(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記各リズム情報に基づく信号を、同時に複数の前記出力部から出力するよう制御することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電子装置。
前記制御部は、複数の前記リズム情報を合成して1つのリズム情報を生成し、生成されたリズム情報に基づく信号を、1つの前記出力部から出力するように制御することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における電子装置1のブロック構成図である。
電子装置1は、検出ユニット10と、抽出部21と、記憶部22と、対象特定部23と、出力部記憶部24と、出力方法決定部25と、制御部26と、出力ユニット30と、通信部40とを備える。
【0012】
まず、本発明の実施形態における電子装置1の概要について説明する。電子装置1は、検出ユニット10が備える複数の検出部により、検出の対象となる人または物の特徴を示す信号を複数種類検出する。そして、電子装置1は、検出された複数種類の信号のそれぞれについてリズムを検出し、そのリズム情報の組み合わせに基づいて対象を特定する。電子装置1は、特定された対象に応じて、検出された複数のリズム情報を複数の出力部にどのように振り分けるか決定し、その振り分け方に応じて、検出されたそれぞれのリズム情報に基づく信号を各出力部に出力する。各出力部は、入力されたリズム情報に基づく信号に基づいて、自装置の外部に報知する。
【0013】
これによれば、電子装置1は、検出の対象となる人または物の特徴に応じたパターンで画像または映像を表示させたり、光を点滅させたり、音を出力したり、自装置を振動させたりし、その組み合わせも検出対象に応じて設定することができるので、電子装置1が発する画像または映像と光と音と振動の出力パターンとその組み合わせを人間が認識することにより、人間は電子装置1が検出の対象とした人または物を特定することができる。
【0014】
続いて、電子装置1が備える各機能ブロックの処理について説明する。検出ユニット10は、検出の対象となる人または物から該人または物の特徴を示す信号を検出する複数の検出部を備える。具体的には、本実施形態では、一例として検出ユニット10は、撮像部11と、動き検出部12と、姿勢検出部13と、接触検出部14と、脈拍検出部15と、血流検出部16と、湿度検出部17とを備える。
なお、検出ユニット10が備える検出部は同一の検出部が複数あってもよい。また、検出ユニット10が備える検出部は複数あればよい。
【0015】
撮像部11は、自装置の外部の被写体を撮像するイメージセンサである。撮像部11は、電子装置1が検出の対象とする人または物を撮像し、撮像により得られた画像データを生成し、生成した画像データを抽出部21に出力する。
【0016】
動き検出部12は、自装置の筐体の動きを検出するセンサである。具体的には、例えば、動き検出部12は、操作者により自装置が動かされたときの自装置の筐体の動きを検出し、検出した動きの情報を抽出部21に出力する。動き検出部12としては、例えば加速度センサなどが設けられている。
【0017】
姿勢検出部13は、電子装置1の姿勢を検出するセンサである。具体的には、例えば、姿勢検出部13は、操作者により自装置が動かされたときの自装置の姿勢を検出し、検出した姿勢を示す情報を抽出部21に出力する。姿勢検出部13としては、例えば3軸加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサなどが設けられている。
【0018】
接触検出部14は、自装置の筐体の側面に備えられた接触感知センサであり、側面の長手方向に沿って所定の分割数(例えば、9分割)で区切られており、区切られたセンサ毎に、接触の有無を検出することができる。
接触検出部14は、操作者により自装置が触れられたときの、各位置における接触の有無を検出し、検出された各位置における接触の有無を示す情報を抽出部21に出力する。接触検出部14としては、例えば、静電容量型の接触感知センサが設けられている。
【0019】
脈拍検出部15は、脈拍を検出するセンサである。脈拍検出部15は、検出の対象とする人(例えば、自装置の操作者)の脈拍を検出し、検出した脈拍を示す情報を抽出部21に出力する。脈拍検出部15としては、例えば、イヤフォン型の脈拍センサなどが設けられている。
【0020】
血流検出部16は、血流を検出するセンサである。血圧検出部17は、検出の対象とする人(例えば、自装置の操作者)の血流を検出し、検出した血流を示す情報を抽出部21に出力する。血流検出部16としては、例えば、超音波血流計などが設けられている。
【0021】
湿度検出部17は、自検出部周囲の湿度を検出するセンサである。湿度検出部17としては、自検出部周囲の湿度を検出し、検出した湿度を示す情報を抽出部21に出力する。湿度検出部17としては、例えば、湿度計などが設けられている。
