(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の着色ガラス板は、清澄剤として芒硝(Na
2SO
4)を使用し、鉄および硫黄の各元素を含む、アルカリ含有シリカガラス(たとえばソーダライムシリカガラス)に、さらにスズを含め、かつ全スズ中の2価のスズの割合(モル百分率)(以下、Sn−Redoxと記す。)を所定の割合以上とすることによって、芒硝由来のアンバー発色を抑えつつ、Fe−Redoxを高いレベルで安定的に維持していることに特徴がある。
【0011】
ガラス中の鉄は2価または3価の鉄として存在し、2価の鉄は波長1100nm付近に吸収のピークを有し、3価の鉄は波長400nm付近に吸収のピークを有する。そのため、色調の透過光のブルーまたはグリーンの色調について着目した場合、波長400nm付近に吸収がない方がよく、Fe−Redoxで表現すると、Fe−Redoxを高めることが必要である。すなわち、Fe
2O
3に換算した全鉄中のFe
2O
3に換算した2価の鉄の割合を高める必要がある。
また、2価の鉄は波長1100nm付近に吸収のピークを有するために、着色ガラス板を透過する熱の透過率(以下、Teと記す。)は小さくなる。Fe−Redoxを高めることはTeの点からも好ましい。このような点から、Fe−Redoxの値は60〜80%、またFe
2O
3に換算した全鉄中のFe
2O
3に換算した2価の鉄の割合を質量百分率で表示した場合には60〜80%であることが好ましい。なお、本明細書においては、上記Fe−Redoxの値と、Fe
2O
3に換算した全鉄中のFe
2O
3に換算した2価の鉄の割合の質量百分率表示とを、同義語として看做して取扱うものとし、以下の説明においてはこれらを、主としてFe−Redoxとして表記する。
本発明の着色ガラス板においては、上記したTeの値は58%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。なお、上記したTeは、厚さ4mmの着色ガラス板において測定した値であり、所謂4mm板厚のガラス板の換算値である。
【0012】
本発明の着色ガラス板におけるFe−Redoxは、60〜80%である。Fe−Redoxが60%以上であれば、透過光の色調が目的とするブルーまたはグリーンの色調となる。Fe−Redoxが80%以下であれば、6価の硫黄の還元が抑えられ、マイナス2価の硫黄の生成によるアンバー発色が抑えられる。Fe−Redoxは、60〜75%が好ましく、60〜70%がより好ましい。Fe−Redoxを高くするには、設備、製法でコストアップになることから、Fe−Redoxを下げた方が良い。
【0013】
ガラス中のスズは2価または4価のスズとして存在し、Fe−Redoxが低い条件(たとえば60%未満)では2価のスズが鉄の還元剤として作用し、Fe−Redoxが高い条件(たとえば80%超)では4価のスズが鉄の酸化剤として作用する。また、コークス等の還元剤によるスズの還元は、硫黄の還元よりも優先的に起こるため、Fe−Redoxが60%以上の条件においてもマイナス2価の硫黄の生成が抑えられる。このように、スズは、鉄や硫黄の酸化還元反応の緩衝剤として作用する。そのため、アンバー発色を抑えつつ、Fe−Redoxを高いレベルで安定的に維持するためには、Sn−Redoxを高めること、すなわち、SnO
2に換算した全スズのSnO
2に換算した2価のスズの割合を高めることが好ましい。なお、本明細書においては、上記Sn−Redoxの値と、SnO
2に換算した全スズのSnO
2に換算した2価のスズの割合の質量百分率表示とを、同義語として看做して取扱うものとし、以下の説明においてはこれらを、主としてSn−Redoxとして表記する。なお、Snではイオンの存在比を測定していることから、モル百分率を単位に採用した。Fe−Redoxは、従来は一般的に使われている「質量百分率」を使用した。
本発明の着色ガラス板におけるSn−Redoxは、0.1%以上であり、0.1〜50%が好ましい。Sn−Redoxが0.1%以上であれば、アンバー発色を抑えつつ、Fe−Redoxを高いレベルで安定的に維持できる。Sn−Redoxが50%以下であれば、過剰の2価のスズによる6価の硫黄の還元が抑えられ、マイナス2価の硫黄の生成によるアンバー発色が抑えられる。Sn−Redoxは、3〜40%がより好ましい。
【0014】
本発明の着色ガラス板は、下記の組成を有するアルカリ含有シリカガラスからなることが好ましい。
下記酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO
2 :30〜80%、
Al
2O
3 :0〜30%、
B
2O
3 :0〜20%、
MgO :0〜30%、
CaO :0.1〜30%、
Na
2O :0.5〜50%、
K
2O :0〜50%、
Fe
2O
3に換算した全鉄 :0.001〜5%、
SnO
2に換算した全スズ :0.001〜5%、
SO
3に換算した全硫黄 :0.025%以上
を含む。
【0015】
SiO
2の含有量が30%以上であれば、耐候性が良好となる。SiO
