(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記正極または前記負極の1つの電極に対し、前記1つの電極の一部は前記光反射樹脂によって覆われていなく、前記正極または前記負極のうちのいずれか一方の電極の前記配線部の少なくとも一部は前記光反射樹脂に覆われており、
平面視で、前記光反射樹脂によって覆われていない前記1つの電極の前記一部は、前記光反射樹脂によって覆われた前記1つの電極の前記配線部の前記一部より前記実装領域から離れていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、以下の説明で参照する
図2、
図5〜
図8において、発光素子のp電極およびn電極(
図3参照)は、各発光素子の向きを示すために実装領域上の4箇所だけ図示し、実装領域上のその他の箇所では図示を省略している。
【0029】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る発光装置100について、
図1〜
図4を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、まず発光装置100の全体構成について説明した後に、各構成について説明する。なお、説明の便宜上、
図2における光反射樹脂6は、外形のみを線で示し、透過させた状態で図示している。他の実施形態で説明する
図5〜
図9についても、同様に透過させた状態で図示している。
【0030】
<全体構成>
発光装置100は、LED電球等の照明器具、表示装置、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源等に利用される装置である。発光装置100は、
図1、
図2および
図4に示すように、基板1と、基板1の実装領域1aに複数配置された発光素子2と、基板1上に形成された正極3および負極4と、正極3に配置された保護素子5と、発光素子2や保護素子5等の電子部品と、正極3や負極4等を接続するワイヤWと、基板1上に形成された光反射樹脂6と、を主な構成として備えている。また、発光装置100は、ここでは光反射樹脂6内に封止部材7が充填された構成としている。
【0031】
<基板>
基板1は、発光素子2や保護素子5等の電子部品を配置するためのものである。基板1は、
図1および
図2に示すように、矩形平板状に形成されている。また、基板1上には、
図2に示すように複数の発光素子2を配置するための実装領域1aが区画されている。なお、基板1のサイズは特に限定されず、発光素子2の数や配列間隔等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0032】
基板1の材料としては、絶縁性材料を用いることが好ましく、かつ、発光素子2から放出される光や外光等が透過しにくい材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、セラミックス(Al
2O
3、AlN等)、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド(PPA)等の樹脂が挙げられる。
【0033】
<実装領域>
実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するための領域である。実装領域1aは、
図2に示すように、基板1の中央の領域に区画されている。実装領域1aは、互いに対向する辺を有する所定形状で形成されており、より具体的には、
図2に示すように、角部を丸めた略矩形状に形成されている。なお、実装領域1aのサイズは特に限定されず、発光素子2の数や配列間隔等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0034】
実装領域1aの周囲には、
図2を正面視した場合において、実装領域1aの左側の辺に沿って配線部3bの一部および配線部4bの一部が形成され、実装領域1aの下側の辺に沿って配線部4bの一部が形成され、実装領域1aの右側の辺に沿って中継配線部8が形成されている。なお、ここでの実装領域1aの周囲とは、
図2に示すように、実装領域1aの周縁と所定の間隔を置いた周囲のことを意味している。
【0035】
実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するために基板1上に区画した領域、すなわち基板1と同じ材料で構成された領域としてもよいが、例えば、実装領域1a上に光を反射する金属膜を形成し、当該金属膜を介して複数の発光素子2を配置することが好ましい。このように実装領域1a上に金属膜を形成してその上に複数の発光素子2を配置することで、例えば
図4において、基板1の実装領域1a側に向う光も金属膜によって反射することができる。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0036】
実装領域1a上に形成する金属膜は、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。金属膜の材料としては、めっきができるものであれば特に限定されないが、例えば、Ag(銀)またはAu(金)を用いることが好ましく、特にAgを用いることが好ましい。Auは光を吸収しやすい特性を備えているが、例えばAuめっきの表面にTiO
