(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769356
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】中間像を有するカタジオプトリック投影対物レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 17/08 20060101AFI20150806BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20150806BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
G02B17/08 A
G02B13/18
H01L21/30 515D
【請求項の数】52
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2007-517043(P2007-517043)
(86)(22)【出願日】2005年5月13日
(65)【公表番号】特表2007-538277(P2007-538277A)
(43)【公表日】2007年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2005005250
(87)【国際公開番号】WO2005111689
(87)【国際公開日】20051124
【審査請求日】2008年4月11日
【審判番号】不服2013-23478(P2013-23478/J1)
【審判請求日】2013年11月29日
(31)【優先権主張番号】60/571,533
(32)【優先日】2004年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】アウレリアン ドドック
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルム ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー エップル
【合議体】
【審判長】
西村 仁志
【審判官】
清水 康司
【審判官】
鉄 豊郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第01/65296(WO,A1)
【文献】
特開2003−43362(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0185269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B13/18,17/08
H01L21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;
前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、
前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり、
前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させる第1の折曲鏡と、前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第2の折曲鏡とが設けられ;
正の屈折力を有するフィールドレンズが、前記第1の折曲鏡及び前記第2の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は,前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は,光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線であるカタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項2】
前記フィールドレンズは、単レンズである請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項3】
前記フィールドレンズは、前記凹面鏡より前記第1の折曲鏡に接近して配置される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項4】
前記フィールドレンズの第1のレンズ部分が前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間のビーム路内に配置されるとともに、該フィールドレンズの第2のレンズ部分が前記凹面鏡と前記第2の折曲鏡との間のビーム路内に配置される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項5】
NA>0.85の像側開口数と、A≦10mmの像側作動距離とを有する請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項6】
前記像側作動距離は、1mm〜8mmの範囲内である請求項5に記載の投影対物レンズ。
【請求項7】
1より大きい屈折率を有する浸漬媒質が、動作時において自身の出射面と基板の入力結合面との間に導入されるような浸漬対物レンズの形態をとる請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項8】
前記浸漬媒質は、投影対物レンズの動作波長においてnI≧1.3の屈折率を有する請求項7に記載の投影対物レンズ。
【請求項9】
前記浸漬媒質とともにNA>1の像側開口数を有する請求項7に記載の投影対物レンズ。
【請求項10】
前記開口数は、NA≧1.1である請求項9に記載の投影対物レンズ。
【請求項11】
全ての前記中間実像は、折曲鏡からある距離をおいて配置される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項12】
前記第3の対物レンズ部分は、屈折性である請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項13】
前記第3の対物レンズ部分は、前記第2の中間実像の後に配置されるとともに正の屈折力を有する第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに負の屈折力を有する第2のレンズ群と、前記第2のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに正の屈折力を有する第3のレンズ群と、前記第3のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに正の屈折力を有する第4のレンズ群と、前記第3のレンズ群から前記第4のレンズ群までの遷移領域内に配置されるシステム絞りとを有する請求項12に記載の投影対物レンズ。
