【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の部はいずれも質量部を意味する。
【0056】
下記実施例に示した重量平均分子量(Mw)はポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した値である。以下に測定条件を示す。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL (試料濃度:0.5wt%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
【0057】
実施例及び比較例において使用した化合物の構造を以下に示す。
(1)ジフェニルシランジオール(DPS)
【化7】
(2)1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオール(TDS)
【化8】
(3)トリメトキシビニルシラン(TVS)
【化9】
(4)トリメトキシメチルシラン(TMS)
【化10】
(5)3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GTS)
【化11】
【0058】
[調製例1]
触媒の調製
Ba(OH)
2・8H
2O 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを得た。
【0059】
[調製例2]
触媒の調製
Ba(OH)
2・8H
2O 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシメチルシラン:TMS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TMS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを得た。
【0060】
[実施例1]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例1で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0061】
[実施例2]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、トリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、およびキシレン(20wt%となる量)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例1で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0062】
[実施例3]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、トリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、およびメタノール(5wt%となる量)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例1で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0063】
[実施例4]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、トリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、および水(3wt%となる量)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例1で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0064】
[実施例5]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例2で得た、シランカップリング剤(TMS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0065】
[比較例1]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・8H
2O 0.02molにした他は実施例1と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0066】
[比較例2]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・8H
2O 0.04molにした他は実施例1と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0067】
上記実施例1〜5、比較例1及び2について、以下の方法に従い、反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表1に示す。
【0068】
[反応速度の評価]
反応中、反応液の様子を観察し、反応液が白濁から透明になるまでの時間、即ち、固体粉末状であるDPSモノマーが全て反応するまでの時間を目視により記録した。その後さらに熟成し、反応1時間後と反応4時間後に生成した縮合物(ポリマー)のサンプリングを行い、GPCにより重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0069】
[残留触媒量の測定]
各反応終了後、脱溶媒を行い、続いて0.45μm孔径の濾紙を用いて濾過することで触媒を除去した。生成したポリオルガノシロキサンを同量のキシレンに溶解し、試料溶液を調製した後、試料溶液の10倍質量のイオン交換水を加えて浸盪することで、該試料溶液中に残留している触媒を水で抽出した。該抽出水を用い、原子吸光法によりポリオルガノシロキサン中の残留触媒量を測定した。
【0070】
【表1】
【0071】
[調製例3]
触媒の調製
Ba(OH)
2・H
2O 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・H
2Oを得た。
【0072】
[実施例6]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例3で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・H
2Oを、Ba(OH)
2・H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0073】
[比較例3]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・H
2O 0.02molにした他は実施例6と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0074】
[比較例4]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・H
2O 0.05molにした他は実施例6と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0075】
実施例6、比較例3、及び比較例4について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
[調製例4]
触媒の調製
Ba(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2を得た。
【0078】
[実施例7]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例4で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2を、Ba(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0079】
[比較例5]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2 0.02molにした他は実施例7と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0080】
実施例7及び比較例5について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
[調製例5]
触媒の調製
BaO 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBaOを得た。
【0083】
[実施例8]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例5で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBaOを、BaOの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0084】
[比較例6]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBaO 0.02molにした他は実施例8と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0085】
実施例8及び比較例6について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
[調製例6]
触媒の調製
Ca(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したCa(OH)
2を得た。
【0088】
[調製例7]
Ca(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシメチルシラン:TMS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TMS)で表面処理したCa(OH)
2を得た。
【0089】
[実施例9]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、およびメタノール(5wt%となる量)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例6で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したCa(OH)
2を、Ca(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0090】
[実施例10]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、およびメタノール(5wt%となる量)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例7で得た、シランカップリング剤(TMS)で表面処理したCa(OH)
2を、Ca(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0091】
[比較例7]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないCa(OH)
2 0.02molにした他は、実施例9及び10と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0092】
実施例9、実施例10及び比較例7について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】
[調製例8]
触媒の調製
Sr(OH)
2・8H
2O 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したSr(OH)
2・8H
2Oを得た。
【0095】
[実施例11]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例8で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したSr(OH)
2・8H
2Oを、Sr(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0096】
[比較例8]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2・8H
2O 0.02molにした他は実施例11と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0097】
[比較例9]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2・8H
2O 0.05molにした他は、実施例11と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0098】
実施例11、比較例8及び比較例9について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表6に示す。
【0099】
【表6】
【0100】
[調製例9]
触媒の調製