2膜をさらに形成することで、光反射率を高めることができる。また、AgはAuよりも光反射率が高いため、Au単独でめっきを行うよりも、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。なお、実装領域1a上に形成する金属膜の厚さは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0037】
なお本実施形態では、
図1および
図4に示すように、実装領域1aの上部に後記する封止部材7が充填され、実装領域1a上の複数の発光素子2および、当該複数の発光素子2に接続されたワイヤWが塵芥、水分、外力等から保護される構成となっている。
【0038】
<発光素子>
発光素子2は、電圧を印加することで自発光する半導体素子である。発光素子2は、
図2に示すように、基板1の実装領域1aに複数配置され、当該複数の発光素子2が一体となって発光装置100の発光部20を構成している。なお、発光素子2は、図示しない接合部材によって実装領域1aに接合されており、その接合方法としては、例えば接合部材として樹脂や半田ペーストを用いる接合方法を用いることができる。なお、図示された発光部20は単に発光素子2を載置させる領域を示すものであり、発光部20における発光とは、発光素子2から出される光であることはいうまでもない。
【0039】
発光素子2のそれぞれは、
図3に示すように、矩形状に形成されている。また、発光素子2は、
図3に示すように、その上面の一側にp電極2Aが設けられ、発光素子2の他側にn電極2Bが設けられたフェースアップ(FU)素子である。本実施形態では、発光素子2を載置する実装領域1a上の金属膜と、正極3および負極4を構成する金属部材と、を離間して配置するため、
図3に示すように、p電極2Aとn電極2Bが同一面側に形成された発光素子2を用い、電極形成面と反対側の面を実装領域1a上の金属膜に接着することが好ましい。
【0040】
p電極2Aおよびn電極2Bは、
図3に示すように、電極端子であるpパッド電極2Aaおよびnパッド電極2Baと、発光素子2に投入された電流を全体に拡散させるための補助電極である延伸導電部2Ab,2Bbと、をそれぞれ備えている。なお、発光素子2は少なくともpパッド電極2Aaとnパッド電極2Baが同一面側にあればよく、延伸導電部2Ab,2Bbを設けなくてもよい。また、図示は省略したが、発光素子2は、側面視すると、n型半導体層およびp型半導体層からなる複数の半導体層が積層された構造を有している。
【0041】
発光素子2としては、具体的には発光ダイオードを用いるのが好ましく、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色(波長430nm〜490nmの光)、緑色(波長490nm〜570nmの光)の発光素子2としては、ZnSe、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP等を用いることができる。また、赤色(波長620nm〜750nmの光)の発光素子2としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。
【0042】
また、後記するように、封止部材7(
図1参照)に蛍光物質を導入する場合は、その蛍光物質を効率良く励起できる短波長の発光が可能な窒化物半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いることが好ましい。ただし、発光素子2の成分組成や発光色、サイズ等は上記に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、発光素子2は、可視光領域の光だけではなく、紫外線や赤外線を出力する素子で構成することもできる。また、高出力化のためには、発光素子2の個数は、例えば10個以上、20〜150個の範囲内とすることが好ましい。
【0043】
発光素子2は、
図2に示すように、実装領域1a上において、縦方向および横方向にそれぞれ等間隔で配列されており、ここでは、縦8個×横5個の合計40個配置されている。また、発光素子2は、
図2に示すように、実装領域1aに対して横方向に隣り合う発光素子2同士が導電性のワイヤWによって電気的に接続され、直列接続されている。なお、ここでの直列接続とは、
図2に示すように、隣り合う発光素子2におけるp電極2Aとn電極2BとがワイヤWによって電気的に接続された状態を意味している。
【0044】
発光素子2は、
図2に示すように、正極3の配線部3bと中継配線部8との間においては、複数の発光素子2のp電極2Aが実装領域1aの一方向である左側を向くように、あるいは、複数の発光素子2のn電極2Bが実装領域1aの他方向である右側を向くように配列されている。
【0045】
また、発光素子2は、
図2に示すように、負極4の配線部4bと中継配線部8との間においては、複数の発光素子2のp電極2Aが実装領域1aの他方向である右側を向くように、かつ、複数の発光素子2のn電極2Bが実装領域1aの一方向である左側を向くように、配列されている。すなわち、発光素子2は、
図2を平面視した場合において、上方グループ(領域)と下方のグループ(領域)とにおいて、中継配線部8の中央を境に向きが反転するように配置されている。
【0046】
