(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電極パッドと、半導体基板の第1の主面に形成されたトレンチに絶縁膜を埋設した絶縁部と前記半導体基板の第1の主面の基材を残すことにより得られるダミー部とからなる素子分離領域と、を前記第1の主面に有する前記半導体基板と、前記半導体基板の第2の主面から前記半導体基板を貫通して形成されるとともに前記電極パッドに接続された貫通電極と、を有する半導体装置であって、
前記ダミー部は、前記基材の表面に第1の導電層が形成される第1の領域と、第1の領域とは異なる前記基材の表面に第1の導電層が形成されない第2の領域とからなり、
前記貫通電極は、前記素子分離領域に形成されるとともに、前記半導体基板の第2の主面から、外縁が前記第2の領域をよぎって前記半導体基板を貫通して形成された貫通孔と、前記貫通孔の側壁に形成された絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された第2の導電層とを備えることを特徴とする半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばCMOSセンサは、フォトダイオードに蓄積した電荷をそれぞれの画素で電圧に変換し増幅した後に読み出す撮像素子であり、単位セル内にフォトダイオードおよびセルアンプ等を備えている。CMOSセンサは、これらの構成部分を含む複数の能動素子により構成され、各能動素子間の絶縁分離には、STI(shallow trench isolation)が用いられている。ここで、半導体基板上にトランジスタやダイオード等の能動素子を形成する領域をアクティブ領域という。一方、アクティブ領域以外の領域をフィールド領域という。つまり、STI等の素子分離領域はフィールド領域に属することとなる。ところで、半導体基板上にSTIを形成する工程では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)平坦化が行われるが、STI領域の面積が広くなると研磨の際のストッパーとして設けられる窒化膜とSTIを構成する酸化膜との研磨レートの差によってSTIの中央部が皿状に凹むディッシングが発生する。ディッシングが発生すると基板上の平坦性が損なわれるためその後の工程が困難となる。かかるディッシングを防止する手法としてディッシングの発生部位であるフィールド領域内に複数の島状のダミー部を有するダミーパターンを形成することが行われている。このダミーパターンは、STI領域内にシリコン基板の基材を島状に残すことにより形成されることからダミーアクティブと称される。フィールド領域(STI領域)内に均一にダミーアクティブを形成することによって、CMP工程において前記研磨レートの差が緩和されるためディッシングを防止することができる。
【0007】
一方、トランジスタのゲート配線の抵抗およびソース・ドレイン拡散層の抵抗を下げる技術としてサリサイド技術が知られている。サリサイド技術は、ソース・ドレイン拡散層およびゲートポリシリコン層の双方に、高融点金属の化合物層(シリサイド層)を同時形成することにより、抵抗成分による遅延を低減し、高速動作を実現するというものである。シリサイド層を形成するためのメタル材は、生産性の観点から通常ウエハ全面に形成されるため、シリサイド層は、能動素子を有するアクティブ領域のみならず、能動素子が形成されていないフィールド領域内のダミーアクティブ上にも形成されることとなる。
【0008】
ここで、W−CSP構造のイメージセンサでは、センサチップ中央にセンサ素子群が形成されたセンサ領域が配置され、センサ領域の外側にフィールド領域が配置される。そして、このセンサ領域の外側のフィールド領域に貫通電極が形成されるのが一般的な構成であるが、フィールド領域には、上記の如くディッシングを防止するためにダミーアクティブが形成されている。すなわち、サリサイド技術を適用したW−CSP型のイメージセンサの製造工程では、ダミーアクティブ上に形成されたシリサイド層を貫通する貫通孔がドライエッチング法によって形成される。しかしながら、このドライエッチング工程において、貫通孔とシリサイド層とが交差すると、貫通孔の側壁にノッチ(貫通孔の外側に広がる窪み)が生じることが本発明者らによって明らかとなった。以下このノッチの発生状況について詳述する。
【0009】
