【実施例】
【0030】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
[
1H NMR]
機種:日本電子(株)製 JNM−ECX300(300MHz)
測定溶媒:CDCl
3
基準物質:テトラメチルシラン(0.00ppm)
[GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)]
装置:東ソー(株)製 HLC−8200 GPC
カラム:Shodex(登録商標) KF−804L+KF−805L
リファレンスカラム:Shodex(登録商標) GPC KF−800RH×2本
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム流速:1.0mL/分
リファレンスカラム流速:1.0mL/分
[スピンコーター]
機種:ミカサ(株)製 1H−D7
[エリプソメーター]
機種:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製 高速分光エリプソメトリー M2000−VI
[プリズムカプラ]
機種:メトリコン社製 MODEL 2010
[紫外可視近赤外分光光度計]
機種:(株)島津製作所製 UV−3600
測定波長:700nm〜1600nm
【0031】
[実施例1]<フェニル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
窒素雰囲気下、100mLの四口フラスコに粉末マグネシウム(関東化学(株)製)1.8g(75mmol)及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)40gを加えた後、ジブロモエタン(東京化成工業(株)製)3.5g(19mmol)を滴下し、室温(およそ25℃)で10分間撹拌した。次いでこの反応液へ、四塩化ゲルマニウム(ヤマナカヒューテック(株)製)4.0g(19mmol)、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)3.0g(19mmol)及びTHF12gの混合物を滴下し、室温(およそ25℃)で30分間撹拌した。その後、この反応液へ、ブロモベンゼン1.5g(9mmol)及びTHF2gの混合物をさらに滴下した。そして、室温(およそ25℃)で18時間撹拌後、この反応液をメタノール200gに加え再沈殿させ、析出した固体を濾取した。得られた固体を80gのトルエンに溶解させ、濾過により不溶物を除去した。濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を4gのクロロホルムに再溶解させ、メタノール100gに加え再度再沈殿させた。析出した固体を濾取することで、目的物であるフェニル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−Pと略す)1.9gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:フェニル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は65%であった。
得られたPGe−Pの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図1に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,200、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.20であった。
【0032】
[実施例2]<4―トルイル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
実施例1において、ブロモベンゼンを同モル数の4−ブロモトルエン(東京化成工業(株)製)3.2g(19mmol)及び1.6g(9mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、4−トルイル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−Toと略す)1.0gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:4−トルイル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は32%であった。
得られたPGe−Toの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図2に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,800、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.23であった。
【0033】
[実施例3]<4−アニシル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
実施例1において、ブロモベンゼンを同モル数の4−ブロモアニソール(東京化成工業(株)製)3.6g(19mmol)及び1.8g(9mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、4−アニシル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−Aと略す)1.4gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:4−アニシル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は43%であった。
得られたPGe−Aの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図3に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,100、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.25であった。
【0034】
[実施例4]<tert−ブチル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
実施例1において、ブロモベンゼンを同モル数の2−ブロモ−2−メチルプロパン(東京化成工業(株)製)2.6g(19mmol)及び1.3g(9mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、tert−ブチル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−tBと略す)0.9gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:tert−ブチル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は33%であった。
得られたPGe−tBの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図4に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,800、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.46であった。
【0035】
[実施例5]<2−チエニル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
実施例1において、ブロモベンゼンを同モル数の2−ブロモチオフェン(東京化成工業(株)製)3.1g(19mmol)及び1.6g(9mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、2−チエニル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−Thと略す)1.2gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:2−チエニル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は41%であった。
