特許第5749968号(P5749968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749968
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】測定器の防塵構造
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20150625BHJP
   G01B 3/18 20060101ALI20150625BHJP
   G01B 3/22 20060101ALI20150625BHJP
   G01B 3/20 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   G01D11/24 B
   G01B3/18
   G01B3/22 Q
   G01B3/20 101Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-99091(P2011-99091)
(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公開番号】特開2012-230026(P2012-230026A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 秀二
(72)【発明者】
【氏名】新井 里枝
(72)【発明者】
【氏名】大浦 雄二
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−193848(JP,A)
【文献】 特開2006−136129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
G01B 3/18 − 22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁である透明な保護プレートと対向する面に開口部を有するケースと、このケースの開口部からケース内に収納されたソーラーパネルと、このソーラーパネルの外周部を前記ケースの保護プレートに押圧する中間パネルと、この中間パネルの内部に前記ソーラーパネルと隙間を隔てて対向配置される表示器と、前記ケースの開口部を塞ぐように前記ケースの開口部に装着された蓋体と、この蓋体および前記中間パネルを前記ケースに締め付ける締付手段とを備えた測定器の防塵構造において、
前記中間パネルと前記ケースとの間には、前記ソーラーパネルの外周部を前記ケースの保護プレートに押圧した状態で、前記中間パネルを前記ケースに仮固定する仮固定手段が設けられ
前記表示器と前記蓋体との間には弾性を有する弾性体が収納され、
前記中間パネルの内部には、前記表示器を前記ソーラーパネルを通して保護プレートから視認可能な窓部が形成されているとともに、この窓部の周囲に沿って前記ソーラーパネルに接する第1封止部および前記表示器に接する第2封止部が設けられている、ことを特徴とする測定器の防塵構造。
【請求項2】
請求項1に記載の測定器の防塵構造において、
前記仮固定手段は、前記ケースの内周面に設けられた凹部と、前記中間パネルの外周縁に設けられ前記凹部に係脱する突起部とから構成されている、ことを特徴とする測定器の防塵構造。
【請求項3】
請求項2に記載の測定器の防塵構造において、
前記中間パネルの前記突起部の内側には、突起部との間に弾性梁部を残して孔部が形成されている、ことを特徴とする測定器の防塵構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器の防塵構造に関する。例えば、電子式ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、測長ユニットなどの測定器における電子部品の防塵構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子式ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、測長ユニットなどの測定器では、電子部品がごみなどによって故障、損傷するのを防ぐため、電子部品を防塵構造の空間内に収納する構造が採られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、測定器の防塵防水構造が開示されている。
