(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一成分として、式(I)
【化1】
で表される化合物を5質量%〜25質量%含有し、
第二成分として、誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きい化合物を1種又は2種以上含有し、その構造が一般式(Ia)、一般式(Ib)及び一般式(Ic)
【化2】
(式中、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15及びR
16はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下であり、
M
11、M
12、M
13、M
14、M
15、M
16、M
17、M
18及びM
19はお互い独立して、
(a)トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)及び、
(c)1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良いが、M
12、M
13、M
15、M
16、M
18及びM
19が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
L
11、L
12、L
13、L
14、L
15、L
16、L
17、L
18及びL
19はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−又は−C≡C−を表すが、L
11、L
13、L
14、L
16、L
17及びL
19が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、存在するL
11、L
12及びL
13のうち少なくとも一つは単結合を表さず、存在するL
14、L
15及びL
16のうち少なくとも一つは単結合を表さず、存在するL
17、L
18及びL
19のうち少なくとも一つは単結合を表さず、
X
11、X
12はお互い独立してトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表し、X
13、X
14、X
15、X
16、X
17、及びX
18はお互い独立して水素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表すが、X
11及びX
12の何れか一つはフッ素原子を表し、X
13、X
14、及びX
15の何れか一つはフッ素原子を表し、X
16、X
17、及びX
18の何れか一つはフッ素原子を表すが、X
16及びX
17は同時にフッ素原子を表すことはなく、X
16及びX
18は同時にフッ素原子を表すことはなく、Gはメチレン基又は−O−を表す。)で表される化合物であって、一般式(Ia)として、式(Ia−2)、式(Ia−5)
【化3】
(式中、R
aおよびR
bは各々独立的に炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、アルケニルオキシ基を表し、該アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り1ヶ所以上酸素に置換されていてもよく、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基中の水素原子は1ヶ所以上フッ素で置換されていても良い。)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、
第二成分として、一般式(Id)
【化4】
(式中、R
17及びR
18はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
s及びtはお互い独立して、0から2を表すが、s+tは2以下であり、環A及び環Bはお互い独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、一般式(Id)として、一般式(Id−3)〜一般式(Id−6)、一般式(Np−1)及び(Np−2)
【化5】
(式中、R
17及びR
18はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。)
【化6】
(式中、R
Np1及びR
Np2はそれぞれ独立的に炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基を表し、基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立的に−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立的にフッ素原子に置換されても良く、
X
Np1、X
Np2、X
Np3、X
Np4及びX
Np5はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表す。)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、
第三成分として、
一般式(II−2)
【化7】
(式中、R21は以下の式(R−1)から式(R−2)
【化8】
の何れかを表し、S21は、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は単結合を表し、該アルキル基中のメチレン基は酸素原子同士が直接結合しないものとして酸素原子、−COO−、−OCO−、又は−OCOO−に置き換えられても良く、S21およびR21が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよく、L21及びL22はお互い独立して、単結合、−C2H4−、―COO−、−OCO−、―CH=CH−COO−、−COO―CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、―COOC2H4−、―OCOC2H4−、―C2H4OCO−、―C2H4COO−、−OCOCH2−、―CH2COO−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、L22が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよく、M21は、1,4−フェニレン基を表し、M21は、お互い独立して無置換であるか又はこれらの基中に含まれる水素原子がフッ素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基、又は
【化9】
に置換されていても良く、M21が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよく、m21は0、1又は2を表す。)で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有し、