得られたPGe−Thの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図5に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,100、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.39であった。
【0036】
[実施例6]<5−メチルチオフェン−2−イル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
実施例1において、ブロモベンゼンを同モル数の2−ブロモ−5−メチルチオフェン(東京化成工業(株)製)3.3g(19mmol)及び1.7g(9mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、5−メチルチオフェン−2−イル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−ThMと略す)1.1gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:5−メチルチオフェン−2−イル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は35%であった。
得られたPGe−ThMの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図6に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,300、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.34であった。
【0037】
[実施例7]<フェニル基置換ポリゲルマン化合物の合成2>
窒素雰囲気下、100mLの四口フラスコに粉末マグネシウム(関東化学(株)製)1.4g(56mmol)及びテトラヒドロフラン40gを加えた後、ヨウ素(純正化学(株)製)0.02gを加え、室温(およそ25℃)で10分間撹拌した。次いで還流状態まで加熱させたこの反応液に、四塩化ゲルマニウム(ヤマナカヒューテック(株)製)4.0g(19mmol)、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)3.0g(19mmol)及びTHF12gの混合物を滴下し、加熱還流下で30分間撹拌した。その後、この反応液へ、ブロモベンゼン1.5g(9mmol)及びTHF2gの混合物をさらに滴下した。そして、加熱還流下で30分間、続けて室温(およそ25℃)で18時間撹拌後、この反応液をメタノール200gに加え再沈殿させ、析出した固体を濾取した。得られた固体を80gのトルエンに溶解させ、濾過により不溶物を除去した。濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を4gのクロロホルムに再溶解させ、メタノール100gに加え再度再沈殿させた。析出した固体を濾取することで、目的物であるPGe−P1.5gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:フェニル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は53%であった。
得られたPGe−Pの
1H NMRスペクトルの測定結果を
図7に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,100、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.28であった。
【0038】
[比較例1]<従来法によるフェニル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
窒素雰囲気下、100mLの四口フラスコに粉末マグネシウム(関東化学(株)製)1.8g(75mmol)及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)40gを加えた後、ジブロモエタン(東京化成工業(株)製)3.5g(19mmol)を滴下し、室温(およそ25℃)で10分間撹拌した。次いでこの反応液へ、四塩化ゲルマニウム(ヤマナカヒューテック(株)製)4.0g(19mmol)及びTHF12gの混合物を滴下し、室温(およそ25℃)で30分間撹拌した。その後、この反応液へ、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)4.5g(28mmol)及びTHF2gの混合物をさらに滴下した。そして、室温(およそ25℃)で18時間撹拌後、この反応液をメタノール200gに加え再沈殿させ、析出した固体を濾取した。得られた固体を80gのトルエンに溶解させ、濾過により不溶物を除去した。濾液の溶媒を留去した後、得られた残渣を4gのクロロホルムに再溶解させ、メタノール100gに加え再度再沈殿させた。析出した固体を濾取することで、目的物であるフェニル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−P
*と略す)1.1gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:フェニル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は38%であった。
得られたPGe−P
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図8に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,000、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.10であった。
【0039】
[比較例2]<従来法による4−トルイル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
比較例1において、ブロモベンゼンを、4−ブロモトルエン(東京化成工業(株)製)4.8g(28mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、4−トルイル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−To
*と略す)0.5gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:4−トルイル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は16%であった。
得られたPGe−To
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図9に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,500、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.15であった。
【0040】
[比較例3]<従来法による4−アニシル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
比較例1において、ブロモベンゼンを4−ブロモアニソール(東京化成工業(株)製)5.4g(28mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、4−アニシル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−A
*と略す)0.8gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:4−アニシル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は25%であった。
得られたPGe−A
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図10に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,300、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.12であった。
【0041】
[比較例4]<従来法によるtert−ブチル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
