(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の群の各第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)に対して同じ集合に属する第2の群の第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)が存在するような第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の少なくとも1つの第1及び1つの第2の群が存在し、
前記第1及び第2の群は、同じ数の第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)を包含する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明光学ユニット(339,439)。
前記複数の第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)の各第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)が、法線ベクトル(571a,571b)を有する反射光学面を有し、
前記第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)の前記姿勢は、前記法線ベクトル(571a,571b)の向きにおいて異なる、
ことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の照明光学ユニット(339,439)。
第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の各群が、第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)の割り当てられた群を、第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)の該割り当てられた群が該第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の群の該第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)に割り当てられた全ての第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)を包含するという点で定義し、
同じ割り当てられた群の全ての第1の反射ファセット要素(3,303,403,503,603,903)が、2つの姿勢の間の変更を連帯的にのみ達成することができるような方法で具現化される、
ことを特徴とする請求項4に記載の照明光学ユニット(339,439)。
前記第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)は、中点(29,829,1229a,1229b)を有する反射光学面(31)を有し、
前記第2の光学要素(5,305,405,605,805)は、照明光学ユニット(339,439)の射出瞳平面に配置され、又は照明光学ユニット(339,439)の射出瞳平面に結像され、
前記射出瞳平面は、第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の各群に対して群に関連付けられた領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)が存在するように、互いに素の領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)へと再分割され、
前記群の全ての第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の前記反射光学面の前記中点(29,829,1229a,1229b)は、前記関連付けられた領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)に姿勢するか、又は該関連付けられた領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)内に結像される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明光学ユニット(339,439)。
群に関連付けられた全ての領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,277a,277b,277c,233a,233b,233c,877,879,1077)が、少なくとも2つの互いに素の部分領域(881a,881b,883a,883b,883c,883d)へと再分割され、
前記部分領域(881a,881b,883a,883b,883c,883d)は、対称点(880,1080,1280)に関して中心対称に置かれ、
全ての領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)が、同じ対称点(880,1080,1280)を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の照明光学ユニット(339,439)。
群に関連付けられた全ての領域(27a,27b,27c,33a,33b,33c,227a,227b,227c,233a,233b,233c,877,879,1077)の和集合が、真円又は完全な環帯の形態を有する、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の照明光学ユニット(339,439)。
前記第1の光学要素(1,301,401,601)は、照明光学ユニット(339,439)の前記作動中に前記射出瞳平面に2つの異なる照明をもたらす少なくとも第1の状態及び第2の状態を取ることができ、
放射線が、前記第1の状態では第1のクラスの全ての第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)に印加され、前記第2の状態では第2のクラスの全ての第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)に印加される、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の照明光学ユニット(339,439)。
第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の数が、250よりも大きく、第2の反射ファセット要素(7,307,407,607,807,1207)の群の数が、50よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の照明光学ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、物体視野の位置に多数の異なる角度依存強度分布を与えるのに用いることができる照明光学ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、複数の第1の反射ファセット要素を有する第1の光学要素と、複数の第2の反射ファセット要素を有する第2の光学要素とを含むEUVマイクロリソグラフィのための照明光学ユニットを用いて達成される。この場合、複数の第1の反射ファセット要素からの各第1の反射ファセット要素は、それが、異なる位置のそれぞれの最大数を有し、これが、第1のファセット要素が照明光学ユニットの作動中にその異なる位置において放射線をその上に誘導する全ての第2のファセット要素から集合が構成されるという点で第2の反射ファセット要素から成る、この第1のファセット要素に関連付けられた集合を定めるような方法で具現化される。この場合、複数の第2の反射ファセット要素は、複数の互いに素の群を形成し、これらの群の各々及びこれらの集合の各々は、少なくとも2つの第2のファセット要素を包含し、同じ群に属する集合のいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。
【0006】
この場合、同時に2つの群に属するいかなるファセット要素も存在しない場合には、ファセット要素から成る複数の群を互いに素と表現する。
【0007】
これらの群は、これらの群が互いに対して逆であるか否かによって更に特徴付けることができる。第2の反射ファセット要素から成るいくつかの互いに素の群G1、...、GNは、群G1、...、GNのうちの1つからの各第2の反射ファセット要素がある一定の集合に属し、この集合が群G1、...、GNからの第2の反射ファセット要素しか含まない場合に互いに逆と表現する。これは、特に、第1の光学要素は、照明光学ユニットの作動中に、群G1、...、GNのうちの1つの全ての第2の反射ファセット要素上に放射線が誘導される1つの状態を取ることができ、別の群G1、...、GNの全ての第2の反射ファセット要素に放射線が誘導される別の状態を取ることができるが、この第1の光学要素は、群G1、...、GNのうちの1つからの全ての第2の反射ファセット要素と、別の群の少なくとも1つの第2の反射ファセット要素との上に放射線が誘導される状態を取ることができないことを意味する。同じ集合に属する2つの第2の反射ファセット要素上に放射線を同時に誘導することができないので上述のことが生じる。
【0008】
照明光学ユニットの一実施形態では、第1の群の各第2の反射ファセット要素に対して、第2の群に同じ集合に属する第2の反射ファセット要素が存在するような第2の反射ファセット要素から成る少なくとも1つの第1の群及び1つの第2の群が存在し、第1の群と第2の群は、同じ数の第2の反射ファセット要素を包含する。これらの2つの特性は、第2の群の各第2の反射ファセット要素に対しても、第1の群に同じ集合に属する第2の反射ファセット要素が存在するという効果を有する。従って、第1の反射ファセット要素は、照明光学ユニットの作動中に放射線が第1の群の全ての第2の反射ファセット要素上に誘導される少なくとも第1の位置と、照明光学ユニットの作動中に放射線が第2の群の全ての第2の反射ファセット要素上に誘導される第2の位置とを取ることができる。