実施形態に係る発光装置100においては、このように実装領域1aの周囲に沿って中継配線部8を形成し、かつ、当該中継配線部8の中央を境に向きが反転するように発光素子2を配置することで、発光素子2同士を接続する配線が複雑になることなく、実装領域1aの限られた面積内において、直列接続される発光素子2の数を増加させることができる。さらには、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置100を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置100を得ることができる。なお、実施形態に係る発光装置100においては、
図2に示すように、発光素子2が10個直列接続されるとともに、当該直列接続が4列分形成されている。
【0047】
<正極および負極>
正極3および負極4は、基板1上の複数の発光素子2や保護素子5等の電子部品と、図示しない外部電源とを電気的に接続し、これらの電子部品に対して外部電源からの電圧を印加するためのものである。すなわち、正極3および負極4は、外部から通電させるための電極、またはその一部としての役割を担うものである。
【0048】
正極3および負極4は、
図2に示すように、基板1上の金属部材で構成されている。正極3および負極4は、
図2に示すように略矩形状のパッド部(給電部)3a,4aと、線状の配線部3b,4bと、を有しており、パッド部3a,4aに印加された電圧が配線部3b,4bを介して複数の発光素子2からなる発光部20へと印加されるように構成されている。なお、負極4の配線部4bには、
図2に示すように、カソードであることを示すカソードマークCMが形成されている。
【0049】
パッド部3a,4aは、外部電源からの電圧が印加されるためのものである。パッド部3a,4aは、
図2に示すように、基板1上の角部における対角線の位置に、一対で形成されている。そして、パッド部3a,4aは、導電性のワイヤWによって、図示しない外部電源と電気的に接続されている。
【0050】
配線部3b,4bは、外部電源からパッド部3a,4aに印加された電圧を、実装領域1a上の発光素子2へと伝達するためのものである。配線部3b,4bは、
図2に示すように、パッド部3a,4aから延出するように形成されるとともに、実装領域1aの周囲に略L字状で形成されている。
【0051】
配線部3bの一端部と、配線部4bの一端部とは、
図2に示すように、実装領域1aの周囲において互いに隣り合うように形成されている。このように、正極3および負極4の配線部3b,4bを実装領域1aの周囲に沿って形成し、かつ、その一端部を隣り合わせて形成することで、発光装置100のように複数の発光素子2を基板1上に配置した場合であっても、後記する保護素子5を適切な位置に配置することができる。従って、正負両電極間の電圧がツェナー電圧以上となることを防止することができ、過大な電圧が印加されることによる発光素子2の素子破壊や性能劣化の発生を適切に防止することができる。
【0052】
配線部3b,4bは、より具体的には、
図2に示す略矩形状の実装領域1aの一辺の範囲内において、その一端部が互いに隣り合うように形成されることが好ましい。このように、実装領域1aの一辺の範囲内で隣り合うように配線部3b,4bを形成することで、配線部3b,4bと発光素子2とを電気的に接続するためのワイヤWの設置面積を確保することができる。そのため、配線部3b,4bと接続する発光素子2の数、すなわち直列接続の始点および終点となる発光素子2の数を増やすことができ、実装領域1a上における発光素子2の直列接続の列数を増加させることができる。そして、このように直列接続の列数を増加させることで、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置100を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置100を得ることができる。
【0053】
なお、配線部3b,4bは、
図2に示す略矩形状の実装領域1aの一辺の範囲内における中間地点において、その一端部が互いに隣り合うように形成されることがより好ましい。これにより、
図2に示すように、配線部3bおよび中継配線部8間における直列接続の列数と、配線部4bと中継配線部8間における直列接続の列数を揃えることができるため、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置100を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置100を得ることができる。
【0054】
正極3および負極4を構成する金属部材の素材は、Auを用いることが好ましい。これは、後記するように、ワイヤWの材料として熱伝導性が向上したAuを用いた場合に、同素材であるワイヤWを強固に接合することができるためである。
【0055】
正極3および負極4を構成する金属部材の形成方法としては、前記した実装領域1a上の金属膜の形成方法と同様に、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。なお、正極3および負極4を構成する金属部材の厚さは特に限定されず、ワイヤWの数等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0056】
ここで、配線部3b,4bの一部は、
図1および