【請求項14】
前記第3のレンズ群は、前記第2のレンズ群と前記第3のレンズ群との間において周辺光線高さの変曲点に近接して配置される入射面を有し、いかなる実質的な屈折力を有する負レンズも該入射面と前記システム絞りとの間に配置されない請求項13に記載の投影対物レンズ。
【請求項15】
正レンズのみが、前記入射面と前記像平面との間に配置される請求項14に記載の投影対物レンズ。
【請求項16】
前記像平面のすぐ上流の自身の最後の光学素子は、フッ化カルシウムにより、曲面状の入射面と本質的に平面状の出射面とを有して構成される平凸レンズである請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項17】
前記第1の折曲鏡が、前記第1の対物レンズ部分内に設けられて、前記第1の対物レンズ部分内において光軸が少なくとも1回折り曲げられるようになっている請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項18】
前記フィールドレンズが前記第1の折曲鏡と前記第1の中間実像との間に配置されるよう、前記第1の対物レンズ部分内において前記第1の折曲鏡が配置され、
前記フィールドレンズが前記第2の折曲鏡と前記第2の中間実像との間に配置されるよう、前記第3の対物レンズ部分内において、前記第2の折曲鏡が配置される、請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項19】
前記第1及び第2の対物レンズ部分は、反射屈折性であり、各々が1個の凹面鏡を有する請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項20】
前記第1の対物レンズ部分は、凹面鏡と前記第1の折曲鏡として用いられる折曲鏡とを有するカタジオプトリック対物レンズ部分である請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項21】
前記第1の対物レンズ部分は、凹面鏡と、前記第1の折曲鏡として用いられるとともに前記第1の対物レンズ部分の前記凹面鏡へと進む放射を前記凹面鏡から反射される放射から分離させる偏光選択ビーム分割面を有する物理的ビームスプリッターとを有するカタジオプトリック対物レンズ部分である請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項22】
前記第1及び第2の折曲鏡は、前記物体平面から前記凹面鏡へと進む第1のビーム部分と前記凹面鏡から前記像平面へと進む第2のビーム部分とが生じしめられるような態様に構成され、前記第1のビーム部分が、前記第1の折曲鏡上において折り曲げられるとともに、前記第2のビーム部分は、いかなる口径食も生じることなく前記第1の折曲鏡を通過するような態様に構成され、前記第1のビーム部分と前記第2のビーム部分とは、交差領域内において交差する請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項23】
前記第2の対物レンズ部分は、前記凹面鏡と、前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡へと偏向させる、前記第1の折曲鏡とを有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり、
前記第2の折曲鏡が、前記凹面鏡から反射される放射を前記像平面へと偏向させ、前記第2の折曲鏡は、少なくとも部分的に、前記光軸の方向に前記物体平面と前記第1の折曲鏡との間において配置される軸方向領域内に幾何学的に配置される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項24】
120nm〜260nmの波長範囲の紫外光用に設計される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項25】
照明システムと、自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させるカタジオプトリック投影対物レンズとを有するマイクロリソグラフィー用投影露光システムにおいて:
前記投影対物レンズは、請求項1に記載のように設計される投影露光システム。
【請求項26】
半導体構成品およびその他の微細構造素子を製造する方法において:
所定のパターンを有するマスクをカタジオプトリック投影対物レンズの物体平面の領域内に配置する段階と;
所定の波長の紫外光を用いて前記マスクを照明する段階と;
請求項1に記載のカタジオプトリック投影対物レンズを利用して、前記パターンの像を投影対物レンズの像平面の領域内に配置される感光基板上に投影する段階とからなる方法。
【請求項27】
半導体構成品およびその他の微細構造素子を製造する方法において:
所定のパターンを有するマスクをカタジオプトリック投影対物レンズの物体平面の領域内に配置する段階と;
所定の波長の紫外光を用いて前記マスクを照明する段階と;
請求項1に記載のカタジオプトリック投影対物レンズを利用して、前記パターンの像を投影対物レンズの像平面の領域内に配置される感光基板上に投影する段階とからなり、
投影時において、ビームは、前記投影対物レンズの最後の光学素子と前記基板との間に配置される浸漬媒質を通過する方法。
【請求項28】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;
前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、
前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり;
前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させる第1の折曲鏡と、前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第2の折曲鏡とが設けられ;
NA>0.85の像側開口数を有し、
正の屈折力を有するフィールドレンズが、前記第1の折曲鏡及び前記第2の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は,前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は,光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線であるカタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項29】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;