【0009】
本発明による照明光学ユニットの一実施形態では、複数の第1の反射ファセット要素の各第1の反射ファセット要素は、法線ベクトルを有する反射光学面を有し、第1の反射ファセット要素の位置は、法線ベクトルの向きにおいて異なる。この構成により、第1の反射ファセット要素の反射光学面が傾斜可能方式で具現化され、それよって本発明の簡単な実現が可能になる。
【0010】
本発明の更に別の構成では、各第2の反射ファセット要素に対して、正確に1つの割り当てられた第1の反射ファセット要素が存在し、この割り当てられた第1の反射ファセット要素は、照明光学ユニットの作動中に、この関連付けられた第1の反射ファセット要素が放射線を第2の反射ファセット要素に誘導するように取る位置を有する。それに応じて、第2の反射ファセット要素上に誘導される放射線は、常に、同じ方向、すなわち、正確に1つの割り当てられた第1のファセット要素の方向から到着する放射線である。従って、第2の光学要素の反射光学面を常に等しく配向することができ、この向きは、放射線が物体視野の方向に伝送されるように選択される。従って、第2の反射光学要素の反射光学面を傾斜可能方式で構成する必要がなく、それによってより簡単な機械的構成が可能になる。
【0011】
照明光学ユニットのこの実施形態の一拡張では、第2の反射ファセット要素から成る各群は、第1の反射ファセット要素から成る割り当てられた群を、第1の反射ファセット要素から成る割り当てられた群が第2の反射ファセット要素から成る群の第2の反射ファセット要素に割り当てられた全ての第1の反射ファセット要素を包含するという点で定義し、割り当てられた同じ群の全ての第1の反射ファセット要素は、2つの位置の間の変更を連帯的にしか達成することができないような方法で具現化される。これは、例えば、再配置を連帯的にのみ達成されるように群の第1の反射ファセット要素を互いに機械的に接続するか、又はそうでなければ制御電子機器において連帯駆動を定めることにより、群の全ての第1の反射ファセット要素を連帯的にしか駆動することができないことによって実現することができる。これは、例えば、群の全ての第1の反射ファセットの位置を変更するのに1つの制御信号を用いることができるので、機械的な実施形態又は電子制御をより簡単に具現化することができるという利点を有する。同時に、本発明による群の分類が、物体視野の位置において多数の異なる角度依存強度分布を与えることを更に可能にする。
【0012】
更に、この種の照明光学ユニットは、割り当てられた同じ群の2つの第1の反射ファセット要素の法線ベクトルが、少なくとも1つの共通位置において異なる方向を有するように拡張することができる。この拡張は、第2の反射ファセット要素が互いに実質的に隣接する場合であっても、割り当てられた同じ群の第1の反射ファセット要素を第1の光学要素にわたって配分された方式で配置することができるという利点を有する。この配列により、第1の反射ファセット要素の配列を光源ユニットによる第1の光学要素の照明に適応させることが可能になる。
【0013】
照明光学ユニットの一実施形態では、全ての集合は、正確に2つの第2の反射ファセット要素を包含する。これは、第1の反射ファセット要素のうちの少なくとも一部分の各第1の反射ファセット要素が、正確に2つの位置を有することを意味する。それは、照明光学ユニットの作動中に第1の反射ファセット要素が第2の反射ファセット要素のうちの1つの上に放射線を誘導する第1の位置、及び第1の反射ファセット要素が別の第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導する第2の位置である。第1の反射ファセット要素のそのような実施形態は、1つのみの回転軸に対する2つの精密な末端停止部の使用によって機械的に単純な方式で実現することができる。
【0014】
照明光学ユニットの代替構成では、正確に2つの第2の反射ファセット要素を有する少なくとも1つの集合と、2つよりも多くの第2の反射ファセット要素を有する少なくとも1つの集合とが存在する。その結果、柔軟性が高まり、物体視野の位置において多数の異なる角度依存強度分布を与えることができる。
【0015】
照明光学ユニットの一実施形態では、第2の光学要素は、照明光学ユニットの射出瞳平面に配置されるか、又は照明光学ユニットの射出瞳平面に結像される。第2の反射ファセット要素が中点を有する反射光学面を有するという特性と合わせて、上述のことは、第2の反射ファセット要素の各群に対して群に関連付けられた領域が存在するように射出瞳平面が互いに素の領域へと再分割されるという効果を有し、各群の全ての第2の反射ファセット要素の反射光学面の中点は、関連付けられた領域内に位置するか又は結像される。これは、群分類が、射出瞳平面内の望ましい照明分布から簡単な方式で生じるという利点を有する。
【0016】
結像解像度に対しては、物体視野の位置における角度依存強度分布が重要であるが、この分布は、射出瞳平面内の強度分布、すなわち、射出瞳平面内の照明に簡単な方式で関連付けられる。従って、最初に、射出瞳平面内の望ましい強度分布を判断するのが得策である。この場合、第2の光学要素が照明光学ユニットの射出瞳平面に配列又は結像される場合、そのような望ましい強度分布を得るために、第2の反射ファセット要素のうちのどの上に放射線を導かなければならないかを簡単な方式で判断することができる。
【0017】
照明光学ユニットの一構成では、群に関連付けられた全ての領域は、少なくとも2つの互いに素の部分領域へと再分割され、これらの部分領域は、対称点に関して中心対称に置かれ、全ての領域が同じ対称点を有する。この構成は、照明光学ユニットの作動中に、第2の反射ファセット要素から成る全体の群に放射線が誘導されるや否や、射出瞳平面に中心対称照明が自動的に生じるという利点を有する。放射線は、1つの第2の反射ファセット要素上に誘導される時には必ず、同じ群に属する全ての他の第2の反射ファセット要素上にも誘導されるべきである。これらの条件が満たされる場合は必ず、射出瞳平面に中心対称照明が自動的に生じる。
【0018】
本発明の更に別の実施形態では、
a.第2の反射ファセット要素F1とF2とが同じ群に属し、
b.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F1の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F1の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d1の位置にあり、
c.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F2の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F2の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d2の位置にあり、
d.かつ距離d2が、距離d1よりも大きい、
という特性を有する第2の反射ファセット要素F1とF2の各対に対して、
e.第2の反射ファセット要素F3とF4が同じ群に属し、
f.第2の反射ファセット要素F1とF3が同じ集合に属し、
g.第2の反射ファセット要素F2とF4が同じ集合に属し、
h.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F3の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F3の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d3の位置にあり、
i.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F4の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F4の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d4の位置にあり、
j.かつ距離d4が、距離d3よりも大きい、
という特性を有する第2の反射ファセット要素F3とF4の割り当てられた対が存在する。
【0019】
その結果として達成されることは、射出瞳平面内の照明の空間的広がりを本発明による照明光学ユニットを用いて特に柔軟に設定することができることである。
【0020】
更に、照明光学ユニットは、全ての部分領域が、環帯セグメントの形態を有するように拡張することができる。これは、射出瞳平面に中心対称性のみならず更に別の対称性を有する多数の異なる照明を可能にする。正確に環帯セグメントの形態は、ある一定の軸に関する鏡面対称性を有する照明を与えることを可能にするが、これらの軸は、対称点を通じて延びる必要がある。この場合、環帯セグメントは、対称点である中点を有する環帯セグメントである。
【0021】
照明光学ユニットの一実施形態では、群に関連付けられた全ての領域の和集合は、真円又は完全な環帯の形態を有する。この実施形態は、射出瞳平面に設定することができる全ての照明が上述の環帯内に位置するという利点を有する。
【0022】
本発明の更に別の構成では、クラスを形成する第2のファセット要素から成る複数の群が存在し、このクラスの群に属する群に関連付けられた全ての領域の和クラスは、完全な環帯の形態を有し、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。その結果として達成されることは、照明光学ユニットの作動中に、第1の反射ファセット要素が、クラスの全てのファセット要素上に放射線が誘導されるような位置を有することである。
