(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767834
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】研削装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
H01L21/304 622Q
H01L21/304 631
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-52644(P2011-52644)
(22)【出願日】2011年3月10日
(65)【公開番号】特開2012-190967(P2012-190967A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
(74)【代理人】
【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100124338
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 健
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 晋一
【審査官】
福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−59881(JP,A)
【文献】
特開2011−23618(JP,A)
【文献】
特開2009−253244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと、
該チャックテーブルに保持されたウェーハを研削する研削砥石を環状に備え回転可能な研削ホイールを有する研削手段と、
該チャックテーブルに対するウェーハの搬入及び該チャックテーブルからのウェーハの搬出が行われる領域である搬出入領域と、該チャックテーブルに保持されたウェーハに対して該研削手段による研削が行われる領域である研削領域とに該チャックテーブルを位置づける位置づけ手段と、
該搬出入領域に位置づけられたチャックテーブルに研削前のウェーハを搬入する搬入手段と、
ウェーハを洗浄する洗浄手段と、
を含む研削装置であって、
該搬出入領域に位置づけられたチャックテーブルから研削済みのウェーハを搬出する前にウェーハの研削面を前洗浄する前洗浄手段と、該前洗浄手段で前洗浄されたウェーハを該チャックテーブルから搬出し該洗浄手段に搬送する搬出手段とを備え、
該前洗浄手段は、ウェーハより直径が小さく形成されたブラシ部と、該ブラシ部をウェーハの面に沿って回転させる回転部と、ウェーハに対して該ブラシ部を接触及び離反させる移動部と、ウェーハと該ブラシ部とに洗浄水を供給する洗浄水供給ノズルとから構成され、
該搬出手段は、ウェーハを保持する吸着面を備えた吸着パッドと、該吸着パッドを該搬出入領域と該洗浄手段とに位置づける搬送アームとから構成され、
該前洗浄手段のブラシ部は、ウェーハの外周への接触を避けるとともに該ウェーハの回転中心を通る位置に接触して前洗浄を行い、
該搬出手段の吸着パッドの吸着面は、ウェーハのうち該ブラシ部によって前洗浄される領域と同じ大きさに形成されるか、又は該前洗浄される領域よりも小さく形成される
研削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの研削に用いる研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウェーハは、研削装置によって裏面が研削され所定の厚さに形成された後、ダイシング装置によって個々のデバイスに分割され、各種電子機器等に利用されている。
【0003】
ウェーハの裏面研削に用いられる研削装置は、ウェーハを保持して回転可能なチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウェーハを研削する研削手段とを備えており、研削手段は、研削砥石が環状に固着された研削ホイールを備えている。
【0004】
研削時は、ウェーハの表面に保護テープが貼着され、保護テープ側がチャックテーブルに保持される。そして、チャックテーブルを回転させるとともに回転する研削砥石をチャックテーブルに保持されたウェーハの裏面に接触させることにより、ウェーハを所望の厚さに形成することができる。
