【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、文部科学省、地域科学技術振興事業委託事業「安全を保障するインテリジェントセンサーLSIの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願 平成22年度、文部科学省、地域科学技術振興事業委託事業「安全を保障するインテリジェントセンサーLSIの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、空洞及び反射膜の形成が必要となり形成プロセスが複雑化してしまうと共に、反射膜を設けた場合であっても受光感度が十分なものではないという課題を有する。
【0007】
特許文献2に示す技術は、波長が長い光に対して基板を比較的厚く(6μm〜10μm程度)し、リフレクタによる反射を利用することで対応するものであるが、上記と同様に形成プロセスが複雑化してしまうと共に、受光感度が十分なものではないという課題を有する。
【0008】
そこで、本発明は、波長が長い光に対しても受光感度を上げると共に、簡単なプロセス
で安価に形成することができる撮像素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示する撮像素子は、第1導電型半導体基板と第2導電型半導体との接合部に生じる空乏領域に入射した光を光電変換する撮像素子において、前記第2導電型半導体が、前記第1導電型半導体基板の内部に、当該第1導電型半導体基板の面方向、且つ前記光の入射方向に沿って長手方向に延在して複数配設されることを特徴とするものである。
【0010】
このように、本願に開示する撮像素子においては、複数の第2導電型(ここでは、仮にn型とする)半導体が、第1導電型(ここでは、仮にp型とする)半導体基板の内部に、当該第1導電型半導体基板の面方向、且つ光の入射方向に沿って長手方向に延在して配設されるため、入射された光はn型半導体の長手方向に対して侵入し、入射光が空乏領域に滞在する時間を長くすることで、受光感度を高くすることができるという効果を奏する。また、p型半導体基板にn型半導体を埋設するだけで形成することができるため、形成プロセスを単純化し効率よく作製することができるという効果を奏する。
【0011】
なお、上記撮像素子は、ラインセンサとして応用するものである。
【0012】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体が、当該第2導電型半導体の長手方向における前記光が入射する側の一端部と、前記第1導電型半導体基板における前記光が入射する側面部との距離が所定の距離以下で配設されることを特徴とするものである。
【0013】
このように、本願に開示する撮像素子においては、第2導電型半導体の長手方向における光が入射する側の一端部と、第1導電型半導体基板における光が入光する側面部との距離を所定の距離以下までダイシング等を施すことにより、第1導電型半導体基板の側面部の厚さによる入射光の減衰を防止して受光感度を高めることができるという効果を奏する。
【0014】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体が、前記第1導電型半導体基板の基板面との距離が所定の距離以下となるように配設され、前記第2導電型半導体が配設された前記第1導電型半導体基板を複数層に積層することを特徴とするものである。
【0015】
このように、本願に開示する撮像素子においては、複数の第2導電型半導体が配設された第1導電型の半導体基板を複数層に積層することで、第2導電型半導体を1つの画素とする受光感度が高いイメージセンサとして応用することができると共に、第1導電型半導体基板を薄く削ることで積層構造にした場合であっても素子全体をコンパクトに形成することができるという効果を奏する。
【0016】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体における光が入射する側の一端部と反対側の他端部に隣接し、少なくとも前記空乏領域から出力される電荷を出力信号に変換する処理を行う変換回路部と、前記第1導電型半導体基板の上面に配設され、前記変換回路部に隣接し、当該変換回路部と電気的に接続するパッド部とを備え、前記変換回路部とパッド部との距離が、上位の階層から順次大きくなることを特徴とするものである。
【0017】
このように、本願に開示する撮像素子においては、電荷を出力信号に変換する処理を行う変換回路部と、当該変換回路部に電気的に接続するパッド部とを備え、変換回路部とパッド部との距離が上位階層から順次大きくなることで、各層(1つの層がラインセンサを形成している)ごとに外部との電気的な接続が可能となり、各層の信号を抽出してイメージセンサとして活用することができるという効果を奏する。
【0018】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体の長手方向における前記光が入射する側に有するレンズの位置を、前記第1導電型半導体基板、及び第2導電型半導体の厚さに基づいて変動させるレンズ変動部を備えることを特徴とするものである。
【0019】
