(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持プレートに、前記基板支持部の前記軸を受け入れる軸受け孔が設けられた軸受け部が設けられており、前記軸は前記軸受け孔に沿って水平方向に移動可能となっており、前記バネ部材は、前記軸を前記保持プレートの中心に向かって押圧する機能も有している、請求項2記載の基板処理装置。
前記リフトピンプレートは、前記リフトピンプレート及び前記保持プレートが前記隣接状態にあるときに前記リフトピンプレートの前記リフトピンが前記基板支持部により支持された基板から離れ、かつ、前記リフトピンプレート及び前記保持プレートが前記隣接状態にあるときに前記基板支持部により支持されていない基板の下面を支持することを特徴とする、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図10は、本実施の形態による基板洗浄装置を示す図である。より詳細には、
図1は、本実施の形態による基板洗浄装置を含む液処理システムを上方から見た上方平面図である。また、
図2Aおよび
図2Bは、本実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す縦断面図であり、
図2Cは、
図2Aに示すような、ウエハが基板支持部および固定保持部により保持された状態を示す、
図2Aにおける基板洗浄装置を上方から見た上面図である。また、
図3は、
図2Aおよび
図2Bに示す基板洗浄装置のリフトピンプレートの構成を示す斜視図であり、
図4は、
図2Aおよび
図2Bに示す基板洗浄装置の保持プレートの構成を示す斜視図である。また、
図5は、
図2Aおよび
図2Bに示す基板洗浄装置における、リフトピンプレートから下方に延びる接続部材および保持プレートから下方に延び接続部材を収容する中空の収容部材の構成の詳細を示す拡大縦断面図である。また、
図6乃至
図8は、
図2Aおよび
図2Bに示す基板洗浄装置における保持プレートに設けられた基板支持部の構成を示す拡大縦断面図である。また、
図9は、
図2Aおよび
図2Bに示す基板洗浄装置の洗浄液供給管およびこの洗浄液供給管を昇降させる昇降機構の構成を示す斜視図である。また、
図10は、本実施の形態による基板洗浄方法を示すフローチャートである。
【0022】
まず、
図1を用いて、本実施の形態による基板洗浄装置を含む液処理システムについて説明する。
図1に示すように、液処理システムは、外部から被処理基板としての半導体ウエハ等の基板W(以下、ウエハWともいう)を収容したキャリアを載置するための載置台101と、キャリアに収容されたウエハWを取り出すための搬送アーム102と、搬送アーム102によって取り出されたウエハWを載置するための棚ユニット103と、棚ユニット103に載置されたウエハWを受け取り、当該ウエハWを基板洗浄装置10内に搬送する搬送アーム104と、を備えている。
図1に示すように、液処理システムには、複数(
図1に示す態様では12個)の基板洗浄装置10が組み込まれている。なお、
図1に示すように、搬送アーム104は上方から見て略U字形状となっているが、この搬送アーム104はウエハWをリフトピン22(後述)上に載置したりリフトピン22上からウエハWを取り出したりする際に当該リフトピン22に接触しないような形状となっている。
【0023】
次に、本実施の形態による基板洗浄装置10の概略的な構成について
図2Aおよび
図2Bを用いて説明する。基板洗浄装置10は、ウエハWを保持する保持プレート30と、保持プレート30の上方に設けられ、ウエハWを下方から支持するリフトピン22を有するリフトピンプレート20と、保持プレート30を回転させる回転駆動部39と、保持プレート30の中心部分に形成された貫通穴30aおよびリフトピンプレート20の中心部分に形成された貫通穴20aを通るよう設けられ、保持プレート30により保持されたウエハWの裏面に純水や薬液等の洗浄液を供給する洗浄液供給管40と、を備えている。リフトピンプレート20は、保持プレート30と連動して回転するようになっている。洗浄液供給管40には、リフトピンプレート20の貫通穴20aを塞ぐよう設けられたヘッド部分42が設けられている。
【0024】
リフトピンプレート20および洗浄液供給管40は、保持プレート30に対して相対的に昇降するようになっている。ここで、
図2Aは、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40がそれぞれ下方位置にあるときの状態を示す図であり、
図2Bは、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40がそれぞれ上方位置にあるときの状態を示す図である。リフトピンプレート20および洗浄液供給管40は、それぞれ、
図2Aに示すような下方位置と