第四成分として、一般式(IV)
【化10】
(式中、R
41及びR
42はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
oは0、1又は2を表し、
M
41、M
42及びM
43はお互い独立して
(d)トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、及び
(f)1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、M
43が複数存在する場合には同一であっても異なっていても良く、L
41及びL
42はお互い独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−を表すが、L
42が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)で表される一種又は二種以上の化合物(ただし、式(I)で表される化合物は含まない。)を含有し、一般式(IV)として、一般式(IV−1)
【化11】
(式中、R
cおよびR
dは各々独立的に炭素原子数1〜7のアルキル基を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
第二成分として、一般式(Ia)及び一般式(Id)で表される化合物群から選ばれる化合物を一種又は二種以上含有し、かつ、その含有量の合計が第二成分中の90〜100質量%である請求項1記載の液晶組成物。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、家庭用各種電気機器、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型、IPS(インプレーンスイッチング)型、OCB(光学補償複屈折)型、ECB(電圧制御複屈折)型、VA(垂直配向)型、CSH(カラースーパーホメオトロピック)型、あるいはFLC(強誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式としてもスタティック駆動、マルチプレックス駆動、単純マトリックス方式、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等により駆動されるアクティブマトリックス(AM)方式を挙げることができる。
【0003】
これらの表示方式において、IPS型、ECB型、VA型、あるいはCSH型等は、Δεが負の値を示す液晶材料を用いるという特徴を有する。これらの中で特にAM駆動によるVA型表示方式は、高速で広視野角の要求される表示素子、例えばテレビ等の用途に使用されている。
【0004】
VA型等の表示方式に用いられるネマチック液晶組成物には、低電圧駆動、高速応答及び広い動作温度範囲が要求される。すなわち、Δεが負で絶対値が大きく、低粘度であり、高いネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が要求されている。また、屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積であるΔn×dの設定から、液晶材料のΔnをセルギャップに合わせて適当な範囲に調節する必要がある。加えて液晶表示素子をテレビ等へ応用する場合においては高速応答性が重視されるため、粘度(η)の低い液晶材料が要求される。
【0005】
これまでは、Δεが負でその絶対値の大きな化合物を種々検討することにより液晶組成物の特性が改良されてきた。
【0006】
Δεが負の液晶材料として、以下のような2,3−ジフルオロフェニレン骨格を有する液晶化合物(A)及び(B)(特許文献1参照)を用いた液晶組成物が開示されている。
【0007】
【化1】
【0008】
この液晶組成物は、Δεがほぼ0である化合物として液晶化合物(C)及び(D)を用いているが、この液晶組成物は、液晶テレビ等の高速応答が要求される液晶組成物においては十分に低い粘性を実現するに至っていない。
【0009】
【化2】
【0010】
また、式(E)で表される化合物を30%以上用いることで応答速度を改善する液晶組成物組成物も開示されている。(特許文献2参照)
【0011】
【化3】
【0012】
一方で、VA型の表示モードのひとつとして、PSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶表示素子が知られている。この表示素子は、液晶分子のプレチルト角を制御するためにセル内にポリマー構造物を形成した構造を有するものであり、高速応答性や高いコントラストから液晶表示素子として開発が進められてきた。
【0013】
PSA型液晶表示素子の製造は、重合性化合物及び液晶化合物からなる重合性化合物含有液晶組成物を基板間に注入し、電圧を印加し液晶分子を配向させた状態で重合性化合物を重合させて液晶分子の配向を固定することにより行われる。
【0014】
PSA型液晶表示素子の製造は、重合性化合物及び液晶化合物からなる重合性化合物含有液晶組成物を基板間に注入し、電圧を印加し液晶分子を配向させた状態で重合性化合物を重合させて液晶分子の配向を固定することにより行われる。
【0015】
PSA型液晶表示素子の課題として、焼き付き等による表示不良の発生が挙げられる。この焼き付きの原因としては、不純物によるもの及び液晶分子の配向の経時変化(プレチルト角の経時変化)が知られている。プレチルト角の変化の原因として、重合性化合物の硬化物であるポリマーが柔軟であると、液晶表示素子を構成した場合において同一パターンを長時間表示し続けたときにポリマーの構造が変化し、その結果としてプレチルト角が変化してしまうことがある。このような問題を解決するため、1,4−フェニレン基等の構造を有する重合性化合物を用いてPSA型表示素子(特許文献3参照)や、ビアリール構造を有する重合性化合物を用いてPSA型表示素子(特許文献4参照)が検討されている。また、PSA型表示素子に使用する組成物が開示されている。(特許文献5参照)
このように、有用な表示性能(コントラスト、応答速度)を有するPSA型表示素子における液晶分子の配向に伴う表示不良問題を重合性化合物の最適化によって解決が試みられている一方で、PSA型表示素子を構成している液晶組成物の構成成分によって、PSA型表示素子への使用に適さないものがあった。特に、低粘性化に有効なアルケニル基を有する液晶材料を含有する液晶組成物はVA型の表示素子の応答速度の低減に有効であるが、PSA型表示素子の作製プロセスである重合性化合物の重合後に、液晶分子のプレチルト角付与を阻害するという配向制御に関する新たな問題があった。液晶分子に適度なプレチルトが付与されない場合、駆動時における液晶分子の動く方向が規定できず、液晶分子が一定方向に倒れずにコントラストが低下したり、応答速度が遅くなるなどの問題が発生する。