このように、本願に開示する撮像素子においては、レンズの位置を第1導電型半導体基板、及び第2導電型半導体の厚さに基づいて変動させることで、当該レンズの上下の位置を連続的にシフトさせ入射光の光軸を補正し、表示対象からの光を部分的に受光しながら表示対象全体のイメージを生成することで、解像度を大幅に上げることができるという効果を奏する。
【0020】
本願に開示する撮像素子は、前記入射する光が近赤外線であることを特徴とするものである。
【0021】
このように、本願に開示する撮像素子においては、従来の撮像素子では受光感度が悪かった近赤外線を、高感度に受光することができるという効果を奏する。
【0022】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体の長手方向の長さが、当該第2導電型半導体に対する前記近赤外線の侵入長以上であることを特徴とするものである。
【0023】
このように、本願に開示する撮像素子においては、第2導電型半導体の長手方向の長さが、当該第2導電型半導体に対する近赤外線の侵入長以上であるため、近赤外線の多くの吸収長をカバーして受光感度を格段に上げることができるという効果を奏する。
【0024】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体が、当該第2導電型半導体の長手方向に複数配設されており、前記第2導電型半導体に対する前記入射する光の侵入長に対応する位置に、前記複数の各第2導電型半導体が配設されていることを特徴とするものである。
【0025】
このように、本願に開示する撮像素子においては、第2導電型半導体が、入射する光の第2導電型半導体に対する侵入長に対応して複数配設されているため、特別なフィルタ等を設けることなく、簡単に侵入長に応じた波長領域の光を色情報として光電変換することができるという効果を奏する。つまり、カラーフィルタ等を用いずにカラーイメージセンサとしての撮像素子を得ることができる。
【0026】
本願に開示する撮像素子は、前記複数配設された各第2導電型半導体の長手方向における長さが、光が入射する側の一端部から反対側の他端部に向かって順次長くなるように配設されていることを特徴とするものである。
【0027】
このように、本願に開示する撮像素子においては、各第2導電型半導体の長手方向における長さが、光が入射する側の一端部から反対側の他端部に向かって順次長くなるように配設されているため、侵入長が長く減衰が多く発生する光ほど第2導電型半導体を長くして十分な量の光を吸収し、全体として様々な波長領域における光を均一に吸収することで、高感度の撮像素子を実現することができるという効果を奏する。
【0028】
本願に開示する撮像素子は、4つの前記第2導電型半導体が配設されており、光が入射する側から順番に、青色光、緑色光、赤色光、及び近赤外光を光電変換することを特徴とするものである。
【0029】
このように、本願に開示する撮像素子においては、4つの第2導電型半導体が配設されており、光が入射する側から順番に、青色光、緑色光、赤色光、及び近赤外光を光電変換
するため、カラーフィルタを用いることなくカラーイメージセンサを実現することができるという効果を奏する。
【0030】
本願に開示する撮像素子は、前記複数配設された各第2導電型半導体の長手方向の長さが、当該第2導電型半導体に対する前記各入射光の侵入長以上であることを特徴とするものである。
【0031】
このように、本願に開示する撮像素子においては、第2導電型の半導体の長さが、当該第2導電型半導体に対する各入射光(青色光、緑色光、赤色光、及び近赤外光等)の侵入長以上であるため、各入射光の吸収長をカバーして受光感度を格段に上げることができるという効果を奏する。
【0032】
本願に開示する撮像素子は、前記第2導電型半導体における光が入射する側の一端部と反対側の他端部に、前記第2導電型半導体を透過した光を反射させる反射材を備えることを特徴とするものである。
【0033】
このように、本願に開示する撮像素子においては、第2導電型半導体における光が入射する側の一端部と反対側の他端部に、第2導電型半導体を透過した光を反射させる反射材を備えるため、反射材により第2導電型半導体を透過した光が反射され、より多くの光を吸収し、受光感度を高めることができるという効果を奏する。また、反射材を設けることで、第2導電型半導体を透過した光を再度吸収することが可能となるため、受光感度の低下を招くことなく第2導電型半導体の長さを短くして撮像素子を小型化することができるという効果を奏する。
【0034】
なお、第2導電型半導体が長手方向に複数配設されている場合には、光の入射方向から最も遠い位置に配設された第2導電型半導体の他端部にのみ反射材が設けられるものとする。
【0035】
本願に開示する撮像装置は、4つの前記第2導電型半導体が配設されており、当該4つの第2導電型半導体を光が入射する側から順番に第1半導体、第2半導体、第3半導体及び第4半導体とし、前記第1半導体、第2半導体、第3半導体及び第4半導体により形成される各空乏領域に入射された光を光電変換した信号の電荷量の割合に対応付いた波長を記憶する波長情報記憶手段と、前記4つの第2導電型半導体の空乏領域で検出された信号電荷を入力する信号入力手段と、前記信号入力手段が入力した信号電荷の信号電荷量に基づいて、次式により入射光における青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光の信号電荷量を算出する信号成分演算手段と、