図2Bに示すような上方位置との間で昇降するようになっている。
【0025】
なお、基板洗浄装置10により洗浄処理が行われるウエハWについて、全てのウエハWのサイズが均一であるとは限られず、ウエハW毎にサイズに誤差がある場合もある。
【0026】
次に、このような構成からなる基板洗浄装置10の各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0027】
図3に示すように、リフトピンプレート20は円板形状のものからなり、その中心部分には貫通穴20aが形成されている。この貫通穴20aには洗浄液供給管40が通されることとなる。また、リフトピンプレート20の表面には3本のリフトピン22が設けられている。これらのリフトピン22は、リフトピンプレート20の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。また、リフトピンプレート20の裏面(各リフトピン22が設けられた面とは反対側の面)には、3つの棒状の接続部材24が設けられている。各接続部材24は、リフトピンプレート20の裏面から下方に延びるようになっている。これらの接続部材24は、リフトピンプレート20の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。
【0028】
図4に示すように、保持プレート30は円板形状のものからなり、その中心部分には貫通穴30aが形成されている。この貫通穴30aには洗浄液供給管40が通されることとなる。また、保持プレート30の表面には、接続部材38を介して回転カップ36が取り付けられている。回転カップ36は、
図2Aに示すようにリフトピンプレート20および洗浄液供給管40が下方位置にあるときに保持プレート30により保持されるウエハWの外周縁を囲うようになっている。また、
図2Aや
図2Cに示すように、回転カップ36には、ウエハWを保持するための2つの固定保持部37が設けられている。これらの固定保持部37の具体的な機能については後述する。なお、これらの固定保持部37は、回転カップ36に設けられる代わりに保持プレート30に設けられていてもよく、あるいは接続部材38に直接接続されていてもよい。固定保持部37が接続部材38に直接接続されている場合には、水平方向の力に対する固定保持部37の強度をより大きなものとすることができる。
【0029】
また、保持プレート30の裏面(回転カップ36が設けられた面とは反対側の面)の中心部分には、当該保持プレート30の裏面から下方に延びるよう中空の回転軸34が取り付けられている。この回転軸34の中空部分には洗浄液供給管40が収容されている。また、回転軸34はベアリング(図示せず)等を介して回転駆動部39により回転させられるようになっている。回転駆動部39が回転軸34を回転させることにより、保持プレート30も回転することとなる。
【0030】
また、
図4に示すように、保持プレート30には、リフトピンプレート20の裏面から下方に延びる棒状の各接続部材24が通過するような、3つの貫通穴(接続部材貫通穴)30bが形成されている。各貫通穴30bは保持プレート30の周方向に等間隔に設けられている。また、保持プレート30の裏面において、各貫通穴30bの箇所には、3つの円筒形状の収容部材32が設けられている。各収容部材32は、保持プレート30の裏面から下方に延びるようになっており、リフトピンプレート20の裏面から下方に延びる各接続部材24を収容するようになっている。これらの収容部材32は、保持プレート30の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。
【0031】
リフトピンプレート20の裏面から下方に延びる各接続部材24および保持プレート30の裏面から下方に延びる各収容部材32について
図5を用いてより詳細に説明する。
図5に示すように、円筒形状の各収容部材32の内径は各接続部材24の外径よりもやや大きくなっており、各収容部材32の長手方向(
図5の上下方向)に沿って各接続部材24が各収容部材32内で移動することができるようになっている。
図2Aに示すように、リフトピンプレート20が下方位置にあるときには、各接続部材24は各収容部材32に完全に収容された状態となる。一方、
図2Bに示すように、リフトピンプレート20が上方位置にあるときには、各接続部材24はその下部における一部分のみが各収容部材32に収容された状態となり、各接続部材24は保持プレート30に形成された貫通穴30bを通過してこの保持プレート30から上方に突出するようになる。このように、リフトピンプレート20が下方位置にあるときには、各接続部材24が各収容部材32に完全に収容された状態となるので、保持プレート30を回転させたときに、各接続部材24を介してリフトピンプレート20も連動して回転するようになる。
【0032】