前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、
前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり;
前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させる第1の折曲鏡と、前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第2の折曲鏡とが設けられ;
前記第1および第2の折曲鏡は、前記物体平面から前記凹面鏡へと進む第1のビーム部分と、前記凹面鏡から前記像平面へと進む第2のビーム部分とが生じしめられる態様に構成され、一方の折曲鏡は、前記凹面鏡に対して、一方の前記ビーム部分が、前記折曲鏡上において折り曲げられるとともに、他方のビーム部分は、いかなる口径食も生じることなく前記折曲鏡を通過するような態様に構成され、前記第1のビーム部分と前記第2のビーム部分とは、交差領域内において交差し、
正の屈折力を有するフィールドレンズが、前記第1の折曲鏡及び前記第2の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は,前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第2の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は,光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線であるカタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項30】
NA>0.85の像側開口数を有する請求項29に記載の投影対物レンズ。
【請求項31】
側方軸偏移AOは、前記第1の対物レンズ部分により形成される第1の光軸部分と前記第3の対物レンズ部分により形成されるとともに前記第1の光軸部分に対して平行に整合する第3の光軸部分との間において定義され、
物体像シフト(OIS)は、前記第1の光軸部分に対して平行に有効物体フィールドの中心を通って延在する物体フィールド中心軸と、前記第2の光軸部分に対して平行に有効像フィールドの中心を通って延在する像フィールド中心軸との間における側方距離として定義され、
有限物体中心高さhは、有効物体フィールドの前記物体フィールド中心と前記第1の光軸部分との間における側方距離として定義され、
倍率βを有し、
0≦OIS≦|h・(1+|β|)|
の条件が成り立つ請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項32】
OIS=0の条件が成り立つ請求項31に記載の投影対物レンズ。
【請求項33】
前記フィールドレンズの屈折力および位置は、前記第1の中間実像における第1の主光線方向余弦CRA1に関して:
|CRA1|<|β1*(YOB)/(LHOA)|
の関係が成り立ち、ここで、β1は、前記第1の対物レンズ部分の倍率であり、YOBは、主光線が考慮される最外側フィールド点の物体高さであり、LHOAは、前記第1の中間実像から前記凹面鏡までの幾何学的距離(水平軸の長さ)である請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項34】
前記第1の対物レンズ部分の第1の軸方向長さAL1は、前記第3の対物レンズ部分の第3の軸方向長さAL3より小さく、前記軸方向長さAL1は、前記物体平面と、前記光軸と前記第1の折曲鏡との交点との間において測定され、前記軸方向長さAL3は、前記光軸と前記第2の折曲鏡との交点と、前記像平面との間において測定される請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項35】
AL1/AL3<0.9の条件が成り立つ請求項34に記載の投影対物レンズ。
【請求項36】
中間実像は、近軸中間実像の位置と周辺光線中間実像の軸方向位置との間において形成される中間実像空間内において軸方向に延在し、いかなる光学面も前記中間実像空間内に配置されない請求項1に記載の投影対物レンズ。
【請求項37】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;
前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、
前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり;
前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させるか、または前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第1の折曲鏡が設けられ;
正の屈折力を有するフィールドレンズが,前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、または、ビームが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は、前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第3の対物レンズへ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、または、前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は、光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線であるカタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項38】
前記フィールドレンズの第1のレンズ部分が前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間のビーム路内に配置されるとともに、該フィールドレンズの第2のレンズ部分が前記凹面鏡と前記第3の対物レンズ部分との間のビーム路内に配置されるか、該フィールドレンズの第1のレンズ部分が前記第1の対物レンズ部分と前記凹面鏡との間のビーム路内に配置されるとともに、該フィールドレンズの第2のレンズ部分が前記凹面鏡と前記第1の折曲鏡との間のビーム路内に配置される請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項39】
