【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、経済産業省、地域イノベーション創出研究開発事業「次世代リチウムイオン電池を実現するバインダおよびセパレータ」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記耐熱可撓性正極および前記耐熱可撓性負極の少なくとも一方は、主に、活物質粒子と、前記活物質粒子同士を結着させる多孔質ポリイミド樹脂とから成る活物質層を有する請求項1または2に記載の耐熱可撓性電池。
導電性樹脂前駆体ペーストで、前記第1耐熱可撓性集電体および前記第2耐熱可撓性集電体の少なくとも一方に引き出し電極を取り付ける引き出し電極取り付け工程をさらに備え、
前記硬化工程では、前記電気絶縁性樹脂前駆体ペーストおよび前記導電性樹脂前駆体ペーストを硬化させる請求項6に記載の耐熱可撓性電池の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年のリチウム二次電池には、可撓性だけでなく耐熱性も求められている。また、従来のリチウム二次電池では200℃に耐えることのできない材料が数多く含まれており、水分除去のための乾燥温度を200℃まで上げることができなかった。したがって、耐熱性の高い材料および電池構造が求められる。
【0005】
本発明の課題は、良好な耐熱性と可撓性とを兼ね備える電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
本発明にかかる耐熱可撓性電池は、第1耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性正極と、耐熱可撓性セパレータと、第2耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性負極と、電解質含有媒体とを備える。耐熱可撓性正極は、第1耐熱可撓性集電体上に形成される。耐熱可撓性負極は、第2耐熱可撓性集電体上に形成される。この耐熱可撓性負極は、耐熱可撓性セパレータを挟んで耐熱可撓性正極に対向するように配置される。電解質含有媒体は、耐熱可撓性正極と耐熱可撓性負極との間に充填される。なお、本発明において「耐熱性を備える」とは、電解質含有媒体の注入工程より前の乾燥工程で、200℃までの熱処理に耐える構造および材料で構成されていることをいう。この乾燥工程で200℃の熱処理が行われることで、電池内部から完全に水が除去され、水分混入による電池の劣化が防がれる。さらに、電解質含有媒体の注入工程より後の工程で耐熱性の電解質含有媒体を用いることにより、耐熱可撓性電池は電池使用時においても耐熱性を備えることができる。従来、リチウム二次電池用の耐熱性材料として、活物質、セパレータ、およびバインダ等それぞれ個別で耐熱性の高い材料は提案されていたが、実際に耐熱性を備える電池を構成するにはそれだけでは十分でなかった。本発明では、耐熱性を備える活物質やセパレータ、バインダを用いることに加えて、耐熱性を有する、絶縁性のフィルムおよび樹脂と、導電性のフィルムおよび樹脂、とを用途に応じて使い分けることで、良好な耐熱性と可撓性とを兼ね備える電池を提供する。
【0007】
本願発明者の鋭意検討の結果、この耐熱可撓性電池は、良好な耐熱性と可撓性とを兼ね備えることが明らかとなった。
【0008】
(2)
上述(1)の第1電気絶縁性樹脂と、第2電気絶縁性樹脂と、第3電気絶縁性樹脂とをさらに備えることが好ましい。第1電気絶縁性樹脂は、第1耐熱可撓性集電体と耐熱可撓性セパレータとの間に形成される。第2電気絶縁性樹脂は、第2耐熱可撓性集電体と耐熱可撓性セパレータとの間に形成される。第3電気絶縁性樹脂は、耐熱可撓性セパレータの外周部に形成される。第1電気絶縁性樹脂、第2電気絶縁性樹脂、および第3電気絶縁性樹脂は、一体的で枠状である。
【0009】
第1耐熱可撓性集電体、第2耐熱可撓性集電体、第1電気絶縁性樹脂、第2電気絶縁性樹脂、および第3電気絶縁性樹脂で囲まれる耐熱可撓性電池の内部は密閉される。そのため、耐熱可撓性電池は、充填された電解質含有媒体の液漏れを気にする必要がないので取り扱いやすい。よって、耐熱可撓性電池は、高電圧化のために、容易に複数積層させることができる。
【0010】
(3)
上述(1)の枠状の耐熱接着フィルムをさらに備えることが好ましい。耐熱接着フィルムは、耐熱可撓性セパレータ、耐熱可撓性正極、および耐熱可撓性負極の外周を囲む。耐熱接着フィルムは、第1耐熱可撓性集電体と第2耐熱可撓性集電体との間に形成される。
【0011】
第1耐熱可撓性集電体、第2耐熱可撓性集電体、および耐熱接着フィルムで囲まれる耐熱可撓性電池の内部は密閉される。そのため、耐熱可撓性電池は、充填された電解質含有媒体の液漏れを気にする必要がないので取り扱いやすい。よって、耐熱可撓性電池は、高電圧化のために、容易に複数積層させることができる。
【0012】
(4)
上述(1)〜(3)のいずれかの耐熱可撓性電池は、活物質層を有することが好ましい。活物質層は、主に、活物質粒子と、多孔質ポリイミド樹脂とから成る。多孔質ポリイミド樹脂は、活物質粒子同士を結着させる。
【0013】
本願発明者の鋭意検討の結果、この耐熱可撓性電池は、活物質層によって、従前の耐熱可撓性電池よりも充放電サイクルを向上させると共に、放電容量を増大させることが明らかとなった。
【0014】
(5)
上述(1)〜(4)のいずれかの耐熱可撓性電池は、第1アンダーコート層と、第2アンダーコート層とをさらに備えることが好ましい。第1アンダーコート層は、第1耐熱可撓性集電体上に形成される。第2アンダーコート層は、第2耐熱可撓性集電体上に形成される。耐熱可撓性正極は、第1アンダーコート層上に形成される。耐熱可撓性負極は、第2アンダーコート層上に形成される。集電体上にアンダーコート層が形成される場合、アンダーコート層形成用の「導電性フィラー入りポリイミド樹脂溶液」を50℃から100℃の間の温度で数十分間加熱した後に、合剤スラリーを塗布するのが好ましい。このようにすれば、アンダーコート層が完全に固化されない状態で合剤スラリーが塗布されることになるので、アンダーコート層と活物質層とが良好に接着することになる。