図1は、貫通電極形成部における半導体基板の表面構造を示す平面図である。図中の破線は、この平面と交差する貫通電極(貫通孔)の外縁を示している。略円筒形状をなす貫通孔21は、CMOSセンサ等の能動素子が形成されていないフィールド領域100内に形成される。フィールド領域100内にはSiO
2膜からなるSTI層110が延在し、ディッシング防止のために複数の島状のダミーアクティブ200aがSiO
2膜上に均一に配置されている。サリサイド技術を適用した半導体装置においては、図示しないアクティブ領域内の能動素子上にシリサイド膜を形成する際にダミーアクティブ200a上にもシリサイド膜が形成される。貫通孔21は、表面にシリサイド膜を有する複数のダミーアクティブ200aが配列しているフィールド領域100を貫通するように形成される。ダミーアクティブ200aの寸法および配列間隔が貫通孔21の大きさと比較して小さいと、貫通孔21の外縁がダミーアクティブ200aと交差することとなる。
【0010】
図2は、
図1における2−2線断面図である。半導体基板10の上には層間絶縁膜12が形成され、層間絶縁膜12内には、センサ部に電気的に接続された電極パッド13が形成されている。貫通孔21は、半導体基板裏面から電極パッド13に向けてドライエッチングにより形成される。このドライエッチング工程において、貫通孔の外縁がシリサイド膜210が形成されたダミーアクティブ200aと交差すると半導体基板10と層間絶縁膜12との界面近傍の深さ位置において貫通孔21の側壁が窪むノッチ300が発生することが明らかとなった。
図1ではノッチの発生部位を斜線で示している。同図に示すように、ノッチ300は貫通孔21の外縁がダミーアクティブ200aと交差している箇所に限って発生していることが理解できる。
【0011】
貫通電極を形成する工程においては、貫通孔21を形成した後、貫通孔内壁にバリアメタル、めっきシード膜およびめっき膜を順次成膜する処理が行われる。めっき膜としてはCuが用いられるのが一般的であるが、Cuはシリコンデバイスにおける金属汚染の代表的な材料であり、比較的低温でシリコン基板や層間絶縁膜へ拡散し、接合リークや層間絶縁膜の絶縁破壊といったデバイスの性能および信頼性の低下を招くといった不具合が生じるおそれがある。このため、半導体基板と貫通電極の導体配線を構成するCu膜との間にはCuのシリコン基板中への拡散を防止するためにTiやTi/Ni等からなるバリアメタルを形成する。
【0012】
しかしながら、貫通孔の側壁にノッチが発生していると、ノッチ発生部に十分なバリアメタルを形成することが困難となり、ノッチ発生部においてバリアメタルが欠落してしまうおそれがある。すると、このバリアメタルが欠落した部分においてCuの半導体基板中への拡散が生じ、デバイスの性能や信頼性に深刻な影響を及ぼす原因となっていた。
【0013】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、ダミーアクティブを有するフィールド領域を貫通する貫通電極を含み、且つサリサイド技術が適用された半導体装置において、貫通電極を構成する貫通孔の側壁におけるノッチの発生を防止することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の半導体装置は、電極パッドと、半導体基板の第1の主面に形成されたトレンチに絶縁膜を埋設した絶縁部と前記半導体基板の第1の主面の基材を残すことにより得られるダミー部とからなる素子分離領域と、を前記第1の主面に有する前記半導体基板と、前記半導体基板の第2の主面から前記半導体基板を貫通して形成されるとともに前記電極パッドに接続された貫通電極と、を有する半導体装置であって、前記ダミー部は、前記基材の表面に第1の導電層が形成される第1の領域と、第1の領域とは異なる前記基材の表面に第1の導電層が形成されない第2の領域とからなり、前記貫通電極は、前記素子分離領域に形成されるとともに、前記半導体基板の第2の主面から、外縁が前記第2の領域をよぎって前記半導体基板を貫通して形成された貫通孔と、前記貫通孔の側壁に形成された絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された第2の導電層とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の半導体装置によれば、少なくとも貫通電極が通過するフィールド領域には、サリサイドブロックが施され、センサ領域における能動素子上にのみ選択的にシリサイド膜を形成することとしたので、貫通電極を構成する貫通孔を形成するためのドライエッチング工程において、エッチングイオンのチャージおよびこれに起因するエッチングイオンの軌道の湾曲を回避することができるので、貫通孔の側壁にノッチが発生するのを防止することができる。従って、貫通孔の側壁に欠落部分を生じることなくバリアメタルを形成することができ、めっき膜を構成するCu等の汚染物質の半導体基板中への拡散を確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例について説明する前に貫通孔の側壁にノッチが発生する推定メカニズムについて
