(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)と、を反応して得られるポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とする電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
一塩基酸(a1)と前記多塩基酸(a2)との使用割合(a1)/(a2)が1/99〜30/70(質量比)である請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
前記4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)が、4〜10個のエポキシ基を有するノボラック型エポキシ樹脂である請求項1〜6の何れか1項記載の電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
記モノエポキシ化合物(a4)と4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)の合計質量が、全仕込み原料の総質量に対して0.5〜10質量%の範囲である請求項1〜7の何れか1項記載の電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
前記一塩基酸(a1)に対し、モノエポキシ化合物(a4)及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)の合計質量の比〔a1/[a4+a5]〕が3/97〜70/30の範囲である請求項1〜8の何れか1項記載の電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
前記ポリエステル樹脂(A)が、原料である一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)を溶解混合した後、ここにエステル化触媒を加えてから昇温して反応させて得られるものである請求項1〜10の何れか1項記載の電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)を反応して得られるものである。
【0011】
前記一塩基酸(a1)を併用することで、分子量分布の幅を広くし、あるいは、架橋剤である多官能のエポキシ化合物の末端およびポリエステルの末端水酸基をこの一塩基酸(a1)で封鎖することによって、より架橋密度を向上させる(溶融粘度の上昇を抑制しつつゲル分を持たせる)ことができ、ゲル分(テトラヒドロフランに溶解しない成分)を含むポリエステル樹脂とすることが容易となる。この結果、従来よりもより低い温度での定着性と、耐高温オフセット性を兼備し、帯電特性も良好な電子写真トナーを得ることができる。
【0012】
本発明で用いる一塩基酸(a1)としては、特に限定されるものではなく、安息香酸、p−置換安息香酸、o−置換安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等を挙げることができるが、分子量をより高めることができ低温定着性が良好なトナーとなる点、粉砕性がより優れる点、並びに得られるトナーの帯電性、帯電安定性をより向上させることができる観点より、芳香族モノカルボン酸であることが好ましく、特に安息香酸、p−置換安息香酸が好ましく、パラターシャリーブチル安息香酸が最も好ましい。
【0013】
本発明で用いる多塩基酸(a2)としては、飽和多塩基酸や不飽和多塩基酸等、及びその酸無水物、これらの低級アルキルエステルを使用することができる。
【0014】
前記飽和多塩基酸、飽和多塩基酸及び飽和多塩基酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、オルソフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、無水コハク酸、炭素数8〜18個のアルキルコハク酸、アルキル無水コハク酸、アルケニルコハク酸、アルケニル無水コハク酸等の二塩基酸類;トリメリット酸、無水トリメリット酸、シアヌル酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の多塩基酸類等が挙げられる。前記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、単独で使用しても、2種以上のものを併用しても差し支えない。
【0015】
前記多塩基酸(a2)の中でも耐オフセット性と低温定着性に優れるトナーが得られることから、2価の塩基酸、その無水物及びこれらの低級アルキルエステルからなる群から選ばれる一種以上の化合物を含有する多塩基酸が好ましく、該2価の塩基酸、その無水物及びこれらの低級アルキルエステルからなる群から選ばれる一種以上の化合物の中でもイソフタル酸とテレフタル酸がより好ましい。
【0016】
さらに、上記した多塩基酸(a2)は、そのカルボキシ基の一部または全部がアルケニルエステルまたはアリルエステルとなっているものも使用できる。
【0017】
前記一塩基酸(a1)と、多塩基酸(a2)の使用割合としては、より低温定着性に優れる電子写真トナーが得られる観点より、(a1)/(a2)が1/99〜30/70(質量比)であることが好ましく、特に2/98〜26/74であることが好ましい。
【0018】
本発明で用いる多価アルコール(a3)としては、例えば、2価のアルコール類や3価以上のアルコール類等が挙げられる。
【0019】