【0015】
第1アンダーコート層は、第1耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性正極との接着性を向上させる。また、第1アンダーコート層は、第1耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性正極と、第1電気絶縁性樹脂または耐熱接着フィルムとの接着性を向上させてもよい。
【0016】
同様に、第2アンダーコート層は、第2耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性負極との接着性を向上させる。また、第2アンダーコート層は、第2耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性負極と、第2電気絶縁性樹脂または耐熱接着フィルムとの接着性を向上させる。
【0017】
(6)
本発明にかかる耐熱可撓性電池積層体では、上述(1)〜(5)のいずれかの耐熱可撓性電池が、第1耐熱可撓性集電体と第2耐熱可撓性集電体とが交互に重なるようにして複数積層される。
【0018】
耐熱可撓性電池積層体では、耐熱可撓性電池の積層数を適宜調整することによって、所望の電圧を容易に得ることができる。
【0019】
(7)
上述(1)の耐熱可撓性電池は、耐熱可撓性リブ部をさらに備えることが好ましい。耐熱可撓性リブ部は、耐熱可撓性セパレータの両面において耐熱可撓性セパレータの周辺部に設けられる。耐熱可撓性正極および耐熱可撓性負極は、耐熱可撓性リブ部の内部空間に挿入される。電解質含有媒体は、耐熱可撓性セパレータ内部に充填される。
【0020】
耐熱可撓性電池を組み立てる際に、耐熱可撓性リブ部は、耐熱可撓性正極および耐熱可撓性負極の設置位置の位置決めを補助する役目を果たす。そのため、ユーザは、耐熱可撓性電池を容易に組み立てることができる。
【0021】
(8)
上述(7)の耐熱可撓性電池は、活物質層を有する。活物質層は、主に、活物質粒子と、多孔質ポリイミド樹脂とから成る。多孔質ポリイミド樹脂は、多孔質構造を有し、活物質粒子を包含する鋳型材料として機能し、その孔内の活物質粒子を結着させると共に、集電体と活物質粒子とを結着させる役目を担っている。
【0022】
本願発明者の鋭意検討の結果、この耐熱可撓性電池は、活物質層によって、従前の耐熱可撓性電池よりも充放電サイクルを向上させると共に、放電容量を増大させることが明らかとなった。
【0023】
(9)
上述(7)または(8)の耐熱可撓性電池は、第1アンダーコート層と、第2アンダーコート層とをさらに備えることが好ましい。第1アンダーコート層は、第1耐熱可撓性集電体上に形成される。第2アンダーコート層は、第2耐熱可撓性集電体上に形成される。耐熱可撓性正極は、第1アンダーコート層上に形成される。耐熱可撓性負極は、第2アンダーコート層上に形成される。
【0024】
第1アンダーコート層は、第1耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性正極と、耐熱可撓性リブ部との接着性を向上させる。同様に、第2アンダーコート層は、第2耐熱可撓性集電体と、耐熱可撓性負極と、耐熱可撓性リブ部との接着性を向上させる。
【0025】
(10)
本発明にかかる耐熱可撓性電池の製造方法は、貼付工程と、硬化工程とを備える。貼付工程では、耐熱可撓性正極が形成される第1耐熱可撓性集電体、および、耐熱可撓性負極が形成される第2耐熱可撓性集電体が、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストを介して耐熱可撓性セパレータに貼り付けられる。硬化工程では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストが硬化させられる。
【0026】
この耐熱可撓性電池の製造方法では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストによって、耐熱可撓性セパレータと第1耐熱可撓性集電体と第2耐熱可撓性集電体との接着性が向上する。
【0027】
(11)
上述(10)の耐熱可撓性電池の製造方法は、塗布工程をさらに備えることが好ましい。塗布工程では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストが、耐熱可撓性セパレータの外周部に含浸しつつ塗布される。
【0028】
この耐熱可撓性電池の製造方法では、耐熱可撓性セパレータの外周部に、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストが含浸しつつ塗布されることで、第1耐熱可撓性集電体、第2耐熱可撓性集電体、第1電気絶縁性樹脂、第2電気絶縁性樹脂、および第3電気絶縁性樹脂で囲まれる耐熱可撓性電池の内部を容易に密閉することができる。
【0029】
(12)
上述(10)または(11)の耐熱可撓性電池の製造方法は、引き出し電極取り付け工程をさらに備えることが好ましい。引き出し電極取り付け工程では、導電性樹脂前駆体ペーストで、前記第1耐熱可撓性集電体および前記第2耐熱可撓性集電体の少なくとも一方に引き出し電極が取り付けられる。硬化工程では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストおよび前記導電性樹脂前駆体ペーストが硬化させられる。
【0030】
この耐熱可撓性電池の製造方法では、導電性樹脂前駆体ペーストが耐熱可撓性集電体に塗られて加熱されることで、引き出し電極が耐熱可撓性集電体に接着される。そのため、この耐熱可撓性電池の製造方法では、引き出し電極と、耐熱可撓性集電体との取り付けをスポット溶接で行う場合に比べて、金属不純物が混じりにくい。また、この耐熱可撓性電池の製造方法では、引き出し電極と、耐熱可撓性集電体との取り付けを超音波溶接で行う場合に比べて、煩雑な作業が少なくなる。さらに、この耐熱可撓性電池の製造方法では、超音波溶接用の高価な設備が不要となるため、耐熱可撓性電池の製造コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る耐熱可撓性電池は、良好な耐熱性と可撓性とを兼ね備える。