【0023】
本発明の更に別の実施形態では、クラスを形成する複数の群が存在し、このクラスの群に属する群に関連付けられた全ての領域の和集合は、二重極の形態を有し、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。このようにして、放射線を上述のクラスからの全ての第2の反射ファセット要素上に誘導することにより、射出瞳平面に二重極型照明を生成することができる。二重極は、正確に2つの不連続領域から成るこれらの2つの領域の中点の接続線が主二重極軸を定める形態を意味すると理解される。この場合、2つの不連続領域は、主二重極軸上に位置する対称点に関して互いに対して中心対称である。この種の照明は、実質的に1つの方向に延びる構造の高解像度結像を可能にする。この場合、二重極軸は、構造の方向に対して実質的に垂直であるように設定すべきである。
【0024】
照明光学ユニットの更に別の実施形態では、クラスを形成する複数の群が存在し、このクラスの群に属する群に関連付けられた全ての領域の和集合は、四重極の形態を有し、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。このようにして、放射線を上述のクラスからの全ての第2の反射ファセット要素上に誘導することにより、射出瞳平面に四重極型照明を生成することができる。四重極は、一致する対称点を有する2つの互いに素の二重極で構成された形態を意味すると理解される。この場合、主二重極軸の各々は、四重極の主軸を定める。四重極型照明は、実質的に2つの垂直方向に延びる構造の高解像度結像を可能にする。この場合、2つの主軸は、構造の2つの方向と一致すべきである。
【0025】
照明光学ユニットの更に別の実施形態では、クラスを形成する複数の群が存在し、このクラスの群に属する群に関連付けられた全ての領域の和集合は、六重極の形態を有し、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。このようにして、放射線を上述のクラスからの全ての第2の反射ファセット要素上に誘導することにより、射出瞳平面に六重極型照明を生成することができる。六重極は、一致する対称点を有する3つの互いに素の二重極で構成された形態を意味すると理解される。この場合、主二重極軸の各々は、六重極の3つの主軸のうちの1つを定める。多くの場合に、照明は、六重極軸が互いに対で60°の角度を形成するようなものである。六重極型照明は、2つの垂直方向に延びるだけではなく、更に、斜めに延びる部分を有する構造の良好な結像をも可能にする。
【0026】
本発明による照明系は、一般的に、250個よりも多い多くの第2の反射ファセット要素、及び第2の反射ファセット要素の50個よりも少ないいくつかの群を有する。これらの数により、物体視野の均一な照明と射出瞳平面内の照明との柔軟な設定の両方が提供されることが見出されている。
【0027】
照明光学ユニットの一拡張形態では、第1の光学要素は、少なくとも第1の状態及び第2の状態を取ることができ、それによって照明光学ユニットの作動中に、射出瞳平面に2つの異なる照明が生じ、放射線は、第1の状態では、第1のクラスの全ての第2の反射ファセット要素に印加され、第2の状態では、第2のクラスの全ての第2の反射ファセット要素に印加される。この場合、2つの状態は、第1の反射ファセット要素の位置において異なる。その結果、第1の光学要素の状態は、照明光学ユニットの作動中に、射出瞳平面内の照明が第1の照明から第2の照明へと変化するように変更することができる。従って、作動中に、結像される構造担持マスクに照明を適応させることができる。
【0028】
上述の照明光学ユニットを含むマイクロリソグラフィ投影露光装置は、照明光学ユニットに関して説明した利点を有する。
【0029】
図面を参照して本発明をより詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1の光学要素及び第2の光学要素の実施形態を2つの部分図に極めて概略的に示す図である。
【
図2a】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2b】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2c】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2d】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2e】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2f】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2g】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2h】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図2i】
図1に記載の第1の光学要素の状態に依存して放射線が誘導される領域を示す図である。
【
図3a】照明光学ユニットを含む本発明による投影露光装置の図である。
【
図4】代替照明光学ユニットを含む本発明による投影露光装置を示す図である。
【
図5a】最大数の位置を有する第1の反射ファセット要素の構成及び機能を示す図である。
【
図5b】最大数の位置を有する第1の反射ファセット要素の構成及び機能を示す図である。
【
図5c】最大数の位置を有する第1の反射ファセット要素の構成及び機能を示す図である。
【
図6a】本発明による照明光学ユニットの一構成における第1の光学要素の平面図である。
【
図6b】
図6aに関連付けられた第2の光学要素を示す図である。
【
図7a】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7b】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7c】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7d】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7e】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7f】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7g】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図7h】
図6a及び
図6bに記載の照明光学ユニットを用いて設定することができる照明された第2の反射ファセット要素の一部のパターンを示す図である。
【
図8】
図6bからの第2の光学要素を群に関連付けられた領域と共に示す図である。
【
図9a】第1の反射ファセット要素の1つを詳細な図で示す平面図である。
【
図9b】第1の反射ファセット要素の数を第1の反射ファセット要素及び第1の光学要素の寸法の関数として示す図である。
【
図9c】第1の光学要素の充填度を第1の反射ファセット要素及び第1の光学要素の寸法の関数として示す図である。
【
図10】本発明の更に別の構成において射出瞳平面に生じる群に関連付けられた領域を示す図である。
【
図11a】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11b】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11c】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11d】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11e】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11f】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11g】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11h】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11i】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11j】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11k】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11l】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11m】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図11n】
図10に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図12b】
図12aに記載の群分類を如何にして改善することができるかを略示する図である。
【
図13a】
図12cに記載の改善された群分類の場合に生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図13b】
図12cに記載の改善された群分類の場合に生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図13c】
