【実施例1】
【0022】
本実施例における核酸分析デバイスの構成について、
図1を用いて説明する。平滑な支持基体101の上に接着用パッド102を規則正しく、例えば
図1に示すように格子状に形成する。接着用パッド102とポリペプチドリンカー103は、線状分子105を介して化学結合により結ばれている。線状分子105の末端の官能基106と、接着用パッド102は、化学的相互作用により結合していることが好ましい。その際、官能基106は、平滑な支持基体101との相互作用が弱く、接着用パッド102との相互作用が強いことが好ましい。このような観点から、平滑基板としては、石英ガラス,サファイア,シリコン基板などを用いることができ、接着用パッド102には、金,チタン,ニッケル,アルミから選ばれる材料で構成することができる。本実施例の核酸分析デバイスは水溶液中で用いられることが想定され、水溶液中での腐食性を考慮すると、接着用パッド102には金,チタンが好ましい。官能基106には、平滑な支持基体101と接着用パッド102との組み合せを考えて選択せねばならないが、例えば、スルホヒドリル基,アミノ基,カルボキシル基,リン酸基,アルデヒド基等を用いることができる。一般的に広く用いられている金とスルホヒドリル基の結合が、本実施例の核酸分析デバイスが用いられる水溶液中では、酸化を受けて結合が切断される恐れがあることを鑑み、接着用パッド102と官能基106との結合の安定性を考慮すると、接着用パッド102にはチタン,官能基106にはリン酸基を用いることが好ましい。線状分子105は、ポリペプチドリンカー103と接着用パッド102を結ぶ役割を果たし、長さに大きな限定はないが、炭素数にして3から20程度の直鎖状分子が好ましい。線状分子105は、直接ポリペプチドリンカー103に結合していることが好ましい。
【0023】
ポリペプチドリンカー103としては、構造の安定性が高いタンパク質が好ましく、α−へリックス構造,β−シート構造やβ−バレル構造などを有するタンパク質を用いることができる。特に、β−バレル構造は、β−シート間に少なくともループモチーフ(折れ曲がり部)を備えた複数組の逆平行β−シートを上下の方向性を持って樽状の壁を構成する立体的に安定な構造であり、好適である。例えば、Thrombin, subunit H, Proto-oncogene -Oncogene Product P14tcl1, Plasminogen Kringle 4, Elongation Factor Tu (Ef-tu);domain 3, Alpha-1, 4-glucan-4-glucanohydrolase;Chain A, domain 2, M1 Pyruva
te Kinase;Domain 3, Lyase, Ornithine Decarboxylase;Chain A, domain 1, Barwin-like endoglucanases, OB fold (Dihydrolipoamide Acetyltransferase, E2P), Cathepsin
D, subunit A;domain 1, Cyclophilin, Butyryl-CoA Dehydrogenase, subunit A;domain 2, Lipocalin, Ribosomal Protein L14, Green Fluorescent Protein (GFP), Porin,
Maltoporin;Chain A, Catalase HpII, Chain A, domain 1, Telomere-binding Protein Beta Subunit;Chain B, Intramolecular trans-sialidase, domain 3などが例示される
。βバレル構造ユニットは、その目的用途に応じて上述した各種タンパク質などから適宜選択したものを利用して構成することができる。例えば、金結合部位を有するドメインをより小さいサイズにして更なる生産性を向上させる場合は、リポカリン(Lipocalin)などの低分子タンパク質が好ましい。また、金属との結合部位を含むドメインを多量体化し
