【文献】
松川泰三 他,化学療法剤の研究(第29報) 数種の化合物の結核菌に対する作用 その2,薬学雑誌,1952年,Vol.72,p.884-888
【文献】
奥田高千代 他,アルキル化剤としてのMannich塩基に就いて(第3報) 2-Acetamidothiazole類のMannich反応,薬学雑誌,1957年,Vol.77,p.445-447
【文献】
日本農芸化学会大会講演要旨集,2009年 3月 5日,Vol.2009,第159頁 2P1270B及び2P1271A
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0074】
以下、実施例及び参考例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0075】
実施例1
【0076】
【化24】
N−[(5−オキソヘキサン−1−イル)オキシ]フタルイミド(1.0g,3.83mmol)のTHF(15mL)溶液に臭化銅(II)(1.71g,7.66mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応液をセライト濾過により固体を瀘別し、濾液の溶媒を減圧留去して油状物を得た。得られた油状物をDMF(20mL)に溶解し、3,4−ジメトキシベンゾイルチオウレア(0.92g,3.83mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物に1M塩酸(30mL)と酢酸エチル(30mL)を加え固体を析出させた。固体を瀘別し、酢酸エチルとエーテルによって充分洗浄し、灰色固体の3,4−ジメトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミド(0.57g,31%)を得た。
m.p.211℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.10(m,2H),2.51(s,3H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),3.97(s,3H),4.04(s,3H),4.26(t,J=7.5Hz,2H),7.02(d,J=7.5Hz,1H),7.76から7.88(m,5H),7.99(dd,J=2.5Hz and 7.5Hz,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0077】
実施例2
実施例1と同様にして、3−フルオロ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドを合成した。
灰色固体、46%;m.p.135から137℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.04(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.15(s,3H),2.35(d,J
HF=1.8Hz,3H),2.99(t,J=7.5Hz,2H),4.22(t,J=7.5Hz,2H),7.28(dd,J=7.5 and 10Hz,1H).7.73から7.88(m,6H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0078】
実施例3
実施例1と同様にして、2−クロロ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
白色固体、39%;m.p.175から178℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.19(s,3H),2.97(t,J=7.5Hz,2H),4.24(t,J=7.5Hz,2H),7.32から7.49(m,3H),7.73から7.87(m,5H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0079】
実施例4
実施例1と同様にして、3−クロロ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
淡黄色固体、53%;m.p.147から155℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.15(s,3H),2.99(t,J=7.5Hz,2H),4.24(t,J=7.5Hz,2H),7.38(dd,J=7.5 and 7.5Hz,1H),7.50から7.55(d,J=7.5Hz,1H),7.72から7.99(m,6H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0080】
実施例5
実施例1と同様にして、N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]−4−ヨードベンズアミドを合成した。
淡黄色固体,29%;m.p.192から200℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.18(s,3H),2.99(t,J=7.5Hz,2H),4.23(t,J=7.5Hz,2H),7.60(d,J=7.5Hz,2H),7.74から7.77(d,J=7.5Hz,2H),7.82から7.87(m,4H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0081】
実施例6
実施例1と同様にして、N−[4−メチル−5−{7−(フタルイミドオキシ)ヘプチル}チアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドを合成した。
黄色固体、58%;m.p.95から99℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.35から1.44(m,4H),1.44から1.57(m,2H),1.57から1.70(m,2H),1.74から1.84(m,2H),2.08(s,3H),2.42(s,3H),2.65(t,J=7.5Hz,2H),4.17(t,J=7.5Hz,2H),7.26(d,J=7.5Hz,2H),7.72から7.85(m,6H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0082】
実施例7
実施例1と同様にして、4−シクロプロピル−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
茶色固体;m.p.181から182℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 0.78から0.85(m,2H),1.07から1.14(m,2H),1.94から2.01(m,1H),2.05から2.15(m,2H),2.51(s,3H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),4.26(t,J=5.0Hz,2H),7.23(d,J=7.5Hz,2H),7.74から7.88(m,4H),8.19(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0083】
実施例8
実施例1と同様にして、4−エトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.151から154℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.46(t,3H),2.10(m,2H),2.51(s,3H),3.12(t,J=7.5Hz,2H),4.13(q,J=7.5Hz,2H),4.26(t,J=7.5Hz,2H),7.03(d,J=7.5Hz,2H),7.76から7.88(m,4H),8.27(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0084】
実施例9
実施例1と同様にして、3−エトキシ−4−メトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.81から88℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.48(t,J=7.5Hz,3H),2.06から2.17(m,2H),2.21(s,3H),3.02(t,J=7.5Hz,2H),3.94(s,3H),4.13(q,J=7.5Hz,2H),4.26(t,J=7.5Hz,2H),6.92(d,1H),7.44から7.50(m,2H),7.73から7.87(m,4H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0085】
実施例10