図12cに記載の改善された群分類の場合に生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図14】本発明の更に別の構成において射出瞳平面に生じる群に関連付けられた領域を示す図である。
【
図15a】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15b】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15c】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15d】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15e】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15f】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15g】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15h】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15i】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15j】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15k】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15l】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15m】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【
図15n】
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
参照符号は、
図1に例示している対象物に1桁又は2桁の数字が与えられるように選択したものである。更に別の図に例示している対象物は、3つ又はそれよりも多い桁を有する参照記号を有し、最後の2つ桁は、対象物を示し、その上の桁は、対象物が例示されている図の番号を示している。従って、複数の図に例示している等しい対象物の参照番号は、最後の2桁に関して一致する。本明細書において適切な場合には、これらの対象物の説明を先行する図に関する説明文に得ることができる。
【0032】
図1は、本発明の概略図を示している。この図は、複数の第1の反射ファセット要素3を有する第1の光学要素1、及び複数の第2の反射ファセット要素7を有する第2の光学要素5を示している。この場合、複数の第2の反射ファセット要素7は、互いに素の群G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、及びG2cを形成する。
図1は、例示している14個の第2の反射ファセット要素7の各々に対して、これらの各々の反射ファセット要素7が、6つの群のうちのどれに属するかを示している。2つの群に同時に属するいかなる第2の反射ファセット要素7も存在しない場合には、これらの複数の群を互いに素と表現する。従って、第2の反射ファセット要素7の各々が属する群に関する
図1の指示は明確である。群への分類と共に、第2の反射ファセット要素7は、互いに素の集合を形成する。この場合、これらの集合は、第1の光学要素1の第1の反射ファセット要素3を用いて定められる。例示している5つの第1の反射ファセット要素3は、全体を通してM1からM5とラベル付けしている。各第1の反射ファセット要素3は、異なる位置の最大数を有する。位置によっては、第1の反射ファセット要素3は、第2の反射ファセット要素7のうちの1つの上に放射線を誘導する。それに応じて、各第1の反射ファセット要素3に対して、照明光学ユニットの作動中に第1の反射ファセット要素3が少なくとも1つの位置において放射線を誘導する第2の反射ファセット要素7から成る関連付けられた集合が存在する。逆に各第2の反射ファセット要素に対して、正確に1つの関連付けられた第1の反射ファセット要素が存在し、この関連付けられた第1の反射ファセット要素は、照明光学ユニットの作動中に、この関連付けられた第1の反射ファセット要素が放射線を第2の反射ファセット要素に誘導するように取る位置を有する。これは、2つの異なる集合に属するいかなる第2の反射ファセット要素7も存在しないことに等しい。従って、これらの集合はまた、互いに素である。
図1は、第2の反射ファセット要素7の各々がどの集合に属するかを更に示している。この目的のために、第2の反射ファセット要素7も、同様にM1からM5とラベル付けしている。
【0033】
M1とラベル付けしている第1の反射ファセット要素9は、少なくとも3つの位置を有する。第1の反射ファセット要素9は、第1の位置では、照明光学ユニットの作動中に第2の反射ファセット要素11上に放射線を誘導し、第2の位置では、照明光学ユニットの作動中に第2の反射ファセット要素13上に放射線を誘導し、第3の位置では、照明光学ユニットの作動中に第2の反射ファセット要素15上に放射線を誘導する。特定的な実施形態によっては、第1の反射ファセット要素9は、照明光学ユニットの作動中に、第2の反射ファセット要素7のうちのいずれにも放射線を導かず、代わりに、例えば、放射線を絞り上に誘導する1つ又は複数の更に別の位置を有することができる。この場合、第2の反射ファセット要素11、13、及び15は、M1で識別される同じ集合に属する。しかし、全ての3つの第2の反射ファセット要素11、13、及び15は、異なる群に属する。第2の反射ファセット要素11は、群G1aに属し、第2の反射ファセット要素13は、群G1bに属し、第2の反射ファセット要素15は、群G1cに属する。その結果、この集合には、同じ群に属するいかなる2つの要素も存在しない。第2の反射ファセット要素7の群G1aからG2cへの分類は、同様に、第1の反射ファセット要素3の群での分類をもたらす。第2の反射ファセット要素7から成る群G1aに割り当てられた第1の反射ファセット要素3から成る群は、群G1aの各第2の反射ファセット要素7に対して割り当てられた第1の反射ファセット要素3を判断することによって得られる。第1の反射ファセット要素9は、照明光学ユニットの作動中に、第1の反射ファセット要素9が放射線を第2の反射ファセット要素11上に誘導するように取る位置を有するので、第2の反射ファセット要素11に割り当てられる。第1の反射ファセット要素19は、照明光学ユニットの作動中に、第1の反射ファセット要素19が放射線を第2の反射ファセット要素17上に誘導する際に取る位置を有するので、第2の反射ファセット要素17に割り当てられる。それに応じて、第1の反射ファセット要素9及び19から成る群G1は、第2の反射ファセット要素11及び17から成る群G1aに割り当てられる。この割り当てが、第2の反射ファセット要素7から成る群G1b及びG1cに対して繰り返されると、第1の反射ファセット要素9及び19から成る同じ群G1が生じることが証明される。これは、群G1a、G1b、及びG1cの各々が、同じ集合(M1及びM2それぞれ)に属する第2の反射ファセット要素を包含するということに起因する。相応に、第1の反射ファセット要素3から成る群G2が、第2の反射ファセット要素7から成る群G2b及び群G2cに割り当てられることは明らかである。この手順が第2の反射ファセット要素7から成る群G2aに対して同様に繰り返されると、第1の反射ファセット要素3から成る群G2の下位群のみが生じる。これは、第1の反射ファセット要素21が、照明光学ユニットの作動中に放射線を第2の反射ファセット要素7のうちの1つの上に誘導する際に取る位置を2つしか持たず、それに対して第1の反射ファセット要素23及び25が、照明光学ユニットの作動中に放射線を第2の反射ファセット要素7のうちの1つの上に誘導する際に取る位置を3つ有することに起因する。別の言い方をすると、集合M5は、2つの第2の反射ファセット要素しか含まず、それに対して集合M3及びM4は、各々3つの第2の反射ファセット要素7を包含する。
【0034】
集合及び群の特性は、第2の反射ファセット要素7から成る群G1a、G1b、及びG1cが互いに対して逆であるという効果を有する。同じことが3つの群G2a、G2b、及びG2cにも適用される。この場合、第2の反射ファセット要素から成るいくつかの互いに素の群G1、...、GNのうちの1つからの各第2の反射ファセット要素が集合に属し、この集合が、群G1、...、GNからの第2の反射ファセット要素しか含まない場合、群G1、...、GNを互い対して逆であると表現する。これは、照明光学ユニットの作動中に、第1の光学要素1が、群G1aの全ての第2の反射ファセット要素7上に放射線が誘導される1つの状態と、群G1bの全ての第2の反射ファセット要素7上に放射線が誘導される別の状態とを取ることはできるが、この光学要素が、群G1aからの全ての第2の反射ファセット要素7上と、群G1bの少なくとも1つの第2の反射ファセット要素上とに放射線が誘導される状態を取ることができないことを意味する。放射線が互いに逆の群のうちの1つからの全ての第2の反射ファセット要素7上に誘導されるや否や、他の逆群のうちの1つからは、放射線が誘導される第2の反射ファセット要素はなくなる。この場合及び全ての以下の例では、第2の反射ファセット要素7から成る群を大文字のG、連続番号、及び同じく文字(a、b、c、...)によって表している。この場合、連続番号に関して一致して文字だけが異なる第2の反射ファセット要素7から成る群は、互いに逆である。
【0035】
一部の実施形態では、第2の光学要素5は、照明光学ユニットの射出瞳平面に配置されるか、又は照明光学ユニットの射出瞳平面に結像される。対応する実施形態を
図3a、
図3b、
図3c、及び