Sr(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(トリメトキシビニルシラン:TVS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したSr(OH)
2を得た。
【0101】
[実施例12]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)、及びトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例9で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したSr(OH)
2を、Sr(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0102】
[比較例10]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2 0.02molにした他は実施例12と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0103】
[比較例11]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2 0.06molにした他は実施例12と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0104】
実施例12、比較例10及び比較例11について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表7に示す。
【0105】
【表7】
【0106】
[調製例10]
触媒の調製
Ba(OH)
2・8H
2O 100質量部にシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン:GTS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを得た。
【0107】
[実施例13]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)と3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GTS)(189.07g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例10で得た、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0108】
[比較例12]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・8H
2O 0.02molにした他は実施例13と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0109】
実施例13及び比較例12について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表8に示す。
【0110】
【表8】
【0111】
[調製例11]
触媒の調製
Ba(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン:GTS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したBa(OH)
2を得た。
【0112】
[実施例14]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)と3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GTS)(189.07g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例11で得た、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したBa(OH)
2を、Ba(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0113】
[比較例13]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2 0.02molにした他は実施例14と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0114】
[比較例14]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2 0.06molにした他は実施例14と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0115】
実施例14、比較例13及び比較例14について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表9に示す。
【0116】
【表9】
【0117】
[調製例12]
触媒の調製
Sr(OH)
2・8H
2O 100質量部にシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン:GTS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したSr(OH)
2・8H
2Oを得た。
【0118】
[実施例15]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)と3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GTS)(189.07g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例12で得た、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したSr(OH)
2・8H
2Oを、Sr(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0119】
[比較例15]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2・8H
2O 0.02molにした他は実施例15と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0120】
実施例15及び比較例15について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表10に示す。
【0121】
【表10】
【0122】
[調製例13]
触媒の調製
Sr(OH)
2 100質量部にシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン:GTS)0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーによって良く攪拌混合した後、室温にて24時間風乾を行い、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したSr(OH)
2を得た。
【0123】
[実施例16]
ジフェニルシランジオール(DPS)(259.57g、1.2mol)と3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GTS)(189.07g、0.8mol)を混合し、攪拌しながら80℃で10分加熱した。その後、調製例13で得た、シランカップリング剤(GTS)で表面処理したSr(OH)
2を、Sr(OH)
2の量として0.02mol加え、80℃でメタノールを除去しながら4時間反応を行った。
【0124】
[比較例16]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2 0.02molにした他は実施例16と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0125】
実施例16及び比較例16について、上記と同じ方法で反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表11に示す。
【0126】
【表11】
【0127】
[実施例17]
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオール(TDS)(199.60g、1.2mol)、トリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)、およびキシレン(79.55g、20wt%となる量)を混合し、攪拌しながら40℃で10分加熱した。その後、調製例1で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2・8H
2Oを、Ba(OH)
2・8H
2Oの量として0.02mol加え、40℃で1時間反応を行った。
【0128】
[実施例18]
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオール(TDS)(199.60g、1.2mol)とトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)およびキシレン(79.55g、20wt%)を混合し、攪拌しながら40℃で10分加熱した。その後、調製例4で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したBa(OH)
2を、Ba(OH)
2の量として0.02mol加え、40℃で1時間反応を行った。
【0129】
[実施例19]
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオール(TDS)(199.60g、1.2mol)とトリメトキシビニルシラン(TVS)(118.59g、0.8mol)およびキシレン(79.55g、20wt%)を混合し、攪拌しながら40℃で10分加熱した。その後、調製例9で得た、シランカップリング剤(TVS)で表面処理したSr(OH)
2を、Sr(OH)
2の量として0.02mol加え、40℃で1時間反応を行った。
【0130】
[比較例17]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2・8H
2O 0.02molにした他は実施例17と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0131】
[比較例18]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2 0.02molにした他は実施例18と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0132】
[比較例19]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないBa(OH)
2 0.05molにした他は実施例18と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0133】
[比較例20]
触媒をシランカップリング剤で表面処理していないSr(OH)
2 0.02molにした他は実施例19と同じ組成及び方法にて反応を行った。
【0134】
上記実施例17〜19及び比較例17〜20について、以下の方法に従い、反応速度の評価及び残留触媒量の測定を行った。結果を表12〜14に示す。
【0135】
[反応速度の評価]
反応中、反応液の様子を観察し、反応液が白濁から透明になるまでの時間、即ち、固体粉末状であるTDSモノマーが全て反応するまでの時間を目視により記録した。その後さらに熟成し、反応20分後と反応1時間後に生成した縮合物(ポリマー)のサンプリングを行い、GPCにより重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0136】
[残留触媒量の測定]
各反応終了後、脱溶媒を行い、続いて0.45μm孔径の濾紙を用いて濾過することで触媒を除去した。生成したポリオルガノシロキサンを同量のキシレンに溶解し、試料溶液を調製した後、試料溶液の10倍質量のイオン交換水を加えて浸盪することで、該試料溶液中に残留している触媒を水で抽出した。該抽出水を用い、原子吸光法によりポリオルガノシロキサン中の残留触媒量を測定した。
【0137】
【表12】
【0138】
【表13】
【0139】
【表14】
【0140】
表1〜14に示される通り、表面処理していない第2族元素の化合物を使用する従来公知の方法では、反応速度が遅い(比較例1、比較例3、比較例5〜8、比較例10、比較例12〜13、比較例15〜18、及び比較例20)。また、表面処理していない第2族元素の化合物を使用する方法において、反応速度を上げるために触媒量を増やすと、生成物中の残留触媒量が増加するため好ましくない(比較例2、比較例4、比較例9、比較例11、比較例14、及び比較例19)。これに対し、シランカップリング剤により表面処理した第2族元素の化合物を触媒とする本発明の製造方法は、生成物中の残留触媒量を増加することなく、反応速度を速くすることができる(実施例1〜19)。