【実施例】
【0107】
  以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0108】
<実施例1>
2−(Tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−オクタナミドフェニル  3,5−ジアミノベンゾエート(HC−01)の合成
【化55】
【0109】
第1工程
4−オクタナミド−2−ニトロフェノールの合成
【化56】
  500mL(ミリリットル)の四口フラスコに、4−アミノ−2−ニトロフェノールを15.9g(103mmol)、テトラヒドロフランを300mL、及びピリジンを7.9g(103mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、n−オクタノイルクロリドを16.3g(103mmol)加え、室温で攪拌した。反応終了後、純水を50mL加えて攪拌した後、反応終了後、酢酸エチルを加えて有機層を分離し、有機層を水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。得られた固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7(体積比、以下同様である。))を用いて再結晶を行い、薄黄色の固体27.0gを得た(収率94%)。
【0110】
第2工程
4−オクタナミド−2−アミノフェノールの合成
【化57】
  500mLの四口フラスコに、N−(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)オクタナミドを15.0g(53.5mmol)、エタノールを40mL、及び5%パラジウムカーボンを1.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、白色固体13.0gを得た(収率97%)。
【0111】
第3工程
4−オクタナミド  −2−tert−ブトキシカルボニルアミノフェノールの合成
【化58】
  300mLの四口フラスコに、N−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)オクタナミドを12.5g(49.9mmol)、テトラヒドロフランを200mL、二炭酸ジ−tert−ブチルを11.9g(54.9mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジンを0.61g(4.99mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3(体積比、以下の実施例においても同じである。)にて精製し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、白色固体16.5gを得た(収率94%)。
【0112】
第4工程
  2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−オクタナミドフェニル  3,5−ジニトロベンゾエートの合成
【化59】
  300mLの四口フラスコに、HC−03−1を7.0g(20.0mmol)、テトラヒドロフランを80mL、及びピリジンを1.6g(20.0mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを5.5g(20.0mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、10質量%炭酸カリウム水溶液を加えて、pHを8〜9にし、酢酸エチルを加えて有機層を分離し、有機層を水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)にて精製し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体5.9gを得た(収率54%)。
【0113】
第5工程
HC−01の合成
【化60】
  500mLの四口フラスコに、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−オクタナミドフェニル)3,5−ジニトロベンゾエートを5.9g(10.8mmol)、テトラヒドロフランを150mL、及び5%パラジウム/カーボンを0.6g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、灰色の固体5.2gを得た(収率99%)。得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−01であることを確認した。
  なお、本発明の実施例における化合物の同定は、
1H−NMR(
1Hの核磁気共鳴、Varian社製、機種:INOVA400)により行った。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ9.92  (s,1H),8.73  (s,1H),7.89  (s,1H),7.40−7.43  (d,1H),6.99−7.01  (d,1H),6.58  (s,2H),6.09  (s,1H),5.04  (s,4H),2.27−2.31  (t,2H),1.56−1.60  (t,2H),1.40  (s,9H),1.25−1.29  (m,8H),0.85−0.88  (t,3H)
【0114】
<実施例2>
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンズアミドの合成(HC−02)の合成
【化61】
【0115】
第1工程
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−アミノニトロベンゼンの合成
【化62】
  300mLの四口フラスコに、3,4−ジアミノニトロベンゼン25.0g(163mmol)、テトラヒドロフランを250mL、及び二炭酸ジ−tert−ブチル35.6g(163mmol)を加えて、窒素雰囲気4時間還流攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、得られた固体をメタノールにて洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(5:5)を用いて再結晶を行い、黄色固体33.8gを得た(収率82%)。
【0116】
第2工程
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノニトロベンゼンの合成
【化63】
  300mLの四口フラスコに、4−アミル安息香酸を18.3g(95.0mmol)、テトラヒドロフラン150mL、及びジメチルホルムアミド20mLを加え、系内を冷却して0℃にし、塩化チオニルを14.1g(119mmol)加え、室温に戻して2時間攪拌し、4−アミル安息香酸クロリド溶液を調製した。一方で500mLの四口フラスコに、3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−アミノニトロベンゼンを20.0g(79.0mmol)、テトラヒドロフラン100mL、及びピリジンを7.5g(95.0mmol)加え、系内を冷却して0℃にし、先で調製した4−アミル安息香酸クロリド溶液をゆっくり滴下し、室温で攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールにて洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、黄色固体24.7gを得た(収率73%)。
【0117】
第3工程
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ  アニリンの合成
【化64】
  500mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノニトロベンゼンを20.0g(46.8mmol)、テトラヒドロフランを200mL、及び10%パラジウムカーボンを2.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行い、アセトンにて再溶解し、活性炭を加え室温でしばらく攪拌した後、活性炭を濾過し、アセトンを留去し、真空乾燥することで、薄黄緑色のガラス状固体17.7gを得た(収率95%)。
【0118】
第4工程
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンズアミドの合成
【化65】
  300mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノアニリンを10.0g(25.2mmol)、テトラヒドロフラン150mL、ジメチルホルムアミドを20mL、及びピリジンを2.4g(30.2mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを5.8g(25.2mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールにて洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体11.8gを得た(収率79%)。
【0119】
第5工程
HC−02の合成
【化66】
  300mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンズアミドを10.0g(16.9mmol)、テトラヒドロフランを100mL、及び10%パラジウムカーボンを1.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)を用いて再結晶を行い、さらにn−ヘキサンで分散洗浄することにより、白色の固体8.6gを得た(収率96%)。目得られた固体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−02であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ10.0(s,1H),9.71(s,1H),8.62(s,1H),8.01(d,1H),7.89―7.87(d,2H),7.54−7.52(dd,1H),7.42−7.40(d,1H),7.37−7.35(d,2H),6.30  (d,2H),6.00−5.90  (t,1H),4.96  (s−br,4H),2.68−2.64  (m,2H),1.64−1.57(m,2H),1.45(s,9H),1.39−1.17(m,4H),0.89−0.85(t,3H)
【0120】
<実施例3>
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  2,4−ジアミノベンズアミドの合成(HC−03)
【化67】
【0121】
第1工程
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  2,4−ジニトロベンズアミドの合成
【化68】
  300mLの四口フラスコに、2,4−ジニトロ安息香酸を4.10g(19.4mmol)、ジクロロメタン150mL、及びジメチルホルムアミド20mLを加え、系内を冷却して0℃にし、塩化オキサリル2.46g(19.4mmol)をゆっくり加え、室温に戻して2時間攪拌し、2,4−ジニトロ安息香酸クロリド溶液を調製した。一方で500mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノアニリンを7.00g(17.6mmol)、テトラヒドロフラン100mL、及びピリジンを2.09g(26.4mmol)加え、系内を冷却して0℃にし、先で調製した2,4−ジニトロ安息香酸クロリド溶液をゆっくり滴下し、窒素雰囲気下40℃にて攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールにて分散洗浄し、ジクロロエタンとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体6.56gを得た(収率63%)。
【0122】
第2工程
N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  2,4−ジアミノベンズアミドの合成
【化69】
