特許第5759534号(P5759534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5759534被覆黒鉛物品、ならびに反応性イオンエッチングによる黒鉛物品の製造および再生
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759534
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】被覆黒鉛物品、ならびに反応性イオンエッチングによる黒鉛物品の製造および再生
(51)【国際特許分類】
   C04B 41/87 20060101AFI20150716BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20150716BHJP
   C23C 14/00 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   C04B41/87 V
   H01J37/317 B
   C04B41/87 U
   C23C14/00 B
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-506193(P2013-506193)
(86)(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公表番号】特表2013-542153(P2013-542153A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】US2011032662
(87)【国際公開番号】WO2011133417
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2014年4月2日
(31)【優先権主張番号】61/326,469
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/326,473
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/326,462
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クツク,リチヤード・エイ
(72)【発明者】
【氏名】グンダ,ニレシユ
(72)【発明者】
【氏名】ドネル,ステイーブン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,イエン
【審査官】 原田 隆興
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−075493(JP,A)
【文献】 特開平10−045474(JP,A)
【文献】 特開2007−284793(JP,A)
【文献】 特開2000−128640(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/142710(WO,A1)
【文献】 特開昭54−008610(JP,A)
【文献】 特開2007−084933(JP,A)
【文献】 特表2011−521470(JP,A)
【文献】 新しい工業材料の科学 A−8 炭素と黒鉛製品,金原出版株式会社,1967年10月30日,第190−191頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 41/87
C23C 14/00
H01J 37/317
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバーの、黒鉛を含んだライナーと;
前記黒鉛の少なくとも一部に上塗りされる、炭化ケイ素または炭素を含んだ導電性被覆と
を含み、
前記黒鉛は、前記黒鉛の黒鉛化の前に3ミクロンから8ミクロンの間の平均粒度の炭素出発物質に基づく黒鉛を含むものであり、
前記導電性被覆が、100nmから1000nmの厚さを有し、かつ前記黒鉛および前記導電性被覆の厚さにわたって測定して50オーム未満の厚さ方向抵抗を有する、被覆黒鉛物品。
【請求項2】
前記導電性被覆が、1ppm未満の全不純物量を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記導電性被覆が、原子百分率で少なくとも40パーセント炭素対60パーセントのケイ素の炭素対ケイ素比を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記導電性被覆が非化学量論の炭化ケイ素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記導電性被覆が、炭素と同じ部数のケイ素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記導電性被覆が、250nmから50nm以内の厚さ;または500nmから50nm以内の厚さを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
光学濃度テープ試験を使用して70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記導電性被覆がダイヤモンド状炭素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記黒鉛が、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含み;
前記導電性被覆が、前記イオン源から得られる前記微量の前記少なくとも1種類の物質を含まず;
前記物品が、光学濃度テープ試験を使用して70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
導電性被覆を含む黒鉛物品の製造方法であって:
反応性イオンエッチング法で前記物品の黒鉛を処理し、ここで前記黒鉛は真空チャンバーのライナーの少なくとも一部を含み、また前記黒鉛は、前記黒鉛の黒鉛化の前に3ミクロンから8ミクロンの間の平均粒度の炭素出発物質に基づく黒鉛を含むものであるステップと;
前記反応性イオンエッチング法で前記黒鉛を処理した後で、前記黒鉛の少なくとも一部の上に前記導電性被覆を適用するステップと
を含
前記導電性被覆が、炭化ケイ素または炭素を含み、
前記導電性被覆が、100nmから1000nmの厚さを有し、かつ前記黒鉛および前記導電性被覆の厚さにわたって測定して50オーム未満の厚さ方向抵抗を有する
ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記反応性イオンエッチング法で前記物品を処理するステップが、前記物品をアルゴン酸素プラズマで処理するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記イオン源から得られる前記物質が、イオン注入プロセスでバックスパッタリングされた材料、およびイオン注入プロセスで蒸発した材料の少なくとも1つを含む、請求項9に記載の被覆黒鉛物品。
【請求項13】