てより剛直な分子にして配向性を向上させる場合、リポカリンやポーリン(Porin)類に存在する多量体分子を選択することができる。タンパク質の機能的な分類で例示すれば、膜貫通タンパク質を挙げることができる。特に、好適なタンパク質としては外膜タンパク質であるポーリンを挙げることができる。
【0024】
例えば、「Angewandte Chemie International Edition 2006, Vol. 45, pp. 3252-3256.(非特許文献5)」には、ポーリンの一つであるOmpFのシステイン変異体を、両親
媒性分子を共存させて金薄膜上に製膜する方法が報告されているが、本実施例のポリペプチドリンカー103には、このOmpFのシステイン変異体を用いることができる。非特許文献5で報告されている金とスルホヒドリル基の結合では、水溶液中での安定性に問題があるため、システイン部にリン酸基を導入し、接着用パッド102にはチタンを用いることが好ましい。例えば、スクシンイミドとマレイミドが繋がれたクロスリンカー試薬(Thermo Scientific社製NHS-PEG8-Maleimide)をアミノプロピルリン酸(Sigma-Aldrich社製)と反応させた後、OmpFのシステイン変異体と反応させることにより、システイン
部にリン酸基を導入する。これをガラス基板上に形成したチタンパッドと反応させることにより、チタンパッド上にのみOmpFを導入できる。チタンとガラスとの固定の選択性はリン酸基によってもたらされる。
【0025】
一方、プローブ分子(
図1では、核酸合成酵素107と核酸108の複合体)を固定するための結合分子104は、OmpFを無細胞発現系で作る際に、ビオチンをC末端あるいはN末端に一緒に発現させることが良い。例えば、市販の試薬(Roche Diagnostic社製RTS AviTag E. coliビオチン化キット)を使うことにより、容易にビオチンを導入することができる。この方法を使うことにより、ポリペプチドリンカー一分子に一つだけビオチンを導入できる。したがって、所望の箇所にポリペプチドリンカー103を一分子だけ固定すると、結果的に結合分子104が一分子存在し、所定の濃度のプローブ分子溶液を反応させると、所定の箇所に、プローブ分子を確実に一分子だけ固定することができる。
【0026】
接着用パッド102にポリペプチドリンカー103を一分子だけ固定するためには、接着用パッド102の直径をポリペプチドリンカー103の直径の2倍以下、より好ましくは同等以下に作ることが好ましい。前記OmpFの場合、直径が約20nm程度であるので、接着用パッド102の直径を40nm以下に作ればよく、より確実には20nm程度であるのが好ましい。
【0027】
接着用パッド102を平滑な支持基体101上に形成する方法としては、半導体で既に実用化されている薄膜プロセスを活用することができる。例えば、マスクを通した蒸着・スパッタリング、あるいは蒸着・スパッタリングにより薄膜を形成した後、ドライあるいはウエットエッチングにより製造することができる。規則正しく配置することは、前記薄膜プロセスを用いることで容易に実現できる。パッド間の間隔は任意に設定できる。検出手段として光計測を行う場合は、光検出の回折限界を考えると、間隔を500nm以上とすることが好ましい。
【0028】
プローブ分子を微粒子表面に予め固定をしておき、前記微粒子をポリペプチドリンカーに固定をすることも有効である。概念図を
図2に示す。ガラス基板などの平滑支持基体201の上に接着用パッド202を形成し、前記接着用パッド202上に、官能基206を末端に有する線状分子205を介してポリペプチドリンカー203が結合している。プローブ分子(
図2では、核酸合成酵素207と核酸208の複合体)は、予め微粒子209に固定されており、微粒子209は結合分子204によってポリペプチドリンカー203と結合している。
【0029】