これは、図10に示すように、開口部111と対向する底壁部分に透明な保護プレート112を有するケース110と、このケース110の開口部111からケース110内に収納されかつ外周縁が第1パッキン121で包囲されたソーラセルユニット120と、このソーラセルユニット120の第1パッキン121をケース110の底壁との間で押圧する底壁131およびケース110の開口端縁側に突出するフランジ部132をそれぞれ有するとともに内部底面に表示器140を有する内枠130と、この内枠130の開口部111を塞ぐようにフランジ部132に第2パッキン151を介して装着された基板150と、これら基板150および内枠130のフランジ部132をケース110に一体的に締付可能かつ分解可能な止めねじ170とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−193848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示された防塵防水構造では、ケース110の保護プレート112とソーラセルユニット120との隙間、および、内枠130と表示器140との隙間などにごみなどが混入しても、止めねじ170を緩めて、これらを分解し、清掃することにより、ごみなどの混入による外観不良を解消できる。
従って、特許文献1に記載されて技術は、組立時などにおいて、ごみが混入することを前提として、これを分解、清掃によって、外観不良の問題を除去しようとするものであるが、組立完了後に、分解し、再度、組立てすることは、生産性を低下させる。
【0006】
本発明の目的は、組立時などにおいて、ごみなどが混入するのを防止できる測定器の防塵構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の測定器の防塵構造は、底壁である透明な保護プレートと対向する面に開口部を有するケースと、このケースの開口部からケース内に収納されたソーラーパネルと、このソーラーパネルの外周部を前記ケースの保護プレートに押圧する中間パネルと、この中間パネルの内部に前記ソーラーパネルと隙間を隔てて対向配置される表示器と、前記ケースの開口部を塞ぐように前記ケースの開口部に装着された蓋体と、この蓋体および前記中間パネルを前記ケースに締め付ける締付手段とを備えた測定器の防塵構造において、前記中間パネルと前記ケースとの間には、前記ソーラーパネルの外周部を前記ケースの保護プレートに押圧した状態で、前記中間パネルを前記ケースに仮固定する仮固定手段が設けられ、前記表示器と前記蓋体との間には弾性を有する弾性体が収納され、前記中間パネルの内部には、前記表示器を前記ソーラーパネルを通して保護プレートから視認可能な窓部が形成されているとともに、この窓部の周囲に沿って前記ソーラーパネルに接する第1封止部および前記表示器に接する第2封止部が設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、組立にあたって、ケースの開口部からソーラーパネルをケース内に収納し、続いて、中間パネルをケース内に収納すると、仮固定手段によって、ソーラーパネルの外周部がケースの保護プレートに押圧された状態で仮固定される。
次に、表示器を中間パネルの内部に配置する前に、エアーブローしてごみなどを吹き飛ばしても、ごみなどがソーラーパネルとケースの保護プレートとの隙間に入り込むのを防止できるから、ごみなどによる故障をなくすことができる。
続いて、表示器を中間パネルの内部に配置したのち、ケースの開口部を塞ぐように蓋体を装着し、締付手段によって、これら蓋体および中間パネルをケースに締め付ければ組み立てることができる。
また、保護プレートとソーラーパネルとの間の隙間にごみなどが混入するのを防止できるから、ごみなどによる外観不良を防止できる。
さらに、中間パネルの窓部周囲に沿って、ソーラーパネルに接する第1封止部および表示器に接する第2封止部が設けられているから、保護プレートとソーラーパネルとの間の隙間のほか、ソーラーパネルと表示器との間の隙間にごみなどが混入するのを防止できる。よって、ごみなどによる外観不良をより低減できる。
【0009】
本発明の測定器の防塵構造において、前記仮固定手段は、前記ケースの内周面に設けられた凹部と、前記中間パネルの外周縁に設けられ前記凹部に係脱する突起部とから構成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、仮固定手段は、ケースの内周面に設けられた凹部と、中間パネルの外周縁に設けられ凹部に係脱する突起部とから構成されているから、中間パネルの突起部をケースの凹部に嵌めるだけの操作で、ソーラーパネルの外周部をケースの保護プレートに押圧した状態で確実に仮固定することができる。
【0010】
本発明の測定器の防塵構造において、前記中間パネルの前記突起部の内側には、突起部との間に弾性梁部を残して孔部が形成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、中間パネルの突起部をケースの凹部に嵌める際、中間パネルをケースの内周壁に沿って挿入していくと、中間パネルの突起部が弾性梁部の弾性変形によって内側に変形しながら挿入されていき、ケースの凹部の到達した時点で、外側に弾性復帰して、ケースの凹部に嵌り込むため、中間パネルの突起部をケースの凹部に嵌めやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るデジタル表示式ダイヤルゲージを示す斜視図。
