特許第5757051号(P5757051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5757051使用済みグリースの再生方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757051
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】使用済みグリースの再生方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   C10M 175/00 20060101AFI20150709BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20150709BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20150709BHJP
   C10N 50/10 20060101ALN20150709BHJP
【FI】
   C10M175/00
   B03C1/00 A
   C10N20:02
   C10N50:10
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-7484(P2012-7484)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-147539(P2013-147539A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102004
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 政彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 明
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】新間 武
(72)【発明者】
【氏名】棚木 輝昭
(72)【発明者】
【氏名】中澤 英貴
(72)【発明者】
【氏名】土屋 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】山腰 明
【審査官】 中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3086739(JP,U)
【文献】 特開2010−054199(JP,A)
【文献】 特開2000−301024(JP,A)
【文献】 特開平09−057147(JP,A)
【文献】 実開昭58−151653(JP,U)
【文献】 特開昭55−021442(JP,A)
【文献】 特公昭52−16270(JP,B2)
【文献】 特開平06−009984(JP,A)
【文献】 特開昭57−190622(JP,A)
【文献】 特表2001−518842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M101/00−177/00、
B01D35/06、
B01D43/00、
B01D57/00−57/02、
B03C1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑目的で使用されるグリースの再生方法において、使用済みグリースをそのグリースの最高使用温度以下に加熱し粘度を低下させた後、高圧二酸化炭素と混合することにより更に粘度を低下させ、分離器において、該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、使用済みグリース中に含有される鉄粉を磁石に磁気分離し、グリース中の鉄粉濃度を低下させ、再使用可能な状態とすることを特徴とする使用済みグリースの再生方法。
【請求項2】
分離器において、筒状体とその内部に配設された円柱状磁石を有する分離器の前記筒状体内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定間隙の環状空間からなる環状部にグリースを導入し前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、使用済みグリース中に含まれる鉄粉を磁石で磁気分離する、請求項1記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項3】
加熱温度を、そのグリースの最高使用温度の20℃以下とする、請求項1又は2記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項4】
高圧二酸化炭素をグリース加熱温度と同一温度まで加熱して混合する、請求項1〜3のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項5】