図5に示すように、各収容部材32の中空部分にはバネ26が圧縮された状態で収容されている。このバネ26は、その下端が接続部材24の下端部分に取り付けられるとともに、その上端が貫通穴30bの近傍における保持プレート30の下面に取り付けられるようになっている。このため、バネ26により接続部材24は下方に付勢されるようになっている。すなわち、バネ26が圧縮状態から元の状態に戻ろうとする力により、接続部材24には常に下向きの力(保持プレート30から下方に移動しようとする力)が加えられることとなる。
【0033】
図2Aおよび
図2Bに示すように、回転カップ36の外方には外カップ56が設けられており、保持プレート30や回転カップ36は外カップ56により覆われるようになっている。この外カップ56には排液管58が接続されており、ウエハWの洗浄のために使用され、ウエハWの回転により当該ウエハWから外方に飛散して外カップ56により受けられた洗浄液は排液管58により排出されるようになっている。
【0034】
図2A等に示すように、保持プレート30には、ウエハWを側方から支持するための基板支持部31が設けられている。基板支持部31は、
図2Aに示すようにリフトピンプレート20が下方位置にあるときにウエハWを側方から支持し、一方、
図2Bに示すようにリフトピンプレート20が上方位置にあるときにウエハWから離間するようになっている。より詳細に説明すると、
図2Cに示すように、ウエハWの洗浄処理を行う際に、このウエハWは基板支持部31および2つの固定保持部37により保持されるようになる。このときに、基板支持部31はウエハWを固定保持部37に向かって押し付けるようになっている。すなわち、
図2Cにおいて基板支持部31によりウエハWに対して
図2Cにおける左方向に力が加えられ、このことによりウエハWは2つの固定保持部37に押し付けられることとなる。このように、基板支持部31および固定保持部37の両方を用いてウエハWを側方から支持する場合には、固定保持部37を用いずに複数の基板支持部31を用いてウエハWを側方から支持する場合と比較して、ウエハWに対して移動(進退)する部材の数を1つのみとすることができるので、よりシンプルな構成でウエハWの支持を行うことができるようになる。
【0035】
このような基板支持部31の構成の詳細について
図6乃至
図8を用いて説明する。
【0036】
図6は、リフトピンプレート20が
図2Bに示すような上方位置から
図2Aに示すような下方位置に向かって移動する途中での状態を示す図であり、
図7は、
図6に示す状態からリフトピンプレート20が下方に移動したときの状態を示す図であり、
図8は、
図6に示す状態からリフトピンプレート20が更に下方に移動し、リフトピンプレート20が
図2Aに示すような下方位置に到達したときの状態を示す図である。
【0037】
図6乃至
図8に示すように、基板支持部31は軸31aを介して保持プレート30に軸支されている。より詳細には、
図6乃至
図8に示すように、保持プレート30には軸受け部33が取り付けられており、この軸受け部33に設けられた軸受け孔33aに軸31aが受け入れられるようになっている。軸受け孔33aは水平方向に延びるような細長い孔からなり、基板支持部31の軸31aはこの軸受け孔33aに沿って水平方向に移動することができるようになっている。このようにして、基板支持部31は、軸受け部33の軸受け孔33aに受け入れられた軸31aを中心として揺動するようになっている。
【0038】
また、基板支持部31の軸31aには、ねじりバネ等のバネ部材31dが巻き掛けられている。このバネ部材31dは、軸31aを中心として基板支持部31を
図6乃至
図8における時計回りの方向に回転させるような力を基板支持部31に付勢するようになっている。このことにより、基板支持部31に何ら力が加えられていない場合には、
図2Bに示すように、基板支持部31が保持プレート30に対して傾斜した状態となり、基板支持部31におけるウエハWを側方から支持するための基板支持部分31b(後述)は保持プレート30の中心から遠ざかった状態となる。
【0039】
また、軸31aに巻き掛けられたバネ部材31dからは線状部分が伸び出しており、この線状部分は軸受け部33の内壁面33bに係止されて、軸31aを保持プレート30の中心に向かって押し返すようになっている。このように、バネ部材31dの線状部分により、軸31aは保持プレート30の中心に向かって(すなわち、
図6乃至
図8における左方向に向かって)常時押圧されるようになっている。このため、比較的径が小さなウエハWが基板支持部31および固定保持部37により支持される場合には、軸31aは、
図6乃至
図8に示すように、軸受け孔33aにおける保持プレート30の中心に近い位置(すなわち、
図6乃至
図8における左側の位置)に位置することとなる。一方、比較的径が大きなウエハWが基板支持部31および固定保持部37により支持される場合には、バネ部材31dの線状部分による力に抗して、軸31aは軸受け孔33aに沿って