  300mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  2,4−ジニトロベンズアミドを6.00g(10.2mmol)、テトラヒドロフランを100mL、及び10%パラジウムカーボンを0.60g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールと2−プロパノールの混合溶媒で分散洗浄し、その後酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、薄黄色の固体4.88gを得た(収率90%)。目得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−02であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ10.4(s,1H),9.56(s,1H),8.63(s,1H),8.01(d,1H),7.89―7.87(d,2H),7.54−7.52(dd,1H),7.42−7.40(d,1H),7.37−7.35(d,1H),7.28(d,1)、6.72  (d,1H),6.75(d,1H),6.40(s−br,2H),5.84  (s,1H),5.44(s−br,2H),2.68−2.64(m,2H),1.64−1.57(m,2H),1.45(s,9H),1.39−1.17(m,4H),0.89−0.85(t,3H)
【0123】
<実施例4>
N−4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンズアミドの合成(HC−04)の合成
【化70】
【0124】
第1工程
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ニトロフェノールの合成
【化71】
  300mLの四口フラスコに、2−アミノ−4−ニトロフェノールを12.3g(79.8mmol)、テトラヒドロフランを250mL、二炭酸ジ−tert−ブチルを14.2g(87.9mol)、及び4−ジメチルアミノピリジンを2.00g(7.98mol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体15.0gを得た(収率73%)。
【0125】
第2工程
4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ  ニトロベンゼンの合成
【化72】
  200mLの四口フラスコに、4−アミル安息香酸を6.4g(32.8mol)、及びテトラヒドロフラン60mL加えて、系内を冷却して0℃にし、塩化チオニルを4.3g(35.3mol)加え、室温に戻して1時間攪拌し、4−アミル安息香酸クロリド溶液を調製した。一方で500mL四口フラスコに、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ニトロフェノールを6.3g(25.2mmol)、テトラヒドロフラン60mL、及びピリジンを4.0g(50.4mmol)加え、系内を冷却して0℃にし、先ほど調製した4−アミル安息香酸クロリド溶液をゆっくり滴下し、室温で攪拌した。反応終了後、10質量%炭酸カリウム水溶液を加えて、pHを8〜9にした。酢酸エチルを加えて有機層を分離し、有機層を水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(7:3)を用いて再結晶を行い、黄色固体6.9gを得た(収率64%)。
【0126】
第3工程
4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ  アニリンの合成
【化73】
  300mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノニトロベンゼン2を8.8g(20.5mol)、テトラヒドロフランを100mL、及び5%パラジウムカーボンを0.9g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(7:3)を用いて再結晶を行い、白色固体6.8gを得た(収率84%)。
【0127】
第4工程
N−4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンズアミドの合成
【化74】
  300mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノアニリンを6.8g(17.1mmol)、テトラヒドロフランを100mL、及びピリジンを1.5g(18.8mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを4.6g(20.0mol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、10質量%炭酸カリウム水溶液を加えて、pHを8〜9にした。酢酸エチルを加えて有機層を分離し、有機層を水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体11.0g
を得た(収率99%)。
【0128】
第5工程
HC−04の合成
【化75】
  300mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンズアミドを11.0g(18.6mmol)、テトラヒドロフランを100mL、及び5%パラジウムカーボンを1.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、灰色の固体9.7gを得た(収率98%)。目得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−04であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ9.99  (s,1H),8.88  (s,1H),7.99−8.01  (m,3H),7.48−7.51  (d,1H),7.34−7.38  (d,2H),7.10−7.11  (d,1H),6.26  (s,2H),5.96  (s,1H),4.93  (s−br,4H),2.63−2.67  (t,2H),1.55−1.59  (t,2H),1.22−1.34  (m,13H),0.81−0.84  (t,3H),
【0129】
<実施例5>  2−メチル−6−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンゾエート(HC−05)の合成
【化76】
【0130】
第1工程
6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−m−クレゾールの合成
【化77】
  300mLの四口フラスコに、6−アミノ−m−クレゾールを6.2g(50.3mmol)、テトラヒドロフランを150mL、及び二炭酸ジ−tert−ブチルを14.2g(55.3mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行い、白色固体11.2gを得た(収率99%)。
【0131】
第2工程
3−メチル−6−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンゾエート
【化78】
  300mLの四口フラスコに、6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−m−クレゾールを11.2g(50.2mmol)、テトラヒドロフランを200mL、及びピリジンを4.0g(50.2mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを11.5g(50.2mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、反応溶液をメタノールと水の混合溶媒(9:1)に注ぎ、固体を析出させ、固体を濾過した。次いで、固体を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、黄色固体20.2gを得た(収率97%)。
【0132】
第3工程
HC−05の合成
【化79】
  300mLの四口フラスコに、3−メチル−6−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジニトロベンゾエートを10.0g(24.0mmol)、テトラヒドロフランを100mL、及び5%パラジウム/カーボンを1.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、灰色の固体8.7gを得た(収率99%)。目得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−05であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ8.63  (s,1H),7.43−7.45  (d,2H),6.99−7.02  (d,1H),6.93  (s,1H),6.57  (s,2H),6.08  (s,1H),5.04  (s,4H),2.27  (s,1H),1.37  (s,9H)
【0133】
<実施例6>
4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ  3,5−ジアミノベンゾエート(HC−06)の合成
【化80】
【0134】
第1工程
4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−ニトロフェノールの合成
【化81】
  200mLの四口フラスコに、4−アミル安息香酸を12.5g(64.9mmol)、テトラヒドロフラン100mL、及びDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)20mLを加え、系内を冷却して0℃にし、塩化チオニルを7.80g(65.5mol)加え、60℃で2時間攪拌し、4−アミル安息香酸クロリド溶液を調製した。一方で300mLの四口フラスコに、4−アミノ−2−ニトロフェノールを10.0g(64.9mmol)、テトラヒドロフランを150mL、及びピリジンを6.3g(64.9mmol)加え、系内を冷却して0℃にし、先に調製した4−アミル安息香酸クロリド溶液をゆっくり加え、室温に戻し窒素雰囲気下で1日攪拌させた。反応終了後、エバポレーターで溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、純水を50mL加えて攪拌した後有機層を分離し、有機層を水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をカラムクロマトグラフィー法(酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(8:2)を用いて精製を行い、再び酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)で分散洗浄することにより、黄色の固体15.6gを得た(収率73%)。
【0135】
第2工程
4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−アミノフェノールの合成
【化82】
  200mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−ニトロフェノールを10.0g(30.5mol)、テトラヒドロフランを100mL、及び10%パラジウムカーボンを1.0g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行い、アセトンにて再溶解させ、活性炭を加え攪拌した。その後、濾過により活性炭を取り除き、濾液からロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行うことで薄茶色アメ状固体8.4gを得た(収率93%)。
【0136】
第3工程
4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノフェノールの合成
【化83】
  200mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−アミノフェノールを  6.0g(20.1mmol)、テトラヒドロフランを100mL、二炭酸ジ−tert−ブチルを4.4g(20.1mmol)、及びピリジンを0.16g(2.01mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、水、及び、飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)を用いて再結晶を行い、白色固体5.8gを得た(収率72%)。
【0137】
第4工程
4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル−3,5−ジニトロベンゾエートの合成
【化84】
  200mLの四口フラスコに、4−アミルベンゾイルアミノ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノフェノールを5.00g(12.5mmol)、テトラヒドロフランを80mL、及びピリジンを0.99g(12.5mmol)加えた。系内を冷却して0℃にし、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを2.9g(12.5mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び、飽和食塩水で順次洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールと2−プロパノールの混合溶媒(3:7)にて分散洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体5.09gを得た(収率90%)。