図2に示すように、後記する光反射樹脂6によって覆われている。そのため、配線部3b,4bを、前記したように光を吸収しやすいAuで形成した場合であっても、発光素子2から出射された光が配線部3b,4bには到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0057】
さらに、配線部3b,4bの一部を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該ワイヤWを塵芥、水分、外力等から保護することができる。なお、ここでの配線部3b,4bの一部とは、
図2に示すように、配線部3b,4bのうちで、実装領域1aの周囲であって、実装領域1aの辺に沿って形成された部分のことを意味している。
【0058】
このように発光装置100は、正極3および負極4および中継配線部8を、実装領域1aの周囲に沿って設け、正極3および負極4および中継配線部8と実装領域1aとを、基板1上で離間して設ける。このように構成することで、発光装置100は、正極3、負極4、中継配線部8においてはワイヤWを強固に接合できる素材(例えばAu)を用い、実装領域1aには光反射率の高い素材(Ag)を用いることが、それぞれにおいて可能になるため、光取り出し効率の向上した信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0059】
<保護素子>
保護素子5は、複数の発光素子2からなる発光部20を、過大な電圧印加による素子破壊や性能劣化から保護するための素子である。保護素子5は、
図2に示すように、正極3の配線部3bの一端部に配置され、負極4の配線部4bの一端部とワイヤWで接続される。ただし、保護素子5は、負極4の配線部4bの一端部に配置され、正極3の配線部3bの一端部とワイヤWで接続されていてもよい。
【0060】
保護素子5は、具体的には、規定電圧以上の電圧が印加されると通電状態になるツェナーダイオード(Zener Diode)で構成される。保護素子5は、図示は省略したが、前記した発光素子2と同様にp電極とn電極とを有する半導体素子であり、発光素子2のp電極2Aとn電極2Bに対して逆並列となるように、ワイヤWによって負極4の配線部4bと電気的に接続される。なお、保護素子5が配置された場所の近傍には発光素子2を配置することができない。従って、保護素子5に最も近い4行1列目の発光素子2は、
図2に示すように、保護素子5が配置された領域から離れた場所にワイヤWによって接続される。
【0061】
この保護素子5があることにより、正極3と負極4との間に過大な電圧が印加されてその電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧を超えたとしても、発光素子2の正負両電極間がツェナー電圧に保持され、このツェナー電圧以上になることがない。従って、保護素子5を備えることによって、正負両電極間の電圧がツェナー電圧以上となることを防止することができ、過大な電圧が印加されることによる発光素子2の素子破壊や性能劣化の発生を適切に防止することができる。
【0062】
保護素子5は、
図2に示すように、後記する光反射樹脂6によって覆われている。従って、保護素子5および保護素子5に接続されるワイヤWが、塵芥、水分、外力等から保護される。なお、保護素子5のサイズは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0063】
<光反射樹脂>
光反射樹脂6は、発光素子2から出射された光を反射させるためのものである。光反射樹脂6は、
図2に示すように、配線部3b,4bの一部、中継配線部8、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを覆うように形成される。そのため、配線部3b,4b、中継配線部8およびワイヤWを、前記あるいは後記したように光を吸収しやすいAuで形成した場合であっても、発光素子2から出射された光が配線部3b,4b、中継配線部8およびワイヤWには到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、配線部3b,4bの一部、中継配線部8、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを光反射樹脂6によって覆うことによって、これらの部材を塵芥、水分、外力等から保護することができる。
【0064】
光反射樹脂6は、
図1および
図2に示すように、基板1上において発光部20が形成された実装領域1aを囲うように四角枠状に形成されることが好ましい。このように実装領域1aの周囲を囲うように光反射樹脂6を形成することで、例えば
図4の左右両側に配置された発光素子2から出射された光のように、基板1の実装領域1aの周囲に向う光も光反射樹脂6によって反射することができる。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0065】
また、光反射樹脂6は、
図2に示すように、実装領域1aの周縁となる領域の一部を覆うように形成することが好ましい。このように、実装領域1aの周縁の一部を覆うように光反射樹脂6を形成することで、配線部3b,4bと実装領域1a上の金属膜との間に基板1が露出した領域が形成されることがなくなる。従って、発光素子2から出射された光を、光反射樹脂6が形成された内部の領域において全て反射させることができるため、出射光のロスを最大限軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率をより向上させることができる。