図3を参照しつつ説明する。
【0018】
W−CSP型半導体装置においては、通常、半導体基板10の表面にトランジスタ等の素子を形成し、サリサイド工程を実施した後に貫通電極が形成される。貫通電極形成工程においては、反応性イオンエッチング(RIE)により半導体基板10の裏面(素子形成面とは反対側の面)から、エッチングが行われ、半導体基板10に貫通孔21が形成される。このエッチング工程において、貫通孔21がダミーアクティブ上に形成されたシリサイド層210に到達すると、シリサイド層210にエッチングイオンのチャージが起る。すると、入射したエッチングイオンにはシリサイド層210のチャージ電荷によって静電気力が作用して、エッチングイオンの軌道は貫通孔21の側壁に向かう方向に湾曲する。これにより、貫通孔21の側壁部にエッチングイオンが衝突するため、この部分にノッチ300が形成されるものと本発明者らは推定している。
【0019】
従って、貫通孔の側壁におけるノッチの発生を防止するためには、少なくとも貫通孔の外縁がよぎる部分の近傍にはエッチングイオンの軌道を変化せしめる要因となるシリサイド層を設けないこと、すなわち、シリサイド層を選択的に形成することが必要となる。以下に示す本発明の実施例においては、サリサイド技術を適用した半導体装置において、シリサイド膜を選択的に形成するようにしたものである。以下本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図4は、本発明の実施例であるイメージセンサの構成を示す断面図である。シリコン単結晶等からなる半導体基板10は、イメージセンサの本体を構成し、その表面の中央部にはセンサ回路を構成するCMOSセンサ等を含む複数の撮像素子30が形成されている。半導体基板10の受光面には外部に設けられるレンズ等の光学系によって撮像対象から発せられた光が結像されるようになっている。撮像素子30は受光した光の強度に応じた光電変換信号を検知出力信号として出力する。そして、各撮像素子の位置と検知出力信号から画像データが生成される。
【0021】
半導体基板10の表面にはSiO
2等からなる層間絶縁膜12が形成され、層間絶縁膜12の内部には撮像素子30に電気的に接続された多層構造を有する導体配線14が形成されている。また、層間絶縁膜12の内部には、導体配線14に電気的に接続された電極パッド13が設けられている。層間絶縁膜12の表面には、受光した光を三原色に色分解を行うためのカラーフィルタ15が設けられている。層間絶縁膜12の上には接着シート16を介してカバーガラス17が貼り付けられている。
【0022】
半導体基板10には、その裏面から層間絶縁膜12内部の電極パッド13に達する貫通電極20が設けられている。貫通電極20は、貫通孔の形成後、貫通孔の側壁および底面に例えばTi又はTi/Ni等からなるバリアメタル22とCu等からなるめっきシード膜23と、Cu等からなるめっき膜24とを順次成膜することにより形成される。貫通電極20を構成するこれらの導電膜は貫通孔の底面において電極パッド13に接続されるとともに、半導体基板10の裏面に延在している裏面配線25に接続されている。貫通電極20の導体膜および裏面配線25と半導体基板10との間の絶縁性は、貫通孔の側壁および半導体基板10の裏面に沿って形成されたSiO
2等からなる絶縁膜18によって確保されている。半導体基板10の裏面には貫通電極20の貫通孔を埋め込むようにソルダーレジスト40が形成されている。ソルダーレジスト40には開口部が形成され、この開口部において裏面配線25の一部をなす裏面電極パッドが設けられている。この裏面電極パッドには半田バンプ41が設けられ、これにより貫通電極20および裏面配線25を介して電極パッド13と電気的に接続された外部接続端子が構成される。このように、本実施例のイメージセンサのパッケージは、半導体基板10と同一サイズであるW−CSPとしての構成を有する。
【0023】