高圧二酸化炭素が、5MPa以上に加圧された状態である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項6】
加熱後の使用済みグリースと磁石との接触を、2mm以下の薄膜状で行う、請求項1〜5のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項7】
処理後の鉄粉濃度が許容値以下となるまで、磁気分離を繰り返す、請求項1〜6のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項8】
処理後の鉄粉濃度の許容値が、0.05重量%である、請求項7記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項9】
加熱後の使用済みグリースを高圧二酸化炭素と混合する前に、異物除去のための所定の目開きのフィルターによるろ過処理を行う、請求項1〜8のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項10】
異物除去のためのろ過処理のフィルターの目開きが、150μm以上である、請求項9記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項11】
磁石が、永久磁石である、請求項1〜10のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項12】
永久磁石が、ネオジム磁石である、請求項11記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項13】
磁石が、電磁石である、請求項1〜10のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項14】
グリースのちょう度が、340以下(ちょう度番号1以上)である、請求項1〜13のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
【請求項15】
潤滑グリースを使用する潤滑グリース使用装置内に封入されているグリースの所定量を残しながら、又は残すことなく、請求項1〜14のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法による処理を行った後、鉄粉濃度を測定し、許容濃度以下であれば、そのまま潤滑グリース使用装置に注入して前記装置の健全化を図る潤滑グリース使用装置の健全化方法。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法に使用する使用済みグリースの再生装置であって、
使用済みグリースを収容する使用済みグリースタンク、該タンクに収容されたグリースを加熱する加熱器、前記タンクから供給される使用済みグリース中の異物を除去するろ過装置、CO高圧ポンプ、CO加熱器、グリースとCOを混合する混合器、グリースを磁石と薄膜状で接触させ該グリースに含まれる鉄粉を分離するための磁気分離器、を備えたことを特徴とする使用済みグリースの再生装置。
【請求項17】
磁気分離器本体の筒状体と、その内側に所定の間隙で配設された円柱状磁石とを備え、前記筒状体の内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定の環状空間からなる環状部にグリースを導入し、前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させるようにした、請求項16記載の使用済みグリースの再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みグリースの再生方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、加熱しかつ高圧二酸化炭素と混合することにより粘度を低下させた使用済みグリースを分離器に導入し薄膜状に流した状態で磁石と接触させることにより該グリース中に含まれる鉄粉を磁気分離し鉄粉濃度を低下させ再使用可能にする使用済みグリースの再生方法及びその装置に関するものである。本発明は、軸受や減速機など可動部における金属と金属が直接接触するのを防ぐ目的で使用されるグリース潤滑において、一定時間使用後に廃棄される使用済みグリースを再生する方法及びその装置に関する新技術・新製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、自動車製造などにおいて、溶接や塗装用のロボットが多用され始めており、今後も増加していくことは、ロボットの機能性・利便性から明らかである。このような状況の中、ロボットの設備台数が急速に増加することで問題となるのが、そのメンテナンスであり、定期的なメンテナンスでは、同時期に導入したロボットは、一斉にメンテナンスを行うことが必要となり、スポット的に莫大な時間と工数が必要となる。
【0003】