図6等に示す位置から右方向に移動するようになる。
【0040】
また、基板支持部31は、ウエハWを側方から支持する基板支持部分31bと、軸31aに関して基板支持部分31bと反対側に設けられた被押圧部材31cとを有している。被押圧部材31cは、リフトピンプレート20と保持プレート30との間に設けられており、この被押圧部材31cは、
図6乃至
図8に示すようにリフトピンプレート20が下方位置またはその近傍位置にあるときに当該リフトピンプレート20の下面により下方に向かって押圧されるようになっている。
【0041】
図6乃至
図8に示すように、基板支持部31は、リフトピンプレート20が上方位置から下方位置に移動したときに、当該リフトピンプレート20の下面により被押圧部材31cが下方に押圧されることにより軸31aを中心として
図6等の反時計回りの方向(
図6等の矢印方向)に回転する。そして、基板支持部31が軸31aを中心として回転することにより、基板支持部分31bがウエハWに向かって当該ウエハWの側方から移動する。このことにより、リフトピンプレート20が下方位置に到達したときに、
図8に示すように、ウエハWが基板支持部31により側方から支持されることとなる。ここで、
図8に示すように、ウエハWが基板支持部31により側方から支持されたときに、このウエハWはリフトピン22の先端から上方に離間し、リフトピン22から上方に浮いた状態となる。また、前述のように、ウエハWの大きさによっては、バネ部材31dの線状部分による力に抗して軸31aが軸受け孔33aに沿って
図6等に示す位置から右方向に移動する場合もある。このため、比較的大きなウエハWが基板支持部31および固定保持部37により支持される場合であっても、基板支持部31が水平方向に移動可能となっているので、ウエハWを変形させたり破損させたりすることなくウエハWを側方から支持することができる。
【0042】
上述のような基板支持部31が基板洗浄装置10に設けられていることにより、基板支持部31を駆動するための駆動機構を設ける必要がなく、後述する昇降駆動部50によりリフトピンプレート20を昇降させるだけで、基板支持部31と、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40とを連動して駆動させることができるので、基板洗浄装置10の構成をよりシンプルなものとすることができる。また、リフトピンプレート20の昇降のタイミングと基板支持部31の移動のタイミングとの間にタイムラグが生じることを抑制することができ、スループットを向上させることもできる。
【0043】
図2Aおよび
図2Bに示すように、洗浄液供給管40はリフトピンプレート20の貫通穴20aおよび保持プレート30の貫通穴30aをそれぞれ通過するよう設けられている。なお、洗浄液供給管40は、リフトピンプレート20や保持プレート30が回転する際にも回転しないようになっている。洗浄液供給管40の内部には、純水や薬液等の洗浄液を通すための、1または複数の洗浄液供給路が設けられている。
図2Aおよび
図2Bにおいては、2つの洗浄液供給路40a、40bが洗浄液供給管40の内部に設けられていることが示されているが、実際には例えば4つの洗浄液供給路が洗浄液供給管40の内部に設けられている。
図9に示すように、洗浄液供給管40の先端部分にはヘッド部分42が設けられている。このヘッド部分42は円板形状に類似する形状となっている。また、ヘッド部分42はリフトピンプレート20の貫通穴20aを塞ぐよう設けられている。ヘッド部分42には1または複数のノズルが設けられている。
図9においては、4つのノズル42a〜42dがヘッド部分42に設けられていることが示されている。ヘッド部分42に設けられた各ノズルは、洗浄液供給管40の内部に設けられた各洗浄液供給路に連通するようになっており、各洗浄液供給路から各ノズルに送られた純水や薬液等の洗浄液が当該ノズルからウエハWの裏面に向かって噴射されることとなる。なお、洗浄液供給管としては、純水や薬液等の洗浄液が通る洗浄液供給路に加えて、N2ガス等のガスが通るガス供給路が設けられたものを用いてもよい。また、代わりに、洗浄液供給管の洗浄液供給路に洗浄液だけではなくガスも送るようにしてもよい。これらの場合、洗浄液供給管のガス供給路や洗浄液供給路に送られたガスは、当該供給路に対応するヘッド部分のノズルからウエハWに噴射されることとなる。
【0044】
図2A、
図2Bおよび
図9に示すように、洗浄液供給管40には接続部材52を介して昇降駆動部50が設けられている。昇降駆動部50は、洗浄液供給管40を昇降させるようになっている。すなわち、昇降駆動部50が接続部材52を昇降させることにより、この接続部材52に接続された洗浄液供給管40も昇降することとなる。より詳細には、昇降駆動部50は、