前記黒鉛が、原子百分率で、99%以上の含有率の炭素と、1%以下の含有率のフッ素、ヒ素、ゲルマニウム、リン、およびケイ素の合計とを含む、請求項9に記載の被覆黒鉛物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年4月21日に出願された米国仮特許出願第61/326,462号明細書の利益を主張し;2010年4月21日に出願された米国仮特許出願第61/326,469号明細書の利益を主張し;2010年4月21日に出願された米国仮特許出願第61/326,473号明細書の利益を主張する。上記出願の教示全体が、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
イオン注入技術は、半導体ウエハなどの工作物中に不純物を導入するために使用される。しかし、注入中に、工作物を汚染しうるパーティクルが発生する。Stoneらの米国特許出願公開第2009/0179158A1号明細書(この開示全体が参照により本明細書に援用される)において議論されているように、イオン注入プロセスが行われるプロセスチャンバーをライニングするためにチャンバーライナーを使用することができる。
【0003】
プロセスチャンバーのライナーとして、黒鉛が従来使用されてきた。4週間ごとなどに、イオン注入プロセスで製造される半導体ウエハ上の過度な汚染を防止するために黒鉛ライナーを交換する必要がある。注入ツールの交換およびその後の中断時間には費用がかかる場合があり、保守を行った後にプロセスチャンバーの「枯らし」が必要となるためにコストが増加する。典型的には、新しい注入装置または予防保守が行われたばかりの注入装置の枯らしには時間がかかりすぎる。多くのウエハが無駄になり、中断時間が長くなり、顧客のコストが高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0179158号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、真空チャンバーおよびその他の用途の改善された保護ライナー、ならびにそのようなライナーの製造および交換の技術が必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によると、被覆黒鉛物品が提供される。この物品は、黒鉛と、黒鉛の少なくとも一部の上塗り導電性被覆とを含む。導電性被覆は、黒鉛および導電性被覆の厚さにわたって測定して約50オーム未満の厚さ方向抵抗(through−thickness resistance)を有する。
【0007】
さらなる関連する実施形態においては、物品は、イオン注入ツールの真空チャンバーのライナーなどの真空チャンバーのライナーを含むことができる。真空チャンバーは粒子線を含むことができ、粒子線に面するライナーの少なくとも一部は、黒鉛と上塗り導電性被覆とを含むことができる。ライナーの全表面が、黒鉛と上塗り導電性被覆とを含むことができる。導電性被覆は、約1ppm未満の全不純物量を有することができ;約0.1ppm未満の全不純物量を有することができる。不純物量は、炭素、ケイ素、窒素、および水素の少なくとも1つが約1原子パーセントを超えることが許容されうる。不純物量は、約1原子パーセント未満のドーパントが許容されることができ、許容されるドーパントは、ホウ素、リン、およびヒ素の少なくとも1つを含む。
【0008】
さらなる関連する実施形態においては、導電性被覆は、炭化ケイ素を含むことができ;原子百分率で少なくとも約40パーセントの炭素対約60パーセントのケイ素の炭素対ケイ素比を有することができる。導電性被覆は、非化学量論の炭化ケイ素を含むことができる。導電性被覆は、非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)を含むことができ、炭素と同じ部数のケイ素を含むことができ;約250nmから約50nm以内の厚さを有することができる。導電性被覆は約1000nm未満の厚さを有することができる。さらに、導電性被覆は、約100nmを超える厚さを有することができる。さらに、導電性被覆は、約250nmから約50nm以内の厚さを有することができ;約500nmから約50nm以内の厚さを有することができる。
【0009】
別の関連する実施形態においては、黒鉛は、黒鉛の機械加工の前に黒鉛を精製するステップと;黒鉛を機械加工するステップと;黒鉛を機械加工した後で黒鉛を精製するステップとを含む方法によって製造される製品を含む。黒鉛は、黒鉛の黒鉛化の前に約3ミクロン〜約8ミクロンの間の平均粒度の炭素出発物質を主成分とする黒鉛を含むことができ;黒鉛の黒鉛化の前に約5ミクロンの平均粒度の炭素出発物質を主成分とする黒鉛を含むことができる。導電性被覆を有する物品は、光学濃度テープ試験を使用して約70%を超える濃度測定透過率(densitometry transmission)が得られる表面を含むことができ;光学濃度テープ試験を使用して約80%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。導電性被覆は、物品上でのナノピラーの成長を抑制することができる。
【0010】
さらなる関連する実施形態においては、導電性被覆は、炭素を含むことができ;ダイヤモンド状炭素を含むことができる。導電性被覆は約500nmから約50nm以内の厚さを有することができる。導電性被覆は、非晶質炭素を含むことができ;非晶質水素化含窒素炭素を含むことができる。導電性被覆は、原子百分率で最大25パーセントの水素を含むことができ、導電性被覆は、水素以外の元素を基準として、原子百分率で少なくとも約80パーセント炭素対約20パーセントの窒素の組成を有することができる。導電性被覆は、水素以外の元素を基準として、(i)原子百分率で約85のパーセント炭素対約15パーセントの窒素と、(ii)原子百分率で約90パーセントの炭素対約10パーセントの窒素との間の組成を有することができる。
【0011】
さらなる関連する実施形態においては、黒鉛は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含むことができ;導電性被覆は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含まないことができ;物品は、光学濃度テープ試験を使用して約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。物品は、光学濃度テープ試験を使用して約80%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。イオン源から得られる物質は、フォトレジスト、ホウ素、ヒ素、ケイ素、およびリンの少なくとも1つを含むことができ;イオン注入プロセスでバックスパッタリングされた材料、およびイオン注入プロセスで蒸発した材料の少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
本発明による別の一実施形態においては、導電性被覆を含む黒鉛物品の製造方法が提供される。この方法は、反応性イオンエッチング法で物品の黒鉛を処理するステップと;反応性イオンエッチング法で黒鉛を処理した後で、黒鉛の少なくとも一部の上に導電性被覆を適用するステップとを含む。
【0013】