また、ロボットの可搬重量や動作速度などによりメンテナンスが必要となるタイミングが違うことも分かってきており、これらの問題を解決すべく、ロボットの状態を経済的に、かつ数値的に把握し、適切なメンテナンス時期を導き出す方法が提案されている。
【0004】
ところで、グリースは、鉱油や合成油などの潤滑油(基油)を増ちょう剤(石鹸基、非石鹸基)で保持し、各種の添加剤(酸化防止剤、極圧添加剤、防せい剤、腐食防止剤)を加えたものであり、その性能は基油、増ちょう剤及び添加剤の種類や組み合わせによって決まる。
【0005】
ここで、メンテナンスを必要とするグリース不良の原因は、大別して2つあり、1つがグリース使用条件の不良(グリース量少)や潤滑部の振動・揺動及び大荷重などに起因する機械的せん断力による増ちょう剤の結晶構造破壊、それに伴うちょう度増加、いわゆるグリースの機能的寿命であり、もう1つが、異物の混入に伴うちょう度低下、いわゆる機械的寿命を迎えたものである。
【0006】
使用済みグリースとは、グリースの機能的寿命に達しておらず、単純に異物が混入した状態のグリース、すなわち異物の混入により機能的ではなく機械的寿命を迎えたグリースを言う。更に、異物の混入は、機械的な摩耗による金属粉のような内部要因と、水、空気や塵埃のようなものが入り込む外部要因があるが、ロボット可動軸のような密閉系での使用では、前者の摩耗粉がグリース劣化の主原因と言える。
【0007】
上記のような内部要因に着目して、グリース中の鉄粉濃度をメンテナンス時期の判断基準として、この濃度を一定値以下の状態で稼働した場合、ロボットの重大故障が激減したという事実が報告されている(例えば、特許文献1)。該特許文献1では、ロボットの駆動部において多用されるボールネジ機構に封入されているグリースの鉄粉濃度が0.05重量%以下であればメンテナンスが不要であること、0.05〜0.1重量%のとき、ボール表面に傷が発生しており検査が必要であること、0.1重量%以上ではボールが摩耗しており部品交換が必要であることを報告している。
【0008】
逆に言うと、グリース中の鉄粉濃度が許容濃度以上となった使用済みグリースであっても、鉄粉濃度を経済的に低下させることができれば、再利用が可能となる。しかしながら、特許文献1では、グリースの再生方法については全く言及されていない。
【0009】
一方、これに対し、鉄粉を選択的に除去する方法として、磁気分離が従来から検討されている(特許文献2−4)。そのうち、特許文献2では、圧延油中の鉄分を除去する方法として、外部の励磁コイル(電磁石)により内部の磁性球体を励磁し、その球体に鉄分を付着除去し、一定時間後、消磁して洗浄液で洗い流すことが示されている。
【0010】
特許文献3では、電磁石の代わりに永久磁石で磁性球体を励磁し、永久磁石を遠ざけることで消磁して洗浄液で洗い流すことが示されている。更に、特許文献4では、永久磁石として高温超電導バルク磁石が使われている。
【0011】
しかしながら、特許文献2−4では、処理対象物が常温で液体であることが条件であり、使用済みグリースのような半固形状物質の処理には適用が困難である。もちろん、単に使用済みグリースの中に磁石を挿入しても鉄粉の移動を起こすことができず効果が確認できていない。
【0012】
磁気分離以外にも、鉄粉除去を達成するために、蒸発法や有機溶媒抽出、更には超臨界水抽出などが検討されたが、経済的な問題に加え、上述したように、グリースの性能は、基油、増ちょう剤及び添加剤によって定まっているにもかかわらず、上記方法では、必ずしも処理前後で同一でないことが確認された。一例をあげると、超臨界水抽出では、極圧性のために添加されているリンが処理後欠落しており、極圧性が低下するため、同一条件での使用が不可であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−54199号公報
【特許文献2】特開平5−212310号公報
【特許文献3】特開平9−141018号公報
【特許文献4】特開2009−119421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、使用済みグリースの再
生方法(鉄粉除去)における上述の問題、特に、処理コストや処理前後におけるグリー
ス構成成分の一部欠落の問題、更には、磁気分離処理における鉄粉移動性の問題などについて鋭意研究を積み重ねた結果、鉄粉の移動性を極めて良好とする具体的な方法を明確化し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、効率的な磁気分離処理により鉄粉濃度を低下させ、使用済みグリースを再利用が可能な再生グリースとする方法及びそれを実現する装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)潤滑目的で使用されるグリースの再生方法において、使用済みグリースをそのグリースの最高使用温度以下に加熱し粘度を低下させた後、高圧二酸化炭素と混合することにより更に粘度を低下させ、分離器において、該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、使用済みグリース中に含有される鉄粉を磁石に磁気分離し、グリース中の鉄粉濃度を低下させ、再使用可能な状態とすることを特徴とする使用済みグリースの再生方法。