【発明を実施するための形態】
【0033】
−第1実施形態−
図1に示されるように、本発明の第1実施形態にかかる耐熱可撓性電池100は、第1耐熱可撓性集電体210と、耐熱可撓性正極220と、第1引き出し電極230と、第1導電性樹脂240と、耐熱可撓性セパレータ300と、第2耐熱可撓性集電体410と、耐熱可撓性負極420と、第2引き出し電極430と、第2導電性樹脂440と、電解質含有媒体および包材(図示せず)とを備える。耐熱可撓性電池100は、二次電池であることが好ましく、非水電解質二次電池であることがより好ましい。なお、本発明において「耐熱性を備える」とは、電解質含有媒体の注入工程より前の乾燥工程で、200℃までの熱処理に耐える構造および材料で構成されていることをいう。
【0034】
第1耐熱可撓性集電体210として、例えば、導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂が用いられる。ポリイミド樹脂は、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体、またはポリアミック酸型ポリイミド前駆体から得られる。モノマー型ポリイミド前駆体は、主に、テトラカルボン酸ジエステル化合物とジアミン化合物とからなり、例えば、加熱されることによりイミド化して高分子量化してポリイミド樹脂となる。ポリアミック酸型ポリイミド前駆体は、主に、ポリアミック酸からなり、例えば、加熱されることによりイミド化してポリイミド樹脂となる。なお、第1耐熱可撓性集電体210は、導電性ポリイミドの他、正極ではアルミニウム、ステンレススチールなどの単体金属およびそれらの合金、ならびに導電性を有する黒鉛であってもよい。
【0035】
導電性フィラーは、導電助剤として機能する。この導電性フィラーとして、例えば、カーボンブラック(オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、カーボンマイクロコイル、グラファイト(天然グラファイト、人造グラファイト)カーボンブラック、カーボンファイバー短繊維(PAN系カーボン短繊維、ピッチ系カーボン短繊維)などが用いられる。これら導電性フィラーは、単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよい。
【0036】
第1耐熱可撓性集電体210の表面は、耐熱可撓性正極220との接着性を向上させるために、粗面化されることが好ましい。第1耐熱可撓性集電体210の粗面化は、例えば、第1耐熱可撓性集電体210の表面に粗面化処理を施すことによって行われる。粗面化処理としては、気相成長法、エッチング法、研磨法などが挙げられる。気相成長法としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などが挙げられる。エッチング法としては、物理的エッチング、または化学的エッチングによる方法が挙げられる。研磨法としては、サンドペーパーによる研磨、またはブラスト法による研磨などが挙げられる。
【0037】
耐熱可撓性正極220は、第1耐熱可撓性集電体210上に形成される。この耐熱可撓性正極220は、正極活物質層(図示せず)を有する。正極活物質層は、例えば、主に、正極用の活物質粒子と、正極用の多孔質ポリイミド樹脂とから成る。
【0038】
正極用の活物質粒子として、リチウム電池用の場合、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO
2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO
2)、マンガン酸リチウム(LiMn
2O
4)、リン酸金属リチウムLiMPO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)、ホウ酸金属リチウムLiMBO
3(M=Fe,Mn,Co,Ni)、珪酸金属リチウムLi
2MSiO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)、硫酸金属リチウムLiMSO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)などのリチウム含有遷移金属酸化物、FeF
3、TiS
2、FeS
2、硫化物系高分子活物質を1種類、または2種類以上の混合物として用いることが出来る。この中でも耐熱性の観点から、リン酸金属リチウムLiMPO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)、ホウ酸金属リチウムLiMBO
3(M=Fe,Mn,Co,Ni)、珪酸金属リチウムLi
2MSiO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)、硫酸金属リチウムLiMSO
4(M=Fe,Mn,Co,Ni)などのリチウム含有遷移金属酸化物および、耐熱性の高い硫化物系高分子活物質が好適も用いられる。またナトリウム電池用の場合、Fe
2(MnO
4)
3、Fe
2(WO
4)
3、Fe
2(SO
4)
3、Li
3Fe
2(PO
4)
3、FeF
3、NaFeO
2、TiS
2、FeS
2、硫化物系高分子などのナトリウム金属電池正極材料を1種類、または2種類以上の混合物として用いることが出来る。
【0039】