さらなる関連する実施形態においては、反応性イオンエッチング法で物品を処理するステップは、アルゴン酸素プラズマで物品を処理するステップを含むことができる。黒鉛は、黒鉛の黒鉛化の前に約5ミクロンなどの、黒鉛の黒鉛化の前に約3ミクロン〜約8ミクロンの間の平均粒度の炭素出発物質を主成分とする黒鉛を含むことができる。黒鉛は、物品用の黒鉛を機械加工する前に物品用の黒鉛を精製するステップと;物品用の黒鉛を機械加工するステップと;物品用の黒鉛の機械加工の後で、物品用の黒鉛を精製するステップとによって製造することができる。製造された物品は、光学濃度テープ試験を使用して、約80%を超える濃度測定透過率などの、約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。物品は、イオン注入ツールの真空チャンバーなどの真空チャンバーのライナーを含むことができる。真空チャンバーは粒子線を含むことができ、本発明の方法は、粒子線に面するライナーの少なくとも一部に、上塗り導電性被覆を適用するステップを含むことができる。本発明の方法は、ライナーの全表面に、上塗り導電性被覆を適用するステップを含むことができる。
【0014】
さらなる関連する実施形態においては、反応性イオンエッチング法は、約150℃未満の温度における堆積エッチングを含むことができる。反応性イオンエッチング法は、アルゴンのガス状前駆体、酸素のガス状前駆体、および窒素のガス状前駆体の少なくとも1つの使用を含むことができ;高周波出力の使用を含むことができる。反応性イオンエッチング法は、アルゴンのガス状前駆体および酸素のガス状前駆体を含み、アルゴンで約1.5mTorrおよび酸素の場合で約0.5mTorrの開放バッフル(open baffle)分圧を使用し、約5mTorrのプロセスバッフル(process baffle)圧力を使用し、約500Wの高周波出力の使用し、時間が約10分であることを含むことができる。
【0015】
さらなる関連する実施形態においては、適用された導電性被覆は、黒鉛および導電性被覆の厚さにわたって測定して約50オーム未満の厚さ方向抵抗を有することができる。導電性被覆は、炭化ケイ素を含むことができ;炭素と同じ部数のケイ素を含み、約250nmから約50nm以内の厚さを有する、非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)を含むことができる。導電性被覆は、ダイヤモンド状炭素を含むことができ;約500nmから約50nm以内の厚さを有することができる。
【0016】
本発明による別の一実施形態においては、黒鉛と上塗り導電性被覆とを含む黒鉛物品の再生方法が提供される。この方法は、反応性イオンエッチング法によって黒鉛物品の上塗り導電性被覆の少なくとも一部を除去するステップと;黒鉛の少なくとも一部の上に新しい導電性被覆を適用するステップとを含む。
【0017】
さらなる関連する実施形態においては、反応性イオンエッチング法は、アルゴン酸素プラズマを用いて物品を処理するステップを含むことができる。黒鉛と、除去される導電性被覆の少なくとも一部とのうちの少なくとも1つは、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含むことができる。イオン源から得られる物質は、フォトレジスト、ホウ素、ヒ素、ケイ素、およびリンの少なくとも1つを含むことができ;イオン注入プロセスでバックスパッタリングされた材料、およびイオン注入プロセスで蒸発した材料の少なくとも1つを含むことができる。黒鉛は、黒鉛の黒鉛化の前に約5ミクロンなどの、黒鉛の黒鉛化の前に約3ミクロン〜約8ミクロンの間の平均粒度の炭素出発物質を主成分とする黒鉛を含むことができる。黒鉛は、物品用の黒鉛を機械加工する前に物品用の黒鉛を精製するステップと;物品用の黒鉛を機械加工するステップと;物品用の黒鉛の機械加工の後で、物品用の黒鉛を精製するステップとによって製造することができる。物品は、イオン注入ツールの真空チャンバーなどの真空チャンバーのライナーを含むことができる。真空チャンバーは粒子線を含むことができ、本発明の方法は、粒子線に面するライナーの少なくとも一部に、新しい上塗り導電性被覆を適用するステップを含むことができる。本発明の方法は、ライナーの全表面に、新しい上塗り導電性被覆を適用するステップを含むことができる。本発明の方法は、上塗り導電性被覆の少なくとも一部を除去する前に、真空チャンバーから物品を除去するステップを含むことができる。
【0018】
さらなる関連する実施形態においては、反応性イオンエッチング法は、約150℃未満の温度における堆積エッチングを含むことができ;アルゴンのガス状前駆体、酸素のガス状前駆体、窒素のガス状前駆体、フッ素のガス状前駆体、および塩素のガス状前駆体の少なくとも1つの使用を含むことができる。反応性イオンエッチング法は、高周波出力の使用を含むことができる。反応性イオンエッチング法は、アルゴンのガス状前駆体、酸素のガス状前駆体、および四フッ化炭素のガス状前駆体の使用、約1mTorrのアルゴンおよび約0.5mTorrの酸素および約1.5mTorrの四フッ化炭素の開放バッフル分圧の使用、約5mTorr〜約15mTorrのプロセスバッフル圧力の使用、約500Wの高周波出力の使用を、約10分〜約30分の時間で行うことを含むことができる。本発明の方法は、反応性イオンエッチング法を行う前に、さらなる洗浄プロセスを行うステップをさらに含むことができる。このさらなる洗浄プロセスは、水系超音波洗浄、高温精製、二酸化炭素ブラスティング、ビーズブラスティング、およびスラリーブラスティングの少なくとも1つを含むことができる。反応性イオンエッチング法は、少なくとも約10%の四フッ化炭素、少なくとも約30%の四フッ化炭素、および少なくとも約60%の四フッ化炭素を含むことができる、アルゴン/酸素/四フッ化炭素プラズマの使用を含むことができる。再生後、物品は、光学濃度テープ試験を使用して、約80%を超える濃度測定透過率などの、約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。
【0019】
さらなる関連する実施形態においては、新しく適用された導電性被覆は、黒鉛および導電性被覆の厚さにわたって測定して約50オーム未満の厚さ方向抵抗を有することができる。導電性被覆は、炭化ケイ素を含むことができ;炭素と同じ部数のケイ素を含み、約250nmから約50nm以内の厚さを有する、非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)を含むことができる。導電性被覆は、ダイヤモンド状炭素を含むことができ;約500nmから約50nm以内の厚さを有することができる。
【0020】
本発明による別の一実施形態においては、被覆黒鉛物品が提供される。この物品は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含む黒鉛と;黒鉛の少なくとも一部に上塗りされる導電性被覆とを含み、導電性被覆は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含まない。本発明の物品は、光学濃度テープ試験を使用して約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含む。
【0021】
さらなる関連する実施形態においては、本発明の物品は、光学濃度テープ試験を使用して約80%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含む。イオン源から得られる物質は、フォトレジスト、ホウ素、ヒ素、ケイ素、およびリンの少なくとも1つを含むことができ;イオン注入プロセスでバックスパッタリングされた材料、およびイオン注入プロセスで蒸発した材料の少なくとも1つを含むことができる。
