【実施例】
【0077】
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、
図1、
図3、
図5、
図7及び
図9は、各実施例に係る光学系OS(OS1〜OS5)の構成及び無限遠から近距離物体への合焦状態の変化における各レンズ群の移動の様子を示す断面図である。
【0078】
[第1実施例]
図1は、第1実施例に係る光学系OS1の構成を示す図である。この光学系OS1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する前群G2F、開口絞りS、及び、後群G2Rから構成され、前群G2Fは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21で構成され、後群G2Rは、物体側から順に、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0079】
このように、この第1実施例に係る光学系OS1において、第1レンズ群G1は、物体側から順に2枚の正レンズ(正メニスカスレンズL11及び正メニスカスレンズL12)が配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も物体側に正レンズ(正メニスカスレンズL21)が配置され、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、この光学系OS1の全てのレンズ面は球面又は平面で構成されている。
【0080】
なお、この光学系OS1と像面Iとの間にはフィルター群FLが配置されている。
【0081】
このような構成の本第1実施例に係る光学系OS1は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0082】
以下の表1に、本第1実施例に係る光学系OS1の諸元の値を掲げる。この表1の全体諸元において、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、Yは像高、TLは全長、Bfはバックフォーカスを示している。なお、全長TLは、無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面(第1面)から像面Iまでの光軸上の距離を示し、バックフォーカスは、最も像側のレンズ面(第22面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。また、レンズデータにおいて、第1欄mは光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは各光学面の曲率半径を、第3欄dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄nd及び第5欄νdはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれ示している。なお、この表1に示す面番号1〜24は、
図1に示す番号1〜24に対応している。また、曲率半径0.0000はレンズ面においては平面を示し、開口絞りSにおいては開口を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、レンズ群焦点距離は、第1〜第3レンズ群G1〜G3の各々の始面の面番号と焦点距離を示している。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離、曲率半径、面間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
【0083】
(表1)
[全体諸元]
f =32.30
FNO= 1.23
ω =13.97
Y = 8.00
TL =61.93
Bf =14.10
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 58.9509 2.7624 1.81600 46.63
2 296.6226 0.1000
3 30.8042 2.7169 1.83481 42.72
4 68.4943 0.1000
5 20.8894 2.8130 1.83400 37.17
6 21.5342 2.5000
7 56.1565 1.7000 1.78472 25.68
8 16.3967 d1
9 99.9914 1.3939 1.72916 54.66
10 961.1485 1.6042
11 0.0000 3.6310 開口絞りS
12 -15.7157 1.2000 1.69895 30.13
13 40.0528 1.4252
14 -307.9409 2.5406 1.88300 40.77
15 -39.7561 0.1000
16 61.5510 4.0998 1.81600 46.63
17 -24.1299 d2
18 18.9404 3.4997 1.83481 42.72
19 78.3470 1.5000 1.74077 27.79
20 14.0997 2.2371
21 33.6753 2.2809 1.90265 35.71
22 215.9000 10.8099
23 0.0000 2.7900 1.51680 64.12
24 0.0000 0.5000
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 126.08
第2レンズ群 9 42.03
第3レンズ群 18 59.00
【0084】
この第1実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表2に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。なお、この表2において、D0は光学系OS1の最も物体側のレンズ面(第1面)から物体までの距離を示している。この可変間隔の説明は、以降の実施例においても同様である。
【0085】
(表2)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d1 8.5270 4.3965
d2 1.1000 5.2305
【0086】
次の表3に、この第1実施例に係る光学系OS1の各条件対応値を示す。なお、この表3において、fは全系の焦点距離を、f1は第1レンズ群G1の焦点距離を、f2は第2レンズ群G2の焦点距離を、f21は第2レンズ群G2の前群G2Fの焦点距離を、f3は第3レンズ群G3の焦点距離を、r1は第2レンズ群G2の最も物体側に配置された正レンズの物体側面の曲率半径を、それぞれ表している。以上の符号の説明は以降の実施例においても同様である。
【0087】
(表3)
f21=153.0
(1)f21/f2=3.64
(2)f21/f =4.74
(3)f3/f2 =1.40
(4)f3/f =1.83
(5)f2/f =1.30
(6)f1/f =3.90
(7)f1/f3 =2.14
(8)r1/f2 =2.38
【0088】