正極用の多孔質ポリイミド樹脂は、正極活物質層において、多孔質構造を有し、正極用の活物質粒子を包含する鋳型材料として機能し、その孔内の活物質粒子を結着させると共に、第1耐熱可撓性集電体210と正極用の活物質粒子とを結着させる役目を担っている。この正極用の多孔質ポリイミド樹脂は、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体から得られる。また、正極用の多孔質ポリイミド樹脂は、多孔質であれば、上記の第1耐熱可撓性集電体210のポリイミド樹脂と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0040】
正極用の多孔質ポリイミド樹脂には、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーが含有されることが好ましい。正極用の多孔質ポリイミド樹脂に含有される導電性フィラーは、上記の第1耐熱可撓性集電体210の導電性フィラーと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0041】
第1引き出し電極230は、導電性を有する第1導電性樹脂240によって第1耐熱可撓性集電体210に電気的に接続される。第1引き出し電極230として、例えば、銅からなる導電性テープ等が用いられる。この第1引き出し電極230は、第1耐熱可撓性集電体210の面上に取り付けられることが好ましい。この第1耐熱可撓性集電体210の面上に取り付けられる第1引き出し電極230は、第1耐熱可撓性集電体210の周縁に取り付けられる第1引き出し電極230に比べて、第1耐熱可撓性集電体210との接触面積を広くすることができる。そのため、この第1引き出し電極230は、第1耐熱可撓性集電体210から電気を取り出しやすい。この第1引き出し電極230は、例えば、アルミニウム、ステンレスおよびその合金、ならびに導電性を有する黒鉛などからなる。
【0042】
第1導電性樹脂240は、例えば、導電性樹脂前駆体ペーストから形成される。導電性樹脂前駆体ペーストは、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体またはポリアミック酸型ポリイミド前駆体と、導電性フィラーとを有する。導電性フィラーには、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーを用いることができる。なお、第1引き出し電極230を第1耐熱可撓性集電体210に取り付ける方法については後述する。
【0043】
耐熱可撓性セパレータ300として、公知の耐熱可撓性を有するリチウム二次電池用のセパレータ等が用いられ、例えば、ポリイミド樹脂製のセパレータ、ガラス不織布セパレータ、パルプセパレータ、アラミドセパレータ、またはポリアミドイミド樹脂製のセパレータ等が用いられる。
【0044】
第2耐熱可撓性集電体410には、導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂が用いられる。この導電性フィラーおよびポリイミド樹脂には、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーおよびポリイミド樹脂が用いられる。なお、この第2耐熱可撓性集電体410は、導電性ポリイミドの他、負極では銅、ニッケル、ステンレススチール、鉄、錫などの単体金属およびそれらの合金、ならびに導電性を有する黒鉛であってもよい。また、第2耐熱可撓性集電体410の表面は、耐熱可撓性負極420との接着性を向上させるために、上記の第1耐熱可撓性集電体210と同様の方法で粗面化されることが好ましい。
【0045】
耐熱可撓性負極420は、第2耐熱可撓性集電体410上に形成される。この耐熱可撓性負極420は、負極活物質層(図示せず)を有する層構造をとることが好ましい。また、耐熱可撓性負極420は、耐熱可撓性セパレータ300を挟んで耐熱可撓性正極220に対向するように配置される。負極活物質層は、主に、負極用の活物質粒子と、負極用の多孔質ポリイミド樹脂とから成る。
【0046】
負極用の活物質粒子として、リチウム電池用の場合、例えば、黒鉛(C)、チタン酸リチウム(Li
4Ti
5O
12)、ケイ素(Si)粒子、酸化ケイ素(SiO)粒子、ケイ素合金粒子、錫(Sn)粒子などのリチウム電池負極材料などが用いられる。ケイ素合金として、ケイ素と他の1種以上の元素との固溶体、ケイ素と他の1種以上の元素との金属間化合物、ケイ素と他の1種以上の元素との共晶合金などが用いられる。なお、負極用の活物質粒子には、リチウムと合金化する材料からなる粒子が含まれていてもよい。そのような材料として、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびこれらの合金などが挙げられる。また、ナトリウム電池用の場合、負極用の活物質粒子にハードカーボンや錫(Sn)、錫酸化物(SnO)、錫合金などのナトリウム金属電池負極材料を1種類、または2種類以上の混合物として用いることが出来る。
【0047】
ケイ素合金の作製方法として、例えば、アーク溶解法、液体急冷法、メカニカルアロイング法、スパッタリング法、化学気相成長法、焼成法などが用いられる。特に、液体急冷法として、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ディスクアトマイズ法などの各種アトマイズ法が用いられる。
【0048】
なお、負極用の活物質粒子は、上述のケイ素(Si)粒子、酸化ケイ素(SiO)粒子、ケイ素合金粒子、錫(Sn)粒子などを、金属などで被覆したコアシェル型の活物質粒子であってもよい。このコアシェル型の活物質粒子は、無電解めっき法、電解めっき法、化学還元法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法などによって製造される。シェル部分は、第2耐熱可撓性集電体410を形成する金属と同じ金属で形成されることが好ましい。コアシェル型の活物質粒子は、第2耐熱可撓性集電体410との結合性が大きく向上する。そのため、耐熱可撓性電池100は、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
【0049】
