(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
本実施の形態では、検査対象として、フォトリソグラフィで使用されるマスクを用いる。但し、これに限られるものではない。
【0021】
マスクは、XYθ各軸のモータによって水平方向および回転方向に移動可能に設けられたXYθステージ上の所定位置に載置される。マスクに形成されたパターンに対し、XYθテーブルの上方から光を照射すると、マスクを透過した光は、フォトダイオードアレイに光学像として結像された後、フォトダイオードアレイで光電変換され、さらにセンサ回路によってA/D(アナログデジタル)変換される。
【0022】
図1は、光学画像の取得手順を説明する図である。この図に示すように、マスク101上で検査領域は、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割される。マスク101は、図示しないXYθテーブルの上に載置されており、XYθテーブルの動作は、各検査ストライプ20が連続的に走査されるように制御される。光学画像は、XYθテーブルが移動し、スキャン幅Wの画像がフォトダイオードアレイに連続的に入力されることによって取得されていく。
【0023】
例えば、XYθテーブルがX方向に移動しながら、第1の検査ストライプ20における画像がフォトダイオードアレイに入力される。次いで、XYθテーブルが−X方向に移動しながら、第2の検査ストライプ20について同様にスキャン幅Wの画像がフォトダイオードアレイに連続的に入力される。第3の検査ストライプ20については、第2の検査ストライプ20における画像を取得する方向(−X方向)とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプ20における画像を取得した方向(X方向)にXYθテーブルが移動しながらフォトダイオードアレイに入力される。このように、連続的に画像が入力されることによって、効率的に光学画像が取得されていく。
【0024】
センサ回路から出力された光学画像は、XYθテーブル上でのマスク101の位置を示すデータとともに比較回路に送られる。比較回路では、光学画像と、手本となる参照画像との位置合わせが行われる。ここで、実際のマスクの寸法は、必ずしも設計寸法に一致しているわけではない。このため、マスクの歪を補正する処理が必要となるが、パターンの微細化により、マスクの端部に位置するアライメントマークと、マスクの中央部に位置するLSIパターンとの歪の差が無視できないものとなっている。
【0025】
例えば、アライメントマークのある箇所が他に比べて極端に歪んでいると、アライメントマークに補正処理が引きずられて、正常なLSIパターンであるにもかかわらず不良パターンと判定されてしまうことがある。あるいは、アライメントパターンとLSIパターンが同じように歪んでいると、本来は不良と判定されるべきLSIパターンが良品とされてしまうこともある。
【0026】
図2は、本実施の形態における位置合わせ方法を示すフローチャートである。
【0027】
まず、マスク上の任意の4点の座標を測定する(S101)。ここで、測定対象となる4点は、マスクの周辺部である検査領域外に位置することが好ましいが、LSIパターンが形成された検査領域内に位置していてもよい。
【0028】
次いで、これらの4点について、それぞれ対応する設計データの各座標との差(位置ずれ量)を求め、最も差の大きい1点を選択する(S102)。次に、選択した1点と設計データの座標との差(位置ずれ量)が予め設定した閾値を超えるか否かを判定する(S103)。閾値以下であれば、4点全てを用いて、光学画像と参照画像との位置合わせを行う(S104)。一方、閾値を超える場合には、この点を除外し、残りの3点を用いて位置合わせを行う(S105)。
【0029】
S102において、差(位置ずれ量)が最大となる1点を選択する方法としては、例えば下記のようなものが考えられる。
【0030】
座標を測定した4点を、それぞれ点A、点B、点Cおよび点Dとする。そして、これらの内から任意の3点を選択して四角形を構成する。ここで、四角形の頂点となる4点目の座標は、測定した3点を用いて算出される理論座標である。尚、四角形は、正方形、長方形または平行四辺形などとすることができる。
【0031】
例えば、点A、点Bおよび点Cの3点を選択し、これらから4点目の座標D’を算出する。次に、点B、点Cおよび点Dを選択し、これらから4点目の理論座標A’を算出する。同様にして、点C、点Dおよび点Aを選択し、これらから4点目の理論座標B’を算出する。また、点D、点Aおよび点Bを算出し、これらから4点目の理論座標C’を算出する。
【0032】
以上のようにして求めた4つの理論座標A’、B’、C’およびD’と、測定点A、B、CおよびDのそれぞれに対応する設計データの各座標とを比較する。すなわち、点Aの設計データの座標と理論座標A’との位置ずれ量を求める。同様に、点Bの設計データの座標と理論座標B’、点Cの設計データの座標と理論座標C’、点Dの設計データの座標と理論座標D’との各位置ずれ量についても求める。例えば、得られた4つの位置ずれ量の中で、点Aの設計データの座標と理論座標A’との位置ずれ量が最も大きい場合には、S102で点Aが選択される。
【0033】
