【課題を解決するための手段】
【0024】
(概要)
一局面において、本発明は、III族窒化物材料系から形成された発光活性構造と、III族窒化物の活性構造を支持しているボンディング構造と、ボンディング構造を支持しているマウント基板とを含んだ発光ダイオードに関する。マウント基板は、III族窒化物以外の材料を含んでおり、これは、活性構造によって放出された所定の周波数を有する光のうちの少なくとも50パーセントを反射する。
【0025】
別の局面において、本発明は、同様な構造と比較して増加した外部量子効率を有する発光ダイオードを形成する方法に関する。上記方法は、成長基板上にIII族窒化物材料系からの活性構造を形成するステップと、III族窒化物の活性構造を搭載ウエハ材料にボンディングするステップであって、搭載ウエハ材料は、活性構造によって放出された所定の周波数を有する光のうちの少なくとも50パーセントを反射する、ステップと、III族窒化物の活性構造のエピタキシャル層から、成長基板を除去するステップと、III族窒化物の活性構造のp型部分およびn型部分のそれぞれに対し、オーミック接触を追加するステップとを含んでいる。
【0026】
さらに別の局面において、本発明は、他の類似の構造と比較して増加した外部量子効率を有するLEDランプに関する。ランプは、リードフレームと、リードフレーム上の発光ダイオードとを含んでおり、上記発光ダイオードは、半導体発光構造、ボンディングシステム、およびマウント基板を含んでいる。マウント基板は、発光構造において半導体以外の材料であって、活性構造によって放出された所定の周波数を有する光のうちの少なくとも50パーセントを反射する、材料と、リードフレーム上のダイオードを封じ込めているレンズと、ダイオードによって放出された光を第2の色に変換するための、レンズ内に分散された蛍光体であって、第2の色は、ダイオードによって放出された色と組み合わされたときに、白色光を生成する、蛍光体とを含んでいる。
【0027】
さらに別の局面において、本発明は、発光ダイオードに関し、上記発光ダイオードは、III族窒化物材料系から形成された発光活性構造と、活性構造を支持しているボンディングシステムであって、ボンディング構造は、活性構造を支持している反射性表面と、活性構造の反対側にある反射性表面とを有している、ボンディングシステムと、実質的に透過性の基板とを含んでいる。
【0028】
本発明の上述およびその他の目的および利点、ならびにそれらを実現するための方法は、添付の図面を参酌すると以下の詳細な説明に基づいて明らかになる。
【0029】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0030】
(項目1)
III族窒化物材料系から形成された発光活性構造と、
該III族窒化物の活性構造を支持するボンディング構造と、
該ボンディング構造を支持するマウント基板であって、該マウント基板は、該活性構造によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量を反射する材料を含む、マウント基板と
を備えている、発光ダイオード。
【0031】
(項目2)
上記ボンディング構造は、ボンディング金属構造である、項目1に記載の発光ダイオード。
【0032】
(項目3)
上記マウント基板は、III族窒化物以外の材料を含んでいる、項目1に記載の発光ダイオード。
【0033】
(項目4)
上記マウント基板の材料は、上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光のうちの少なくとも50パーセントを反射する、項目1に記載の発光ダイオード。
【0034】
(項目5)
上記マウント基板は、シリコンが上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光を反射するよりも多く、該活性構造によって放出された所定の周波数を有する光を反射する、項目1に記載の発光ダイオード。
【0035】
(項目6)
上記活性構造は、上記III族窒化物材料系からのエピタキシャル層を含んでいる、項目1に記載の発光ダイオード。
【0036】
(項目7)
上記活性構造は、ホモ接合、ヘテロ接合、単一量子井戸、多重量子井戸、および超格子構造からなる群から選択されている、項目1に記載の発光ダイオード。
【0037】
(項目8)
上記マウント基板は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、アルミニウム、その他の金属、ポーセレン、およびその他のセラミックからなる群から選択されている、項目1に記載の発光ダイオード。
【0038】
(項目9)
上記マウント基板は、絶縁性である、項目1に記載の発光ダイオード。
【0039】
(項目10)
上記発光活性構造のp型部分との第1のオーミック接触と、該発光活性構造のn型部分との第2のオーミック接触とを含んでいる、項目9に記載の発光ダイオード。
【0040】
(項目11)
上記マウント基板は、導電性である、項目1に記載の発光ダイオード。
【0041】
(項目12)
上記導電性基板との第1のオーミック接触と、該活性構造との第2のオーミック接触とを含んでいる、項目11に記載の発光ダイオード。
【0042】
(項目13)
上記マウント基板は、化学的に安定であり、LED製造温度に耐えることができ、少なくともシリコンと同程度の力学的強度があり、高い破壊強度を有しており、高靭性であり、高熱伝導性であり、剛性であり、ボンディングシステムにボンディングし得、LED製造のコンテクストにおいては実質的に無害である、項目1に記載の発光ダイオード。
【0043】
(項目14)
上記マウント基板は、少なくとも約300℃までの温度で、物理的および化学的に安定である、項目1に記載の発光ダイオード。
【0044】
(項目15)
上記活性構造は、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムガリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、項目1に記載の発光ダイオード。
【0045】
(項目16)