(2)分離器において、筒状体とその内部に配設された円柱状磁石を有する分離器の前記筒状体内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定間隙の環状空間からなる環状部にグリースを導入し前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、使用済みグリース中に含まれる鉄粉を磁石で磁気分離する、前記(1)記載の使用済みグリースの再生方法。
(3)加熱温度を、そのグリースの最高使用温度の20℃以下とする、前記(1)又は(2)記載の使用済みグリースの再生方法。
(4)高圧二酸化炭素をグリース加熱温度と同一温度まで加熱して混合する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(5)高圧二酸化炭素が、5MPa以上に加圧された状態である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(6)加熱後の使用済みグリースと磁石との接触を、2mm以下の薄膜状で行う、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(7)処理後の鉄粉濃度が許容値以下となるまで、磁気分離を繰り返す、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(8)処理後の鉄粉濃度の許容値が、0.05重量%である、前記(7)記載の使用済みグリースの再生方法。
(9)加熱後の使用済みグリースを高圧二酸化炭素と混合する前に、異物除去のための所定の目開きのフィルターによるろ過処理を行う、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(10)異物除去のためのろ過処理のフィルターの目開きが、150μm以上である、前記(9)記載の使用済みグリースの再生方法。
(11)磁石が、永久磁石である、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(12)永久磁石が、ネオジム磁石である、前記(11)記載の使用済みグリースの再生方法。
(13)磁石が、電磁石である、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(14)グリースのちょう度が、340以下(ちょう度番号1以上)である、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法。
(15)潤滑グリースを使用する潤滑グリース使用装置内に封入されているグリースの所定量を残しながら、又は残すことなく、前記(1)〜(14)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法による処理を行った後、鉄粉濃度を測定し、許容濃度以下であれば、そのまま潤滑グリース使用装置に注入して前記装置の健全化を図る潤滑グリース使用装置の健全化方法。
(16)前記(1)〜(14)のいずれかに記載の使用済みグリースの再生方法に使用する使用済みグリースの再生装置であって、
使用済みグリースを収容する使用済みグリースタンク、該タンクに収容されたグリースを加熱する加熱器、前記タンクから供給される使用済みグリース中の異物を除去するろ過装置、CO高圧ポンプ、CO加熱器、グリースとCOを混合する混合器、グリースを磁石と薄膜状で接触させ該グリースに含まれる鉄粉を分離するための磁気分離器、を備えたことを特徴とする使用済みグリースの再生装置。
(17)磁気分離器本体の筒状体と、その内側に所定の間隙で配設された円柱状磁石とを備え、前記筒状体の内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定の環状空間からなる環状部にグリースを導入し、前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させるようにした、前記(16)記載の使用済みグリースの再生装置。
【0016】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、使用済みグリースの連続再生方法であって、使用済みグリースをそのグリースの最高使用温度以下に加熱し粘度を低下させた後、高圧二酸化炭素と混合することにより更に粘度を低下させ、分離器において、該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより使用済みグリース中に含有される鉄粉を磁石に磁気分離し、グリース中の鉄粉濃度を低下させ、再使用可能な状態とすることを特徴とするものであり、本発明では、特に、筒状体とその内部に配設された円柱状磁石を有する分離器の前記筒状体内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定間隙の環状空間からなる環状部にグリースを導入し、前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、使用済みグリース中に含まれる鉄粉を磁石で磁気分離すること、を好ましい実施態様としている。