また、S102において、最も差の大きい1点を選択する方法として、下記のものも挙げられる。
【0034】
上記と同様に、座標を測定した4点を、それぞれ点A、点B、点Cおよび点Dとする。そして、これらの内から3点を選択して四角形を構成する。4点目の座標は、3点を用いて算出される理論座標であるのも上記と同様である。四角形は、正方形、長方形または平行四辺形などとすることができる。
【0035】
例えば、点A、点Bおよび点Cと、これらから算出された4点目の理論座標D’とを用いて四角形1’を形成する。次に、点B、点Cおよび点Dと、これらから算出された4点目の理論座標A’とを用いて四角形2’を形成する。同様にして、点C、点Dおよび点Aと、これらから算出された4点目の理論座標B’とを用いて四角形3’を形成する。また、点D、点Aおよび点Bと、これらから算出された4点目の理論座標C’とを用いて四角形4’を形成する。
【0036】
以上のようにして求めた四角形1’、2’、3’および4’の各面積を、点A、点B、点Cおよび点Dのそれぞれに対応する設計データの各座標から形成される四角形の面積と比較する。そして、最も面積差の大きい四角形を特定する。この四角形の頂点の内の理論座標に対応する測定点がS102で選択される点である。例えば、四角形1’と、設計データから形成される四角形の面積との差が最大である場合には、S102で点Dが選択される。
【0037】
図2に示す方法によれば、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて位置合わせを行うことができる。これにより、特定のアライメントマークの影響が補正処理に強く作用するのを回避することができる。すなわち、本来はマスクの歪を補正する処理であるにもかかわらず、特定のアライメントマークの影響が強く作用することにより、正常なLSIパターンが不良パターンと判定されてしまう事態を低減することができる。また、アライメントパターンとLSIパターンが同じように歪んでいる場合であっても、アライメントパターンの影響を受けずにLSIパターンの良否を判定することができる。
【0038】
尚、
図2の例では、S101で4点の座標を測定したが、これに限られるものではなく、測定点は少なくとも4点あればよい。つまり、測定座標を5点以上とすることも可能である。5点以上の場合であっても、
図2と同様にして位置合わせを行うことができる。
【0039】
図3は、本実施の形態における別の位置合わせ方法を示すフローチャートである。
【0040】
まず、マスク上の任意の4点の座標を測定する(S201)。ここで、測定対象となる4点は、マスクの周辺部である検査領域外に位置することが好ましいが、LSIパターンが形成された検査領域内に位置していてもよい。
【0041】
次いで、これらの4点について、それぞれ対応する設計データの各座標との差(位置ずれ量)を求める(S202)。
【0042】
次に、S202で求めた差(位置ずれ量)と、予め設定した閾値とを比較し、差が閾値以下であるものが何点あるかを求める。光学画像と参照画像との位置合わせを行うには、少なくとも2点の座標が必要であるので、4点の内で閾値以下であるものの数が2〜4個であるか否かを判定する(S203)。
【0043】
閾値以下である点の数が2〜4個であれば、S204に進んで位置合わせを行う。例えば、2点が閾値以下であれば、これらの2点を用いて、光学画像と参照画像との位置合わせを行う。また、3点が閾値以下であればこれらの3点を用いて位置合わせを行い、4点が閾値以下であれば、測定点の全てを用いて位置合わせを行う。
【0044】
一方、S203で閾値以下であるものの数が2〜4個でない場合、すなわち、測定点の全てが閾値を越えるか、または、1点のみが閾値以下である場合には、位置合わせを行うことができない。この場合には、S205に進んで位置合わせを中止する。
【0045】
図3に示す方法によっても、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて位置合わせを行うことができる。したがって、
図2の例と同様に、特定のアライメントマークの影響が補正処理に強く作用するのを回避することができるので、正常なLSIパターンが不良パターンと判定されてしまう事態を低減することができる。さらに、アライメントパターンとLSIパターンが同じように歪んでいる場合であっても、アライメントパターンの影響を受けずにLSIパターンの良否を判定することもできる。
【0046】
一方、
図2の例では、最も差の大きい1点(位置ずれ量が最大となる点)を選択し、この選択した1点と設計データとの差が予め設定した閾値を超えるか否かを判定する。閾値以下であれば、4点全てを用いて、光学画像と参照画像との位置合わせを行い、閾値を超える場合には、選択した1点を除外し、残りの3点を用いて位置合わせを行う。つまり、この方法では、少なくとも3点を用いて位置合わせを行うので、精度の良い位置合わせを行うことができる。これに対して、
図3の例では、最も差の大きい1点(位置ずれ量が最大となる点)を選択する必要がないので、全体の工程を簡略化することができる。
【0047】
尚、
図3の例では、S201で4点の座標を測定したが、測定座標は少なくとも4点あればよいので、5点以上とすることも可能である。5点以上の場合であっても、
図3と同様にして位置合わせを行うことができる。