【0005】
ウェーハの裏面研削後は、ウェーハがチャックテーブルに保持された状態で、研削された裏面がブラシにより前洗浄された後、搬出手段の吸着パッドにウェーハの裏面を吸着してウェーハを洗浄手段に搬送し、高圧水及び高圧エアによるウェーハの洗浄が行われる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−226521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、研削済みのウェーハをチャックテーブルから搬出する前にブラシによる前洗浄を行うと、ウェーハの表面を保護している保護テープの粘着剤がウェーハの裏面に巻き上げられて研削された裏面に付着するため、その後、搬出手段の吸着パッドでウェーハの裏面を吸着してチャックテーブルから搬出する際に、裏面に付着した粘着剤によってウェーハが割れるという問題がある。この問題は、特に、保護テープがウェーハよりも大きく形成されウェーハの外周から保護テープがはみだしている場合に多発する。
【0008】
本発明は、このような問題にかんがみなされたもので、研削装置において、保護テープが貼着された研削済みのウェーハをチャックテーブルから搬出する前にブラシ部を備えた前洗浄手段で洗浄しても、保護テープの粘着剤がウェーハの裏面に付着しないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウェーハを研削する研削砥石を環状に備え回転可能な研削ホイールを有する研削手段と、チャックテーブルに対するウェーハの搬入及びチャックテーブルからのウェーハの搬出が行われる領域である搬出入領域とチャックテーブルに保持されたウェーハに対して研削手段による研削が行われる領域である研削領域とに該チャックテーブルを位置づける位置づけ手段と、搬出入領域に位置づけられたチャックテーブルに研削前のウェーハを搬入する搬入手段と、ウェーハを洗浄する洗浄手段とを含む研削装置に関するもので、搬出入領域に位置づけられたチャックテーブルから研削済みのウェーハを搬出する前にウェーハの研削面を前洗浄する前洗浄手段と、前洗浄手段で前洗浄されたウェーハをチャックテーブルから搬出し洗浄手段に搬送する搬出手段とを備え、前洗浄手段は、ウェーハより直径が小さく形成されたブラシ部と、ブラシ部をウェーハの面に沿って回転させる回転部と、ウェーハに対してブラシ部を接触及び離反させる移動部と、ウェーハとブラシ部とに洗浄水を供給する洗浄水供給ノズルとから構成され、搬出手段は、ウェーハを保持する吸着面を備えた吸着パッドと、吸着パッドを搬出入領域と洗浄手段とに位置づける搬送アームとから構成され、前洗浄手段のブラシ部は、ウェーハの外周への接触を避けるとともにウェーハの回転中心を通る位置に接触して前洗浄を行い、搬出手段の吸着パッドの吸着面は、ウェーハのうちブラシ部によって前洗浄される領域と同じ大きさに形成されるか、又は前洗浄される領域よりも小さく形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、研削後のウェーハを搬出入領域から搬出する前に研削面を前洗浄する前洗浄手段を備え、前洗浄手段を構成するブラシ部は、ウェーハよりも直径が小さく形成され、前洗浄時には、ブラシ部がウェーハの外周部に接触しないとともにウェーハの回転中心に接触するように位置づけされるため、ウェーハの外周側から保護テープの粘着剤が露出していたとしても、ブラシ部が粘着剤を巻き上げて研削面に付着させるおそれがない。また、前洗浄されたウェーハを洗浄手段に搬出する搬出手段を構成する吸着パッドの吸着面は、ブラシ部によって前洗浄されるウェーハの領域と同じ大きさまたはその領域よりも小さく形成されるため、前洗浄されなかった領域に研削屑が付着していたとしても、吸着時にその部分に力が加わることがないため、ウェーハを吸着パッドによって吸着して搬送する際にウェーハが割れることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】ウェーハに保護テープを貼着する状態を示す斜視図である。
【