【0066】
光反射樹脂6の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコン樹脂などが挙げられる。また、これらの母体となる樹脂に、発光素子2からの光を吸収しにくく、かつ母体となる樹脂に対する屈折率差の大きい反射部材(例えばTiO
2,Al
2O
3,ZrO
2,MgO)等の粉末を分散することで、効率よく光を反射させることができる。なお、光反射樹脂6のサイズは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。また、光反射樹脂6の位置に、樹脂と異なる材料からなる光反射部材を形成することもできる。
【0067】
<封止部材>
封止部材7は、基板1に配置された発光素子2、保護素子5およびワイヤW等を、塵芥、水分、外力等から保護するための部材である。封止部材7は、
図1、
図2および
図4に示すように、基板1上において、光反射樹脂6で囲った実装領域1a内に樹脂を充填することで形成される。
【0068】
封止部材7の材料としては、発光素子2からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。また、このような材料に加えて、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー、蛍光部材等を含有させることもできる。
【0069】
なお、封止部材7は、単一の部材で形成することもできるし、あるいは、2層以上の複数の層として形成することもできる。また、封止部材7の充填量は、光反射樹脂6で囲った実装領域1a内に配置される発光素子2、保護素子5、ワイヤW等が被覆される量であればよい。また、封止部材7にレンズ機能をもたせる場合は、封止部材7の表面を盛り上がらせて砲弾型形状や凸レンズ形状としてもよい。
【0070】
<蛍光部材>
封止部材7中に、波長変換部材として発光素子2からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光部材を含有させることもできる。蛍光部材としては、発光素子2からの光をより長波長に変換させるものが好ましい。また、蛍光部材は1種の蛍光物質等を単層で形成してもよいし、2種以上の蛍光物質等が混合されたものを単層として形成してもよい。あるいは、1種の蛍光物質等を含有する単層を2層以上積層させてもよいし、2種以上の蛍光物質等がそれぞれ混合された単層を2層以上積層させてもよい。
【0071】
蛍光部材の材料としては、例えばイットリウム、アルミニウムおよびガーネットを混合したYAG系蛍光体、Eu,Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される、窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体を用いることができる。
【0072】
<中継配線部>
中継配線部8は、正極3と負極4の間における配線を中継するためのものである。中継配線部8は、
図2に示すように、基板1上の金属部材で構成されている。中継配線部8は、
図2に示すように、実装領域1aの周囲において、当該実装領域1aの一辺、すなわち右側の辺に沿って直線状に形成されている。
【0073】
中継配線部8は、
図2に示すように、光反射樹脂6によって覆われている。そのため、後記するように、中継配線部8を構成する金属部材として光を吸収しやすいAuを用いた場合であっても、発光素子2から出射された光は中継配線部8には到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、中継配線部8を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該中継配線部8を塵芥、水分、外力等から保護することができる。
【0074】
中継配線部8を構成する金属部材の素材は、正極3および負極4と同様に、Auを用いることが好ましい。これは、後記するように、ワイヤWの材料として熱伝導性が向上したAuを用いた場合に、同素材であるワイヤWを強固に接合することができるためである。
【0075】
中継配線部8を構成する金属部材の形成方法としては、正極3および負極4と同様に、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。なお、中継配線部8を構成する金属部材の厚さは特に限定されず、ワイヤWの数等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0076】
実施形態に係る発光装置100においては、このように実装領域1aの周囲に沿って中継配線部8を形成し、かつ、当該中継配線部8を境に向きが反転するように発光素子2を配置することで、発光素子2同士を接続する配線が複雑になることなく、実装領域1aの限られた面積内において、直列接続される発光素子2の数を増加させることができる。さらには、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置100を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置100を得ることができる。
【0077】
<ワイヤ>
