特許第5753516号(P5753516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753516
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】基板撮像装置及び基板撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20150702BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   H01L21/68 N
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-120539(P2012-120539)
(22)【出願日】2012年5月28日
(65)【公開番号】特開2013-137292(P2013-137292A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年6月11日
(31)【優先権主張番号】特願2011-259433(P2011-259433)
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】古閑 法久
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−133797(JP,A)
【文献】 特開2004−140058(JP,A)
【文献】 特開2004−069580(JP,A)
【文献】 特開2007−303829(JP,A)
【文献】 特開2000−162142(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0231711(US,A1)
【文献】 特開平08−125004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
H01L 21/67−683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の検査をするために前記基板を撮像する基板撮像装置であって、
前記基板の裏面を支持する複数の支持部材を有する基板支持部と、
前記基板支持部により前記基板の裏面を支持した状態で前記基板の裏面を連続的に撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像領域に前記基板支持部の支持部材が位置する場合に、前記支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させる移動手段と、を有し、
前記基板支持部は、第1の支持部材と第2の支持部材とを含み、
前記撮像手段は、前記基板の裏面と該撮像手段との相対的な位置関係を一方向に変化させながら、
前記第1の支持部材が前記撮像領域に位置する場合には、前記第2の支持部材で前記基板の裏面を支持すると共に、前記移動手段により前記第1の支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させ、
前記第2の支持部材が前記撮像領域に位置する場合には、前記第1の支持部材で前記基板の裏面を支持すると共に、前記移動手段により前記第2の支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させることにより、
前記基板の裏面の全域を撮像することを特徴とする基板撮像装置。
【請求項2】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記基板を載置することができる3つの基板支持片を夫々含むことを特徴とする請求項に記載の基板撮像装置。
【請求項3】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記裏面をベルヌーイの定理を用いて支持するベルヌーイチャックを夫々含むことを特徴とする請求項に記載の基板撮像装置。
【請求項4】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記裏面を吸着して支持する吸着手段を夫々含むことを特徴とする請求項に記載の基板撮像装置。
【請求項5】
前記第1の支持部材及び前記第1の支持部材は、前記基板を挟んで支持する挟持手段を夫々含むことを特徴とする、請求項に記載の基板撮像装置。
【請求項6】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記基板の1点又は2点以上を支持することを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の基板撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、前記基板の裏面と該撮像手段との相対的な位置関係を変化することができる走査部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の基板撮像装置。
【請求項8】
基板の裏面を支持する基板支持部の一の支持部材に前記基板を水平に支持させる基板支持工程と、
前記一の支持部材に支持される前記基板の裏面を撮像手段により連続的に撮像する第1の撮像工程と、
前記撮像手段の撮像領域に前記一の支持部材が位置する場合に、他の支持部材により前記基板の裏面を支持すると共に、前記一の支持部材を前記撮像領域の位置から退避させる第1の退避工程と、
前記他の支持部材に支持される前記基板の裏面を前記撮像手段により連続的に撮像する第2の撮像工程と、
前記撮像領域に前記他の支持部材が位置する場合に、前記一の支持部材により前記基板の裏面を支持すると共に、前記他の支持部材を前記撮像領域の位置から退避させる第2の退避工程と、
を含み、
前記基板の裏面と前記撮像手段との相対的な位置関係を一方向に変化させながら、前記第1の撮像工程及び前記第2の撮像工程により前記基板の裏面の全域を撮像する、
基板撮像方法。
【請求項9】
前記一の支持部材及び前記他の支持部材は、ベルヌーイの定理を用いて前記裏面を支持することを特徴とする請求項に記載の基板撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ及びフラットパネルディスプレイ用ガラス基板その他基板を保持して、該基板の裏面を撮像する基板撮像装置及び基板撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板を処理する場合には、処理する前の基板及び/又は処理した後の基板の表面を撮像することにより、基板の表面の不良を検出するものがある。基板の表面を撮像するときの基板を保持する方法としては、基板の裏面を保持する方法又は基板のエッジ部若しくはベベル部を保持する方法がある。