比較例1において、ブロモベンゼンを2−ブロモ−2−メチルプロパン(東京化成工業(株)製)3.9g(28mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、tert−ブチル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−tB
*と略す)1.2gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:tert−ブチル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は42%であった。
得られたPGe−tB
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図11に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,000、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は2.27であった。
【0042】
[比較例5]<従来法による2−チエニル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
比較例1において、ブロモベンゼンを2−ブロモチオフェン(東京化成工業(株)製)4.7g(28mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、2−チエニル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−Th
*と略す)0.9gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:2−チエニル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は31%であった。
得られたPGe−Th
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図12に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは800、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.14であった。
【0043】
[比較例6]<従来法による5−メチルチオフェン−2−イル基置換ポリゲルマン化合物の合成>
比較例1において、ブロモベンゼンを2−ブロモ−5−メチルチオフェン(東京化成工業(株)製)5.0g(28mmol)に変更した以外は同様の操作を行い、5−メチルチオフェン−2−イル基置換ポリゲルマン化合物(以下、PGe−ThM
*と略す)1.3gを得た。ポリゲルマン化合物中のゲルマニウム原子:5−メチルチオフェン−2−イル基=1:1(mol比)と仮定すると、収率は41%であった。
得られたPGe−ThM
*の
1H NMRスペクトルの測定結果を
図13に示す。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは900、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.23であった。
【0044】
実施例1乃至実施例7及び比較例1乃至比較例6で得られた有機置換ポリゲルマン化合物の収率、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mw、及び分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すように、本発明の製造方法によれば、特に芳香族炭化水素基置換のポリゲルマン化合物の製造において明らかな収率の向上が確認され、本発明の優位性が示された。
【0047】
[実施例8]<有機置換ポリゲルマン化合物からなる薄膜の作製>
実施例1乃至7及び比較例1乃至6において合成した有機置換ポリゲルマン化合物を、それぞれトルエン(PGe−Th
(*)及びPGe−ThM
(*)についてはγ−ブチロラクトン)に溶解させ、有機置換ポリゲルマン化合物濃度が3質量%のワニスを調製した。このワニスをガラス基板上にスピンコート法(回転数1,500rpm×30秒間(PGe−Th
(*)及びPGe−ThM
(*)については回転数300rpm×5秒間+回転数1,500rpm×30秒間))によって塗布した。この塗布膜を、100℃のホットプレートで10分間加熱処理することで薄膜中の溶媒を除去し、それぞれの薄膜を得た。
得られたそれぞれの薄膜の、波長633nmにおける屈折率をエリプソメーターにより測定した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示すように、本発明の製造方法によれば、従来法で得られる有機置換ポリゲルマン化合物に比べ、より屈折率の高い有機置換ポリゲルマン化合物からなる薄膜が得られることが確認され、本発明の優位性が示された。
【0050】
[実施例9]<有機置換ポリゲルマン化合物含有アクリル樹脂膜の作製>
実施例1において合成したポリゲルマン化合物PGe−P、重合性アクリレート化合物であるA−DCP(商品名)(新中村化学工業(株)製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、及びトルエン2mLを表3に示す分量で混合した。得られた混合溶液のトルエンをエバポレーターにより留去した後、過酸化物系熱ラジカル重合開始剤カヤエステルO−50E(商品名)(化薬アグゾ(株)製)をA−DCP100質量部に対して2質量部加え撹拌することで、PGe−PとA−DCPの樹脂組成物を調製した。
調製した樹脂組成物を、それぞれスライドガラス中央に滴下し、上からスライドガラスを被せた後、120℃のホットプレートで10分間加熱し、樹脂組成物を熱硬化(熱重合)させた。室温(およそ25℃)に冷却後、上部のスライドガラスを剥離することで、スライドガラス上にポリゲルマン化合物含有アクリル樹脂膜(熱硬化膜)を作製した。
また、A−DCP0.50gとカヤエステルO−50E0.010gを混合した、ポリゲルマン化合物を含まない樹脂組成物を調製し、同様の操作によりポリゲルマン化合物を含まないアクリル樹脂膜(熱硬化膜)を作製した。
それぞれの熱硬化膜の波長633nmにおける屈折率をプリズムカプラにより測定した。また、各熱硬化膜の透明性を目視により評価した。評価は、○:透明、×:濁りあり、の二段階で行った。それぞれの結果を表3に合わせて示す。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示すように、本発明により得られた有機置換ポリゲルマン化合物はアクリル樹脂との高い相溶性を有し、かつ有機置換ポリゲルマン化合物を含有させることで、アクリル樹脂膜の屈折率を上昇させ得ることが確認された。
【0053】
[実施例10]<有機置換ポリゲルマン化合物含有アクリル樹脂膜の作製>
実施例1において合成したポリゲルマン化合物PGe−P0.10g、重合性アクリレート化合物であるA−BPEF(商品名)(新中村化学工業(株)製、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン)0.20g、ベンジルメタクリレート(以下、BzMAと略す)(アルドリッチ社製)0.20g、及びトルエン2mLを混合した。得られた混合溶液のトルエンをエバポレーターにより留去した後、過酸化物系熱ラジカル重合開始剤カヤエステルO−50E(商品名)(化薬アグゾ(株)製)0.008gを加え撹拌することで、PGe−P、A−BPEF及びBzMAの樹脂組成物を調製した(PGe−P濃度20質量%)。
調製した樹脂組成物を、スライドガラス中央に滴下し、500μmのスペーサーを介してスライドガラスを被せた後、120℃のホットプレートで30分間加熱し、樹脂組成物を熱硬化(熱重合)させた。室温(およそ25℃)に冷却後、上下のスライドガラスを剥離することで、膜厚約500μmのポリゲルマン化合物含有アクリル樹脂膜(熱硬化膜)を作製した。
また、A−BPEF0.25g、BzMA0.25g、及びカヤエステルO−50E0.01gを混合した、ポリゲルマン化合物を含まない樹脂組成物を調製し、同様の操作によりポリゲルマン化合物を含まないアクリル樹脂膜(熱硬化膜)を作製した。
それぞれの熱硬化膜の透過率を紫外可視近赤外分光光度計により測定した。得られたスペクトルを
図14に示す。その結果、ポリゲルマン化合物含有アクリル樹脂膜が近赤外領域において高い透明性を示すことが確認された。