2の含有量が80%以下であれば、失透しにくくなる。SiO
2の含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で50〜80%が好ましく、50〜75%がより好ましい。
【0016】
Al
2O
3は、耐候性を向上させる成分である。
Al
2O
3の含有量が30%以下であれば、溶融性が良好となる。Al
2O
3の含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0〜15%が好ましい。
【0017】
B
2O
3はガラス原料の溶融を促進する成分である。
B
2O
3の含有量が20%以下であれば、軟化点が低くなりにくい。B
2O
3の含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0〜10%が好ましく、0〜5%がより好ましい。
【0018】
MgOはガラス原料の溶融を促進し、耐候性を向上させる成分である。
MgOの含有量が30%以下であれば、失透しにくくなる。MgOの含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0〜20%が好ましく、0〜15%がより好ましい。
【0019】
CaOはガラス原料の溶融を促進し、耐候性を向上させる成分である。
CaOの含有量が0.1%以上であれば、溶融性、耐候性が良好となる。CaOの含有量が30%以下であれば、失透しにくくなる。CaOの含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0.1〜20%が好ましく、0.5〜15%がより好ましく、1〜10%がさらに好ましい。
【0020】
Na
2Oはガラス原料の溶融を促進する成分である。
Na
2Oの含有量が0.5%以上であれば、溶融性が良好となる。Na
2Oの含有量が50%以下であれば、耐候性が良好となる。Na
2Oの含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で1〜30%が好ましく、1〜25%がより好ましく、1〜20%がさらに好ましい。
【0021】
K
2Oはガラス原料の溶融を促進する成分である。
K
2Oの含有量が50%以下であれば、耐候性が良好となる。K
2Oの含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0〜20%が好ましく、0〜15%がより好ましい。
【0022】
Fe
2O
3は、着色成分である。
Fe
2O
3に換算した全鉄の含有量が0.001%以上であれば、透過光が充分なブルーまたはグリーンの色調を有するガラス板となる。Fe
2O
3に換算した全鉄の含有量が5%以下であれば、ガラスの可視光透過率が良好となる。Fe
2O
3に換算した全鉄の含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0.005〜4%が好ましく、0.01〜3%がより好ましい。
本明細書においては、全鉄の含有量を標準分析法にしたがってFe
2O
3の量として表しているが、上述したように、ガラス中に存在する鉄がすべて3価の鉄(Fe
2O
3)として存在しているわけではなく、2価の鉄(FeO)も存在する。かかる2価の鉄(FeO)の割合は、前述したFe−Redoxで表記される。
【0023】
SnO
2は、鉄や硫黄の酸化還元反応の緩衝剤として作用する成分である。
SnO
2に換算した全スズの含有量が0.001%以上であれば、緩衝剤をしての作用を充分に発揮できる。SnO
2に換算した全スズの含有量が5%以下であれば、SnO
2の揮散が少なく、コストを低く抑えることができる。SnO
2に換算した全スズの含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0.002〜4%が好ましく、0.005〜3%がより好ましい。
本明細書においては、全スズの含有量を標準分析法にしたがってSnO
2の量として表しているが、上述したように、ガラス中に存在するスズがすべて4価のスズ(SnO
2)として存在しているわけではなく、2価のスズ(SnO)も存在する。かかる2価のスズ(SnO)の割合は、前述したSn−Redoxで表記される。
【0024】
本発明の着色ガラス板は、必要に応じて、SrO、BaO、ZrO
2を含んでいてもよい。SrO、BaOは、ガラス原料の溶融を促進する成分である。ZrO
2は、ガラスの弾性率(ヤング率)を向上させる成分である。
【0025】
本発明の着色ガラス板は、透過光の色調を調整する目的で、必要に応じて、他の着色成分(TiO
2、CeO
2、V
2O
5、CuO、CoO、Cr
2O
3、NiO、Se酸化物、MnO等)を含んでいてもよい。特にTiO
2は、透過光にイエローの色調を与える成分であり、透過光にブルーの色調を与える2価の鉄と併用することによって、透過光がグリーンの色調を有するようになる。
【0026】
本発明の着色ガラス板には、通常、清澄剤としてガラス原料に含まれていた芒硝(Na
2SO