図5は、本実施例のイメージセンサを半導体基板10の裏面側から眺めた平面図である。複数の貫通電極20は半導体基板10の外縁に沿って形成されている。半田バンプ41は、半導体基板10の裏面上に格子状に配列され、それぞれ対応する貫通電極20と裏面配線25を介して電気的に接続されている。半導体基板10の中央に位置している図中破線で囲まれたセンサ領域Aは、半導体基板上においてCMOSセンサ等の能動素子群が形成されている領域である。貫通電極20の各々は、このセンサ領域Aの外側のフィールド領域Bに形成されている。
【0024】
図6は、貫通電極形成部における半導体基板10の表面構造を示す平面図である。図中の破線は、この平面をよぎる貫通電極(貫通孔21)の外縁を示している。略円筒形状をなす貫通電極20を構成する貫通孔21は、センサ領域Aの外側のフィールド領域100内に形成される。フィールド領域100には、SiO
2等からなるSTI層110が延在している。このSTI層110は比較的大きな面積を有しているため、STI層110を形成する際に行われるCMP工程においてディッシングが発生することが懸念される。このディッシングを防止するためにフィールド領域100内にはダミーパターンが形成されている。ダミーパターンはSTI層110内に設けられた複数の島状のダミーアクティブ200により構成される。ダミーアクティブ200はSTI層110を構成するSiO
2膜内に部分的に半導体基板10の基材を露出させることによって形成される。
【0025】
図7は、本実施例に係るイメージセンサの部分的な断面構造を示したものであり、図の左側はセンサ領域A内に設けられたMOSFETの断面、図の右側は貫通電極が形成される前のフィールド領域Bの断面を示したものである。センサ領域A内においては、サリサイド技術の適用によりセンサ回路を構成するMOSFETのゲート電極130およびドレイン・ソース拡散層150の表面にシリサイド層190が形成されている。一方、貫通電極形成領域内のダミーアクティブ200上にはシリサイド層は形成されていない。すなわち、本実施例に係るイメージセンサにおいてはシリサイド層は、半導体基板の全面に亘って形成されるのではなく、センサ領域A内のアクティブ領域にのみ形成される。このように、貫通電極が形成されるフィールド領域内のダミーアクティブ200上のシリサイド層を排除することにより、貫通孔のエッチング工程において貫通孔とシリサイド層とが交差することがなくなり、エッチングイオンの軌道が曲がることはなくなるので、貫通孔の側壁にノッチが発生するのを防止することが可能となる。
【0026】
次に、上記した如き構造を有する本実施例に係るイメージセンサの製造方法について
図8および
図9を参照しつつ説明する。
図8(a)〜(d)および
図9(e)〜(g)は、本実施例に係るイメージセンサの製造工程におけるプロセスステップ毎の断面図であり、サリサイド工程までのプロセスが示されている。各図の左側はセンサ領域A内のMOSFET形成部(アクティブ領域)を含む断面、右側はフィールド領域B内の貫通電極形成部を含む断面を示している。
【0027】
はじめに、シリコン単結晶等からなる半導体基板10にSTI層110を形成する。STI層110は、センサ領域A内およびこれを囲むフィールド領域Bにそれぞれ形成される。STI層110は、センサ領域Aにおいては、互いに隣接する能動素子間を絶縁分離する素子分離層として機能する。貫通電極形成領域においては、フィールド領域B内に島状のダミーアクティブ200が点在するようにSTI層110が形成される。つまり、フィールド領域B内においては、STI層110が形成されない半導体基板10の基材が露出した部分がダミーアクティブ200となる。STI層110は、以下のプロセスにより形成される。まず、半導体基板10にSiO
2膜(図示せず)を形成し、この上にSi
3N
4(図示せず)を積層し、これらの膜にパターニングを施し、STI層形成部以外の部分をマスキングするマスクを形成する。続いて、このマスクを介して半導体基板10にドライエッチング法によりSTI層形成部にトレンチ(図示せず)を形成する。次に、CVD法によりこのトレンチを埋めるように半導体基板10上にSiO
2膜を堆積させる。次に、トレンチ以外の部分のSiO
2膜をCMP法により除去し、半導体基板10表面を平坦化させる。このとき、Si
3N
4膜は、SiO
2膜よりも研磨速度が遅いためストッパとして作用し、半導体基板10の表面をダメージから保護する役割を担う。尚、センサ領域Aとフィールド領域Bにそれぞれ形成されるSTI層110の幅および形成ピッチ等は互いに異なっていてもよい(