【0036】
【数1】
(ただし、Bは入射光における青色光、Gは入射光における緑色光、Rは入射光における赤色光、IRは入射光における近赤外光の信号電荷量とし、Xは第1半導体の空乏領域で検知された信号電荷量、Yは第2半導体の空乏領域で検知された信号電荷量、Zは第3半導体の空乏領域で検知された信号電荷量、Wは第4半導体の空乏領域で検知された信号電荷量とし、a
ijは素子ごとに決まる入射光の分光特性を示す係数する。)、前記信号成分演算手段で算出された信号電荷量に基づいて、各信号電荷量の割合を算出し、当該算出さ
れた信号電荷量の割合に対応付けられた波長を前記波長情報記憶手段から読み出して、前記入射光の波長として決定する波長決定手段とを備えるものである。
【0037】
このように、本願に開示する撮像装置においては、第1半導体ないし第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量から、撮像素子の分光特性を示す上記a
ijの行列に基づいて、入射する光の波長成分を算出することで、入射光の波長を正確に決定することができるという効果を奏する。
【0038】
本願に開示する撮像装置は、前記素子ごとに決まる入射光の分光特定を示す係数が、入射する光を白色光とした場合の前記第1半導体、第2半導体、第3半導体及び第4半導体の空乏領域で検出された各信号電荷量について、複数に区分された波長領域ごとに演算された代表値であるものである。
【0039】
このように、本願に開示する撮像装置においては、白色光で検知された第1半導体ないし第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を用いて、複数に区分された波長領域ごとに各信号電荷量の代表値を演算し、その代表値を上記係数a
ijとするため、様々な波長が含まれる白色光により理想的な係数a
ijを得ることができ、入射光の波長成分を正確に算出することができるという効果を奏する。
【0040】
本願に開示する撮像装置は、前記代表値が、前記第1半導体、第2半導体、第3半導体及び第4半導体の空乏領域で検出された各信号電荷量について、複数に区分された波長領域ごとの集計値から演算された平均値又は最大電荷量と最小電荷量との合計値から演算された平均値であるものである。
【0041】
このように、本願に開示する撮像装置においては、前記代表値が、前記第1半導体、第2半導体、第3半導体及び第4半導体の空乏領域で検出された各信号電荷量について、複数に区分された波長領域ごとの集計値から演算された平均値又は最大電荷量と最小電荷量との合計値から演算された平均値とすることで、入射光の波長成分をより正確に算出することができるという効果を奏する。
【0042】
本願に開示する撮像装置は、前記信号成分演算手段で算出された信号電荷量における各信号電荷量の割合及び全電荷量に基づいて、前記入射する光の強度を演算する光強度演算手段を備えるものである。
【0043】
このように、本願に開示する撮像装置においては、信号電荷量算出手段で算出された信号電荷量における各信号電荷量の割合及び全電荷量に基づいて、入射する光の強度を演算するため、入射光の波長が示す色だけではなく光の強度も演算することで、より高性能な撮像装置を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0046】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る撮像素子について、
図1ないし
図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像素子の全体斜視図、
図2は、本実施形態に係る撮像素子の加工断面図、
図3は、本実施形態に係る撮像素子の回路を示す図である。
【0047】
図1において、撮像素子1は、p型シリコン基板2と、p型シリコン基板2の上面内部であって、当該p型シリコン基板2の面方向に沿って平行に埋設された複数の棒状のn型シリコン半導体3とを備える。入射光は、
図1に示すようにn型シリコン半導体3の長手方向、すなわちp型シリコン基板2の側面方向から照射され、p型シリコン基板2とn型シリコン半導体3とのpn接合部に生じる空乏領域(図示しない)で吸収され、吸収された入射光により電子正孔対が生成されて信号電荷に変換される。
【0048】
n型シリコン半導体3の長さLは、少なくとも入射する光のシリコンに対する侵入長以上であることが望ましい。ここでは主に、波長が長く受光感度が良くない近赤外線を例に説明する。近赤外線の波長は約780nm〜1100nm程度であり、シリコンに対する平均侵入長は数十μmである。したがって、Lの値は数十μm〜数百μm程度にするのが望ましい。
【0049】
また、p型シリコン基板2の側面2aとn型シリコン半導体3の側面31との距離Wは、p型シリコン基板2の側面から照射された近赤外線が、このp型シリコン基板2の側面部のシリコンにより減衰してしまうことを防止するために、ダイシング等を施すことで極力短く加工する。
図2に示すように、
図2(A)の斜線部で示す領域により近赤外線が減