側方軸偏移AOは、前記第1の対物レンズ部分により形成される第1の光軸部分と前記第3の対物レンズ部分により形成されるとともに前記第1の光軸部分に対して平行に整合する第3の光軸部分との間において定義され、
物体像シフト(OIS)は、前記第1の光軸部分に対して平行に有効物体フィールドの中心を通って延在する物体フィールド中心軸と、前記第2の光軸部分に対して平行に有効像フィールドの中心を通って延在する像フィールド中心軸との間における側方距離として定義され、
有限物体中心高さhは、有効物体フィールドの前記物体フィールド中心と前記第1の光軸部分との間における側方距離として定義され、
倍率βを有し、
0≦OIS≦|h・(1+|β|)|
の条件が成り立つ請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項40】
前記フィールドレンズの屈折力および位置は、前記第1の中間実像における第1の主光線方向余弦CRA1に関して:
|CRA1|<|β1*(YOB)/(LHOA)|
の関係が成り立ち、ここで、β1は、前記第1の対物レンズ部分の倍率であり、YOBは、主光線が考慮される最外側フィールド点の物体高さであり、LHOAは、前記第1の中間実像から前記凹面鏡までの幾何学的距離(水平軸の長さ)である請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項41】
最大レンズ直径Dmaxと、最大像フィールド高さY´と、像側開口数NAと、NL個のレンズと、前記第1,第2の中間実像で連結されるNOP=3個の結像対物レンズ部分とを有し;
COMP1=Dmax/(Y´・NA2)
COMP2=Dmax・NL/(Y´・NA2)
COMP3=Dmax・NL/(NOP・Y´・NA2)
であり、
(1)COMP1<11
(2)COMP2<340
(3)COMP3<110
の少なくとも1つの条件が満たされる請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項42】
COMP1<11かつCOMP2<340である請求項41に記載の投影対物レンズ。
【請求項43】
前記凹面鏡は、鏡直径DMを有し、投影対物レンズは、最大レンズ直径Dmaxを有し、DM<0.75*Dmaxの条件が成り立つ請求項37に記載の投影対物レンズ。
【請求項44】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分であって、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分である第2の対物レンズ部分と;
前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分と;
前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させるか、または前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第1の折曲鏡とを有し、
側方軸偏移AOは、前記第1の対物レンズ部分により形成される第1の光軸部分と前記第2の対物レンズ部分により形成されるとともに前記第1の光軸部分に対して平行に整合する第2の光軸部分との間において定義され、
物体像シフト(OIS)は、前記第1の光軸部分に対して平行に有効物体フィールドの中心を通って延在する物体フィールド中心軸と、前記第2の光軸部分に対して平行に有効像フィールドの中心を通って延在する像フィールド中心軸との間における側方距離として定義され、
有限物体中心高さhは、有効物体フィールドの前記物体フィールド中心と前記第1の光軸部分との間における側方距離として定義され、
倍率βを有し、
0≦OIS≦|h・(1+|β|)|
の条件が成り立ち、
正の屈折力を有するフィールドレンズが,前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、または、ビームが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は、前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第3の対物レンズへ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、または、前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は、光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線であるカタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項45】
前記フィールドレンズの屈折力および位置は、前記第1の中間実像における第1の主光線方向余弦CRA1に関して:
|CRA1|<|β1*(YOB)/(LHOA)|
の関係が成り立ち、ここで、β1は、前記第1の対物レンズ部分の倍率であり、YOBは、主光線が考慮される最外側フィールド点の物体高さであり、LHOAは、前記第1の中間実像から前記凹面鏡までの幾何学的距離(水平軸の長さ)である請求項44に記載の投影対物レンズ。
【請求項46】
浸漬媒質とともにNA>1の像側開口数を有する請求項44に記載の投影対物レンズ。
【請求項47】
前記開口数は、NA≧1.3である請求項46に記載の投影対物レンズ。
【請求項48】
前記フィールドレンズの第1のレンズ部分が前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間のビーム路内に配置されるとともに、該フィールドレンズの第2のレンズ部分が前記凹面鏡と前記第3の対物レンズ部分との間のビーム路内に配置されるか、該フィールドレンズの第1のレンズ部分が前記第1の対物レンズ部分と前記凹面鏡との間のビーム路内に配置されるとともに、該フィールドレンズの第2のレンズ部分が前記凹面鏡と前記第1の折曲鏡との間のビーム路内に配置される請求項44に記載の投影対物レンズ。
【請求項49】
最大レンズ直径Dmaxと、最大像フィールド高さY´と、像側開口数NAと、NL個のレンズと、前記第1,第2の中間実像で連結されるNOP=3個の結像対物レンズ部分とを有し;
COMP1=Dmax/(Y´・NA2)
COMP2=Dmax・NL/(Y´・NA2)
COMP3=Dmax・NL/(NOP・Y´・NA2)
であり、
(1)COMP1<11
(2)COMP2<340