図2】同上実施形態の電装モジュールユニットを示す分解斜視図。
図3】同上実施形態の電装モジュールユニットを図2と逆から見た分解斜視図。
図4】同上実施形態の電装モジュールユニットの組立状態の断面図。
図5】同上実施形態のケースを示す背面図および断面図。
図6】同上実施形態の中間パネルを示す正面図および断面図。
図7図6のVII−VII線断面図。
図8】同上実施形態のケースと中間パネルとの係合状態を示す断面図。
図9】同上実施形態のラバースイッチ部材を示す正面図および断面図。
図10】従来の測定器の防塵構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態の構成>
本実施形態に係るデジタル表示式ダイヤルゲージは、図1に示すように、円筒形状の測定器本体1と、この測定器本体1に貫通して軸方向へ移動可能に設けられたスピンドル2と、このスピンドル2の移動量を電気信号として検出する検出手段(図示省略)と、測定器本体1の正面に嵌合され検出手段によって検出された電気信号を処理してスピンドル2の移動量を算出しデジタル表示する電装モジュールユニット3とから構成されている。なお、検出手段については、図示省略したが、光電式、静電容量式、磁気式など検出方式は問わない。
【0015】
電装モジュールユニット3は、図2図4に示すように、ケース10と、このケース10内に順番に収納される第1電子部品としてのソーラーパネル20、中間パネル30、第2電子部品としての表示器40、弾性体としてのラバースイッチ部材50、および、蓋体としての基板60と、これらソーラーパネル20、中間パネル30、表示器40、ラバースイッチ部材50、基板60をケース10に締付可能かつ分解可能に取り付ける締付手段としての3本の止めねじ70A,70B,70Cとから構成されている。
【0016】
ケース10は、図2図3および図5に示すように、ソーラーパネル、中間パネル、表示器、ラバーパネルおよび基板を挿入できる大きさの開口部を有する合成樹脂製円筒枠状のケース本体11と、このケース本体11の底壁側(正面側)に超音波溶着によって一体的に取り付けられた透明な材質からなる保護プレート12とから構成されている。なお、ケース本体11と保護プレート12との接合手段としては、超音波溶着に限らず、接着などでもよい。
ケース本体11の底壁側(正面側)には、保護プレート12よりも下側に3つのスイッチボタン挿通孔13A,13B,13Cが形成されているとともに、保護プレート12を挟んだ上下部に3つの止めねじ螺合用突起14A,14B,14Cが形成されている。また、ケース本体11の内周壁の4箇所位置に凹部15A,15B,15C,15Dが形成されている。
保護プレート12は、両側がケース10の円弧に沿った円弧状で、上下辺が互いに平行な直線をなした略台形形状で、厚みがケース本体11の底壁よりも僅か薄い厚みに形成されている。なお、保護プレート12の形状については、略台形形状に限らず、どのような形状であってもよい。
【0017】
ソーラーパネル20は、図2および図3に示すように、保護プレート12の形状よりも僅かに大きい相似形で、略中央位置に横長矩形状の透明板21を、その周囲に複数のソーラーセル22を備える。従って、ソーラーパネル20をケース10内に収納すると、図4に示すように、ソーラーパネル20の外周縁がケース10の底壁に当接され、ソーラーパネル20と保護プレート12との間に隙間23が形成された状態となる。
【0018】
中間パネル30は、図2図3および図6に示すように、保護プレート12およびソーラーパネル20を通してから表示器40を視認可能な窓部31が内部に形成されているとともに、外周部3箇所に止めねじ70A,70B,70Cが挿通される止めねじ挿通孔32A,32B,32Cが形成されている。また、中間パネル30の外周部4箇所にケース10の凹部15A,15B,15C,15D内に係合する突起部33A,33B,33C,33Dが形成されているとともに、外周部2箇所にU字状に切り欠かれた逃げ溝34A,34Bが形成されている。
窓部31の周囲には、図7に示すように、ソーラーパネル20に接する第1封止部35および表示器40に接する第2封止部36が設けられている。第1封止部35は、窓部31の内部へ向かうに従って表面側に向かって突出しかつ肉厚が次第に薄くなる舌片状に形成されている。第2封止部36は、断面が半円形状に形成されている。
【0019】