【0022】
抽出部21は、検出ユニット10における複数の検出部によりそれぞれ検出された信号から、各信号の時間的または空間的な変化のパターンを表すリズム情報をそれぞれ抽出し、抽出した各リズム情報を対象特定部23に出力する。
具体的には、例えば、抽出部21は、撮像部11から入力された1枚の画像を構成する画像データにおいて、検出対象となるものを抜き出し、外光の状況から検出対象の明度を一定値にし、各画素における輝度値(例えば、0から255)や彩度、色度、隣接画素とのコントラスト比等を、上の行から行毎に順に横一列に並べたものを1つの波と捉え、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む画像リズム情報Ryを対象特定部23に出力する。
【0023】
同様に、例えば、抽出部21は、動き検出部12から入力された動きの情報から、所定の基準点と自装置の間の距離の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む動きリズム情報Rmを対象特定部23に出力する。
【0024】
同様に、例えば、抽出部21は、姿勢検出部13から入力された姿勢を示す情報から、ある平面における所定の基準姿勢からの姿勢の回転量の時間的な変化を1つの波と捉え、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む姿勢リズム情報Raを対象特定部23に出力する。
【0025】
同様に、例えば、抽出部21は、接触検出部14から入力された各位置における接触の有無の空間分布を1つの波と捉え、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む接触リズム情報Rsを対象特定部23に出力する。
【0026】
同様に、例えば、抽出部21は、脈拍検出部15から入力された脈拍を示す情報から拍動の有無を1つのリズムと捉え、そのリズムの周波数を算出し、その周波数の情報を含む脈拍リズム情報Rpを対象特定部23に出力する。
【0027】
同様に、例えば、抽出部21は、血流検出部16から入力された血流を示す情報から、血流量の時間変化を1つの波と捉えて、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む血流リズム情報Rbを対象特定部23に出力する。
【0028】
同様に、例えば、抽出部21は、湿度検出部17から入力された湿度を示す情報から、湿度の時間変化を1つの波と捉え、その波の周波数と振幅とを算出し、その周波数の情報と振幅の情報とを含む湿度リズム情報Rhを対象特定部23に出力する。
【0029】
記憶部22には、リズム情報の組み合わせと対象を示す対象情報とが関連付けられて記憶されている。具体的には、例えば、記憶部22には、テーブルT1に、画像リズム情報Ryのid値、動きリズム情報Rmのid値、姿勢リズム情報Raのid値、接触リズム情報Rsのid値、脈拍リズム情報Rpのid値、血流リズム情報Rbのid値および湿度リズム情報Rhのid値の組み合わせと、検出対象を識別する対象情報とが関連付けられて記憶されている(
図2参照)。
【0030】
記憶部22に記憶されているテーブルについて
図2を用いて説明する。
図2は、記憶部22に記憶されているテーブルT1の一例である。テーブルT1には、対象情報と各リズム情報の組み合わせとが関連付けられて記憶されている。テーブルT1の各項目の値は、各リズム情報がどのようなリズム情報であるか示す固有のid値である。
例えば、対象情報Aについては、画像リズム情報Ryのid値が1で、動きリズム情報Rmのid値が2で、姿勢リズム情報Raのid値が3で、接触リズム情報Rsのid値が4で、脈拍リズム情報Rpのid値が3で、血流リズム情報Rbのid値が2で、湿度リズム情報Rhのid値が1である。このように、テーブルT1では、各リズム情報のid値の組み合わせに対して、対象情報が一意に定まるようになっている。
【0031】
また、記憶部22には、テーブルT2からテーブルT7に、上記各リズム情報のid値と、そのリズム情報に含まれる周波数の情報と振幅の情報とが関連付けられて記憶されている(
図3、
図4参照)。但し、脈拍リズム情報Rpのid値は、脈拍の周波数を示す情報と関連付けられて記憶部22に記憶されている(
図4(a)のテーブルT6参照)。
【0032】
図3は、記憶部22に記憶されているテーブルT2からT5の一例である。各テーブルの振幅の値は、所定の値(ここでは、10)で正規化された値である。
図3(a)は、記憶部22に記憶されているテーブルT2の一例である。テーブルT2には、画像リズム情報Ryのid値と画像リズム情報Ryに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、画像リズム情報Ryのid値が1の場合、その画像リズムの周波数は1Hzで、振幅は5である。このように、テーブルT2では、画像リズム情報Ryのid値に対して、画像リズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0033】