図2Aに示すような下方位置と、
図2Bに示すような上方位置との間で洗浄液供給管40を昇降させる。
【0045】
また、
図9に示すように、洗浄液供給管40には第1の連動部材44が接続されている。そして、第1の連動部材44には、3つの棒状の第2の連動部材46が第1の連動部材44から上方に延びるよう接続されている。ここで、各第2の連動部材46は、リフトピンプレート20の裏面から下方に延びるよう設けられた各接続部材24に対応して設けられており、棒状の各第2の連動部材46の外径は円筒形状の収容部材32の内径よりも小さくなっている。より詳細には、各第2の連動部材46は、各接続部材24の底面に接触するよう設けられており、各第2の連動部材46は、
図2B等に示すように各収容部材32内で各接続部材24を上方に押し上げることができるようになっている。
【0046】
すなわち、
図2Aに示すような状態において、昇降駆動部50が洗浄液供給管40を上方に移動させたときには、洗浄液供給管40に接続された第1の連動部材44および各第2の連動部材46も上方に移動し、各第2の連動部材46が各収容部材32内で各接続部材24を上方に押し上げることとなる。このことにより、リフトピンプレート20も洗浄液供給管40と連動して上方に移動し、
図2Bに示すように、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40はそれぞれ上方位置に到達することとなる。一方、
図2Bに示すような状態において、昇降駆動部50が洗浄液供給管40を下方に移動させたときには、収容部材32の内部に設けられたバネ26の力により接続部材24には常に下方に向かう力が加えられているので、各第2の連動部材46が下方に移動したときに各接続部材24もその下面が各第2の連動部材46の上端部分に接触するよう下方に移動することとなる。このようにして、
図2Aに示すように、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40はそれぞれ下方位置に到達することとなる。
【0047】
図2Aに示すように、リフトピンプレート20は、下方位置にあるときには保持プレート30に隣接するようになる。一方、
図2Bに示すように、リフトピンプレート20は、上方位置にあるときには、保持プレート30から上方に離間し、リフトピン22上へのウエハWの受け渡しおよびリフトピン22上からのウエハWの取り出しを行うことができるようになる。
【0048】
このように、第1の連動部材44および3つの第2の連動部材46により、リフトピンプレート20と洗浄液供給管40とを連動して一体的に昇降させる連動機構が構成されている。また、第1の連動部材44、3つの第2の連動部材46、昇降駆動部50、接続部材52により、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40を保持プレート30に対して相対的に昇降させる昇降機構が構成されている。
【0049】
次に、このような構成からなる基板洗浄装置10の動作について
図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0050】
まず、昇降機構によって、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40を
図2Bに示すような上方位置に位置づける(
図10のSTEP1参照)。次に、
図2Bの二点鎖線に示すように、基板洗浄装置10の外部からウエハWが搬送アーム104により基板洗浄装置10に搬送され、このウエハWがリフトピンプレート20のリフトピン22上に載置される(
図10のSTEP2参照)。
【0051】
次に、昇降駆動部50が洗浄液供給管40を上方位置から下方位置まで移動させる。この際に、収容部材32の内部に設けられたバネ26の力により接続部材24には常に下方に向かう力が加えられているので、洗浄液供給管40の下方への移動に連動してリフトピンプレート20も下方に移動し、リフトピンプレート20が上方位置から下方位置まで移動する(
図10のSTEP3参照)。また、この際に、リフトピンプレート20の下面により基板支持部31の被押圧部分31cが
図6に示すような状態から下方に押圧され、このことにより基板支持部31が軸31aを中心として
図6の反時計回りの方向に回転する。このようにして、基板支持部31の基板支持部分31bがウエハWに向かって当該ウエハWの側方から移動し(
図7参照)、基板支持部31によりウエハWは側方から支持されることとなる(
図8参照)。このときに、基板支持部31により側方から支持されたウエハWはリフトピン22から上方に離間することとなる。
【0052】
リフトピンプレート20および洗浄液供給管40が