【0022】
複数の異なる図面を通して同様の参照文字が同じ部分を意味する添付の図面に示されるような、本発明の例示的実施形態の以下のより詳細な説明から、以上のことは明らかとなるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の実施形態の説明において強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による導電性被覆の厚さ方向抵抗を測定する技術を示している。
図2】本発明の一実施形態による炭化ケイ素被覆の厚さ方向抵抗対被覆厚さのグラフである。
図3】本発明の一実施形態による数種類の異なる厚さの炭化ケイ素被覆の走査型電子顕微鏡写真である。
図4】本発明の一実施形態による、下にある黒鉛の上のダイヤモンド状炭素の被覆の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】本発明の一実施形態による数種類の異なる厚さの炭化ケイ素被覆の光透過率パーセント値のグラフである。
図6】本発明の一実施形態により被覆することができる種類の黒鉛などの黒鉛上へのイオンビーム照射の影響を示す一連の走査型電子顕微鏡写真画像である。
図7】本発明の一実施形態により再生される使用済み黒鉛ライナー成分のあるサンプル群を特性決定するためのエネルギー分散型X線分光分析(EDS)結果のチャートである。
図8】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生を使用した図7の成分の洗浄結果を示しており、存在する各化学種の原子百分率のEDS値として結果を示している。
図9】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生を使用した図7の成分のさらなる洗浄結果を示しており、各成分の電気抵抗として結果を示している。
図10】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生の前後の図7の成分の1つの走査型電子顕微鏡写真画像である。
図11A】本発明の一実施形態による、図10に示される成分に対して行った数種類の異なる反応性イオンエッチング再生手順の効果を示すチャートである。
図11B】本発明の一実施形態によるグラフの形態で図11Aの結果を示した図である。
図12】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング法によって予備洗浄を行う前の数種類の黒鉛サンプルの微細構造の走査型電子顕微鏡写真画像である。
図13】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング法によって予備洗浄した後の黒鉛サンプルの微細構造の走査型電子顕微鏡写真画像である。
図14】本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング処理の前後の図12の黒鉛サンプルに対して行った光学濃度テープ試験の結果の一連の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下で、本発明の例示的な実施形態の説明を行う。
【0025】
本発明による一実施形態においては、高導電性黒鉛ライナーが望ましい場合には必ず有用となりうる、イオン注入ツールまたはその他のツールのビームラインのライニングのための材料が提供される。この材料は、高純度黒鉛と表面被覆技術とを組み合わせたものであり、これによって、イオン注入ツールまたはその他のツールの中でライナーが使用される場合に、望ましくないパーティクルの発生が少なくなる。黒鉛は、注入プロセスに最適化させることができる。ライナーによって、プロセスチャンバーの枯らし時間が短縮されるために、予防保守作業中の機械の停止時間が短くなる。さらに、超清浄なライナーによって、イオン注入ツールによって処理される半導体ウエハ上のパーティクルを減少させることができる。
【0026】
高導電性を有することによって、本発明の一実施形態によるライナーは、イオン注入ツールで使用されるイオンビームをその意図する経路から偏向させることがあるライナー上の電荷蓄積傾向を軽減する。本発明の一実施形態による物品は、可能性のある多種多様な用途において使用することができ、たとえばイオン注入ツール中などの真空チャーンバーのライナーとして使用することができる。真空チャンバー中で粒子線が使用される場合、粒子線に面するライナーの少なくとも一部が黒鉛と上塗り導電性被覆とを含むことができ、またはライナーの全表面が黒鉛と上塗り導電性被覆とを含むことができる。さらに、このようなライナーは、本明細書に記載の技術により製造および/または再生が可能である。
【0027】
本発明による一実施形態は、高導電性材料の薄層で被覆された黒鉛を含むことができ、これはプロセスチャンバー用のライナーとして使用することができる。従来、被覆されていない黒鉛が類似の目的で使用されていた。従来の被覆されていない黒鉛ライナーに対する本発明の一実施形態による被覆された黒鉛ライナーの利点としては、より高レベルの表面純度が得られること、ライナーの使用中のパーティクルの生成を軽減できること、イオン衝撃による腐食に対する表面強度を改善できること、ならびにより短い枯らし時間およびより長いライナーの寿命が可能となることが挙げられる。本発明のチャンバーライナーは、最初のウエハまでの時間を短縮することができ、ライナーの表面上のアーク放電を減少させることができる。
【0028】
本発明の一実施形態によると、ライナーは、黒鉛と導電性表面被覆とを含む被覆黒鉛物品を含むことができる。導電性表面被覆は、本明細書に記載されるような好適な組成を有する高純度の導電性材料から、後述のようにライナーの導電性が高く維持される被覆厚さを有するように形成することができる。下にある黒鉛は、注意深く選択された黒鉛出発物質から形成することができ、後述のように精製することができる。
【0029】
本発明の別の一実施形態によると、パーティクルの発生が少ない(low particulating)黒鉛ライナーが望ましい場合には必ず有用となりうる、イオン注入ツールまたはその他のツールのビームラインのライナーを製造および/または再生する技術が提供される。ライナーを製造および/または再生する技術は、注入プロセスに最適化された高純度黒鉛と組み合わせることができ、ライナーがイオン注入またはその他のツール中で使用される場合に望ましくないパーティクルの発生を減少させることができる。部分は、摩耗および汚染が最小限の、新品のような状態に再生することができる。本発明の技術によって、プロセスチャンバーの枯らし時間が短縮されるために、予防保守作業中の機械の停止時間が短縮される。さらに、このような技術によって製造または再生された超清浄ライナーによって、イオン注入ツールにより処理される半導体ウエハ上のパーティクルが減少しうる。
【0030】