【0138】
第5工程
HC−06の合成
【化85】
  100mLの四口フラスコに、4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ  3,5−ジニトロベンゾエートを4.52g(7.59mmol)、1,4−ジオキサンを50mL、及び10%パラジウムカーボンを0.45g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をジクロロエタンとn−ヘキサンの混合溶媒(5:5)を用いて再結晶を行い、薄灰色の固体3.62gを得た(収率90%)。得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−07であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ9.82  (s,1H),8.73  (s,1H),7.96−7.85  (dd,3H),7.40−7.43  (d,1H),7.37−7.35(d,2H)、6.99−7.01  (d,1H),6.54  (s,2H),6.12  (s,1H),4.99  (s−br,4H),2.68−2.64  (m,2H),1.65−1.56(m,2H),1.46(s,9H),1.37−1.16(m,4H),0.88−0.84(t,3H)
【0139】
<実施例7>
[4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]  2−(2,4−ジアミノフェニル)アセトアミド(HC−07)の合成
【化86】
【0140】
第1工程
[4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]  (2,4−ジニトロフェニル)アセトアミドの合成
【化87】
  100mLの四口フラスコに、2,4−ジニトロフェニル酢酸を3.0g(12.3mmol)、ジクロロメタン50mL、及びジメチルホルムアミド5mLを加え、系内を冷却して0℃にし、塩化オキサリル1.6g(12.3mmol)をゆっくり加え、室温に戻して2時間攪拌し、2,4−ジニトロフェニル酢酸クロリド溶液を調製した。一方で200mLの四口フラスコに、N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ  アニリンを4.5g(11.2mmol)、ジクロロメタン50mL、及びピリジンを1.1g(13.4mmol)加え、系内を冷却して0℃にし、先で調製した2,4−ジニトロ安息香酸クロリド溶液をゆっくり滴下し、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び飽和食塩水で順次洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールにて分散洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体5.2gを得た(収率77%)。
【0141】
第2工程
HC−07の合成
【化88】
  100mLの四口フラスコに、N−[4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]  (2,4−ジニトロフェニル)アセトアミドを4.5g(7.43mmol)、1,4−ジオキサンを50mL、及び酸化白金を0.45g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過により酸化白金を除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(5:5)を用いて再結晶を行い、薄茶色の固体3.6gを得た(収率89%)。得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−07であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ9.98(s,1H),9.67(s,1H),8.68(s,1H),8.00(d,1H),7.85―7.83(d,2H),7.53−7.50(m,1H),7.32−7.28(m,2H),7.22(d,2H),6.43−6.40  (d,1H),6.00−5.90  (d,1H),4.96  (s−br,2H),3.52(s−br,2H),3.08(s,2H),2.67−2.65  (m,2H),1.62−1.55(m,2H),1.46(s,9H),1.39−1.17(m,4H),0.89−0.85(t,3H)
【0142】
<実施例8>
(Z)−3,5−ジニトロベンジル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート(HC−08)の合成
【化89】
【0143】
第1工程
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アニリンの合成
【化90】
500mLの四口フラスコにO−フェニレンジアミン50.0g(462mmol)、テトラヒドロフラン300mL、及び二炭酸ジ−tert−ブチル100.8g(462mmol)を加え、窒素雰囲気下で4時間還流させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、得られた個体をメタノールで分散洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)で再結晶し、薄茶色固体77.0g(収率80%)を得た。
【0144】
第2工程
2−ブテン二酸(2Z)−,3,5−ジニトロベンジルエステルの合成
【化91】
  500mLの四口フラスコに3,5−ジニトロベンジルアルコール25.0g(126mmol)、クロロホルム300mL、及びトリエチルアミン19.1g(189mmol)を加え、窒素雰囲気下にて系内を0℃に冷却し、無水マレイン酸14.8g(151mmol)を加え2時間攪拌し、室温に戻し6時間反応させた。反応終了後、再び10℃まで冷却し、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を200mL加え1時間攪拌した後、水層を分離し、水層をジクロロエタンにて洗浄し、再度10℃に冷却し、10質量%塩酸水溶液を加えてpHを4〜5とし、白色の固体を析出させた。得られた固体を酢酸エチルにて溶解し、抽出した後、酢酸エチル層を水、及び飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をエタノールにて分散洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)で再結晶させることにより、白色の固体32.1g(収率86%)を得た。
【0145】
第3工程
(Z)−3,5−ジニトロベンジル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエートの合成
【化92】
  300mLの四口フラスコに、2−ブテン二酸(2Z)−,3,5−ジニトロベンジルエステル10.00g(33.7mmol)を測り取り、THFを200mL、トリエチルアミンを1.71g(16.9mmol)、及び4−(4,6−ジメトキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メトキシモルホリウムクロリド  n−水和物(DMT−MM)を13.99g(50.6mmol)加え、室温で30分攪拌した後、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アニリン7.67g(36.8mmol)を少しづつ加え、窒素雰囲気下、室温で6時間反応させた。
  反応終了後、反応溶液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、酢酸エチルを200ml加え、50℃で1時間攪拌した後、不溶物を濾過し、水、飽和食塩水の順番に洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をメタノールにて再結晶して、薄黄色の固体14.59(収率89%)を得た。
【0146】
第4工程
HC−08の合成
【化93】
  300mLの四口フラスコに(Z)−3,5−ジニトロベンジル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート10.0g(20.6mmol)、還元鉄11.5g(200mmol)、10質量%塩化アンモニウム水溶液107g(塩化アンモニウム200mmol)、及びトルエン150mLを加え、メカニカルスターラーにて窒素雰囲気下、70℃で1日攪拌しながら反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加えた後、鉄を濾過し、濾液の有機層を水、飽和食塩水にて洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、有機層に活性炭を加え、しばらく攪拌した。その後、濾過により活性炭を除き、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した。精製はカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルとジクロロエタンの混合溶媒(3:7))にて行い、減圧下で乾燥し、薄黄色のガラス状固体8.0g(収率91%)を得た。
  得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−08であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,CDCl
3):δ8.78(s−br,1H),7.56−7.53(d,1H),7.38−7.37(dd,1H),7.20−7.12(m,2H),7.04−6.92(q,2H),6.93(s−br,1H),6.10(d,2H),5.98−5.97  (t,1H),5.01(s,2H),3.63(s−br,4H),1.51(s,9H)
【0147】
<実施例9>
(E)−(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート(HC−09)及び
2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブタノエート(HC−10)の合成
【化94】
【化95】
【0148】
第1工程
2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノールの合成
【化96】
  300mLの四口フラスコに、トリエチルアミン13.6g(134mmol)、エチレングリコール50mL、及びテトラヒドロフラン150mLを加え、窒素雰囲気下で10℃に冷却し、さらに2,4−ジニトロフルオロベンゼン25.0g(134mmol)を加え、60℃に加熱し、16時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水にて洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターにより溶媒留去を行った。メタノールと2−プロパノールの混合溶媒(3:7)にて再結晶を行い、n−ヘキサンにて分散洗浄することにより、白色固体26.0g(収率85%)を得た。
【0149】
第2工程(1)
2−ブテン二酸(2E)−,2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノールエステルの合成(無水マレイン酸から異性化反応を利用した方法)
【化97】
  300mLの四口フラスコに2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノール10.0g(43.8mmol)を測り取り、クロロホルム200mL、及びトリエチルアミン4.43g(43.8mmol)を加え、氷浴中で無水マレイン酸を5.15g(52.6mmol)加え、ゆっくり室温に戻し、6時間攪拌した。反応終了後酢酸エチルを100mL加え、10質量%塩酸水溶液、水、及び飽和食塩水で順次洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を1,4−ジオキサン200mLに溶解させ、塩酸を1.00g加え、100℃にて2時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒(7:3)にて再結晶を行い、白色の固体12.86g(収率90%)を得た。