ワイヤWは、発光素子2や保護素子5等の電子部品と、正極3、負極4および中継配線部8等を電気的に接続するための導電性の配線である。ワイヤWの材料としては、Au、Cu(銅)、Pt(白金)、Al(アルミニウム)等の金属、および、それらの合金を用いたものが挙げられるが、特に、熱伝導率等に優れたAuを用いるのが好ましい。なお、ワイヤWの径は特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0078】
ここで、ワイヤWと、正極3、負極4および中継配線部8との接続部分は、
図2に示すように、光反射樹脂6によって覆われている。そのため、前記したように、ワイヤWを構成する材料として光を吸収しやすいAuを用いた場合であっても、発光素子2から出射された光はワイヤWには吸収されずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、ワイヤWと、正極3、負極4および中継配線部8との接続部分を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該ワイヤWを塵芥、水分、外力等から保護することができる。なお、発光装置100から取り出される光とは、
図1または
図4に示されるように、光反
射樹脂6に囲まれた封止部材7の表面から取り出される光である。つまり発光装置100でみて、封止部材7の表面が発光面となる。
【0079】
[発光装置の動作]
以上説明した発光装置100によれば、発光装置100を駆動した時に、発光素子2からあらゆる方向に進む光のうち、上方に進む光は発光装置100の上方の外部に取り出される。また、下方や横方向等に進む光は、基板1の実装領域1aにおける底面や側面で反射して、発光装置100の上方に取り出されることになる。この時、基板1の底面、すなわち実装領域1aには好ましくは金属膜が被覆され、実装領域1aの周囲には光反射樹脂6が形成されているため、この部位による光の吸収が抑制されるとともに、金属膜や光反射樹脂6により光が反射される。これにより、発光素子2からの光が効率良く取り出される。また、発光装置100は、中継配線部8により直列接続される発光素子2の数を増加させることができるため、一定の輝度に対して消費電力を向上させる、あるいは、一定の消費電力に対して発光効率を向上させることができる。
【0080】
[発光装置の製造方法]
次に、本発明の第1の実施形態に係る発光装置100の製造方法について、簡単に説明する。発光装置100の製造方法は、基板作製工程と、めっき工程と、ダイボンディング工程と、ワイヤボンディング工程と、光反射樹脂形成工程と、を含む。また、光反射樹脂形成工程の後に、封止部材充填工程を含んでもよい。さらにここでは、保護素子接合工程を含む。以下、各工程について説明する。なお、発光装置100の構成については前記説明した通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0081】
<基板作製工程>
基板作製工程は、めっき用配線が形成された基板1を作製する工程である。基板作製工程では、基板1上の実装領域1aや、正極3および負極4となる部位を所定の形状にパターニングすることで形成する。また、基板作製工程では、電解めっきによって基板1上の実装領域1aに金属膜を形成するためのめっき用配線を形成する。
【0082】
<めっき工程>
めっき工程は、前記めっき配線が形成された基板1上に、少なくとも正極3および負極4を構成する金属部材を形成する工程であり、好ましくは無電解めっきにより正極3および負極4を構成する金属部材を形成するとともに、基板1上の実装領域1a上に、電解めっきにより金属膜を形成する工程である。また、中継配線部8を設ける場合、正極3および負極4と同様の工程で金属部材が形成される。
【0083】
めっきの具体的な方法としては、正極3および負極4と実装領域1a上の金属膜の両方にAuめっきを行う方法、正極3および負極4のみにAuめっきを行い、実装領域1a上の金属膜を形成しない方法、正極3および負極4にAuめっきを行い、実装領域1a上にAgめっきを行う方法、等が挙げられる。また、実装領域1a上には、AuめっきやAgめっきを行う場合はAuまたはAgの表面に、まためっきを行わない場合は直接基板1表面に、さらにTiO
2膜を形成することが好ましい。
【0084】
<ダイボンディング工程>
ダイボンディング工程は、前記金属膜上に発光素子2を載置する工程である。ダイボンディング工程は、実装領域1a上の金属膜に、接合部材を介して、発光素子2を載置する発光素子載置工程と、発光素子2を載置した後に、接合部材を加熱し、発光素子2を実装領域1a上の金属膜上に接合する加熱工程と、を行う。
【0085】
<保護素子接合工程>
保護素子接合工程は、前記正極3の配線部3b上に保護素子5を載置して接合する工程である。保護素子5を載置、接合する方法は、前記ダイボンディング工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0086】
<ワイヤボンディング工程>
ワイヤボンディング工程は、前記ダイボンディング工程の後に、金属部材の正極3の配線部3bと、発光素子2上部にあるpパッド電極2Aaとを、ワイヤWで電気的に接続する工程である。同じく、発光素子2上部にあるnパッド電極2Baと、金属部材の負極4の配線部4bと、をワイヤWで電気的に接続する工程である。さらに、この工程では、複数の発光素子2をそれぞれpパッド電極2Aaおよびnパッド電極2Baを介して接続する。また、保護素子5と負極4との電気的な接続もこの工程で行えばよい。すなわち、保護素子5のn電極と、負極4の配線部4bとをワイヤWで接続する。なお、ワイヤWの接続方法は、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法で行えばよい。
