(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746877
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】電力表面取り付けの発光ダイ・パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/64 20100101AFI20150618BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
H01L33/00 450
H01L23/36 C
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-32598(P2011-32598)
(22)【出願日】2011年2月17日
(62)【分割の表示】特願2004-534428(P2004-534428)の分割
【原出願日】2003年9月2日
(65)【公開番号】特開2011-129945(P2011-129945A)
(43)【公開日】2011年6月30日
【審査請求日】2011年3月17日
【審判番号】不服2013-22984(P2013-22984/J1)
【審判請求日】2013年11月25日
(31)【優先権主張番号】60/408,254
(32)【優先日】2002年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10/446,532
(32)【優先日】2003年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】ロー バン ピー
【合議体】
【審判長】
吉野 公夫
【審判官】
小松 徹三
【審判官】
松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−083018(JP,A)
【文献】
特開2003−318448(JP,A)
【文献】
特開2000−101149(JP,A)
【文献】
特開平11−177136(JP,A)
【文献】
特開2001−144333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面上に複数の導電性トレースを有する電気的絶縁性の基板と、
前記基板の上面で前記複数の導電性トレースに電気的に接続される取り付けパッドを介して、前記基板の上面に取り付けられる発光ダイオードと、
前記基板に結合されて前記取り付けパッド及び前記発光ダイオードを略囲む反射体であって、前記発光ダイオードの周囲に配置され且つメッキされた反射面を画定し、当該反射体に形成された棚を有する、前記基板とは別体の熱伝導性の反射体と、
前記反射面及び前記棚上に配置されて、前記反射面及び前記発光ダイオードをカプセル化するエンカプセレーション材料と、
前記取り付けパッド及び前記発光ダイオードを略覆い、前記エンカプセレーション材料上に浮くように前記エンカプセレーション材料上に配置されて前記エンカプセレーション材料に接着されるレンズと、を備える半導体ダイ・パッケージ。
【請求項2】
前記エンカプセレーション材料は弾性材料を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項3】
前記基板は窒化アルミニウム又はアルミナを含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項4】
前記複数の導電性トレースの少なくとも1つは、前記基板の上面から前記基板の側面に延びる、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項5】
前記基板に結合される外部ヒート・シンクをさらに備える、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項6】
前記基板は、前記外部ヒート・シンクに結合するための熱接触パッドを有する底部を含む、請求項5に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項7】
前記レンズは、ガラス、水晶又はプラスチック材料を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項8】
前記反射体及び前記基板は、パッケージ動作時に前記発光ダイオードから熱を逃がすための対応の上部ヒート・シンク及び下部ヒート・シンクとして機能する、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項9】