【0150】
第2工程(2)
2−ブテン二酸(2E)−,2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノールエステルの合成
【化98】
  300mLの四口フラスコにフマリルクロリド10.0(65.7mmol)、及びクロロホルム150mLを加え、窒素雰囲気下にて系内を0℃に冷却し、さらに2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノール10.0g(43.8mmol)のジメチルアセトアミド溶液(DMAc50mL)、及びトリエチルアミン4.43g(43.8mmol)のクロロホルム溶液をゆっくり加え2時間攪拌し、室温に戻し1日反応させた。反応終了後、水50mLを加え、再び10℃まで冷却し、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を100mL加え1時間攪拌し、水層を分離し、水層を酢酸エチルにて洗浄した。その後、10℃に冷却した後、10質量%塩酸水溶液を加えてpHを4〜5とし、白色の固体を析出させた。得られた固体を酢酸エチルに溶解し、抽出した後、酢酸エチル層を水、及び飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をエタノールにて分散洗浄し、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)で再結晶させることにより、白色の固体12.1g(収率85%)を得た。
【0151】
第3工程
(E)−(2,4−ジニトロフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエートの合成
【化99】
  200mLの四口フラスコに2−ブテン二酸(2E)−,2−(2,4−ジニトロフェノキシ)エタノールエステル10.0g(30.7mmol)、クロロホルム100mL、及びDMF30mLを加え、さらに窒素雰囲気下、0℃にて、ゆっくり塩化オキサリル4.3g(33.8mmol)を加えた後、室温に戻し、2時間攪拌した。次いで、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アニリン9.6g(46.1mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で24時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加えて有機層を分離し、有機層を水、10質量%塩酸水溶液、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、及び飽和食塩水の順番に洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)にて再結晶し、エタノールにて分散洗浄した後、薄黄色の固体12.1g(収率76%)を得た。
【0152】
第4工程
HC−09の合成
【化100】
  200mLの四口フラスコに(E)−(2,4−ジニトロフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート5.0g(9.68mmol)、還元鉄5.4g(96.8mmol)、10質量%塩化アンモニウム水溶液51.8g(塩化アンモニウム96.8mmol)、及びトルエン70mLを加え、メカニカルスターラーにて窒素雰囲気下、70℃で1日攪拌しながら反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加え、鉄を濾過し、濾液の有機層を水、及び飽和食塩水にて洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、有機層に活性炭を加え、しばらく攪拌した。その後、濾過により活性炭を除き、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した。精製はカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルとジクロロエタンの混合溶媒(5:5))にて行い、減圧下で乾燥し、薄黄色のガラス状固体3.5g(収率80%)を得た。
  得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−09であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,CDCl
3):δ8.80(s−br,1H),7.61−7.59(d,1H),7.40−7.38(d,1H),7.21−7.14(m,2H),6.99(s−br,1H),6.94−6.81(q,2H),6.69−6.67(d,1H),6.15−6.13(d,1H)、6.09−6.07(dd,1H),4.54−4.52(t,2H),4.21−4.19(t,2H),3.66(s−br,4H),1.52(s,9H)
【0153】
第5工程
HC−10の合成
【化101】
  300mLの四口フラスコに、(E)−(2,4−ジニトロフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエートを5.0g(9.68mmol)、テトラヒドロフランを50mL、及び10%パラジウムカーボンを0.50g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、次いで、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(2:8)を用いて再結晶を行い、白色の固体4.00gを得た(収率90%)。
  得られた個体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−09であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,CDCl
3):δ8.21(s−br,1H),7.43−7.42(d,1H),7.37−7.36(d,1H),7.16−7.08(m,3H),6.57−6.56(d,1H),6.05−6.03(d,1H)、5.97−5.96(dd,1H),4.38−4.35(t,2H),4.14−4.11(t,2H),3.22(s−br,4H),2.76−2.74(t,2H),2.59−2.56(t,2H),1.46(s,9H)
【0154】
<液晶配向膜の特性評価>
本明細書で使用した化合物の略号は、以下のとおりである。
<テトラカルボン酸二無水物>
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
CBDE:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジメチルエステル
【化102】
【0155】
<ジアミン>
  p−PDA:p−フェニレンジアミン
  3−ABA:3−アミノベンジルアミン
  2,4−DAA:N,N−ジアリルアミノ  2,4−ジアミノベンゼン
  C14DAB:4−テトラデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン
  C16DAB:4−ヘキサデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼン
  CAB−2:N−(4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾイル)アミノ  2,4−ジアミノベンゼン
  PCH−7AB:N−(4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ)2,4−ジアミノベンゼン
  m−TDA:m−トリル  3,5−ジアミノベンゾエート
  HC−01:2−(Tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−オクタナミドフェニル  3,5−ジアミノベンゾエート
  HC−02:N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンズアミド
  HC−03:N−4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  2,4−ジアミノベンズアミド
  HC−04:N−4−(4−アミルベンゾイルオキシ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンズアミド
HC−05:2−メチル−6−tert−ブトキシカルボニルアミノフェニル  3,5−ジアミノベンゾエート
【0156】
  HC−06:4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ  3,5−ジアミノベンゾエート
  HC−07:[4−(4−アミルベンゾイルアミノ)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]  2−(2,4−ジアミノフェニル)アセトアミド
  HC−08:(Z)−3,5−ジニトロベンジル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート
  HC−09:(E)−(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブト−2−エノエート
  HC−10:2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル  4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアミノ)−4−オクソブタノエート
  HC−11:4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジアミノベンズアミド
  HC−12:4−[4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジアミノベンズアミド
【0157】
【化103】
【0158】
【化104】
【0159】
【化105】
【0160】
<縮合剤>
  DMT−MM:4−(4,6−ジメトキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メトキシモルホリウムクロリド  n−水和物
<有機溶媒>
  NMP:N−メチル−2−ピロリドン
  γ−BL:γ−ブチロラクトン
  BC:ブチルセロソルブ
  DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0161】
<分子量の測定>
  重合反応により得られた重合体の分子量は、該ポリイミドをGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、及びポリエチレンオキシドの換算値として、数平均分子量と重量平均分子量を算出した。
  GPC装置:Shodex社製  (GPC−101)
  カラム:Shodex社製  (KD803、KD805の直列)
  カラム温度:50℃
  溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10mL/L)
  流速:1.0mL/分
  検量線作成用標準サンプル:東ソー社製  TSK  標準ポリエチレンオキサイド(分子量  約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、重合体ラボラトリー社製  ポリエチレングリコール(分子量  約12,000、4,000、1,000)。
【0162】
<イミド化率の測定>
  合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製  NMRサンプリングチューブスタンダード)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05質量%TMS混合品)0.53mLを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液の500MHzのプロトンNMRを、日本電子データム社製のNMR測定器(JNW−ECA500)にて測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
    イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
  上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
【0163】
<液晶セルの作製>
  実施例及び比較例で調製した液晶配向処理剤について、以下のようにして液晶セルを作製した。