【0087】
<光反射樹脂形成工程>
光反射樹脂形成工程は、前記ワイヤボンディング工程の後に、前記実装領域1aの周縁に沿って、少なくとも配線部3b,4bの一部および中継配線部8を覆うように光反射樹脂6を形成する工程である。光反射樹脂6の形成は、例えば、固定された基板1の上側において、基板1に対して上下方向あるいは水平方向などに移動(可動)させることができる樹脂吐出装置を用いて行うことができる(特開2009−182307号公報参照)。
【0088】
<封止部材充填工程>
封止部材充填工程は、前記光反射樹脂6の内側に、前記発光素子2および前記金属膜を被覆する透光性の封止部材7を充填する工程である。すなわち、発光素子2、保護素子5、実装領域1a上の金属膜およびワイヤW等を被覆する封止部材7を、基板1上に形成された光反射樹脂6からなる壁部の内部に溶融樹脂を注入し、その後加熱や光照射等によって硬化する工程である。
【0089】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る発光装置101について、
図5を参照しながら詳細に説明する。発光装置101は、
図5に示すように、ワイヤWの配線状態以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、発光装置101は、前記した発光装置100と、全体構成(
図1)および発光素子の構成(
図3)が同じであるため、これらについても説明を省略する。
【0090】
発光装置101は、
図5に示すように、実装領域1aに対して横方向および縦方向に隣り合う発光素子2同士が導電性のワイヤWによって電気的に接続され、直列接続および並列接続されている。なお、ここでの並列接続とは、
図5に示すように、隣り合う発光素子2におけるp電極2A同士またはn電極2B同士がワイヤWによって電気的に接続された状態を意味している。
【0091】
このように、複数の発光素子2同士を直列のみならず並列に接続することで、仮に複数の発光素子2ごとの順方向降下電圧(以下、V
fという)にばらつきがある場合であっても、そのV
fのばらつきを解消することができる。なお、V
fとは、発光ダイオードに対して順方向に電流を流すために必要な電圧、すなわち発光ダイオードが光を照射するために必要な電圧のことをいう。
【0092】
ここで、複数の発光素子2ごとのV
fのばらつきがあると、V
fの低い発光素子2に電流が流れやすくなり、発光素子2間に出力の違いが生じて発光ムラが発生しやすい。そこで、前記したように、複数の発光素子2同士を並列接続することにより、並列接続された発光素子2間のV
fのばらつきによる各発光素子2の出力差を軽減することができ、発光ムラを抑制することができる。
【0093】
なお、前記したように複数の発光素子2を並列接続する場合は、
図5に示すように、複数の発光素子2のうち、配線部3b,4bおよび中継配線部8と直接接続される発光素子2同士は、並列接続を行わないことが好ましい。すなわち、発光装置101においては、配線部3bと直接接続される実装領域1a上の1行1列目、2行1列目の発光素子2のp電極2A、配線部4bと直接接続される実装領域1a上の7行1列目、8行1列目の発光素子2のn電極2B、中継配線部8と直接接続される1行5列目、2行5列目、3行5列目、4行5列目のn電極2B、中継配線部8と直接接続される5行5列目、6行5列目、7行5列目、8行5列目のp電極2Aは、並列接続されていない。これにより、ワイヤWによってかかる負荷を軽減することができる。
【0094】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る発光装置102について、
図6を参照しながら詳細に説明する。発光装置102は、
図6に示すように、配線部3b,4bの形状とワイヤWの配線状態以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、発光装置102は、前記した発光装置100と、全体構成(
図1)および発光素子の構成(
図3)が同じであるため、これらについても説明を省略する。
【0095】
発光装置102は、
図6に示すように、配線部3b,4bの一端部が、略矩形状の実装領域1aの角部において、互いに隣り合うように形成されている。すなわち、配線部3bは、パッド部3aから実装領域1aの角部まで延出するように略L字状に形成されている。また、配線部4bは、パッド部4aから実装領域1aの角部まで延出するように直線状に形成されている。
【0096】
このような構成を備える発光装置102は、実装領域1aの周囲に沿って中継配線部8を形成し、かつ、当該中継配線部8を境に向きが反転するように発光素子2を配置することで、実装領域1aの限られた面積内において、発光素子2同士を接続する配線が複雑になることなく、直列接続される発光素子2の数を増加させることができる。さらには、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置100を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置100を得ることができる。また、複数の発光素子2同士を直列のみならず並列に接続することで、仮に複数の発光素子2ごとのV