【0003】
特許文献1では、基板(試料)の欠陥検査を行うことを目的に、光照射角度及び撮像角度を変更可能とした表面検査部及び裏面検査部と基板を移動する移動手段とにより、基板の表面及び裏面に関する画像データを取得することができる技術を開示している。
【0004】
特許文献2では、基板(ウエハ)の目視検査を行うことを目的に、基板外周部が嵌り込む溝が形成された複数のローラを有するウエハホルダに基板を嵌め込むことにより、基板を回転移動して、基板の表面及び裏面の検査をすることができる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−203280号公報
【特許文献2】特開平8−125004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板を処理する工程においては、基板の表面の清浄度及びキズの有無等を検査し、不良の場合にはその基板を再度洗浄又は廃棄するといった処置がとられている。近年、基板の大口径化、処理の微細化及び高精度化が進み、基板の裏面の清浄度及びキズ等も基板の品質を確保する上で重要になっている。しかしながら、基板の表面及び裏面を検査するために、基板の裏面を支持することにより基板を保持する場合では、基板を支持する部材により、基板の裏面の一部を検査することができない場合があった。
【0007】
特許文献1に開示されている技術では、八角形の環状のフレームにより基板の周縁部を保持するため、そのフレームが基板のエッジ部又はベベル部に接触する。このため、エッジ部若しくはベベル部の破損又はエッジ部若しくはベベル部による汚染物(パーティクル、レジスト剥離物、レジスト残存物、その他不要物)の生成という問題が発生する場合があった。特に、基板のベベル部には、汚染物が付着している場合があり、基板を支持する部材が基板のベベル部に接触すると、その汚染物が基板の表面又は裏面に転移するという問題が発生する場合があった。
【0008】
また、特許文献2に開示されている技術でも、ウエハホルダの複数のローラを基板外周に嵌め込むため、上記と同様の問題が発生する場合があった。
【0009】
本発明は、このような事情の下に為され、基板の裏面の一部を保持して基板の裏面を検査する場合に、基板の裏面の全域を撮像することができる基板撮像装置及び基板撮像方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の態様によれば、基板の検査をするために前記基板を撮像する基板撮像装置であって、前記基板の裏面を支持する複数の支持部材を有する基板支持部と、前記基板支持部により前記基板の裏面を支持した状態で前記基板の裏面を連続的に撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像領域に前記基板支持部の支持部材が位置する場合に、前記支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させる移動手段と、を有し、前記基板支持部は、第1の支持部材と第2の支持部材とを含み、前記撮像手段は、前記基板の裏面と該撮像手段との相対的な位置関係を一方向に変化させながら、前記第1の支持部材が前記撮像領域に位置する場合には、前記第2の支持部材で前記基板の裏面を支持すると共に、前記移動手段により前記第1の支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させ、前記第2の支持部材が前記撮像領域に位置する場合には、前記第1の支持部材で前記基板の裏面を支持すると共に、前記移動手段により前記第2の支持部材を前記撮像領域の範囲外に移動させることにより、前記基板の裏面の全域を撮像することを特徴とする基板撮像装置が提供される
【0012】
本発明のその他の態様によれば、基板の裏面を支持する基板支持部の一の支持部材に前記基板を水平に支持させる基板支持工程と、前記一の支持部材に支持される前記基板の裏面を撮像手段により連続的に撮像する第1の撮像工程と、前記撮像手段の撮像領域に前記一の支持部材が位置する場合に、他の支持部材により前記基板の裏面を支持すると共に、前記一の支持部材を前記撮像領域の位置から退避させる第1の退避工程と、前記他の支持部材に支持される前記基板の裏面を前記撮像手段により連続的に撮像する第2の撮像工程と、前記撮像領域に前記他の支持部材が位置する場合に、前記一の支持部材により前記基板の裏面を支持すると共に、前記他の支持部材を前記撮像領域の位置から退避させる第2の退避工程と、を含み、前記基板の裏面と前記撮像手段との相対的な位置関係を一方向に変化させながら、前記第1の撮像工程及び前記第2の撮像工程により前記基板の裏面の全域を撮像する、基板撮像方法が提供される
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板の裏面の一部を支持して基板の裏面を検査する場合に、基板の裏面の全域を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る基板撮像装置の概略構成図である。
図2】本実施形態の基板支持片の要部を説明する説明図である。
図3】本実施形態の基板支持片の支持点を説明する拡大図である。
図4】本発明の実施例1に係る基板撮像装置について、第1の支持部材と第2の支持部材とにより、基板を支持する状態を説明する説明図である。
図5】実施例1について、基板の裏面を撮像する動作を説明する説明図である。
図6】実施例1の変形例1の基板支持片の概略構成図である。
図7】実施例1の変形例2の基板支持片の概略構成図である。
図8】実施例1の変形例3の基板支持片の概略構成図である。
図9】本発明の実施例2に係る基板撮像装置の支持部材の概略構成図である。
図10】実施例2について、基板の裏面を撮像する動作を説明する説明図である。
図11】支持部材のその他の例を説明する概略斜視図である。
図12】その他の例の支持部材について、基板を載置された状態を説明する説明図である。
図13】その他の例の支持部材について、基板の裏面を撮像する動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的とせず、したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
【0017】
(基板撮像装置の構成)
本発明の実施形態に係る基板撮像装置の構成を、図1図3を用いて説明する。