図3(b)は、記憶部22に記憶されているテーブルT3の一例である。テーブルT3には、動きリズム情報Rmのid値と動きリズム情報Rmに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、動きリズム情報Rmのid値が1の場合、その動きリズムの周波数は3Hzで、振幅は7である。このように、テーブルT3では、動きリズム情報Rmのid値に対して、動きリズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0034】
図3(c)は、記憶部22に記憶されているテーブルT4の一例である。テーブルT4には、姿勢リズム情報Raのid値と姿勢リズム情報Raに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、姿勢リズム情報Raのid値が1の場合、その姿勢リズムの周波数は5Hzで、振幅は9である。このように、テーブルT4では、姿勢リズム情報Raのid値に対して、姿勢リズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0035】
図3(d)は、記憶部22に記憶されているテーブルT5の一例である。テーブルT5には、接触リズム情報Rsのid値と接触リズム情報Rsに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、接触リズム情報Rsのid値が1の場合、その接触リズムの周波数は7Hzで、振幅は1である。このように、テーブルT5では、接触リズム情報Rsのid値に対して、接触リズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0036】
図4は、記憶部22に記憶されているテーブルT6からT8の一例である。
図3と同様に、各テーブルの振幅の値は、所定の値(ここでは、10)で正規化された値である。
図4(a)は、記憶部22に記憶されているテーブルT6の一例である。テーブルT6には、脈拍リズム情報Rpのid値と脈拍リズム情報Rpに含まれる周波数とが関連付けられて記憶されている。例えば、脈拍リズム情報Rpのid値が1の場合、その接触リズムの周波数は5Hzである。このように、テーブルT6では、脈拍リズム情報Rpのid値に対して、脈拍リズムの周波数が一意に定まるようになっている。
【0037】
図4(b)は、記憶部22に記憶されているテーブルT7の一例である。テーブルT7には、血流リズム情報Rbのid値と血流リズム情報Rbに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、血流リズム情報Rbのid値が1の場合、その接触リズムの周波数は5Hzで、振幅は5である。このように、テーブルT7では、血流リズム情報Rbのid値に対して、血流リズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0038】
図4(c)は、記憶部22に記憶されているテーブルT8の一例である。テーブルT8には、湿度リズム情報Rhのid値と湿度リズム情報Rhに含まれる周波数および振幅とが関連付けられて記憶されている。例えば、湿度リズム情報Rhのid値が1の場合、その接触リズムの周波数は3Hzで、振幅は3である。このように、テーブルT8では、湿度リズム情報Rhのid値に対して、湿度リズムの周波数および振幅の組み合わせが一意に定まるようになっている。
【0039】
図1に戻って、対象特定部23は、抽出部21により抽出されたリズム情報のそれぞれの組み合わせに基づき、前記人または物を特定する。具体的には、対象特定部23は、抽出された各リズム情報を記憶部22に記憶されている各テーブル(T2〜T7)と照合し、各リズム情報について、リズム情報のid値を抽出する。続いて、対象特定部23は、抽出した各リズム情報のid値を記憶部22に記憶されているテーブルT1と照合し、抽出した各リズム情報のid値の組み合わせに合致する対象情報を読み出す。これにより、対象特定部23は対象を特定することができる。対象特定部23は、読み出した対象を示す対象情報を制御部26に出力する。
【0040】
続いて、対象特定部23の処理の具体例について説明する。対象特定部23は、抽出部21から供給された画像リズム情報Ryに含まれる周波数が1Hzと振幅が5の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT2から画像リズム情報Ryのid値として1を抽出する。
同様に、対象特定部23は、抽出部21から供給された動きリズム情報Rmに含まれる周波数が7Hzと振幅が2の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT3から動きリズム情報Rmのid値として2を抽出する。
【0041】