また、負極用の活物質粒子は、シランカップリング剤で表面処理されてもよい。このようにして負極用の活物質粒子を処理すれば、負極用の多孔質ポリイミド樹脂の前駆体中に、負極用の活物質粒子を良好に分散することができると共に、負極用の多孔質ポリイミド樹脂に対する負極用の活物質粒子の結着性を高めることができる。
【0050】
負極用の多孔質ポリイミド樹脂は、負極活物質層において、多孔質構造を有し、負極用の活物質粒子を包含する鋳型材料として機能し、その孔内の活物質粒子を結着させると共に、第2耐熱可撓性集電体410と負極用の活物質粒子とを結着させる役目を担っている。多孔質ポリイミド樹脂は、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体から得られる。この負極用の多孔質ポリイミド樹脂は、多孔質であれば、上記の第2耐熱可撓性集電体410のポリイミド樹脂と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0051】
負極用の多孔質ポリイミド樹脂には、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーが含有されることが好ましい。負極用の多孔質ポリイミド樹脂に含有される導電性フィラーは、上記の第2耐熱可撓性集電体410の導電性フィラーと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0052】
第2引き出し電極430は、導電性を有する第2導電性樹脂440によって第2耐熱可撓性集電体410に電気的に接続される。第2引き出し電極430として、例えば、銅からなる導電性テープ等が用いられる。この第2引き出し電極430は、第2耐熱可撓性集電体410の面上に取り付けられることが好ましい。この第2耐熱可撓性集電体410の面上に取り付けられる第2引き出し電極430は、第2耐熱可撓性集電体410の周縁に取り付けられる第2引き出し電極430に比べて、第2耐熱可撓性集電体410との接触面積を広くすることができる。そのため、この第2引き出し電極430は、第2耐熱可撓性集電体410から電気を取り出しやすい。
【0053】
第2導電性樹脂440は、例えば、導電性樹脂前駆体ペーストから形成される。導電性樹脂前駆体ペーストは、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体またはポリアミック酸型ポリイミド前駆体と、導電性フィラーとを有する。導電性フィラーには、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーを用いることができる。なお、第2引き出し電極430を第2耐熱可撓性集電体410に取り付ける方法については後述する。
【0054】
電解質含有媒体は、耐熱可撓性正極220と耐熱可撓性負極420との間に充填される。この電解質含有媒体として、公知のリチウム二次電池用の電解質含有媒体などが用いられ、例えば、有機溶媒に電解質であるリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルエーテル、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル等の非水系溶媒から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。電解質としては、負極活物質としてリチウムを用いる場合には、LiPF
6、LiBF
4、LiAsF
6、LiCF
3SO
3、LiI、LiClO
4等を用いることができる。また、耐熱性の観点から、イオン性液体を溶媒とする液体電解質液が好ましく用いられる。また、ナトリウムイオン二次電池の場合に用いる電解質としては、有機溶媒に電解質であるナトリウム塩を溶解させたものを用いることができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル等の非水系溶媒から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。電解質としては、NaPF
6、NaBF
4、NaClO
4、NaAsF
6、NaSbF
6、NaCF
3SO
3、NaN(SO
2CF
3)
2、低級脂肪酸ナトリウム塩、NaAlCl
4等から選ばれる一種又は複数種を用いることができる。電解質の濃度は、0.5mol/l以上1.7mol/l以下であればよい。なお、電解質含有媒体は液状に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池がリチウムポリマー二次電池である場合、電解質は固体状(例えば、高分子ゲル状)を用いることが出来る。
【0055】
包材は、第1引き出し電極230の一部および第2引き出し電極430の一部を除いて、上記の構成を内部に収納する。この包材として、例えば、ポリイミド樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム、ポリアルキレンテレフタレート樹脂フィルム、アルミラミネートフィルム等が用いられる。
【0056】
<本実施形態における効果>
この耐熱可撓性電池100は、良好な耐熱性と可撓性とを兼ね備える。
【0057】
<変形例>
(A)
図2に示されるように、耐熱可撓性電池100aでは、第1アンダーコート層250および第2アンダーコート層450が形成されてもよい。
【0058】
第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と耐熱可撓性正極220との間に形成される。この第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と耐熱可撓性正極220との接着性を向上させる。この第1アンダーコート層250は、正極用の多孔質ポリイミド樹脂と良好に接着することができる樹脂と、第1アンダーコート層250に導電性を付与する導電性フィラーとから形成される。
【0059】