前記2価のアルコール類としては、例えば、線状脂肪族ジオール、環式脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール類や芳香族ジオール類等が挙げられる。前記線状脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2−エチル−4−ブチルヘキサンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2,4−ジエチル3,5−ペンタジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0020】
環式脂肪族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
【0021】
前記芳香族ジオール類としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するジオール類等が挙げられる。ビスフェノール骨格を有するジオール類としては、例えば、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF等のビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノ−ルAアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0022】
前記3価以上のアルコール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2−メチルプロパントリオール等が挙げられる。
【0023】
多価アルコール(a3)は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、ステアリルアルコール等のモノアルコール類も本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて使用しても良い。
【0024】
本発明で用いるモノエポキシ化合物(a4)としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキサイド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステル等が好ましく挙げられる。
【0025】
アルキルフェニルグリシジルエーテルとしては、例えば、クレジルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル等が挙げられ、アルキルグリシジルエーテルとしては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが挙げられる。
【0026】
また、アルキルグリシジルエステルとしては、例えば、下記一般式(1)
【0027】
【化1】
〔式(1)中、Rは炭素原子数1〜25のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数10〜15のアルキル基である。〕
で示される化合物等が挙げられる。
【0028】
更に、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルとしては、例えば、ブチルフェノール等の低級アルキルフェノールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルが挙げられ、具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノ(p−t−ブチル)フェニルエーテルのグリシジルエーテル、エチレングリコールモノノニルフェニルエーテルのグリシジルエーテル等がある。
【0029】
α−オレフィンオキサイドとしては、例えば、アルファオレフィンオキサイド−168[アデカアーガス化学株式会社製品]、アルファオレフィンオキサイド−124[アデカアーガス化学株式会社製品]等のオレフィン類をオキシ化した化合物等が挙げられる。
【0030】
モノエポキシ脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、不飽和脂肪酸のアルコールエステルの不飽和基をエポキシ化した化合物で、例えばエポキシ化オレイン酸ブチルエステル、下記構造式(2)
【0031】
【化2】
で示される化合物、エポキシ化オレイン酸オクチルエステル等が挙げられる。これらのモノエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用しても差し支えない。
【0032】
本発明で用いるモノエポキシ化合物(a4)の中でも、得られるポリエステル樹脂(A)がワックスとの親和性が良好となることから前記一般式(1)で表されるモノエポキシ化合物がより好ましい。
【0033】
本発明で用いる4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)は、ポリエステル樹脂中の架橋密度を高めることを主目的として用いるものであり、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0034】
本発明で用いる4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)の中でも、より低温定着性と耐高温オフセット性に優れ、帯電量、帯電安定性も良好な電子写真トナーが得られることから、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂の中でも、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物型ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物型ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型ノボラック型エポキシ樹脂およびジシクロペンタジエン型ノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる一種以上のノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。更に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより望ましい。