  液晶配向処理剤を透明電極付きガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、210℃のホットプレート上で10分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。ラビングによる液晶配向処理について、この塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmの条件でラビングし、液晶配向膜付き基板を得た。光による液晶配向処理については、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、500mJ相当)を、プレートの法線に対して40°傾け照射することにより行なった。
【0164】
  このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合い、ラビング方向が直行するようにして張り合わせる(ツイストネマティック液晶セル)、又はUV照射したものに関しては、照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ(垂直配向モード)、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ツイストネマティックセルにおいては液晶MLC−2003(メルク社製)を注入し、垂直配向モードにおいては液晶MLC−6608(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、ツイストネマティック液晶セルを得た。
  作製した各液晶セルの物性の測定、及び特性の評価の方法を以下に記述した。
  なお、実施例1〜9、及び比較例1〜3における各液晶配向処理剤の組成、各液晶配向膜についての物性の測定、及び特性の評価等の結果は、表2〜表4に示した。
【0165】
<ラビング耐性評価>
  上記の<液晶セルの作製>に記載の方法で液晶配向膜付き基板を作製する際、ラビング条件の押し込み量を0.5mmに変更して行い、ラビング耐性評価用の液晶配向膜を作製し、表面を共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、下記の評価を行った。
  ○:削れカスやラビング傷が観察されない。
  △:削れカスやラビング傷が観察される。
  ×:膜が剥離する又は目視でラビング傷が観察される。
【0166】
<プレチルト角の測定>
  上記の<液晶セルの作製>に記載の方法で作製したツイストネマティック液晶セル、又はアンチパラレルセルを105℃で5分間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo  Metrix社製の「Axo  Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。
【0167】
<電圧保持率(VHR)及びバックライトエージング耐性の測定>
  上記の<液晶セルの作製>に記載の方法で作製した液晶セルの初期状態の電圧保持率、及びバックライトエージング(LCDパネル用バックライトに液晶セルを乗せ、2週間AC10Vにて駆動させた)後の電圧保持率の測定を行なった。電圧保持率の測定は、90℃の温度下で4Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。なお、電圧保持率の測定には、東陽テクニカ社製の電圧保持率測定装置(VHR−1)を使用した。
【0168】
(実施例10)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−01を0.72g(1.50mmol)、及びNMPを28.2g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下、24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−1)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−1)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−1)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−1を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は14,300、重量平均分子量は41,200であった。
【0169】
(実施例11)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−02を0.80g(1.5mmol)、及びNMPを28.6g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−2)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−2)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−2)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−2を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は12,300、重量平均分子量は26,700であった。
【0170】
(実施例12)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−03を0.80g(1.5mmol)、及びNMPを28.6g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−3)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−3)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−3)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−3を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は9,800、重量平均分子量は26,900であった。
【0171】
(実施例13)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−04を0.80g(1.5mmol)、及びNMPを28.6g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−4)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−4)溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−4)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−4を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は11,300、重量平均分子量は25,800であった。
【0172】
(実施例14)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−05を0.54g(1.5mmol)、及びNMPを27.1g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−5)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−5)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−5)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−5を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は12,600、重量平均分子量は30,200であった。
【0173】
(実施例15)
  50mL四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−06を0.80g(1.5mmol)、及びNMPを28.6g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−6)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−6)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−6)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−6を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は12,700、重量平均分子量は27,700であった。
【0174】
(実施例16)
  50mL四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−07を0.82g(1.5mmol)、及びNMPを28.7g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−7)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−7)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−7)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−7を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は10,200、重量平均分子量は26,500であった。
【0175】
(実施例17)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−10を0.71g(1.5mmol)、及びNMPを28.1g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−8)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−8)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−8)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−8を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は9,900、重量平均分子量は23,500であった。
【0176】
(実施例18)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、HC−05を2.00g(5.60mmol)、及びNMPを17.4g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを1.08g(5.49mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−9)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−9)の溶液15gを50mLの三角フラスコに移し、NMPを15.0g、BCを7.5g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−9)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−9を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は21,200、重量平均分子量は50,900であった。
【0177】
(実施例19)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、HC−08を2.00g(4.70mol)、PCH−7ABを0.45g(1.17mmol)、及びNMPを20.3g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを1.13g(5.81mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−10)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−10)の溶液20gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを20.0g、BCを10.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−10)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−10を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は13,300、重量平均分子量は428,00であった。