第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と耐熱可撓性負極420との間に形成される。この第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と耐熱可撓性負極420との接着性を向上させる。この第2アンダーコート層450は、負極用の多孔質ポリイミド樹脂と良好に接着することができる樹脂と、第2アンダーコート層450に導電性を付与する導電性フィラーとから形成される。
【0060】
アンダーコート層250、450の樹脂は、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体、またはポリアミック酸型ポリイミド前駆体から得られる。アンダーコート層250、450の導電性フィラーには、上記の第1耐熱可撓性集電体210の材料として用いることのできる導電性フィラーを用いることができる。
【0061】
第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と耐熱可撓性正極220との接着性を向上させる。同様に、第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と耐熱可撓性負極420との接着性を向上させる。
【0062】
(B)
図3に示されるように、耐熱可撓性電池100bは、第1耐熱可撓性リブ部260と、第2耐熱可撓性リブ部460とをさらに備えてもよい。耐熱可撓性リブ部260、460は、耐熱可撓性セパレータ300の両面において、耐熱可撓性セパレータ300の外周にそれぞれ設けられる。
【0063】
この耐熱可撓性リブ部260、460は、内部空間を有する枠状であり、耐熱可撓性の樹脂フィルムを四角枠状に打ち抜き加工することによって得らえる。耐熱可撓性の樹脂フィルムとして、例えば、ポリイミド樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム、ポリアルキレンテレフタレート樹脂フィルム、アルミラミネートフィルム等が用いられる。また、耐熱可撓性リブ部260、460は、耐熱性接着剤(例えば、株式会社アイ.エス.テイ製のSKYBONDシリーズ)を介して耐熱可撓性セパレータ300に接着されることが好ましい。耐熱性接着剤は、耐熱可撓性リブ部260、460と、耐熱可撓性セパレータ300との接着性を向上させる。
【0064】
耐熱可撓性正極220は、第1耐熱可撓性リブ部260の内部空間に挿入される(特に
図4参照)。同様に、耐熱可撓性負極420は、第2耐熱可撓性リブ部460の内部空間に挿入される。電解質含有媒体は、耐熱可撓性セパレータ300内部に充填される。
【0065】
第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と、耐熱可撓性正極220と、第1耐熱可撓性リブ部260との接着性を向上させる。同様に、第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と、耐熱可撓性負極420と、第2耐熱可撓性リブ部460との接着性を向上させる。なお、耐熱可撓性電池100bの製造コストを低減させるために、アンダーコート層250、460が形成されなくてもよい。
【0066】
耐熱可撓性電池100bを組み立てる際に、耐熱可撓性リブ部260、460は、耐熱可撓性正極220および耐熱可撓性負極420の設置位置の位置決めを補助する役目を果たす。そのため、ユーザは、耐熱可撓性電池100bを容易に組み立てることができる。
【0067】
−第2実施形態−
図5、6に示されるように、本発明の第2実施形態に係る耐熱可撓性電池100cは、上記の第1実施形態に係る耐熱可撓性電池100と異なり、第1電気絶縁層510、第2電気絶縁層520、第3電気絶縁層530をさらに備える。なお、第2実施形態に係る耐熱可撓性電池100cと、上記の第1実施形態に係る耐熱可撓性電池100とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0068】
第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530は、一体的で枠状である(特に
図6参照)。具体的に、第1電気絶縁性樹脂510は、耐熱可撓性セパレータ300の外周上、かつ、第1耐熱可撓性集電体210と耐熱可撓性セパレータ300との間に形成される。第2電気絶縁性樹脂520は、耐熱可撓性セパレータ300の外周上、かつ、第2耐熱可撓性集電体410と耐熱可撓性セパレータ300との間に形成される。第3電気絶縁性樹脂530は、耐熱可撓性セパレータ300の外周部、かつ、第1電気絶縁性樹脂510と第2電気絶縁性樹脂520との間に形成される。
【0069】
第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530は、耐熱可撓性を有し、耐熱可撓性セパレータ300と、第1耐熱可撓性集電体210と、第2耐熱可撓性集電体410との接着性を向上させる。この第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530は、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストから得られる。電気絶縁性樹脂前駆体ペーストは、例えば、モノマー型ポリイミド前駆体、またはポリアミック酸型ポリイミド前駆体からなる。
【0070】
第1耐熱可撓性集電体210、第2耐熱可撓性集電体410、第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530で囲まれる耐熱可撓性電池100cの内部は、電解質含有媒体が充填された状態で密閉されている。なお、第1電気絶縁性樹脂510、または第2電気絶縁性樹脂520に、電解液注入口、安全弁が設けられていることが好ましい。電解液注入口は、電解質含有媒体を耐熱可撓性電池100cの内部に注入するためのものである。電解液注入口から電解質含有媒体が注入された後、電解液注入口にポリイミド前駆体が塗布される。塗布されたポリイミド前駆体が100℃から200℃で熱処理されて硬化することで、電解液注入口が封止されることにより、液漏れが防止される。安全弁は、耐熱可撓性電池100cの内部中の圧力が所定の圧力になったとき、耐熱可撓性電池100cの内部中のガスを抜くためのものである。