(3)COMP3<110
の少なくとも1つの条件が満たされる請求項44に記載の投影対物レンズ。
【請求項50】
COMP1<11かつCOMP2<340である請求項49に記載の投影対物レンズ。
【請求項51】
自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させる、対物レンズ部分を3つのみ含むカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:
― 物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と、
― 前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;
― 前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、
― 前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり;
― 前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させるか、または前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第1の折曲鏡が設けられ;
最大レンズ直径Dmaxと、最大像フィールド高さY´と、像側開口数NAと、NL個のレンズと、前記第1,第2の中間実像で連結されるNOP=3個の結像対物レンズ部分とを有し;
COMP1=Dmax/(Y´・NA2)
COMP2=Dmax・NL/(Y´・NA2)
COMP3=Dmax・NL/(NOP・Y´・NA2)
であり、
(1)COMP1<11
(2)COMP2<340
(3)COMP3<110
の少なくとも1つの条件が満たされ、
正の屈折力を有するフィールドレンズが,前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間に配置されて、ビームが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、または、ビームが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを通過するとともに、前記ビームが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かうときに前記フィールドレンズを再度通過するよう構成され、
前記フィールドレンズの位置は、前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の折曲鏡から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第3の対物レンズへ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第3の対物レンズ部分へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、または、前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう主光線の光線高さが前記第1の対物レンズ部分から前記凹面鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きく、かつ、前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう主光線の光線高さが前記凹面鏡から前記第1の折曲鏡へ向かう周辺光線の光線高さより大きい領域内にあり、
前記主光線は、物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの位置において光軸と交差する光線であり、前記周辺光線は、光軸に最も近い物体フィールドの最内側点からシステム絞りの縁部へと至る光線である
カタジオプトリック投影対物レンズ。
【請求項52】
COMP1<11かつCOMP2<340である請求項51に記載の投影対物レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させるカタジオプトリック投影対物レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
このような投影対物レンズは、半導体構成品およびその他の微細構造素子を製造するマイクロリソグラフィー投影露光システムに用いられる。これらは、以下の本文中においてフォトマスクまたはレチクルと呼ばれるパターンを、一般にマスクまたはレチクルの形態で、感光層により被覆される物体上に非常に高い解像度で、かつある縮尺で投影するのに用いられる。
【0003】
この場合に、さらに一層微細な構造を製造するためには、一方では投影対物レンズの像側の開口数(NA)を増大させ、かつ他方ではさらに一層短い波長、好ましくは約260nm未満、たとえば248nm、193nmまたは157nmの波長の紫外光を用いることが必要である。
【0004】
これまでは、主に純屈折性の投影対物レンズが光リソグラフィーに用いられてきた。これらは、折り曲げられない単一の光軸のみを有する機械的に比較的単純な軸対称の設計により弁別される。さらにまた、光軸に対して対称な物体フィールドを用いて、補正対象となる光透過レベルを最小限にするとともに、対物レンズの調節を簡単にすることができる。
【0005】
しかしながら、屈折性の設計形態は、第一に、色補正とペッツヴァルの和の補正(像面湾曲)との2つの基本的な結像誤差を特徴とする。
【0006】
少なくとも1個のカタジオプトリック対物レンズ部分と凹状の鏡または凹面鏡とを有するカタジオプトリック設計を用いて、ペッツヴァルの条件の補正を簡単にし、かつ色補正の能力を得ることができる。この場合に、ペッツヴァルの補正は、凹面鏡の曲率と該凹面鏡に近接する負レンズとによって達成される一方で、色補正は、凹面鏡の上流の負レンズの屈折力(CHLの補正)と凹面鏡に対する絞りの位置(CHV)とによって達成される。
【0007】
しかし、ビーム分割を有するカタジオプトリック設計のひとつの欠点は、軸外物体フィールド、すなわちより高い光伝導値(幾何学的ビーム分割を用いるシステムの場合)または一般に偏光の問題を引き起こす物理的なビーム分割素子のいずれかとともに機能することが必要であるというところにある。本明細書において用いられるところの「光伝導値」という用語は、本願の出願書類においては、像フィールド直径と像側開口数との積として定義されるラグランジュの光学的不変量またはエタンデュを指す。
【0008】