【0017】
本発明では、加熱温度をそのグリースの最高使用温度の20℃以下とすること、高圧二酸化炭素をグリース加熱温度と同一温度まで加熱して混合すること、高圧二酸化炭素が、5MPa以上に加圧された状態であること、加熱後の使用済みグリースと磁石との接触を2mm以下の薄膜状で行うこと、処理後の鉄粉濃度が許容値以下となるまで磁気分離を繰り返すこと、が好ましい。
【0018】
更に、本発明では、処理後の鉄粉濃度の許容値が0.05重量%であること、加熱後の使用済みグリースを高圧二酸化炭素と混合する前に、異物除去のための所定の目開きのフィルターによるろ過処理を行うこと、異物除去のためのろ過処理のフィルターの目開きが150μm以上であること、磁石が、永久磁石であること、永久磁石が、ネオジム磁石であること、磁石が、電磁石であること、グリースのちょう度が、340以下(ちょう度番号1以上)であること、が好ましい。
【0019】
前述したように、グリースは、鉱油や合成油などの潤滑油(基油)を増ちょう剤(石鹸基、非石鹸基)で保持し、各種の添加剤(酸化防止剤、極圧添加剤、防せい剤、腐食防止剤)を加えたものである。基油の潤滑性能によって、グリースの潤滑性能が定まり、一般的に、低粘度基油のグリースは、低温特性、高速性能に優れ、高粘度基油のグリースは、高温特性、高荷重特性に優れている。
【0020】
増ちょう剤は、グリースを半固体状に保つための材料であり、リチウム、ナトリウム、カルシウムなどの金属石鹸のほか、シリカゲル、ベントナイトなどの無機材料及びウレア、フロロカーボンなどの有機材料よりなる非石鹸基増ちょう剤がある。増ちょう剤の形状は、繊維状であることが多く、大きい場合は100μmになることもある。
【0021】
グリースの使用限界温度や機械的安定性は、主として増ちょう剤によって定まる。グリースの硬さ、流動性は、ちょう度と呼ばれる指標で表され、その数値が大きいほど軟らかい。ちょう度は、増ちょう剤の量と基油の粘度により定まる。ちょう度の範囲により、グリースの分類(NLGIちょう度番号)が決まっており、その関係を以下の表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
一般的に、ロボットの潤滑には、ちょう度番号0,00,000の流動性の良いグリースが用いられることが多いが、用途に応じて、ちょう度番号1、2、3までのグリースも使用される。ちょう度番号00のグリース(モリホワイトRE No.00、協同油脂製)の粘度の温度依存性を図1に示す。
【0024】
本グリースは、基油85〜95%、増ちょう剤としてリチウム石鹸を10%以下、添加剤15%以下(極圧剤としてモリブデン化合物5%以下、酸化防止剤として2,6−ジ−ターシャリ−ブチル−4−クレゾール5%以下、防錆剤5%以下)の構成であり、半流動状態のグリースである。使用限界温度は130℃である。図1の粘度は、キャピラリーを通過する時の圧力損失を測定し、ハーゲンポアズィユの式から求めた粘度である。
【0025】
同一温度において、流量の違いで粘度が変わるのは、ずり速度によりずり応力が変化するからであり、非ニュートン流体と考えられる。図より明らかなように、常温での粘度は1000cP付近であったが、80℃まで加熱すると、200cP近辺まで粘度が低下しており、その中に鉄粉が含まれている場合、その磁気分離による移動性は格段に良好となったと考えられる。
【0026】
一方、ちょう度番号2のグリース(アルバニアEP2、昭和シェル石油製)の粘度の温度依存性を図2に示す。本グリースは、基油85〜90%、増ちょう剤としてリチウム石鹸を5〜10%、添加剤10%以下の構成であり、軟硬状態は中間的なグリースである。使用限界温度は110℃である。常温での粘度は10万cP以上と非常に高く、80℃に加熱しても2万〜4万cPと磁気分離に適した粘度までは低下していない。
【0027】
ちょう度番号00のグリース(モリホワイト、協同油脂製)及びちょう度番号2のグリース(アルバニアEP2、昭和シェル石油製)の粒度分布を図3に示す。測定は、石油系溶剤(ナフサ)でグリースを希釈し、レーザ回折・光散乱法(日機装製・マイクロトラックMT3000II)により測定した。その結果、両グリース中の粒子径は10〜100μm内にあることが分かった。
【0028】
これらは、前述したグリース構成成分の増ちょう剤や各種の添加剤に起因するものである。従って、100μm以下の目開きのフィルターによるろ過操作を行うと、グリース構成成分が分離されて、そのグリースの機能を発揮できなくなる可能性が高い。使用済みグリースの再生処理に際して、何らかの原因で混入した粗大粒子を除去するためには、100μm以上、好ましくは150μm以上の目開きのフィルターによるろ過操作が必要である。