【0178】
(実施例20)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、HC−09を2.00g(4.38mol)、PCH−7ABを0.45g(1.10mmol)、及びNMPを19.7g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを1.06g(5.43mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−11)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−11)の溶液20gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを20.0g、BCを10.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−11)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−11を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は10,700、重量平均分子量は35,300であった。
【0179】
(実施例21)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.307g(2.52mmol)、2,4−DAAを0.384g(1.89mmol)、HC−02を1.00g(1.89mol)、及びNMPを12.3g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.412g(1.89mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらに、CBDAを0.964g(4.91mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−12)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−12)の溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸1.96gとピリジン0.84gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−1)の黄褐色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は11,200、重量平均分子量は30,800であった。また、イミド化率は89%であった。
  ポリイミド(SPI−1)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−1)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−12を得た。
【0180】
(実施例22)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.307g(2.52mmol)、2,4−DAAを0.384g(1.89mmol)、HC−03を1.00g(1.89mol)、及びNMPを12.3g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.412g(1.89mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらに、CBDAを0.964g(4.91mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−13)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−13)溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸1.96gとピリジン0.84gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−2)の橙色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は9,800、重量平均分子量は23,500であった。また、イミド化率は89%であった。
  ポリイミド(SPI−2)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−2)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−13を得た。
【0181】
(実施例23)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.308g(2.52mmol)、2,4−DAAを0.384g(1.89mmol)、HC−04を1.00g(0.89mol)、及びNMPを12.3g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.412g(1.89mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらに、CBDAを0.964g(4.91mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−14)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−14)の溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸1.96gとピリジン0.84gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−3)の黄褐色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は11,800、重量平均分子量は25,100であった。また、イミド化率は88%であった。
  ポリイミド(SPI−3)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−3)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−14を得た。
【0182】
(実施例24)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.308g(2.52mmol)、2,4−DAAを0.384g(1.89mmol)、HC−06を1.00g(0.89mol)、及びNMPを12.3g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.412g(1.89mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらに、CBDAを0.964g(4.91mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−15)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−15)の溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸1.96gとピリジン0.84gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−4)の黄褐色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は13,200、重量平均分子量は29,400であった。また、イミド化率は85%であった。
  ポリイミド(SPI−4)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−4)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−15を得た。
【0183】
(実施例25)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.298g(2.44mmol)、2,4−DAAを0.372g(1.83mmol)、HC−04を1.00g(0.83mol)、及びNMPを12.0g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.399g(1.83mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらにCBDAを0.933g(4.76mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−16)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−16)の溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸1.94gとピリジン0.83gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−5)の黄褐色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は10,700、重量平均分子量は22,800であった。また、イミド化率は87%であった。
  ポリイミド(SPI−5)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらにこの溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−5)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−16を得た。
【0184】
(実施例26)
  100mLの四口フラスコにCBDEを2.37g(9.12mmol)、ジアミン成分として、p−PDAを0.813g(7.52mmol)、HC−02を1.00g(1.88mmol)、NMPを30.7g、及びトリエチルアミンを0.475g(4.70mmol)加え、約10℃に冷却した。次いでDMT−MMを7.80g(28.2mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸エステル(PAE−1)の濃度が12質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAE−1)の溶液にNMPを34.9g加え、約10℃に冷やしたメタノール500mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール300mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリアミック酸エステル(PAE−1)の白色粉末を得た。このポリアミック酸エステルの数平均分子量は15,300、重量平均分子量は38,800であった。
  ポリアミック酸エステル(PAE−1)2.00gに、γ―BLを18.0g加え、室温で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ―BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(PAE−1)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の液晶配向処理剤−17を得た。
【0185】
(比較例1)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.45g(13.5mol)、C16DABを0.52g(1.50mmol)、及びNMPを28.2g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−17)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−17)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−17)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−18を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は18,300、重量平均分子量は43,200であった。
【0186】