前記基板は、前記反射体に機械的に係合するための、前記基板の少なくとも1つの側面に沿った複数のフランジを含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項10】
前記反射体はアルミニウム又は銅を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項11】
前記反射体は、熱接触領域を増大させるために前記基板に機械的に係合する複数の脚を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項12】
前記レンズは複数のルミネッセンス変換蛍光体を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項13】
前記レンズは光拡散剤を含む、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【請求項14】
前記反射体が、前記基板の上面の一部及び前記導電性トレースの一部を露呈した状態で前記取り付けパッドを囲み、前記反射体は光学的空洞を部分的に画定する、請求項1に記載の半導体ダイ・パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年9月4日に出願された「二重ヒート・シンクを備えた電力SMT LEDパッケージおよび1つの光システムまたは化学的被覆レンズ(Power−SMT, LED Package with Dual Heat−Sinks and an Optical System or Chemical−Coated Lens.)」と題する米国仮特許出願第60/408,254号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、複数の半導体素子のパッケージングの分野、より詳細には、複数の発光ダイオードのパッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
複数の発光ダイオード(LEDS)は、しばしば、リードフレーム・パッケージ内にパッケージされる。1つのリードフレーム・パッケージは通常、1つのLEDを収容する1つのモールド・プラスチック・ボディまたはキャスト・プラスチック・ボディと、1つのレンズ部分と、LEDに接続され、ボディの外へ伸びる複数の薄金属リードとを含む。リードフレームの金属リードは、LEDに電力を供給するコンジットとして働き、同時にLEDから熱を逃がすようにも作用する。熱は、光を発生させるためにLEDに電力が加えられると、LEDによって生成される。リードの一部は、リードフレーム・パッケージの外部の回路への接続のためにパッケージ・ボディから伸び出る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDにより生成された熱のいくらかは、プラスチック・パッケージ・ボディにより放散される。しかしながら、熱の殆どは、LEDからパッケージの金属接続を介して出る。金属リードは通常、非常に薄く、1つの小さい断面積を有する。このため、金属リードの熱を除く容量は限られる。これによって、LEDへ送ることのできる電力量を制限し、LEDにより生成される光量が制限される。
【0005】
LEDパッケージが熱放散する容量を増加させるために、1つのLEDパッケージ設計の中で、1つのヒート・シンク・スラグがパッケージに導入される。このヒート・シンク・スラグは、LEDチップから熱を逃がす。したがって、これによってLEDパッケージの熱放散容量が増す。しかしながら、この設計はパッケージ中に複数の空の空間を作り、LEDチップを保護するためには充填材を詰めなければならない。さらには、LEDパッケージ内の様々な部品の間のCTE(熱膨張係数)の著しい差によって、充填材中に泡が形成されたり、充填材がパッケージ内の様々な部分からはがれたりする傾向がある。このことは、光出力と製品の信頼性に悪影響を及ぼす。加えて、この設計は、一対の薄いリードを含み、通常、熱したアイロンで半田付けされる。この製造工程は、電子基板組立では普及している便利な表面取り付け技術(SMT)と両立しない。
【0006】
別のLEDパッケージ設計においては、リードフレーム・パッケージのリードは、LEDパッケージ・ボディのすぐ端から離れて伸びる(様々な形状および構成で)複数の異なる厚みを有する。1つの厚いリードは、1つの熱拡散器として利用され、LEDチップはその上に取り付けけられる。この配置により、LEDチップにより発生した熱が、外部のヒート・シンクにしばしば接続される厚いリードを通じて放散される。この設計は、プラスチック・ボディとリードフレーム材料間の熱膨張係数(CTE)の著しい差に起因して生来的に信頼性が低い。温度サイクルに曝されると、金属リードに接着された硬いプラスチック・ボディが多方向に高度の熱応力を受ける。このことが、プラスチック・ボディのクラック、LEDチップからのプラスチック・ボディの分離、接続ワイヤの破損、インタフェースにおける様々な部品からのプラスチック・ボディの剥離のような様々な望ましくない結果、またはこれらの結果の1つの組合せをもたらすことになりかねない。これに加えて、伸びたリードは、パッケージ寸法とそのフットプリントを増す。このために、さらに明るい光を生成するためにプリント回路基板上にこれらのLEDパッケージを1つの密度の高いクラスタとして林立させるのは困難である。
