特許第5750393号(P5750393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5750393Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750393
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20150702BHJP
   C22C 9/00 20060101ALI20150702BHJP
   B22D 11/00 20060101ALI20150702BHJP
   B22D 11/04 20060101ALI20150702BHJP
   B22D 27/04 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   C23C14/34 A
   C22C9/00
   B22D11/00 F
   B22D11/04 114
   B22D27/04 E
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-73621(P2012-73621)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-204081(P2013-204081A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2013年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX日鉱日石金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093296
【弁理士】
【氏名又は名称】小越 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100173901
【弁理士】
【氏名又は名称】小越 一輝
(72)【発明者】
【氏名】田村 友哉
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勝
【審査官】 伊藤 光貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−225986(JP,A)
【文献】 特開2000−073163(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/005098(WO,A1)
【文献】 特開平05−311424(JP,A)
【文献】 特開平07−300667(JP,A)
【文献】 特開昭63−052746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
B22D 11/00
B22D 11/04
B22D 27/04
C22C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Gaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなる溶解・鋳造した板状のCu−Ga合金スパッタリングターゲットであって、CuにGaが固溶したα相又はα相とζ相との混相からなる組織を有し、該α相又はα相とζ相との混相からなる組織にデンドライト組織が分散しており、該デンドライト組織(樹枝状晶)は、一次アームと該一次アームから側方に成長した二次アームからなり、二次アームの平均の長さが30〜60μm、二次アームの平均の幅が10〜30μm、該二次アーム間の平均の間隔が20〜80μmであることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【請求項2】
一次アームの最大径が5〜30μmであることを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【請求項3】
デンドライト組織の二次アーム間に、デンドライト組織よりもGa濃度が濃い(Gaリッチ)相を有することを特徴とする請求項1又は2記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【請求項4】
デンドライト組織よりもGa濃度が濃い相が、α相又はζ相であることを特徴とする請求項3記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【請求項5】
酸素含有量が20wtppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【請求項6】
ターゲット原料をグラファイト製坩堝内で溶解し、この溶湯を、水冷プローブを備えた鋳型に注湯して連続的にGaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなるCu−Ga合金の板状の鋳造体を製造し、これをさらに機械加工して板状のCu−Ga合金ターゲットを製造する方法であって、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を350〜650°C/minに制御することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項7】
ターゲット原料をグラファイト製坩堝内で溶解し、この溶湯を、水冷プローブを備えた鋳型に注湯して連続的にGaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなるCu−Ga合金の板状の鋳造体を製造し、これをさらに機械加工して板状のCu−Ga合金ターゲットを製造する方法であって、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を350〜650°C/minに制御することにより、請求項1〜5のいずれか一項に記載するターゲットを製造することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項8】
引抜き速度を50mm/min〜150mm/minとして製造することを特徴とする請求項6記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項9】