本発明の一実施形態による技術は、被覆を適用する前に黒鉛を処理するための反応性イオンエッチング法の使用を含むことができ;上塗り導電性被覆を含むことができる使用済み黒鉛ライナーを再生するための反応性イオンエッチング法の使用を含むことができる。反応性イオンエッチング法は、アルゴン酸素プラズマを含むことができ、後述のように粒子発生を少なくするために最適化することができる。再生プロセスによって、寸法管理に対して最小限の影響で新品のような状態に、ライナー中で使用された黒鉛を戻すことができる。このような技術、およびライナー製造技術は、後述するような特に選択された黒鉛出発物質および黒鉛の精製とともに使用することができる。さらに、製造および再生の反応性イオンエッチング技術は、本明細書に記載されるような高導電性被覆で被覆される黒鉛ライナーに使用することができる。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による導電性被覆の厚さ方向抵抗を測定する技術を示している。本発明による一実施形態導電性(非絶縁性)被覆は、黒鉛および導電性被覆の厚さにわたって測定される厚さ方向抵抗が約50オーム未満となることができる。本明細書において使用される場合、「厚さ方向抵抗」は、下にある黒鉛上の被覆されていない箇所にデジタルマルチメーターの一方の試験導線を取り付け、被覆された表面上、または被覆された表面上の導電性テープパッチ(たとえば、0.25×0.25cmの導電性テープパッチ)上にデジタルマルチメーターの他方の導線を取り付けることによって測定することができる。たとえば、図1を参照すると、抵抗Rは、黒鉛102上のコーティングされていない箇所の上の試験導線101と、導電性被覆104の表面上の試験導線103との間で測定される。
【0032】
本発明の一実施形態によると、導電性被覆は高レベルの純度を有することができる。たとえば、導電性被覆は約1ppm未満の全不純物量を有することができ、特に約0.1ppm未満の全不純物量を有することができる。不純物量は、約1原子パーセントを超える炭素、ケイ素、窒素、および/または水素が許容されうる。さらに、不純物量は、約1原子パーセント未満のホウ素、リン、および/またはヒ素などの許容されるドーパントが許容されうる。
【0033】
本発明の一実施形態によると、導電性被覆は、可能性のある数種類の異なる組成物を含むことができる。被覆は、原子百分率で約50:50の炭素対ケイ素比、または40:60を超える炭素対ケイ素比、たとえば50:50を超える炭素対ケイ素を有するケイ素−炭素被覆を含むことができる。他の被覆、特に前述の純度および導電特性を有する被覆を使用することができる。たとえば、本発明による一実施形態では、Burlington,MA,U.S.A.のEntegris Specialty Coatings製造のSilcoMax(商標)などの炭化ケイ素被覆を使用することができる。たとえば、約50Si:50C(原子百分率)の組成を有するSilcoMax(商標)は、導電性被覆として約300nmの厚さに堆積することができ、これは約10オームの厚さ方向抵抗を有する。さらに、被覆はダイヤモンド状炭素被覆を含むことができる。他の純粋な(または本質的に純粋な)炭素被覆、特に前述の純度および導電特性を有する被覆を使用することができる。たとえば、ダイヤモンド状炭素は、導電性被覆として約500nmの厚さで堆積することができ、これは約50オーム未満の厚さ方向抵抗を有する。さらに、被覆は非晶質炭素を含むことができる。さらに、純粋な炭素被覆ではなく、被覆は、非晶質水素化含窒素炭素、または非晶質の窒素をドープした炭素を含むことができる。非晶質水素化含窒素炭素は、原子百分率で最大25%の水素を含むことができ、水素以外の元素に基づく組成は、原子百分率で80:20の炭素対窒素比、またはより高い炭素対窒素比(水素を含まない)、好ましくは約85:15〜約90:10の炭素対窒素比(水素を含まない)を有することができる。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態によるSiC被覆の厚さ方向抵抗対被覆厚さのグラフである。本発明の一実施形態による導電性被覆に望ましい最大被覆厚さは、被覆のバルク抵抗率(または同様に厚さ方向抵抗)に基づいて決定することができ:すなわち、材料のバルク抵抗率(または厚さ方向抵抗)が低いほど、被覆を厚くしながら、望ましい高レベルの導電性を依然として実現できる。図2のグラフを参照すると、グラフのSiC被覆は、被覆の厚さ方向抵抗が約50オームを超え始める概算の厚さである約10,000Angstoms(すなわち1000nmまたは1ミクロン)までの厚さで使用できることが、グラフの傾きに基づけば分かる。しかし、より低いバルク抵抗率を有する被覆は、より厚くしながら、望ましい高い被覆導電性を依然として実現することができる。たとえば、非晶質水素化含窒素炭素被覆は比較的低いバルク抵抗率を有する場合があり、したがって比較的厚くしながら、依然として望ましい高い被覆導電性を実現することができる。被覆は、高い導電性を得るのに十分な薄さとなるべきであるが、より薄い被覆の場合に生じうるパーティクル生成の増加を防止するのに十分な厚さとなるべきである。さらに、被覆が厚すぎる場合には、接着の問題のために望ましくない剥離が生じることがある。たとえば、被覆は約1000nm未満の厚さを有することができ;約100nmを超える厚さを有することができる。炭素と同じ部数のケイ素を有し、約250nm±約50nmの厚さを有するプラズマ強化化学気相成長(PECVD)による非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)でできた導電性被膜の場合に特に良好な結果が得られると考えられるが;他の被覆を使用することもできる。非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)が使用される場合、その材料は、原子百分率で15%の水素を含むことができ、残りの材料は炭素と同じ部数のケイ素である。導電性被覆は、可能なかぎり化学量論であってよいし、非化学量論の炭化ケイ素を含むこともできる。さらに、約500nm±約50nmの厚さを有するダイヤモンド状炭素被覆の場合に特に良好な結果が得られると考えられるが;他の被覆を使用することもできる。
【0035】
本発明の一実施形態によると、被覆は、化学気相成長(CVD)または物理気相成長(PVD)によって形成することができる。被覆は、非晶質またはナノ結晶シリコン系合金:ケイ素、ケイ素−炭素、ケイ素−窒素−炭素、および/またはケイ素−酸素−炭素;あるいはダイヤモンド状炭素、非晶質炭素またはその他の純粋な(または本質的に純粋な)形態の炭素などの材料などの高純度材料を含むことができる。被覆プロセスパラメーターとしては:低温堆積(約150℃未満など);高周波または低周波出力;ガス状ケイ素および炭化水素前駆体、および/または酸素および/または窒素のガス状前駆体、または炭素前駆体;数百オングストロームから数千オングストローム以上の被覆厚さ;ならびに種々の可能な電圧、圧力、およびガス状前駆体の流量を挙げることができ、これらは当業者によって認識されているであろう。少なくともライナーのビームに面する側を被覆することができる。取り扱いによって生成するパーティクルを軽減するために、ライナーの裏(ビームに面しない)側を被覆するとさらに好都合となりうる。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態による数種類の異なる厚さのSiC被覆の走査型電子顕微鏡写真である。500オングストローム、2000オングストローム、および4000オングストロームの厚さ(50nm、200nm、および400nm)の被覆の表面が示されており、上の3つの図は10μmのスケールであり、下の3つの図は1μmのスケールである。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態による、下にある黒鉛を覆うダイヤモンド状炭素の被覆の走査型電子顕微鏡写真である。2000オングストロームの厚さ(200nm)の表面被覆が右列に示されており、上の図は10μmのスケールであり、下の図は1μmのスケールであり;一方、下にある(被覆されていない)黒鉛が左列に示されており、上の図は10μmのスケールであり、下の図は1μmのスケールである。