図8(a))。
【0028】
次に、センサ領域A内においてセンサ回路を構成する能動素子としてMOSFET等を形成する。MOSFETは、既存プロセスを用いて形成することができ、SiO
2等からなるゲート酸化膜120、ポリシリコンから成るゲート電極130、SiO
2等からなるサイドウォール140を順次形成した後、半導体基板10の表面に例えばリンをイオン注入してn型のドレイン・ソース拡散層150を形成する。尚、フィールド領域Bのダミーアクティブ200上には、能動素子を形成しない(
図8(b))。
【0029】
次に、例えばSiH
4およびO
2を反応ガスとして用いたCVD法により、センサ領域Aおよびフィールド領域Bを含む半導体基板全面にSiO
2膜(シリコン酸化膜)160を堆積させる(
図8(c))。続いて、フィールド領域B上にのみレジストマスク170を形成する(
図8(d))。次に、レジストマスク170を介してCF4、Ar、O
2の混合ガスを用いたプラズマエッチングを行い、センサ領域A上に形成されたSiO
2膜160のみを除去し、フィールド領域B上のSiO
2膜160を残す(
図9(e))。このフィールド領域B上にのみ形成されたSiO
2膜160により、サリサイドブロックが構成される。サリサイドブロックとは、後のサリサイド工程においてシリサイド膜の形成を選択的に行うべく、シリサイド化しない部位に対して行われるシリサイド化防止手段をいう。
【0030】
貫通電極が形成されるべきフィールド領域B上にシリサイドブロックを形成した後、サリサイド工程が実施される。サリサイド工程では、まず、スパッタ法等によりセンサ領域Aおよびフィールド領域Bを含む半導体基板全面にCo、TiN、Niを順次堆積させメタル層180を形成する(
図9(f))。その後、比較的低温(例えば500℃)のアニール処理を行って、MOSFETのゲート電極130およびドレイン・ソース拡散層150のSiとメタル層180内のCoを反応させ、準安定なシリサイド層(CoSi層)を形成する。このとき、フィールド領域Bにおいては、ダミーアクティブ200とメタル層180との間に介在するSiO
2膜160(サリサイドブロック)によりシリサイド化反応が促進されずダミーアクティブ200上にはシリサイド層は形成されない。
【0031】
次に、アンモニアと過酸化水素水とを混合したアンモニア過水(NH
4OH+H
2O
2)を用いたウェット処理により、半導体基板全面に堆積しているメタル層180に含まれるTiNを除去する。続いて硫酸と過酸化水素水とを混合した硫酸過水(H
2SO
4+H
2O
2)を用いたウェットエッチング処理によりサリサイドブロック(SiO
2膜160)上およびSTI層110上に堆積している未反応のCo膜を除去する。次に、比較的高温(例えば700℃)で2回目のアニール処理を行って、先の工程でMOSFETのゲート電極130およびドレイン・ソース拡散層150上に形成された準安定なシリサイド層(CoSi層)の反応を促進させて、安定なコバルトシリサイド層(CoSi
2層)190を形成する(
図9(g))。尚、シリサイド層を形成するためのメタル材として、Ti、Ni等を用いることとしてもよい。この場合、シリサイド化反応により形成される層は、それぞれTiSi
2(チタンシリサイド)、NiSi
2(ニッケルシリサイド)となる。
【0032】
サリサイド工程を実施した後、既存の多層配線プロセスにより層間絶縁膜12内に導体配線14および電極パッド13を形成し、センサ素子上にカラーフィルタ15を設けることによりセンサチップが完成する。このように、上記の製法によれば、フィールド領域Bにおいて施されるサリサイドブロックによって選択的にシリサイド層が形成されたセンサチップを製造することが可能となり、センサ領域A内のMOSFETにおいてシリサイド層が設けられ、素子動作の高速化が図られる一方、貫通電極が形成されるべきフィールド領域B内のダミーアクティブ200上にはシリサイド層が設けられていない。
【0033】
図10及び
図11に上記各工程を経て製造されたセンサチップのパッケージング工程を示す。まず、上記各工程を経て製造されたセンサチップを用意する。センサチップは半導体基板10の表面に形成された複数の撮像素子30を含むセンサ回路、層間絶縁膜12、導体配線14、電極パッド13およびカラーフィルタ15等が設けられている(
図10(a))。
【0034】