同様に、対象特定部23は、例えば抽出部21から供給された姿勢リズム情報Raに含まれる周波数が9Hzと振幅が4の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT4から姿勢リズム情報Raのid値として3を抽出する。
同様に、対象特定部23は、例えば抽出部21から供給された接触リズム情報Rsに含まれる周波数が16Hzと振幅が7の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT5から接触リズム情報Rsのid値として4を抽出する。
【0042】
同様に、対象特定部23は、例えば抽出部21から供給された脈拍リズム情報Rpに含まれる周波数が1Hzの場合、記憶部22に記憶されているテーブルT6から脈拍リズム情報Rpのid値として3を抽出する。
同様に、対象特定部23は、例えば抽出部21から供給された血流リズム情報Rbに含まれる周波数が0.5Hzで振幅が6の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT7から血流リズム情報Rbのid値として2を抽出する。
同様に、対象特定部23は、例えば抽出部21から供給された湿度リズム情報Rhに含まれる周波数が0.001Hzで振幅が3の場合、記憶部22に記憶されているテーブルT8から湿度リズム情報Rhのid値として1を抽出する。
【0043】
そして、対象特定部23は、抽出した各リズム情報のid値と、
図2のテーブルT1の各リズム情報のid値とを照合する。そして対象特定部23は、抽出した画像リズム情報Ryのid値が1で、抽出した動きリズム情報Rmのid値が2で、
図2のテーブルT1において、抽出した各リズム情報のid値(姿勢リズム情報Raのid値が3で、接触リズム情報Rsのid値が4で、脈拍リズム情報Rpのid値が3で、血流リズム情報Rbのid値が2で、湿度リズム情報Rhのid値が1)と一致した各リズム情報に関連付けられた対象情報Aを抽出する。これにより、対象特定部23は検出対象を識別する対象情報Aを抽出することにより、対象を特定することができる。
【0044】
図1に戻って、出力部記憶部24には、対象を示す対象情報と出力方法を示す情報(各出力部にどのリズム情報を振り分けるかという情報)とが関連付けられて記憶されている。ここで、
図5を用いて、出力部記憶部24に記憶されているテーブルの具体例について説明する。
【0045】
図5は、出力部記憶部24に記憶されているテーブルT9とテーブルT10の一例である。
図5(a)は出力部記憶部24に記憶されているテーブルT9の一例である。テーブルT9には、対象情報と各出力部に振り分けられるリズム情報を識別するリズム識別情報とが関連付けられて記憶されている。テーブルT9の各値は、各カラムの出力部にどのリズム情報が振り分けられるかを示すためのリズム識別情報である。また、値が0の場合、そのカラムの出力部が選択されないことを意味する。
【0046】
例えば、対象情報Aについては、表示部31にリズム識別情報1のリズム情報が振り分けられることが示されている。また、対象物Bの場合、表示部31にリズム識別情報2のリズム情報が振り分けられ、光出力部32にリズム識別情報3のリズム情報が振り分けられることが示されている。このように、テーブルT9では、対象情報に対して、各出力部に振り分けられるリズム情報の識別情報が一意に定まるようになっている。
【0047】
図5(b)は出力部記憶部24に記憶されているテーブルT10の一例である。テーブルT10には、リズム情報を識別するリズム識別情報と当該リズム識別情報が指し示すリズム情報に各カラムのリズム情報が含まれるか否かの情報とが関連付けられて記憶されている。テーブルT10の各値は、各カラムのリズム情報が各値が属する行のリズム識別情報が指し示すリズム情報に含まれるか否かが示されている。テーブルT10の値が1の場合、その値が属する列のリズム情報がその値が属する行のリズム識別情報が指し示すリズム情報に含まれることを意味する。また、テーブルT10の値が0の場合、その値が属する列のリズム情報がその値が属する行のリズム識別情報が指し示すリズム情報に含まれないことを意味する。
【0048】
例えば、同図において、リズム識別情報が1の場合、そのリズム情報が画像リズム情報Ryであることが示されている。また、リズム識別情報が2の場合、そのリズム情報が画像リズム情報Ryと動きリズム情報Rmとが合成されたリズム情報であることが示されている。
【0049】
図1に戻って、出力方法決定部25は、特定された対象に基づき、リズム情報に基づく信号の出力方法を決定する。ここで、リズム情報に基づく信号とは、制御部26がリズム情報の出力先である出力ユニット30が備える各出力部に応じた信号(例えば、映像信号、光出力信号、音声信号、振動信号)である。具体的には、出力方法決定部25は、特定された対象を示す対象情報に対応付けられた出力方法を示す情報(各出力部にどのリズム情報を振り分けるかという情報)を出力部記憶部24から読み出すことにより、各リズム情報を振り分ける出力部を決定する。