軸外カタジオプトリックシステムの場合、すなわち幾何学的ビーム分割を有するシステムの場合は、光学設計の要件は、次のように公式化される:(1)光透過レベルを最大限に低下させること、(2)折曲(ビーム偏向)の幾何学的形状を、そのための取付け技術が開発可能になるように設計すること、および(3)カタジオプトリック鏡群内において共同的に効果的な補正、特にペッツヴァルの和と色収差との補正を達成しうること。
【0009】
幾何学的光伝導レベル(エタンデュ)を低く保つためには、折曲が、原則として、低いNAの領域内、すなわちたとえば物体の近傍または中間実像に近接する位置において行なわれる設計にしなければならない。
【0010】
しかしながら、開口数が増大すると、物体側開口数もまた増大し、よって第1の折曲鏡とレチクルとの間における距離が増加して、光透過レベルが高まるようになる。さらにまた、凹状の鏡の直径と折曲鏡の大きさとが増大する。このことは、物理的な配設空間の問題を招きうる。
【0011】
これらの問題は、まず第1に、第1の中継システムによって、レチクルを中間像上に結像させるとともに、第1の折曲を前記中間像の領域内において行なうことによって克服されうる。このようなカタジオプトリックシステムは、欧州特許第1191378A1号に開示されている。このシステムは、屈折性の中継システムと、凹面鏡を有する後続のカタジオプトリック対物レンズ部分とを有する。光は、物体平面から、第1の中間像に近接して配置される折曲鏡(偏向鏡)に入射するとともに、前記折曲鏡から凹面鏡に、そして前記凹面鏡から屈折性対物レンズ部分に入射して、第2の中間実像が第2の偏向鏡に近接して生じしめられ、前記屈折性対物レンズ部分は、この第2の中間像を像平面(ウェーハ)上に結像させる。屈折性(R)、反射屈折性(C)および屈折性(R)の結像サブシステムを前記の順序で有する連結システムは、以下では「R−C−R」形システムと呼ばれる。
【0012】
同様の折曲形状を有するR−C−R形システムは、国際特許第2004/019128A号、国際特許第03/036361A1号および米国特許第2002/019946A1号に開示されている。米国特許出願第2004/0233405A1号には、第1の折曲鏡が光学的に凹面鏡の下流に配置されて、前記凹面鏡から到来する放射を像平面の方へと偏向させる、対物レンズを含む異なる折曲形状を有するR−C−R形投影対物レンズが開示されている。
【0013】
2つの中間実像を有するまた他のカタジオプトリックシステムは、日本国特許公開第2002−372668号および米国特許第5,636,066号に開示されている。国際特許第02/082159A1号および国際特許第01/04682号には、1つを超える個数の中間像を有するさらに他のカタジオプトリックシステムが開示されている。
【特許文献1】欧州特許第1191378A1号
【特許文献2】国際特許第2004/019128A号
【特許文献3】国際特許第03/036361A1号
【特許文献4】米国特許第2002/019946A1号
【特許文献5】米国特許出願第2004/0233405A1号
【特許文献6】日本国特許公開第2002−372668号
【特許文献7】米国特許第5,636,066号
【特許文献8】国際特許第02/082159A1号
【特許文献9】国際特許第01/04682号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、最適な寸法を有するコンパクトな設計の、非常に高い解像度を達成することを可能とするカタジオプトリック投影対物レンズを提供することにある。さらに他の目的は、ペッツヴァルの和と色収差との補正を良好な製造条件とともに可能にすることにある。
【0015】
前記およびその他の目的を達成する方法として、本発明は、1つの態様によれば、自身の物体平面上に配置されるパターンを自身の像平面上に結像させるカタジオプトリック投影対物レンズにおいて:物体フィールドを結像させて第1の中間実像を形成する第1の対物レンズ部分と;前記第1の対物レンズ部分から到来する放射を用いて第2の中間実像を生じしめる第2の対物レンズ部分と;前記第2の中間実像を前記像平面上に結像させる第3の対物レンズ部分とを有し、前記第2の対物レンズ部分は、凹面鏡を有するカタジオプトリック対物レンズ部分であり;前記物体平面から到来する放射を前記凹面鏡の方向に偏向させる第1の折曲鏡と、前記凹面鏡から到来する放射を前記像平面の方向に偏向させる第2の折曲鏡とが設けられ;正の屈折力を有するフィールドレンズが、前記第1の中間像と前記凹面鏡との間において、前記第1の中間像のフィールドに近接する領域内に配置されるカタジオプトリック投影対物レンズを提供する。
【0016】
また他の態様によれば、正の屈折力を有するフィールドレンズは、幾何学的に、前記第1の折曲鏡と前記凹面鏡との間において、前記第1の中間像のフィールドに近接する領域内に配置される。この位置は、前記第1の中間像が光学的に上流、すなわち光の伝播方向に前記フィールドレンズの前において創出される場合は、光学的に前記第1の中間像と前記凹面鏡との間にある。第1の中間像は、さらにまた、光学的に下流、すなわち前記フィールドレンズの後に配置され得、または部分的に前記フィールドレンズ内に延在しうる。
【0017】
非常に高い解像度を達成するために必要とされる開口数の増大は、従来技術のシステムにおいては、往々にして、好ましい絞り位置の領域内に配置される光学素子の直径の重大な増加を招く。本発明は、こうした効果を打ち消すものである。
【0018】
「フィールドレンズ」という表現は、個別のレンズまたは少なくとも2個の個別のレンズを有するレンズ群を表す。この表現は、レンズの機能が基本的に2個以上のレンズ(レンズの分割)によっても果たされうるという事実を考慮に入れたものである。このフィールドレンズの屈折力は、フィールドの近傍、すなわち光学的にフィールド平面に近接する位置において配置される。このフィールド平面のフィールド近傍の領域は、特に、結像の主光線高さが周辺光線高さと比べて大きくなることによって弁別される。この場合に、周辺光線高さは、光軸に最も近い物体フィールドの最内側点から開口絞りの縁部へと至る周辺光線の光線高さである一方で、主光線(プリンシパルレイ)は、光軸に対して平行または鋭角をなす物体フィールドの最外側フィールド点から発するとともにシステム絞りの領域内、すなわち開口絞りの取付けに適する絞り位置において光軸と交差する。これにより、周辺光線高さと主光線高さとの間における比は、フィールド近傍の領域内において1未満となる。
【0019】