【0048】
図4は、本実施の形態における他の位置合わせ方法を示すフローチャートである。
【0049】
この方法では、まず、マスク上の任意の4点、すなわち、点A、点B、点Cおよび点Dの各座標を測定する(S301)。これらの点は、マスクの周辺部である検査領域外に位置することが好ましいが、LSIパターンが形成された検査領域内に位置していてもよい。
【0050】
次いで、上記の4点を頂点とする四角形S
1を構成し、この四角形S
1の四辺と、点A、点B、点Cおよび点Dのそれぞれに対応する設計データの各座標から形成される四角形S
0の四辺とを比較する。そして、対応する辺同士が最も近い位置にある組を特定する。さらに、この組を構成する四角形S
1の一辺を形成している上記4点の内の2点を特定する(S302)。
【0051】
図5を用いてS302を説明する。実線で示される四角形S
1の各頂点は、S301で測定した点A、点B、点Cおよび点Dである。また、点線で示される四角形S
0は、点A、点B、点Cおよび点Dのそれぞれに対応する設計データの各座標から形成されたものである。四角形S
1の四辺と、四角形S
0の四辺とを比較すると、四角形S
1の辺ABが四角形S
0の一辺と重なっていることが分かる。このことから、S302では、点Aと点Bが特定される。
【0052】
S302で特定された2点は、
図4の例における基準点である。S303では、この基準点に対して、残りの2点の理想的な位置からのずれ量を求める。例えば、
図5において、基準点となるのは点Aと点Bである。そこで、点Cと点Dのそれぞれについて、四角形S
0における対応する点からのずれ量を求める。このずれ量は、例えば、辺BCと対応する四角形S
0の辺とのなす角度θ
1と、辺ADと対応する四角形S
0の辺とのなす角度θ
2とでそれぞれ定義することができる。
【0053】
次いで、S303で求めた2つのずれ量が閾値を超えているか否かを判定する(S304)。ずれ量が2つとも閾値以下である場合には、S301で測定した4点全てを用いて位置合わせを行う(S305)。また、一方のみがずれ量を超えている場合にも、S302で特定された2点と、ずれ量が閾値以下である方の点とを用いて位置合わせを行う(S305)。一方、ずれ量が2つとも閾値を超えている場合には、S302で特定された2点のみを用いて位置合わせを行う(S306)。
【0054】
例えば、
図5において、角度θ
1は閾値を超えているが、角度θ
2は閾値以下であるとする。この場合は、点A、点Bおよび点Dを用いて、光学画像と参照画像の位置合わせが行われる。
【0055】
図4に示す方法によっても、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて位置合わせを行うことができる。これにより、特定のアライメントマークの影響が補正処理に強く作用するのを回避することができる。すなわち、本来はマスクの歪を補正する処理であるにもかかわらず、特定のアライメントマークの影響が強く作用して、正常なLSIパターンが不良パターンと判定されてしまう事態を低減することができる。また、アライメントパターンとLSIパターンが同じように歪んでいる場合であっても、アライメントパターンの影響を受けずにLSIパターンの良否を判定することができる。
【0056】
尚、
図4の例では、S301で4点の座標を測定したが、測定座標は少なくとも4点あればよいので、測定座標を5点以上とすることも可能である。5点以上の場合であっても、
図4と同様にして位置合わせを行うことができる。
【0057】
次に、本実施の形態の検査装置と検査方法について説明する。
【0058】
図6は、本実施の形態における検査装置のシステム構成図である。この図に示すように、検査装置100は、光学画像取得部Aと制御部Bを有する。
【0059】
光学画像取得部Aは、光源103と、水平方向(X方向、Y方向)および回転方向(θ方向)に移動可能なXYθテーブル102と、透過照明系を構成する照明光学系170と、拡大光学系104と、フォトダイオードアレイ105と、センサ回路106と、レーザ測長システム122と、オートローダ130とを有する。
【0060】
制御部Bでは、検査装置100全体の制御を司る制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、第1の比較回路108、参照回路112、展開回路111、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、記憶装置(記憶部)の一例となる磁気ディスク装置109aと109b、磁気テープ装置115、フレキシブルディスク装置116、CRT117、パターンモニタ118およびプリンタ119に接続されている。XYθテーブル102は、テーブル制御回路114によって制御されたX軸モータ、Y軸モータおよびθ軸モータによって駆動される。これらのモータには、例えば、ステップモータを用いることができる。
【0061】
データベース方式の基準データとなる設計データは、磁気ディスク装置109aに格納されており、検査の進行に合わせて読み出されて展開回路111に送られる。展開回路111では、設計データがイメージデータ(ビットパターンデータ)に変換される。その後、このイメージデータは、参照回路112に送られて参照データの生成に用いられる。
【0062】