【0018】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態に係る基板撮像装置100の基板支持部10の第1の支持部材11(図中の11a、11b及び11c)により基板Wを支持したときの概略側面図及び概略平面図である。図1(c)及び図1(d)は、第2の支持部材12(図中の12a、12b及び12c)により基板Wを支持したときの概略側面図及び概略平面図である。
【0019】
図2(a)及び図2(b)は基板Wを支持した基板支持片11aの概略平面図及び概略側面図である。図2(c)は基板Wを支持する状態を解除した基板支持片11aの概略側面図である。
【0020】
図3は、基板Wを支持した基板支持片11aの支持点11asを説明する拡大図である。
【0021】
本実施形態に係る基板撮像装置100は、基板Wの検査を開始するときに、基板Wを水平に保持し、基板Wの裏面を撮像する装置である。基板撮像装置100は、基板Wの裏面を支持する基板支持部10(図1)と、基板支持部10を基板Wに接近及び離間させることができる移動手段20(図2)と、基板Wの裏面を撮像する撮像手段30とを有する。基板撮像装置100は、基板支持部10及び移動手段20により支持された基板Wの裏面を、撮像手段30により撮像して、検査等に用いる画像データを取得することができる。
【0022】
基板支持部10は、基板Wの裏面の一部に接触することにより基板Wを支持する。基板支持部10は、本実施形態では、基板Wの検査を開始するときに基板Wの裏面の一部と接触して基板Wを支持する一の支持部材と、基板Wの検査の動作中のときで基板Wの裏面の一部と接触している一の支持部材を移動手段20(後述)により移動する場合に、基板Wの裏面の他の一部を支持する他の支持部材とを有する。基板支持部10は、一の支持部材及び/又は他の支持部材により、基板を支持することができる。
【0023】
基板支持部10は、本実施形態では、一の支持部材及び他の支持部材として、第1の支持部材及び第2の支持部材を備える。ここで、第1の支持部材は、本実施形態では、3つの基板支持片11a、11b及び11c(図1(a)及び(b))を有する。また、第2の支持部材は、本実施形態では、3つの基板支持片12a、12b及び12c(図1(c)及び(d))を有する。基板支持部10は、3つの基板支持片11a等及び/又は3つの基板支持片12a等に基板を載置することにより、基板を支持することができる(図1(a)〜(d))。なお、一の支持部材及び他の支持部材は、4つ以上の基板支持片を備えてもよい。
【0024】
基板支持部10の第1の支持部材の基板支持片11aを、図2及び図3を用いて具体的に説明する。
【0025】
図2(a)及び(b)に示すように、基板支持片11aは略角柱の外形を有する。基板支持片11aは、その一端を後述する移動手段20(21ra)に連結し、その他端を自由端とする。また、基板支持片11aは、その他端の基板Wの裏面と対向する表面(基板Wの裏面と接する位置)に基板Wを支持するときに基板Wの裏面と接触する支持点11asを備える。すなわち、基板支持片11aは、支持点11asで基板Wの裏面と点接触し、基板Wを支持することができる(図3)。
【0026】
ここで、支持点11asと点接触する基板Wの裏面の位置は、基板を処理する装置(以下、基板処理装置という。)が基板Wを処理する表面の位置(基板の外縁部を除く位置)以外の位置とすることができる。また、支持点11asと点接触する基板Wの裏面の位置は、基板処理装置又は基板撮像装置(基板支持部)の形状に対応した位置とすることができる。更に、支持点11asと点接触する基板Wの裏面の位置は、基板Wの外縁から中心部に向かう半径方向において基板Wの外縁から2.3mm以内の位置としてもよい。
【0027】
基板支持部10の第1の支持部材の他の基板支持片(11b及び11c)及び第2の支持部材の3つの基板支持片(12a、12b及び12c)の構成は、第1の支持部材の基板支持片11aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0028】
移動手段20は、基板支持部10(支持部材等)を基板Wに接近及び離間させる手段である。移動手段20は、本実施形態では、各基板支持片に対応して、駆動部及び回転軸部を夫々備える。図2を用いて、移動手段20の駆動部及び回転軸部を説明する。
【0029】
図2(a)及び(b)に示すように、移動手段20の回転軸部21raは、基板支持片11aの一端と固定されている。また、移動手段20の駆動部21Maは、図示しない固定手段によって、基板撮像装置100の筐体に固定されている。ここで、移動手段20の駆動部21Maは、回転軸部21raをその軸を中心に回転させることができる。すなわち、移動手段20は、基板Wを載置する基板支持片11aに連結した駆動部21Maの駆動により、基板Wの支持又はその解除をすることができる。
【0030】
具体的には、基板撮像装置100は、図2(b)に示すように、移動手段20の駆動部21Maの駆動により回転軸部21raを回転し、回転軸部21raの回転により基板支持片11aを基板支持片11aの長手方向が略水平になるように保持することができる。このとき、基板撮像装置100は、基板支持片11aの他端の支持点11asと基板Wの裏面とを点接触して、基板Wを基板支持片11aに載置することができる。これにより、基板撮像装置100は、基板Wを保持することができる。
【0031】
また、基板撮像装置100は、図2(c)に示すように、移動手段20の駆動部21Maの駆動により回転軸部21raを回転し、回転軸部21raの回転により基板支持片11aを基板支持片11aの長手方向が略垂直になるように保持することができる。このとき、移動手段20は、基板支持片11aを基板Wの裏面で後述する撮像手段30が撮像する領域(以下、撮像領域という。)の範囲外(基板Wから所定の距離を離間した位置)に移動させる。これにより、基板撮像装置100は、他端の支持点11asと基板Wの裏面とを離間し、基板Wを保持することを解除することができる。
【0032】
ここで、所定の距離とは、基板の大きさ及び基板支持片の形状並びに基板の裏面を検査する方法などに対応する距離とすることができる。また、所定の距離を、実験及び数値計算等により予め定められる距離とすることができる。
【0033】
撮像手段30は、基板支持部10により支持された基板Wの裏面を撮像する撮像部31と、基板支持部10と撮像部31との相対的な位置関係を変化することができる走査部32とを有する。撮像手段30は、走査部32により基板Wの裏面の撮像領域を順次変化させながら、撮像部31により基板Wの裏面を撮像する。なお、撮像部31は、図示しない制御手段又は演算手段により、撮像カメラが順次取得した画像データを加工することにより、基板の裏面の全域の画像を合成することができる。