「中間像」という表現は、近軸中間像と周辺光線中間像との間における領域を表す。中間像の補正状態によって、この領域は、ある一定の軸方向範囲にわたって延在し得、その場合は、一例として、近軸中間像は、球面収差(補正不足または補正過剰)によって周辺光線中間像の上流または下流の光路内に配置されうる。近軸中間像と周辺光線中間像とは、さらにまた、本質的に一致しうる。本出願の目的上、光学素子A、たとえばフィールドレンズは、該光学素子Aの少なくとも一部分が(略軸方向に延在する)中間像とまた他の光学素子Bとの間に配置される場合は、中間像と前記光学素子Bとの「間」に配置される。このため、中間像もまた、部分的に光学面を超えて延在し得、このことは、たとえば補正のために有利でありうる。中間像は、しばしば完全に光学素子の外側に配置される。中間像領域の放射エネルギー密度は、特に高いため、このことは、たとえば光学素子に加わる放射負荷に関して有利でありうる。
【0020】
上流の中間像と凹面鏡との間における発散ビーム路内の正の屈折力は、ビーム路内における下流のレンズと凹面鏡とが小さい直径を有しうることに寄与する。このことは、特に、好適な実施形態において、凹面鏡のすぐ上流に近接して設けられるとともに、前記凹面鏡とともに縦色収差CHLの補正に大きく寄与する少なくとも1個の負レンズに当てはまる。縦色収差が何か他の方法で補正される場合は、この負レンズは必要とされない。
【0021】
凹面鏡の上流のフィールド平面と凹面鏡との間において正の屈折力を挿入することは、それ自体で、この正の屈折力の強さに比例する像面湾曲に対する寄与をもたらす。この効果を少なくとも部分的に補償するために、凹面鏡は、正の屈折力が存在しない場合より大きい曲率を有するべきである。その一方で、凹面鏡上での反射によって生じしめられる収差を可能な限り小さく維持するために、凹面鏡に衝突する放射は、凹面鏡に対して本質的に直角に衝突することが有利である。正の屈折力が中間像から下流に挿入されると、このことは、凹面鏡のすぐ上流における負の屈折力の増大を招いて、散乱効果により、放射が大体において垂直に入射することが保証される。凹面鏡の上流における負の屈折力の増大は、この領域内におけるレンズ直径の大きさの減少によるCHL補正の低下を少なくとも部分的に補償して、良好なCHL相関が相対的に小さい鏡直径でも確保されうる。
【0022】
好適な実施形態において、第1の中間像は、折曲鏡に近接して配置され、このことは、システムのエタンデュを小さく保つことを可能にする。フィールドレンズは、一般に、折曲鏡によって悪影響を及ぼされることなく、前記中間像に非常に接近して取り付けられ得、以って結像誤差の効果的な補正が可能になる。特に、対物レンズ部分を適切に設計して、少なくともフィールドレンズに近接する中間像が重度の収差を受けることを保証することができる。このことは、特に結像誤差の効果的な補正を可能にする。補正の効果は、少なくとも、中間像に対向するフィールドレンズのレンズ面を非球面として設計することにより促進されうる。
【0023】
1つの実施形態において、フィールドレンズは、幾何学的に、ビームが2回通過する領域内の凹面鏡と少なくとも1個の折曲鏡との間において、前記フィールドレンズの第1のレンズ部分が物体平面と凹面鏡との間においてビーム路内に配置されるとともに、前記フィールドレンズの第2のレンズ部分が凹面鏡と像平面との間においてビーム路内に配置されるような態様に配置される。
【0024】
フィールドレンズは、該レンズが凹面鏡の上流においてビーム路内に配置される中間像平面に光学的に近接するだけではなく、凹面鏡から下流においてビーム路内に配置される中間像平面にも光学的に近接して配置されるように配置されうる。これにより、2個の連続するフィールド平面に関してフィールドに近接する構成が得られて、強力な補正効果がビーム路内の2点において達成されうる。
【0025】
少なくとも1個の多部分レンズは、ビームが2回通過する投影対物レンズの領域内において配置されうるとともに、ビームが第1の方向に通過する第1のレンズ部分と、ビームが第2の方向に通過する第2のレンズ部分とを有し、前記第1のレンズ部分と前記第2のレンズ部分とは、少なくともレンズの一方の側部において互いに重複しない。この多部分レンズは、フィールドレンズとして使用されうる。ビーム路のフットプリントが前記2個のレンズ面の少なくとも一方において重複しない場合は、このような多部分レンズは、互いに独立して作用する2個のレンズを共通の点に幾何学的に移動させることを可能にする。さらにまた、互いに独立して作用する2個のレンズを1個のレンズとして、特に一体的な多部分レンズとして1個のレンズブランクから物理的に製造することも可能である。このような多部分レンズは、この種の多部分レンズの場合に、自身を互いに独立して通過するビームに対する光学効果がレンズ部分の屈折面を互いに独立して適切に独立整形することにより左右されうるため、ビームが2回通過する従来のレンズとは明らかに区別されうる。これに代わる方法として、1個または2個の半レンズまたはレンズ素子を有するレンズ機構を一体的な多部分レンズの位置に配置して、ビームが互いを互いに独立して通過するときに該ビームを左右することもできる。
【0026】
幾何学的ビーム分割と中間像と多部分レンズとを有する投影対物レンズが、たとえば本出願人の国際特許第03/052462A1号に開示されている。この特許出願における開示は、本明細書の内容の一部とする。
【0027】
投影対物レンズは、好ましくはNA>0.85の像側開口数と、A≦10mmの像側作動距離とを有する。このような投影対物レンズは、それが必要とされる場合は、NA>1の浸漬リソグラフィーに用いられうる。像側作動距離または像領域における作動距離は、対物レンズの出射面と像平面との間における(最短)軸方向距離である。この乾燥系において動作時に気体により満たされる像領域における作動距離は、浸漬システムにおいては動作時に気体の屈折率と比較して相対的に高い屈折率を有する浸漬媒質によって満たされる。
【0028】
像側作動距離は、一般に、最低値未満に低下しないことが有利である。この場合は、最後の光学素子上または該光学素子内の傷、汚れおよび不均質性は、作動距離が短かすぎると、像の乱れを招きうることに注意しなければならない。これに対して、たとえば1mm以上の有限の作動距離は、高い像側開口数を有する相対的に大きいサブアパチャー(1つの特定のフィールド点のフットプリント)をもたらして、平均化効果が起こるとともに、あらゆる像の乱れが低減または抑制されるようになる。
【0029】