【0035】
また、本発明で用いる4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)としては、4〜15個のエポキシ基を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
【0036】
前記モノエポキシ化合物(a4)と4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)の合計質量としては、全仕込み原料の総質量に対して0.5〜10質量%の範囲で用いると、より低温定着性と耐高温オフセット性に優れ、帯電安定性も良好な電子写真トナーが得られることから好ましく、0.6〜9質量%の範囲で用いることがより好ましい。
【0037】
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)としては、より低温定着性と耐高温オフセット性に優れ、帯電量、帯電安定性も良好な電子写真トナーが得られることから、一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)を、(a1)〜(a5)の合計質量に対して、それぞれ0.5〜8質量部、25〜75質量部、20〜75質量部、0.1〜2質量部及び0.4〜8質量部用いて得られるポリエステル樹脂が好ましく、(a1)〜(a5)の合計質量に対して、それぞれ1〜7質量部、30〜70質量部、20〜65質量部、0.1〜2質量部及び0.5〜7質量部用いて得られるポリエステル樹脂がより好ましい。
【0038】
また、本発明で用いるポリエステル樹脂(A)としては、より低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスの観点より、前記一塩基酸(a1)に対し、モノエポキシ化合物(a4)及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)の合計質量の比〔a1/[a4+a5]〕が3/97〜70/30の範囲で用いることが好ましい。
【0039】
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、既知の重縮合反応法により任意に製造される。例えば、エステル化触媒(錫化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等)の存在下やエステル交換触媒(鉛化合物、錫化合物、亜鉛化合物、チタン化合物等)の存在下に、ジカルボン酸メチルエステル等の低級アルキルエステル使用のエステル交換反応、常圧脱水反応、減圧および真空脱水反応、溶液重縮合法、固相重縮合反応等いずれの製造法にて実施してもよい。この時のポリエステル化反応の追跡は、酸価、水酸基価、粘度または軟化点を測定することにより行うことができる。
【0040】
この際使用される装置としては、例えば、窒素導入口、温度計、攪拌装置、精留塔等を備えた反応容器の如き回分式の製造装置が好適に使用できる他、脱気口を備えた押し出し機や連続式の反応装置、混練機等も使用できる。また、上記脱水縮合の際、必要に応じて反応系を減圧することにより、エステル化反応を促進することもできる。
【0041】
特に、低温定着性、耐高温オフセット性と帯電性とのバランスに優れ、後述のゲル分率、粘弾性を有するポリステル樹脂を効率よく得ることができる観点より、原料である一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)を溶解混合した後、ここにエステル化触媒を加えてから昇温して反応させる方法(いわゆる一括仕込法)であることが好ましい。
【0042】
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)を製造する際に、チタン化合物としてリン化合物が共有結合したチタン化合物および/またはリン化合物が配位結合したチタン化合物の存在下で重縮合すると、ポリエステル樹脂(A)が、着色を抑制された透明なポリエステル樹脂となることから好ましい。
【0043】
前記チタン化合物は、リン化合物が共有結合したチタン化合物とリン化合物が配位結合したチタン化合物である。リン化合物が共有結合したチタン化合物としては、例えば、リン化合物のエーテル結合を介してチタン化合物に結合した構造を有するチタン化合物等が挙げられる。リン化合物が配位結合したチタン化合物としては、例えば、リン化合物の非共有電子対を介してチタン化合物に結合した構造等を有するチタン化合物等が挙げられる。そして、このような化合物としては、例えば、ホスフェート系のチタン化合物、ホスファイト系のチタン化合物、ホスホン酸系チタン化合物、亜ホスホン酸系チタン化合物、ホスフィン酸系チタン化合物、亜ホスフィン酸系チタン化合物、ホスフィンオキサイド酸系チタン化合物、ホスフィン系チタン化合物等が挙げられる。
【0044】
前記ホスフェート系のチタン化合物としては、例えば、モノホスフェート系チタン化合物、ビスホスフェート系チタン化合物、トリスホスフェート系チタン化合物等が挙げられる。前記モノホスフェート系チタン化合物としては、例えば、トリイソプロポキシチタン・ジオクチルホスフェート、トリイソプロポキシチタン・ジオクチルピロホスフェート、トリブトキシチタン・ジオクチルホスフェート、トリブトキシチタン・ジオクチルピロホスフェート、トリー2−エチルヘキシルオキシチタン・ジオクチルホスフェート、トリー2−エチルヘキシルオキシチタン・ジオクチルピロホスフェート、トリステアロキシチタン・ジオクチルホスフェート、トリステアロキシチタン・ジオクチルピロホスフェート等が挙げられる。