【0029】
本発明は、使用済みグリースの再生装置であって、使用済みグリースを収容する使用済みグリースタンク、該タンクに収容されたグリースを加熱する加熱器、前記タンクから供給される使用済みグリース中の異物を除去するろ過装置、CO高圧ポンプ、CO加熱器、グリースとCOを混合する混合器、グリースを磁石と薄膜状で接触させ該グリースに含まれる鉄粉を分離するための磁気分離器、を備えたことを特徴とするものであり、本発明では、特に、磁気分離器本体の筒状体と、その内側に所定の間隙で配設された円柱状磁石とを備え、前記筒状体の内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定の環状空間からなる環状部にグリースを導入し、前記環状部の環状空間内に所定厚さの薄膜状に連続的に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させるようにしたこと、を好ましい実施態様としている。
【0030】
次に、添付図面を参照し、本発明の実施の形態を具体的に説明する。図4、5に示す装置は、本発明に係わる使用済みグリース再生装置の実施形態の一例である。図中の符号は、1:ロボット、2:使用済みグリースタンク、3:グリース高圧ポンプ、4:加熱器、5:フィルター、6:混合器、7:COボンベ、8:CO冷却器、9:CO高圧ポンプ、10:CO加熱器、11:磁気分離器、12:保圧弁、13:鉄粉濃度計、を各示す。
【0031】
図4は、各ロボットから一定時間毎にグリースを抜き出し、鉄粉濃度計の測定値によりグリースが使用可能かどうかの判断を行い、許容値以上となった使用済みグリースを再生装置により処理して許容値以下とし、この再生グリースを再度ロボットに戻して使用することを表している。
【0032】
一方、図5に示す装置は、ロボットで使用されているグリースの一部を常時引き出し、再生装置で処理した後、鉄粉濃度を連続的に測定し、許容値以下であることを確認後、そのままロボットの駆動部へ戻してグリースを使用するロボットの健全化概念を表している。これらのうち、始めに、図4を詳細に説明する。
【0033】
図4において、各ロボット(1−1〜4)から集められた使用済みグリースは、使用済みグリースタンク2に集められ、必要に応じて、タンクが加熱されることにより流動性があげられ、また、必要に応じて、窒素ガスなどによって加圧されて、グリース高圧ポンプ3のサクションに導入される。グリース高圧ポンプ3としては、色々な種類のポンプが選定可能であるが、定量ポンプが望ましく、例えば、ギアポンプ、ピストンポンプ、ネジポンプ、プランジャー・ダイヤフラムポンプなどが用いられる。
【0034】
このポンプ3により、使用済みグリースは、高圧下、一定流量で押し出される。この時の圧力は、グリースにCOが十分溶解すれば良く、通常は5MPa以上、好ましくは10MPa以上、更に好ましくは20MPaである。高圧吐出された使用済みグリースは、加熱器4で加熱される。この時の温度は、使用限界温度までの加熱が可能であるが、局部的な加熱などを考慮すると、好ましくは使用限界温度から20℃低い温度までとするほうが良い。加熱源は限定されないが、電気ヒータなどは局部的な加熱が起こることもあるので、熱媒体による加熱が好ましい。この場合、100℃以下であれば、温水が使用できる。
【0035】
一定温度に加熱され、粘度が低下した使用済みグリースは、混合器6へ導入される。一方、COボンベ7の下部から液体COが冷却器8へと導かれ、過冷却により完全な液体状態のCOがCO高圧ポンプ9のサクションに導入され高圧状態の液体COとなる。CO高圧ポンプ9としては、定量ポンプが好ましく、通常、プランジャー・ダイヤフラムポンプなどが用いられる。圧力は、前述のグリース高圧ポンプ3の吐出圧と同等である。液体高圧COは、CO加熱器10で、グリース加熱温度まで加熱され、混合器6へ導入される。
【0036】
使用済みグリースが混合器6に導入される前に、フィルター5を通過させることも行われる。これは、使用済みグリースが回収されていく過程で大きな異物の混入があった場合を考慮し、磁気分離器の閉塞を防止するために行われるものである。ただし、前述したように、ここでのフィルター目開きが小さすぎると、グリースに本来入っていなければならない増ちょう剤や各種の添加物が分離されてしまう危険性があるため、その目開きは100μm以上、好ましくは150μm以上とするべきである。
【0037】
混合器6としては、スタティックミキサーなどのインラインミキサーが使用されるが、高粘性の使用済みグリースに低粘性のCOを効率的に混合するには、両流体の拡散距離をあらかじめ短くすることが有効であり、多段分注型マイクロ混合器などが好ましく用いられる。混合器6では、使用済みグリース中にCOが溶解することにより粘度が著しく低下し、グリースは、磁気分離器11に導入され、薄膜状で流され、グリース中の鉄粉が磁石に引き寄せられて該鉄粉の分離が行われる。