横型連続鋳造法を用いて製造することを特徴とする請求項6又は7記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項10】
前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を350〜650°C/minに制御することにより、鋳造時に形成されるα相又はα相とζ相との混相の量及び濃度を調製することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜太陽電池層の光吸収層であるCu−In−Ga−Se(以下、CIGSと記載する。)四元系合金薄膜を形成する時に使用されるCu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄膜系太陽電池として高効率であるCIGS系太陽電池の量産が進展してきており、その光吸収層製造方法としては、蒸着法とセレン化法が知られている。蒸着法で製造された太陽電池は高変換効率の利点はあるが、低成膜速度、高コスト、低生産性の欠点があり、セレン化法の方が産業的大量生産には適している。
【0003】
セレン化法の概要プロセスは以下の通りである。まず、ソーダライムガラス基板上にモリブデン電極層を形成し、その上にCu−Ga層とIn層をスパッタ成膜後、水素化セレンガス中の高温処理により、CIGS層を形成する。このセレン化法によるCIGS層形成プロセス中のCu−Ga層のスパッタ成膜時にCu−Gaターゲットが使用される。
【0004】
CIGS系太陽電池の変換効率には、各種の製造条件や構成材料の特性等が影響を与えるが、CIGS膜の特性も大きな影響を与える。
Cu−Gaターゲットの製造方法としては、溶解法と粉末法がある。一般的には、溶解法で製造されたCu−Gaターゲットは、不純物汚染が比較的少ないとされているが、欠点も多い。例えば、冷却速度を大きくできないので組成偏析が大きく、スパッタ法によって作製される膜の組成が、次第に変化してきてしまう。
【0005】
また、溶湯冷却時の最終段階で引け巣が発生し易く、引け巣周辺部分は特性も悪く、所定形状への加工の都合等から使用できないため歩留まりが悪い。
溶解法によるCu−Gaターゲットに関する先行文献(特許文献1)には、組成偏析が観察されなかった旨の記載はあるが、分析結果等は一切示されていない。
また、実施例ではGa濃度30重量%の結果しかなく、これ以下のGa低濃度領域での組織や偏析などの特性に関する記述は全くない。
【0006】
一方、粉末法で作製されたターゲットは、一般的には焼結密度が低く、不純物濃度が高い等の問題があった。Cu−Gaターゲットに関する特許文献2では、焼結体ターゲットが記載されているが、これはターゲットを切削する際に割れや欠損が発生し易いという脆性に関する従来技術の説明があり、これを解決しようとして、二種類の粉末を製造し、これを混合して焼結したとしている。そして、二種類の粉末の、一方はGa含有量を高くした粉末で、他方はGa含有量を少なくした粉末であり、粒界相で包囲した二相共存組織にするというものである。
【0007】
この工程は、二種類の粉末を製造するものであるから、工程が複雑であり、また金属粉末は酸素濃度が高くなり焼結体の相対密度向上は期待できない。
密度が低く、酸素濃度の高いターゲットは、当然ながら異常放電やパーティクル発生があり、スパッタ膜表面にパーティクル等の異形物があると、その後のCIGS膜特性にも悪影響を与え、最終的にはCIGS太陽電池の変換効率の大きな低下を招く虞が多分にある。
【0008】
粉末法によって作製されるCu−Gaスパッタリングターゲットの大きな問題は、工程が複雑で、作製した焼結体の品質が必ずしも良好ではなく、生産コストが増大するという大きな不利がある点である。この点から溶解・鋳造法が望まれるのであるが、上記の通り、製造に問題あり、ターゲット自体の品質も向上できなかった。
【0009】
従来技術としては、例えば特許文献3がある。この場合は、高純度銅と微量のチタン0.04〜0.15重量%又は亜鉛0.014〜0.15wt%を添加した銅合金を連続鋳造により、これをターゲットに加工する技術が記載されている。
このような合金は添加元素の量が微量であるため、添加元素量の多い合金の製造に適用できるものではない。
【0010】
特許文献4には、同様に高純度銅をロッド状に鋳造欠陥が無いように連続鋳造し、これを圧延してスパッタリングターゲットに加工する技術が開示されている。これは、純金属での取り扱いであり、添加元素量の多い合金の製造に適用できるものではない。
【0011】
特許文献5には、アルミニウムにAg、Auなどの24個の元素から選択した材料を0.1〜3.0重量%を添加して連続鋳造し、単結晶化したスパッタリングターゲットを製造することが記載されている。これも同様に、合金は添加元素の量が微量であるため、添加元素量の多い合金の製造に適用できるものではない。
【0012】
上記特許文献3〜5については、連続鋳造法を用いて製造する例を示しているがいずれも純金属または、微量元素添加合金の材料に添加されたもので、添加元素量が多く金属間化合物の偏析が生じ易いCu−Ga合金ターゲットの製造に存在する問題を解決できる開示ではないと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−73163号公報
【特許文献2】特開2008−138232号公報
【特許文献3】特開平5−311424号公報
【特許文献4】特開2005−330591号公報
【特許文献5】特開平7−300667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
Gaを15%以上含むCu−Ga合金では金属間化合物の偏析が生じ易く、通常の溶解法では偏析を細かく均一に分散させる事が難しい。一方、鋳造組織のスパッタリングターゲットは、焼結体ターゲットに比べて酸素等のガス成分を減少できるというメリットがある。この鋳造組織を持つスパッタリングターゲットを一定の冷却速度以上の凝固条件で連続的に固化させることにより、酸素を低減させ、かつ偏析相を分散させた良質な鋳造組織のターゲットを得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題の解決のため、本発明者らは鋭意研究を行った結果、成分組成を調整し、かつ連続鋳造法により、酸素を低減させ、かつ多数の樹枝状晶を分散させた良質な鋳造組織のCuGa合金スパッタリングターゲットが得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