また、特許文献6において、(式1)で示される指数が大きい液晶材料を使用することでホメオトロピック液晶セルの応答速度を向上させることが開示されているが、十分とは言えるものではなかった。
【0016】
【数1】
【0017】
このように、VA型等の垂直配向型表示素子において求められる高コントラスト、高速応答、高電圧保持率等の性能に加えて、PSA型表示素子において求められる適切なプレチルト角の生成、プレチルト角の継時的な安定性等の要求事項を両立することが必要となっていた。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の液晶組成物は、第一成分として、一般式(I−1)で表される化合物を5から25質量%含有するが、7から23質量%であることが更に好ましく、10から22質量%であることが特に好ましい。
【0028】
本発明の液晶組成物は、第二成分として、誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きな化合物を含有する。具体的には、一般式(Ia)、一般式(Ib)及び一般式(Ic)
【0031】
式中、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15及びR
16はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良いが、R
11、R
12及びR
13は炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基がより好ましく、炭素原子数1から3のアルキル基又は炭素原子数3のアルケニル基が更に好ましく、R
14、R
15及びR
16は炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基又はアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から2のアルキル基又は炭素原子数1から2のアルコキシ基がより好ましい。u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下である。
【0032】
M
11、M
12、M
13、M
14、M
15、M
16、M
17、M
18及びM
19はお互い独立して、
(a)トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)及び、
(c)1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる水素原子はそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されていても良く、M
12、M
13、M
15、M
16、M
18及びM
19が複数存在する場合に、それらは同一でも良く異なっていても良いが、それぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
【0033】
L
11、L
12、L
13、L
14、L
15、L
16、L
17、L
18及びL
19はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−又は−C≡C−を表し、L
11、L
13、L
14、L
16、L
17及びL
19が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、存在するL
11、L
12及びL
13のうち少なくとも一つは単結合を表さず、存在するL
14、L
15及びL
16のうち少なくとも一つは単結合を表さず、存在するL
17、L
18及びL
19のうち少なくとも一つは単結合を表さないが、L
12、L
15及びL
18はお互い独立して−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CH
2O−又は−CF
2O−が好ましく、−CH
2CH
2−、−又は−CH
2O−が更に好ましい。存在するL
11、L
13、L
14、L
16、L
17及びL
19はお互い独立して単結合、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合が更に好ましい。
【0034】
X
11及びX
12はお互い独立してトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表すが、フッ素原子が好ましい。X
13、X
14及びX
15はお互い独立して水素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表し、何れか一つはフッ素原子を表すが、すべてフッ素原子であることが好ましい。X
16、X
17、及びX
18はお互い独立して水素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表し、 X
16、X
17、及びX
18の何れか一つはフッ素原子を表し、X
16及びX
17は同時にフッ素原子を表すことはなく、X
16及びX
18は同時にフッ素原子を表すことはないが、X
16は水素原子であることが好ましく、X
17及びX
18はフッ素原子であることが好ましい。
【0035】
Gはメチレン基又は−O−を表すが、−O−であることが好ましい。
【0036】
主な第二成分として挙げられる一般式(Ia)、一般式(Ib)及び一般式(Ic)で表される化合物の内、一般式(Ia)で表される化合物が特に好ましい。
【0039】
(式中、R
aおよびR
bは各々独立的に炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、アルケニルオキシ基を表し、該アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り1ヶ所以上酸素に置換されていてもよく、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基中の水素原子は1ヶ所以上フッ素で置換されていても良いが、R
aは炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
bは炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシが好ましい。)から選ばれる化合物であることが好ましく、一般式(Ia−1)、一般式(Ia−2)、一般式(Ia−4)又は一般式(Ia−5)の化合物であることが更に好ましく、一般式(Ia−2)又は一般式(Ia−5)の化合物であることが特に好ましい。
Ra及び/又はRbがアルケニル基を表す場合アルケニル基としては次に記載する式(Alkenyl−1)〜式(Alkenyl−4)