【0071】
<耐熱可撓性電池の製造方法>
耐熱可撓性電池100cの製造方法は、塗布工程と、貼付工程と、引き出し電極取り付け工程と、硬化工程とを備える。
【0072】
塗布工程では、耐熱可撓性セパレータ300の外周部に、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストを含浸させつつ塗布する。なお、耐熱可撓性電池100cの内部を密閉しなくてもよい場合には、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストを耐熱可撓性セパレータ300に含浸させなくてもよい。
【0073】
貼付工程では、耐熱可撓性正極220上に形成される第1耐熱可撓性集電体210を、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストを介して耐熱可撓性セパレータ300に貼り付ける。さらに、耐熱可撓性負極420上に形成される第2耐熱可撓性集電体410を、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストを介して耐熱可撓性セパレータ300に貼り付ける。具体的に、第1耐熱可撓性集電体210は、耐熱可撓性正極220が耐熱可撓性セパレータ300に対向するように配置される。第2耐熱可撓性集電体410は、耐熱可撓性負極420が耐熱可撓性セパレータ300に対向するように配置される。
【0074】
電極取り付け工程では、導電性樹脂前駆体ペーストで、第1耐熱可撓性集電体210に第1引き出し電極230が取り付けられ、第2耐熱可撓性集電体410に第2引き出し電極430が取り付けられる。なお、電極取り付け工程は、塗布工程の前に行ってもよいし、塗布工程と貼付工程との間で行ってもよい。
【0075】
硬化工程では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストおよび導電性樹脂前駆体ペーストが硬化される。硬化された電気絶縁性樹脂前駆体ペーストは、第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530となる。また、硬化された導電性樹脂前駆体ペーストは、第1導電性樹脂240、および第2導電性樹脂440となる。なお、耐熱可撓性電池100cに第1導電性樹脂240、および第2導電性樹脂440を設けない場合、電極取り付け工程が省略され、硬化工程では電気絶縁性樹脂前駆体ペーストが硬化される。硬化工程は、150℃から400℃の温度で行われるのがよく、好ましくは200℃から300℃の間で行われるのがよい。
【0076】
<本実施形態における効果>
第1耐熱可撓性集電体210、第2耐熱可撓性集電体410、第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530で囲まれる耐熱可撓性電池100cの内部は密閉される。そのため、耐熱可撓性電池100cは、充填された電解質含有媒体の液漏れを気にする必要がないので取り扱いやすい。よって、耐熱可撓性電池100cは、高電圧化のために、容易に複数積層させることができる。
【0077】
この耐熱可撓性電池100cの製造方法では、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストによって、耐熱可撓性セパレータ300と第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410との接着性が向上する。
【0078】
この耐熱可撓性電池100cの製造方法では、耐熱可撓性セパレータ300の外周部に、電気絶縁性樹脂前駆体ペーストが含浸しつつ塗布されることで、第1耐熱可撓性集電体210、第2耐熱可撓性集電体410、第1電気絶縁性樹脂510、第2電気絶縁性樹脂520、および第3電気絶縁性樹脂530で囲まれる耐熱可撓性電池100cの内部を容易に密閉することができる。
【0079】
この耐熱可撓性電池100cの製造方法では、導電性樹脂前駆体ペーストが耐熱可撓性集電体210、410に塗られて加熱されることで、引き出し電極230、430が耐熱可撓性集電体210、410に接着される。そのため、この耐熱可撓性電池の製造方法では、引き出し電極230、430と、耐熱可撓性集電体210、410との取り付けをスポット溶接で行う場合に比べて、金属不純物が混じりにくい。また、この耐熱可撓性電池の製造方法では、引き出し電極230、430と、耐熱可撓性集電体210、410との取り付けを超音波溶接で行う場合に比べて、煩雑な作業が少なくなる。さらに、この耐熱可撓性電池の製造方法では、超音波溶接用の高価な設備が不要となるため、耐熱可撓性電池100cの製造コストを低減させることができる。
【0080】
<変形例>
(A)
図7に示されるように、耐熱可撓性電池100dは、第1アンダーコート層250と、第2アンダーコート層450とをさらに備えてもよい。第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210上に形成される。第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410上に形成される。耐熱可撓性正極220および第1導電性樹脂510は、第1アンダーコート層250上に形成される。耐熱可撓性負極420および第2導電性樹脂520は、第2アンダーコート層450上に形成される。
【0081】