図3】保護テープが貼着されたウェーハをチャックテーブルに載置する状態を示す斜視図である。
【
図4】ウェーハの研削面を前洗浄する状態を示す斜視図である。
【
図5】前洗浄時のウェーハとブラシ部との位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図6】搬出手段の吸着パッドによりウェーハを吸着する状態を示す斜視図である。
【
図7】搬出手段の吸着パッドによりウェーハを吸着する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す研削装置1は、チャックテーブル2に保持されたウェーハを2つの研削手段3a、3bによって研削する機能を有する装置である。
図1の例における研削装置1は、3つのチャックテーブル2を備えている。
【0013】
3つのチャックテーブル2は、ターンテーブル4によってターンテーブル4の中心を回転中心として公転可能となっている。このターンテーブル4は、チャックテーブル2に対するウェーハの搬入及びチャックテーブル2からのウェーハの搬出が行われる領域である搬出入領域Aと、チャックテーブル2に保持されたウェーハに対する研削手段3a、3bによる研削が行われる領域である研削領域Bとにチャックテーブル2を位置づける位置づけ手段として機能する。また、個々のチャックテーブル2は、自転可能となっている。
【0014】
装置前部には、研削前のウェーハが収容される第一のウェーハカセット50aが載置される第一のカセット載置領域5aと、研削後のウェーハが収容される第二のウェーハカセット50bが載置される第二のカセット載置領域5bとが設けられている。
【0015】
第一のカセット載置領域5a、第二のカセット載置領域5bの近傍には、第一のウェーハカセット50aからのウェーハの取出し及び第二のウェーハカセット50bに対するウェーハの収容を行う取出し収容手段6が配設されている。取出し収容手段6は、ウェーハを吸着して保持する保持部60と、保持部60に連結され保持部60を所望の位置に移動させるアーム部61とを備えている。
【0016】
保持部60の可動域には、ウェーハの中心位置を一定の位置にあわせる位置合わせ手段7a及び研削後のウェーハを洗浄する洗浄手段7bが配設されている。
【0017】
位置合わせ手段7aは、載置されたウェーハを下方から支持するテーブル70aと、互いが近づく方向に移動可能な複数な位置合わせ突起71aとから構成され、テーブル70aに載置されたウェーハの外周を位置合わせ突起71aが押すことによりウェーハを一定の位置に位置させることができる。
【0018】
洗浄手段7bには、ウェーハを保持して回転可能なスピンナーテーブル70bと、ウェーハに対して高圧水や高圧エアを噴出する図示しないノズル等を備えており、回転するスピンナーテーブル70bに保持されたウェーハに向けて高圧水を噴出して研削屑を除去し、ウェーハに対して高圧エアを噴出することによりウェーハを乾燥させることができる。
【0019】
位置合わせ手段7の近傍には、位置合わせされた研削前のウェーハを搬出入領域Aに位置づけられたいずれかのチャックテーブル2に搬入する搬入手段8aが配設されている。搬入手段8aには、ウェーハを吸着して保持する吸着部80aと、吸着部80aを旋回及び昇降させる搬送アーム81aとを備えている。
【0020】
研削手段3aは、鉛直方向の軸心を有するスピンドル30aと、スピンドル30aを回転させるモータ31aと、スピンドル30aの下端に形成されたマウント32aに取り付けられる研削ホイール33aとから構成されており、研削ホイール33aには、環状に砥石34aが固着されている。砥石34aは、粗研削用の砥石である。
【0021】
研削手段3bは、鉛直方向の軸心を有するスピンドル30bと、スピンドル30bを回転させるモータ31bと、スピンドル30bの下端に形成されたマウント32bに取り付けられる研削ホイール33bとから構成されており、研削ホイール33bには、環状に砥石34bが固着されている。砥石34bは、仕上げ研削用の砥石である。
【0022】