【0007】
現在のリードフレーム設計の別の欠点は、一部の製造者によって共通して原価低減と素子性能向上のために使われているLEDのフリップ・チップ取り付けのために厚いリードを1つの細かい回路に作る、またはスタンプすることができない点がある。
【0008】
結論として、先行技術によるパッケージの1つ以上の欠点を克服または緩和するような改善されたLEDパッケージの1つの必要性がまだ残っているということである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この必要性は、本発明によって満たされる。本発明の複数の実施形態は、1つの発光ダイオードのような1つの半導体ダイのための1つのパッケージを提供する。このパッケージは、1つの取り付けパッドにおいて1つの発光ダイオードに接続するための複数のトレースを有する1つの基板、基板に接続され取り付けパッドを略囲む1つの反射板、および取り付けパッドを略カバーする複数のレンズを含む。
【0010】
本発明の他の実施形態は、1つの底部ヒート・シンクおよび上部ヒート・シンクを含む1つの半導体ダイ・パッケージを提供する。底部ヒート・シンクは、その上面にトレースを有する。1つの半導体チップは、底部ヒート・シンクの上面上の取り付けけられ、トレースに電気的に接続される。上部ヒート・シンクは、底部ヒート・シンクに結合されている。
【0011】
本発明の他の複数の側面と複数の利点は、本発明の複数の原理の実例を通じての図示である添付図面と組み合わせた次の詳細な説明によって明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、
図1から
図6Dに示す様々な本発明の実施形態を参照しながら本発明を説明する。図に示すように、複数の層または複数の領域は図示の都合上誇張されており、本発明の概要構造を図示するために提供されている。さらに、1つの基板または他の層または基板上に形成される1つの層または構造を参照しながら本発明の様々な複数の側面を説明する。当業者には明白な様に、別の層または基板”上”に形成される1つの層への言及は、追加的な複数の層が介在することを考慮している。1つの介在層が存在しない別の層または基板上に形成される1つの層への複数の言及は、層または基板の”直上”に形成されるものとしてここでは説明する。さらにまた、下方(beneath)のような複数の相対的な用語が、図中で図示される別の層または領域に対する1つの層の関係または複数領域の関係を説明するために本願明細書において使用され得る。これらの用語は、複数の図中で描かれる方向に加えて、異なる複数の方向を包含する目的で使われていることが理解されよう。例えば、図中の装置がひっくりかえされたら、他の複数層または複数領域の”下方に”と記載されている複数層または複数領域は、いまやこれらの他の複数層または複数領域の”上方に”向くことであろう。このような場合、”下方に”という用語は、上方にと下方にの両方を包含するものとする。同じ複数の番号は、一貫して同じ複数の要素を指す。
【0013】
説明の目的で図中に示すように、本発明の複数の実施形態は、1つの取り付けパッドおよび取り付けパッドを略囲む上部ヒート・シンク(反射板)のところで1つの発光ダイオードへ接続するための複数のトレースを有する1つの底部ヒート・シンク(基板)を含む1つの発光ダイ・パッケージによって例示される。1つのレンズがその取り付けパッドを覆う。事実上、本発明のいくつかの実施形態によるダイ・パッケージは、1つの二部式ヒート・シンクを含む。底部ヒート・シンクは、(熱を逃がし放散するという利用に加えて)LEDが取り付けけられ接続される基板として使われる。上部ヒート・シンクは(熱を逃がし放散するという利用に加えて)LEDによって生成された光を方向付ける1つの反射板として使われる。底部ヒート・シンクおよび上部ヒート・シンクの両方がLEDから熱を取り除くので、さらなる電力がLEDに供給され得、LEDはこれによって、さらなる光を生成し得る。
【0014】