【0041】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される置換基であることも好ましい。さらに(Alkenyl−2)及び/又は(Alkenyl−4)であることも好ましい。
【0042】
本発明の液晶組成物中の一般式(Ia)で表される化合物の含有量は10から50質量%であることが好ましく、15から40質量%であることが更に好ましく、20から35質量%であることが更に好ましい。
【0043】
その他の第二成分として、一般式(Id)
【0045】
で表される化合物を含有することも好ましい。
式中、R
17及びR
18はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良いが、R
17は炭素原子数1から5のアルキル基、アルコキシ基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基が更に好ましい。R
18は炭素原子数1から5のアルキル基、アルコキシ基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましい。s及びtはお互い独立して、0から2を表すが、s+tは2以下であるが、sが0の時はtは0又は1が好ましく、sが1の時はtは0が好ましい。環A及び環Bはお互い独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すが、環Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基がより好ましい。環Bはトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましい。
【0046】
一般式(Id)で表される化合物の具体例として、一般式(Id−1)〜一般式(Id−8)で表される化合物が挙げられる。
【0048】
本発明の液晶組成物中の一般式(Id)で表される化合物の含有量は10から40質量%であることが好ましく、15から35質量%であることが更に好ましく、15から30質量%であることが更に好ましい。
【0049】
R
17及び/又はR
18がアルケニル基を表す場合アルケニル基としては次に記載する式(Alkenyl−1)〜式(Alkenyl−4)
【0051】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される置換基であることも好ましい。さらに(Alkenyl−2)及び/又は(Alkenyl−4)であることも好ましい。
【0052】
一般式(Id)の化合物として、一般式(Np−1)及び(Np−2)
【0054】
(式中、R
Np1及びR
Np2はそれぞれ独立的に炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基を表し、基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立的に−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立的にフッ素原子に置換されても良く、
X
Np1、X
Np2、X
Np3、X
Np4及びX
Np5はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表す。)で表される化合物も好ましい。PSAモード又はPSVAモード等の液晶表示素子を作製する際に用いられる重合性化合物を含有させた液晶組成物に対し、一般式(Np−1)及び(Np−2)の化合物を含有させることにより含有する重合性化合物の重合速度を十分に速くさせ、重合後の重合性化合物の残留量が無いか、十分に抑制させる効果がある。そのため、例えば、重合性化合物を重合させるためのUV照射ランプの仕様に適合させるための重合反応速度の調整剤として用いることもできる。
【0055】
本発明の液晶組成物の第二成分は誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きい化合物であるが、主に一般式(Ia)及び一般式(Id)で表される化合物で構成されることが好ましい。第二成分中の一般式(Ia)及び一般式(Id)で表される化合物の含有量の合計が、90〜100質量%が好ましく、92〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%が更に好ましい。
【0056】
本発明の液晶組成物は、第三成分として、重合性化合物を含有する。具体的には、一般式(II)
【0059】
式中、Z
21およびZ
22は各々独立して
【0061】
を表し、X
21〜X
25は水素、フッ素または
【0063】
であり、Z
21およびZ
22中のX
21〜X
25の内の少なくとも1つは、
【0065】
であるが、Z
21およびZ
22中のX
23は、
【0068】
S
21は、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は単結合を表し、該アルキル基中のメチレン基は酸素原子同士が直接結合しないものとして酸素原子、−COO−、−OCO−、又は−OCOO−に置き換えられても良い。
【0069】
R
21は以下の式(R−1)から式(R−15)
【0071】
の何れかを表すが、式(R−1)又は式(R−2)を表すことが好ましい。
【0072】
L
21及びL
22はお互い独立して、単結合、−O−、−CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、―COO−、−OCO−、―CH=CH−COO−、−COO―CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、―COOC
2H
4−、―OCOC
2H
4−、―C
2H
4OCO−、―C
2H
4COO−、−OCOCH
2−、―CH
2COO−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−CF
2−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−又は−C≡C−を表し、L
22が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよいが、単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−C
2H
4−、―COO−、−OCO−、―CH=CH−COO−、−COO―CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、―COOC
2H
4−、―OCOC
2H
4−、―C
2H
4OCO−、―C
2H
4COO−、−CF
2O−、−OCF