【0045】
前記ビスホスフェート系チタン化合物としては、例えば、ジイソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフェート、ジイソプロポキシチタン・ビスジオクチルピロホスフェート、ジブトキシチタン・ビスジオクチルホスフェート、ジブトキシチタン・ビスジオクチルピロホスフェート、ジー2−エチルヘキシルオキシチタン・ビスジオクチルホスフェート、ジー2−エチルヘキシルオキシチタン・ビスジオクチルピロホスフェート、ジステアロキシチタン・ビスジオクチルホスフェート、ジステアロキシチタン・ビスジオクチルピロホスフェート、ビスジオクチルホスフェートエチレングリコラトチタン、ビスジオクチルピロホスフェート・エチレングリコラトチタン、チタニウム・ビスジオクチルピロホスフェートオキシアセテート、チタニウム・ビスジオクチルホスフェートオキシアセテート等が挙げられる。
【0046】
前記トリスホスフェート系チタン化合物としては、イソプロポキシチタン・トリスオクチルホスフェート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルピロホスフェート、ブトキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、ブトキシチタン・トリスジオクチルピロホスフェート、2−エチルヘキシルオキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、2−エチルヘキシルオキシチタン・トリスジオクチルピロホスフェート、ステアロキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、ステアロキシチタン・トリスジオクチルピロホスフェート等が挙げられる。
【0047】
前記ホスファイト系のチタン化合物としては、例えば、モノホスファイト系チタン化合物、ビスホスファイト系チタン化合物、トリスホスファイト系チタン化合物等が挙げられる。前記モノホスファイト系チタン化合物としては、例えば、トリイソプロポキシチタン・ジオクチルホスファイト、トリブトキシチタン・ジオクチルホスファイト、トリー2−エチルヘキシルオキシチタン・ジオクチルホスファイト、トリステアロキシチタン・ジオクチルホスファイト等が挙げられる。
【0048】
前記ビスホスファイト系チタン化合物としては、例えば、ジイソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスファイト、ジブトキシチタン・ビスジオクチルホスファイト、ジー2−エチルヘキシルオキシチタン・ビスジオクチルホスファイト、ジステアロキシチタン・ビスジオクチルホスファイト、ビスジオクチルホスファイトエチレングリコラトチタン、チタニウム・ビスジオクチルホスファイトオキシアセテート、テトライソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスファイト等が挙げられる。
【0049】
前記トリスホスファイト系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスオクチルホスファイト、ブトキシチタン・トリスジオクチルホスファイト、2−エチルヘキシルオキシチタン・トリスジオクチルホスファイト、ステアロキシチタン・トリスジオクチルホスファイト、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスファイト等が挙げられる。
【0050】
前記ホスホン酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスホン酸、ビスジオクチルホスホン酸エチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスホン酸等が挙げられる。
【0051】
前記亜ホスホン酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスジオクチル亜ホスホン酸、ビスジオクチル亜ホスホン酸エチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスジオクチル亜ホスホン酸等が挙げられる。
【0052】
前記ホスフィン酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスオクチルホスフィン酸、ビスオクチルホスフィン酸エチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスオクチルホスフィン酸等が挙げられる。
【0053】
前記亜ホスフィン酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスオクチル亜ホスフィン酸、ビスオクチル亜ホスフィン酸エチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスオクチル亜ホスフィン酸等が挙げられる。
【0054】
前記ホスフィンオキサイド酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフィンオキサイド、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフィンオキサイド、ビスジオクチルホスフィンオキサイドエチレングリコラトチタン、ビスジオクチルホスフィンオキサイドエチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフィンオキサイド、イソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0055】