突起部33A,33B,33C,33Dの内側には、突起部33A,33B,33C,33Dとの間に弾性梁部37A,37B,37C,37Dを残して菱形形状の孔部38A,38B,38C,38Dが形成されている。これにより、突起部33A,33B,33C,33Dは、中間パネル30の内外方向へ弾性変形できるようになっている。従って、ケース10内の内周壁に沿って中間パネル30を挿入していくと、中間パネル30の突起部33A,33B,33C,33Dは弾性梁部37A,37B,37C,37Dの弾性変形によって内側に変形しながら挿入されていき、ケース10の凹部15A,15B,15C,15Dに到達した時点で、外側に弾性復帰して、ケース10の凹部15A,15B,15C,15Dに嵌り込んで、中間パネル30がケース10に仮固定される。
ここに、図8に示すように、ケース10の内周面に設けられた凹部15(15A〜15C)と中間パネル30の突起部33(33A,33B,33C,33D)とで、ソーラーパネル20の外周部をケース10の底壁に押圧した状態で、中間パネル30をケース10に仮固定する仮固定手段39が構成されている。
【0020】
表示器40は、図2および図3に示すように、横長矩形状で、中間パネル30の内部にソーラーパネル20と隙間42を隔てて対向配置される。表示器40の内部には、7セグメント表示素子からなる複数桁の数字表示部41などが形成されている。
【0021】
ラバースイッチ部材50は、図2図3および図9に示すように、ゴムなどの弾性を有する材料の成形によって円盤状に形成され、表示器40と基板60との間に挿入される。また、ラバースイッチ部材50には、外周部に3つの止めねじ挿通孔51A,51B,51Cと、3つのスイッチボタン52A,52B,52Cと、2つのソーラーパネル用押さえ突起53A,53Bとがそれぞれ一体成形されているとともに、これより内側に2つの表示器押さえ突起54A,54Bが一体的に形成されている。
【0022】
3つのスイッチボタン52A,52B,52Cは、ラバースイッチ部材50がケース10内に組み込み状態において、ケース10のスイッチボタン挿通孔13A,13B,13Cに挿入可能な位置に設けられている。ソーラーパネル用押さえ突起53A,53Bは、ラバースイッチ部材50がケース10内に組み込み状態において、中間パネル30の逃げ溝34A,34Bと対応する位置で、これらを通ってソーラーパネル20の裏側を押圧可能な位置に設けられている。表示器押さえ突起54A,54Bは、ラバースイッチ部材50がケース10内に組み込み状態において、表示器40の裏側を押圧可能な位置に設けられている。
【0023】
これにより、ケース10内に、ソーラーパネル20、中間パネル30、表示器40、ラバースイッチ部材50および基板60が挿入されたのち、これらが止めねじ70A,70B,70Cによってケース10内に固定されると、3つのスイッチボタン52A,52B,52Cがケース10のスイッチボタン挿通孔13A,13B,13C内に挿入され、この状態においては、ソーラーパネル用押さえ突起53A,53Bが中間パネル30の逃げ溝34A,34Bを通してソーラーパネル20の裏側をケース10の底壁へ押圧するとともに、表示器押さえ突起54A,54Bが、表示器40の裏側を中間パネル30に向かって押圧する状態が得られる。
【0024】
基板60は、図2および図3に示すように、検出手段によって検出された電気信号を処理してスピンドルの移動量を演算し、その結果を表示器40に表示させる演算処理回路などを構成するもので、ケース10の開口部(つまり、保護プレート12と対向する面に形成された開口部)を塞ぐようにケース10の開口部に装着される。基板60の外周部には、3つの止めねじ挿通孔61A,61B,61Cが形成されている。
【0025】
<実施形態の効果>
(1)上述した構成であるから、組立にあたって、ケース10の開口部からソーラーパネル20をケース10内に収納し、続いて、中間パネル30をケース10内に収納すると、仮固定手段39によって、ソーラーパネル20の外周部がケース10の底壁に押圧された状態で仮固定される。
次に、表示器40を中間パネル30の内部に配置する前に、エアーブローしてごみなどの塵を吹き飛ばしても、塵などがソーラーパネル20とケース10の底壁(保護プレート12)との隙間23に混入するのを防止できるから、ごみなどによる外観不良を防止できる。
【0026】
(2)続いて、表示器40を中間パネル30の内部に配置したのち、ラバースイッチ部材50および基板60をケース10の開口部から装着したのち、止めねじ70A,70B,70Cによって、これら基板60、ラバースイッチ部材50、表示器40、中間パネル30、ソーラーパネル20をケース10に締め付ければ、電装モジュールユニット3を組み立てることができる。