衰することを防止するために、
図2(B)に示すように側面部のシリコンを切削する。
【0050】
入射光をn型シリコン半導体3の長手方向から照射することで、少なくとも侵入長程度の長さLを有するn型シリコン半導体3とp型シリコン基板2との間に生じる、長手方向に延在する空乏領域を近赤外線が通過するため、近赤外線が吸収される機会が増え受光感度が高くなる。また、p型シリコン基板2の側面2aとn型シリコン半導体3の側面31との距離Wは、最小限の長さにまで切削されるため、入射する近赤外線の減衰を最小限に抑えられ、さらに受光感度が高くなる。
【0051】
図1に示すように、p型シリコン基板2の下面部を、p型シリコン基板2の厚さTに対して、少なくとも空乏領域が形成される程度の厚さtにまで削り落とす加工を施すことで、撮像素子1を小型化し様々な装置に応用することが可能となる。
【0052】
次に、吸収した近赤外線の電荷信号への変換について説明する。
図3(A)は、撮像素子1の上面図であり、n型シリコン半導体3における近赤外線が入射される側面31と反対側の側面32に隣接して設けられる変換回路部5と、当該変換回路部5に隣接しn型シリコン半導体3の上面に変換回路部5と電気的に接続するパッド6とを備える。
図3(B)は、変換回路部5の回路図である。pn接合部でフォトダイオードが受光すると、光電変換に伴う信号キャリアが生成される。この信号キャリアがpn接合部のフォトダイオードの接合容積に蓄積されることで、フォトダイオードのカソード電位が変化する。AMIトランジスタが、このカソード電位変化を電流に変換し、I/V変換回路が電流を信号電圧に変換する。バイアス電圧PixVbは、フォトダイオードのリセット信号を与え、PixRstは、フォトダイオードをリセット電圧に初期化する論理信号である。変換された信号電圧は、パッド6を介して外部の装置へ出力される。
【0053】
なお、p型シリコン基板2とn型シリコン半導体3のp型とn型は反転してもよい。また、本実施形態に係る撮像素子はラインセンサとして機能するものである。
【0054】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る撮像素子について、
図4ないし
図6を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像素子の全体斜視図、
図5は、本実施形態に係る撮像素子における各層の上面図、
図6は、本実施形態に係る撮像素子におけるパッド部の配置例を示す図である。
【0055】
本実施形態に係る撮像素子は、第1の実施形態に係る撮像素子を複数層に積層してイメージセンサとしたものである。なお、本実施形態において前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0056】
図4に示すように、本実施形態に係る撮像素子1は、第1の実施形態に係るラインセンサとしての撮像素子1を複数層に積層し、側面部から光を受光する。複数に積層されることで、撮像素子1の側面に二次元のマトリックス状で画素を配置することができ、前記第1の実施形態に係るラインセンサをイメージセンサとして利用することができる。また、より多くの画素を配置して解像度を上げるために、
図1に示すように、厚さTのp型シリコン基板2を残厚tになるまで加工する。このとき、積層された撮像素子1の解像度を上げるという観点から、残厚tができる限り小さくなるように薄く加工する。
【0057】
図5は、撮像素子1の各層におけるn型シリコン半導体3、変換回路部5、及びパッド6の配置例を示している。
図5(A)が最上層のラインセンサ、
図5(B)が最上層から2番目のラインセンサ、
図5(C)が最上層から3番目のラインセンサ、
図5(D)が最上層からn番目のラインセンサを示している。
図5に示すように、上層から下層になるに連れて、変換回路部5とパッド6との距離が順次大きくなっている。この各層を積層した
ものを
図6に示す。
【0058】
図6に示すように、変換回路部5とパッド6との距離を層ごとに異ならせることで、各ラインセンサごとの情報を、パッド6を介して取り出すことができる。このように、各層ごとに情報が取り出せることで、イメージセンサとして活用することができる。
【0059】
なお、ここでは、下層になるに連れて、一の方向(
図6においては左方向)にのみパッド6の配置を異ならせる構成としたが、撮像素子1を設置する位置や装置に応じて複数方向(例えば、光の照射方向以外の3方向)にパッド6の配置が異ならせるような構成としてもよい。
【0060】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る撮像素子について、
図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る撮像素子においてレンズの位置を調整する処理を示す図である。
【0061】
本実施形態に係る撮像素子は、レンズの上下位置を連続的にシフトさせることで入射光の光軸を補正し、レンズの表示対象からの光を部分的に受光しながら表示対象全体のイメージを生成するものである。なお、本実施形態において上記第1、第2の実施形態と重複する説明は省略する。
【0062】