【0038】
本発明の一実施形態によると、導電性被覆および下にある黒鉛は、パーティクルが低レベルで生成するように最適化することができる。ライナーを使用することができる半導体製造プロセスなどの製造プロセスにとってパーティクルの生成は有害となりうる。図5は、本発明の一実施形態による数種類の異なる厚さのSiC被覆の光学透過率パーセント値のグラフである。透過率パーセント値は、ライナーのパーティクル生成の尺度の1つとなる。特に、パーティクル生成を測定するために「光学濃度テープ試験」を使用することができる。このような試験においては、ライナー表面に、たとえばScotch(登録商標)ブランド#600テープなどのテープを取り付け、次にそのテープを剥離する(Scotch(登録商標)テープは、Maplewood,MN,U.S.A.の3M Corporationにより製造される)。次に、パーティクルによるテープの「黒ずみ」を、濃度計、たとえばX−Rite濃度計(Grand Rapids,MI,U.S.A.のX−Rite,Incより販売される)を使用して評価し、それによって、ライナーによって生成しテープ上に捕らえられたパーティクルの光学濃度測定値が求められる。濃度計は、たとえば光学濃度の読み取り値を得ることができ、これは、テープを透過する透過率(T=I/I)の10を底とする対数であり;光学濃度0はテープを100%透過することに相当し、光学濃度1はテープを10%透過することに相当し、光学濃度2はテープを1%透過することに対応する、などとなる。図から分かるように、500angstomsの厚さ(50nm)のSiC被覆は、約70%の透過率が達成され、一方、2000オングストローム、3000オングストローム、および4000オングストローム(200nm、300nm、および400nm)の被覆では、約80%を超える透過率値が達成され、これはテープをより多く透過することに対応しており、したがってテープに捕らえられたパーティクル量が少ないことに対応している。したがって、図5のグラフ中、より厚いSiCで被覆された黒鉛は、より薄いSiCで被覆された黒鉛よりもパーティクル生成が少ないことが示された。本発明の一実施形態によると、黒鉛物品は、光学濃度テープ試験を使用して約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面、たとえば約80%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。さらに、このような透過率パーセント値は、黒鉛物品に垂直またはその他の入射角で照射することができるイオンビームに曝露した後で得ることができる。
【0039】
本発明の一実施形態によると、下にある黒鉛は、黒鉛出発物質を注意深く選択することに基づいて製造することができ、次に特殊な技術によって精製することができる。スパッタリングを軽減するため、低エッチング速度の黒鉛材料が望ましい。特に、黒鉛は、黒鉛の黒鉛化の前に約3ミクロン〜約8ミクロンの間の平均粒度、たとえば約5ミクロンの平均粒度の炭素出発物質を主成分とする黒鉛を含むことができる。黒鉛は、半導体グレードの黒鉛であってよい。黒鉛は、黒鉛の機械加工の前および後に黒鉛を精製するステップを含む方法によって製造することができる。本明細書において使用される場合、黒鉛の「精製」は、望ましくない不純物を除去するために黒鉛を処理することを意味する。たとえば、石またはその他の望ましくない不純物は、高温塩素ガス環境に黒鉛を曝露することを含む方法を使用して黒鉛から除去することができる。黒鉛の他の精製技術を使用できることは理解されよう。本明細書において使用される場合、黒鉛の「機械加工」は、黒鉛の粉砕、研削、またはその他の機械的な機械加工を意味する。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態により被覆することができる種類の黒鉛などの黒鉛に対するイオンビーム照射の影響を示す一連の走査型電子顕微鏡写真画像である。これらの実験において、イオンビーム照射は、実際のイオン注入ツール中のライナーの使用の効果をシミュレートすることを意図している。図6の上段において、左から右へ、入手した状態の黒鉛サンプル(左);サンプルに対して傾きなしでイオン照射を行った同じサンプル(中央);および30度の傾き(すなわちイオンビーム入射角60度)でサンプルにイオンビーム照射を行った同じサンプル(右)の画像である。図6の下段は、上段の画像に対応する倍率が10倍の画像である(下段は1μmのスケール、上段は10μmのスケール)。図6のイオンビームエッチングの条件は、6sccm(標準立方センチメートル/分)のアルゴン流量;1.7E−4torrのプロセス圧力;500Vのビーム電圧;80mAのビーム電流;60V加速電圧;2時間のエッチング時間;ならびに0または30度のサンプルの傾斜(またはイオンビーム入射角、90または60度)であった。図6などに示されるサンプルにこのような条件を使用すると、イオンビーム照射によって黒鉛表面が平滑になり、孔隙が減少し、遊離のパーティクルが減少し;場合によりイオンビーム照射下で黒鉛上に高アスペクト比のナノピラー型構造の発生も見られた(図6の下段中央の画像参照)。しかし、30度傾斜させたサンプルでは、エッチング速度が速くなり、ナノピラーの成長が抑制された(図6下段右の画像参照)。さらに、本発明の一実施形態による高導電性被覆は、このようなナノピラーの成長を抑制するために使用することができる。
【0041】
本発明の別の一実施形態によると、パーティクル生成が少ない黒鉛ライナーが望ましい場合には必ず有用となりうる、イオン注入ツールまたはその他のツールのビームラインのライナーを製造および/または再生するために技術が提供される。本発明の一実施形態による技術は、被覆を適用する前に黒鉛を処理するための反応性イオンエッチング法の使用を含むことができ;上塗り導電性被覆を含むことができる使用済み黒鉛ライナーを再生するための反応性イオンエッチング法の使用を含むことができる。本発明による一実施形態は、使用済み黒鉛ライナーの洗浄に使用することができる。図7は、本発明の一実施形態により再生される、ここではVG−1からVG−5と命名された使用済み黒鉛ライナー成分のあるサンプル群を特性決定するためのエネルギー分散型X線分光分析(EDS)結果のチャートである。これらの成分の汚染は:非常に汚染された(VG−1およびVG−3);中程度に汚染された(VG−2およびVG−4);および軽度に汚染された(VG−5)の3つに分類される。汚染の分類は、酸素、フッ素、ヒ素、ゲルマニウム、リン、およびケイ素などの存在する汚染物質量(存在する各化学種の原子百分率の単位で表される)の、成分中に残存する炭素量(原子百分率の単位で表される)の減少、およびオームの単位で表される電気抵抗の増加によって反映される。
【0042】
本発明の一実施形態によると、図7の使用済み黒鉛ライナー成分は、高圧において、低周波および高電圧レベルの電源を使用た反応性イオンエッチングによって洗浄することができる。全洗浄時間は、サンプルVG−1の場合で2時間15分であり、サンプルVG−2〜VG−5の場合で30分であった。