図4を参照して説明する。これらの例示的な実施形態では、第2の反射ファセット要素7の分類は、射出瞳平面の互いに素の領域への必然的な分解を引き起こす。
図1では、これらの領域を破線で示している。この場合、群に関連付けられた領域は、この群の全ての第2の反射ファセット要素の反射光学面の中点が、関連付けられた領域内に位置するか又は結像されるということによって定められる。
図1では、群G2aに関連付けられた領域27aは、光学面31の中点29が領域27a内に位置することによって生じる。従って、領域27aは明確に定められていないが、これらの群は、相互に互いに素であるから、各群に対して関連付けられた領域を常に得ることができ、各群の全ての第2の反射ファセット要素の反射光学面の中点は、関連付けられた領域内に位置するか又は結像され、全ての群の領域は、相互に互いに素である。第1の光学要素1が第1の状態にあり、この第1の状態で第1の反射ファセット要素21、23、及び25が、群G2aからの第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導する第1の位置を取る場合には、放射線は、射出瞳平面の領域27a内に誘導される。
【0036】
一構成では、少なくとも1つの群の第1の反射ファセット要素は、2つの位置の間の変更が連帯的にのみ達成されるような方法で具現化される。この構成は、例えば、再配置を連帯的にのみ達成されるように群の第1の反射ファセット要素を互いに機械的に接続すること、又はそうでなければ群の全ての第1の反射ファセット要素を連帯的にしか駆動できないようにすることによって達成することができる。例えば、2つの第1の反射ファセット要素9及び19の群G1がこのようにして実施された場合には、照明光学ユニットの作動中に、放射線は、群G1aの全ての第2の反射ファセット要素上、群G1bの全ての第2の反射ファセット要素上、又は群G1cの全ての第2の反射ファセット要素上のいずれかに誘導される。その結果、照明光学ユニットの作動中に、放射線は、群G1の第1の反射ファセット要素9及び19が置かれた共通位置に依存して領域33a内、領域33b内、又は領域33c内のいずれかに誘導される。第1の反射ファセット要素3から成る群G2の対応する構成の場合には、放射線は、第1の反射ファセット要素の共通位置によっては、領域27a内、領域27b内、又は領域27c内のいずれかに誘導される。上述の誘導は、群G1a、G1b、及びG1cが互いに素のものであり、互いに逆であることの結果である。同じことは、群G2a、G2b、及びG2cにも適用される。その結果、第1の光学要素1は、群G1の第1の反射ファセット要素3が置かれた共通位置、及び群G2の第1の反射ファセット要素が置かれた共通位置に関して異なる合計で9つの状態を取ることができる。
図2aから
図2iは、第1の光学要素1の状態に依存して放射線が誘導される領域を示している。
図2aに記載の第1の状態では、群G1の第1の反射ファセット要素は、これらの第1の反射ファセット要素が群G1aの第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導するような共通位置に置かれる。それに応じて、放射線は、領域233a内へと通過する。群G2の第1の反射ファセット要素3は、第1の状態において、照明光学ユニットの作動中にこれらの第1の反射ファセット要素が群G2aの第2の反射ファセット要素7上に放射線を誘導するような共通位置に置かれる。従って、放射線は、領域227a内に誘導される。
図2aから
図2iでは、放射線が誘導される領域をハッチング形式で例示している。その結果、
図2aに記載の状態では、放射線は、領域233a及び227aに誘導される。相応に、放射線は、
図2bに記載の状態では領域233b及び227aに誘導され、
図2cに記載の状態では、領域233c及び227aに誘導され、
図2dに記載の状態では、領域233a及び227bに誘導され、
図2eに記載の状態では、領域233b及び227bに誘導され、
図2fに記載の状態では、領域233c及び227bに誘導され、
図2bに記載の状態では、領域233a及び227aに誘導され、
図2hに記載の状態では、領域233b及び227cに誘導され、
図2iに記載の状態では、領域233c及び227cに誘導される。
【0037】
図3aは、照明光学ユニット339を含む本発明による投影露光装置337の構成を示している。この場合、照明光学ユニット339は、複数の第1の反射ファセット要素303を有する第1の光学要素301と、複数の第2の反射ファセット要素307を有する第2の光学要素305とを含む。第2の光学要素307の下流の光路内には、第1のテレスコープミラー341及び第2のテレスコープミラー343が配置され、これらのミラーの両方が法線入射で作動され、すなわち、放射線は、両方のミラー上に0°と45°の間の入射角で入射する。この場合、入射角は、入射放射線と反射光学面に対する法線の間の角度であると理解される。その下流には偏向ミラー345が配置され、この偏向ミラー345は、それ自体の上に入射する放射線を物体平面349内の物体視野347上に誘導する。偏向ミラー345は、かすめ入射で作動され、すなわち、放射線は、45°と90°の間の入射角でミラー上に入射する。物体視野349の位置には反射構造担持マスクが配置され、このマスクは、投影光学ユニット351を用いて像平面353内に結像される。投影光学ユニット351は、6つのミラー355、356、357、358、359、及び360を含む。投影光学ユニット351の全ての6つのミラーの各々は、光軸361に対して回転対称な面に沿って延びる反射光学面を有する。
【0038】
図3bは、複数の第1の反射ファセット要素303を含む第1の光学要素301の平面図を示している。
【0039】
図3cは、複数の第2の反射ファセット要素307を含む第2の光学要素305の対応する平面図を示している。この場合、第1の反射ファセット要素303の数は、第2の反射ファセット要素307の数よりも少ない。
【0040】
図3aに記載のマイクロリソグラフィ投影露光装置は、放射線を第1の光学要素301上に誘導する光源ユニット363を更に含む。この場合、光源ユニット363は、原プラズマ365及び集光ミラー367を含む。光源ユニット363は、様々な実施形態に具現化することができる。光源ユニット363は、小さい材料液滴を高エネルギレーザで照射することによって幅狭な範囲が定められた原プラズマ365が生成されるレーザプラズマ光源(LPP)とすることができる。変形として、放電を用いて原プラズマ365が生成される放電光源を充てることができる。両方の場合に、特に、5nm〜15nmの波長範囲の放射線を放出する発光原プラズマ365が発生する。この放射線は、集光ミラー367を用いて集光され、第1の光学要素301上に誘導される。第1の光学要素上には、直径D(336)を有する実質的に円形の照明領域335が生じ、この照明領域335内に第1の反射ファセット要素303が配置される。直径D(336)は、光源ユニット363の下流の放射線の開口、集光ミラー367の光学的使用直径、及び光源ユニット363と第1の光学要素の間の距離から生じる。集光ミラー367及び第1の反射ファセット要素303は、原プラズマ365の像が、第2の光学要素305の第2の反射ファセット要素307の位置に生じるような光学効果を有する。この目的のために、最初に、集光ミラー367及び第1のファセット要素303の焦点距離が、空間距離に従って選択される。この選択は、例えば、第1の反射ファセット要素303の反射光学面に適切な曲率を与えることによって行われる。次に、第1の反射ファセット要素303は、反射光学面の向きを空間的に定める方向を有する法線ベクトルを有する反射光学面を有し、第1のファセット要素303の反射光学面の法線ベクトルは、第1のファセット要素303から反射された放射線が、割り当てられた第2の反射ファセット要素307上に入射するように配向される。この場合、第1の反射ファセット要素は、法線ベクトルの向きが異なる位置の最大数を有するような方法で具現化される。その結果、各第1のファセット要素303は、いくつかの位置を有し、第1の位置では、割り当てられた1つの第2の反射ファセット要素307上に放射線を誘導し、第2の位置では、割り当てられた別の第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導する。
図5は、この種の第1の反射ファセット要素の例示的な実施形態を示している。1つの特定の構成では、第1の反射ファセット要素303の一部又は全てが、絞り368上に放射線を誘導する位置を有する。この位置により、放射線が誘導される第2の反射ファセット要素307の数を低減することができるので、照明光学ユニットの変動性が高められる。
【0041】
第2の光学要素305は、照明光学ユニット339の瞳平面に配置され、ミラー341、343,及び345を用いて射出瞳平面上に結像されるので、放射線が誘導される第2の反射ファセット要素の選択は特に重要である。この場合、照明光学ユニットの射出瞳平面は、投影光学ユニットの入射瞳平面352に正確に対応する。その結果、第2の光学要素305もまた、投影光学ユニット351の入射瞳平面352に対して光学的に共役な平面に位置する。この場合、投影光学ユニットの入射瞳平面は、物体視野347の中点における主光線362が光軸と交わる光軸361に対して垂直な平面として定められる。この理由から、第2の光学要素305上の放射線の強度分布は、物体視野347の領域内の放射線の角度依存強度分布と単純な関係にあり、投影光学ユニット351による結像の品質に対して有意な影響を引き起こす。従って、第1の反射ファセット要素303の位置、すなわち、第1のファセット要素303の反射光学面の向きは、第2の光学要素307上での望ましい強度分布及び従って物体視野347の位置における望ましい角度依存強度分布が生じるように設定される。投影光学ユニット351による特に良好な結像を可能にするために、構造担持マスクに依存して異なる角度依存強度分布が必要である。本発明によると、物体視野347の位置に多数の望ましい異なる角度依存強度分布が与えられる。