【0034】
撮像部31は、図1に示すように、本実施形態では、基板Wの裏面の画像データを取得する撮像カメラ31Cと、基板Wの裏面の撮像領域に光束を照射する光源31La、31Lbと、基板Wの裏面で反射した光源31La等の光束の反射光を撮像カメラ31Cの撮像素子等に入射するミラー31Mとを有する。
【0035】
走査部32は、本実施形態では、撮像カメラ31C等を載置する走査台32Sと、走査台32Sを任意の方向に移動することができる基台32Bとを有する。走査部32は、基台32B上で走査台32Sを移動することにより、基板支持部10で支持された基板Wと撮像カメラ31Cとの相対的な位置関係を変化させることができる。これにより、撮像カメラ31Cは、基板Wの裏面の撮像領域を順次変化させながら、基板Wの裏面を撮像することができる。
【0036】
具体的には、図1(a)及び(b)に示すように、基板撮像装置110は、第1の支持部材の3つの基板支持片11a等により基板Wを支持し、3つの基板支持片11a等で支持していない基板Wの裏面の撮像領域を、撮像カメラ31Cにより撮像することができる。また、図1(c)及び(d)に示すように、基板撮像装置110は、第2の支持部材の3つの基板支持片12a等により基板Wを支持することによって、上記基板支持片11a等で支持する場合に撮像しない撮像領域を、撮像カメラ31Cにより撮像することができる。
【0037】
なお、撮像手段30は、基板Wを回転させることで、撮像部31により基板Wの裏面の全域を撮像してもよい。また、撮像手段30は、走査部32により撮像部31を回転移動することで、撮像部31により基板Wの裏面の全域を撮像してもよい。
【0038】
基板撮像装置の支持部材のその他の例を、図11図13を用いて説明する。
【0039】
図11に示すように、その他の例の支持部材は、基板Wを支持する第1の部材部36aと第2の部材部36bとを有する。
【0040】
第1の部材部36aは、基板を3点で支持する3つの片持ち部を有する。また、3つの片持ち部は、基板の裏面と対向する表面(基板の裏面と接する位置)に基板の裏面と接触する支持点(例えば36as)を夫々備える。更に、3つの片持ち部は、基板のずれ(移動)を防止する凸部(例えば36at)を夫々備える。
【0041】
第2の部材部36bの構成は、第1の部材部36aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0042】
なお、その他の例の支持部材は、2点又は4点以上で基板を支持する2つ又は4つ以上の片持ち部を有する構成であってもよい。
【0043】
図12に、基板を載置されたその他の例の支持部材を示す。
【0044】
図12(a)に示すように、その他の例の支持部材は、第1の部材部36a及び第2の部材部36bを用いて、基板Wの周縁部を支持する。
【0045】
その他の例の支持部材は、第1の部材部36a及び第2の部材部36bを用いて、例えば載置台36Suから10mm離間した位置で基板Wを支持することができる。また、支持部材は、第1の部材部36a等を用いて、基板Wの対向する周縁部を夫々支持することができる。更に、支持部材は、第1の部材部36a等を用いて、基板Wを水平に支持することができる。
【0046】
具体的には、その他の例の支持部材は、支持点(例えば図12(b)の36as)を基板Wの裏面と接触させ、基板Wを支持する。ここで、支持点は、2つの凸部を有する断面形状(例えば図12(c)の36as)の部材を用いることができる。支持部材は、支持点の凸部(例えば凸部の頂点又は稜線)を用いて、基板Wの裏面を支持することができる。すなわち、支持部材は、支持点と基板Wの裏面とを線接触させ、基板Wを支持することができる。
【0047】
なお、その他の例の支持部材は、支持点を用いて、基板Wの基板処理する表面以外の位置を支持することができる。また、支持部材は、支持点を用いて、基板Wの裏面の周縁部から基板の中心方向に例えば3mm以内の位置を支持してもよい。
【0048】
また、支持部材は、直径5mm、高さ1mmの円柱形状の支持点を備えてもよい。ここで、支持点は、ゴム(例えばパーフルオロエラストマー(パーフロ))などの樹脂又はその他の基板の裏面より剛性が低い材料を用いることができる。
【0049】
更に、支持部材は、直径3mm、高さ5mmの円柱形状の(ずれを防止する)凸部を備えてもよい。ここで、凸部は、ゴムなどの樹脂又はその他の基板より剛性が低い材料を用いることができる。
【0050】
図13に、その他の例の支持部材に載置された基板の裏面を撮像する動作を示す。ここで、撮像カメラ36C、ミラー36Ma、36Mb及び光源(例えばLED)36La、36Lbは、本例では、基台36Bに固定されている。すなわち、基板Wは、第1の部材部36a等を移動されることによって、その裏面の全域を順次撮像される。
【0051】
なお、第1の部材部36a等(走査台36Sb)は、本例では、基台36Bに長手方向に配置された走査機構(直動ガイド及びボールネジ等)36Smを用いて、基台36Bの長手方向に移動される。また、載置台36Suは、基板Wの裏面を撮像できるように、基板Wの円形表面よりも大きい面積の開口を有する(図12(a))。
【0052】
図13(a)に示すように、基板撮像装置(撮像カメラ36C)は、先ず、図示しない搬送ロボットなどにより受け渡された基板Wを第1の部材部36a等で保持している位置(以下、「ホーム位置」という。)から、撮像する動作を開始する。具体的には、基板撮像装置は、走査台36Sbを用いて、第1の部材部36a等を基板Wの半径方向に移動させる(図中のMa)。このとき、撮像カメラ31Cは、基板Wの裏面の撮像領域を変化させながら(図13(b))、順次基板Wの裏面を撮像する。
【0053】
次に、図13(c)に示すように、基板撮像装置は、第1の部材部36a等の移動を停止する。このとき、撮像カメラ36Cは、基板Wの裏面の撮像を終了する。
【0054】
その後、図13(d)に示すように、基板撮像装置は、走査台36Sbの位置をホーム位置に移動する(戻す)。以上により、基板撮像装置は、基板Wの裏面の撮像する動作を終了する。
【実施例】
【0055】
実施形態の基板撮像装置100を含む基板撮像装置の実施例を用いて、本発明を説明する。本発明は、基板撮像装置以外でも、半導体ウエハ及びフラットパネルディスプレイ用ガラス基板その他基板を保持する基板処理装置において、処理する前及び/又は処理した後の基板を保持し、その基板の裏面を撮像するものであれば、いずれのものにも用いることができる。なお、図面の中の記載で、同一又は対応する部材には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施例に照らし、当業者により決定することができる。