前記ホスフィン酸系チタン化合物としては、例えば、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフィン、イソプロポキシチタン・トリスジオクチル亜ホスフィン、ビスジオクチルホスフィンエチレングリコラトチタン、ビスジオクチルホスフィンエチレングリコラトチタン、イソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフィン、イソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフィン等が挙げられる。
【0056】
前記チタン化合物としては、より着色を抑制し、透明性の高いポリエステル樹脂となり、光沢性に優れた電子写真トナーが得られることからホスフェート系チタン化合物、ホスファイト系チタン化合物を用いて得られたポリエステル樹脂が好ましく、ビスホスフェート系チタン化合物、ビスホスファイト系チタン化合物を用いて得られたポリエステル樹脂がより好ましく、ピロホスフェート系チタン化合物を用いて得られたポリエステル樹脂が更に好ましい。
【0057】
また、本発明で用いるポリエステル樹脂(A)としては、リン化合物が共有結合したチタン化合物および/またはリン化合物が配位結合したチタン化合物として、アルキレンオキサイド鎖を有するチタン化合物を用いて得られるポリエステル樹脂が、光沢性が良好な印刷物が得られる電子写真トナーとなることから好ましい。前記アルキレンオキサイド鎖の中でも炭素原子数2〜22のアルキレンオキサイド鎖が好ましい。
【0058】
前記チタン化合物は、中でも、チタニウム・ビスジオクチルピロホスフェートオキシアセテート、ジイソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフェートがより好ましい。
【0059】
リン化合物が共有結合したチタン化合物および/またはリン化合物が配位結合したチタン化合物の使用量としては、ポリエステル樹脂(A)を構成する原料の合計質量に対して1〜5000ppmとなるように用いるのが、反応効率も良好で、且つ、着色の少ないポリエステル樹脂となることから好ましく、10〜1000ppmとなるように用いるのがより好ましい。
【0060】
本発明で用いるポリエステル樹脂は耐高温オフセットが更に良好である電子写真トナーが得られることから、25℃のテトラヒドロフランに不溶の成分の質量比(ゲル分率)が10〜70質量%の範囲であることが好ましく、特に20〜60質量%の範囲であることが好ましい。
【0061】
又、得られる電子写真トナーの低温定着性と耐高温オフセット性とのバランスの観点より、ポリエステル樹脂(A)の粘弾性測定結果において、250℃におけるtanδ値と100℃におけるtanδ値の差[tanδ250−tanδ100]が1.00以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.60以下である。ここでいうtanδ値は粘弾性測定における[損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’]で求められる。すなわち、下式(1)及び(2)で表される。
・tanδ250=[250℃における損失弾性率G”]/[250℃における貯蔵弾性率G’] (1)
・tanδ100=[100℃における損失弾性率G”]/[100℃における貯蔵弾性率G’] (2)
【0062】
前記貯蔵弾性率と、損失弾性率は、以下に示す方法にて測定した値である。
測定機器:HAAKE RS600
測定条件:歪制御モード
昇温速度4℃/min、周波数1Hz、Strain5%、測定温度80〜250℃
【0063】
更に、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)としては、45〜90℃の範囲であることが好ましく、55〜85℃の範囲であることがより好ましい。また、更に良好な耐高温オフセット性が得られることから、軟化点(T1/2)が90〜210℃のポリエステル樹脂であることが好ましく、100〜180℃のポリエステル樹脂であることがより好ましい。
【0064】
従って、ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃で、且つ、かつ、軟化点(T1/2)が90〜210℃のポリエステル樹脂が好ましく、ガラス転移温度(Tg)が55〜85℃で、且つ、かつ、軟化点(T1/2)が100〜180℃のポリエステル樹脂がより好ましい。
【0065】
前記ガラス転移温度は以下に示す条件で測定した値である。
測定機器:セイコー電子工業株式会社製DSC220C
測定条件:10℃/min,試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、ふたをする。
測定方法:DSC(示唆走査熱量分析)法
【0066】
前記軟化点(T1/2)は以下の条件により測定した。
測定機器:株式会社島津製作所製CFT−500D
測定条件:昇温速度6℃/min、ノズル1.0mmΦ×10mm、荷重10kgf、試料量1.5g
ここで、軟化点(T1/2)とは高化式フローテスター〔株式会社島津製作所製CFT−500D〕においてプランジャー(ピストン)が流出開始から流出終了までの工程において中間点にきたときの温度をいう。
【0067】
本発明の電子写真トナー用樹脂組成物は前記ポリエステル樹脂を含有すれば良いが、必要に応じて、離型剤、着色剤、帯電制御剤等を加えることができる。
【0068】
前記離型剤として、種々のワックス類が挙げられる。例えば、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス等が使用できる。
【0069】