上記の知見から、本発明は、次の発明を提供する。
1)Gaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなる溶解・鋳造した板状のCu−Ga合金スパッタリングターゲットであって、CuにGaが固溶したα相又はα相とζ相との混相からなる組織を有し、該α相又はα相とζ相との混相からなる組織にデンドライト組織が分散しており、該デンドライト組織(樹枝状晶)は、一次アームと該一次アームから側方に成長した二次アームからなり、二次アームの平均の長さが30〜60μm、二次アームの平均の幅が10〜30μm、該二次アーム間の平均の間隔が20〜80μmであることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【0017】
2)一次アームの最大径が5〜30μmであることを特徴とする上記1)記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
3)デンドライト組織の二次アーム間に、デンドライト組織よりもGa濃度が濃い(Gaリッチ)相を有することを特徴とする上記1)又は2)記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
4)デンドライト組織よりもGa濃度が濃い相が、α相又はζ相であることを特徴とする上記3)記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
5)酸素含有量が20wtppm以下であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
【0018】
6)ターゲット原料をグラファイト製坩堝内で溶解し、この溶湯を、水冷プローブを備えた鋳型に注湯して連続的にCu−Ga合金からなる板状の鋳造体を製造し、これをさらに機械加工して板状のCu−Ga合金ターゲットを製造する方法であって、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を300〜1000°C/minに制御することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【0019】
7)ターゲット原料をグラファイト製坩堝内で溶解し、この溶湯を、水冷プローブを備えた鋳型に注湯して連続的にCu−Ga合金からなる板状の鋳造体を製造し、これをさらに機械加工して板状のCu−Ga合金ターゲットを製造する方法であって、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を300〜1000°C/minに制御することにより、上記1)〜6)のいずれか一項に記載するターゲットを製造することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【0020】
8)引抜き速度を50mm/min〜150mm/minとして製造することを特徴とする上記6)記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
9)横型連続鋳造法を用いて製造することを特徴とする上記6)又は7)記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【0021】
10)前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を300〜1000°C/minに制御することにより、鋳造時に形成されるα相又はα相とζ相との混相の量及び濃度を調製することを特徴とする上記6)〜9)のいずれか一項に記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、焼結体ターゲットに比べて酸素等のガス成分を減少できるという大きな利点があり、この鋳造組織を持つスパッタリングターゲットを一定の冷却速度以上の凝固条件で連続的に固化させることにより、酸素を低減させ、かつ樹枝状晶を分散させた良質な鋳造組織のターゲットを得ることができるという効果を有する。
このように酸素が少なく、偏析が分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることが可能であり、かつCu−Ga合金ターゲットの製造コストを大きく低減できる効果を有する。このようなスパッタ膜から光吸収層及びCIGS系太陽電池を製造することができるので、CIGS太陽電池の変換効率の低下が抑制されるとともに、低コストのCIGS系太陽電池を作製することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】デンドライト組織の概念説明図である。
図2】実施例1、2、3、4及び比較例1、2のターゲット研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を示す図である。
図3】実施例2(上図)と実施例4(下図)のターゲット研磨面を、FE−EPMAの面分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Gaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなる溶解・鋳造した板状のCu−Ga合金スパッタリングターゲットである。
一般に、焼結品は相対密度を95%以上にすることが目標である。相対密度が低いと、スパッタ中の内部空孔の表出時に空孔周辺を起点とするスプラッシュや異常放電による膜へのパーティクル発生や表面凹凸化の進展が早期に進行して、表面突起(ノジュール)を起点とする異常放電等が起き易くなるからである。鋳造品は、ほぼ相対密度100%を達成することができ、この結果、スパッタリングの差異のパーティクルの発生を抑制できる効果を有する。これは鋳造品の大きな利点の一つと言える。
【0025】