【0056】
(実施例1)
(基板撮像装置の構成)
図1に、本発明の実施例に係る基板撮像装置110の概略構成図を示す。
【0057】
図1に示すように、本実施例の基板撮像装置110は、基板Wの裏面を支持する基板支持部10と、基板支持部10を基板Wに接近及び離間させることができる移動手段20(図2(a))と、基板Wの裏面を撮像する撮像手段30とを有する。
【0058】
なお、以後の基板撮像装置110の構成の説明において、前述の実施形態の基板撮像装置100の構成と重複する説明は省略する。
【0059】
基板支持部10は、一の支持部材として、第1の支持部材である3つの基板支持片11a、11b及び11cを有する。また、基板支持部10は、他の支持部材として、第2の支持部材である3つの基板支持片12a、12b及び12cを有する。
【0060】
移動手段20は、各支持部材に対応して、回転駆動部、歯車部、ベルト部及び回転軸部を夫々備える。図4を用いて、本実施例の基板支持部10及び移動手段20を具体的に説明する。図4(a)は、本実施例に係る基板撮像装置110について、第1の支持部材(基板支持片11a等)及び第2の支持部材(基板支持片12a等)により、6点の点接触で基板Wを支持している状態を示す。図4(b)は、第1の支持部材の基板Wの支持を解除している状態(第2の支持部材のみで基板Wを支持)を示す。
【0061】
図4(a)に示すように、基板支持片11a等は、本実施例では、断面形状が略四角形であり、長手方向の一部が90度に屈曲した角柱を用いる。また、基板支持片11a等は、本実施例では、一端を後述する回転軸部21ra等に連結し、他端を基板Wを支持するための自由端とする。
【0062】
移動手段20は、第1の支持部材(一の支持部材)に対応して、駆動部21M、歯車部21ga及び21gb、ベルト部21b並びに回転軸部21ra及び21rbを有する。また、移動手段20は、第2の支持部材(他の支持部材)に対応して、駆動部22M、歯車部22ga及び22gb、ベルト部22b並びに回転軸部22ra及び22rbを有する。
【0063】
図4(b)に示すように、駆動部21Mは、回転軸部21rbを回転することができる(R11a)。このとき、回転軸部21rbは、回転軸部21rbに固定された第1の支持部材の基板支持片11b及び11cを回転軸部21rb軸を中心に回転移動させることができる。また、回転軸部21rbは、回転軸部21rbに固定された歯車部21gbを回転することにより(R11a)、歯車部21gaを回転し(R11b)、歯車部21gaに巻き付けられたベルト部21bを移動(旋回)させることができる。このとき、ベルト部21bの移動によって回転する回転軸部21raにより(R11c)、回転軸部21raに固定された第1の支持部材の基板支持片11aは回転軸部21raの軸を中心に回転移動する(R11c)。すなわち、移動手段20は、駆動部21Mの回転駆動により、第1の支持部材の3つの基板支持片11a等を同時に移動することができる。このとき、第1の支持部材の3つの基板支持片11a等は、基板Wの裏面と対向する表面(基板Wの裏面と接する表面)を略水平にすることで基板Wを支持し、その表面を略垂直にすることで基板Wを支持することを解除することができる。
【0064】
駆動部22Mによる第2の支持部材の3つの基板支持片12a、12b及び12cの構成は、上記駆動部21Mによる第1の支持部材の3つの基板支持片11a等の構成と同様のため、説明を省略する。
【0065】
(基板を撮像する動作)
本発明の実施例に係る基板撮像装置110が基板の裏面を撮像する基板撮像方法を、図5を用いて説明する。
【0066】
図5は、本実施例に係る基板撮像装置110が基板Wの裏面を撮像する動作を説明する説明図である。図5(a)は、第1の支持部材(基板支持片11a等)で支持した基板Wの裏面を撮像カメラ31Cにより撮像することを開始する状態を示す。図5(b)は、第2の支持部材(基板支持片12a等)で基板Wを支持するために撮像を一時中断した状態を示す。図5(c)は、第1の支持部材(11a等)と第2の支持部材(12a等)とにより基板Wを支持する状態を示す。図5(d)は、第2の支持部材(12a等)で基板Wを支持し、基板Wの裏面の撮像を再開した状態を示す。図5(e)は、第1の支持部材(11a等)で基板Wを支持するために撮像を一時中断した状態を示す。図5(f)は、第1の支持部材(11a等)と第2の支持部材(12a等)とにより基板Wを支持する状態を示す。図5(g)は、第1の支持部材(11a等)で基板Wを支持し、基板Wの裏面の撮像を再開した状態を示す。図5(h)は、基板Wの裏面の撮像を完了した状態を示す。
【0067】
先ず、図5(a)に示すように、基板撮像装置110は、基板Wの裏面を撮像する動作を開始するために、第1の支持部材(基板支持片11a等)で基板Wを保持している。このとき、基板撮像装置110は、走査台32Sを基板の半径方向に移動し(図中のMa)、撮像カメラ31Cにより、基板Wの裏面の撮像領域を変化させながら、順次基板Wの裏面を撮像する。
【0068】
次に、図5(b)に示すように、基板撮像装置110は、第2の支持部材(基板支持片12a等)で基板を支持するために、撮像領域が第1の支持部材の基板支持片11cを含むことになる直前の位置で、撮像カメラ31Cによる撮像を一時中断し、走査台32Sの移動を一時中断する。
【0069】
次いで、図5(c)に示すように、基板撮像装置110は、第2の支持部材(12a等)で基板を支持するために、第1の支持部材(11a等)と第2の支持部材(12a等)とにより基板Wを支持する。このとき、基板撮像装置110は、第2の支持部材(12a等)で基板Wを支持した後に、移動手段20により(図4(b))、第1の支持部材(11a等)が基板Wを支持することを解除する。
【0070】
次に、図5(d)に示すように、基板撮像装置110は、走査台32Sを基板の半径方向に移動し(図中のMd)、撮像カメラ31Cにより、第2の支持部材(12a等)で支持している基板Wの裏面の撮像を再開する。
【0071】
次いで、図5(e)に示すように、基板撮像装置110は、第1の支持部材(基板支持片11a等)で基板を支持するために、撮像領域が第2の支持部材の基板支持片12aを含むことになる直前の位置で、撮像カメラ31Cによる撮像を一時中断し、走査台32Sの移動を一時中断する。
【0072】
このとき、図5(f)に示すように、基板撮像装置110は、図5(c)と同様に、第1の支持部材(11a等)で基板Wを支持した後に、移動手段20により、第2の支持部材(12a等)が基板Wを支持することを解除する。