図7において、撮像素子1における光が入射する方向にレンズ7が設けられており、このレンズ7が、レンズ変動部(図示しない)の制御により上下方向に連続的にシフトする動作を行う。レンズ7の位置を変動させることで入射する光の光軸を補正し、表示対象からの光を部分的に受光しながら全体のイメージを生成して、解像度を上げることができる。
図7(A)は、p型シリコン基板2の厚さT程度の補正を行って解像度を上げる場合の図を示している。
図7(B)は、撮像区域を複数の区分に分割しており(ここでは3つの区分に分割)、各区分ごとに撮像することで、最終的に解像度を大幅に上げることが可能となっている。
【0063】
なお、レンズ7及びレンズ変動部の機構は、一般的に利用されている手ブレ補正等の技術を用いることで容易に実現できる。
【0064】
(本発明の第4の実施形態)
本実施形態に係る撮像素子について、
図8ないし
図15を用いて説明する。
図8は、Bayer方式によるカラーフィルタを示す図、
図9は、カラー分離フォトダイオード方式によるカラー撮像の処理を示す図、
図10は、本実施形態に係る撮像素子の全体斜視図、
図11は、本実施形態に係る撮像素子の断面図、
図12は、本実施形態に係る撮像素子において積層構造にした場合の断面図、
図13は、本実施形態に係る撮像素子における各層の上面図、
図14は、本実施形態に係る撮像素子におけるパッド部の配置例を示す図、
図15は、本実施形態に係る撮像素子においてレンズの位置を調整する処理を示す図である。
【0065】
カラーイメージセンサにおける分光技術として、
図8に示すBayer方式が実現されている。このBayer方式は、特定の波長領域の光を通過するカラーフィルタを用いており、緑(G)のフィルタが市松、赤(R)及び青(B)のフィルタが線順次に画素上に配列されている。
図8に示すように2つの緑、赤及び青の4画素で3原色の色データを生成してカラーイメージの撮影を実現している。
【0066】
この方式を用いた場合、それぞれのカラーフィルタを有する画素は、そのカラー以外の光をカットすることとなり、吸収できる光量が低下してしまう。また、カラーフィルタの
作成は、通常の半導体(CMOS)の製造プロセスに含まれておらず、カラーフィルタを作成するための別工程が必要となってしまい、作業が煩雑で効率が悪くなってしまう。
【0067】
図9に示すカラー分離フォトダイオード方式は、カラーイメージセンサにおける他の分光技術である。
図9に示すように、p型シリコン基板上にn型、p型、n型シリコン層を交互に積層した画素を有し、シリコンに対する光の侵入長が波長により異なる特徴を利用してカラー撮影を実現している。侵入長が短い青色光は浅部のpn接合部で電子正孔対を生成し、侵入長が青色光よりも長い緑色光は中間部のpn接合部で電子正孔対を生成し、侵入長が緑色光よりも長い赤色光は深部のpn接合部で電子正孔対を生成する。
【0068】
1画素中の各pn接合部で生成された電子正孔対から3原色の色データを生成するため、画素の利用効率は
図8のBayer方式よりも優れている。また、カラーフィルタを用いないため、利用できる光量の損失を抑え受光感度の向上を期待することができる。しかしながら、緑色光、及び赤色光のシリコンに対する侵入長は数十μmに及ぶため、p型シリコン基板の表面から数十μmの深さの領域にn型シリコンの層を作製する必要があり、特別な製造工程の追加が必要となる。また、信号電極が各色で独立していないため、3色の信号を分離する処理が別途必要となる。
【0069】
撮像素子1は、n型シリコン半導体3が、長手方向に複数配設されており、入射する光の波長領域に応じた侵入長に対応して、複数のn型シリコン半導体3がp型シリコン基板2に埋設されているものである。つまり、波長領域に応じた色の光を光電変換することができるカラーラインセンサ、及びカラーイメージセンサを実現する。
【0070】
図10は、本実施形態に係る撮像素子1の全体斜視図である。
図1に示す撮像素子1と異なるのは、n型シリコン半導体3が4つ配設されていることである。
図10において、n型シリコン半導体3aが青色光検知用のシリコン半導体、n型シリコン半導体3bが緑色光検知用のシリコン半導体、n型シリコン半導体3cが赤色光検知用のシリコン半導体、n型シリコン半導体3dが近赤外光検知用のシリコン半導体である。この順番は、シリコンに対する光の侵入長が青色光<緑色光<赤色光<近赤外光であることに基づいており、光の入射方向に沿って青色光、緑色光、赤色光、及び近赤外光を検知するためのpn接合部が形成されている。これらのpn接合部は、それぞれが独立しているため、各色の信号を個々に取り出すことが可能となる。
【0071】
図11は、
図10における撮像素子1の断面図であり、複数(4つ)配設された各n型シリコン半導体3は、光の入射方向(長手方向)に対して、入射光を分光できる最適な長さに設定されて形成される。入射する光の光量の99%が吸収されるシリコンへの侵入長を99%侵入長と定義すると、青色光(波長範囲が430nm〜490nm)の99%侵入長は0.3μm〜2.3μm、緑色光(波長範囲が490nm〜550nm)の99%侵入長は1.1μm〜5.0μm、赤色光(波長範囲が640nm〜780nm)の99%侵入長は6.2μm〜40μm、近赤色光(波長範囲が780nm〜)の99%侵入長は40μm〜である。したがって、例えば