実施例1と同様にして、4−メチル−3−メトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.125℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03から2.18(m,2H),2.18(s,3H),2.27(s,3H),3.02(t,J=7.5Hz,2H),3.86(s,3H),4.26(t,J=7.5Hz,2H),7.22(d,J=7.5Hz,1H),7.39(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H),7.48(s,1H),7.73から7.87(m,4H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0086】
実施例11
実施例1と同様にして、N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ナフタレン−1−カルボキサミドを合成した。
黄色固体、6.3%;m.p.150から152℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.83(s,3H),2.01(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.93(t,J=7.5Hz,2H),4.23(t,J=7.5Hz,2H),7.43から7.62(m,3H),7.73から7.81(m,3H),7.83から7.91(m,3H),8.00(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H),8.44(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0087】
実施例12
実施例1と同様にして、N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]チオフェン−2−カルボキサミドを合成した。
灰色固体、42%;m.p.153から155℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.53(s,3H),3.11(t,J=7.5Hz,2H),4.24(t,J=7.5Hz,2H),7.23(d,J=4.8Hz,1H),7.75から7.80(m,3H),7.83から7.89(m,2H),8.49(d,J=7.5Hz,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0088】
実施例13
実施例1と同様にして、N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]フラン−2−カルボキサミドを合成した。
灰色固体、31%;m.p.220から223℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.03(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.53(s,3H),3.11(t,J=7.5Hz,2H),4.24(t,J=7.5Hz,2H),6.62から6.67(m,1H),7.73から7.80(m,4H),7.83から7.89(m,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0089】
実施例14
【0090】
【化25】
3,4−ジメトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミド(0.47g,0.98mmol)のアセトニトリル(7.8mL)と水(0.8mL)の混合溶液に、ヘキサカルボニルモリブデン(0.26g,0.98mmol)とトリエチルアミン(2.05mL,14.7mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1M塩酸(100mL)を加え酢酸エチル(100mL)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(300mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製することで、白色固体のN−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−3,4−ジメトキシ−ベンズアミド(0.21g,63%)を得た。
白色固体;m.p.131℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.84から1.94(m,2H),2.04(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz, 2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),3.86(s,3H),3.94(s,3H),6.90(dd,J=2.5Hz and 7.5Hz,1H),7.50から7.53(m,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0091】
実施例15
実施例14と同様にして、3−フルオロ−N−{5−(3−ヒドロキシフタルイミドプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチルベンズアミドを合成した。
白色固体、59%;m.p.142から150℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.83(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.09(s,3H),2.32(d,J
HF=1.8Hz,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.22(dd,J=10 and 10Hz,1H),7.57から7.61(m,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0092】
実施例16
実施例14と同様にして、2−クロロ−N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
黄色粘張性、46%;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.82(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.04(s,3H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),3.68(t,J=7.5Hz,2H),7.34から7.47(m,3H),7.78(dd,J=1.8 and 7.5Hz,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0093】
実施例17
実施例14と同様にして、3−クロロ−N−{5−(3−ヒドロキシフタルイミドプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体、54%;m.p.114から117℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.81(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.10(s,3H),2.79(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.39(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H),7.47(ddd,J=1.8, 1.8 and 8.0Hz,1H),7.82(ddd,J=1.8, 1.8 and 8.0Hz,1H),7.93(dd,J=1.8 and 1.8Hz,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0094】
実施例18
実施例14と同様にして、N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−ヨードベンズアミドを合成した。
黄色粘稠性、55%;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.86(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.03(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.62(d,J=7.5Hz,2H),7.79(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0095】
実施例19
実施例14と同様にして、4−シクロプロピル−N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.118℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 0.74から0.81(m,2H),1.03から1.11(m,2H),1.84から1.97(m,3H),2.11(s,3H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),7.15(d,J=7.5Hz,2H),7.79(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0096】