【0043】
図8は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生を使用した図7の成分の洗浄結果を示しており、結果を存在する各化学種の原子百分率のEDS値として示している。図から分かるように、反応性イオンエッチング(RIE)技術によって、未処理の場合の同じ成分と比較して(「RIE」対「未処理」)、成分中の存在する汚染物質量が減少し、炭素の比率が増加した。たとえば、本発明の一実施形態により再生した成分は、原子百分率で99%以上の含有率の炭素と、1%以下の含有率のフッ素、ヒ素、ゲルマニウム、リン、およびケイ素の合計とを含むことができる。
【0044】
図9は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生を使用した図7の成分のさらなる洗浄結果を示しており、各成分の電気抵抗として結果を示している。抵抗は、各黒鉛成分の側面上の2つのプローブによって測定した。反応性イオンエッチング技術によって、未処理の場合の同じ成分と比較して(「RIE」対「未処理」)、成分の抵抗が減少した。
【0045】
図10は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング再生の前後の図7の成分の1つの走査型電子顕微鏡写真画像である。微細構造の顕著な差を見ることができる。反応性イオンエッチング法によって、フォトレジストおよび金属汚染物質の両方が図10に示される成分から除去されたことが分かった。
【0046】
図11Aは、本発明の一実施形態による、図10に示される成分に対して行った数種類の異なる反応性イオンエッチング再生手順の効果を示すチャートであり、図11Bは、本発明の一実施形態によるグラフの形態で図11Aの結果を示した図である。図11Aおよび11Bに示される結果は、反応性イオンエッチング再生後に存在する炭素および種々の汚染物質の原子百分率を示している。使用した反応性イオンエッチング手順は、(a)300V、30mTorr、100sccm(標準センチメートル/分)の流量で15分間;(b)250V、30mTorr、100sccmで30分間;(c)250V、40mTorr、150sccmで30分間;および(d)350V、20mTorr、150sccmで30分間を含んだ。これらの中で、反応性イオンエッチング手順(d)および(c)のそれぞれで最良の結果が得られた。100sccmの手順では、20sccmのアルゴン、15sccmの酸素(O)、および65sccmのCFを使用し;150sccmの手順では、30sccmのアルゴン、20sccmの酸素(O)、および150sccmのCFを使用した。
【0047】
本発明の一実施形態によると、ライナーの製造プロセス中にライナー中に使用される黒鉛を予備処理するために反応性イオンエッチング法を用いることができる。反応性イオンエッチング法を用いて予備処理の後、次に、黒鉛に、本明細書に記載されるようなようなような高導電性被覆を被覆することができる。図12は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング法によって予備洗浄を行う前の数種類の黒鉛サンプルの微細構造の走査型電子顕微鏡写真画像である。反応性イオンエッチング(RIE)を使用して黒鉛を洗浄した。RIEプロセスのガス流、時間、電圧、および圧力などの変量を調節した。黒鉛のエッチング速度(ステップ高さおよび黒鉛の重量減によって測定)、表面粗さ、およびパーティクル生成などの反応を測定した。黒鉛サンプルは走査型電子顕微鏡写真による特性決定も行った。
【0048】
図13は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング法によって予備洗浄した後の黒鉛サンプルの1つ(図12中でZEEと記載)の微細構造の走査型電子顕微鏡写真画像である。数種類の異なる試験によるサンプルを示しており、上段の画像は低解像度(10μmスケール)であり、下段の画像は高解像度(1μmスケール)である。2つの図面を比較することで、図12に対する形態の変化を見ることができる。
【0049】
図14は、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング処理の前後の図12の黒鉛サンプルに対して行った光学濃度テープ試験の結果の一連の写真である。図面の右下の概略図に示されるように、各サンプルについて、各テープの右側の領域は、処理前のパーティクル生成量を示しており、各テープの中央領域は、処理後のパーティクル生成量を示しており、各テープの左側の領域は図12の黒鉛サンプルの種類を示している。各テープの中央部分の外観がより薄い色であれば、反応性イオンエッチング処理が、黒鉛によって生成されたパーティクル量の減少に有効であることを示している。エッチングなしおよびエッチングありの両方の黒鉛にテープを取り付け、表面からテープを剥離することによって、テープ試験を行った。濃度計を使用してテープの光学濃度を測定した。パーティクル生成の減少は、反応性イオンエッチング洗浄後のすべての黒鉛サンプルで見られた。
【0050】
本発明の一実施形態によると、黒鉛の反応性イオンエッチングによる製造および再生は、黒鉛のパーティクル生成を少量にするために使用することができる。たとえば、反応性イオンエッチングを使用して製造または再生された黒鉛物品は、光学濃度テープ試験を使用して約70%を超える濃度測定透過率が得られる表面、たとえば約80%を超える濃度測定透過率が得られる表面を含むことができる。さらに、このような透過率パーセント値は、黒鉛物品に垂直またはその他の入射角で照射することができるイオンビームに曝露した後で得ることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によると、黒鉛に対する反応性イオンエッチング法のエッチング速度(μm黒鉛/分の単位)を調べた。エッチング速度は、ステップ高さ測定を使用して計算した。出力、圧力、アルゴン対酸素比、および時間は重要であり、アルゴン対酸素比と出力との間の2方向の相互作用が、エッチング速度の決定に重要であることが分かった。出力、圧力、アルゴン対酸素比、および時間のすべては、黒鉛エッチング速度に対して線形の影響を有することが分かった。さらに、黒鉛の1分間当たりのミリグラムの単位での重量減測定を使用して、エッチング速度を調べた。エッチング速度に対する類似の主要効果が、ステップ高さ測定に基づいた結果の場合と同様に見いだされたが、出力のみが顕著な影響を有することが分かった。
【0052】
本発明の一実施形態によると、アルゴン/酸素プラズマを使用して、あるいは約10%のCF、約30%のCF、または約60%のCFを使用できるアルゴン/酸素/CFプラズマを使用して、反応性イオンエッチング再生を行うことができる。アルゴン/酸素/CFプラズマが使用される場合、CFのパーセント値を増加させるとより良好な結果が見られた。特に、反応性イオンエッチング再生は、約20%のアルゴン、約15%の酸素、約65%のCF、約700VのDCバイアス電圧、約15mTorrの圧力、13.56MHzの高周波プラズマを約1時間使用することができる。たとえば、反応性イオンエッチング装置は、約1mTorrの圧力の約20sccmのアルゴン;約0.5mTorrの圧力の約15sccmの酸素;および約1.5mTorrの圧力の約65sccmのCFを使用することができる。一般に、本発明の一実施形態によると、プラズマの周波数は、使用される圧力により調節することができる。たとえば、ある圧力計画(たとえば、15mTorr)では、高周波プラズマを使用することができ、たとえば13.56MHz、52MHz、または通信規制機関によって規制される他のあらゆる周波数を使用できる。他の圧力計画(たとえば、200mTorr)では、低周波数電源を使用でき、たとえば100kHz範囲内の周波数を使用できる。他の周波数および圧力を使用できることは理解されよう。