2−、又は−C≡C−が好ましく、単結合、−C
2H
4−、―COO−、−OCO−、―CH=CH−COO−、−COO―CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、―COOC
2H
4−、―OCOC
2H
4−又は―C
2H
4COO−がより好ましい。
【0073】
M
21は、お互い独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基を表し、M
21は、お互い独立して無置換であるか又はこれらの基中に含まれる水素原子がフッ素原子、塩素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、又は
【0075】
に置換されていても良く、M
21が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよいが、好ましくは、1,4−フェニレン基であって、無置換であるか又はこれらの基中に含まれる水素原子がフッ素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基に置換されているものがよい。その場合、M
21が複数存在する場合はそれらは同一でも異なっていてもよい。
【0076】
m
21は0、1又は2を表すが、0又は1が好ましい。
【0077】
更に詳述すると、重合性化合物である一般式(II)で表される化合物として、具体的に以下の一般式(II−1)で表される化合物が挙げられる。
【0079】
(式中、R
21及びS
21は、一般式(II)中のR
21及びS
21と同じ意味を表し、X
211〜X
218は水素、フッ素又は、
【0081】
を表す。)
一般式(II)で表される化合物において、上記のビフェニル骨格の構造は、式(IV−11)から式(IV−14)であることが好ましく、式(IV−11)であることが好ましい。
【0083】
式(IV−11)から式(IV−14)で表される骨格を含む重合性化合物は重合後の配向規制力が最適であり、良好な配向状態が得られる。
【0084】
また、一般式(II)で表される化合物として、一般式(II−2)で表される化合物も挙げられる。
【0086】
(式中、R
21、S
21、L
21、L
22、M
21及びm
21は、一般式(II)中のR
21、S
21、L
21、L
22、M
21及びm
21と同じ意味を表し、X
21〜X
25は水素、フッ素又は、
【0088】
を表す。)
重合性化合物である一般式(II)で表される化合物として、具体的に以下の構造式(M1−1)〜(M1−13)、(M2−1)〜(M2−8)、(M3−1)〜(M3−6)および(M4−1)〜(M4−7)で表される化合物が好ましい。
【0094】
更に(M1−1)〜(M1−8)(M1−10)〜(M1−13)、(M2−2)〜(M2−5)、(M3−1)、(M3−4)、(M3−5)、(M4−1)、(M4−2)、(M4−4)、(M4−6)、(M4−7)、(M301)〜(M304)および(M309)〜(M316)で表される化合物が好ましく、
特に(M1−1)、(M1−3)、(M1−6)〜(M1−8)、(M1−11)、(M1−12)、(M2−2)、(M2−4)、(M3−1)、(M3−5)、(M4−2)、(M4−6)、(M4−7)、(M301)〜(M304)および(M309)〜(M312)で表される化合物が好ましい。
【0095】
第三成分として、一般式(II)で表される化合物1種又は2種以上を含有するが、1種〜5種含有することが好ましく、1種〜3種含有することがより好ましい。一般式(II)で表される化合物の含有率が少ない場合、液晶組成物に対する配向規制力が弱くなる。逆に、一般式(II)で表される化合物の含有率が多すぎる場合、重合時の必要エネルギーが上昇し、重合せず残存してしまう重合性化合物の量が増加し、表示不良の原因となるため、その含有量は0.01〜2.00質量%であることが好ましく、0.05〜1.00質量%であることがより好ましく、0.10〜0.50質量%であることが特に好ましい。
【0096】
本発明の液晶組成物は、第四成分として誘電率異方性(Δε)がほぼゼロの化合物、具体的には、Δεが−3より大きく3より小さい化合物を含有する。具体的には、一般式(IV)
【0098】
で表される化合物を含有することが好ましい。(ただし、式(I)で表される化合物は含まない。)
式中、R
41及びR
42はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良いが、炭素原子数1から5のアルキル基、アルコキシ基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が好ましい。
【0099】
oは0、1又は2を表すが、0又は1が好ましい。
【0100】
M
41、M
42及びM
43はお互い独立して
(d)トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、及び
(f)1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、M
43が複数存在する場合には同一であっても異なっていても良いが、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基又は3-フルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基がより好ましい。
【0101】
L
41及びL
42はお互い独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−を表し、L
42が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良いが、単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−又は−CH=CH−が好ましく、単結合又は−CH
2CH
2−がより好ましく、単結合が特に好ましい。
【0102】
本発明の液晶組成物中の一般式(IV)で表される化合物の含有量は10から70質量%であることが好ましく、20から60質量%であることが更に好ましく、25から50質量%であることが更に好ましい。
【0103】
好ましい一般式(IV)で表される化合物として、一般式(IV−1)〜一般式(IV−6)
【0105】
(式中、R
cおよびR
dは各々独立的に炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、アルケニルオキシを表し、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り1ヶ所以上酸素に置換されていてもよく、基中の水素原子は1ヶ所以上フッ素で置換されていてもよい。ただし、式(IV−1)には式(I)で表される化合物は含まない。)で表される化合物が挙げられる。