図11に示すように各n型シリコン半導体3a〜3dの長さと位置とを設定することで、入射光を正確で効率的に分光することができるようになる。
【0072】
なお、このとき第1の実施形態における
図2の場合と同様に、p型シリコン基板2の側面2aとn型シリコン半導体3aの側面31との距離Wは、入射光の減衰を最小限に抑えるために極力短く加工する。好ましくはW<0.8μmとする。また、ここではn型シリコン半導体3を4つ配設し、青色光、緑色光、赤色光、及び近赤外光をそれぞれ検知することとしたが、例えば3つに分割して青色光、緑色光、及び赤色光をそれぞれ検知する等、n型シリコン半導体3の分割数、それぞれの配置や機能は適宜設計できるものである。
さらに、ここで
図10、及び
図11に示す撮像素子は、ラインセンサとして機能するものである。
【0073】
図10、及び
図11に示すラインセンサとしての撮像素子1は、
図12に示すように複数層に積層することで、第2の実施形態に係る撮像素子1と同様にイメージセンサを実現することができる。ここでも、p型シリコン基板2の厚さTを残厚tになるまで加工し、積層された撮像素子1の解像度を上げるという観点から、少なくともn型シリコン半導体3と空乏領域を残しつつ、残厚tをできる限り薄く加工する。
【0074】
ラインセンサを積層してイメージセンサを実現する場合、各ラインセンサへの電源、信号の供給、又はそれらを取り出す必要がある。
図13は、
図5と同様に撮像素子1の各層におけるn型シリコン半導体3(3a〜3d)、変換回路部5、及びパッド6の配置例を示している。
図13(A)が最上層のラインセンサ、
図13(B)が最上層から2番目のラインセンサ、
図13(C)が最上層から3番目のラインセンサ、
図13(D)が最上層からn番目のラインセンサを示している。
図13に示すように、上層から下層になるに連れて、変換回路部5とパッド6との距離が順次大きくなっている。この各層を積層したものを
図14に示す。
【0075】
図14に示すように、変換回路部5とパッド6との距離を層ごとに異ならせることで、各ラインセンサごとの情報を色情報を含めて、パッド6を介して取り出すことができる。このように、各層ごとに情報が取り出せることで、イメージセンサとして活用することができると共に、ボンディングワイヤとパッド6との接続加工を容易にすることができる。
【0076】
図15に、カラーイメージセンサとしての撮像素子1の解像度を改善する方法として、第3の実施形態に係る撮像素子と同様に、レンズの位置を調整する処理を示す。ここでも、第3の実施形態の場合と同様に、レンズ7の上下位置を連続的にシフトさせることで入射光の光軸を補正し、レンズ7の表示対象からの光を部分的に受光しながら表示対象全体のイメージを生成することで解像度を上げることができる。
【0077】
なお、レンズ7及びレンズ変動部の機構は、一般的に利用されている手ブレ補正等の技術を用いることで容易に実現できる。
【0078】
このように、本実施形態に係る撮像素子は、特別なフィルタ等を設けることなく、簡単に波長領域に応じた色の光を光電変換することができ、カラーイメージセンサとして機能させることができる。また、n型シリコン半導体3の長手方向における長さが、光が入射する側の一端部から反対側の他端部に向かって順次長くなるように埋設されているため、侵入長が長く減衰が多く発生する光ほどn型シリコン半導体3を長くして十分な量の光を吸収し、全体として様々な波長領域における光を均一に吸収することで、高感度の撮像素子を実現することができる。
【0079】
(第5の実施形態)
本実施形態に係る撮像素子について、
図16を用いて説明する。
図16は、本実施形態に係る撮像素子の全体斜視図である。
図16(A)は、n型シリコン半導体3の長手方向に一のn型シリコン半導体3を配設した場合であり、
図16(B)は、n型シリコン半導体3の長手方向に4つのn型シリコン半導体3を配設した場合である。
【0080】
図16に示すように、n型シリコン半導体3における光が入射する側の一端部と反対側の他端部に、n型シリコン半導体3を透過した光を反射させる反射材8を備えている。この反射材は、例えば、エッチング等の技術によりp型シリコン基板2に反射材を埋め込むための溝を形成し、そこにアルミニウム等の反射材8を埋設することで形成することがで
きる。
【0081】
このように、反射材8を備えることで、n型シリコン半導体3を透過した光を反射材8により反射させて、より多くの光を吸収し、受光感度を高めることができる。また、反射材8を設けることで、n型シリコン半導体3を透過した光を再度吸収することが可能となるため、
図16(A)に示すn型シリコン半導体3の長さを短くした場合であっても、受光感度の低下を招くことなく撮像素子を小型化することが可能となる。
【0082】
なお、
図16(B)に示すように、n型シリコン半導体3が長手方向に複数配設されている場合には、光の入射方向から最も遠い位置に配設されたn型シリコン半導体3dの他端部にのみ反射材8が設けられる。
【0083】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0084】
(第6の実施形態)
本実施形態に係る撮像装置について
図17ないし
図22を用いて説明する。