さらにまた、本発明においては、ダイ・パッケージのボディは、LEDからの熱を除去し、それを放散するヒート・シンクとして働く。このために、本発明のLEDダイ・パッケージは、パッケージから外へ伸びる1つの個別のヒート・シンク・スラッグまたはヒート・シンク・スラッグ・リードを必要としないこともある。したがって、本発明のLEDダイ・パッケージは、先行技術によるダイ・パッケージに比べて、よりコンパクトで、より信頼性のある、より製造原価の低いものになりうる。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施例による1つの半導体ダイ・パッケージ10の1つの透視図であり、
図1Bは、
図1Aの半導体パッケージの1つの組立分解透視図である。
図1Aおよび1Bを参照するに、本発明の発光ダイ・パッケージは、1つの底部ヒート・シンク20、1つの上部ヒート・シンク40、および1つのレンズ50を含む。
【0016】
底部ヒート・シンク20は、
図2Aから2D中にさらに詳しく図示されている。
図2A,2B,2Cおよび2Dは、それぞれ、
図1Aの底部ヒート・シンクの1つの平面図、1つの側面図、1つの正面図、および1つの底面図を示す。さらに、
図2Cもまた、底部ヒート・シンク20の正面図に加えて、1つのLEDアセンブリ60を示す。LEDアセンブリ60はまた、
図1B中に図示されている。
図1Aから2Dまでを参照し、底部ヒート・シンク20は、複数の電気的トレース22および24、複数の半田パッド26,32、および34、およびLEDアセンブリ60のための支持を提供する。このため、底部ヒート・シンク20はまた、1つの基板20とも言及される。これらの図中、混乱をさけるために、複数の半田パッド26,32、および34のみが代表的に参照番号で指示される。トレース22および24ならびに
半田パッド32,34および36は、導電材料を使って製造されうる。さらに、複数の追加的なトレースおよび接続が、基板20の上、横、または底の上に、基板20内部に層として製造可能である。トレース22および24ならびに
半田パッド32,34および36、およびどの他の接続も、例えば複数のバイヤ・ホールのような公知の複数の方法を使って任意の組合せで互いに接続され得る。
【0017】
基板20は、高い熱伝導率を有する材料でできているが、例えば、窒化アルミニウム(AlN)またはアルミナ(Al
2O
3)などの電気的絶縁材料である。基板20の複数の寸法は、ダイ・パッケージ10を製造するのに使われる適用および複数の工程によって大幅に変更できる。例えば、図示された実施形態においては、基板20は、ミリメートルの数分の一から数十ミリメートルの範囲の複数の寸法を有しても良い。本発明は、特定の複数の寸法に限定されていないが、本発明のダイ・パッケージ10の1つの具体的な実施例が、その中に指定の寸法を有する図で図示されている。図中に示すすべての寸法は、図、この明細書または両方の中で別の単位で指定されているものを除いて、ミリメートル(長さ、幅、高さ、および半径に関して)および度(角度に関して)である。
【0018】
図示された実施形態においては、基板20は、1つの上面21を有し、この上面21は電気的トレース22および24を含む。トレース22および24は、半田パッド(例えば、上部半田パッド26)から1つの取り付けパッド28までの複数の電気的接続を提供する。上部半田パッド26は、トレース22および24の部分であり、概して、基板20の複数の側に近い。上部半田パッド26は、複数の側面半田パッド32に電気的に接続されている。取り付けパッド28は、LEDアセンブリ60が取り付けけられる上面(トレース22、トレース24または両方を含む)の一部である。通常、取り付けパッド28は、概して、上面21の中心近くに位置する。本発明の別の実施形態においては、LEDアセンブリ60は他の複数の半導体回路または複数のチップによって取替えることができる。
【0019】
トレース22および24は、LEDアセンブリ60に半田パッド26,32、または34への電気的接続を可能にする電気的経路を提供する。したがって、トレースのいくらかは第1トレース22と呼ばれる一方、複数の他のトレースは、複数の第2トレース24と呼ばれる。図示された実施形態においては、取り付けパッド28は、第1トレース22および第2トレース24の両方の複数の部分を含む。図示された実施形態においては、LEDアセンブリ60は、取り付けパッド28の第1トレース22上に置かれ、これによって第1トレース22との接触を行う。図示された実施形態においては、LEDアセンブリ60および第2トレース24の上部は、互いに1つのボンド・ワイヤ62によって接続される。LEDアセンブリ60の構造と方向によって、複数の第1トレース22は、複数の陽極(正)接続を提供することができ、複数の第2トレース24は、LEDアセンブリ60(または逆)のための複数の陰極(負)接続を含むことができる。