微粒子209としては、金属微粒子や半導体微粒子を用いることができる。例えば、金の微粒子として、直径5nm〜100nmのものが市販されており、活用することができる。また、半導体微粒子としては、CdSe等の化合物半導体により構成され、その直径が10nm〜20nm程度の微粒子が市販されており、活用することができる。金微粒子を用いた場合には、スルホヒドリル基,アミノ基等を結合の官能基とすることにより、プローブ分子との結合及び結合分子204との結合が実現できる。結合分子204としてポリペプチドリンカー203中のシステインを活用することもできる。半導体微粒子を用いる場合には、ストレプトアビジンにより表面が修飾された微粒子が市販されており、結合分子204として前述した方法によりポリペプチドリンカー203末端に導入したビオチンを用いることができる。プローブ分子と微粒子209との結合にも、同じように、プローブ分子末端をビオチン化しておくことが有効である。
【0030】
微粒子209として金属微粒子を用いた場合には、光照射によって微粒子209の近傍に近接場を形成することができ、捕捉した核酸分子あるいはヌクレオチドを蛍光で検出する場合、前記蛍光が前記近接場による増強効果を受け、前記核酸分子の検出に非常に有効である。特に、検出すべき核酸分子又はヌクレオチドが同一蛍光色素でラベルされており、且つ試料溶液の濃度が高い中で特定の分子を検出する場合には有効である。前記微粒子として、可視域で局在プラズモンを励起することが可能な、金,銀,白金,アルミニウム等により構成された、その直径が100nm程度以下の微粒子を用いることにより、蛍光をより増強して観察することができる。金微粒子の表面プラズモンによる蛍光増強の現象については、例えば、「Nanotechnology, 2007, vol. 18, pp 044017-044021.(非特許文献6)」に報告されている。ヌクレオチドに付いた蛍光色素の蛍光を増強させて測定する
ことができ、信号/ノイズを高くすることができる。特に、プローブ分子として核酸合成酵素を用いた場合には、局在プラズモンが作る増強場内に、常に蛍光色素を入れることができ、安定した蛍光増強が得られ好ましい。
【0031】
また、微粒子209として半導体微粒子を用いた場合には、光照射によって前記微粒子209を励起することができ、前記微粒子209をエネルギーのドナーとして、捕捉した核酸分子又はヌクレオチド分子を標識している蛍光色素を前記エネルギーのアクセプターとして動作させ、前記検出対象分子の蛍光による検出を可能とすることができる。エネルギー移動は、おおよそ10nm以下の近傍でしか起こらない現象であることから、前記金属微粒子の場合と同様に、検出すべき核酸分子又はヌクレオチドが同一蛍光色素でラベルされており、且つ試料溶液の濃度が高い中で特定の分子を検出する場合には有効である。
この場合、励起光源は半導体微粒子のみを励起すればよく、一種類の光源でよい点で好ましい。
【0032】
プローブ分子として、核酸合成酵素を用いる場合、ヌクレオチドを供給することにより、基板上で核酸伸張反応を起こすことができる。また、プローブ分子として、核酸を用いる場合には、解析対象である核酸試料の核酸断片を捕捉させた後、核酸合成酵素とヌクレオチドを供給することにより、基板上で核酸伸長反応を起こすことができる。
【0033】
本実施例の核酸分析デバイスから核酸試料に関する情報を検出するやり方にはいくつかの方式が考えられるが、感度,簡便性の観点から蛍光検出法を用いる方式が好ましい。まず、核酸分析デバイスに対して核酸試料を供給し、核酸捕捉プローブ(核酸あるいは核酸合成酵素)に核酸試料を捕捉させる。次に、蛍光色素を有するヌクレオチドを供給し、核酸捕捉プローブが核酸である場合には、核酸合成酵素も供給する。デバイス上で核酸伸長反応を起こし、伸長反応中に核酸鎖中に取り込まれた蛍光色素の蛍光測定を行う。この場合、所定のヌクレオチド(一種類)を供給,未反応ヌクレオチドの洗浄,蛍光観察、違う種類のヌクレオチドの供給以降を繰り返し行う、いわゆる逐次伸長反応方式は容易に実現できる。蛍光観察後蛍光色素を消光するか、蛍光色素がリン酸部位に付いたヌクレオチドを用い、連続的な反応を起こすことにより、核酸試料の塩基配列情報を得ることができる。一方、4種類のヌクレオチドが各々異なる蛍光色素を有するものを供給し、洗浄することなく、連続的な核酸伸長反応を起こし、連続的に蛍光観察を行うことにより、いわゆるリアルタイム反応方式を実現することもできる。この場合、蛍光色素がリン酸部位に付いたヌクレオチドを用いると、伸長反応後リン酸部位が切断されるため、消光することなく連続的に蛍光測定することにより、核酸試料の塩基配列情報を得ることができる。