【0038】
磁石としては、永久磁石、電磁石のどちらでも使用が可能であり、グリース処理量や鉄粉濃度許容値などの関係で選択される。永久磁石の場合、強い磁力を持つということでネオジム磁石の使用が有利である。電磁石は、強い磁力を発生することができ、かつ通電を止めることで消磁することができるため、回収した鉄粉を磁石から外すという観点から有利であるが、発熱などに対する対策が必要であり、装置が大型化するというデメリットを合わせ持つ。使用条件の制約などを含め判断する必要がある。
【0039】
磁気分離器の一例を図6に示す。この分離器は、分離器本体を筒状体とし、その内部に円柱状の永久磁石(ネオジム)を配置したものである。使用済みグリースは、本体の端部において十字の4方向から流入し、筒状体内壁と円柱状磁石外面との環状部を薄膜状に流れ、鉄粉が分離される機構である。分離後の鉄粉を除去しやすくするため、円柱状磁石の外面を薄膜フィルムで被覆することもある。
【0040】
磁気分離後の処理グリース(CO溶解)は、圧力を保圧弁12で大気圧まで低下させる。この時、グリース中に溶解していたCOは、ほぼ全量が気体COとなって、グリースからは分離される。減圧後の処理グリースは、磁気バランス式電磁誘導法などにより鉄粉濃度を測定し、その数値が許容値以上であれば、再度、使用済みグリースタンクに戻され、再処理が行われる。鉄粉濃度が許容値以下であれば、ロボットの潤滑用グリースとして再使用される。
【0041】
次に、図5について説明する。ここでは、ロボット毎にグリース再生装置が設置されており、常時一定量のグリースが引き抜かれ、連続的に上述した方法で磁気分離処理が行われ、インラインで鉄粉濃度を測定して、許容値であれば、そのまま連続的にグリースをロボット駆動部にもどしていく構成を示している。この構成では、新品のグリース状態から再生処理を受けることになり、常に理想的な潤滑が行われ、ロボット自身の健全化、機械寿命の延命化が大いに期待できる。鉄粉濃度が許容値以上を示した場合は、警報を発するとともに、再生装置が停止し、磁気分離器11内の磁石の交換、或いは分離鉄分の除去が行われ、再度、運転モードとなる。
【発明の効果】
【0042】
本発明により、以下のような効果が奏される。
(1)効率的な磁気分離処理によりグリース中の鉄粉濃度を低下させ、使用済みグリースを再利用が可能な再生グリースに変換することができる。
(2)ロボットなどで使用されている潤滑グリースの一部を常時引き出し、再生処理した後、鉄粉濃度を連続的に測定し、そのままロボットの駆動部へ戻すことでグリースを使用するロボットなどの健全化を図ることが可能となる。
(3)上記(2)の場合、新品のグリース状態から再生処理を受け、常に理想的な潤滑が行われるので、ロボット自身の健全化、機械寿命の延命化を期待することができる。
(4)分離器本体を筒状体とし、その内部に円柱状磁石を配設し前記筒状体内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定間隙の環状空間からなる環状部にグリースを導入し所定厚さの薄膜状に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させることによりグリース中の鉄粉を高効率かつ連続的に磁気分離し再生グリースとすることができる。
(5)上記特定の磁気分離器を備えたグリースの再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】グリース粘度の温度依存性(モリホワイト)を示す。
図2】グリース粘度の温度依存性(アルバニア)を示す。
図3】グリース粘度分布(上:モリホワイト新品、下:アルバニア新品)を示す。
図4】グリースの再生装置を示す。
図5】グリースの再生装置(ロボット健全化)を示す。
図6】磁気分離器の一例を示す。
図7】グリースの再生結果(アルバニア、80℃・COなし)を示す。
図8】グリース粘度に対するCO添加効果(アルバニア)を示す。
図9】グリースの再生結果(アルバニア、80℃・CO添加あり)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
次に、比較例及び実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの比較例及び実施例によって何ら限定されるものではない。
【0045】
比較例1
本比較例では、ちょう度番号2のグリース(アルバニアEP2、昭和シェル石油製)の再生処理を行った。
図4の構成の装置を組み上げた。ただし、フィルター5は設置せず、COの添加は行わなかった。グリース高圧ポンプ3としては、ピストンポンプを採用し、加熱器4としては、SUS製配管(内径1.6mm、外形3.2mm)をコイル状にして湯浴に浸漬して用いた。混合器6としては、多段分注型マイクロ混合器を用い、磁気分離器11は、図6の構成とし、磁石としては、ネオジムを用いた。環状部隙間は1mmとし、保圧弁12としては、ばね式(テスコム社BPR)を用いた。混合器6、磁気分離器11及び保圧弁12も湯浴に浸漬して、温度を一定とした。