上記ボンディング金属構造は、金、スズ、プラチナ、およびニッケルを含んでいる、項目1に記載の発光ダイオード。
【0046】
(項目17)
レンズおよび蛍光体をさらに含んでおり、上記マウント基板の材料は、該蛍光体によって放出された光の実質的な量を反射する、項目1に記載の発光ダイオード。
【0047】
(項目18)
上記マウント基板は、約350〜700ナノメートルの間の周波数範囲における光の実質的な量を反射する、項目1に記載の発光ダイオード。
【0048】
(項目19)
上記反射性材料は、上記マウント基板上の反射性コーティングを含んでおり、該マウント基板において、該コーティングは、上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量を反射する、項目1に記載の発光ダイオード。
【0049】
(項目20)
上記反射性コーティングは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、アルミニウム、その他の金属、ポーセレン、およびその他のセラミックからなる群から選択されている、項目19に記載の発光ダイオード。
【0050】
(項目21)
上記反射性材料は、上記マウント基板上の反射性コーティングを含んでおり、該マウント基板において、該コーティングは、上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量と、上記蛍光体によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量とを反射する、項目17に記載の発光ダイオード。
【0051】
(項目22)
上記コーティングは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、アルミニウム、その他の金属、ポーセレン、およびその他のセラミックからなる群から選択されている、項目21に記載の発光ダイオード。
【0052】
(項目23)
同様な構造と比較して増加した外部量子効率を有する発光ダイオードを形成する方法であって、該方法は、
成長基板上にIII族窒化物材料系から活性構造を形成することと、
該III族窒化物活性構造を搭載ウエハにボンディングすることであって、該搭載ウエハは、該活性構造によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量を反射する、ことと、
該III族窒化物活性構造のエピタキシャル層から該成長基板を除去することと、
該III族窒化物の活性構造のp型部分およびn型部分のそれぞれとのオーミック接触を追加することと
を包含する、方法。
【0053】
(項目24)
III族窒化物ではない材料上に、活性構造を形成することを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0054】
(項目25)
成長基板上に上記活性構造を形成することを含んでおり、該成長基板は、該活性構造によって放出された所定の周波数を有する光のうちの少なくとも50パーセントを反射する、項目23に記載の方法。
【0055】
(項目26)
金属ボンディングシステムを用いることにより、上記III族窒化物の活性構造を搭載ウエハにボンディングすることを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0056】
(項目27)
上記活性構造を導電性基板にボンディングすることを含んでおり、上記オーミック接触を追加するステップは、該活性構造との1つのオーミック接触を追加し、該導電性の基板との1つのオーミック接触を追加することを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0057】
(項目28)
絶縁基板上に上記活性構造を形成することを含んでいる、項目19に記載の方法。
【0058】
(項目29)
上記基板上に上記活性構造を形成するステップは、炭化ケイ素の基板上にIII族窒化物のエピタキシャル層を形成することを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0059】
(項目30)
窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムガリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から上記活性構造を形成することを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0060】
(項目31)
金属ボンディングシステムを用いることにより、上記III族窒化物の活性構造を上記搭載ウエハにボンディングすることを含んでおり、該金属ボンディングシステムは、金、スズ、プラチナ、およびニッケルを含んでいる、項目23に記載の方法。
【0061】
(項目32)
上記III族窒化物の活性構造に隣接した上記金属ボンディングシステムにおける反射性のミラー層が、該活性構造からの該ミラーに衝突する光を反射することにより、結果として得られた発光ダイオードの外部量子効率を向上させることを含んでいる、項目26に記載の方法。
【0062】
(項目33)
上記発光ダイオードを重合体のレンズに封じ込めることをさらに含んでいる、項目23に記載の方法。
【0063】
(項目34)
上記発光ダイオードを、分散された蛍光体を有する重合体のレンズに封じ込めることを含んでいる、項目33に記載の方法。
【0064】
(項目35)
LEDランプであって、他の同様な構造と比較して増加した外部量子効率を有し、該ランプは、
リードフレームと、
該リードフレーム上の発光ダイオードであって、半導体発光構造、ボンディングシステム、およびマウント基板を含んでいる、発光ダイオードと、
該リードフレーム上の発光ダイオードを封じ込めているレンズと、
該ダイオードによって放出された光を第2の色に変換するための蛍光体であって、該第2の色は、該ダイオードによって放出された該色と組み合わされたときに、白色光を生成する、蛍光体と
を備えており、
該マウント基板は、該活性構造によって放出された所定の周波数を有する光、および該蛍光体によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量を反射する材料を含んでいる、ランプ。