【0050】
出力方法決定部25は、出力部記憶部24に記憶されているテーブルT9を参照して、対象情報に対応付けられた各出力部に振り分けられるリズム情報のリズム識別情報を読み出す。また、出力方法決定部25は、出力部記憶部24に記憶されているテーブルT10を参照して、リズム識別情報に対応付けられたリズム情報の組み合わせを抽出する。これにより、出力方法決定部25は、各出力部にどのリズム情報を振り分けるかという出力方法を決定し、決定した出力方法を示す情報を制御部26に出力する。
【0051】
具体的には、例えば、特定された対象を示す対象情報がAだとすると、出力方法決定部25は、
図5(a)のテーブルT9を参照して、対象情報がAの行において、各カラムの値を抽出することにより、表示部31にリズム識別情報が1のリズム情報を出力し、他の出力部にはリズム情報を出力しないという情報を出力部記憶部24から読み出す。そして、リズム識別情報が1だとすると、出力方法決定部25は、リズム識別情報が1の行において、カラムの値が1となっているリズム情報である画像リズム情報Ryを出力部記憶部24から抽出する。これにより、出力方法決定部25は、表示部31に画像リズム情報Ryを振り分けるという出力方法を決定する。
【0052】
また、制御部26は、出力方法決定部25により決定された出力方法に基づいて、各リズム情報に基づく信号を出力ユニット30が備える各出力部の少なくともいずれか1つに振り分ける。
具体的には、制御部26は、出力方法決定部25から入力された出力方法を示す情報(各出力部にどのリズム情報が振り分けられるかを示す情報)に応じて、各リズム情報をその出力先である出力部に応じたリズム情報に基づく信号(例えば、映像信号、光出力信号、音声信号、振動信号)に変換し、変換した各リズム情報に基づく信号(例えば、映像信号、光出力信号、音声信号、振動信号)を決定された各出力部に出力する。
【0053】
例えば、出力方法決定部25により動きリズム情報Rmが表示部31に振り分けられると決定された場合、制御部26は、動きリズム情報Rmが有する周波数および振幅の情報からその周波数と振幅で振動する波形を生成し、その波形から所定の時間間隔毎の値を輝度値として抽出し、その輝度値を示す映像信号を生成する。制御部26は、生成された映像信号を表示部31に出力し、表示部31に映像を表示させる。
【0054】
また、制御部26は、各リズム情報に基づく信号を、同時に出力ユニット30が備える複数の出力部から出力するよう制御する。
なお、制御部26は、複数のリズム情報を合成して1つのリズム情報を生成し、生成されたリズム情報に基づく信号を、出力ユニット30が備える1つの出力部から出力するように制御するようにしてもよい。具体的には、例えば、制御部26は、抽出部21により抽出された3つのリズム情報のうち、2つのリズム情報を選択し、その2つのリズムを表す2つの波形を有する信号を加算することにより、1つの波形を示す合成信号を生成する。制御部26は、その生成された合成信号を出力ユニット30の後述する振動部34に出力することにより、その1つの波形を示す信号に基づいて振動部34を振動させる。
【0055】
また、例えば、制御部26は、抽出されなかった残りの1つのリズム情報を所定の閾値を越えていたら5V、その所定の閾値以下なら0Vとなる矩形波状の電圧を示す信号に変換し、その矩形波状の電圧を示す信号を出力ユニット30の後述する光出力部32に出力する。これにより、振動部34は、入力された合成信号に従って筐体を振動させ、光出力部32は、入力された矩形波状の電圧を示す信号に従って光を点滅させることができる。
【0056】
また、制御部26は、出力方法決定部25から入力された出力方法を示す情報を通信部40に出力し、通信部40にその出力方法を示す情報を他の電子装置に出力するよう制御する。
【0057】
出力ユニット30は、表示部31と、光出力部32と、音声出力部33と、振動部34とを備える。出力ユニット30が備える上記各出力部は、制御部26から入力されたリズム情報に基づく信号を出力する。
表示部31は、制御部26から入力された画像信号または映像信号を表示させる。表示部31としては、例えば、液晶ディスプレイが設けられている。
光出力部32は、制御部26から入力された光出力信号に基づいて発光する。光出力部32としては、例えば、発光ダイオードが設けられている。
【0058】
音声出力部33は、制御部26から入力された音を出力させるために音声信号に基づいて、音を出力する。音声出力部33としては、例えば、スピーカが設けられている。
振動部34は、制御部26から入力された筐体を振動させるための振動信号に基づいて、自装置の筐体を振動させる。振動部34としては、例えば、リニアバイブレータが設けられている。
【0059】
通信部40は、外部との間で有線方式及び無線方式のうち少なくとも一方の方式によって情報の通信が可能となるように構成されている。通信部40は、制御部26から入力された出力方法を示す情報(各出力部にどのリズム情報が振り分けられるかを示す情報)を無線信号に符号化し、符号化した無線信号を他の電子装置に出力する。