【0046】
グリース原料としては、実際の使用済みグリース(以下、実グリースと言う;鉄粉濃度0.0405%)に加え、粒子径50μmの既知鉄粉を新品グリースに加えて、鉄粉濃度0.1%に調整したもの(以下、調整グリースと言う)をサンプルとして用いた。グリースは、流量5g/minとして供給し、湯浴の温度80℃とした。グリースの供給は、各実験で30分継続し、150gのグリースを処理し、実験終了後、任意の10ポイントの処理グリースの鉄粉濃度を磁気バランス式電磁誘導方式の鉄粉濃度計(新コスモス電機製、SDM−72:最小分解能0.001%)で評価した。
【0047】
実験結果を図7に示した。実グリースは、鉄粉濃度が0.0405%と目標値である0.05%より低く、そのため平均除去率は35%と低いものの、処理後の平均鉄粉濃度は0.0263%となった。しかしながら、調整グリースは、平均除去率が53%と実グリース処理時より上がったものの、最大濃度が0.077%、平均濃度が0.0503%と、目標値を満足できなかった。
【実施例1】
【0048】
本実施例では、ちょう度番号2のグリース(アルバニアEP2、昭和シェル石油製)へのCO添加実験を行った。
図4の構成の装置を組み上げた。ただし、フィルター5は設置せず、磁気分離器11の代わりにキャピラリーチューブを接続して、その前後差圧を測定することによりハーゲンポアズイユの式より粘度を算出した。グリース流量は5g/minで一定とし、CO流量を0から約4g/minまで変化させて測定を行った。湯浴の温度は、40℃、80℃とし、圧力は40℃の時が20MPa、80℃の時に20MPaと23MPaとした。その他の構成は、比較例1と同等とした。
【0049】
実験結果を図8に示す。40℃・20MPaでは、CO無添加時の粘度約35000cPがCO10%添加で約15000cP、50%添加で5000cPと1/7に減少した。80℃の場合、CO無添加時の粘度が16000〜18000cPと加温だけで粘度が半分ほどに低下し、更にCOを10%添加で約5000cP、50%添加で約2500cPとほぼ1/7に減少した。80℃の時、20MPaと23MPaでほとんど違いは見られなかった。この実験より、グリースにCOを添加することで、粘度が激減することが明らかとなった。
【実施例2】
【0050】
本実施例では、ちょう度番号2のグリース(アルバニアEP2、昭和シェル石油製)のCO添加再生処理を行った。
図4の構成の装置を組み上げた。ただし、フィルター5は設置しなかった。COを添加したこと以外は、装置構成、使用グリースは比較例1と同様に再生処理を実施した。グリース流量は5g/minとして供給し、湯浴の温度80℃とした。COは2.5g/min(添加率50%)とした。実験は、30分継続し、150gのグリースを処理し、実験終了後、任意の10ポイントの処理グリースの鉄粉濃度を磁気バランス式電磁誘導方式の鉄粉濃度計(新コスモス電機製、SDM−72:最小分解能0.001%)で評価した。
【0051】
実験結果を図9に示した。実グリースでは、平均除去率が61%、処理後の平均鉄粉濃度は0.0159%となり、比較例1で示したCO無添加時と比べて、処理状況は明らかに良好となった。調整グリースも、平均除去率が74%、最大濃度が0.032%、平均濃度が0.027%と、目標値を全て満足した。調整グリースでも処理状況は明らかに良好となった。以上の結果より、使用済みグリースの再生処理(鉄粉濃度低下)にCOの添加は有効であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上詳述した通り、本発明は、使用済みグリースの再生方法及びその装置に係るものであり、本発明により、効率的な磁気分離処理によりグリース中の鉄粉濃度を低下させ、使用済みグリースを再利用が可能な再生グリースに変換するグリースの再生方法を提供することができる。本発明により、ロボットなどで使用されている潤滑グリースの一部を常時引き出し、再生処理した後、鉄粉濃度を連続的に測定し、そのままロボットの駆動部へ戻すことで、グリースを使用するロボットなどの健全化を図ることが可能となり、その場合、新品のグリース状態から再生処理を受け、常に理想的な潤滑が行われるので、ロボット自身の健全化、機械寿命の延命化を期待することができる。本発明は、分離器本体を筒状体とし、その内部に円柱状磁石を配設し前記筒状体内壁と円柱状磁石外面との隙間に形成される所定間隙の環状空間からなる環状部にグリースを導入し、所定厚さの薄膜状に流して該グリースを磁石と薄膜状で接触させることにより、グリース中の鉄粉を高効率かつ連続的に磁気分離し再生グリースとする、上記特定の磁気分離器を備えたグリースの再生方法とその装置を提供するものとして有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9