Gaの含有量は、CIGS系太陽電池を製造する際に必要とされるCu−Ga合金スパッタ膜形成の要請から必要とされるものであるが、本発明Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Gaが15at%以上22at%以下、残部がCu及び不可避的不純物からなる溶解・鋳造した板状のCu−Ga合金スパッタリングターゲットである。
【0026】
そして、溶解・鋳造した板状のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、CuにGaが固溶したα相又はα相とζ相との混相からなる組織を有する。さらに、この組織にデンドライト(樹枝状晶)組織が分散しており、該デンドライト組織は、一次アームと該一次アームから側方に成長した二次アームからなる。二次アームの平均の長さが30〜60μm、二次アームの平均の幅が10〜30μm、該二次アーム間の平均の間隔が20〜80μmである。
【0027】
デンドライト組織の概念説明図を図1に示す。図1に示すように、中心に一次アームがあり、その側方に二次アームが成長する。二次アームの長さは、一次アームの側壁から先端までの長さを意味し、二次アームの幅は、図1に示すようなアームの幅を意味する。二次アームの間隔は、二次アームの中心軸間の間隔を意味する。
【0028】
このように、均一に分散したデンドライト組織(樹枝状晶)は、膜の形成に極めて有効である。デンドライト組織は、冷却速度により影響を受け、冷却速度が速いと、微細なデンドライト組織(樹枝状晶)が急速に成長する。Gaは融点を下げる元素なので、最初にできるデンドライト組織には、Ga含有量は少ない。すなわち、Ga含有量は少ないデンドライト組織が形成される。その後、デンドライト組織の二次アーム間には、デンドライト組織よりもGa濃度が濃い(Gaリッチ)相が形成される。
【0029】
このGa濃度が濃い(Gaリッチ)相は、偏析相ということできるが、前記デンドライト組織(樹枝状晶)が細かく分散するために、デンドライト組織間に形成されるGa濃度が濃い(Gaリッチ)相も同様に細かく分散する結果となる。これは、本願発明の大きな特徴の一つである。スパッタリングターゲットの全体的な組織を観察すると、大きな偏析がなく、均一な組織であることが分かる。
【0030】
さらに、本願発明のデンドライト組織の特徴の一つとして、一次アームの最大径が5〜30μmである。これも同様に、デンドライト組織(樹枝状晶)が細かく分散している形態の特徴を意味する。
前記デンドライト組織よりもGa濃度が濃い相は、固溶体であるα相又はζ相であることを特徴とする。本願発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、総合的に酸素含有量が少なく、20wtppm以下のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供することができる。
【0031】
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、ターゲット原料をグラファイト製坩堝内で溶解し、この溶湯を、水冷プローブを備えた鋳型に注湯して連続的にCu−Ga合金からなる板状の鋳造体を製造し、これをさらに機械加工して板状のCu−Ga合金ターゲットを製造するのであるが、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を300〜1000°C/minに制御するのが良い。これによって、上記のターゲットを製造することができる。
【0032】
さらに、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造の効率かつ有効な手段として、引抜き速度を50mm/min〜150mm/minとするのが望ましい。また、このような連続の鋳造方法は、横型連続鋳造法を用いて製造すること有効である。
このようにして、前記鋳造体の融点から300°Cに至るまでの凝固速度を300〜1000°C/minに制御することにより、鋳造時に形成されるα相又はα相とζ相との混相の量及び濃度を、容易に調製することが可能となる。
【0033】
上記の通り、本願発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、酸素含有量を20wtppm以下とすることが可能であるが、これはCu−Ga合金溶湯の脱ガスと鋳造段階における大気混入防止策(例えば、鋳型、耐火材とのシール材の選択及びこのシール部分におけるアルゴンガス又は窒素ガスの導入)を採ることにより達成できる。
これは、上記と同様に、CIGS系太陽電池の特性を向上させるための、好ましい要件である。また、これにより、スパッタリング時のパーティクルの発生を抑制することが可能であり、スパッタ膜中の酸素を低減でき、また内部酸化による酸化物又は亜酸化物の形成を抑制できる効果を有する。
【0034】
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造に際しては、鋳型から引き出された鋳造体の断面の幅を、50mm〜320mmであり、厚さを5mm〜30mmである鋳造体を製造し、機械加工及び表面研磨してターゲットに仕上げることができ、この製造条件は、任意ではあるが、好ましい条件と言える。
【0035】
Cu−Ga系合金膜からなる光吸収層及びCIGS系太陽電池の作製において、組成のずれは、光吸収層及びCIGS系太陽電池の特性を大きく変化させるが、本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した場合には、このような組成ずれは全く観察されない。これは焼結品に比べ、鋳造品の大きな利点の一つである。
【実施例】
【0036】
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、明細書全体から把握できる発明及び実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
【0037】