図2Aに示すような下方位置に到達した後、回転駆動部39により保持プレート30を回転させる。この際に、保持プレート30の裏面から下方に延びるよう設けられた各収容部材32に、リフトピンプレート20の裏面から下方に延びるよう設けられた各接続部材24が収容された状態となっているので、保持プレート30が回転したときにリフトピンプレート20も連動して回転し、ウエハWも回転することとなる。なお、この際に、洗浄液供給管40は回転することなく停止したままである。
【0053】
次に、ウエハWが回転した状態で、洗浄液供給管40からウエハWの裏面に向かって純水や薬液等の洗浄液を供給する(
図10のSTEP4参照)。このことにより、ウエハWの洗浄処理が行われる。より詳細には、まず、ウエハWの裏面に向かって洗浄液供給管40から薬液を供給し、このウエハWの薬液処理を行った後、ウエハWの裏面に向かって洗浄液供給管40から純水を供給し、このウエハWのリンス処理を行う。
【0054】
ウエハWの洗浄処理が終了したら、ウエハWを更に回転させることによりウエハWの乾燥処理を行う。その後、昇降駆動部50が洗浄液供給管40を下方位置から上方位置まで移動させる。この際に、各第2の連動部材46が各接続部材24を上方に押し上げることにより、洗浄液供給管40の上方への移動に連動してリフトピンプレート20も上方に移動し、リフトピンプレート20が下方位置から上方位置まで移動する(
図10のSTEP5参照)。また、この際に、基板支持部31に対するバネ部材31dの付勢力により、基板支持部31は軸31aを中心として
図6の時計回りの方向(
図6における矢印とは反対の方向)に回転する。このことにより、基板支持部31はウエハWから側方に離間することとなる。基板支持部31がウエハWから側方に離間することにより、このウエハWはリフトピン22により裏面から支持されるようになる。
【0055】
図2Bに示すようにリフトピンプレート20および洗浄液供給管40が上方位置に到達した後、リフトピン22上に載置されたウエハWは搬送アーム104により当該リフトピン22から取り出される(
図10のSTEP6参照)。搬送アーム104により取り出されたウエハWは基板洗浄装置10の外部に搬送される。このようにして、一連のウエハWの洗浄処理が完了する。
【0056】
以上のように本実施の形態の基板洗浄装置10および基板洗浄方法によれば、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40が保持プレート30に対して相対的に昇降するようになっており、ウエハWを下方から支持するリフトピン22はリフトピンプレート20に設けられている。しかも、洗浄液供給管40には、リフトピンプレート20の貫通穴20aを塞ぐようなヘッド部分42が設けられている。このように、リフトピンプレート20の貫通穴20aが、洗浄液供給管40に設けられたヘッド部分42により塞がれるので、洗浄液供給管40を通すための貫通穴20aに洗浄液が入り込んでしまうことを防止することができる。また、このようなリフトピンプレート20にリフトピン22が設けられているので、従来のようなリフトピン22を通すための貫通穴が底板に形成されておりリフトピン22が当該貫通穴を通って底板の下方に退避するようになっている場合と比較して、ウエハWの乾燥後にリフトピン22に洗浄液が残ることがなくなり、このことにより洗浄処理後のウエハWの裏面に洗浄液が付着することを防止することができる。なぜならば、ウエハWの乾燥処理時に、リフトピン22がリフトピンプレート20と一体的に回転するからである。さらに、本実施の形態の基板洗浄装置10によれば、リフトピン22がリフトピンプレート20と一体的に回転することにより、リフトピン22に洗浄液の液滴が残ることが抑制され、このことにより洗浄処理後のウエハWの裏面に洗浄液の液滴が付着することをより一層防止することができる。
【0057】
また、本実施の形態の基板洗浄装置10においては、洗浄液供給管40とリフトピンプレート20を一体的に昇降させるようになっているので、洗浄液供給管40やリフトピンプレート20が昇降する際にヘッド部分42がリフトピンプレート20の貫通穴20aを常に塞いだ状態となり、貫通穴20aに洗浄液が入り込んでしまうことをより一層防止することができる。
【0058】
また、本実施の形態の基板洗浄装置10においては、保持プレート30に回転カップ36が設けられているので、ウエハWの洗浄処理を行う際に回転しているウエハWから洗浄液が外方に飛散することを防止することができる。また、保持プレート30に基板支持部31が設けられているので、ウエハWを回転させる際にウエハWを側方から支持することによってより安定的にウエハWが保持されることとなる。
【0059】
なお、本実施の形態による基板洗浄装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0060】