尚、
図6では、本実施の形態で必要な構成成分を記載しているが、マスクを検査するのに必要な他の公知成分が含まれていてもよい。
【0063】
図7は、本実施の形態におけるデータの流れを示す概念図である。
【0064】
図7に示すように、設計者(ユーザ)が作成したCADデータ201は、OASISなどの階層化されたフォーマットの設計中間データ202に変換される。設計中間データ202には、レイヤ(層)毎に作成されて各マスクに形成される設計パターンデータが格納される。ここで、一般に、検査装置は、OASISデータを直接読み込めるようには構成されていない。すなわち、検査装置の製造メーカー毎に、独自のフォーマットデータが用いられている。このため、OASISデータは、レイヤ毎に各検査装置に固有のフォーマットデータ203に変換された後に、例えば
図6の検査装置100に入力される。この場合、フォーマットデータ203は、検査装置100に固有のデータとすることができるが、描画装置と互換性のあるデータとすることもできる。
【0065】
フォーマットデータ203は、
図6の磁気ディスク装置109aに入力される。すなわち、マスク101のパターン形成時に用いた設計パターンデータは、磁気ディスク装置109aに記憶される。
【0066】
設計パターンに含まれる図形は、長方形や三角形を基本図形としたものである。磁気ディスク装置109aには、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報であって、各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納される。
【0067】
さらに、数十μm程度の範囲に存在する図形の集合を一般にクラスタまたはセルと称するが、これを用いてデータを階層化することが行われている。クラスタまたはセルには、各種図形を単独で配置したり、ある間隔で繰り返し配置したりする場合の配置座標や繰り返し記述も定義される。クラスタまたはセルデータは、さらにフレームまたはストライプと称される、幅が数百μmであって、長さがマスクのX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の短冊状領域に配置される。
【0068】
入力された設計データは、磁気ディスク装置109aから制御計算機110を通して展開回路111によって読み出される。
【0069】
展開回路111は、設計パターンを図形毎のデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計画像データを展開する。展開された設計画像データは、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算する。そして、各画素内の図形占有率が画素値となる。
【0070】
上記のようにして2値ないしは多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換された設計データは、次に参照回路112に送られる。参照回路112では、送られてきた図形のイメージデータである設計画像データに対して、適切なフィルタ処理が施される。
【0071】
図8は、フィルタ処理を説明する図である。
【0072】
後述する、センサ回路106から得られた光学画像は、拡大光学系104の解像特性やフォトダイオードアレイ105のアパーチャ効果等によってぼやけを生じた状態、言い換えれば空間的なローパスフィルタが作用した状態にある。したがって、画像強度(濃淡値)がデジタル値となった、設計側のイメージデータである設計画像データにもフィルタ処理を施すことで、光学画像204に合わせることができる。このようにして光学画像204と比較する参照画像を作成する。
【0073】
次に、
図6および
図1を用いて光学画像の取得方法を説明する。
【0074】
図6において、光学画像取得部Aによって、マスク101の光学画像204が取得される。ここで、光学画像204は、設計パターンに含まれる図形データに基づく図形が描画されたマスクの画像である。光学画像204の具体的な取得方法は、例えば、次に示す通りである。
【0075】
検査対象となるマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向および回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置される。そして、マスク101に形成されたパターンに対し、XYθテーブル102の上方に配置された光源103から光が照射される。より詳しくは、光源103から照射される光束が、照明光学系170を介してマスク101に照射される。マスク101の下方には、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105およびセンサ回路106が配置されている。マスク101を透過した光は、拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像する。
【0076】
尚、拡大光学系104は、図示しない自動焦点機構によって自動的に焦点調整がなされるように構成されていてもよい。さらに、図示しないが、検査装置100は、マスク101の下方から光を照射し、反射光を拡大光学系を介して第2のフォトダイオードアレイに導き、透過光と反射光を同時に採取するように構成されていてもよい。