なお、条件式(6)のr1は、第9面の曲率半径が対応する。このように、第1実施例に係る光学系OS1は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0089】
図2に、この第1実施例に係る光学系OS1の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、NAは開口数を、Yは半画角に対する像高を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.6nm)を、それぞれ示している。また、非点収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。また、コマ収差図は、像高Yに対する収差を示している。これらの収差図の説明は、以降の実施例においても同様である。
図2に示す各収差図から明らかなように、この第1実施例に係る光学系OS1では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0090】
[第2実施例]
図3は、第2実施例に係る光学系OS2の構成を示す図である。この光学系OS2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する前群G2F、開口絞りS、及び、後群G2Rから構成され、前群G2Fは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、及び、両凹レンズL22から構成され、後群G2Rは、物体側から順に、両凹レンズL23と両凸レンズL24との接合正レンズCL21、及び、両凸レンズL25から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、両凸レンズL33から構成される。
【0091】
このように、この第2実施例に係る光学系OS2において、第1レンズ群G1は、物体側から順に2枚の正レンズ(両凸レンズL11及び正メニスカスレンズL12)が配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も物体側に正レンズ(正メニスカスレンズL21)が配置され、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL25)。また、この光学系OS2の全てのレンズ面は球面又は平面で構成されている。
【0092】
なお、この光学系OS2と像面Iとの間にはフィルター群FLが配置されている。
【0093】
このような構成の本第2実施例に係る光学系OS2は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0094】
以下の表4に、本第2実施例に係る光学系OS2の諸元の値を掲げる。なお、この表4に示す面番号1〜24は、
図3に示す番号1〜24に対応している。
【0095】
(表4)
[全体諸元]
f =31.50
FNO= 1.23
ω =14.33
Y = 8.00
TL =54.30
Bf =13.70
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 36.5576 4.5395 1.51680 64.10
2 -179.0694 0.1000
3 15.9667 4.5519 1.83480 42.72
4 30.4447 0.6098
5 37.6030 1.8631 1.67270 32.11
6 10.5289 d1
7 29.2292 1.6293 1.80400 46.58
8 74.2437 1.6887
9 -24.1013 1.0000 1.64768 33.80
10 23.7658 2.0921
11 0.0000 1.1570 開口絞りS
12 -173.1509 1.1997 1.67270 32.11
13 23.8072 2.9707 1.83480 42.72
14 -41.4088 0.1000
15 32.6245 3.0534 1.77249 49.61
16 -41.4025 d2
17 -55.0447 1.9311 1.90366 31.27
18 -19.3923 1.5000 1.67270 32.11
19 16.7526 1.2805
20 21.3864 3.1896 1.83480 42.72
21 -85.7704 10.4124
22 0.0000 2.7900 1.51680 64.12
23 0.0000 0.5000
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 69.77
第2レンズ群 7 25.22
第3レンズ群 17 135.82
【0096】
この第2実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表5に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0097】
(表5)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d1 6.0410 4.3247
d2 0.1000 1.8162
【0098】
次の表6に、この第2実施例に係る光学系OS2の各条件対応値を示す。
【0099】
(表6)
f21=59.0
(1)f21/f2=2.34
(2)f21/f =1.87
(3)f3/f2 =5.38
(4)f3/f =4.31
(5)f2/f =0.80
(6)f1/f =2.21
(7)f1/f3 =0.51
(8)r1/f2 =1.16
【0100】
なお、条件式(8)のr1は、第7面の曲率半径が対応する。このように、第2実施例に係る光学系OS2は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0101】
図4に、この第2実施例に係る光学系OS2の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図4に示す各収差図から明らかなように、この第2実施例に係る光学系OS2では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0102】
[第3実施例]
図5は、第3実施例に係る光学系OS3の構成を示す図である。この光学系OS3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する前群G2F、開口絞りS、及び、後群G2Rから構成され、前群G2Fは、両凸レンズL21から構成され、後群G2Rは、物体側から順に、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0103】
このように、この第3実施例に係る光学系OS3において、第1レンズ群G1は、物体側から順に2枚の正レンズ(正メニスカスレンズL11及び正メニスカスレンズL12)が配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も物体側に正レンズ(両凸レンズL21)が配置され、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、この光学系OS3の全てのレンズ面は球面又は平面で構成されている。