【0073】
次に、図5(g)に示すように、基板撮像装置110は、走査台32Sを基板の半径方向に移動し(図中のMg)、撮像カメラ31Cにより、第1の支持部材(11a等)で支持している基板Wの裏面の撮像を再開する。
【0074】
その後、図5(h)に示すように、基板撮像装置110は、走査台32Sの移動を停止し、基板Wの裏面の撮像を完了する。
【0075】
以上より、本発明の実施例1に係る基板撮像装置110は、基板Wの裏面の一部を保持して基板Wの裏面を撮像する場合に、第1の支持部材(一の支持部材)又は第2の支持部材(他の支持部材)により基板Wを支持することによって、基板Wの裏面の全域を撮像することができる。すなわち、実施例1に係る基板撮像装置110は、第1の支持部材又は第2の支持部材により基板Wの裏面を支持することによって、基板Wのエッジ部及びベベル部に接触することなく、基板Wの裏面の全域を撮像することができる。これにより、実施例1に係る基板撮像装置110は、エッジ部若しくはベベル部の破損又はエッジ部若しくはベベル部による汚染物(パーティクル、レジスト剥離物、レジスト残存物、その他不要物)の生成を防止することができる。また、実施例1に係る基板撮像装置110は、基板Wのベベル部に付着している汚染物が基板Wの表面又は裏面に転移することを防止することができる。
【0076】
(変形例1)
実施例1の変形例1の基板撮像装置120を説明する。なお、以後の本変形例の基板撮像装置120の説明において、前述の実施例1の基板撮像装置110と重複する説明は省略する。
【0077】
(基板撮像装置の構成)
図1に、本発明の変形例に係る基板撮像装置120の概略構成図を示す。
【0078】
図1に示すように、本変形例の基板撮像装置120は、基板支持部10と、移動手段20と、撮像手段30とを有する。
【0079】
図6を用いて、本変形例の基板支持部10及び移動手段20を具体的に説明する。図6(a)及び図6(b)は、基板Wを支持した基板支持片11aの概略平面図及び概略側面図である。図6(c)は、基板Wを支持する状態を解除した基板支持片11aの概略側面図である。図6(d)は、基板Wを支持する状態を解除した基板支持片11aの退避の動作を示す概略側面図である。なお、基板支持部10の他の基板支持片の構成は、基板支持片11aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0080】
図6(a)及び図6(b)に示すように、本変形例の基板支持部10の基板支持片11aは、略角柱の外形を有する。基板支持片11aは、その一端を後述する移動手段20に連結し、その他端を自由端とする。また、基板支持片11aは、支持点11asで基板Wの裏面と点接触し、基板Wを支持することができる。
【0081】
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部21Ma及び21Mb、回転軸部21ra並びに駆動アーム部21Aを有する。駆動部21Maは、回転軸部21raをその軸を中心に回転させる。回転軸部21raは、回転軸部21raに連結している基板支持片11aを回転軸部21raの軸を中心に回転移動させる。駆動部21Mbは、駆動アーム部21Aを基板Wから離間する方向に移動させる。このとき、駆動アーム部21Aは、駆動アーム部21Aに固定された駆動部21Maを撮像領域の範囲外に移動させる。
【0082】
図6(c)及び図6(d)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部21Maの駆動により基板支持片11aを回転移動し、基板Wの支持を解除をすることができる。また、移動手段20は、駆動部21Mbの駆動アーム部21Aの移動により基板支持片11aを基板Wの裏面の撮像領域の範囲外に移動させることができる。
【0083】
本変形例の移動手段20は、各基板支持片に対応して、駆動部21Ma等を夫々備える。なお、移動手段20の他の基板支持片に対応する構成は、上記の基板支持片11aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0084】
(変形例2)
実施例1の変形例2の基板撮像装置130を説明する。なお、以後の本変形例の基板撮像装置130の説明において、前述の実施例1の基板撮像装置110と重複する説明は省略する。
【0085】
(基板撮像装置の構成)
図1に、本発明の変形例に係る基板撮像装置130の概略構成図を示す。
【0086】
図1において、本変形例の基板撮像装置130は、基板支持部10と、移動手段20と、撮像手段30とを有する。
【0087】
図7を用いて、本変形例の基板支持部10及び移動手段20を具体的に説明する。図7(a)及び図7(b)は、基板Wを支持した基板支持片11aの概略平面図及び概略側面図である。図7(c)は、基板Wを支持する状態を解除した基板支持片11aの概略側面図である。図7(d)は、基板Wを支持する状態を解除した基板支持片11aの退避の動作を示す概略側面図である。なお、基板支持部10の他の基板支持片の構成は、基板支持片11aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0088】
図7(a)及び図7(b)に示すように、本変形例の基板支持部10の基板支持片11aは、その一端を後述する移動手段20に片持ちの状態で固定されている。基板支持片11aは、支持点11asで基板Wの裏面と点接触し、基板Wを支持することができる。
【0089】
また、図7(a)及び図7(b)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部21Ma及び21Mb並びに駆動アーム部21Aa及び21Abを有する。駆動部21Maは、駆動アーム部21Aaを基板Wの裏面に対して直交する方向に移動する。駆動アーム部21Aaは、駆動アーム部21Aaに固定された基板支持片11aを基板Wの裏面に対して直交する方向に移動する。駆動部21Mbは、駆動アーム部21Abを基板Wの外縁から離間する方向に移動する。すなわち、駆動アーム部21Ab、駆動アーム部21Abに固定された駆動部21Maを基板Wの裏面の撮像領域の範囲外に移動する。
【0090】
図7(c)及び図7(d)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部21Maの駆動アーム部21Aaの移動により基板支持片11aの基板Wの支持を解除をすることができる。また、移動手段20は、駆動部21Mbの駆動アーム部21Abの移動により基板支持片11aを基板Wの撮像領域の範囲外(例えば基板Wの半径方向)に移動させることができる(図中のMa及びMb)。