fにばらつきがある場合であっても、そのV
fのばらつきを解消することができる。
【0097】
[第4実施形態]
第4実施形態に係る発光装置103について、
図7を参照しながら詳細に説明する。発光装置103は、
図7に示すように、配線部4bの形状とワイヤWの配線状態以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、発光装置103は、前記した発光装置100と、全体構成(
図1)および発光素子の構成(
図3)が同じであるため、これらについても説明を省略する。
【0098】
発光装置103は、
図7に示すように、配線部3bの一端部と、配線部4bの一端部とが、実装領域1aの周囲において互いに隣り合うように形成されている。また、正極3および負極4と独立した中継配線部8がなく、実装領域1aの周囲であって、かつ、当該実装領域1aの一辺である右側の辺に沿って、負極4の配線部4bを延出させている。
【0099】
このような構成を備える発光装置103は、正極3および負極4の配線部3b,4bを実装領域1aの周囲に沿って形成し、かつ、その一端部を隣り合わせて形成することで、発光装置103のように複数の発光素子2を基板1上に配置した場合であっても、後記する保護素子5を適切な位置に配置することができる。従って、正負両電極間の電圧がツェナー電圧以上となることを防止することができ、過大な電圧が印加されることによる発光素子2の素子破壊や性能劣化の発生を適切に防止することができる。
【0100】
[第5実施形態]
第5実施形態に係る発光装置104について、
図8を参照しながら詳細に説明する。発光装置104は、
図8に示すように、ワイヤWの配線状態以外は、前記した第2実施形態に係る発光装置101と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置101と重複する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、発光装置104は、前記した発光装置101と、全体構成(
図1)および発光素子の構成(
図3)が同じであるため、これらについても説明を省略する。
【0101】
発光装置104は、
図8に示すように、配線部3bおよび中継配線部8を繋ぐ配線と、配線部4bおよび中継配線部8を繋ぐ配線と、がそれぞれはしご状配線(ラダー配線)で構成されている。このような構成を備える発光装置104は、複数の発光素子2同士を直列のみならず並列に接続することで、複数の発光素子2ごとのV
fのばらつきを解消することができる。
【0102】
[第6実施形態]
第6実施形態に係る発光装置105について、
図9を参照しながら詳細に説明する。発光装置105は、
図9に示すように、実装領域1aの形状および配線部3b,4bの形状以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100とほぼ同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、発光装置105は、前記した発光装置100と、発光素子の構成(
図3)が同じであるため、これらについても説明を省略する。
【0103】
発光装置105は、発光装置100では略矩形状に形成された実装領域1aが、
図9に示すように、円形状に形成されている。この円形状の実装領域1aには、
図9に示すように、複数の発光素子2が縦方向および横方向にそれぞれ等間隔で配列されている。また、複数の発光素子2は、
図9に示すように、ここでは、縦方向に最大で10個、最小で3個配置されるとともに、横方向に最大で14個、最小で6個配置され、合計110個配置されている。また、正極3および負極4の配線部3b,4bは、
図9に示すように、当該円形状の実装領域の周囲に沿って形成され、それぞれの一端部が互いに隣り合うように形成されている。
【0104】
光反射樹脂6は、
基板1上において発光部20が形成された実装領域1aを囲うように円状に形成されている。また、光反射樹脂6は、配線部3b,4bの一部、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを覆うように形成されている。なお、符号AMはパッド部3aが正極3であることを示すアノードマーク、符号30は、実装領域上に形成された金属膜、符号70は、発光素子2のボンディング位置を認識するための認識マーク、符号80は発光装置104の温度計測ポイントであり、これらもめっき等により形成される。
【0105】
このような構成を備える発光装置105は、正極3および負極4の配線部3b,4bを円形状の実装領域1aの周囲に沿って形成し、かつ、その一端部を隣り合わせて形成することで、発光装置105のように複数の発光素子2を基板1上における円形状の実装領域1aに配置した場合であっても、前記した保護素子5を適切な位置に配置することができる。従って、発光装置105は、正負両電極間の電圧がツェナー電圧以上となることを防止することができ、過大な電圧が印加されることによる発光素子2の素子破壊や性能劣化の発生を適切に防止することができる。
【0106】
以上、本発明に係る発光装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。