【0104】
なお、この光学系OS3と像面Iとの間にはフィルター群FLが配置されている。
【0105】
このような構成の本第3実施例に係る光学系OS3は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0106】
以下の表7に、本第3実施例に係る光学系OS3の諸元の値を掲げる。なお、この表7に示す面番号1〜22は、
図5に示す番号1〜22に対応している。
【0107】
(表7)
[全体諸元]
f =31.99
FNO= 1.23
ω =14.11
Y = 8.00
TL =64.25
Bf =14.30
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 31.5954 4.3000 1.83481 42.73
2 221.2096 0.1000
3 28.0000 3.2000 1.83400 37.18
4 39.0000 2.7000
5 182.5453 1.2000 1.75520 27.57
6 17.8832 d1
7 54.5012 2.2000 1.77250 49.62
8 -121.1911 1.4000
9 0.0000 3.5000 開口絞りS
10 -17.5587 1.2000 1.68893 31.16
11 32.6949 1.5000
12 -123.2970 2.3000 1.88300 40.66
13 -53.0000 1.7000
14 75.1287 4.8000 1.81600 46.59
15 -23.0269 d2
16 21.5035 3.9500 1.95400 33.46
17 -714.3048 1.3000 1.80518 25.45
18 14.8026 1.2000
19 24.9460 2.5000 1.88300 40.66
20 55.6297 11.0102
21 0.0000 2.7900 1.51680 64.12
22 0.0000 0.5000
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 210.36
第2レンズ群 7 39.09
第3レンズ群 16 68.51
【0108】
この第3実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表8に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0109】
(表8)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d1 9.3000 5.7083
d2 1.6000 5.1916
【0110】
次の表9に、この第3実施例に係る光学系OS3の各条件対応値を示す。
【0111】
(表9)
f21=48.9
(1)f21/f2=1.25
(2)f21/f =1.53
(3)f3/f2 =1.75
(4)f3/f =2.14
(5)f2/f =1.22
(6)f1/f =6.57
(7)f1/f3 =3.07
(8)r1/f2 =1.39
【0112】
なお、条件式(8)のr1は、第7面の曲率半径が対応する。このように、第3実施例に係る光学系OS3は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0113】
図6に、この第3実施例に係る光学系OS3の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図6に示す各収差図から明らかなように、この第3実施例に係る光学系OS3では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0114】
[第4実施例]
図7は、第4実施例に係る光学系OS4の構成を示す図である。この光学系OS4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する前群G2F、開口絞りS、及び、後群G2Rから構成され、前群G2Fは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21から構成され、後群G2Rは、物体側から順に、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31、及び、両凹レンズL32と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33との接合負レンズCL31から構成される。
【0115】
このように、この第4実施例に係る光学系OS4において、第1レンズ群G1は、物体側から順に2枚の正レンズ(両凸レンズL11及び正メニスカスレンズL12)が配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も物体側に正レンズ(正メニスカスレンズL21)が配置され、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、この光学系OS4の全てのレンズ面は球面又は平面で構成されている。
【0116】
なお、この光学系OS4と像面Iとの間にはフィルター群FLが配置されている。
【0117】
このような構成の本第4実施例に係る光学系OS4は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0118】
以下の表10に、本第4実施例に係る光学系OS4の諸元の値を掲げる。なお、この表10に示す面番号1〜24は、
図7に示す番号1〜24に対応している。
【0119】
(表10)
[全体諸元]
f =31.50
FNO= 1.23
ω =14.24
Y = 8.00
TL =55.00
Bf =13.70
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 57.7937 3.8669 1.60311 60.67
2 -152.7504 0.1000
3 21.6543 3.7584 1.60311 60.67
4 41.5111 0.1000
5 30.0061 2.7318 1.83480 42.72
6 49.8338 0.8669
7 127.2755 1.4984 1.67270 32.11
8 16.5082 d1
9 20.0297 1.1782 1.83480 42.72
10 20.7248 2.4693
11 0.0000 2.9702 開口絞りS
12 -14.3410 1.0000 1.64768 33.80
13 40.2723 1.4672
14 -56.8420 2.1002 1.83480 42.72
15 -23.2653 0.1000
16 42.7022 3.8131 1.77249 49.61
17 -24.2988 d2
18 59.8262 2.5837 1.83480 42.72
19 -31.8636 0.5731
20 -27.0382 1.3000 1.68893 31.07
21 20.7059 2.5815 1.83480 42.72