【0077】
検査領域は、
図1に示すように、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割され、さらにその分割された各検査ストライプ20が連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105には、
図1に示されるようなスキャン幅Wの画像が連続的に入力される。第1の検査ストライプ20における画像を取得すると、今度はXYθテーブル102が逆方向に移動しながら、第2の検査ストライプ20について同様にスキャン幅Wの画像が連続的に入力される。第3の検査ストライプ20については、第2の検査ストライプ20における画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプ20における画像を取得した方向に移動しながら取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
【0078】
図6のフォトダイオードアレイ105上に結像したパターンの像は、フォトダイオードアレイ105によって光電変換され、さらにセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。フォトダイオードアレイ105には、センサが配置されている。このセンサの例としては、TDI(Time Delay Integration)センサが挙げられる。XYθテーブル102がX軸方向に連続的に移動しながら、TDIセンサによってマスク101のパターンが撮像される。ここで、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105およびセンサ回路106により高倍率の検査光学系が構成される。
【0079】
XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下、テーブル制御回路114によって駆動され、X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータには、例えばステップモータを用いることができる。そして、XYθテーブル102の移動位置は、レーザ測長システム122により測定されて位置回路107に送られる。また、XYθテーブル102上のマスク101は、オートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130から自動的に搬送され、検査終了後には自動的に排出されるようになっている。
【0080】
センサ回路106から出力された光学画像204は、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上でのマスク101の位置を示すデータとともに、比較回路108に送られる。光学画像204は、例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調を表現している。また、上述した参照画像も比較回路108に送られる。
【0081】
比較回路108は、ずれ量統計処理部108aと欠陥検出部108bとを有する。
【0082】
ずれ量統計処理部108aでは、
図2、
図3および
図4で説明した、本実施の形態の位置合わせ工程で求められるずれ量が算出されるとともに、このずれ量と閾値との比較が行われる。比較結果は、ずれ量レポートとして磁気ディスク装置109bに保存される。
【0083】
例えば、
図2の工程を用いて説明すると、ずれ量統計処理部108aで行われる処理は次のようになる。すなわち、まず、マスク上の4点の座標の測定値がずれ量統計処理部108aに送られる。また、ずれ量統計処理部108aには、磁気ディスク装置109aから読み出された設計データも送られる。そして、ずれ量統計処理部108aにおいて、上記4点の測定値と、それぞれ対応する設計データの各座標との差(位置ずれ量)が算出される。次いで、この内で最も差の大きい1点と設計データの座標との差(位置ずれ量)が予め設定した閾値を超えるか否かが判定される。判定結果は、ずれ量レポートとして磁気ディスク装置109bに保存される。
【0084】
上記では、本実施の形態の位置合わせ工程で求められるずれ量を算出する箇所をずれ量統計処理部108aとしているが、制御計算機110などその他の機構・ソフトで行っても構わないのは言うまでもない。
【0085】
欠陥検出部108bでは、センサ回路106から送られた光学画像204と、参照回路112で生成した参照画像とが、適切な比較判定アルゴリズムを用いて比較される。比較の結果、両者の差異が所定の閾値を超えた場合にその箇所を欠陥と判断する。欠陥と判断されると、その座標と、欠陥判定の根拠となった光学画像204および参照画像とが、マスク検査結果205として磁気ディスク装置109aに保存される。
【0086】
マスク検査結果205は、
図7に示すように、レビュー装置500に送られることができる。レビューは、オペレータによって、検出された欠陥が問題となるものであるかどうかを判断する動作である。
【0087】
レビュー工程では、マスク検査結果205を基に、オペレータが修正の要否を判断する。具体的には、オペレータは、欠陥判定の根拠となった参照画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べてレビューする。