【0042】
第2のファセット要素307及びその下流のミラー341、343、及び345を含む光学系の役割は、第1のファセット要素303を物体平面349内の物体視野347上に重ね合わせ方式で結像することである。この場合、重ね合わせ結像は、第1の反射ファセット要素303の像が物体平面内に生じ、この平面内で少なくとも部分的に重なり合うことを意味すると理解される。この目的のために、第2の反射ファセット要素307は、反射光学面の向きを空間的に定める方向を有する法線ベクトルを有する反射光学面を有する。この場合、各第2のファセット要素307において、法線ベクトルの方向は、各第2のファセット要素307に割り当てられた第1のファセット要素303が、物体平面349内の物体視野347上に結像されるように選択される。
【0043】
第1のファセット要素303は、物体視野347上に結像されるので、照明物体視野347の形態は、第1のファセット要素303の外側形態に対応する。従って、第1のファセット要素303の外側形態は、通常、照明物体視野347の長手境界線が投影光学ユニット358の光軸361の回りに実質的に円弧形態で延びるように弓形のものとして選択される。
【0044】
図4は、マイクロリソグラフィ投影露光装置における本発明による照明光学ユニットの更に別の構成を示している。この場合、投影露光装置437は、照明光学ユニット439及び投影光学ユニット451を含む。
図3aに例示している投影光学ユニット351とは対照的に、
図4に記載の投影光学ユニット451は、入射瞳の負の頂点焦点距離を有する。すなわち、投影光学ユニット451の入射瞳平面452は、物体視野447の上流の光路に配置される。物体視野447の位置にある構造担持マスクにおける反射を考慮せずに主光線462を更に延ばすと、主光線は、平面452a内で光軸461と交わる。物体視野447の位置にある構造担持マスク及び偏向ミラー447における反射を考慮に入れると、平面452aは、入射瞳平面452と一致する。入射瞳の負の頂点焦点距離を有するそのような投影光学ユニットの場合には、物体視野447の位置にある異なる物体視野点における主光線は、光方向に発散する光線進路を有する。この種の投影光学ユニットは、US2009/0079952A1から公知である。
図3aに記載の照明光学ユニットに対する更に別の相違点は、原プラズマ465が、集光ミラー467を用いて最初に中間焦点466に結像されることである。次に、この中間焦点466は、第1の光学要素401の第1の反射ファセット要素403を用いて第2の光学要素405の第2の反射ファセット要素407上に結像される。
【0045】
図5aは、第1の反射ファセット要素503の機械的な実施形態を略示している。この場合、第1の反射ファセット要素503は、光学面569に対して垂直な法線ベクトル571aを中点に有する反射光学面569を有する。従って、法線ベクトル571aの方向は、反射光学面569の空間的な向きを示している。更に、第1の反射光学要素503は、反射光学面569の向きを変更するのに用いられる4つのアクチュエータ570を有する。
図5bは、
図5aに記載の第1の反射光学要素の平面図を示している。x軸及びy軸を有する直交座標系を付加的に示している。アクチュエータ570は、x方向とy方向の両方に互いからある一定の距離の位置に存在するので、アクチュエータ570は、反射光学面569をx軸とy軸の両方の回りに回転させることを可能にする。
図5cは、反射光学面569が、
図5aに示している位置とは対照的に、異なる向きを有する第2の位置にある第1の反射光学要素503を示している。従って、法線ベクトル571aと571bは、0°とは異なる角度を形成する。ミラー基板572は、ピボット574の回りに回転されている。これは、ミラー支持体573に対して垂直に異なる広がりを有する
図5cに記載の位置にあるアクチュエータ570a、570b、570c、及び570dによって達成される。
図5cに記載の位置では、基板572は、付加的に末端停止部575aと機械的接触状態にある。この末端停止部575aは、ピボット574の回りの反計時方向の更なる回転を制限する。従って、第1の反射光学要素503の位置は、末端停止部575aの正確な機械的な実施形態によって非常に精密に定められる。対応する末端停止部575bは、第1の反射光学要素503の第2の位置を定める。この特定の構成では、第1の反射光学要素503は、非常に精密に設定することができる反射光学面569の向きが異なる2つの位置を有する。第1の反射光学要素503の2つよりも多くの精密に設定可能な設定を与える他の機械的構成も同様に可能である。
【0046】
図6aは、弓形形態を有する第1の反射ファセット要素603を含む第1の光学要素601の第1の構成を示している。この場合、第1の反射ファセット要素603は、割り当てられた4つの群を形成し、これらの群は、より明瞭にするために異なるハッチングによって示している。この場合、第1の光学要素601は、336個の第1の反射ファセット要素603を含み、群G1、G2、G3、G4の各々は、それぞれ84個の第1の反射ファセット要素3を包含する。この場合、全ての第1の反射ファセット要素603は、照明光学ユニットの作動中にその位置に依存して異なる第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導するような少なくとも2つの位置を有する。
図6bは、第2の反射ファセット要素607を含む関連付けられた第2の光学要素605を示している。第1の反射光学要素601は、各々が2つの位置を有する336個の第1の反射ファセット要素3を含むので、第2の光学要素605は、合計で2×336=672個の第2の反射ファセット要素607を含む。この場合、第2の反射ファセット要素607は、群G1a、G1b、G2a、G2b、G3a、G3b、G4a、及びG4bという8つの群を形成する。この場合、同じ連続番号を有する第2の反射ファセット要素607の群は、互いに逆であり、割り当てられた同じ第1の反射ファセット要素群を有する。従って、例えば、群G1aとG1bは互いに逆であり、それによって放射線を群G1aの全ての第2の反射ファセット要素607と、群G1bからの第2の反射ファセット要素のうちの1つとの上に同時に誘導することはできない。第1の反射ファセット要素603から成る群G1は、群G1aと群G1bの両方に属する。その結果、群G1の第1の反射ファセット要素が、群G1aの全ての第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導する第1の状態と、群G1の第1の反射ファセット要素が、群G1bの全ての第2の反射ファセット要素上に放射線を誘導する第2の状態とが存在する。これは、群G1aとG1bが同数の第2の反射ファセット要素を包含するという結果も有する。類似する関係は、他の群に相応に適用される。従って、同じ連続番号を有する全ての群は、逆群の集団を形成する。この図及び更に続く図では、これらの集合の例示を省略している。これらの場合には、集合の分類は、逆群(例えば、G1a及びG1b)の集団の各群から各集団における第2の反射ファセット要素を漸次選択し、これらの選択された第2の反射ファセット要素を集合み合わせて集合を形成することによって得られる。次に、この選択は、何回か繰り返されるが、集団を成す群の各第2の反射ファセット要素は一度しか選択されず、従って、このように構成された集合の数は、集団を成す群の各々における第2の反射ファセット要素の数に等しい。集団を成す群が、同じ数の第2の反射ファセット要素を含まない場合には、集合の数は、集団の最大の群内にある第2の反射ファセット要素の数に等しい。この例では、逆群G1a及びG1bは、各々84個の第2の反射ファセット要素を包含する。それに応じて、各々が群G1aからの第2の反射ファセット要素と群G1bからの第2の反射ファセット要素とを包含する84個の集合を形成することができる。集合の分類は、このようにして逆群の集団の指示から構成することができる。この理由から、この例及び以下の例では、集合の正確な指定を不要にすることができる。代わりに、逆群の集団のみが呈示される。
【0047】
この実施形態では、第2の反射ファセット要素607の群は、照明される第2の反射ファセット要素607の特定のパターンを設定することができるように選択される。照明光学ユニットの作動中に、対応する第2の反射ファセット要素607上に放射線を誘導する第1の反射ファセット要素が存在する場合には、第2の反射ファセット要素607が照明されることを意味する。
図7aから
図7hは、本発明による照明光学ユニットを用いて、第1の光学要素が適切な状態を取ることによって生成される照明された第2の反射ファセット要素707の一部のパターンを示している。例示的に、
図7aは、照明された第2の反射ファセット要素(ハッチング形式で例示している)の環帯形態を有するパターンを示している。この場合、群G1a、G2a、G3a、及びG4aからの全ての第2の反射ファセット要素が照明される。
図7bは、第2の反射ファセット要素のそれぞれの逆群が照明される場合に生じるパターンを示している。このパターンも同様に、環帯形態にあるが、異なる環帯半径及び異なる環帯幅を有する。
図7c及び
図7dは、各々が二重極の形態を有するが、主二重極軸が90°だけ異なる2つの照明パターンを示している。
図7e及び
図7fは、2つの四重極型照明パターンを示している。
図7g及び
図7は、二重極型の2つの更に別の照明パターンを示している。
【0048】
図8は、
図6bに記載の実施形態における第2の光学要素805の更に別の図を示している。