22 63.7424 10.4100
23 0.0000 2.7900 1.51680 64.12
24 0.0000 0.5000
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 70.00
第2レンズ群 9 36.83
第3レンズ群 18 100.83
【0120】
この第4実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表11に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0121】
(表11)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d1 6.1423 3.0681
d2 0.1000 3.1741
【0122】
次の表12に、この第4実施例に係る光学系OS4の各条件対応値を示す。
【0123】
(表12)
f21=403.9
(1)f21/f2=10.97
(2)f21/f =12.82
(3)f3/f2 = 2.74
(4)f3/f = 3.20
(5)f2/f = 1.17
(6)f1/f = 2.22
(7)f1/f3 = 0.75
(8)r1/f2 = 0.54
【0124】
なお、条件式(8)のr1は、第9面の曲率半径が対応する。このように、第4実施例に係る光学系OS4は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0125】
図8に、この第4実施例に係る光学系OS4の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図8に示す各収差図から明らかなように、この第4実施例に係る光学系OS4では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0126】
[第5実施例]
図9は、第5実施例に係る光学系OS5の構成を示す図である。この光学系OS5は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有する前群G2F、開口絞りS、及び、後群G2Rから構成され、前群G2Fは、物体側から順に、両凸レンズL21、及び、両凸レンズL22から構成され、後群G2Rは、物体側から順に、両凹レンズL23、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24、及び、両凸レンズL25から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0127】
このように、この第5実施例に係る光学系OS5において、第1レンズ群G1は、物体側から順に2枚の正レンズ(正メニスカスレンズL11及び正メニスカスレンズL12)が配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も物体側に正レンズ(両凸レンズL21)が配置され、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL25)。また、この光学系OS5の全てのレンズ面は球面又は平面で構成されている。
【0128】
なお、この光学系OS5と像面Iとの間にはフィルター群FLが配置されている。
【0129】
このような構成の本第5実施例に係る光学系OS5は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0130】
以下の表13に、本第5実施例に係る光学系OS5の諸元の値を掲げる。なお、この表13に示す面番号1〜24は、
図9に示す番号1〜24に対応している。
【0131】
(表13)
[全体諸元]
f =32.00
FNO= 1.23
ω =14.28
Y = 8.00
TL =66.45
Bf =12.89
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 32.2742 4.3000 1.83481 42.73
2 211.6960 0.1000
3 29.1133 3.2000 1.83400 37.18
4 40.6849 2.7000
5 180.5106 1.2000 1.75520 27.57
6 18.6131 d1
7 98.6239 2.0000 1.77250 49.62
8 -180.0796 0.4000
9 107.3684 2.0000 1.78800 47.35
10 -1504.7540 1.4000
11 0.0000 3.5000 開口絞りS
12 -17.1756 1.2000 1.68893 31.16
13 33.6239 1.5000
14 -112.0910 2.3000 1.88300 40.66
15 -53.2261 1.7000
16 83.2714 4.8000 1.81600 46.59
17 -22.5820 d2
18 20.6232 3.9500 1.95400 33.46
19 -230.0863 1.3000 1.80518 25.45
20 14.3197 1.2000
21 24.2925 2.5000 1.88300 40.66
22 55.6297 9.4000
23 0.0000 2.7900 1.51680 64.12
24 0.0000 0.7000
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 216.32
第2レンズ群 7 41.62
第3レンズ群 18 61.28
【0132】
この第5実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表14に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0133】
(表14)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d1 9.3000 5.3227
d2 1.5000 5.4773
【0134】
次の表15に、この第5実施例に係る光学系OS5の各条件対応値を示す。
【0135】
(表15)
f21=50.4
(1)f21/f2=1.21
(2)f21/f =1.58
(3)f3/f2 =1.47
(4)f3/f =1.91
(5)f2/f =1.30
(6)f1/f =6.76
(7)f1/f3 =3.53
(8)r1/f2 =2.37
【0136】
なお、条件式(8)のr1は、第7面の曲率半径が対応する。このように、第5実施例に係る光学系OS5は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0137】
図10に、この第5実施例に係る光学系OS5の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図10に示す各収差図から明らかなように、この第5実施例に係る光学系OS5では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。