【0060】
当該無線信号を受信した他の電子装置は、無線信号を復号し、復号された出力方法を示す情報(各出力部にどのリズム情報が振り分けられるかを示す情報)に基づいて、自装置が備える出力部から映像または光または音を出力し、または自装置を振動させる。ここで他の電子装置は、少なくとも複数の出力部を備えていればよい。
【0061】
これにより、他の電子装置を操作する操作者は、他の電子装置から出力される光、音もしくは振動を認識することにより、本実施形態の電子装置1の操作者を特定することができる。すなわち、本実施形態の電子装置1は、自装置から離れた位置にある他の電子装置(例えば、携帯端末)を操作する操作者に、本実施形態における電子装置1の操作者を、光、音もしくは振動で知らせることができる。
【0062】
図6は、本発明の実施形態における電子装置1の処理の流れを示したフローチャートである。まず、検出部ユニット10の各検出部は、検出対象の特徴を示す複数の信号を検出する(ステップS101)。次に、抽出部21は、それぞれ検出された信号からリズム情報を抽出する(ステップS102)。次に、対象特定部23は、各リズム情報の組み合わせに対応する対象情報を記憶部22から読み出すことにより、検出対象を特定する(ステップS103)。
【0063】
次に、出力方法決定部25は、出力ユニット30が有する出力部のうち、どの出力部にどのリズム情報を振り分けるか決定する(ステップS104)。次に、制御部26は、決定された出力方法に基づいて各リズム情報に基づく信号を出力ユニット30が有する各出力部に出力する(ステップS105)。次に、出力ユニット30が有する各出力部は、リズム情報に基づく信号に基づいて、画像または映像の表示、光または音の出力、あるいは自装置の筐体の振動を行う(ステップS106)。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0064】
以上、電子装置1は、検出ユニット10が備える複数の検出部により、検出の対象となる人または物の特徴を示す信号を複数種類検出する。そして、電子装置1は、検出された複数種類の信号のそれぞれについてリズムを検出し、そのリズム情報の組み合わせに基づいて対象を特定する。電子装置1は、特定された対象に応じて、検出された複数のリズム情報を複数の出力部にどのように振り分けるか決定し、その振り分け方に応じて、検出されたそれぞれのリズム情報に基づく信号を各出力部に出力する。各出力部は、入力されたリズム情報に基づく信号に基づいて、画像または映像、光、音もしくは振動を用いて外部に報知する。
【0065】
これによれば、電子装置1は、検出の対象となる人または物の特徴に応じたパターンで画像または映像を表示させたり、光を点滅させたり、音を出力したり、自装置を振動させたりすることができる。また、電子装置1は、検出の対象となる人または物の特徴に応じた出力部の組み合わせで、画像または映像の表示と、光の点滅と、音の出力と、自装置の筐体の振動とを同時に行うことができる。
これにより、電子装置1が発する画像または映像と光と音と振動の出力パターンとそれらの出力の組み合わせ方を人間が認識することにより、人間は電子装置1が検出の対象とした人または物を推定することができる。
【0066】
また、電子装置1が検出の対象を自装置の操作者とした場合、電子装置1は、操作者によって、画像または映像と光と音と振動とをどのように組み合わせて出力するかを示す組み合わせの情報を変更する。これにより、人間は電子装置1の操作者を視認しなくても、電子装置1が発する画像または映像と光と音と振動のパターンとそれらの組み合わせを認識することにより、電子装置1の操作者を区別して認識することができる。
【0067】
なお、本実施形態の電子装置1は、7つの検出部と4つの出力部とを備えたが、これに限らず、複数の検出部と複数の出力部とを備えていれば、それぞれの数はいくつでもよい。
また、本実施形態の電子装置1は、異なる7つの検出部を備えるが、これに限らず同じ種類の検出部を複数備えていてもよい。
また、本実施形態の電子装置1は、異なる4つの出力部を備えるが、これに限らず同じ種類の出力部を複数備えていてもよい。
【0068】
また、本実施形態の電子装置1の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、電子装置1に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0069】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0070】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0071】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。