図17は、本実施形態に係る撮像装置の機能ブロック図、
図18は、本実施形態に係る撮像装置における撮像素子の断面図、
図19は、本実施形態に係る撮像素子において白色光を入射光とした場合の信号電荷量を示す図、
図20は、本実施形態に係る撮像素子において白色光が入射光である場合の波長成分の特性を示す図、
図21は、本実施形態に係る撮像素子の動作を示す第1のフローチャート、
図22は、本実施形態に係る撮像素子の動作を示す第2のフローチャートである。
【0085】
図17において、撮像装置10は、撮像素子1と信号入力部11と係数算出部12と信号成分演算部13と波長情報記憶部14と波長決定部15と係数情報記憶部16とを備える。
図18に示すように、撮像素子1は、
図10に示す場合と同様に、複数(4つ)配設されたn型シリコン半導体3(3a〜3d)を有しており、ここでは、光の入射方向(長手方向)から順番に第1半導体(n型シリコン半導体3a)、第2半導体(n型シリコン半導体3b)、第3半導体(n型シリコン半導体3c)及び第4半導体(n型シリコン半導体3d)とする。第1半導体は青色光検出用であり、第2半導体は緑色光検出用であり、第3半導体は赤色光検出用であり、第4半導体は近赤外光検出用である。それぞれの第1半導体ないし第4半導体の長手方向の長さ及び配置は、
図18に示す通りとする。
【0086】
図17において、信号入力部11は、撮像素子1のパッド6から出力された信号を入力する。係数算出部12は、信号入力部11で入力された信号電荷量から、下記の式(1)における係数a
ijを算出し、係数情報記憶部16に記憶しておく。
【0087】
【数2】
ここで、Bは入射光における青色光、Gは入射光における緑色光、Rは入射光における赤色光、IRは入射光における近赤外光の信号電荷量であり、Xは第1半導体で検知された信号電荷量、Yは第2半導体で検知された信号電荷量、Zは第3半導体で検知された信号電荷量、Wは第4半導体で検知された信号電荷量とし、a
ijは素子ごとに決まる入射光
の分光特性を示す係数である。
【0088】
式(1)についてより詳細に説明する。上記のように、第1半導体ないし第4半導体の空乏領域で検出される信号電荷量をX、Y、Z、Wとし、入射光における青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光の波長成分に対応する信号電荷量をB、G、R、IRとすると、次式の関係が成り立つ。
【0089】
【数3】
つまり、入射光における波長成分は、式(2)に{a
ij}
-1を掛けた式(1)により求めることができる。
【0090】
上記式(1)、(2)における係数a
ijの求め方について、
図19を用いて説明する。
図19は、撮像素子1に均一な白色光を入射光として照射させた場合に、第1半導体ないし第4半導体で形成されるPN接合領域で変換される入射光の波長成分に対応する信号電荷量(X、Y、Z、W)の特性を示している。なお、縦軸の信号電荷量は任意の単位であり、値については自由に設定できるものとする。
【0091】
図19に示すように、入射光が白色光であることから、各PN接合領域において様々な波長成分が検出されていることがわかる。このように検出された波長成分から、まず、横軸の波長を複数の領域に区分する。区分の方法は、任意に設定することができるが、ここでは、青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光の波長範囲に対応させて、
図19に示すように、0〜465nm(第1波長領域とする)、465〜560nm(第2波長領域とする)、560〜760nm(第3波長領域とする)及び760nm〜(第4波長領域とする)の区分に分けている。また、各信号電荷量の曲線が交差している点の波長を境目にして区分を分けるようにしてもよい。
図19の場合は、たまたま各曲線の交差している点の波長が各色の波長範囲に一致しているが、実際には必ずしも一致しない場合もある。
【0092】
このように区分した各波長領域ごとに、以下の演算を行ってa
ijを決定する。a
11は、第1波長領域において第1半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
21は、第1波長領域において第2半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
31は、第1波長領域において第3半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
41は、第1波長領域において第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とする。
【0093】
同様に、a
12は、第2波長領域において第1半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
22は、第2波長領域において第2半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
32は、第2波長領域において第3半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
42は、第2波長領域において第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とする。
