膜、シラン、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(略してHFPO)を用いて成膜したポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))膜等であってもよい。なお、水素ガスを使用した水素処理を行った場合には、シリコン膜の膜中欠陥の終端や自然酸化膜除去という目的を達成できる。また、アンモニアガスを使用した窒化処理を行った場合には、シリコンの窒化を図ることができる。
【0046】
具体的には、制御部8により通電加熱線6に直流電圧を印加し、通電加熱線6を例えば1700℃以上の高温に加熱する。また、このとき基板Sを所定温度(例えば300℃程度)に加熱する。原料ガスは、ガス導入配管7から、互いに対向配置された2枚の基板Sの間に導入される。そして、高温に加熱された通電加熱線6に接触し、触媒反応もしくは熱分解反応により生成された反応ガスの分解種が基板S上に堆積して成膜される。
【0047】
上述のように、通電加熱線6は、金属タンタルからなる芯部6aと、炭化タンタルからなり芯部6aを被覆する周縁部6bを有しており、熱的及び機械的耐久性が高い。これにより、成膜中の通電加熱線6の熱延びや溶断の発生が防止され、成膜後に頻繁に通電加熱線を交換する必要もないため、成膜の生産性を向上させることが可能である。
【0048】
本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において変更され得る。
【0049】
タンタル線の通電加熱による通電加熱線の作成には成膜装置を用いるものとしたがこれに限られない。通電加熱線の作成に専用の装置を用いてこれを作製し、成膜装置に設置するものとすることも可能である。