【0020】
LEDアセンブリ60は、複数の追加的な要素を含むことができる。例えば、
図1Bおよび
図2Cにおいて、LEDアセンブリ60は、LEDボンド・ワイヤ62、1つのLEDサブアセンブリ64、および1つの発光ダイオード(LED)66を含めて図示されている。このようなLEDサブアセンブリ64は、この業界で公知であり、本発明を論ずる目的で図示されているが、本発明の1つの限界を示すものではない。図中、LEDアセンブリ60は、基板20にダイ取り付けされて示されている。代替的な実施形態において、取り付けパッド28は、LEDアセンブリ60のフリップ・チップ取り付けを可能にするように構成されうる。加えて、複数のLEDアセンブリが取り付けパッド28上に取り付け可能である。代替的な実施形態において、LEDアセンブリ60は複数のトレース上に取り付け可能である。フリップ・チップ技法を使用すれば、これは特に真実味を増す。
【0021】
トレース22および24のトポロジは、図中に示すトポロジから大幅に変更可能であり、それらも本発明の範囲内に入る。図中、三つの分離された陰極(負)トレース24が示され、これらが取り付けパッド28上に置けることが図示されており、おのおのは1つの陰極(負)トレースに接続されている。したがって、三つのLEDアセンブリは、個別に電気的制御可能である。トレース22および24は、金、銀、錫、または他の複数の金属のような導電材料でできている。トレース22および24は、図中に示す複数の寸法を持ち得、適用によってミクロンまたは数十ミクロンのオーダの厚みを持つ。例えば、トレース22および24は、15ミクロン厚にできる。
図1Aおよび2Aは、1つの方向付マーキング27を図示する。このような複数のマーキングは、ダイ・パッケージ10の組立後でも、ダイ・パッケージの適切な方向付けを特定するのに使用可能である。方向付けマーキング27は、1つのバイヤまたは1つのスルー・ホールではない。トレース22および24は、図示のとおり、取り付けパッド28から基板20の複数の側に伸びる。
【0022】
図1Aから2Dまで参照し続けると、基板20は、その側の近傍に複数の半円筒空間23および四半円筒形空間25を画定する。図中、混乱を避けるため、代表的な複数の空間23および25のみが、複数の参照番号で指示されている。半円筒形空間23および四半円筒形空間25は、ダイ・パッケージ10が1つのプリント回路板(PCB)またはダイ・パッケージがその要素である別の機器(示さず)に取り付けられたとき、半田が流れ出、凝固する複数の空間を提供する。さらに、半円筒形空間23および四半円筒形空間25は、製造工程の間、便利な区画および複数の分割点を提供する。
【0023】
基板20は、複数の隣接区分を有する1つの個別の区分、1つのストリップまたは1つの板として製造されうる。各区分は、1つの基板20である。あるいは、基板20は、複数の区分の1つのアレーの個別の区分として製造されうる。アレーは、隣接区分の複数の行および複数の列を有する。このような構成において、半円筒形空間23および四半円筒形空間25は、製造工程の間のストリップ、板、またはアレー用の複数の工具穴として利用されうる。
【0024】
さらに、半円筒形空間23および四半円筒形空間25は、スクライブド・グルーブまたは他のエッチングと組み合わせて、各基板をストリップ、板、またはウェーファから分離する補助をする。分離は、ストリップ、板、またはウェーファを曲げることによって物理的な応力をパーフォレーション(1つの接近したピッチを持つ複数の半貫通穴)またはレーザで作られた複数のスクライブ・ライン、またはプレモールド、またはエッチド・ライン(半円筒形空間23および四半円筒形空間25)に導入することにより達成される。これらの特徴は、製造工程を単純化し、製造工程中、基板20の個々のユニットを取扱うための特殊担体治具の必要性を除外することによって複数のコストを低減する。さらに、半円筒形空間23および四半円筒形空間25は、上部半田パッド26、側半田パッド32、および底部半田パッド34を接続する複数のバイヤ・ホールとして供される。
【0025】
基板20は、1つの熱接点パッド36を含む1つの底面29を有する。熱接点パッド36は、金、銀、錫、または他の複数の貴金属を含むがこれらに限らない材料のような高熱伝導性および電気導電性の材料を使って製造されうる。
【0026】
図3は、
図1Aおよび1Bの半導体パッケージの複数の部分の切除側面図を示す。特に、
図3は、上部ヒート・シンク40およびレンズ50の1つの切除側面図を図示する。