【0088】
レビュー装置500では、欠陥1つ1つの欠陥座標が観察できるように、マスクが載置されたテーブルを移動させながら、検査装置100の観察光学系を使って、マスクの欠陥箇所の画像を表示する。また同時に欠陥判定の判断条件や、判定根拠になった光学画像と参照画像を確認できるよう、画面上にこれらを並べて表示する。画面としては、制御計算機110の画面または別途準備される計算機の画面が利用される。マスク上での欠陥を、レビュー工程で並べて表示することで、マスクパターンを修正すべきか否かを判断するのが容易になる。また、レビュー装置500は、マスクが載置されたテーブルを移動させながら、検査装置100の観察光学系を使って、マスクの欠陥箇所の画像を表示せずに、保存されている光学画像と参照画像のみを表示してレビューすることもできる。
【0089】
以上の工程を経て、検査装置およびその後の目視レビューによって、欠陥か否かが判定される。そして、修正の必要性や修正の可否を判断して、修正すべき欠陥を弁別した後、修正に必要な情報(欠陥情報リスト207)とともに、このマスクを修正装置に送る。ここで、修正に必要な情報とは、例えば、マスク内の座標、欠陥が凸形か凹型の区別、すなわち遮光膜を削るのか補填するのかの区別、および、修正装置で修正すべき箇所のパターンを認識するための切り出したパターンデータである。パターンデータには、上述の光学画像を利用できる。
【0090】
以上述べたように、本実施の形態によれば、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて位置合わせを行うので、特定のアライメントマークの影響が補正処理に強く作用するのを回避することができる。すなわち、本来はマスクの歪を補正する処理であるにもかかわらず、特定のアライメントマークの影響が強く作用することにより、正常なLSIパターンが不良パターンと判定されてしまう事態を低減することができる。また、アライメントパターンとLSIパターンが同じように歪んでいる場合であっても、アライメントパターンの影響を受けずにLSIパターンの良否を判定することができる。したがって、本実施の形態によれば、マスクの歪の影響によらずパターンの良否を正確に判定することのできる検査装置および検査方法が提供される。
【0091】
実施の形態2.
実施の形態1において、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて、光学画像と参照画像の位置合わせを行い、欠陥を検出する方法について述べた。本実施の形態では、アライメントマークのずれの傾向と、メインパターンのずれの傾向とが異なる場合にこれらを切り分けて検査精度を上げる方法について述べる。
【0092】
本実施の形態の検査装置の構成は、実施の形態1で述べた
図6と同様とすることができる。また、検査対象として、フォトリソグラフィで使用されるマスクを用いるが、これに限られるものではない。
【0093】
図9は、本実施の形態による位置合わせ方法を示すフローチャートである。この図に示すように、まず、実施の形態1で述べた位置合わせ方法を実施する(S401)。例えば、
図2、
図3および
図4で説明したいずれかの方法を実施することができる。
【0094】
次に、検査対象となるLSIパターンなどのメインパターンをプレスキャンし、パターンに歪などの不良があるか否かを判定する(S402)。S401で行う位置合わせは、通常、検査領域外に位置する測定点を用いて行うので、S402では、検査領域内の位置ずれを大まかに把握することを目的としている。このため、検査範囲全体をスキャンして光学画像を得るのではなく、例えば、
図1で説明した短冊状のストライプ領域について、Y方向の最初の数ストライプをスキャンして光学画像を取得し、続いて、Y方向の最後の数ストライプをスキャンして光学画像を取得する。これにより、パターンが電子ビームなどの荷電粒子ビーム描画によって形成された場合、描画の最初の段階と最後の段階の光学画像が得られる。
【0095】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化および大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅は益々狭くなっている。そして、これに対応して、電子ビーム描画装置における電子ビームのショットサイズや偏向器の偏向幅も小さくなる傾向にあるため、描画に要する時間は長くなっている。こうした長い描画時間の間には、描画条件の変動が起こり得る。
【0096】
そこで、S402では、描画の最初の段階と最後の段階の光学画像を取得し、これらと各参照画像との比較からそれぞれの実パターンの位置ずれを検出して比較する。これらの実パターンの位置ずれの差が所定の閾値を超える場合には、補正により解消できないほどのパターンの歪があると判定してそれ以上のスキャンを行わずに検査を終了する。これにより、全体の検査時間を短縮することができる。
【0097】
一方、S402において、描画の最初の段階の欠陥と、最後の段階の欠陥との差が所定の閾値以下である場合には、S403に進み、パターン全体をスキャンして光学画像を取得する。すなわち、通常の検査工程を実施する。
【0098】