(比較例2)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.45g(13.5mol)、CAB−2を0.64g(1.50mmol)、及びNMPを28.2g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−18)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−18)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−18)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−19を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は97,00、重量平均分子量は19,200であった。
【0187】
(比較例3)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、mTDAを2.00g(8.26mmol)、及びNMPを20.3加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを1.59g(8.09mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−19)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−19)の溶液15gを50mLの三角フラスコに移し、NMPを15.0g、BCを7.5g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−19)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−20を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は22,000、重量平均分子量は49,600であった。
【0188】
(比較例4)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.508g(4.16mmol)、2,4−DAAを0.634g(3.12mmol)、C14DABを1.00g(3.12mmol)、及びNMPを17.7g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.680g(3.12mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらにCBDAを1.59g(8.11mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−20)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−20)の溶液20.0gに、NMPを30.0g加えて希釈し、さらに無水酢酸3.01gとピリジン1.29gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール200mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール150mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−6)の黄褐色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は10,700、重量平均分子量は22,800であった。また、イミド化率は88%であった。
  ポリイミド(SPI−6)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−6)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−21を得た。
【0189】
(比較例5)
  100mLの四口フラスコにジアミン成分として、3−ABAを0.386g(3.16mmol)、2,4−DAAを0.482g(2.37mmol)、CAB−2を1.00g(2.37mmol)、及びNMPを14.4g加え、約10℃に冷却した。次いでPMDAを0.517g(2.37mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下で1時間時間反応させた。さらにCBDAを1.21g(6.16mmol)加え、室温で、窒素雰囲気下で16時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−21)の濃度が20質量%の溶液を得た。
  ポリアミック酸(PAA−21)の溶液15.0gに、NMPを22.5g加えて希釈し、さらに無水酢酸2.10gとピリジン0.90gを加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液を室温程度まで冷却後、約10℃に冷やしたメタノール150mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール100mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−7)の黄橙色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は9,900、重量平均分子量は28,800であった。また、イミド化率は91%であった。
  ポリイミド(SPI−7)2.00gに、γ−BL18.0gを加え、50℃で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ−BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(SPI−7)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−22を得た。
【0190】
(比較例6)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、m−PDAを1.00g(9.28mol)、PCH−7ABを0.883g(2.32mmol)、及びNMPを23.3g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.23g(11.4mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−22)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−22)の溶液20gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを20.0g、BCを10.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−22)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−23を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は16,300、重量平均分子量は40,200であった。
【0191】
(比較例7)
  100mLの四口フラスコにCBDEを2.98g(11.4mmol)、ジアミン成分として、p−PDAを1.02g(9.44mmol)、CAB−2を1.00g(2.36mmol)、NMPを36.6g、及びトリエチルアミンを0.60g(5.90mmol)加え、約10℃に冷却した。次いでDMT−MMを9.80g(35.4mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸エステル(PAE−2)の濃度が12質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAE−2)の溶液にNMPを41.7g加え、約10℃に冷やしたメタノール500mL中に攪拌しながらゆっくり注ぎ、固体を析出させた。析出した固体を回収し、さらに、メタノール300mLで計2回分散洗浄し、100℃で減圧乾燥して、ポリアミック酸エステル(PAE−2)の薄桃色粉末を得た。このポリアミック酸エステルの数平均分子量は13,200、重量平均分子量は35,700であった。
  ポリアミック酸エステル(PAE−2)2.00gに、γ―BLを18.0g加え、室温で20時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。さらに、この溶液にγ―BL8.0g、BC6.0g、及びDPM6.0gを加え、50℃で20時間攪拌し、ポリイミド(PAE−2)が5質量%、γ−BLが65質量%、BCが15質量%、DPMが15質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−24を得た。
【0192】
【表2】
【0193】
【表3】
【0194】
【表4】
【0195】
  実施例10〜18と比較例1、2とを対比した場合、実施例10〜18ては、ラビング耐性が向上し、VHRが高く、バックライトエージング耐性に優れることがわかる。
  実施例17と比較例3とを対比した場合、比較例3(環化反応の起こらない構造)では、実施例17に比べて、プレチルト角は小さいく、ラビング耐性、及びVHRのエージング耐性の向上においても優れていることがわかる。
  実施例19、20及び比較例6を対比した場合、。実施例19、20では、プレチルト発現が確認され、液晶配向処理剤が光配向法で有用であることがわかる。
  実施例21〜25、及び比較例4、5とを対比した場合、比較例4、5では、液晶配向処理剤を基板上に印刷した際、ピンホールや斜方ムラなどが確認されたが、実施例21〜25では、印刷性に優れそのような欠陥は確認されず、また、プレチルト発現も確認され、VHRのバックライトエージング耐性の向上の効果も確認できた。。
  実施例26と比較例7とを対比した場合、実施例26では、印刷性が良好であり、ラビング耐性、及びVHRのバックライトエージング耐性が向上する結果が得られた。
【0196】
<実施例27>
4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジアミノベンズアミドの合成(HC−11)の合成
【化106】
【0197】
第1工程
4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)  ニトロベンゼンの合成
【化107】
  100mLの枝つきナスフラスコに、トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボン酸5.16g(20.0mmol)を測り取り、THF50mLを加えて溶解させ、氷浴中にて塩化チオニル3.33g(28.0mmol)の50質量%THF溶液をゆっくり滴下した。その後、室温に戻して、2時間反応させ、4−アミルシクロヘキサンカルボン酸クロリドを生成させた。
【0198】
  一方で200mLの四口フラスコに3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−アミノニトロベンゼンを5.07g(20.0mmol)測り取り、THF50.0mLとトリエチルアミン4.05g(40.0mmol)を加え、氷浴にて10℃以下にし、窒素雰囲気下にて、先に調製した4−アミルシクロヘキサンカルボン酸クロリドを滴下した。その後、室温に戻し、窒素雰囲気下で24時間反応させた。
  反応終了後、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸水、純水、及び飽和食塩水で順次洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(6:4)を用いて再結晶を行い、黄白色固体5.31gを得た(収率61%)。
【0199】
第2工程
4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)  アニリンの合成
【化108】
  100mLの四口フラスコに、4−(トランス−4−アミルシクロヘキシルカルボキシルアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)  ニトロベンゼンを4.28g(9.88mmol)、テトラヒドロフランを50mL、純水を50mL、及び塩化スズを9.48g(50.0mmol)加え、窒素雰囲気下で24時間還流させた。反応終了後、酢酸エチルを100mL加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出物を濾過により除去した。その後、濾液の有機層を分離し、純水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。無水硫酸ナトリウムを濾過により除去し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去して、黄色の固体3.95gを得た(収率99%)。
【0200】
第3工程