【0106】
本発明の液晶組成物の第四成分は誘電率異方性(Δε)がほぼゼロの化合物であるが、粘度、回転粘度、比抵抗、電圧保持率を良好なものにするために、主に一般式(IV−1)から一般式(IV−6)で表される化合物で構成されることが好ましい。第四成分中の一般式(IV−1)から一般式(IV−6)で表される化合物の含有量の合計が、90〜100質量%が好ましく、92〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%が更に好ましい。
【0107】
R
c及び/又はR
dがアルケニル基を表す場合アルケニル基としては次に記載する式(Alkenyl−1)〜式(Alkenyl−4)
【0109】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される置換基であることも好ましい。さらに(Alkenyl−2)及び/又は(Alkenyl−4)であることも好ましい。
【0110】
その他の第四成分として、一般式(VIII−a)、一般式(VIII−c)又は一般式(VIII−d)で表される化合物を1種又は2種以上含有することもできる。
【0112】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0114】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシを表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
51およびX
52の少なくとも一つはフッ素原子であり、両方がフッ素原子はない。)
【0116】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
51およびX
52の少なくとも一つはフッ素原子であり、両方がフッ素原子はない。)
本発明の液晶組成物は、25℃における誘電率異方性(Δε)が−2.0から−8.0であるが、−2.0から−6.0が好ましく、−2.0から−5.0がより好ましく、−2.5から−4.0が特に好ましい。
【0117】
本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
【0118】
本発明の液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sであるが、10から25mPa・sであることがより好ましく、10から22mPa・sであることが特に好ましい。
【0119】
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘度(γ
1)が60から130mPa・sであるが、60から110mPa・sであることがより好ましく、60から100mPa・sであることが特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘度(γ
1)と弾性定数(K
33)の比(γ
1/K
33)が3.5から9.0mPa・s・pN
−1であるが、3.5から8.0mPa・s・pN
−1であることがより好ましく、3.5から7.0mPa・s・pN
−1であることが特に好ましい。
【0120】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から100℃がより好ましく、70℃から85℃が特に好ましい。
【0121】
本発明の液晶組成物は、重合性化合物を含有しているので、重合開始剤が存在しない場合でも重合は進行するが、重合を促進するために重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。また、保存安定性を向上させるために、安定剤を添加しても良い。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(Q)で表される化合物を含有しても良い。
【0123】
式中、R
Qは、炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、基中の1つ又は非隣接の2つ以上のCH
2基は、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−によって置換されていても良い。
【0124】
M
Qは、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表す。
【0125】
一般式(Q)で表される化合物は、具体的には、下記の一般式(Q−a)から一般式(Q−e)で表される化合物が好ましい。
【0131】
式中、R
Q1は、炭素原子数1から10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましい。
【0132】
R
Q2は、炭素原子数1から20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましい。
【0133】
R
Q3は、炭素原子数1から8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましい。
【0134】
L
Qは炭素原子数1から8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。
【0135】
L
Q2は炭素原子数2から12の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。
【0136】
一般式(Q−a)から一般式(Q−e)で表される化合物中、一般式(Q−c)、一般式(Q−d)及び一般式(Q−e)で表される化合物が更に好ましい。
【0137】
本発明の液晶組成物は、一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種以上含有するが、1種から5種含有することが好ましく、1種から3種含有することが更に好ましく、1種含有することが特に好ましい。また、その含有量は0.001質量%から1質量%であることが好ましく、0.001質量%から0.1質量%が更に好ましく、0.001質量%から0.05質量%が特に好ましい。
【0138】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、液晶表示素子に有用であり、特にアクティブマトリクス駆動用液晶表示素子に有用であり、PSAモード、PSVAモード、VAモード、IPSモード又はECBモード用液晶表示素子に用いることができる。
【0139】