4)に由来するSO
3が含まれている。
SO
3に換算した全硫黄の含有量は、酸化物基準の質量百分率表示で0.025〜0.5%が好ましい。SO
3に換算した全硫黄の含有量が0.5%以下であれば、SO
2のガス成分が気泡としてガラス中に残らない。また、アンバー発色が抑えられる。また、0.025%未満の場合は、芒硝由来のアンバー発色は目立たなくなるが、ガラス溶解時の清澄効果が悪く、泡残りが発生したり、また、泡を抜くために別の作業が必要になったりし製造コストを押し上げる。SO
3に換算した全硫黄の含有量は、0.025〜0.3%がより好ましく、0.050〜0.070%がさらに好ましく、0.055〜0.065%が特に好ましい。
本明細書においては、全硫黄の含有量を標準分析法にしたがってSO
3の量として表しているが、上述したように、ガラス中に存在する硫黄がすべて6価の硫黄として存在しているわけではなく、マイナス2価の硫黄も存在する。
【0027】
本発明の着色ガラス板は、必要に応じて、他の清澄剤として用いたSb
2O
3、As
2O
3を含んでいてもよい。
本発明の着色ガラス板の、アンバー発色のピーク波長である波長380nmにおける吸収係数は、1.00cm
-1以下であり、0.70cm
-1以下が好ましく、0.50cm
-1以下がより好ましい。なお、上記した波長380nmにおける吸収係数は、厚さ4mmの着色ガラス板において測定した値であり、所謂4mm板厚のガラス板の換算値である。
【0028】
本発明の着色ガラス板は、車両用、建築用のいずれにも用いることができ、特に自動車用のフロントガラスとして好適である。自動車用の窓ガラスとして用いる場合は必要に応じて、複数のガラス板を中間膜で挟んだ合せガラス、平面状のガラスを曲面に加工したガラス、強化処理をしたガラスとして用いる。また、建築用の複層ガラスとして用いる場合、2枚の本発明の着色ガラス板からなる複層ガラス、または本発明の着色ガラス板と他のガラス板との複層ガラスとして用いる。
【0029】
本発明の着色ガラス板は、フロート法、フュージョン法(ダウンドロー法)等の公知の成形方法によって製造できる。
本発明の着色ガラス板は、たとえば、下記の工程(i)〜(v)を順に経て製造される。
(i)目標とする組成になるように、珪砂等のガラス母組成原料、鉄源、チタン源等の着色成分原料、還元剤、清澄剤等を混合し、ガラス原料を調製する。
(ii)ガラス原料を連続的に溶融窯に供給し、重油、天然ガス等により約1500℃に加熱し溶融させて溶融ガラスとする。
(iii)溶融ガラスを清澄した後、フロート法等により所定の厚さのガラス板に成形する。
(iv)ガラス板を徐冷した後、所定の大きさに切断し、本発明の着色ガラス板とする。
(v)必要に応じて、切断したガラス板を強化処理してもよく、合せガラスに加工してもよく、複層ガラスに加工してもよい。
【0030】
ガラス母組成原料としては、珪砂、アルカリ成分、アルカリ土類成分等の通常のアルカリを含有するシリカガラス(例えばソーダライムシリカガラス)の原料として用いられているものが挙げられる。
鉄源としては、鉄粉、酸化鉄粉、ベンガラ等が挙げられる。
必要に応じて、着色成分として添加されるチタン源としては、酸化チタン等が挙げられる。
還元剤としては、コークス等が挙げられる。還元剤は、溶融ガラス中の鉄の酸化を抑制し、目標のFe−Redoxとなるように調整するためのものである。
この他に、還元剤や、清澄剤としてSnO
2を用い、清澄剤として芒硝(Na
2SO
4)を用いる。
【0031】
以上説明した本発明の着色ガラス板にあっては、スズを含み、かつSn−Redoxが0.1%以上、好ましくは0.1%〜50%であるため、スズが鉄や硫黄の酸化還元反応の緩衝剤として作用する。そのため、2価の硫黄によるアンバー発色を抑えつつ、Fe−Redoxを高いレベルで安定的に維持できる。その結果、透過光が目的とするブルーまたはグリーンの色調を有する着色ガラス板となる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
例1、3、4は実施例であり、例2、5〜8は比較例である。
【0033】
(Fe−Redox)
得られたガラス板について、分光光度計により測定したガラス板のスペクトル曲線から下式(1)を用いてFe−Redoxを算出した。
Fe−Redox(%)=−loge(T
1000nm/91.4)/(Fe
2O
3量×t×20.79)×100 ・・・(1)。
ただし、
T
1000nmは、分光光度計(Perkin Elmer社製、Lambda950)により測定した波長1000nmの透過率(%)であり、
tは、ガラス板の厚さ(cm)であり、
Fe
2O
3量は、蛍光X線測定によって求めた、Fe
2O
3に換算した全鉄の含有量(%=質量百分率)である。
上記Fe−Redoxは、分光光度計により測定したガラス板のスペクトル曲線から求める方法であるが、この値は、同じガラス中のFe
2O
3に換算した全鉄中のFe
2O
3に換算した2価の鉄の質量割合と等しいと看做してよい。
【0034】
(Sn−Redox)