図1A、1Bおよび3を参照するに、上部ヒート・シンク40は、アルミニウム、銅、セラミックス、プラスチックス、合成物、またはこれらの材料の1つの組合せのような材料から作られている。1つの高温、機械的に強い、誘電体材料が、トレース22および24を密封するためにトレース22および24(中央ダイ取り付けエリアを除いて)を被覆するのに使え、複数のスクラッチおよび酸化のような物理的および環境的な危害からの保護を提供する。被覆工程は、基板製造工程の一部分であり得る。この被覆は、使用中、上部ヒート・シンク40から基板20を絶縁することができる。被覆は、その上で、基板20を上部ヒート・シンク40に接着するTHERMOSET製の熱インタフェース材料のような1つの高温接着剤で被覆されてもよい。
【0027】
上部ヒート・シンク40は、取り付けパッド28(
図2Aおよび2Cの)上に取り付けけられたLEDアセンブリ60を略囲む1つの反射面42を含みうる。上部ヒート・シンク40がダイ・パッケージ10中のLEDによって生成された熱を拡散するのに使われるとき、それは1つの外部ヒート・シンク上に1つの接着剤または半田接合によって直接”上部取り付け”され、熱を効果的に発散させ得る。別の実施形態において、もし熱が空気または冷却液のような圧縮性または非圧縮性媒体によって放散させられねばならないときには、上部ヒート・シンク40にフィンまたは上部ヒート・シンク40と冷却媒体熱との間で伝達を促進する任意の仕様を装備させてもよい。これらの実施形態の両方において、ダイ・パッケージ10の電気的端子と底部ヒート・シンク20は、例えば、標準の表面取り付け技術(SMT)方法を使ってその適用プリント回路ボード(PCB)に依然として接続可能である。
【0028】
反射面42は、複数のサンプル光線63によって図示されるLEDアセンブリ60からの光の複数の部分を反射する。光の他の複数の部分は、サンプル光線61によって図示されるようには反射面42によって反射されない。説明用の光線61および63は、光学的技術でよく使われる光トレースを意味しない。光の効果的な反射のためには、上部ヒート・シンク40は、磨くことのできる材料、鋳造することのできる材料またはモールドすることのできる材料、またはこれらの組合せから作られることが好ましい。あるいは、高い反射率を実現するために、光学的な反射面42または全体ヒート・シンク40を、メッキするか、銀、アルミニウム、またはこの目的を果たす任意の物質のような高反射率材料で堆積することができる。このため、上部ヒート・シンク40はまた、1つの反射板40と呼ばれる。反射板40は、パッケージ10の熱的性能によって要求されるときには高熱導電性を有する材料から作られる。実施形態によって図示するように、反射板42は、例えば、反射板の水平面に関して45°の1つの角度をなす1つの平面として図示される。本発明は、説明用の実施形態に限定されるものではない。例えば、反射面42は、反射板の水平面に関して1つの異なる角度をなすようにできる。あるいは、反射板は、1つの放物線面、円錐曲線回転面またはパッケージの所望のスペクトル発光性能を満たす助けになる任意の他の形状を持つことができる。
【0029】
反射板40は、レンズ50を支持し、それと結合する1つの棚44を含む。LEDアセンブリ60は、例えば、軟質プラスチック・シリコーンまたはポリマのようなエンカプセレーション材料46を使ってダイ・パッケージ10(
図1Aおよび1B)内にカプセル化される。エンカプセレーション材料46は、高光伝導性およびレンズ50の屈折率に整合するか近似する屈折率を有する高温ポリマが好ましい。カプセル材46は、その光伝導性または透明度を変える複数の殆どの波長によって影響されないものが好ましい。
【0030】
レンズ50は、例えば、ガラス、水晶、高温および透明プラスチック、またはこれらの材料の1つの組合せのような高光伝導性を有する材料からできている。レンズ50は、エンカプセレーション材料46の上に置かれ、これに接着される。レンズ50は、反射
体40に固くは接着されない。この"浮動レンズ"設計により、エンカプセレーション材料46が問題なく高温または低温の状況下において膨張したり収縮したりする事が出来る。例えば、ダイ・パッケージ10が動作しているとき、または高温環境に曝されているとき、カプセル材は、それを含む空洞空間より大きな体積膨張を経験する。レンズ50にカプセル材の上で幾分自由に浮き上がらせることによって、その空洞空間からカプセル材が押出されることがない。同様にして、ダイ・パッケージ10が低い温度に曝されたときには、カプセル材46はカプセル材用の空洞空間を形成している他の複数の構成要素よりよく収縮する。レンズは、カプセル材が収縮しそのレベルを下げる間、カプセル材46の上で自由に浮遊する。したがって、ダイ・パッケージ10の信頼性が、カプセル材に誘導される熱応力が浮動レンズ設計によって低減されるために1つの比較的大きな温度範囲に亘って維持される。