【0091】
本変形例の移動手段20は、各基板支持片に対応して、駆動部21Ma等を夫々備える。なお、移動手段20の他の基板支持片に対応する構成は、基板支持片11aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0092】
(変形例3)
実施例1の変形例3の基板撮像装置140を説明する。なお、以後の本変形例の基板撮像装置140の説明において、前述の実施例1の基板撮像装置110と重複する説明は省略する。
【0093】
(基板撮像装置の構成)
図1に、本変形例に係る基板撮像装置140の概略構成図を示す。
【0094】
図1において、本変形例の基板撮像装置140は、基板支持部10と、移動手段20と、撮像手段30とを有する。
【0095】
図8を用いて、本変形例の基板支持部10及び移動手段20を具体的に説明する。図8(a)及び図8(b)は、基板Wを支持した基板支持片13aの概略平面図及び概略側面図である。図8(c)は、基板Wを支持することを解除した基板支持片13aの退避の動作を示す概略側面図である。なお、基板支持部10の他の基板支持片13b(他の支持部材)の構成は、基板支持片13aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0096】
図8(a)及び図8(b)に示すように、本変形例の基板支持部10の基板支持片13a(一の支持部材)は、その一端を後述する移動手段20に片持ちされた状態で固定されている。また、基板支持片13aは、その他端にチャック部13Bを有する。チャック部13Bは、基板Wの裏面とは非接触の状態で、基板Wを支持することができる。チャック部13Bは、例えばベルヌーイチャックを用いることができる。なお、ベルヌーイチャックとは、気体を基板とチャック部との間隙に流すことにより、間隙を流れる気体の流速を増加させ、間隙の圧力を減少させ、基板をチャック部に吸い寄せる力を発生させる現象(ベルヌーイの定理)を利用したものである。ここで、ベルヌーイチャックは、基板がチャック部に吸い寄せられて間隙が小さくなり過ぎると、間隙を流れる気体の流速が減少し、圧力が増加する。このため、ベルヌーイチャックは、基板とチャック部とが一定の間隔に保たれた状態で、基板を非接触で保持(支持)することができる。
【0097】
また、図8(a)及び図8(b)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部23M及び駆動アーム部23Aを有する。駆動部23Mは、駆動アーム部23Aを基板Wの外縁から離間する方向(半径方向)に移動する。すなわち、駆動アーム部23Aは、駆動アーム部23Aに固定された基板支持片13aを基板Wの撮像領域の範囲外(例えば基板Wの半径方向)に移動させる。
【0098】
図8(c)に示すように、本変形例の移動手段20は、駆動部23Mが駆動アーム部23Aを移動することにより基板支持片13aの基板Wの支持を解除をすることができる(図中のMa)。
【0099】
以上により、本発明に係る実施例1の変形例1乃至3の基板撮像装置は、撮像手段30が走査部32によって基板Wの裏面の撮像領域を順次変化させながら撮像するときに、撮像手段30が撮像している撮像領域にある基板支持部10の一の支持部材(基板支持片11a、13a等)を移動手段20によりその撮像領域の範囲外に移動し、撮像手段30が撮像していない撮像領域に基板支持部10の他の支持部材(基板支持片12a、13b等)を移動手段20により移動することで、基板Wを保持することができる。これにより、変形例1乃至3に係る基板撮像装置は、基板Wのエッジ部及びベベル部に接触することなく、基板Wの裏面の全域を撮像することができる。また、変形例1乃至3に係る基板撮像装置は、エッジ部若しくはベベル部の破損又はエッジ部若しくはベベル部による汚染物の生成を防止することができる。更に、変形例1乃至3に係る基板撮像装置は、基板Wのベベル部に付着している汚染物が基板Wの表面又は裏面に転移することを防止することができる。
【0100】
(実施例2)
(基板撮像装置の構成)
図9(a)及び(b)に、本発明の実施例2に係る基板撮像装置150の基板支持部の概略構成図を示す。なお、基板撮像装置150の構成の説明において、基板支持部以外の構成は前述の実施例1の基板撮像装置110の構成と同様のため説明は省略する。図9(a)は、基板Wを支持した一の支持部材を説明する概略平面図である。図9(b)は、吸着により基板を支持する状態を説明する概略側面図である。
【0101】
図9(a)及び(b)に示すように、本実施例の基板撮像装置150は、一の支持部材として、基板Wの裏面を吸着によって支持する吸着手段14aを有する。吸着手段14aは、基板Wの裏面を2点で吸着する吸着支点14as及び14bsを有する。なお、吸着手段14aは、1つ又は3つ以上の吸着支点を備えてもよい。
【0102】
また、本実施例の基板撮像装置150は、基板Wに対して一の支持部材と対向する位置に図示しない他の支持部材を有する。また、他の支持部材は、他の吸着手段14b(図10(c))を有する。他の吸着手段14bの構成は、吸着手段14aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0103】
図9(b)に示すように、本実施例の基板撮像装置150は、図示しない移動手段により、吸着手段14aを撮像領域の範囲外に移動させる(図中のMb)。
【0104】
(基板を撮像する動作)
本発明の実施例2に係る基板撮像装置150が基板の裏面を撮像する基板撮像方法を、図10を用いて説明する。図10(a)は、円形の基板Wの一端を吸着手段14aで支持し、対向する他端に対応する裏面において、その裏面の半円形状の領域を撮像領域として、撮像を開始する状態を示す。図10(b)は、基板Wの他端に対応する撮像領域を撮像した状態を示す。図10(c)は、基板Wの他端を吸着手段14bで支持する状態を示す。図10(d)は、吸着手段14aの基板Wの一端の支持を解除し、一端に対応する半円形状の領域を撮像領域として、撮像を再開する状態を示す。図10(e)は、基板Wの一端に対応する撮像領域を撮像した状態を示す。図10(f)は、撮像を完了し、撮像カメラ31Cを待機位置に戻した状態を示す。
【0105】
先ず、図10(a)に示すように、基板撮像装置150は、基板Wの裏面を撮像する動作を開始するために、円形の基板Wの一端を吸着手段14a(一の支持部材)で支持している。このとき、基板撮像装置150は、走査台32Sbを移動し(図中のMa)、円形の基板Wの他端に対応する裏面において、その半円形状の領域における撮像領域を変化させながら、撮像カメラ31Cにより基板Wの裏面を順次撮像する。