実施例20
実施例14と同様にして、N−{5−(7−ヒドロキシヘプチル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチルベンズアミドを合成した。
白色固体、32%;m.p.135から145℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.00から1.39(m,6H),1.50から1.67(m,4H),2.19(s,3H),2.42(s,3H),2.65(t,J=7.5Hz,2H),3.62(t,J=7.5Hz,2H),7.29(d,J=7.5Hz,2H),7.86(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0097】
実施例21
実施例14と同様にして、N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−3−メトキシ−4−メチルベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.124から127℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.82から1.92(m,5H),2.25(s,3H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),3.70(t,J=7.5Hz,2H),3.77(s,3H),7.16(d,J=7.5Hz,1H),7.39(d,J=7.5Hz,1H),7.40(s,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0098】
実施例22
実施例14と同様にして、4−エトキシ−N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.149から153℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.44(t,J=7.5Hz,3H),1.83から1.94(m,2H),2.06(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),4.09(q,J=7.5Hz,2H),6.93(d,J=10.0Hz,2H),7.88(d,J=10.0Hz,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0099】
実施例23
実施例14と同様にして、3−エトキシ−N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メトキシベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.143から144℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.45(t,J=7.0Hz,3H),1.83から1.94(m,2H),1.98(s,3H),2.79(t,J=7.5Hz,2H),3.70(t,J=6.25Hz,2H),3.93(s,3H),4.03(q,J=7.0Hz,2H),6.89(d,J=7.5Hz,1H),7.48(s,1H),7.50(d,J=7.5Hz,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0100】
実施例24
実施例14と同様にして、N−{5−(3−ヒドロキシフタルイミドプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ナフタレン−2−カルボキサミドを合成した。
黄色粘張性、62%;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.74(s,3H),1.81(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.71(t,J=7.5Hz,2H),3.67(t,J=7.5Hz,2H),7.43から7.61(m,3H),7.74(dd,J=1.0 and 7.0Hz,1H),7.86から7.91(m,1H),7.99(dd,J=1.0 and 7.0Hz,1H),8.44から8.49(m,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0101】
実施例25
実施例14と同様にして、N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}チオフェン−2−カルボキサミドを合成した。
黄色粘稠性、21%;m.p.142から150℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.83(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.20(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.10から7.14(m,1H),7.57から7.62(m,1H),7.73から7.75(m,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0102】
実施例26
実施例14と同様にして、N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}フラン−2−カルボキサミドを合成した。
黄色粘稠性、13%;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.83(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.26(s,3H),2.79(t,J=7.5Hz,2H),3.68(t,J=7.5Hz,2H),6.57から6.59(m,1H),7.38(dd,J=1.0 and 3.3Hz,1H),7.55から7.60(m,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0103】
実施例27 N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチル−N−メチルベンズアミドの合成
【0104】
【化26】
N−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチル−N−メチルベンズアミド(300mg,1.03mmol)のDMF(5mL)溶液に、ヨウ化メチル(176mg,1.24mmol)と炭酸カリウム(171mg,1.24mmol)を加え、室温で12時間反応させた。反応終了後、反応混合物に1M塩酸(20mL)を加え酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(30mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製することで、白色固体のN−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチル−N−メチルベンズアミド(46mg,15%)を得た。
白色固体;m.p.164から166℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.77から1.88(m,2H),2.18(s,3H),2.39(s,3H),2.70(t,J=7.5Hz,2H),3.65(t,J=7.5Hz,2H),3.74(s,3H),7.22(d,J=7.5Hz,2H),8.20(d,J=7.5Hz,2H)。ヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0105】
実施例28
実施例14と同様にして、N−{5−(3−アセトキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}−4−メチルベンズアミドを合成した。
茶褐色油状:
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.90から2.01(m,2H),2.04(s,3H),2.07(s,3H),2.42(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),4.09(t,J=7.5Hz,2H),7.28(d,J=7.5Hz,2H),7.81(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0106】
実施例29 2,4−ジフルオロ−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミドの合成
【0107】
【化27】