図8では、群に関連付けられた領域877を付加的に例示している。第2の光学要素は、照明光学ユニットの射出瞳平面に置かれるか、又はそのような平面に結像されるので、群に関連付けられた領域877と第2の光学要素805とを同じ作図面内に例示することができる。それに応じて、この図は、第2の光学要素805が照明光学ユニットの射出瞳平面に配置される第1の実施形態では、群に関連付けられた領域877と第2の光学要素805とは実際に1つの平面に配置され、第2の実施形態では、群に関連付けられた領域877と第2の光学要素805とは光学的に共役な平面に位置するが、
図8ではこれらが重ね合わせ方式で例示されているというように理解すべきである。より明快な例示の目的で、更なる説明をこれらの2つの平面が一致する第1の場合だけに限定する。しかし、全ての実施形態を第2の場合に適用することができる。
【0049】
群に関連付けられた領域877は、これらの領域が相互に互いに素であり、対応する群の全ての第2の反射ファセット要素の反射光学面の中点829が、群に関連付けられた領域内に位置する(又は第2の場合では、この領域内に結像される)ように選択される。
図8では、群G3bに対して群に関連付けられた領域879をハッチング形式で例示している。領域879は、2つの不連続の部分領域881aと881bに再分割され、これらの2つの部分領域881a、881bは、対称点880に関して中心対称に置かれる。群G1bに対して群に関連付けられた領域は、例えば、相応に4つの不連続の部分領域へと再分割され、同様に、対称点880に関して中心対称に置かれる。結果として達成されることは、放射線が群の全ての第2の反射ファセット要素807上に誘導される全ての状態において、射出瞳平面に中心対称な照明が生じることである。群に関連付けられた全ての領域の和集合は、完全な環帯の形態を有する。更に、第2の反射ファセット要素の群は、次に、クラスに分類することができる。下記では、選択された8つのクラスに対して説明する。
図7aから
図7hは、同じクラスの群からの全ての第2のファセット要素を照明した場合に、照明される第2の反射ファセット要素のどのパターンが生じるかを示している。第1のクラス(
図7a)は、群G1a、G2a、G3a、及びG4aによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、第1の環帯の形態を有する。第2のクラス(
図7b)は、群G1b、G2b、G3b、及びG4bによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、第1の環帯よりも大きい半径及び小さい幅を有する第2の環帯の形態を有する。第3のクラス(
図7c)は、G1a、G2a、G3b、及びG4bによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、例示している座標系のx方向に配向された主軸を有する二重極の形態を有する。二重極は、正確に2つの不連続領域から成るこれらの2つの領域の中点の接続線が主二重極軸を定める形態であると理解される。この場合、2つの不連続領域は、主二重極軸上に位置する対称点に関して互いに対して中心対称である。第4のクラス(
図7d)は、群G1b、G2b、G3a、及びG4aによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、例示している座標系のy方向に配向された主軸を有する二重極の形態を有する。第5のクラス(
図7e)は、群G1a、G2b、G3b、及びG4aによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、四重極の形態を有する。四重極は、一致する対称点を有する2つの互いに素の二重極で構成された形態であると理解される。この場合、主二重極軸の各々は、四重極の主軸を定める。第5のクラスの群に関連付けられた領域の和集合は、2つの主軸がx方向とy方向とに配向された四重極の形態を有する。第6のクラス(
図7f)は、群G1b、G2a、G3a、及びG4bから形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、主軸がx方向とy方向に対して45°に配向された四重極の形態を有する。第7のクラス(
図7g)は、群G1b、G2a、G3b、及びG4bによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、例示している座標系のx方向に配向された主軸を有する二重極の形態を有する。第8のクラス(
図7h)は、群G1b、G2b、G3a、及びG4bによって形成される。これらの群に関連付けられた領域の和集合は、例示している座標系のy方向に配向された主軸を有する二重極の形態を有する。
【0050】
放射線をこれらのクラスのうちの1つの全ての第2の反射ファセット要素807上に誘導することができるためには、クラスの互いに逆のいかなる2つの群も存在しない。別の言い方をすると、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素807も存在しない。
【0051】
更に、
図8からは、群G3bに対して割り当てられた領域879が、群G1b、G2b、及びG4bに対して割り当てられたものと同じ面積占有量を有することが明らかである。相応に、群G1a、G2a、G3a、及びG4aに対する群に関連付けられた領域の面積占有量も同様に等しい。2つの群G1a及びG1bに対する領域の面積占有量は、第2の反射ファセット要素807の規則的格子によって許容されるものに限って互いに等しい。第2の反射ファセット要素807は、全てが同じサイズを有し、規則的格子の形態で配置されるので、第2の光学要素805上の群G1aの第2の反射ファセット要素によって占有される面積は、第2の光学要素上の群G1bの第2の反射ファセット要素によって占有される面積と正確に同じものであることが分る。群に関連付けられた領域の間の境界線は、全てが格子に沿って延びるわけではないので、上述の関係は、これらの領域の面積占有量に正確には適用されない。しかし、格子が細かくなる程、すなわち、用いられる第2の反射ファセット要素の数が大きくなる程、偏位は益々小さくなる。
【0052】
群の分類から生じる第2の反射ファセット要素807の更に別の特性も、同様に
図8を参照することで明らかになる。群G1bに対して関連付けられた領域は、互いに素の部分領域883a、883b、883c、及び883dへと再分割される。放射線をこれらの部分領域の各々に誘導するためには、これらの部分領域内に位置するか又は結像される反射光学面の中点を有する少なくとも1つの第2の反射ファセット要素807が存在すべきである。それに応じて、群G1bは、少なくとも4つの第2の反射ファセット要素807を含む必要がある。同じことは、群G2a、G3a、及びG4bにも相応に適用される。この場合には、逆群は、同数の第2の反射ファセット要素807を有し、従って、逆群G1a、G2b、G3b、及びG4aもまた、各々が4つの第2の反射ファセット要素を含む。従って、第2の光学要素は、少なくとも32個の第2の反射ファセット要素を有する。これらの群にわたる第2の反射ファセット要素807の上述の均一な分布が、多数の第2の反射ファセット要素807の場合にも満たされるためには、第2の反射ファセット要素の合計数として32の整数倍数が選択される。
図6b(又は
図8)に記載の構成では、第2の光学要素605は、合計で21×32=672個の第2の反射ファセット要素を含む。いずれかの他のより細かい群分類の場合には、対応する他の関係が生じる。第2の反射ファセット要素806の合計数に対するこの制約は、第1の反射ファセット要素の合計数に対して対応する関係を生じる。これは、第1の反射ファセット要素の数が16の整数倍数であるという効果を有する。
図6aに記載の上述の実施形態では、第1の光学要素は、21×16=336個の第1の反射ファセット要素を有する。
【0053】
第1及び第2の反射ファセット要素の数に関する更に別の境界条件は、第1のファセット要素の正確な形態から生じる。
図3bに関して、第1の反射ファセット要素303が照明領域335に配置されることを説明した。しかし、この場合、照明領域335の可能な最大部分が、第1の反射ファセット要素で覆われると有利であり、これは、そうすることによって光源ユニットからの放射線が可能な限り僅かしか損失しないからである。照明領域に配置することができる第1の反射ファセット要素の数は、第1の反射ファセット要素の正確な形態及び照明領域の直径D(336)に関連する。
図9a、
図9b、及び
図9cは、上述の境界条件の例を示している。
図9aは、第1の反射ファセット要素903を示している。第1の反射ファセット要素は、弓形形態を有し、その弧は、46°の弧角984を有する。ファセット要素は、長い広がり方向に長さLを有し、短い広がり方向に幅Kを有する。L対Kのアスペクト比は、30:1である。20:1から40:1のアスペクト比も同様に可能である。固定のアスペクト比及び固定の弧角984の場合には、第1の反射ファセット要素は、長さLと共にスケーリングされる。従って、
図3bの照明領域335に配置することができる第1の反射ファセット要素903の数は、直径D対長さLの比だけに依存する。
図9bは、何個の第1の反射ファセット要素を照明領域に配置することができるかをD対Lの比の関数として示している。同時に、第1の反射ファセット要素によって占有される照明区域の比率として定められる充填度もD対Lの比に依存する。
図9cは、この関数関係を示している。その結果、比D/Lの選択においては、充填度が比較的高いこと、及び16の整数倍数である複数の第1の反射ファセット要素が生じることの両方を保証するように注意すべきである。
図9cは、最大充填度がD/L=5.91において生じることを示している。しかし、
図9bは、D/L=5.91における第1の反射ファセット要素の合計数が295に等しく、従って、16で割り切ることができないことを指定している。それとは対照的に、D/L=5.57では、84.3%の充填度しか生じないが、それと引き換えに17×16=272に等しい合計数の第1の反射ファセット要素が生じる。