他方、表面に保護フィルム19を貼着させたカバーガラス17を用意する。保護フィルム19は、カバーガラス17が製造工程において傷付かないように保護のために設けられるものであり、カバーガラス17の上面を全面に亘って被覆するように貼り付ける。そして、半導体基板10の上面に接着シート16を介してカバーガラス17を貼り付ける(
図10(b))。次に、半導体基板10の厚さが所定値となるように半導体基板10の裏面を研削する(
図10(c))。
【0035】
次に、貫通電極形成部に対応する部分に開口部を有するレジストマスク(図示せず)を半導体基板10の裏面に形成する。その後、ドライエッチングによりレジストマスクの開口部から露出した半導体基板10を裏面側からエッチングして層間絶縁膜12内の電極パッド13に達する貫通孔21を形成する(
図10(d))。貫通孔21は、複数のアクティブダミー200を含むフィールド領域Bを貫通するように形成される。上記した如き選択的なシリサイド層の形成により、アクティブダミー200上には、シリサイド層は形成されない。従って、本エッチング工程において、エッチングイオンのチャージやこれに起因するエッチングイオンの軌道の湾曲が生じることはなく、本エッチング工程において貫通孔21の側壁にノッチが発生することはない。
【0036】
次に、CVD法により、貫通孔21の内壁と半導体基板10の裏面を覆うようにSiO
2等からなる絶縁膜18を堆積させる。その後、貫通孔21の底面に堆積している絶縁膜18をエッチングして、貫通孔21の底面において電極パッド13を露出させる(
図11(e))。
【0037】
次に、スパッタ法によりTi又はTi/Ni等からなるバリアメタル22およびCuからなるめっきシード膜23を貫通孔21の側壁および底面と、半導体基板10の裏面上に順次形成する。このとき、貫通孔21の側壁にはノッチが発生していないため、欠落部分を生じることなくバリアメタルを成膜することができる。続いて、めっきシード膜23に電極を取り付けて電解めっき法により貫通孔21の内壁にCuからなるめっき膜24を成長させることにより貫通電極20を形成するとともに、半導体基板10の裏面に裏面配線25を形成する。その後、裏面配線25に対しては、感光性のドライフィルム等を用いてレジストを形成した後、このレジストを介してエッチングすることにより所望の裏面配線パターンを形成する。貫通電極20は貫通孔21の底面において電極パッド13に電気的に接続される。裏面配線25は貫通電極20を介して電極パッド13に電気的に接続される(
図11(f))。
【0038】
次に、裏面配線25が形成された半導体基板10の裏面全体を覆うように光硬化性エポキシ樹脂からなる絶縁膜としてのソルダーレジスト40を塗布し、乾燥後、所定のフォトマスクを介して露光部分を光硬化させる。貫通孔21の内部はソルダーレジスト40で満たされる。その後、ソルダーレジスト40の未露光部分を選択的に除去することにより、半田バンプ形成位置に開口部を形成する。次に、電界めっき法等により、ソルダーレジスト40の開口部から露出している裏面配線25のパッド部に半田バンプ41を形成する(
図11(g))。
【0039】
次に、カバーガラス17に貼り付けられた保護フィルム19を剥がし、カバーガラス側をウエハテープに貼り付けて、ダイシングすることによりイメージセンサをチップ状に個片化する。以上の各工程を経てイメージセンサパッケージが完成する。
【0040】
以上の説明から明らかなように、本発明の半導体装置によれば、サリサイド工程とアクティブダミーが設けられたフィールド領域を貫通する貫通電極を形成する工程とを含む製造方法により製造される半導体装置において、貫通電極を構成する貫通孔形成時に、貫通孔の側壁にノッチが発生するのを防止することができる。従って、貫通孔の側壁に欠落部分を生じることなくバリアメタルを形成することができ、めっき膜を構成するCu等の汚染物質の半導体基板中への拡散を確実に防止することができる。
【0041】
尚、上記した実施例では、半導体基板をセンサ素子形成領域Aとフィールド領域Bとに分割し、フィールド領域B内に形成される全てのアクティブダミーについてサリサイドブロックを行ってシリサイド層を形成しないようにしたが、少なくとも貫通電極が半導体基板中をよぎる経路上にシリサイド層が形成されないようにサリサイドブロックを行えばノッチの発生を防止することが可能である。例えば、
図12に示すように、貫通孔21全体が、1つのダミーアクティブ201と交差するようなダミーパターンの場合には、少なくとも、貫通孔21の外縁に沿った図中斜線部で示す領域201aにおいてのみシリサイド層が形成されないようにサリサイドブロックを行えばよい。