【0053】
本発明による一実施形態は、黒鉛材料の被覆の前に黒鉛材料の予備処理を行うために反応性イオンエッチングを使用することができる。このような予備処理によって、遊離の表面パーティクルを除去でき;黒鉛上の被覆の接着強度が向上し;黒鉛表面の仕上げおよび寸法の仕様が維持される。反応性イオンエッチング法のパラメーターは、低温堆積エッチング(たとえば約150℃未満);高周波または低周波の出力;アルゴン、酸素、および/または窒素のガス状前駆体;ならびに種々の電圧、圧力、ガス状前駆体流量、およびエッチング時間を含むことができる。一実施形態においては、ガスはアルゴンおよび酸素であり;開放バッフル分圧はアルゴンの場合で約1.5mTorr、酸素の場合で約0.5mTorrであり;プロセスバッフル圧力は約5mTorrであり;出力は約500Wの高周波であり;時間は約10分である。
【0054】
本発明のさらなる一実施形態では、使用済み黒鉛を再生するために反応性イオンエッチングを使用することができる。このような再生技術によって、イオン注入中に生じるIII〜V族元素による汚染を除去することができ;再利用することによって黒鉛の全体の寿命が延長される。好ましくは、黒鉛再生技術は、イオン注入中に生じるIII〜V族元素の汚染を効率的に除去すべきであり;非摩耗性の洗浄プロセスであるべきであり;洗浄プロセス中に金属含有種を使用すべきではなく;元の黒鉛表面仕上げおよび寸法の仕様をできるだけ維持すべきである。反応性イオンエッチング法のパラメーターは、低温堆積エッチング(たとえば約150℃未満);高周波または低周波の出力;アルゴン、酸素、窒素、フッ素、および/または塩素のガス状前駆体;ならびに種々の電圧、圧力、ガス状前駆体流量、および洗浄時間を含むことができる。実施形態においては、ガスはアルゴン、酸素および四フッ化炭素(CF)であり;開放バッフル分圧はアルゴンの場合で約1mTorr;酸素の場合で約0.5mTorr、およびCFの場合で約1.5mTorrであり;プロセスバッフル圧力は約5〜15mTorrであり;出力は約500Wの高周波であり;時間は約10〜30分である。さらに、使用済み黒鉛材料の他の洗浄技術を、本発明の一実施形態による反応性イオンエッチング技術と併用することができる。このような他の技術は、たとえば反応性イオンエッチング洗浄の前に行うことができ;このような技術としては、水系超音波洗浄、高温精製、ドライアイス(CO)ブラスティング、ビーズブラスティング、および/またはスラリーブラスティングを挙げることができる。より一般的には、本発明の一実施形態によると、あらゆる好適な反応性イオンエッチング法を使用することができる。主として、反応性イオンエッチングは、エネルギーイオンの使用を含み、これは、たとえば粒子が反応性となる気体のイオン化状態であるプラズマ中で生成することができ、典型的には、物質に到達するのに十分長い寿命を粒子が有するように真空または他の希薄雰囲気が必要となる。あらゆる好適なプラズマ発生技術を使用することができる。
【0055】
予備洗浄または再生のための本発明による一実施形態は、高導電性材料の薄層が被覆された黒鉛物品、たとえばプロセスチャンバーのライナーに対して使用することができる。本発明の一実施形態によると、ライナーの下にある黒鉛は、前述したような黒鉛出発物質の選択、および黒鉛出発物質の精製のための技術に基づいて製造することができる。
【0056】
本発明のさらなる一実施形態においては、再生プロセスによって、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質、たとえばイオン注入プロセス中での物品の使用中に堆積した物質を除去することができる。除去すべき物質は、フォトレジスト、ホウ素、ヒ素、ケイ素、およびリンの少なくとも1つを含むことができる。さらに、除去すべき物質は、イオン注入プロセスでバックスパッタリングされた材料、およびイオン注入プロセスで蒸発した材料の少なくとも1つを含むことができる。被覆物品が再生される場合、黒鉛は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含むことができるが、黒鉛の少なくとも一部に上塗りされる新しい導電性被覆は、イオン源から得られる微量の少なくとも1種類の物質を含まない。たとえば、このような導電性被覆としては、本明細書に記載のあらゆる導電性被覆が挙げられる。
【0057】
本発明の一実施形態によると、本明細書で議論される被覆で覆われたライナー、あるいは本明細書で議論される予備洗浄製造ステップまたは再生技術は、計画的な保守中に、たとえば再生のために、プロセスチャンバーから独立した部分として除去されるライナー成分に使用することができる。たとえば、本発明の一実施形態によるライナー、および/または本発明の一実施形態によるそのような技術は、保守中に真空チャンバーの表面からライナーが除去されるStoneらの米国特許出願公開第2009/0179158A1号明細書(その開示全体が参照により本明細書に援用される)に記載の種類のライナーとして、および/またはその製造または再生に使用することができる。
【0058】
さらに、本発明の一実施形態によると、本明細書に記載の反応性イオンエッチングによる予備洗浄製造ステップまたは再生技術は、本明細書に記載のいずれの被覆黒鉛物品または導電性被覆にも使用することができる。たとえば、本明細書に記載の反応性イオンエッチング製造ステップまたは再生技術は、導電性被覆が、黒鉛および導電性被覆の厚さにわたって測定して約50オーム未満の厚さ方向抵抗を有する被覆黒鉛物品に使用することができる。たとえば、このような本明細書に記載の反応性イオンエッチング製造ステップまたは再生技術は、被覆が炭化ケイ素、非化学量論の炭化ケイ素、非晶質水素化炭化ケイ素(a−SiC:H)、ダイヤモンド状炭素、非晶質炭素、または非晶質水素化含窒素炭素、あるいは本明細書に記載の他の組成物を含み、本明細書に記載の厚さおよび他の特性を含む被覆黒鉛物品に使用することができる。
【0059】
本発明の一実施形態による被覆黒鉛物品、および/または予備洗浄または再生された黒鉛物品は、イオン注入以外の種々の他の用途、たとえばプラズマドーピングシステム、あるいは、高導電性および/またはパーティクル生成が少ない被覆を有する黒鉛物品が望ましくなりうるあらゆる他の状況において使用することができることは理解されよう。
【0060】
本明細書において引用されるすべての特許、刊行物、および参考文献の教示は、それらの内容全体が参照により援用される。
【0061】
例示的実施形態を参照しながら本発明を具体的に示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなくそれらの形態および詳細の種々の変更が可能であることは、当業者は理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14