【実施例2】
【0034】
本実施例における核酸分析デバイスについて説明する。
【0035】
核酸分析デバイスの製造方法の一例を、
図3を用いて説明する。平滑な支持基体301上に電子線用ポジ型レジスト302をスピンコート法により塗工する。平滑な支持基体としては、ガラス基板,サファイア基板,シリコンウエハ等が用いられる。核酸分析デバイスとしたときに、微粒子を配列した面と反対側の裏面より励起光を照射する必要がある場合には、光透過性に優れた石英基板やサファイア基板を用いればよい。電子線用ポジ型レジストとしては、例えば、ポリメチルメタクリレートやZEP−520A(日本ゼオン社製)を挙げることができる。基板上のマーカーの位置を用いて位置合わせを行った上で、電子線直描露光を行って、レジストにスルーホールを形成する。例えば、直径30nmのスルーホールを形成する。スルーホールは、並行処理で解析できる核酸の分子数に依存するが、1μm程度のピッチで形成することが、製造上の簡便さ・歩留まりの高さと並行処理で解析できる核酸の分子数を勘案すると適している。スルーホール形成領域も、並行処理で解析できる核酸の分子数によるが、検出装置側の位置精度,位置分解能にも大きく依存する。例えば、1μmピッチで反応サイト(微粒子)を構成した場合、スルーホール形成領域を1mm×1mmとすると、100万反応サイトを形成できる。スルーホールの形成後
、接着用パッド303を構成する材料、例えば、金,チタン,ニッケル,アルミ、をスパッタリングで製膜する。平滑な支持基体としてガラス基板,サファイア基板を用い、接着用パッド材料として金,アルミ,ニッケルを用いる場合には、前記基板材料と前記接着用パッド材料との間に接着を補強する意味でチタンやクロムの薄膜を入れることが好ましい。
【0036】
ポリ
ペプチドリンカーは、例えば、「特表2004−533601(特許文献1)」に開示されている方法で作製することができる。大腸菌のOmpFのDNA配列(特許文献1の
図1参照)を基に、プラスミドクローンを作製する。システインの変異は、変異導入試薬(Stratagene社製QuickChange)とGAAグルタミン酸コドンの代わりにTGTシステインコドンをコードする変異誘発プライマー(特許文献1の化2参照)を用いて導入することができる。純粋なプラスミドDNAは、XL1-blue E. coli(Stratagene社製)の形質転換体とミニプレップキット(Promega社製Wizard SV)を用いて得ることができる。さらに、大腸菌無細胞タンパク発現系(Roche Applied Science社製 RTS 100 E. coli HY kit)を用いてOmpFを生産できる。一方、プローブ分子を固定するための結合分子104は、OmpFを無細胞発現系で作る際に、ビオチンをC末端あるいはN末端に一緒に発現させることにより作製できる。ビオチン導入試薬(Roche Diagnostic社製RTS AviTag E. coliビオチン化キット)を使うことにより、容易にビオチンを導入することができる。この方法を使うことにより、ポリペプチドリンカー一分子に一つだけビオチンが導入される。
【0037】
チタンパッドを用いる際には、前記システイン部にリン酸基を導入する。スクシンイミドとマレイミドが繋がれたクロスリンカー試薬(Thermo Scientific社製NHS-PEG8-Maleimide)をアミノプロピルリン酸(Sigma-Aldrich社製)と反応させた後、OmpFのシステイン変異体と反応させることにより、システイン部にリン酸基を導入する。これをガラス
基板上に形成したチタンパッドと反応させることにより、チタンパッド上にのみOmpFを導入できる。最終的には、プローブ分子を一分子のみ、所望の位置に配置したチタンパッド上に導入した核酸分析デバイスを製造することができる。
【実施例4】
【0041】