(実施例1)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が15at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0038】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を50mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、350°C/minの冷却速度となった。
【0039】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満となり、微細なデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は37μmとなり、二次デンドライトの長さは38μmで、幅は24μmとなった。
なお、デンドライトの二次アームの間隔と寸法は、ランダムに選んだ5本のデンドライトから、それぞれ5点計測した平均値である。したがって、デンドライト本数5×計測に選択した二次アーム数=25個の平均値となる。以下、同様である。
二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察された。これは二次デンドライトアーム間に挟まれた構造となるため、デンドライト組織が微細となって形成されているため、この偏析相(異相)も均一に分散していた。
【0040】
この結果を表1に示す。次に、この鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。この結果、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を得ることができた。このように酸素量が少なく、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができた。
【0041】
【表1】
【0042】
(実施例2)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が15at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0043】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を90mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、650°C/minの冷却速度となった。
【0044】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満であった。鋳造組織に一次デンドライトアームと二次デンドライトアームからなる微細なデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は28μmとなり、二次デンドライトの長さは33μmで、幅は19μmとなった。
二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察された。これは二次デンドライトアーム間に挟まれた構造となるため、デンドライト組織が微細となって形成されているため、この偏析相(異相)も均一に分散していた。
【0045】
この結果を表1に示す。次にこの鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。また、FE−EPMAの面分析結果を図3の上図に示す。この図に示すように、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を得ることができた。
このように酸素量が少なく、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができた。
【0046】
(実施例3)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が20at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0047】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を50mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、350°C/minの冷却速度となった。
【0048】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満となり、微細なデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は48μmとなり、二次デンドライトの長さは45μmで、幅は25μmとなった。
二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察された。これは二次デンドライトアーム間に挟まれた構造となるため、デンドライト組織が微細となって形成されているため、この偏析相(異相)も均一に分散していた。
【0049】
この結果を表1に示す。次にこの鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。この結果、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を得ることができた。このように酸素量が少なく、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができた。
【0050】
(実施例4)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が20at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0051】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を90mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、650°C/minの冷却速度となった。
【0052】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満となり、微細なデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は32μmとなり、二次デンドライトの長さは35μmで、幅は21μmとなった。