次いで、S404において検査結果を判定する。すなわち、実施の形態1の
図7で説明したマスク検査結果205を参照し、欠陥が多発しているか否かを判定する。尚、ここで言う欠陥は、位置ずれ欠陥である。また、多発の程度は、例えば、欠陥数を所定の閾値と比較し、閾値を超えているか否かで判定することができる。
【0099】
S404において、欠陥が多発していないと判定された場合には、検査工程を終了する。
【0100】
一方、S404において、欠陥が多発していると判定された場合には、S401で取得したずれ量レポートを参照する(S405)。ずれ量レポートは、実施の形態1で説明した通りである。すなわち、光学画像と参照画像とのずれ量と閾値との比較結果であって、
図6の磁気ディスク装置109bに保存されている。
【0101】
S405では、S401で取得したずれ量について詳細な検討が行われる。この検討は、
図6のずれ量統計処理部108aで行われ、
図10に示すように、各欠陥、検査ストライプ、マスクの順に特徴的なずれがあるか否かが検討される。
【0102】
図10は、
図9のS404で多発した欠陥に特徴的な傾向が見られる否かの判断方法を示すフローチャートである。この工程は、
図9のS405で行われる。
【0103】
まず、S403で得られたマスク検査結果を参照して、検出された欠陥数を把握する(S501)。次いで、各欠陥について、実測座標と、設計データから求めた理想的な座標とを把握する(S502)。次に、各欠陥に特徴的な傾向が見られるか否かを判定する(S503)。
【0104】
例えば、S501とS502で把握したデータから、各欠陥について、(1)X方向のずれ量と、(2)Y方向のずれ量と、(3)理想的な座標からの距離とを求める。
【0105】
X方向のずれ量は、「実測されたX座標」と「理想的なX座標」との差である。検出された欠陥の全てについて、一様なX方向のずれ量が認められた場合、X方向に特徴的なずれがあると判断できる。ここで、一様なずれ量については、例えば、予め定められた所定の範囲内に各欠陥のずれ量がある状態と定義することができる。すなわち、XminとXmaxとを設定し、
の関係が成立するとき、一様なX方向のずれ量が認められると言える。XminとXmaxは、それぞれ任意に設定可能である。
【0106】
Y方向のずれ量は、「実測されたY座標」と「理想的なY座標」との差である。検出された欠陥の全てについて、一様なY方向のずれ量が認められた場合、Y方向に特徴的なずれがあると判断できる。ここで、一様なずれ量については、上記と同様に、予め定められた所定の範囲内に各欠陥のずれ量がある状態と定義することができる。すなわち、YminとYmaxとを設定し、
の関係が成立するとき、一様なY方向のずれ量が認められると言える。YminとYmaxは、それぞれ任意に設定可能である。
【0107】
理想的な座標からの距離は、
で求められる。検出された欠陥の全てについて、得られた値に一様性が認められた場合、理想的な座標からの距離に特徴的なずれがあると判断できる。例えば、DminとDmaxとを設定し、
の関係が成立するとき、理想的な座標からの距離に特徴的なずれがあると言える。DminとDmaxは、それぞれ任意に設定可能である。
【0108】
各欠陥について、理想的な座標からの位置ずれに特徴的な傾向があるか否かの判断は、(1)X方向のずれ量、(2)Y方向のずれ量、(3)理想的な座標からの距離の各結果を用いて行う。この場合、(1)〜(3)の3つの項目中で、1つでも特徴的なずれが見られれば、各欠陥について上記特徴的な傾向があると判断することができる。あるいは、2つ以上の項目に特徴的なずれが見られた場合に、各欠陥について上記特徴的な傾向があると判断することもできる。さらに、3つの項目の全てに特徴的なずれが見られた場合に限り、各欠陥について上記特徴的な傾向があると判断することもできる。いずれとするかは、場合に応じて適宜選択可能である。
【0109】
次に、各欠陥について行った上記判断を基に、各検査ストライプのパターンについて理想的な座標からの位置ずれに特徴的な傾向があるか否かを判定する(S504)。
【0110】
例えば、1つの検査ストライプにおいて、S503でずれに特徴的な傾向があると判定された欠陥の割合が所定値以上である場合に、この検査ストライプにおけるパターンは特徴的なずれ傾向を有すると判定することができる。一例として、所定値を70%とし、検査ストライプ中に検出された欠陥の数が10個であるとする。S503において、この欠陥の内の8個がずれに特徴的な傾向があると判定されたとする。この場合、この検査ストライプ中で、ずれに特徴的な傾向があると判定された欠陥の割合は80%である。したがって、所定値である70%を超えているので、この検査ストライプのパターンは特徴的なずれ傾向を有すると判定される。他の検査ストライプのパターンについても同様にして判定することができる。
【0111】
次に、各検査ストライプについて行った上記判断を基に、マスク全体のパターンについて理想的な座標からの位置ずれに特徴的な傾向があるか否かを判定する(S505)。
【0112】
例えば、マスク全体において、S504でずれに特徴的な傾向があると判定された検査ストライプの割合が所定値以上である場合に、このマスクは特徴的なずれ傾向を有すると判定することができる。すなわち、所定値を70%としたとき、S504で特徴的なずれ傾向を有すると判定された検査ストライプのマスク全体に占める割合が80%であるとする。この場合、このマスクのメインパターンは特徴的なずれ傾向を有すると判定される。