本発明の液晶組成物は、これに含まれる重合性化合物が紫外線照射により重合することで液晶配向能が付与され、液晶組成物の複屈折を利用して光の透過光量を制御する液晶表示素子に使用される。液晶表示素子として、AM−LCD(アクティブマトリックス液晶表示素子)、TN(ネマチック液晶表示素子)、STN−LCD(超ねじれネマチック液晶表示素子)、OCB−LCD及びIPS−LCD(インプレーンスイッチング液晶表示素子)に有用であるが、AM−LCDに特に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。
【0140】
液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0141】
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0142】
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0143】
2枚の基板間に重合性化合物含有液晶組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。
【0144】
重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、本発明の液晶組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数60Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御すること。MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を約80度から約88度に制御することが必要であるが、本発明の液晶組成物を使用することにより、所望のプレチルト角に制御することができる。
【0145】
照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15〜35℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm
2〜100W/cm
2が好ましく、2mW/cm
2〜50W/cm
2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm
2から500J/cm
2が好ましく、100mJ/cm
2から200J/cm
2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
【実施例】
【0146】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
-n -C
nH
2n+1 炭素数nの直鎖状のアルキル基
n- C
nH
2n+1- 炭素数nの直鎖状のアルキル基
-On -OC
nH
2n+1 炭素数nの直鎖状のアルコキシル基
nO- C
nH
2n+1O- 炭素数nの直鎖状のアルコキシル基
-V -CH=CH
2
V- CH
2=CH-
-V1 -CH=CH-CH
3
1V- CH
3-CH=CH-
-2V -CH
2-CH
2-CH=CH
3
V2- CH
3=CH-CH
2-CH
2-
-2V1 -CH
2-CH
2-CH=CH-CH
3
1V2- CH
3-CH=CH-CH
2-CH
2
(環構造)
【0147】
【化42】
【0148】
【化43】
【0149】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0150】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :20℃における回転粘度(mPa・s)
K
33 :20℃における弾性定数K
33(pN)
チルト角(初期):テストパネル注入後のチルト角(°)
チルト角(PSA化後):周波数1kHzで5.0Vの矩形波を印加しながら50JのUV照射した後のチルト角(°)
(比較例1、比較例2、実施例1及び実施例2)
LC−A(比較例1)、LC−B(比較例2)、LC−1(実施例1)及びLC−2(実施例2)の重合性化合物含有液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。重合性化合物含有液晶組成物の構成とその物性値の結果は表1のとおりであった。
【0151】
【表1】
【0152】
これらの重合性化合物含有液晶組成物をセルギャップ3.5μmでホメオトロピック配向を誘起するポリイミド配向膜を塗布しラビング処理を施したITO付きセルに真空注入法で注入し、周波数1kHzで5.0Vの矩形波を印加しながら、320nm以下の紫外線をカットするフィルターを介して高圧水銀灯により、セル表面の照射強度が100mW/cm
2となるように調整してUV照射し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物を重合させた垂直配向性液晶表示素子(PSAセル)を得た。更に、重合性化合物の液晶化合物に対する配向規制力をプレチルト角の測定により確認した。なお、プレチルト角の測定に関して、測定温度は25℃であり、AUTRONIC−MELCHERS社のTBA105を用いた。
UVを50[J]照射したとき、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−1及びLC−2は、UV照射により2°前後の適度なプレチルト角が付与され、γ
1/K
33も十分に小さいものであった。このPSAセルは高いコントラストを示し、高速応答が可能であった。
一方で、比較例であるLC−Aはγ
1/K
33が9.1と大きかったため、LC−1及びLC−2の応答速度と比較して7%以上遅く、十分な高速応答を示さなかった。また、LC−Bは誘起プレチルト角が0.1°と小さく、プレチルト角が形成されていなかったため、LC−1及びLC−2の応答速度と比較して10%以上遅く十分な高速応答を示さなかったことに加え、駆動時にコントラストが低下していた。
従って、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−1及びLC−2中の重合性化合物は、比較例1であるLC−Aおよび比較例2であるLC−Bと比較して、十分に応答速度が速く、高品位なPSAセルを得ることができることを確認できた。
【0153】
以上のことから、本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、高速応答や高コントラストといった表示性能に影響を与えるプレチルト角の制御が可能であり、表示ムラや焼き付き等の表示不具合が起こらない、又は、極めて抑制されたものであることが確認された。
(実施例3〜実施例6)
組成系による傾向の違いを確認するため、LC−3(実施例3)、LC−4(実施例4)、LC−5(実施例5)及びLC−6(実施例6)の重合性化合物含有液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。重合性化合物含有液晶組成物の構成とその物性値の結果は表2のとおりであった。