本実施例における核酸分析装置について説明する。核酸分析デバイスを用いた核酸分析装置の好ましい構成の一例について
図5を参照しながら説明する。以下、実施例1〜3との相違点を中心に説明する。
【0042】
本実施例では、核酸分析デバイスに対して、蛍光色素を有するヌクレオチド,核酸合成酵素、及び核酸試料を供給する手段と、核酸分析デバイスに光を照射する手段と、核酸分析デバイス上においてヌクレオチド,核酸合成酵素、及び核酸試料が共存することにより起きる核酸伸長反応により核酸鎖中に取り込まれた蛍光色素の蛍光を測定する発光検出手段と、を備える。より具体的には、カバープレート501と検出窓502と溶液交換用口である注入口503と排出口504から構成される反応チャンバに前記のデバイス505を設置する。なお、カバープレート501と検出窓502の材質として,PDMS(Polydimethylsiloxane)を使用する。また、検出窓502の厚さは0.17mmとする。YAGレーザ光源(波長532nm,出力20mW)507およびYAGレーザ光源(波長35
5nm,出力20mW)508から発振するレーザ光509および510を、レーザ光509のみをλ/4板511によって円偏光し、ダイクロイックミラー512(410nm以下を反射)によって、前記2つのレーザ光を同軸になるよう調整した後、レンズ513によって集光し、その後、プリズム514を介してデバイス505へ臨界角以上で照射する。
【0043】
以下、微粒子として直径50nm程度の金微粒子を用いた場合を例にとり、説明する。
この場合、レーザ照射により,デバイス505表面上に存在する金微粒子において局在型表面プラズモンが発生し、金微粒子に結合したプローブ分子により捕捉された標的物質の蛍光体は蛍光増強場内に存在することになる。蛍光体はレーザ光で励起され,その増強された蛍光の一部は検出窓502を介して出射される。また、検出窓502より出射される蛍光は,対物レンズ515(×60,NA1.35,作動距離0.15mm)により平行光束とされ,光学フィルタ516により背景光及び励起光が遮断され,結像レンズ517により2次元CCDカメラ518上に結像される。
【0044】
逐次反応方式の場合には、蛍光色素付きヌクレオチドとして、「P.N.A.S. 2006, vol. 103, pp 19635-19640.(非特許文献7)」に開示されているような、リボースの3′OHの位置に3′−O−アリル基を保護基として入れ、また、ピリミジンの5位の位置にあるいはプリンの7位の位置にアリル基を介して蛍光色素と結びつけたものが使用できる。アリル基は、光照射あるいはパラジウムと接触することにより切断されるため、色素の消光と伸長反応の制御を同時に達成することができる。逐次反応でも、未反応のヌクレオチドを洗浄で除去する必要はない。さらに、洗浄工程が必要ないことからリアルタイムで伸長反応を計測することも可能である。この場合には、前記ヌクレオチドにおいて、リボースの3′OHの位置に3′−O−アリル基を保護基として入れる必要は無く、光照射で切断可能な官能基を介して色素と結びついているヌクレオチドを用いれば良い。
【0045】
微粒子として、半導体微粒子を用いた場合にも、上述の核酸分析装置の例は適用可能である。例えば、半導体微粒子としてQdo(R)565 conjugate(インビトロジェン社製)を用いると、YAGレーザ光源(波長532nm,出力20mW)507で十分に励起できる。この励起エネルギーは532nmの光では励起されないアレクサ633(インビトロジェン社製)へ移動することにより蛍光を発するようになる。つまり、未反応のヌクレオチドに付随する色素は励起されることはなく、プローブ分子に捕捉され半導体微粒子に近接しエネルギー移動が起きてはじめて発光するため、捕捉されたヌクレオチドを蛍光測定で識別することが可能である。
【0046】
上記のように、本実施例の核酸分析デバイスを用いて核酸分析装置を組上げることにより、洗浄工程を入れることなく、解析時間の短縮化,デバイス及び分析装置の簡便化が図れ、逐次反応方式のみならず、リアルタイムで塩基の伸長反応を計測することも可能となり、従来技術に対して大幅なスループットの改善が図れる。