【0031】
いくらかの実施形態において、レンズ50は、曲がった、半球形の、または他の幾何学形状の1つのくぼみ52を画定する。このくぼみ52は、LEDチップによって放射された光の性質にダイ・パッケージ10から出る前に影響を与えたり変更したりするための光学的材料によって満たしうる。光学的材料の1つのタイプの複数の例には、複数のルミネッセンス変換蛍光体、複数の染料、複数の蛍光ポリマ、またはチップによって放射される光のいくらかを吸収し異なる波長の光を再放射する他の複数の材料がある。複数の光学的材料の別のタイプの複数の例には、炭化カルシウム、分散粒子(酸化チタンのような)または光を分散または離散させるボイドのような複数の光拡散剤がある。上の材料の任意の1つまたは組合せは、一定のスペクトル発光性能を得るためにレンズ上に適用可能である。
【0032】
図4は、1つの外部ヒート・シンク70に結合されたダイ・パッケージ10を図示する。
図4を参照するに、熱接点パッド36は、エポキシ、半田、または任意の他の熱伝導接着剤、導電接着剤、または熱電導接着剤74を使って外部ヒート・シンク70に取り付け可能である。外部ヒート・シンク70は、1つのプリント回路ボード(PCB)またはダイ・パッケージ10から熱を引出す他の構造にできる。外部ヒート・シンクは、様々な構成での複数の回路要素(示さず)または複数の熱拡散フィン72を含み得る。
【0033】
特定の代替的な構成を有する本発明の1つの実施形態が
図5から6Dに示される。この第2の実施例の複数の部分は、
図1Aから4の中に示す第1実施形態の複数の対応部分に類似している。便宜上、第1実施形態の複数部分に類似の
図5から6D中に図示される第2の複数部分は、同じ参照番号を与えられている。相似ではあるが変更された部分には、”a”を伴った同じ参照番号が付けられ、異なる部分には異なる参照番号が割当られている。
【0034】
図5は、本発明の他の複数の実施形態による1つのLEDダイ・パッケージ10aの1つの組立分解透視図である。
図5を参照するに、本発明の発光ダイ・パッケージ10aは、1つの底部ヒート・シンク(基板)20a、1つの上部ヒート・シンク(反射板)40a、および1つのレンズ50を含む。
【0035】
図6A、6B、6Cおよび6Dは、それぞれ、
図5の基板20aの1つの平面図、1つの側面図、1つの正面図、および1つの底面図を提供する。
図5から6Dを参照するに、説明用の実施形態において、基板20aは、1つの第1トレース22a、および四つの第2トレース24aを含む。これらのトレース22aおよび24aは、
図2Aのトレース22および24とは異なる構成になっている。基板20aは、反射板40aを基板20aに機械的に係合する反射板40aの複数の脚35の受入のための複数のラッチ・スペース33を画定する複数のフランジ31を含む。
【0036】
前述から明らかなことは、本発明は、新規なものであり、現在の技法を凌ぐ複数の利点を提供することである。本発明の具体的な実施形態を上に述べ、図示したが、本発明はその説明と図示の複数の部分の具体的な形状または配置に限定されるものではない。例えば、異なる複数の構成、複数の寸法、または複数の材料を本発明の実施に使用可能である。
本発明は、添付の特許請求の範囲によって制限される。次において、複数の請求項は、米国特許法112条に定められた”手段又は工程(means or step for)”の利益を得るために作成された複数の請求項は、”ための手段(means for)”なる句によって特定される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】本発明の一実施形態による1つの半導体ダイ・パッケージの1つの透視図である。
【
図1B】
図1Aの半導体パッケージの1つの組立分解透視図である。
【
図2C】
図1Aの半導体パッケージの1つの部分の1つの前面図である。
【
図2D】
図1Aの半導体パッケージの1つの部分の1つの底面図である。
【
図3】
図1Aの半導体パッケージの複数の部分の1つの切り取り側面図である。
【
図4】複数の追加要素を有する
図1Aの半導体パッケージの1つの側面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による1つの半導体ダイ・パッケージの1つの組立分解透視図である。
【
図6A】
図5の半導体パケージの1つの部分の1つの平面図である。
【
図6B】
図5の半導体パッケージの1つの部分の1つの側面図である。
【
図6C】
図5の半導体パッケージの1つの部分の1つの前面図である。
【
図6D】
図5の半導体パッケージの1つの部分の1つの底面図である。