【0094】
同様に、a
13は、第3波長領域において第1半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
23は、第3波長領域において第2半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
33は、第3波長領域において第3半
導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
43は、第3波長領域において第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とする。
【0095】
同様に、a
14は、第4波長領域において第1半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
24は、第4波長領域において第2半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
34は、第4波長領域において第3半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とし、a
44は、第4波長領域において第4半導体の空乏領域で検出された信号電荷量を集計して求めた平均値とする。
【0096】
なお、上記に示したように、波長領域における信号電荷量の全体を集計した平均値を係数a
ijとして算出してもよいし、波長領域における最大値と最小値との平均値を係数a
ijとして算出してもよい。
【0097】
図17に戻って、信号成分演算部13は、係数算出部12が算出した係数a
ijを用いて入射光における波長の信号成分を演算する。
図20にその演算結果を示す。
図20に示す通り、式(1)の演算を行うことで、青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光のそれぞれの波長成分が明確となり、正確な入射光の分光特性が求められる。ここでは、白色光を入射光としているため、様々な波長成分の理想的な値が求められており、これをテンプレートとして
図17の波長情報記憶部14に記憶しておく。すなわち、青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光の各波長成分に対応する波長が記憶される。
【0098】
波長決定部15は、未知の入射光が照射された場合に、信号入力部11が入射光の信号を入力し、信号成分演算部13が係数情報記憶部16に記憶されている係数a
ijを読み出して入射光における波長の信号成分を演算し、求められた入射光における青色光、緑色光、赤色光及び近赤外光のそれぞれの波長に対応する信号電荷量の割合と、テンプレートとして波長情報記憶部14に記憶されている波長成分の情報とを比較して、対応する波長を入射光の波長として決定する。入射光の波長が決定されることで、入射光の色を特定することが可能となる。
【0099】
なお、上述したように、波長決定部15により入射光の波長を求めることができるが、入射光の強さは、この処理だけでは求めることができない。そこで、撮像装置1が光強度演算部を備える構成にしてもよい。光強度演算部は、信号入力部11が入力した全信号電荷量を用いることで、光の強度を求めることができる。
【0100】
次に、本実施形態に係る撮像装置の動作について説明する。ここでの撮像装置の処理は大きく分けて2つに分けることができる。一方が素子ごとに決まる入射光の分光特性を示す係数a
ijを決定して、白色光から波長成分の割合を示すテンプレートを生成する第1の処理であり、他方が係数a
ijを用いた演算結果とテンプレートの情報から入射光の波長を決定する第2の処理である。
図21は、第1の処理を示すフローチャートであり、
図22は、第2の処理を示すフローチャートである。
【0101】
図21において、まず、信号入力部11が撮像素子1から出力された白色光の信号を入力する(S211)。係数算出部12が、
図19に示すように複数に区分された波長領域ごとに信号電荷量の代表値(信号電荷量の平均値又は信号電荷量の最大値と最小値の平均値)を演算する(S212)。演算された代表値は、素子ごとに決まる入射光の分光特性を示す係数a
ijとして係数情報記憶部16に記憶される(S213)。信号成分演算部13が、演算された係数a
ijを用いて、
図20に示すように白色光の波長の信号成分を演算する(S214)。演算された白色光の波長の信号成分がテンプレートとして波長情報記
憶部14に記憶されて(S215)、第1の処理を終了する。
【0102】
図22において、まず、信号入力部11が撮像素子1から出力された入射光の信号を入力する(S221)。信号成分演算部13が係数情報記憶部16から係数a
ijを読み出し、式(1)を用いて入射光における波長の信号成分を演算する(S222)。波長決定部15が、演算された入射光における波長の信号成分の割合と、波長情報記憶部14に記憶されたテンプレート情報とを比較し(S223)、テンプレートに合致した波長の信号成分の割合に対応する波長を入射光の波長として決定し(S224)、第2の処理を終了する。
【0103】
以上が、本実施形態に係る撮像装置の動作の説明である。