【0154】
【表2】
【0155】
これらの重合性化合物含有液晶組成物をセルギャップ3.5μmでホメオトロピック配向を誘起するポリイミド配向膜を塗布しラビング処理を施したITO付きセルに真空注入法で注入し、周波数1kHzで5.0Vの矩形波を印加しながら、320nm以下の紫外線をカットするフィルターを介して高圧水銀灯により、セル表面の照射強度が100mW/cm
2となるように調整してUV照射し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物を重合させた垂直配向性液晶表示素子(PSAセル)を得た。更に、重合性化合物の液晶化合物に対する配向規制力をプレチルト角の測定により確認した。なお、プレチルト角の測定に関して、測定温度は25℃であり、AUTRONIC−MELCHERS社のTBA105を用いた。
UVを50[J]照射したとき、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−3、LC−4、LC−5及びLC−6は、UV照射により2°前後の適度なプレチルト角が付与され、γ
1/K
33も十分に小さいものであった。このPSAセルは高いコントラストを示し、高速応答が可能であった。
従って、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−3、LC−4、LC−5及びLC−6中の重合性化合物は、比較例1であるLC−Aおよび比較例2であるLC−Bと比較して、組成系によらず十分に応答速度が速く、高品位なPSAセルを得ることができることを確認できた。
【0156】
以上のことから、本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、高速応答や高コントラストといった表示性能に影響を与えるプレチルト角の制御が可能であり、表示ムラや焼き付き等の表示不具合が起こらない、又は、極めて抑制されたものであることが確認された。
(実施例7〜実施例12)
モノマー種による傾向の違いを確認するため、実施例2に使用したホスト液晶をLCXとし、各種モノマーを添加したLC−7(実施例7)、LC−8(実施例8)、LC−9(実施例9)、LC−10(実施例10)、LC−11(実施例11)及びLC−12(実施例12)の重合性化合物含有液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。重合性化合物含有液晶組成物の構成とその物性値の結果は表3のとおりであった。
【0157】
【表3】
【0158】
これらの重合性化合物含有液晶組成物をセルギャップ3.5μmでホメオトロピック配向を誘起するポリイミド配向膜を塗布しラビング処理を施したITO付きセルに真空注入法で注入し、周波数1kHzで5.0Vの矩形波を印加しながら、320nm以下の紫外線をカットするフィルターを介して高圧水銀灯により、セル表面の照射強度が100mW/cm
2となるように調整してUV照射し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物を重合させた垂直配向性液晶表示素子(PSAセル)を得た。更に、重合性化合物の液晶化合物に対する配向規制力をプレチルト角の測定により確認した。なお、プレチルト角の測定に関して、測定温度は25℃であり、AUTRONIC−MELCHERS社のTBA105を用いた。
UVを50[J]照射したとき、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−7、LC−8、LC−9、LC−10、LC−11及びLC−12は、UV照射により2°前後またはそれ以上の適度なプレチルト角が付与され、γ
1/K
33も十分に小さいものであった。このPSAセルは高いコントラストを示し、高速応答が可能であった。
従って、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−7、LC−8、LC−9、LC−10、LC−11及びLC−12中の重合性化合物は、比較例1であるLC−Aおよび比較例2であるLC−Bと比較して、モノマーによらず十分に応答速度が速く、高品位なPSAセルを得ることができることを確認できた。
【0159】
以上のことから、本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、高速応答や高コントラストといった表示性能に影響を与えるプレチルト角の制御が可能であり、表示ムラや焼き付き等の表示不具合が起こらない、又は、極めて抑制されたものであることが確認された。
(実施例13および実施例14)
更にLC−13(実施例13)及びLC−14(実施例14)の重合性化合物含有液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。重合性化合物含有液晶組成物の構成とその物性値の結果は表4のとおりであった。
【0160】
【表4】
【0161】
これらの重合性化合物含有液晶組成物をセルギャップ3.5μmでホメオトロピック配向を誘起するポリイミド配向膜を塗布しラビング処理を施したITO付きセルに真空注入法で注入し、周波数1kHzで5.0Vの矩形波を印加しながら、320nm以下の紫外線をカットするフィルターを介して高圧水銀灯により、セル表面の照射強度が100mW/cm
2となるように調整してUV照射し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物を重合させた垂直配向性液晶表示素子(PSAセル)を得た。更に、重合性化合物の液晶化合物に対する配向規制力をプレチルト角の測定により確認した。なお、プレチルト角の測定に関して、測定温度は25℃であり、AUTRONIC−MELCHERS社のTBA105を用いた。
UVを50[J]照射したとき、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−13及びLC−14は、UV照射により2°以上の適度なプレチルト角が付与され、γ
1/K
33も十分に小さいものであった。このPSAセルは高いコントラストを示し、高速応答が可能であった。
従って、本発明の重合性化合物含有液晶組成物であるLC−13及びLC−14中の重合性化合物は、比較例1であるLC−Aおよび比較例2であるLC−Bと比較して、モノマーによらず十分に応答速度が速く、高品位なPSAセルを得ることができることを確認できた。
【0162】
以上のことから、本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、高速応答や高コントラストといった表示性能に影響を与えるプレチルト角の制御が可能であり、表示ムラや焼き付き等の表示不具合が起こらない、又は、極めて抑制されたものであることが確認された。