特にヒートローラー定着用途では、トナーのヒートローラー付着汚れ(オフセット)によるトラブル防止を目的として、離型剤を使用することができる。そのような離型剤として、種々のワックス類が挙げられる。例えば、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックス;ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス等が使用できる。好適なワックス類としては、例えば、合成ポリプロピレンワックスであるビスコール660P、ビスコール550P[三洋化成工業株式会社製]等がある。
【0070】
本発明の電子写真用トナー用樹脂組成物中の離型剤の質量割合は特に制限されないが、通常トナー用樹脂組成物100質量部当たり、離型剤0.3〜15質量部、好ましくは1〜5質量部である。
【0071】
前記着色剤としては、非磁性の種々の有機顔料、無機顔料があり、例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、ランプブラック、ローズベンガラ、キナクリドンレッド、ウオッチングレッド等を挙げることができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0072】
本発明の電子写真用トナー用樹脂組成物中の着色剤との質量割合は特に制限されないが、通常トナー用樹脂組成物100質量部当たり、着色剤1〜60質量部、好ましくは3〜30質量部である。
【0073】
前記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチルエタン系染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料等の重金属含有酸性染料等の電荷制御剤を挙げることができ、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0074】
本発明の電子写真用トナー用樹脂組成物中の帯電制御剤との質量割合は特に制限されるものではないが、好ましくはトナー用樹脂組成物100質量部当たり、帯電制御剤0.5〜3質量部が望ましい。
【0075】
又、本発明の電子写真用トナー用樹脂組成物には本発明の効果を失わない範囲で、種々の樹脂、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、エポキシ樹脂、前記以外のポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等を適量配合することができる。その配合量は該ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜30質量部程度である。
【0076】
本発明の電子写真用トナー用樹脂組成物を用いて得られる電子写真用トナーは、任意の製造方法に依って得ることができる。例えば、前記ポリエステル樹脂と着色剤とをポリエステル樹脂の融点以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることができる。勿論、これ以外の方法で製造してもよい。
【0077】
本発明の電子写真用トナーを得るに当たっては、その製造の任意の工程において、更に、流動性向上剤等の各種助剤を加えることができる。流動性向上剤は、電子写真トナーの表面に付着させるのが有効である。
【0078】
本発明で得られるトナー粉体は、このままでもトナーとして使用することができるが、シリカを外添することにより、より粉体流動性を向上させることができ実用上好適である。
【0079】
シリカとしては、比較的大きい平均粒子径を有するものと、比較的小さい平均粒子径を有するものがあり、これらは単独で用いても併用してもよい。シリカの外添量としては、帯電量が必要充分となり、感光体ドラムを傷つけたり、トナーの環境特性の悪化を招いたりすること等がないことから、トナー粒子100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が実用上好適である。
【0080】
本発明の電子写真トナーは帯電安定性に優れる。例えば、本発明の電子写真トナーは、帯電量が−30μC/g〜−70μC/gのものである。
【0081】
本発明では帯電量の測定は下記の条件に従って行った。
測定機器:トレックジャパン株式会社製 210HS−2A ブローオフ帯電量測定機器
測定条件:25℃/RH60%
測定方法:樹脂1.5gとフェライトキャリアMF−100(日本鉄粉社製)48.5gの混合物を50mlのポリ容器にて1分間、10分間、30分間、60分間ミキサーにて混合し帯電量測定機器によって測定した。
【実施例】
【0082】
以下に、合成例、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。例中「部」、「%」は特にことわりがない限り質量基準である。
【0083】
合成例1〔ポリエステル樹脂(A−1)の合成〕
エチレングリコール512g、ネオペンチルグリコール809g、ネオデカン酸グリシジルエステル(一分子あたりのエポキシ基の平均の数:1)4g、およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(一分子あたりのエポキシ基の平均の数:7.6)60gを5リットルの4つ口フラスコに入れ、加熱溶解させた後、テレフタル酸2478g、アジピン酸:77g、およびパラターシャルブチル安息香酸60gを加え、ジイソプロポキシチタン・ビスジオクチルホスフェート2gを投入し窒素気流下にて徐々に昇温させ250℃で7時間反応させて、系内がクリアであることを確認した後、更に減圧下、5時間反応させ、酸価:10、軟化点(T1/2):149℃、ガラス転移点:58℃、ゲル分率:41%のポリエステル樹脂(A−1)を得た。なお、酸価は滴定法、ガラス転移点(Tg)、軟化点(T1/2)および粘弾性値は本文記載の方法で測定した。
【0084】
合成例2〜3〔同上〕
合成例1で用いた原料を第1表の原料および仕込み量にした以外は合成例1と同様にしてポリエステル樹脂(A2〜A3)を得た。