研削手段3aは、研削送り手段9aによって駆動されて昇降可能となっている。研削送り手段9aは、鉛直方向の軸心を有するボールネジ90aと、ボールネジ90aと平行に配設されたガイドレール91aと、ボールネジ90aを回動させるパルスモータ92aと、内部に備えたナットがボールネジ90aに螺合し側部がガイドレール91aに摺接する昇降部93aとから構成され、パルスモータ92aによって駆動されてボールネジ90aが回動するのにともない昇降部93aがガイドレール91aに案内されて昇降し、昇降部93aによって支持された研削手段3aも昇降する構成となっている。
【0023】
研削手段3bは、研削送り手段9bによって駆動されて昇降可能となっている。研削送り手段9bは、鉛直方向の軸心を有するボールネジ90bと、ボールネジ90bと平行に配設されたガイドレール91bと、ボールネジ90bを回動させるパルスモータ92bと、内部に備えたナットがボールネジ90bに螺合し側部がガイドレール91bに摺接する昇降部93bとから構成され、パルスモータ92bによって駆動されてボールネジ90bが回動するのにともない昇降部93bがガイドレール91bに案内されて昇降し、昇降部93bによって支持された研削手段3bも昇降する構成となっている。
【0024】
搬出入領域Aには、搬出入領域Aに位置づけられたチャックテーブル2から研削済みのウェーハを搬出する前にウェーハの研削面を前洗浄する前洗浄手段10が配設されている。前洗浄手段10は、研削対象のウェーハよりも直径が小さく形成されたブラシ部100と、ブラシ部100をウェーハの面に沿って回転させる回転部101と、ウェーハに対してブラシ部100を接触及び離反させる移動部102と、ウェーハとブラシ部100に洗浄水を供給する洗浄水供給ノズル103とを備えている。移動部102及び回転部101によって支持されたブラシ部100は、水平方向に配設されたレール104に沿って水平方向に移動可能となっている。ブラシ部100は、研削対象のウェーハよりも直径が小さく形成されている。
【0025】
洗浄手段7bの近傍には、前洗浄手段10で前洗浄されたウェーハをチャックテーブル2から搬出し洗浄手段7bに搬送する搬出手段11が配設されている。搬出手段11は、ウェーハを保持する吸着面110aを備えた吸着パッド110と、吸着パッド110を搬出入領域Aと洗浄手段7bとに位置づける搬送アーム111とから構成されている。
【0026】
以下では、以上のように構成される研削装置1において、
図2に示すウェーハWの裏面W2を研削する場合における装置の動作を説明する。
【0027】
図2に示すように、ウェーハWの表面W1には、分割予定ラインLによって区画されて複数のデバイスDが形成されており、この表面W1に、デバイス保護用の保護テープTを貼着する。保護テープTは、研削後に剥離しやすいように、
図3に示すように、ウェーハWよりも直径が大きく形成されていることが望ましい。この場合は、粘着剤T1がウェーハWの外周側から露出している。
【0028】
こうして表面W1に保護テープTが貼着されたウェーハは、
図1に示した第一のウェーハカセット50aに収容される。そして、収容されたウェーハWは、取出し収容手段6によって1枚ずつ取り出されて位置合わせテーブル7のテーブル70aに載置され、位置合わせ突起71aによって一定の位置に位置合わせされた後に、搬入手段8aによってチャックテーブル2に搬送されて保持される。このとき、
図3に示すように、保護テープT側がチャックテーブル2に保持され、裏面W2が露出した状態となる。
【0029】
図1を参照して説明すると、こうして搬出入領域Aにおいてチャックテーブル2にウェーハWが保持されると、ターンテーブル4の回転によってウェーハWが研削領域Bに移動していき、まず、研削手段3aの下方に位置づけされる。そして、モータ31aの駆動により研削ホイール33aを回転させながら、研削送り手段9aによる制御によって研削手段3aを降下させ、回転する砥石34aをウェーハWの裏面W2に接触させて粗研削を行う。
【0030】
次に、ターンテーブル4の回転によって、粗研削されたウェーハWが研削手段3bの下方に位置づけされる。そして、モータ31bの駆動により研削ホイール33bを回転させながら、研削送り手段9bによる制御によって研削手段3bを降下させ、回転する砥石34bをウェーハWの裏面W2に接触させて仕上げ研削を行う。
【0031】