[5−{3−(アセトキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]−2,4−ジフルオロベンズアミド(512mg,1.44mmol)のエタノール(5mL)溶液に、炭酸カリウム(597mg,4.32mmol)を加え、30分加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1M塩酸(20mL)を加え酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(30mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製することで、黄色固体の2,4−ジフルオロ−{5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル}ベンズアミド(94mg,21%)を得た。
黄色油状;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.84から1.93(m,2H),2.25(s,3H),2.83(t,J=7.5Hz,2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),6.91から7.10(m,2H),8.12から8.22(m,1H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0108】
実施例30
実施例14と同様にして、O−エチル−S−3−[2−(4−ヨードベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートを合成した。
黄色粘稠性、35%;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.39(t,J=7.5Hz,3H),1.98(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.20(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),4.61(q,J=7.5Hz,2H),7.67(d,J=8.8Hz,2H),7.85(d,J=8.8Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0109】
実施例31
実施例14と同様にして、O−エチル−S−3−[2−(4−ブロモベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートを合成した。
黄色固体、53%;m.p.76から80℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.39(t,J=7.5Hz,3H),1.98(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.02(s,3H),2.79(t,J=7.5Hz,2H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),4.61(q,J=7.5Hz,2H),7.59(d,J=7.5Hz,2H),7.74(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0110】
実施例32
実施例14と同様にして、O−エチル−S−3−[2−(2,4−ジフルオロベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートを合成した。
褐色油状物;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):1.42(t,J=7.5Hz,3H),1.99から2.10(m,2H),2.28(s,3H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),3.17(t,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),6.92から7.00(m,1H),7.01から7.12(m,1H),8.19から8.29(m,1H),9.69(br s,1H)。
【0111】
実施例33
実施例14と同様にして、O−エチル−S−3−[2−(4−エトキシベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートを合成した。
褐色油状物;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.39から1.48(m,6H),1.98から2.09(m,2H),2.16(s,3H),2.82(t,J=7.5Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),4.10(q,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),6.96(d,J=7.5Hz,2H),7.90(d,J=7.5Hz,2H)。
【0112】
実施例34
実施例14と同様にして、O−エチル−S−3−[2−(3−エトキシ−4−メトキシベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートを合成した。
褐色粘稠性;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.42から1.51(m,6H),2.01から2.12(m,2H),2.12(s,3H),2.82(t,J=7.5Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),3.94(s,3H),4.11(q,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),6.91(d,J=7.5Hz,1H),7.47(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H),7.49(d,J=2.5Hz,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0113】
実施例35 O−エチル−S−3−[2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートの合成
【0114】
【化28】
O−エチル−S−3−(2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)プロピルジチオカーボネート(0.70g,2.53mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に氷冷下4−クロロベンゾイルクロリド(0.42mL,3.29 mmol)を滴下した。次いでトリエチルアミン(0.5mL,7.98mmol)のクロロホルム(5mL)溶液を加え、一晩反応させた。反応終了後、反応混合物を1M塩酸(20mL)で2回洗浄し、飽和食塩水(20mL)で2回洗浄して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製し、O−エチル−S−3−[2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートの白色固体(0.329g,31%)を得た。
白色固体;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.42(t,J=7.5Hz,3H),1.99から2.05(m,5H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),7.43(d,J=7.5Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),11.18(br s,1H)。
【0115】
実施例36 O−エチル−S−3−[2−(4−メチルベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネートの合成
【0116】
【化29】
O−エチル−S−5−オキシヘキシルチオカーボネート(2.0g,9.08mmol)のTHF(20mL)溶液に臭化銅(II)(3.85g,17.3mmol)を加え1時間加熱還流したところ白色の沈澱物が生成した。沈澱物をろ過し、ろ液をエバポレーターで減圧濃縮し、黄色の油状物を得た。この油状物にエタノール(50mL)とN−4−メチルベンゾイルチオウレア(1.76g,9.08mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応終了後、沈澱物をろ過し、クロロホルム(20mL)とエタノール(20mL)の混合溶媒で洗浄した。ろ液を合わせて減圧留去し、得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製し、褐色油状のO−エチル−S−3−[2−(4−メチルベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルチオカーボネート(0.436g,12%)を得た。