得られたガラス板について、下記のSn−メスバウアー分光法によってガラス中の2価のスズおよび4価のスズの含有量を室温で測定し、Sn−Redoxを算出した。
【0035】
(Sn−メスバウアー分光法)
119mSnから
119Snへのエネルギ遷移に伴って発生するγ線(23.8keV)をプローブにして、透過法(ガラス試料を透過したγ線を計測)により、試料中の2価のスズと4価のスズとの存在割合(Sn−Redox)を測定した。具体的には、下記の通りである。
【0036】
放射線源のγ線出射口、ガラス試料、Pdフィルタ、気体増幅比例計数管(LND社製、型番45431)の受光部を300〜800mm長の直線上に配置した。
放射線源としては、10mCiの
119mSnを用い、光学系の軸方向に対して放射線源を運動させ、ドップラー効果によるγ線のエネルギ変化を起こさせた。放射線源の速度はトランスデューサ(東陽リサーチ社製)を用いて、光学系の軸方向に−10〜+10mm/秒の速度で振動するように調整した。
ガラス試料としては、得られたガラス板を3〜7mmの厚さに研磨したガラス板を用いた。
Pdフィルタは、気体増幅比例計数管によるγ線の計測精度を向上させるためのものであり、γ線がガラス試料に照射された際にガラス試料から発生する特性X線を除去する厚さ50μmのPd箔である。
気体増幅比例計数管は、受光したγ線を検出するものである。気体増幅比例計数管からのγ線量を示す電気信号を増幅装置(関西電子社製)で増幅して受光信号を検出した。マルチチャンネルアナライザ(Wissel社製、CMCA550)で前記速度情報と連動させた。
【0037】
気体増幅比例計数管からの検出信号を縦軸に、運動している放射線源の速度を横軸に表記することで、スペクトルが得られる(佐藤博敏、片田元己著、「メスバウアー分光学の基礎と応用」、学会出版、p.45〜64)。評価可能な信号/雑音比が得られるまでに、積算時間は2日から16日を必要とした。
0mm/秒付近に出現するピークが4価のスズの存在を示し、2.5mm/秒および4.5mm/秒付近に出現する2つに分裂したピークが2価のスズの存在を示す。それぞれのピーク面積に補正係数(Darja Benner、他著、「The effect of alumina on the Sn
2+/Sn
4+ redox equilibrium and the incorporation of tin in Na
2O/Al
2O
3/SiO
2 melts」、Journal of Non−Crystaline Solids、337、2004年、p.232−240)(4価のスズ:0.22、2価のスズ:0.49)を乗じたものの割合を計算し、Sn−Redoxを算出した。
上記Sn−Redoxは、分光法により測定したガラス板のスペクトル曲線から求める方法であるが、この値は、同じガラス中のSnO
2に換算した全鉄中のSnO
2に換算した2価のSnの質量割合と等しいと看做してよい。
【0038】
(波長380nmにおける吸収係数)
厚さ4mmガラス板について、分光光度計(Perkin Elmer社製、Lambda950)を用いて1nmごとに透過率を測定し、1cmあたりの380nmの吸収係数を求めた。
【0039】
(Tva)
得られたガラス板について、JIS R3106規定の可視光透過率(Tv)(A光源によるもの)を4mm厚さ換算値で求めた。
【0040】
(Te)
得られたガラス板について、JIS R3106規定の日射透過率(Te)を4mm厚さ換算値で求めた。
【0041】
〔例1〜8〕
表1、表2に示す組成となるように、珪砂等の各種のガラス母組成原料、コークス、鉄源、SnO
2、芒硝(Na
2SO
4)を混合し、ガラス原料を調製した。ガラス原料をるつぼに入れ、1480℃で3時間加熱し、溶融ガラスとした。溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却した。両面を研磨し、厚さ4mmのガラス板を得た。ガラス板について、Fe−Redox、Sn−Redox、波長380nmにおける吸収係数を求めた。結果を表1、表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表中、例1、3、4は実施例であり、例2、5〜8は比較例である。
還元剤としてのコークスは、全ガラス原料の合計量に対する仕込み量であり、他の組成成分はガラス中の成分である。どちらも質量百分率表示(%)である。
例1、3、4の本発明の着色ガラス板は、Sn−Redoxが0.1%超であるため、Fe−Redoxが高いレベルで維持され、またアンバー発色が抑えられていた。例2はアンバー発色が抑えられていたが、SO
3の残量が少ないために、実機での製造時に泡が残りやすい条件である。
例5、6のガラス板は、スズを含まないため、アンバー発色を抑えるために、Fe−Redoxを60%未満にする必要があった。このために鉄の2価の赤外域の吸収が減り、Teが増加した。例7、8はFe−Redoxは高かったが、アンバー発色が発生した。
例8のガラス板は、スズを含まないため、Fe−Redoxを60%以上とすると、アンバー発色が顕著になった。