【0065】
(項目36)
上記ボンディングシステムは、金属ボンディングシステムを含んでいる、項目35に記載のランプ。
【0066】
(項目37)
上記マウント基板は、上記発光構造において半導体材料以外の材料を含んでいる、項目35に記載のランプ。
【0067】
(項目38)
上記マウント基板は、上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光、および上記蛍光体によって放出された所定の周波数を有する光の少なくとも50パーセントを反射する材料を含んでいる、項目35に記載のランプ。
【0068】
(項目39)
上記蛍光体は、上記レンズ内に分散されている、項目35に記載のランプ。
【0069】
(項目40)
上記発光構造は、III族窒化物材料系から形成されている、項目35に記載のランプ。
【0070】
(項目41)
上記マウント基板は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、銀、アルミニウム、アルミニウム合金、その他の金属、ポーセレン、およびその他のセラミックからなる群から選択されている、項目35に記載のランプ。
【0071】
(項目42)
上記ランプは可視スペクトルの青色部分で発光し、上記蛍光体は青色光を黄色光に変換する、項目40に記載のランプ。
【0072】
(項目43)
上記蛍光体は、YAGを含んでいる、項目42に記載のランプ。
【0073】
(項目44)
上記レンズは、重合体を含んでいる、項目35に記載のランプ。
【0074】
(項目45)
上記重合体は、青色光または黄色光の発光によって実質的に影響を受けない、項目40に記載のランプ。
【0075】
(項目46)
上記重合体は、シロキサンを含んでいる、項目40に記載のランプ。
【0076】
(項目47)
上記反射性材料は、上記マウント基板上の反射性コーティングを含んでおり、該マウント基板において、該コーティングは、上記活性構造によって放出された所定の周波数を有する光、および上記蛍光体によって放出された所定の周波数を有する光の実質的な量を反射する、項目35に記載のランプ。
【0077】
(項目48)
上記反射性コーティングは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化チタン、アルミニウム、その他の金属、ポーセレン、およびその他のセラミックからなる群から選択されている、項目35に記載のランプ。
【0078】
(項目49)
項目35に記載のランプを含んでいるディスプレイ。
【0079】
(項目50)
カラーピクセルと、
該カラーピクセルに隣接した光ガイドと、
該光ガイドに隣接しており、白色光を用いて該要素を照明するための、項目35に記載の発光ダイオードと
を備えている、ディスプレイ。
【0080】
(項目51)
上記カラーピクセルは、液晶ディスプレイを含んでいる、項目50に記載のディスプレイ。
【0081】
(項目52)
上記光ガイドに隣接した複数の発光ダイオードを含んでいる、項目51に記載のディスプレイ。
【0082】
(項目53)
上記ディスプレイは、ほぼ平面状の表示画面を規定しており、上記ダイオードは、該表示画面の平面の法線方向に光を配向するように配置されている、項目52に記載のディスプレイ。
【0083】
(項目54)
III族窒化物材料系から形成された発光活性構造と、
該活性構造を支持するボンディングシステムであって、該ボンディング構造は、該活性構造を支持する反射性表面と、該活性構造の反対側にある反射性表面とを有している、ボンディングシステムと、
該反対側にある反射性表面を直接支持している実質的に透過性の基板と
を備えている、発光ダイオード。
【0084】
(項目55)
上記ボンディングシステムは、金属ボンディングシステムを含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0085】
(項目56)
導電透過性の基板と、
該導電性の基板との第1のオーミック接触と、
上記活性構造との第2のオーミック接触と
を含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0086】
(項目57)
絶縁基板と、
上記発光活性構造のp型部分に接続された第1のオーミック接触と、
該発光活性構造のn型部分に接続された第2のオーミック接触と
を含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0087】
(項目58)
上記活性構造は、III族窒化物のp型エピタキシャル層およびn型エピタキシャル層のそれぞれを含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0088】
(項目59)
上記ボンディング金属システムは、金、スズ、ニッケル、銀、プラチナ、アルミニウム、ならびにそれらの組み合わせおよび合金からなる群から選択された金属を含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0089】
(項目60)
上記実質的に透過性の基板は、サファイアを含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0090】
(項目61)
上記実質的に透過性の基板は、炭化シリコンを含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0091】
(項目62)
上記活性構造は、単一量子井戸、多重量子井戸、および超格子構造からなる群から選択されている、項目54に記載の発光ダイオード。
【0092】
(項目63)
反射性のリードフレームを含んでいる、項目54に記載の発光ダイオード。
【0093】
(摘要)
III族窒化物材料系から形成された発光活性構造と、III族窒化物の活性構造を支持するボンディング構造と、ボンディング構造を指示するマウント基板とを含む、発光ダイオードが開示される。マウント基板は、活性構造によって放出された所定の周波数を有する光の少なくとも50パーセントを反射する材料を含んでいる。