【0106】
次に、図10(b)に示すように、基板撮像装置150は、円形の基板Wの一端に対応する裏面において、その半円形状の領域を撮像領域として、基板Wの裏面を撮像するため、撮像カメラ31Cによる撮像を一時中断する。
【0107】
次いで、図10(c)に示すように、基板撮像装置150は、走査台32Sbにより撮像カメラ31Cの位置を移動する(図中のMc)。また、基板撮像装置150は、吸着手段14b(他の支持部材)で基板Wを支持するために、吸着手段14a(一の支持部材)と吸着手段14b(他の支持部材)とにより基板Wを支持する。このとき、基板撮像装置150は、吸着手段14bで基板Wを支持した後に、移動手段により、吸着手段14aの基板Wの支持を解除する(図9(b)のMb)。
【0108】
次に、図10(d)に示すように、基板撮像装置150は、走査台32Sbによって撮像カメラ31Cを移動し、基板Wの裏面の撮像を再開する(図中のMd)。
【0109】
次いで、図10(e)に示すように、基板撮像装置150は、走査台32Sbの移動を停止し、撮像カメラ31Cの撮像を停止する。また、基板撮像装置150は、走査台32Sbにより撮像カメラを待機位置に移動する(図中のMe)。
【0110】
その後、図10(f)に示すように、基板撮像装置150は、走査台32Sbにより撮像カメラを待機位置で待機させ、基板Wの裏面の撮像を完了する。
【0111】
なお、2台の撮像カメラを用いて、撮像カメラを1軸方向のみに移動して、基板の裏面を撮像してもよい。
【0112】
以上より、本発明の実施例2に係る基板撮像装置150は、基板Wの裏面の一部を保持して基板Wの裏面を撮像する場合に、吸着手段14a(一の支持部材)又は吸着手段14b(他の支持部材)により基板Wを支持することによって、基板Wの裏面の全域を撮像することができる。すなわち、実施例2に係る基板撮像装置150は、吸着手段14a又は吸着手段14bにより基板Wの裏面を支持することによって、基板Wのエッジ部及びベベル部に接触することなく、基板Wの裏面の全域を撮像することができる。これにより、実施例2に係る基板撮像装置150は、エッジ部若しくはベベル部の破損又はエッジ部若しくはベベル部による汚染物の生成を防止することができる。また、実施例2に係る基板撮像装置150は、基板Wのベベル部に付着している汚染物が基板Wの表面又は裏面に転移することを防止することができる。
【0113】
(変形例1)
実施例2の変形例1の基板撮像装置160を説明する。なお、以後の本変形例の基板撮像装置160の説明において、前述の実施例2の基板撮像装置150と重複する説明は省略する。
【0114】
(基板撮像装置の構成)
図9(a)及び(c)に、本変形例に係る基板撮像装置160の基板支持部の概略構成図を示す。なお、基板撮像装置160の構成の説明において、基板支持部以外の構成は前述の実施例2の基板撮像装置150の構成と同様である。図9(a)は、基板Wを支持した一の支持部材(15a)を説明する概略平面図である。図9(c)は、一の支持部材(15a)により挟んで支持する(以下、挟持するという。)ことにより基板を支持する状態を説明する概略側面図である。
【0115】
図9(a)及び(c)に示すように、本変形例の基板撮像装置160は、一の支持部材として、基板Wを挟持することによって支持する挟持手段15aを有する。挟持手段15aは、基板Wを2点で挟持する挟持支点15aup及び15adw並びに15bup及び15bdwを有する。また、基板撮像装置160は、図示しない移動手段により挟持支点15aup等を用いて基板Wを挟持することで、基板Wを保持することができる(図中のMa)。なお、挟持手段15aは、1つ又は3つ以上の挟持支点を備えてもよい。
【0116】
また、本変形例の基板撮像装置160は、他の支持部材として、基板Wに対して一の支持部材と対向する位置に図示しない他の挟持手段(図10(c)の15b)を有する。他の挟持手段(15b)の構成は、挟持手段15aの構成と同様のため、説明を省略する。
【0117】
図9(c)に示すように、本変形例の基板撮像装置160は、図示しない移動手段により、挟持手段15aを移動することで基板Wを挟持し、基板Wを支持することができる(図中のMa)。また、基板撮像装置160は、図示しない移動手段により、挟持手段15aを撮像領域の範囲外(例えば基板Wの半径方向)に移動させることで基板Wを支持することを解除することができる(図中のMb)。
【0118】
(基板を撮像する動作)
本変形例に係る基板撮像装置160が基板の裏面を撮像する基板撮像方法を図10に示す。図10(a)乃至(f)は、前述の実施例2の基板撮像装置150と同様のため、説明を省略する。
【0119】
以上により、実施形態及び実施例を参照しながら本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。また、上述の説明における基板Wは、例えばシリコンからなる半導体ウエハだけでなく、フラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いられるガラス基板などであってもよい。
【符号の説明】
【0120】
100、110、120、130、140、150、160:基板撮像装置
10 : 基板支持部
11 : 第1の支持部材(一の支持部材)
11a、11b、11c: 基板支持片(第1の支持部材)
11as: 基板支持片11aの支持点
12 : 第2の支持部材(他の支持部材)
12a、12b、12c: 基板支持片(第2の支持部材)
12as: 基板支持片12aの支持点
13 : 第3の支持部材
13a、13b: ベルヌーイチャック
13B : チャック部
14a、14b: 吸着手段
14as、14bs : 吸着支点
15a、15b: 挟持手段
15aup: 上部の挟持部
15adw: 下部の挟持部
20 : 移動手段
21M、21Ma、21Mb、22M、22Ma、23M: 駆動部
21b、22b: ベルト部
21ga、21gb、22ga、22gb: 歯車部
21ra、21rb、22ra、22rb: 回転軸部
21A、21Aa、21Ab、22Aa、22Ab、23A: 駆動アーム部
30 : 撮像手段
31 : 撮像部
31C : 撮像カメラ
31La、34Lb: 光源
31M : ミラー
32 : 走査部
32B、32Bb: 基台
32S、32Sb: 走査台
W : 基板
図1
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図13