【0054】
図10は、本発明の更に別の構成の場合に生じる群に関連付けられた射出瞳平面内の領域1077を示している。更に、この図は、対称点1080と一致する中点を有する極座標系を示している。極角度は、Θによって表している。図の明瞭性を保証するために、第2の反射ファセット要素の例示を省略した。
図3cに記載の第2の光学要素がいずれかの手法で瞳平面に配置されていない場合には、例示している群に属する第2の反射要素を判断するために、この第2の光学要素が瞳平面に結像され、第2の反射ファセット要素の光学面の中点が位置する領域が決められる。すなわち、第2の反射ファセット要素の群への割り当てが、
図10に例示している射出瞳平面の分類から必然的に得られる。相応に、同じことは、
図12a及び
図14にも適用される。この実施形態では、合計で48個の群(G1a、G1b、...、G24a、G24b)が存在する。従って、
図8に関する説明によると、第2の反射ファセット要素の数は、96の整数倍数である。更に、各場合に互いに逆の2つの群から成る集団が存在する。これらの群は、例えば、2つの群G1a及びG1bである。従って、第1の反射ファセット要素の数は、48の整数倍数である。群に関連付けられた領域1077は、各場合に、対称点1080に関して中心対称に置かれた2つの部分領域へと再分割される。この場合、部分領域の各々は、環帯セグメントの形態を有する。極座標系の半径方向には、2つの環帯への分類が存在する。「a」で終る名称を有する群に関連付けられた全ての領域が位置する第1の環帯1085、及び「b」で終る名称を有する群に関連付けられた全ての領域が位置する第1の環帯1086である。それとは対照的に、方位角Θの方向には、有意に細かい再分割が存在する。この方向には、全ての部分領域1081が、7.5°の広がりを有する。結果として達成されることは、
図11c及び
図11dに例示しているもののような比較的均一な照明パターンが、射出瞳平面に同様に生じることである。更に別の
図11aから
図11nは、
図10に記載の群分類によって生じる更に別の照明パターンの選択枝を示している。
図11aから
図11nでは、照明領域を一律に塗り潰し形式で例示している。
図11a及び
図11bは、2つの可能な環状照明パターンを示している。
図11c及び
図11dは、方位角方向に隣接する領域が交互に照明されるか又は照明されない2つの上述の比較的均一な照明パターンを示している。
図11eから
図11hは、異なる向きの主二重極軸を有する異なる二重極を示している。
図11i及び
図11jは、2つの四重極型照明を示しており、
図11kから
図11nは、複数の更に別の二重極型照明を示している。
図11aから
図11nに記載の照明パターンを可能にするために、群は、照明パターンの各々(
図11aから
図11n)が、クラスの互いに逆のいかなる2つの群も存在しない群のクラスを定めるように選択される。別の言い方をすると、同じクラスからは、同じ集合に属するいかなる2つの第2のファセット要素も存在しない。照明パターンは、クラスを照明領域内に位置する関連付けられた領域を有する全ての群がこのクラスに属するという事実によって定義する。
【0055】
図12aは、
図10と類似の図に群分類を示している。この実施形態では、それぞれ対で互いに逆である16個の群(G1a、G1b、...、G8a、G8b)が存在する。従って、
図8に関する説明によると、第2の反射ファセット要素の数は、32の整数倍数である。
図11a、
図11b、
図11e、
図11f、
図11g、
図11h、
図11i、及び
図11jに記載の照明は、そのような群分類を用いて得ることができる。
【0056】
この場合、逆群に割り当てられた領域は、方位角に関して互いから135°よりも小さく、又はそれに等しい距離の位置にある。この場合、2つの領域の間の距離は、2つの領域の2つの任意の点の間の最大距離として定められる。領域G1aとG1bは、方位角に関して互いから正確に135°の距離の位置にある。逆群の間の最大距離は、同様に、射出瞳平面内の同じ集合の2つの第2の反射ファセット要素の間の最大距離をもたらす。この場合、射出瞳平面内の2つの反射ファセット要素の間の距離は、射出瞳平面内の光学面の中点の像の間の距離として定められる。射出瞳平面内の同じ集合の2つの第2の反射ファセット要素の間の方位角に関するこの距離も、同様に135°又はそれ未満である。
【0057】
図12bは、
図11a及び
図11bに記載の2つの環状照明パターンと並んで更に別の環状照明パターンを生成することができるように、
図12aに記載の群分類を如何にして拡張することができるかを示している。この目的のために、第2の反射ファセット要素の集合は、
a.第2の反射ファセット要素F1とF2が同じ群に属し、
b.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F1の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F1の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d1の位置にあり、
c.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F2の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F2の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d2の位置にあり、
d.かつ距離d2が、距離d1よりも大きい、
という特性を有する第2の反射ファセット要素F1とF2の各対に対して、
e.第2の反射ファセット要素F3とF4が同じ群に属し、
f.第2の反射ファセット要素F1とF3が同じ集合に属し、
g.第2の反射ファセット要素F2とF4が同じ集合に属し、
h.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F3の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F3の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d2の位置にあり、
i.射出瞳平面内の第2の反射ファセット要素F4の反射光学面の中点、又は第2の反射ファセット要素F4の反射光学面の中点の像が、対称点から距離d4の位置にあり、
j.かつ距離d4が、距離d3よりも大きい、
という特性を有する第2の反射ファセット要素F3とF4の対が割り当てられるように選択される。
【0058】
図12bでは、上述の選択は、一例として群G1aからの2つの反射ファセット要素に対して実施される。群G1aからの2つの第2の反射ファセット要素F1及びF2に対して、それぞれの中点1229a及び1229bは、対称点1280からそれぞれ距離d1及びd2の位置にあり、d2はd1よりも大きい。この対に対して、群G1aに対して逆である同じ群、すなわち、群G1bに属する第2の反射ファセット要素F3とF4との対が存在する。更に、第2の反射ファセット要素F3及びF4の中点1229c及び1229dは、対称点1280から距離d3及びd4の位置にあり、d4はd3よりも大きい。次に、これらの集合は、F1とF3が同じ集合に属し、F2とF4が同じ集合に属するように選択される。これらの集合は、これらの関係が全ての群に対して満たされるように相応に選択される。それによって
図12cに例示している新しくより細かい群分類が自動的に生じる。群G1aは、2つの群G1a’及びG9aになり、群G1a’は、より対称点の近くに位置する。この状況は、他の群において類似し、従って、群G1a’、G1b’、...、G8a’、G8b’、G9a、G9b、...、G16a、G16bが生じる。群毎の第2の反射ファセット要素の数によっては、これらの群を2つの新しい群に分割することができる。
図13a及び
図13bに例示している環状照明は、新しい群分類の前に生成することができたものである。半径方向により細かい新しい分類により、
図12cに記載の群分類を用いて
図13cに記載の更に別の環状照明を生成することができる。
【0059】
図14は、群分類の更に別の実施形態を
図10と類似の図に示している。この実施形態では、50個の群が存在する。従って、
図8に関する説明によると、第2の反射ファセット要素の数は、100の整数倍数である。更に、互いに逆である3つの群で構成された10個の集団(G1、...、G10)が存在する。1つの集団は、例えば、群G1a、G1b、及びG1cである。更に、互いに逆である2つの群で構成された10個の集団(G11、...、G20)が存在する。この一例は、集団G11a及びG11bである。従って、正確に2つの第2の反射ファセット要素、すなわち、各場合に2つの群から成る集団の各群からの1つの第2の反射ファセット要素を有する少なくとも1つの集合、及び2つよりも多くの第2の反射ファセット要素、すなわち、各場合に3つの群から成る集団の各群からの1つの第2の反射ファセット要素を有する少なくとも1つの集合が存在する。この具体的な場合には、正確に2つの第2の反射ファセット要素を有する正確に20個(又は20の整数倍数個)の集合、及び正確に3つの反射要素を有する正確に20個(又は20の整数倍数個)の集合が存在する。その結果、第2の反射ファセット要素の数が100の整数倍数であるという境界条件も同様に満たされる。
【0060】
図15aから
図15nは、
図14に記載の群分類によって生じる照明パターンの選択枝を示している。この場合、この図は、
図11aから
図11nに対応する。すなわち、この群分類を用いて、
図15aから
図15dに示す4つの異なる環状照明を生成することが可能である。更に、10通りの異なる向きの主二重極軸を有する二重極型照明を実現することができる(
図15eから
図15n)。