褐色油状物;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):1.42(t,J=7.5Hz,3H),2.01から2.09(m,5H),2.42(s,3H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),3.16(t,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),7.26(d,J=7.5Hz,2H),7.79(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0117】
実施例37 S−3−(2−アミノ−4−メチルチアゾール5−イル)−O−エチルプロピルジチオカーボネートの合成
【0118】
【化30】
O−エチル−S−5−オキシヘキシルチオカーボネート(4.0g,18.2mmol)のTHF(40mL)溶液に臭化銅(II)(7.70g,34.6mmol)を加え1.5時間加熱還流したところ白色の沈澱物が生成した。沈澱物をろ過し、ろ液をエバポレーターで減圧濃縮し、黄色の油状物を得た。この油状物にエタノール(40mL)とチオウレア(1.38g,18.2mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し,反応混合物に1M塩酸(30mL)を加え酢酸エチル(50mL)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(30mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製し、得られた白色固体を少量の酢酸エチル/エタノールの混合溶媒で洗浄することによって、白色固体のO−エチル−S−3−(2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)プロピルジチオカーボネート(1.56g,31%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.43(t,J=7.5Hz,3H),1.82から2.02(m,2H),2.24(s,3H),2.68(t,J=7.5Hz,2H),3.15(t,J=7.5Hz,2H),4.65(q,J=7.5Hz,2H),8.65(br s,2H)。
【0119】
実施例38 4−クロロ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの合成
【0120】
【化31】
O−エチル−S−3−[2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネート(0.08g,0.241mmol)のエタノール(1mL)溶液に28%アンモニア水(0.8mL)を加え常温で一晩反応させた。反応終了後、4M塩酸(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製し、4−クロロ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの白色固体(0.043g,55%)を得た。
白色固体;m.p.180から183℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):1.99から2.05(m,5H),2.70(t,J=7.5Hz,2H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),7.41(d,J=7.5Hz,2H),7.82(d,J=7.5Hz,2H),10.8(br s,1H)。メルカプト基のプロトンは帰属できなかった。
【0121】
実施例39
実施例38と同様にして、2,4−ジフルオロ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
褐色固体;m.p.151から155℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.98から2.14(m,2H),2.26(s,3H),2.72(t,J=7.5Hz,2H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),6.91から7.00(m,1H),7.03から7.11(m,1H),8.15から8.27(m,1H),9.88(br s,1H)。メルカプト基のプロトンは帰属できなかった。
【0122】
実施例40
実施例38と同様にして、4−エトキシ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドを合成した。
褐色固体;m.p.180から183℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.44(t,J=7.5Hz,3H),2.07から2.14(m,2H),2.17(s,3H),2.70(t,J=7.5Hz,2H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),4.09(q,J=7.5Hz,2H),6.93(d,J=7.5Hz,2H),7.87(d,J=7.5Hz,2H)。アミドとメルカプト基のプロトンは帰属できなかった。
【0123】
実施例41
実施例38と同様にして、3−エトキシ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メトキシベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.89から94℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.48(t,J=7.5Hz,3H),1.99から2.10(m,2H),2.16(s,3H),2.71(t,J=7.5Hz,2H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),3.93(s,3H),4.12(q,J=7.5Hz,2H),6.90(d,J=7.5Hz,1H),7.45(dd,J=1.0 and 7.5Hz,1H),7.49(d,J=1.0Hz,1H),10.1(br s,1H)。メルカプト基のプロトンは帰属できなかった。
【0124】
実施例42 N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドの合成
【0125】
【化32】
O−エチル−S−3−[2−(4−メチルベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネート(0.416g,1.05mmol)のエタノール(4mL)溶液に28%アンモニア水(1mL)を加え常温で一晩反応させた。反応終了後、4M塩酸(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製し、N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドの白色固体(0.143g,45%)を得た。
白色固体;m.p.180から183℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.96から2.14(m,5H),2.42(s,3H),2.70(t,J=7.5Hz,2H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),7.28(d,J=7.5Hz,2H),7.79(d,J=7.5Hz,2H),10.2(br s,1H)。メルカプト基のプロトンは帰属できなかった。
【0126】
実施例43 4−ヨード−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの合成
【0127】
【化33】
O−エチル−S−3−[2−(4−ヨードベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネート(0.25g,0.49mmol)のエタノール(2mL)懸濁液に28%アンモニア水(1mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応液に1N塩酸(10mL)と酢酸エチル(10mL)を加えて抽出し、有機層を水(10mL)で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、4−ヨード−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの淡黄色固体(71%,0.16g)を得た。
m.p.130から140℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.99(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.06(s,3H),2.67(t,J=7.5Hz,2H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.80(d,J=8.8Hz,2H)。メルカプト基のプロトンとアミドのプロトンは帰属できなかった。
【0128】
実施例44 4−ブロモ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの合成
【0129】
【化34】