【0113】
尚、本実施の形態においては、各欠陥について行った上記判断を基にマスク全体に特徴的なずれ傾向があるか否かを判定してもよい。すなわち、検査ストライプ毎に特徴的なずれ傾向があるか否かを判定する工程を省略することも可能である。
【0114】
例えば、マスク全体で検出された欠陥の数が1000個であるとする。S503において、この欠陥の内の800個がずれに特徴的な傾向があると判定されたとする。この場合、マスク全体で、ずれに特徴的な傾向があると判定された欠陥の割合は80%である。したがって、所定値である70%を超えているので、このマスクのメインパターンは特徴的なずれ傾向を有すると判定される。
【0115】
マスクが特徴的なずれ傾向を示す例について、
図11と
図12を用いて説明する。
【0116】
図11は、理想格子点を示す模式図である。また、
図12は、実際の欠陥座標と、設計データから求めた欠陥箇所の理論座標との関係を模式的に示す図である。この例では、実際の欠陥座標は、理想格子点、すなわち、設計データから求めた欠陥箇所の理論座標に対して全体的に矢印の方向にずれていることが分かる。この矢印の方向への全体的なずれが、このマスクに見られる特徴的なずれ傾向である。
【0117】
図10に示すS501〜S505の工程によって、マスク全体のずれに特徴的な傾向が認められるか否かが判定される。この結果を基に、
図9のS406において、検査工程を終了するか、あるいは、再び位置合わせを行って検査をするかの判定が行われる。
【0118】
S405における検討の結果、マスク全体のメインパターンのずれに特徴的な傾向が見られないとされた場合には、S406で検査終了との判定が下される。一方、マスク全体のずれに特徴的な傾向があるとされた場合には、このマスクのアライメントマークのずれ傾向と、メインパターンの面内分布とは一致していないと判断される。そして、S407に進んでメインパターンのずれに対する補正が行われた後、S401に戻って実施の形態1の位置合わせが再度行われる。
図12を例にとると、S407で
図12の矢印の方向へのずれが補正された後にS401に戻る。
【0119】
実施の形態1によれば、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて、光学画像と参照画像の位置合わせを行うので、特定のアライメントマークの影響が補正処理に強く作用するのを回避することができる。しかしながら、マスクのアライメントマークのずれ傾向と、マスクの面内分布、すなわち、メインパターンのずれ傾向とが一致していない場合、極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除くだけではパターンの良否を正確に判定するのに十分でないことがある。
【0120】
本実施の形態によれば、マスクのアライメントマークのずれ傾向と、マスクの面内分布とが一致していないか否かを判定し、一致していない場合には、後者の補正を行った上で改めて極端に歪んだ箇所にあるアライメントマークを除いて光学画像と参照画像の位置合わせを行う。これにより、パターンの良否をより正確に判定することのできる検査装置および検査方法が提供される。
【0121】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【0122】
例えば、
図9のS404で多発した欠陥に特徴的な傾向が見られるか否かの判断は、
図10で説明した方法だけでなく、下記のようにして行うこともできる。
【0123】
まず、
図9のS403で得られたマスク検査結果を参照して、検出された欠陥数を把握する。
【0124】
次いで、各欠陥について、実測座標と、設計データから求めた理想的な座標とを把握する。ここで言う、理想的な座標とは、実測座標が本来存在すべき箇所(座標)を設計データから求めた座標であり、設計データからの座標の求め方は、段落番号0063から段落番号0070に記述した工程を経て求められる。そして、各欠陥の設計データから求めた理想的な座標からのずれ量を求める。
【0125】
次に、各欠陥の設計データから求めた理想的な座標からのずれ量をストライプ単位で近似曲線で結ぶ。ずれ量がこの近似曲線から所定の閾値を超える欠陥を除き、残りの欠陥の実測座標を2次元マップで表す。
【0126】
上記で得られた実測座標の2次元マップを、設計データから求めた理想的な座標について同様に表された2次元マップと重ね合わせる。そして、欠陥の実測座標(x,y)と設計データから求めた理想的な座標との差が、所定の閾値以上の確率で同一象限に存在し、且つ、所定の閾値を超える大きさである場合に、特徴的なずれ傾向があると判断することができる。
【0127】
また、上記各実施の形態では、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができることは言うまでもない。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全てのパターン検査装置またはパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。