【0085】
合成例4〜8〔比較対照用ポリエステル樹脂(A’)の合成〕
合成例1で用いた原料を第1表の原料および仕込み量にした以外は合成例1と同様にして比較対照用ポリエステル樹脂(A’1〜A’5)を得た。
【0086】
【表1】
【0087】
実施例1
ポリエステル樹脂(A−1)90部、カーボンブラックMA−11(三菱化学製)5部、ボントロンS34(オリエント化学製 帯電制御剤)1部及びカルナウバワックス4部をヘンシェルミキサ−で混合し、本発明の電子写真トナー用ポリステル樹脂組成物を得た後、2軸混練機で混練し、混練物を得た。このようにして得られた混練物をAFG100/ATP50(ホソカワミクロン社製 ジェットミル兼分級機)で微粉砕、分級した。分級後のトナーにシリカR972(日本アエロジル製)1部をヘンシェルミキサーで混合後、篩かけをして混合物を得た。得られた混合物5部とキャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア)95部を混合攪拌して電子写真用トナー(1)を調製した。電子写真用トナー(1)について、下記評価方法に従って評価した。評価結果を表に示す。
【0088】
実施例2、3及び比較例1〜5
ポリエステル樹脂(A−1)の代わりに、合成例2〜8で得られたポリエステル樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3、比較例1〜5の電子写真トナーを調製し、各項目について評価した。結果を表2に示す。
【0089】
<低温定着性の評価>
熱ロールの設定温度を5℃きざみに120℃から140℃まで変化させ、ベタ印刷を行った。ベタ印刷部分に堅牢度試験を行い試験前後の画像濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定し、その試験前の値に対する剥離後の濃度値の比率を%で表示した場合に、その値が80%以上となる温度を定着開始温度とした。この温度が低いほど低温定着性の良好な電子写真用トナーである。低温定着性の評価基準は下記の通りとした。尚、堅牢度試験は学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g、擦り操作:5ストローク)を用いて行った。
◎;定着開始温度が120℃未満の場合
○;定着開始温度が120℃以上、125℃未満の場合
△;定着開始温度が125℃以上、130℃未満の場合
×;定着開始温度が130℃以上の場合
【0090】
<耐高温オフセット性の評価方法>
熱ロールの設定温度を5℃きざみに160℃から210℃まで変化させたときに、ベタ印刷部分が再び同じ用紙にオフセットし、目視で確認できる最低の温度で表示した。この温度が高いほど耐オフセット性が良好であることを示す。
◎;オフセット開始温度が230℃以上の場合
○;オフセット開始温度が215℃以上、230℃未満の場合
△;オフセット開始温度が190℃以上、215℃未満の場合
×;オフセット開始温度が190℃未満の場合
ただし、高温でオフセットしない場合でも、樹脂自体がワックスとして作用し印刷媒体への定着性が悪いものは×の評価とした。
【0091】
尚、定着開始温度、耐オフセット性の評価は、次のようなヒートローラー定着機条件で行った。
ロール材質:上;ポリテトラフルオロエチレン、下;シリコーン
上ロール荷重:7Kg/350mm
ニップ幅:4mm
紙通し速度:90mm/sec
【0092】
<帯電量及び帯電安定性の評価>
トレックジャパン株式会社製210HS−2Aブローオフ帯電量測定機器を用い、AFG100/ATP50(ホソカワミクロン社製 ジェットミル兼分級機)で微粉砕、分級したポリエステル樹脂1.5gとフェライトキャリアMF−100(日本鉄粉社製)48.5gの混合物を50mlのポリ容器にて1分間、10分間、30分間、60分間ターブラシェイカーミキサーにて混合し帯電量測定機器によって測定した。それらの平均値をとったものを帯電量とした。また、前記10分間、30分間及び60分間ターブラシェイカーミキサーにて混合し帯電量測定機器によって測定した帯電量において、最大帯電量と最小帯電量の差を求め、この値を帯電安定性の評価とした。この値が小さいほど帯電安定性に優れることを表す。
帯電量の評価基準
◎:−50μC/g以上
○:−45μC/g以上、−50μC/g未満
△:−40μC/g以上、−45μC/g未満
×:−35μC/g以上、−40μC/g未満
××:−35μC/g未満
【0093】
帯電安定性の評価基準
◎:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g未満
○:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g以上、−6μC/g未満
△:最大帯電量と最小帯電量の差が−6μC/g以上、−9μC/g未満
×:最大帯電量と最小帯電量の差が−9μC/g以上
【0094】
【表2】
帯電量、帯電安定性、低温定着性並びに耐オフセット性に優れる電子写真トナーを得ることができるポリエステル樹脂組成物、及びこれを含有する電子写真トナーを提供する。具体的には、一塩基酸(a1)、多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)、モノエポキシ化合物(a4)、及び4個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(a5)と、を反応して得られるポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とする電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物、該電子写真トナー用ポリエステル樹脂組成物を含有する電子写真トナーを提供する。