第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と、耐熱可撓性正極220と、第1導電性樹脂510との接着性を向上させる。同様に、第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と、耐熱可撓性負極420と、第2導電性樹脂520との接着性を向上させる。
【0082】
(B)
図8に示されるように、耐熱可撓性電池積層体600では、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とが交互に重なるようにして、2つの耐熱可撓性電池100cが積層されてもよい。この耐熱可撓性電池積層体600では、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410との間の引き出し電極230、430が省略される。なお、耐熱可撓性電池100cは、3つ以上の耐熱可撓性電池100cが、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とが交互に重なるようにして積層されていてもよい。
【0083】
隣接する第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とに代えて、1つの耐熱可撓性集電体を用いてもよい。この耐熱可撓性集電体の一方の面には耐熱可撓性正極220が形成され、他方の面には耐熱可撓性負極420が形成される。そのため、この耐熱可撓性集電体を備える耐熱可撓性電池積層体600は、バイポーラ積層型の構造となる。
【0084】
耐熱可撓性電池積層体600では、耐熱可撓性電池100cの積層数を適宜調整することによって、所望の電圧を容易に得ることができる。
【0085】
−第3実施形態−
図9、10に示されるように、本発明の第3実施形態に係る耐熱可撓性電池100eは、上記の第1実施形態に係る耐熱可撓性電池100と異なり、枠状の耐熱接着フィルム700をさらに備える。
【0086】
耐熱接着フィルム700は、内部空間を有する枠状であり、耐熱可撓性の樹脂フィルムを四角枠状に打ち抜き加工することによって得らえる。耐熱可撓性の樹脂フィルムとして、例えば、ポリイミド樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム、ポリアルキレンテレフタレート樹脂フィルム、アルミラミネートフィルム等が用いられる。
【0087】
この耐熱接着フィルム700は、耐熱可撓性セパレータ300、耐熱可撓性正極220、および耐熱可撓性負極420の外周を囲むようにして配置される。また、耐熱接着フィルム700には、耐熱可撓性セパレータ300、第1耐熱可撓性集電体210、および第2耐熱可撓性集電体410が接着される。そのため、耐熱接着フィルム700は、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410との間に形成されることになる。耐熱接着フィルム700は、接着性を向上させるために、耐熱性接着剤(例えば、株式会社アイ.エス.テイ製のSKYBONDシリーズ)を介して耐熱可撓性セパレータ300、第1耐熱可撓性集電体210、および第2耐熱可撓性集電体410に接着されることが好ましい。
【0088】
第1耐熱可撓性集電体210、第2耐熱可撓性集電体410、および耐熱接着フィルム700で囲まれる耐熱可撓性電池100eの内部は、電解質含有媒体が充填された状態で密閉されている。なお、耐熱接着フィルム700に、電解液注入口、安全弁が設けられていることが好ましい。
【0089】
<本実施形態における効果>
第1耐熱可撓性集電体210、第2耐熱可撓性集電体410、および耐熱接着フィルム700で囲まれる耐熱可撓性電池100eの内部は密閉される。そのため、耐熱可撓性電池100eは、充填された電解質含有媒体の液漏れを気にする必要がないので取り扱いやすい。よって、耐熱可撓性電池100eは、高電圧化のために、容易に複数積層させることができる。
【0090】
<変形例>
(A)
図11に示されるように、耐熱可撓性電池100fは、第1アンダーコート層250と、第2アンダーコート層450とをさらに備えてもよい。第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210上に形成される。第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410上に形成される。耐熱可撓性正極220および耐熱接着フィルム700は、第1アンダーコート層250上に形成される。耐熱可撓性負極420および耐熱接着フィルム700は、第2アンダーコート層450上に形成される。
【0091】
第1アンダーコート層250は、第1耐熱可撓性集電体210と、耐熱可撓性正極220と、耐熱接着フィルム700との接着性を向上させる。第2アンダーコート層450は、第2耐熱可撓性集電体410と、耐熱可撓性負極420と、耐熱接着フィルム700との接着性を向上させる。
【0092】
(B)
図12に示されるように、耐熱可撓性電池積層体600eでは、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とが交互に重なるようにして、2つの耐熱可撓性電池100eが積層されてもよい。なお、耐熱可撓性電池積層体600eでは、3つ以上の耐熱可撓性電池100eが、第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とが交互に重なるようにして積層されていてもよい。
【0093】
隣接する第1耐熱可撓性集電体210と第2耐熱可撓性集電体410とに代えて、1つの耐熱可撓性集電体を用いてもよい。この耐熱可撓性集電体の一方の面には耐熱可撓性正極220が形成され、他方の面には耐熱可撓性負極420が形成される。そのため、この耐熱可撓性集電体を備える耐熱可撓性電池積層体600eは、バイポーラ積層型の構造となる。
【0094】
耐熱可撓性電池積層体600eでは、耐熱可撓性電池100eの積層数を適宜調整することによって、所望の電圧を容易に得ることができる。