O−エチル−S−3−[2−(4−ブロモベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−イル]プロピルジチオカーボネート(0.30g,0.65mmol)のエタノール(2mL)懸濁液に28%アンモニア水(1mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応液に1N塩酸(10mL)と酢酸エチル(10mL)を加えて抽出し、有機層を水(10mL)で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、4−ブロモ−N−[5−(3−メルカプトプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]ベンズアミドの白色固体(60%,0.15g)を得た。
m.p.99から105℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.96(tt,J=7.5 and 7.5Hz,2H),2.10(s,3H),2.67(t,J=7.5Hz,2H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.74(d,J=8.8Hz,2H)。メルカプト基のプロトンとアミドのプロトンは帰属できなかった。
【0130】
実施例45 4−シクロプロピル−N−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}−N−メチルチオメチルベンズアミドの合成
【0131】
【化35】
二塩化オキサリル(416mg,3.28mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液にDMSO(176mg,1.24mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液を加え、−78℃で30分間撹拌した後、4−シクロプロピル−N−{4−メチル−5−(3−ヒドロキシプロピル)チアゾール−2−イル}ベンズアミド(828mg,2.62mmol)のクロロホルム(20mL)溶液を滴下した。30分間撹拌した後に、トリエチルアミンを(1.46g,14.4mmol)を加えて−78℃で3時間反応させた。反応終了後、反応混合物に1M塩酸(40mL)を加え、クロロホルム(10mL)で2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(30mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製)で精製することで、黄色油状の4−シクロプロピル−N−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミド(251mg,39%)と黄色油状の4−シクロプロピル−N−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}−N−メチルチオメチルベンズアミド(386mg,30%)を得た。
【0132】
4−シクロプロピル−N−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミド;黄色油状;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 0.74から0.80(m,2H),1.01から1.08(m,2H),1.91から1.98(m,4H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.01(t,J=7.5Hz,2H),7.11(d,J=10.0Hz,2H),7.78(d,J=10.0Hz,2H),9.82(s,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0133】
4−シクロプロピル−N−メチルチオメチル−N−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミド;黄色油状:
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 0.72から0.78(m,2H),1.00から1.08(m,2H),1.88から1.96(m,1H),2.14(s,3H),2.30(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.01(t,J=7.5Hz,2H),5.24(s,2H),7.12(d,J=7.5Hz,2H),7.44(d,J=7.5Hz,2H),9.81(s,1H)。
【0134】
実施例46
実施例45と同様にして、4−メトキシ−3−エトキシ−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
黄色油状;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.46(t,J=5.0Hz,3H),2.05(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),3.01(t,J=7.5Hz,2H),3.94(s,3H),4.08(q,J=7.5Hz,2H),6.91(d,J=7.5Hz,1H),7.49(d,J=7.5Hz,1H),7.50(s,1H),9.83(s,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0135】
実施例47
実施例45と同様にして、4−メトキシ−3−エトキシ−N−メチルチオメチル−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.103℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.47(t,J=7.5Hz,3H),2.20(s,3H),2.31(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.01(t,J=7.5Hz,2H),3.92(s,3H),4.11(q,J=7.5Hz,2H),5.26(s,2H),6.90(d,J=7.5Hz,1H),7.11から7.18(m,2H),9.81(s,1H)。
【0136】
実施例48
実施例45と同様にして、4−エトキシ−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
黄色固体;m.p.110から114℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.44(t,J=7.5Hz,3H),2.03(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),3.00(t,J=7.5Hz,2H),4.10(q,J=7.5Hz,2H),6.93(d,J=10.0Hz,2H),7.91(d,J=10.0Hz,2H),9.82(s,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0137】
実施例49
実施例45と同様にして、4−メチル−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.133から135℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.05(s,3H),2.43(s,3H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),3.02(t,J=7.5Hz,2H),7.28(d,J=7.5Hz,2H),7.79(d,J=7.5Hz,2H),9.83(s,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
【0138】
実施例50
実施例45と同様にして、4−メチル−N−メチルチオメチル−{4−メチル−5−(2−ホルミルエチル)チアゾール−2−イル}ベンズアミドを合成した。
白色固体;m.p.93から99℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 2.14(s,3H),2.30(s,3H),2.40(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),3.02(t,J=7.5Hz,2H),5.24(s,2H),7.25(d,J=7.5Hz,2H),7.44(d,J=7.5Hz,2H),9.81(s,1H)。
【0139】
実施例51 N−[5−(3−アミノキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドの合成
【0140】
【化36】
N−[5−(3−フタルイミドオキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]4−メチルベンズアミド(1.70g、3.90mmol)のエタノール(20mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.45mL、89.9mmol)を室温にて加え、一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧留去し、得られた混合物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善社製;アミノプロピルシリカゲルを使用)で精製し、N−[5−(3−アミノキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドの淡黄色油状物(0.975g,収率:82%)を得た。