二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察された。これは二次デンドライトアーム間に挟まれた構造となるため、デンドライト組織が微細となって形成されているため、この偏析相(異相)も均一に分散していた。
【0053】
この結果を表1に示す。次にこの鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。また、FE−EPMAの面分析結果を図3の上図に示す。この図に示すように、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を得ることができた。
このように酸素量が少なく、Ga相(偏析相)が均一に分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができた。
【0054】
(比較例1)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が15at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0055】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を30mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、200°C/minの冷却速度となった。
【0056】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満となり、粗大化したデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は94μmとなり、二次デンドライトの長さは64μmで、幅は61μmとなった。二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察されたが、デンドライトが大きいため、偏析相(異相)も大きくなっていた。
【0057】
この結果を表1に示す。次にこの鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。このように酸素量が少ないが、Ga相(偏析相)が粗大化した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットとなった。このターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が増加し、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができなかった。
【0058】
(比較例2)
まず、銅(Cu:純度4N)原料20kgをカーボン製坩堝に入れ、坩堝内を窒素ガス雰囲気にし、1250°Cまで加熱した。この高温の加熱は、ダミーバーとCu−Ga合金溶湯を溶着させるためである。
次に、添加元素であるGa(純度:4N)をGa濃度が20at%の組成比となるように調整して、加熱坩堝に導入した。坩堝の加熱には、抵抗加熱装置(グラファイトエレメント)を使用した。溶解坩堝の形状は、140mmφ×400mmφであり、鋳型の材質はグラファイト製で、鋳造塊の形状は、65mmw×12mmtの板とし、連続鋳造した。
【0059】
原料が溶解した後、溶湯温度を1080°Cになるまで下げ、溶湯温度と鋳型温度が安定した時点で、引抜きを開始する。鋳型の前端には、ダミーバーが挿入されているので、このダミーバーを引出すことにより、凝固した鋳片引出される。
引抜きパターンは、0.5秒駆動、2.5秒停止の繰り返しで行い、周波数を変化させ、引抜き速度を30mm/minとした。引抜き速度(mm/min)と冷却速度(°C/min)は比例関係にあり、引抜き速度(mm/min)を上げると冷却速度も上昇する。この結果、200°C/minの冷却速度となった。
【0060】
得られた鋳造片は、CuにGaが固溶(α相)した組織を有し、酸素濃度は10wtppm未満となり、粗大なデンドライト組織が形成された。二次デンドライトアーム間隔は98μmとなり、二次デンドライトの長さは62μmで、幅は65μmとなった。
二次デンドライトアーム間には、Ga濃度が高い相(偏析相、異相)が観察されたが、デンドライトが大きいため、偏析相(異相)も大きくなっていた。
【0061】
この結果を表1に示す。次にこの鋳造片をターゲット形状に機械加工し、さらに研磨し、該研磨面を、塩化第二鉄を含む塩酸溶液でエッチングした表面の顕微鏡写真を図2に示す。このように酸素量が少ないが、Ga相(偏析相)が粗大化した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットとなった。このターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が増加し、均質なCu−Ga系合金膜を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、焼結体ターゲットに比べて酸素等のガス成分を減少できるという大きな利点があり、この鋳造組織を持つスパッタリングターゲットを一定の冷却速度以上の凝固条件で連続的に固化させることにより、酸素を低減させ、かつ多数の微細な樹枝状晶を形成させた良質な鋳造組織のターゲットを得ることができるという効果を有する。
このように酸素が少なく、多数の微細な樹枝状晶が分散した鋳造組織を持つCu−Ga合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生が少なく、均質なCu−Ga系合金膜を得ることが可能であり、かつCu−Ga合金ターゲットの製造コストを大きく低減できる効果を有する。
このようなスパッタ膜から光吸収層及びCIGS系太陽電池を製造することができるので、CIGS太陽電池の変換効率の低下が抑制されるとともに、低コストのCIGS系太陽電池を作製することができるという優れた効果を有する。このようなスパッタ膜から光吸収層及びCIGS系太陽電池を製造することができるので、CIGS太陽電池の変換効率低下抑制のための太陽電池に有用である。
図1
図2
図3