例えば、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40を一体的に昇降させる代わりに、リフトピンプレート20および洗浄液供給管40を互いに独立して昇降させるようになっていてもよい。例えばリフトピンプレート20を昇降させるためのリフトピンプレート昇降駆動部が昇降駆動部50とは別に設けられることとなる。
【0061】
また、基板洗浄装置におけるリフトピンプレート20の貫通穴20aにおいて洗浄液供給管40の周囲にフィン部材60が設けられていてもよい。このような基板洗浄装置について、
図11および
図12を用いて説明する。
図11は、リフトピンプレート20の貫通穴20aにおいて洗浄液供給管40の周囲にフィン部材60が設けられたような、他の基板洗浄装置の構成を示す縦断面図である。また、
図12は、
図11に示す他の基板洗浄装置の一部を示す斜視図である。なお、
図12は、フィン部材60がよく見えるようにするために、リフトピンプレート20が下方位置にあるとともに洗浄液供給管40が上方位置にあるような状態での基板洗浄装置の一部の斜視図となっている。
【0062】
図11および
図12に示すように、リフトピンプレート20の貫通穴20aにおいて洗浄液供給管40の周囲にフィン部材60が設けられている。
図12に示すように、フィン部材60には、貫通穴20aの中心から放射状に延びる複数のフィン部分60aが設けられている。フィン部材60はリフトピンプレート20に取り付けられており、リフトピンプレート20が回転するときにフィン部材60も回転するようになっている。
【0063】
リフトピンプレート20の貫通穴20aにフィン部材60が設けられていることにより、リフトピンプレート20およびフィン部材60が回転したときに、リフトピンプレート20の貫通穴20aにおいてリフトピンプレート20の上方から貫通穴20aに向かうような下方向の空気の流れが形成される。このため、貫通穴20aよりも下方における回転駆動部39やベアリング等の近傍のダストが洗浄液供給管40と回転軸34との間の隙間を通って上方向に巻き上げられ、このダストが貫通穴20aからリフトピンプレート20の上方に吹き出してしまうことを防止することができる。
【0064】
また、保持プレート30により保持されたウエハWに対して必ずしもその裏面のみに洗浄液を供給する必要はなく、
図13に示すように、保持プレート30により保持されたウエハWの表(おもて)面に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル70を設けてもよい。
図13に示すような基板洗浄装置10aにおいては、洗浄液供給ノズル70として、保持プレート30により保持されたウエハWの径方向に沿って当該ウエハWの中心部分と周縁部分との間で水平方向に移動自在となっているものを用いてもよい。
【0065】
また、本発明による液処理装置および液処理方法は、ウエハWの洗浄処理を行う基板洗浄装置および基板洗浄方法に限定されることはない。本発明による液処理装置および液処理方法を、ウエハWのエッチング処理等、他の種類のウエハWの液処理に適用することもできる。
【0066】
また、液処理装置として、上述のような構成のものに限ることはない。他の液洗浄装置の構成として、基板を保持する保持プレートと、保持プレートの上方に設けられ、基板を下方から支持するリフトピンを有するリフトピンプレートと、保持プレートを回転させる回転駆動部と、リフトピンプレートを保持プレートに対して相対的に昇降させる昇降機構とを備え、保持プレートに、基板を側方から支持する基板支持部が設けられており、基板支持部は、リフトピンプレートが下方位置にあるときに基板を側方から支持し、リフトピンプレートが上方位置にあるときに基板から離間するようになっているようなものを用いてもよい。
【0067】
このような液処理装置によれば、基板支持部を駆動するための駆動機構を設ける必要がなく、昇降機構がリフトピンプレートを昇降させるだけで、基板支持部をリフトピンプレートと連動して駆動させることができる。このため、例えば特開2009−60063号公報に開示されるようにリフトピンプレートの昇降機構および基板支持部の駆動機構の両方を設ける場合と比較して、液処理装置の構成をよりシンプルなものとすることができる。また、特開2009−60063号公報に開示されるようにリフトピンプレートの昇降機構および基板支持部の駆動機構の両方を設けた場合には、リフトピンプレートの昇降のタイミングと基板支持部の移動のタイミングとの間にタイムラグが生じるおそれがあるが、上述のような液処理装置によれば、リフトピンプレートの昇降および基板支持部の移動が連動するので、このようなタイムラグが生じることを抑制することができ、スループットを向上させることもできる。このように、上述のような液処理装置によれば、多くの駆動機構を設ける必要があるという従来の液処理装置の問題点を解決することができる。