淡黄色油状物;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.84から1.99(m,2H),2.12(s,3H),2.43(s,3H),2.76(t,J=7.5Hz,2H),3.70(t,J=7.5Hz,2H),5.28(br s,2H),7.28(d,J=7.5Hz,2H),7.80(d,J=7.5Hz,2H),10.1(br s,1H)。
【0141】
実施例52 8−(2−トルイルアミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)オクテン酸の合成
【0142】
【化37】
10−オキソウンデカン酸(1.0g,4.99mmol)のTHF(50mL)溶液に臭化銅(II)(2.23g,9.98mmol)を加え、3時間加熱還流したところ白色の沈澱物が生成した。沈澱物をろ過し、ろ液をエバポレーターで減圧濃縮し、黄色の油状物を得た。この油状物にDMF(20mL)と4−メチルベンゾイルチオウレア(0.775g,3.99mmol)を加え、80℃で12時間反応させた。反応終了後反応混合物に1M塩酸(100mL)を加え酢酸エチル(100mL)で2回抽出し、有機層を合わせて水(200mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去し、固体を析出させた。得られた固体をエーテルで洗浄することによって、白色固体の8−[2−(4−メチルベンゾイル)アミノ−4−メチルチアゾール−5−イル]オクテン酸(0.285g,15%)を得た。
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):δ 1.30から1.38(m,6H),1.58から1.64(m,4H),2.22(s,3H),2.30(t,J=7.5Hz,2H),2.42(s,3H),2.67(t,J=7.5Hz,3H),7.29(d,J=8.0Hz,2H),7.97(d,J=8.0Hz,2H)。アミドのプロトンとカルボン酸のプロトンは帰属できなかった。
【0143】
実施例53
実施例14と同様にして、N−[5−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルチアゾール−2−イル]−4−メチルベンズアミドを合成した。
灰色固体;m.p.103から105℃;
1H−NMR(CDCl
3,TMS,ppm):1.83から1.95(m,2H),2.10(s,3H),2.42(s,3H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),7.27(d,J=7.5Hz,2H),7.80(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンとヒドロキシ基のプロトンは帰属できなかった。
【0144】
前述の合成方法に準じて、表1から10に記載のチアゾール誘導体を得た。
【0145】
【化38】
【0146】
【表1】
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
【表6】
【0152】
【表7】
【0153】
【表8】
【0154】
【表9】
【0155】
【表10】
以下の参考例では、本発明のチアゾール誘導体を活性化基含有マトリックスに固定化し、免疫グロブリンの分析又は精製を行なった。なお、化合物番号は表1から10記載の化合物番号に対応する。
【0156】
固定化されたチアゾール誘導体量は、固定化反応に用いた溶液中のチアゾール誘導体量と固定化反応後に回収された溶液(洗浄液を含み、以下、回収液という)中のチアゾール誘導体量を測定し、比較することで算出した。チアゾール誘導体の濃度は、U−2900スペクトロフォトメーター(商品名)(日立製作所製)を用いて前記誘導体の紫外吸収極大波長における吸光度を測定して(以下、吸光度法という)、又は高速液体クロマトグラフィーを用いて前記誘導体の紫外吸収クロマトグラムにおけるピーク面積を測定して(以下、HPLC法という)求めた。HPLC法では、カラムとしてTSK−GEL ODS−80T
M(商品名)(東ソー社製)を用い、溶離液としてアセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=45/55/0.05(体積比)(以下、単に溶離液という)を用いた。
【0157】
参考例1 化合物75のアガロースゲルへの固定化(その1)
N−ヒドロキシスクシンイミド(以下、NHSという)で活性化されたアガロースゲルであるHiTrap NHS−activated HPカラム(1mL)(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製、スクシンイミドオキシカルボニル基含量:10μmol/mL(gel)、以下、HiTrapカラムという)を活性化基含有マトリックス充填カラムとして用いた。
【0158】
HiTrapカラムに、まず氷冷した1mM HClを5mL通液した。コハク酸ジヒドラジドを100mMになるように0.5M NaClを含む0.2M炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)に溶解し、その2mLをHiTrapカラムに通液した。1時間静置後、10mLの0.5M NaClを含む0.2M 炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)を通液した。次に純水10mLを通液した後、DMSOを5mL通液した。次いで、化合物75を10mMになるようにDMSOに溶解し、その2mLを通液した。2時間静置後、3mLのDMSOを通液した。次にピリジン−ボランのDMSO溶液(20mM)2mLを通液し、14時間静置した後、5mLのDMSOを通液した。最後にカラムに純水10mLを通液することで、化合物75を固定化したゲルを得た。
【0159】
化合物75の固定化量は、カラムに添加した化合物75の量(20μmol)からカラムから回収された化合物75の量を減ずることより算出した。吸光度法(検出波長306nm)によって測定した化合物75の固定化量は7.3μmol/mL(gel)であった。
【0160】
参考例2 化合物75を固定化したアガロースゲルを用いた免疫グロブリンの吸脱着
参考例1に記載の方法にて調製した、化合物75を固定化したHiTrapカラムを、クロマトグラフィー装置であるAKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に取り付け、0.7M硫酸ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム−10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)(以下、緩衝液Aという)を流速1mL/minで通液してカラムを平衡化した。次に緩衝液Aに溶解した1mg/mLヒト血漿由来免疫グロブリン製剤(化血研製)0.5mLをカラムに添加して、緩衝液Aを10mL通液後、緩衝液Aから10mMリン酸ナトリウム−10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムの濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。
【0161】
カラムから溶出された免疫グロブリンの検出は、280nmにおける吸光度を測定することにより行なった。溶出液は1mLずつ分画し、U−2900スペクトロフォトメーター(商品名)(日立製作所製)により各フラクションの280nmにおける吸光度を測定し、それらを合算した値をカラムに添加した免疫グロブリンの280nmにおける吸光度と比較することにより回収率を算出した。クロマトグラフィーの結果を
図1に示す。このクロマトグラフィーにおける免疫グロブリンの回収率は100%であった。
【0162】
吸脱着操作後、0.1M水酸化ナトリウムを10mL通液してカラムの再生を行なった。化合物75を固定化したHiTrapカラムは前記再生処理によって初期状態に復帰させることができ、繰り返し使用によってもその特性は変化しなかった。
【0163】
参考例3 化合物75のビニルポリマーゲルへの固定化
TOYOPEARL AF−Amino−650M(商品名)(東ソー社製、アミノ基含量:89μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物75の固定化を行なった。
【0164】