この状態においては、ソーラーパネル用押さえ突起53A,53Bが中間パネル30の逃げ溝34A,34Bを通してソーラーパネル20の裏側をケース10の底壁へ押圧するとともに、表示器押さえ突起54A,54Bが、表示器40の裏側を中間パネル30に向かって押圧しているから、これらが位置ずれすることをなくすことができる。
【0027】
(3)また、仮固定手段39は、ケース10の内周面に設けられた凹部15(15A〜15D)と、中間パネル30の外周縁に設けられ凹部15(15A〜15D)に係脱する突起部33(33A〜33D)とから構成されているから、中間パネル30の突起部33(33A〜33D)をケース10の凹部15(15A〜15D)に嵌めるだけの操作で、ソーラーパネル20の外周部をケース10の底壁に押圧した状態で確実に仮固定することができる。
【0028】
(4)中間パネル30の突起部33(33A〜33D)の内側には、突起部33(33A〜33D)との間に弾性梁部37A〜37Dを残して孔部38A〜38Dが形成されているから、中間パネル30の突起部33(33A〜33D)をケース10の凹部15(15A〜15D)に嵌める際、中間パネル30をケース10の内周壁に沿って挿入していくと、中間パネル30の突起部33(33A〜33D)が弾性梁部37A〜37Dの弾性変形によって内側に変形しながら挿入されていき、ケース10の凹部15(15A〜15D)の到達した時点で、外側に弾性復帰して、ケース10の凹部15(15A〜15D)に嵌り込むため、中間パネル30の突起部33(33A〜33D)をケースの凹部15(15A〜15D)に嵌めやすい。
【0029】
(5)中間パネル30の内部には、表示器40をソーラーパネル20を通して保護プレート12から視認可能な窓部31が形成されているとともに、この窓部31の周囲に沿ってソーラーパネル20に接する第1封止部35および表示器40に接する第2封止部36が設けられているから、保護プレート12とソーラーパネル20との間の隙間23のほか、ソーラーパネル20と表示器40との間の隙間にごみなどが混入するのを防止できる。よって、ごみなどによる外観不良をより低減できる。
【0030】
<変形例>
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、ケース10の保護プレート12とソーラーパネル20との間の隙間23およびソーラーパネル20と表示器40との間の隙間42を防塵構造に構成したが、ソーラーパネル20や表示器40に代えて回路基板などの電子部品を用いた構造であってもよい。
【0031】
前記実施形態では、仮固定手段39を、ケース10の内周壁に形成された4つの凹部15A,15B,15C,15Dと、中間パネル30の外周縁に設けられた突起部33A,33B,33C,33Dとから構成したが、これに限られない。例えば、凹部や突起部の数は2以上であればよい。また、凹部や突起部に限らず、他の構造であってもよい。
【0032】
前記実施形態では、中間パネル30の窓部31の周囲に舌片状の第1封止部35と断面半円状の第2封止部36とを一体成形したが、これら第1封止部35および第2封止部36は、中間パネル30とは別部材で、かつ、弾性を有する材料で窓部31の周囲に沿って装着できる構造に構成し、これを窓部31の周囲に沿って装着するようにしてもよい。
【0033】
前記実施形態では、ラバースイッチ部材50にゴムなどの弾性を有する材料を用いたが、ゴムに限らない。ゴム以外の弾性を有する材料でもよく、あるいは、ばね性を有する構造を表示器40と基板60との間に挿入するようにしてもよい。
【0034】
前記実施形態では、デジタル表示式ダイヤルゲージについて説明したが、本発明は、これに限らず、他のものでもよい。例えば、電子式ノギス、マイクロメータ、測長ユニットなどの測定器一般に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えば、電子式ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、測長ユニットなどの測定器における電子部品の防塵構造に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
10…ケース、
12…保護プレート(底壁)、
15(15A,15B,15C,15D)…凹部、
20…ソーラーパネル(第1電子部品)、
23…隙間、
30…中間パネル、
31…窓部、
33(33A,33B,33C,33D)…突起部、
35…第1封止部、
36…第2封止部、
37A,37B,37C,37D…弾性梁部、
38A,38B,38C,38D…孔部、
39…仮固定手段、
40…表示器、
42…隙間、
50…ラバースイッチ部材(弾性体)、
60…基板(蓋体)、
70A,70B,70C…止めねじ(締付手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10