こうして仕上げ研削が終了すると、ターンテーブル4が回転して仕上げ研削されたウェーハWが搬出入領域Aに位置づけされる。そして、研削済みのウェーハWをチャックテーブル2から搬出する前に、前洗浄手段10を構成するブラシ部100をウェーハWの上方に移動させ、ウェーハWを保持するチャックテーブル2を回転させるとともに、回転部101がブラシ部100を回転させながら移動部102がブラシ部100を降下させることにより、
図4に示すように、回転するブラシ部100をウェーハWの仕上げ研削された研削面W2’に接触させて前洗浄を行い、研削屑を除去する。前洗浄時は、洗浄水供給ノズル103からブラシ部100と研削面W2’との接触部位に向けて洗浄水を供給する。
【0032】
図5に示すように、ウェーハWよりも直径が小さいブラシ部100は、洗浄時に常にウェーハWの回転中心Oを通るように、かつ、ブラシ部100の周縁部100aがウェーハWの外周部W3に達しないように、ウェーハWの外周部W3を避けて接触させる。すなわち、ウェーハWの裏面W2は、ブラシ部100によって前洗浄が行われる領域である前洗浄領域W4と、前洗浄領域W4の外周側にリング状に形成され前洗浄が行われない領域である非前洗浄領域W5とに分けられる。
【0033】
このようにして非前洗浄領域W5が形成されるように前洗浄を行うと、保護テープTの直径がウェーハWの直径よりも大きいために粘着剤T1が上方に向けて露出している場合でも、ブラシ部100が粘着剤T1に接触することがないため、粘着剤T1を研削面W2’に巻き上げることがない。
【0034】
前洗浄処理が終了すると、チャックテーブル2の回転を止めるとともに、ブラシ部100を上昇させて水平方向に移動させることにより、ブラシ部100をウェーハWの上方から退避させる。そして、
図6に示すように、搬出手段11を構成する吸着パッド110によって前洗浄された研削面W2’を吸着面110aによって吸着し、搬送アーム111を上昇させるとともに旋回させ、
図1に示した洗浄手段7bのスピンナーテーブル70bに搬送する。
【0035】
搬出手段11を構成する吸着パッド110は、
図7に示すように、吸着面110aの直径が、前洗浄領域W4よりも小さく形成されており、吸着時は、前洗浄領域W4のみを吸着し、吸着パッド110の吸着面110aが非前洗浄領域W5に接触しないようにする。このようにして前洗浄領域W4を吸着することで、前洗浄により研削屑が除去された部分のみを吸着するため、非前洗浄領域W5が前洗浄されなかったためにその領域に研削屑が付着していたとしても、吸着時にその部分に力が加わることはないため、ウェーハWを吸着パッド110によって吸着して搬送する際にウェーハWが割れることがない。なお、吸着面110aは、前洗浄領域W4と等しい大きさに形成されていてもよい。
【0036】
その後、ウェーハWの研削面W2’は、洗浄手段7bにおいて高圧水によって非前洗浄領域W5も含めて洗浄され、完全に研削屑が除去される。そして、ウェーハWの乾燥が行われた後、取出し収容手段6によって保持されて搬送され、第二のウェーハカセット50bに収容される。
【符号の説明】
【0037】
1:研削装置
A:搬出入領域 B:研削領域
2:チャックテーブル
3a、3b:研削手段
30a、30b:スピンドル 31a,31b:モータ
32a,32b:マウント 33a,33b:研削ホイール 34a,34b:砥石
4:ターンテーブル(位置づけ手段)
5a:第一のカセット載置領域 5b:第二のカセット載置領域
50a:第一のウェーハカセット 50b:第二のウェーハカセット
6:取出し収容手段 60:保持部 61:アーム部
7a:位置合わせ手段 70a:テーブル 71a:位置合わせ突起
7b:洗浄手段 70b:スピンナーテーブル
8a:搬入手段 80a:吸着部 81a:搬送アーム
9a、9b:研削送り手段
90a,90b:ボールネジ 91a,91b:ガイドレール
92a,92b:パルスモータ 93a,93b:昇降部
10:前洗浄手段
100:ブラシ部 101:回転部 102:移動部 103:洗浄水供給ノズル
104:レール
11:搬出手段
110:吸着パッド 110a:吸着面 111:搬送アーム
W:ウェーハ
W1:表面 L:分割予定ライン D:デバイス
W2:裏面 W3:外周部
W2’:研削面 W4:前洗浄領域 W5:非前洗浄領域