0.1M N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(以下、CHESという)−NaOH緩衝液(pH9.0)とアセトニトリルとの混合溶媒(体積比1:1)に化合物75を22mMになるよう溶解し、この溶液9.0mLとTOYOPEARL AF−Amino−650Mゲル2.0mLを混合して振とうした。30分振とう後、ピリジン−ボランを0.11mL(1.1mmol)添加し、更に25℃で16時間振とうし、吸引濾過で固定化反応後のゲルを濾別した。濾別したゲルを5mLのアセトニトリルで5回洗浄することにより、化合物75を固定化したゲルを得た。なお、この濾液と洗浄液とをあわせたものを回収液とした。
【0165】
別途、ピリジン−ボランと化合物75とを含む溶液を溶離液で希釈し、HPLC法で分析したところ、化合物75は還元されて化合物67となっていた。このことに留意して、反応液をHPLC法(検出波長300nm)で分析した。その結果、回収液中に化合物67が90μmol存在することが分かった。すなわち、固定化反応によって消費された化合物75は108μmolであり、化合物75の固定化量は54μmol/mL(gel)であった。
【0166】
参考例4 化合物75のアガロースゲルへの固定化(その2)
EAH Sepharose 4B(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製、アミノ基含量:12μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物75の固定化を行なった。
【0167】
EAH Sepharose 4Bゲル3.2mLに、参考例3と同じ組成からなる化合物75の溶液を5mL加え、更にピリジン−ボランを0.29mL(2.9mmol)加えた後、25℃で8時間振とうした。固定化反応後のゲルを吸引濾過で濾別し、そのゲルを5mLのアセトニトリルで5回洗浄することで、化合物75を固定化したゲルを得た。
【0168】
濾液及び洗浄液をあわせた回収液を参考例3と同じ方法で分析した結果、化合物75の固定化量は27μmol/mL(gel)であった。
【0169】
参考例5 化合物95のビニルポリマーゲルへの固定化
TOYOPEARL AF−Epoxy−650M(商品名)(東ソー社製、エポキシ基含量:50μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物95の固定化を行なった。
【0170】
化合物95(50.6mg)にDMSO(5.5mL)、蒸留水(4.18mL)、1M NaOH水溶液(1.32mL)を添加して、化合物95を15mM含有する溶液を調製した。この溶液10mLとTOYOPEARL AF−Epoxy−650Mゲル3mLを遠沈管中で混合し、40℃で70時間振とうした。反応後、遠沈管を1分間遠心(100×g)し、ゲルと上清を分離した。上清を除いた後、ゲルに10mLのDMSOを添加し撹拌混合後、1分間遠心(100×g)し、ゲルと上清を分離することでゲルの洗浄を行ない、前記操作を3回行なった。反応液上清と洗浄液を混合し、DMSOにより40mLにメスアップしたものを回収液とした。DMSOで洗浄した後のゲルに蒸留水(30mL)を添加し撹拌混合後、1分間遠心(100×g)し、ゲルと上清を分離後、上清を吸引除去した。前記操作を5回行ない、化合物95を固定化したゲルを得た。
【0171】
吸光度法(検出波長348nm)によって測定した化合物95の固定化量は30μmol/mL(gel)であった。
【0172】
参考例6 化合物95を固定化したビニルポリマーゲルを用いた免疫グロブリンの吸脱着
参考例5に記載の方法にて調製した、化合物95を固定化したTOYOPEARL AF−Epoxy−650Mゲル1mLをTRICORNカラム(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に取り付け、参考例2と同様、0.5mgのヒト血漿由来免疫グロブリン製剤を硫酸ナトリウム濃度勾配のクロマトグラフィーで分離した。クロマトグラフィーの結果を
図2に示す。
【0173】
吸脱着操作後、0.1M水酸化ナトリウムを10mL通液してカラムの再生を行なった。化合物95を固定化したエポキシトヨパールゲルはこの再生処理によって初期状態に復帰させることができ、繰り返し使用によってもその特性は変化しなかった。
【0174】
参考例7 化合物95のアガロースゲルへの固定化
Epoxy−activated Sepharose 6B(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製、エポキシ基含量:19から40μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物95の固定化を行なった。
【0175】
70mM水酸化ナトリウムとN,N−ジメチルアセトアミドの混合溶媒(体積比1:1)に化合物95を16mMになるように溶解し、この溶液6.0mLとEpoxy−activated Sepharose 6Bゲル3.1mLを混合して40℃で2時間振とうした。反応後、ゲルを吸引濾過で濾別し、そのゲルを5mLの前記混合溶媒で5回洗浄した。これらの濾液及び洗浄液をあわせて回収液とした。前記混合溶媒で洗浄後のゲルは更に10mLの水で2回洗浄することで、化合物95を固定化したゲルを得た。
【0176】
吸光度法(検出波長305nm)によって測定した化合物95の固定化量は32μmol/mL(gel)であった。
【0177】
参考例8 化合物107のビニルポリマーゲルへの固定化
TOYOPEARL AF−Amino−650M(商品名)(東ソー社製、アミノ基含量:89μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物107の固定化を行なった。
【0178】
脱水DMF(和光純薬社製)に化合物107が21mM、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が41mM、NHSが42mMになるように溶解し、この溶液15mLとTOYOPEARL AF−Amino−650Mゲル2.1mLを混合して25℃で4日間振とうした。反応後、ゲルを吸引濾過で濾別し、5mLのDMFによる洗浄を5回行なった。この濾液と洗浄液とをあわせて回収液とした。洗浄後のゲルを無水酢酸のDMF溶液(無水酢酸/DMF溶液=1/4(体積比))5mLに懸濁して、25℃で2時間振とうした。次にゲルを吸引濾過、水洗することにより、化合物107を固定化したゲルを得た。
【0179】
吸光度法(検出波長305nm)によって測定した化合物107の固定化量は11μmol/mL(gel)であった。
【0180】
参考例9 化合物110のアガロースゲルへの固定化
HiTrapカラムにDMSOを5mL通液した後、化合物110が10mM、トリエチルアミンが40mMになるようにDMSOに溶解した溶液2mLを通液した。1時間静置後、3mLのDMSOを通液し、未反応の化合物110を除去した。反応に用いた化合物110溶液のカラムからの漏出液と、洗浄に用いたDMSOのカラムからの漏出液をあわせて回収液とした。
【0181】
化合物110の固定化量は、カラムに添加した化合物110の量(20μmol)からカラムから回収された化合物110の量を減ずることより算出した。固定化前に調製した化合物110のDMSO溶液及び回収液を、非特許文献9に記載された方法のうち「B.酸性条件法」に従って適宜希釈し306nmにおける吸光度を測定した。この方法より、HiTrapカラムに固定化された化合物110の量は、2.3μmol/mL(gel)であった。
【0182】
参考例10 化合物110のビニルポリマーゲルへの固定化
TOYOPEARL AF−Formyl−650M(商品名、東ソー社製、ホルミル基含量60μmol/mL(gel))を活性化基含有マトリックスとして用いて化合物110の固定化を行なった。
【0183】
0.1M CHES−NaOH緩衝液(pH9.0)とアセトニトリルとの混合溶媒(体積比1:1)に化合物110を36mMになるように溶解し、この溶液5.8mLとTOYOPEARL AF−Formyl−650Mゲル3.0mLを混合して振とうし、30分後にピリジン−ボラン0.17mL(1.7mmol)を添加して25℃で16時間振とうすることで反応後、ゲルを吸引濾過で濾別し、濾別したゲルを5mLのアセトニトリルで5回洗浄した。前記濾液と洗浄液とをあわせたものを回収液とした。前記洗浄後のゲルは更に10mLの水で2回洗浄することで、化合物110を固定化したゲルを得た。
【0184】
HPLC法(検出波長254nm)によって測定した化合物107の固定化量は40μmol/mL(gel)であった。
【0185】
参考例11 化合物110を固定化したビニルポリマーゲルを用いた免疫グロブリンの吸脱着
参考例10に記載の方法にて調製した、化合物110を固定化したTOYOPEARL AF−Formyl−650Mゲル1mLをTRICORNカラムに充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に取り付け、参考例2と同様にして、0.5mgのヒト血漿由来免疫グロブリン製剤を硫酸ナトリウム濃度勾配のクロマトグラフィーで分離した。クロマトグラフィーの結果を
図3に示す。
【0186】
吸脱着操作後に0.1M水酸化ナトリウムを10mL通液してカラムの再生を行なった。化合物110を固定化したTOYOPEARL AF−Formyl−650Mゲルはこの再生処理によって初期状態に復帰させることができ、繰り返し使用によってもその特性は変化しなかった。