4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシルアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジニトロベンズアミドの合成
【化109】
  200mLの四口フラスコに、4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシルアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アニリンを4.79g(11.9mmol)、テトラヒドロフランを80mL、及びピリジンを1.10g(13.9mmol)加え、窒素雰囲気下、氷浴中10℃以下で、さらに3,5−ジニトロ安息香酸クロリド3.22g(14.0mmol)の10質量%THF溶液をゆっくり滴下し、室温に戻してから24時間反応させた。系内を冷却して0℃にし、さらに3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを5.8g(14.0mmol)加えて、室温で攪拌した。反応終了後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸ナトリウム水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体5.26gを得た(収率74%)。
【0201】
第4工程
HC−11の合成
【化110】
  300mLの四口フラスコに、4−(トランス−4−アミルシクロヘキサンカルボキシルアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジニトロベンズアミドを5.00g(8.37mmol)、テトラヒドロフランを30mL、エタノールを30mL、及び5%パラジウムカーボンを0.50g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、その後n−ヘキサンで分散洗浄して、灰色の固体4.20gを得た(収率93%)。
  得られた固体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−10であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ9.94(s,1H),9.22(s,1H),8.34(s,1H),8.34−7.93(d,1H),7.48―7.7.46(dd,1H),7.32−7.30(d,1H),7.28(d,2H),5.99−5.97  (t,1H),4.93  (s−br,4H),2.29  (m,1H),1.88−1.81(m,4H),1.47(s,9H)1.47−1.40(m、2H),1.31−1.16(m,9H),0.94−0.91(m、2H)0.89−0.85(t,3H)
【0202】
<実施例28>
4−[4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジアミノベンズアミドの合成(HC−12)の合成
【化111】
【0203】
第1工程
4−[(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ  ニトロベンゼンの合成
【化112】
  100mLの枝つきナスフラスコに、4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸5.07g(22.0mmol)を測り取り、THF50mL、及びDMFを1mL加え、氷浴中にて塩化チオニル3.33g(28.0mmol)をゆっくり滴下し、室温に戻して、2時間反応させ、4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸クロリドを生成させた。
【0204】
  一方で200mLの四口フラスコに3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−アミノニトロベンゼンを5.07g(20.0mmol)測り取り、THF50.0mLとトリエチルアミン2.43g(24.0mmol)を加え、氷浴にて10℃以下にし、窒素雰囲気下にて、先に調製した4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸クロリドを滴下し、室温に戻し、窒素雰囲気下で24時間反応させた。
  反応終了後、酢酸エチルを加え、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸水、純水、及び飽和食塩水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過により硫酸マグネシウムを除き、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(3:7)を用いて再結晶を行い、黄白色固体6.03gを得た(収率60%)。
【0205】
第2工程
4−[(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アニリンの合成
【化113】
  200mLの四口フラスコに、4−[(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ニトロベンゼンを6.03g(11.8mmol)、テトラヒドロフランを50mL、及び5%パラジウムカーボンを0.60g加え、水素雰囲気下で、室温で24時間攪拌した。反応終了後、パラジウムカーボンを濾過にて除去し、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、白色の固体5.94gを得た(収率99%)。
【0206】
第3工程
4−[(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジニトロベンズアミドの合成
【化114】
  200mLの四口フラスコに、4−[(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾイルアミド]−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ) アニリンを5.94g(12.4mmol)、テトラヒドロフランを80mL、及びピリジンを1.10g(13.9mmol)加え、窒素雰囲気下、氷浴中10℃以下で、3,5−ジニトロ安息香酸クロリド3.22g(14.0mmol)の10質量%THF溶液をゆっくり滴下した。その後、室温に戻し、24時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、メタノールで残渣を洗浄した後、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、薄黄色固体7.82gを得た(収率94%)。
【0207】
第4工程
HC−11の合成
【化115】
  300mLの四口フラスコ中、4−[(トランス−4−アミルシクロヘキシル)ベンズアミド)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル  3,5−ジニトロベンズアミド6.00g(8.9mmol)をテトラヒドロフラン60mLに溶解させ、5%パラジウムカーボンを0.60g加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。反応終了後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を酢酸エチルとn−ヘキサンの混合溶媒(1:9)を用いて再結晶を行い、次いでn−ヘキサンで分散洗浄して、灰色の固体5.45gを得た(収率99%)。
  得られた固体の
1H−NMRの結果を以下に示す。この結果から、目的物のHC−10であることを確認した。
1H  NMR  (400  MHz,[D
6]−DMSO):δ10.00(s,1H),9.71(s,1H),8.59(s,1H),8.02−8.01(d,1H),7.89―7.87(d,2H),7.54−7.51(dd,1H),7.41−7.37(dd,3H),6.31−6.30  (d,2H),6.00−5.99(t,1H),  4.94  (s−br,4H),2.60−2.51(t,1H),1.85−1.81(m,4H),1.51−1.45(t,2H)1.45(s、9H),1.32−1.2(m、10H)1.10−1.00(m,2H)0.89−0.86(t,3H)
【0208】
(実施例29)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−11を0.81g(1.5mmol)、及びNMPを28.6g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−23)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−23)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−23)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−25を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は10,100、重量平均分子量は22,500であった。
【0209】
(実施例30)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.46g(13.5mol)、HC−12を0.94g(1.5mmol)、及びNMPを29.4g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.79g(14.3mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−24)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−24)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−24)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−26を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は13,700、重量平均分子量は28,200であった。
【0210】
(実施例31)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.06g(10.5mol)、HC−11を2.48g(4.5mmol)、及びNMPを36.4g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.88g(14.7mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−25)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−25)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−25)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−27を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は17,200、重量平均分子量は38,900であった。
【0211】
(実施例32)
  50mLの四口フラスコにジアミン成分として、p−PDAを1.06g(10.5mol)、HC−12を2.82g(4.5mmol)、及びNMPを38.3g加え、約10℃に冷却した。次いでCBDAを2.88g(14.7mmol)加え、室温に戻し、窒素雰囲気下24時間反応させ、ポリアミック酸(PAA−26)の濃度が15質量%の溶液を得た。
  このポリアミック酸(PAA−26)の溶液30gを100mLの三角フラスコに移し、NMPを30.0g、BCを15.0g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−26)が6質量%、NMPが74質量%、BCが20質量%の溶液とし、液晶配向処理剤−28を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は19,600、重量平均分子量は42,200であった。
【0212】
  実施例29〜32の液晶配向処理剤について上記と同様にして評価を行った。その結果を表5〜表8に示す。
【表5】
【0213】
【表6】
【0214】
<側鎖ジアミン溶解性試験>
  モノマーの溶解性を比較する試験として、側鎖ジアミン0.5gに対しNMPを2.0g加え、20℃で1時間攪拌し、20wt%の溶液を調製し、溶解可否を調べた。試験の評価基準は以下の通りである
      すべて溶解:○
      溶け残りがある:×
【0215】
【表7】
【0216】
【表8】