特定の基準が、浸漬システムにおける像領域内の作動距離の定義に関して考慮されなければならない。一方では、長い作動距離は、一般に浸漬液のより低い透光性(気体と比較した場合)による放射損失の増加だけではなく、特に球面収差に関して、像平面に近接して配置される面の収差量の増大をも引き起こす。他方では、像側作動距離は、浸漬液の層流化を可能にしうる程度に十分に大きくされなければならない。さらにまた、測定およびセンサのための空間を設けることも必要とされうる。好適な実施形態においては、像側作動距離は、約1mm〜約8mmの範囲内、特に約1.5mm〜約5mmの範囲内である。出射面と像平面との間において浸漬液が用いられる場合は、好適な実施形態は、NA≧0.98の像側開口数を有し、前記像側開口数は、好ましくは少なくともNA=1.0または少なくともNA=1.1とされる。投影対物レンズは、好ましくは、動作波長においてn
I>1.3の屈折率を有する浸漬媒質に調和せしめられる。
【0030】
n
I≒1.43の超純水は、193nmの動作波長用の浸漬媒質として適する。M.スウィックスおよびM.ロスチャイルド(M. Switkes and M. Rothschild)の論文である「157nmでの浸漬リソグラフィー(Immersion Lithography at 157 nm)」、J. Vac. Sci. Technol. B 19(6)、2001年11月/12月、p.1以下参照に、157nmの動作波長において十分な透明性を有するとともに、マイクロリソグラフィーにおいて現在用いられている多数のフォトレジスト材料に適合するパーフルオロポリエーテル(PFPE)を基本とする浸漬液が提案されている。試験されたある浸漬液は、157nmにおいてn
I=1.37の屈折率を有する。
【0031】
前記光学設計は、さらにまた、非接触近接場投影リソグラフィーにおける使用も可能にする。この場合は、時間的に平均化されて、十分に短い像側作動距離が維持されるという条件で、十分な光エネルギーが、気体により満たされた間隙を介して露光対象となる基板に入射せしめられうる。この距離は、使用される動作波長の4倍未満、特に動作波長未満とされるべきである。作動距離は、動作波長の半分未満、たとえば動作波長の3分の1、4分の1または5分の1未満であることが特に有利である。これらの短い作動距離は、結像システムの最後の光学面にすぐ近接して存在するエヴァネッセント場が結像に用いられる光学的近接場における結像を可能にする。
【0032】
よって、本発明は、さらにまた、出射面にすぐ近接して配置される露光光のエヴァネッセント場をリソグラフィー工程に用いることができる非接触投影露光方法を対象とする。この場合は、作動距離が十分に短い(有限である)場合、リソグラフィーに用いられうる光成分は、対物レンズの出射面から発せられうるとともに、投影対物レンズの最後の光学面上における幾何学的全内反射条件にかかわらず、ある距離をおいてすぐ隣接する入射面に入射しうる。
【0033】
非接触近接場投影リソグラフィーの実施形態においては、好ましくは動作波長以下、たとえば約3nm〜約200nm、特に約5nm〜約100nmの範囲内の一般的な作動距離が用いられる。動作距離を投影システムのその他の特徴(出射面に近接する投影対物レンズの特徴、入射面に近接する基板の特徴)に調和させて、時間的に平均化されて、少なくとも10%の入力効率が達成されるようにするべきである。
【0034】
これにより、本発明の範囲内において、半導体構成品等の製造方法であって、有限の作動距離が投影対物レンズに関連ある露光光の出射面と基板に関連ある露光光の入射面との間において設定され、露光時間間隔内の作動距離が、少なくとも折に触れて、出射面から出射する光の光学的近接場の最大限を下回る値に設定される製造方法が得られうる。
【0035】
乾燥対物レンズとして使用することも、それが必要とされる場合は、軽微な改変により可能である。乾燥対物レンズは、気体によって満たされる間隙が、動作時に、投影対物レンズの出射面と露光対象となる物体、たとえばウェーハの入射面との間において生じしめられ、この間隙の幅が一般に動作波長より大幅に大きくなるように設計される。このようなシステムによって達成可能な開口数は、全内反射条件が出射面上において生じるため、NA<1に制限されるか、またはNA=1の値に近くなって、いかなる露光光が出射面から発せられることをも防ぐ。乾燥システムの好適な実施形態において、像側開口数は、NA≧0.85またはNA≧0.9である。
【0036】
像平面のすぐ上流の第3の対物レンズ部分は、好ましくは、純屈折性となるように設計されるとともに、高い像側開口数(NA)を生じしめるために最適化されうる。この対物レンズ部分は、好ましくは、第2の中間像の後に配置されるとともに正の屈折力を有する第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに負の屈折力を有する第2のレンズ群と、前記第2のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに正の屈折力を有する第3のレンズ群と、前記第3のレンズ群のすぐ後に配置されるとともに正の屈折力を有する第4のレンズ群と、前記第3のレンズ群から前記第4のレンズ群への遷移領域内に配置されるとともに、システム絞りがその近傍に配置されうる瞳面とを有する。第3のレンズ群は、好ましくは、第2のレンズ群と第3のレンズ群との間において周辺光線高さの屈曲点の近傍に配置される入射面を有し、この入射面とシステム絞りとの間には、何らかの実質的な屈折力を有するいかなる負レンズも配置されない。好ましくは、この入射面と像平面との間には、正レンズのみが配置される。これにより、適度なレンズ直径を有する省資材設計が可能になる。
【0037】
像平面のすぐ上流の投影対物レンズ内の最後の光学素子は、好ましくは、高い球面または非球面状の湾曲を有する入射面と、本質的に平面状の出射面とを有する平凸レンズである。このレンズは、実質的に半球状であるか、または半球状でない平凸レンズの形態をとりうる。最後の光学素子、特に平凸レンズは、さらにまた、放射により誘導される密度変化(特に圧密)によって引き起こされる問題を回避するために、フッ化カルシウムにより構成されうる。
【0038】
第1の対物レンズ部分は、中継システムとして用いられて、第1の中間像が、所定の補正状態で適切な位置において、物体平面から到来する放射により創出されうる。第1の対物レンズ部分は、一般に純屈折性である。いくつかの実施形態においては、物体平面を結像させて第1の中間像を形成する少なくとも1個の折曲鏡が、この第1の対物レンズ部分内に設けられて、物体に最も近い対物レンズ部分内において、光軸が少なくとも1回、好ましくは1回を超える回数にわたって折り曲げられるようになる。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1の対物レンズ部分は、凹面鏡と、全体としての投影対物レンズの第1の折曲鏡として用いられうる関連ある折曲鏡とを有するカタジオプトリック対物レンズ部分である。
【0040】
少なくとも2個のカタジオプトリックサブシステムを設けることは、重要な利点を有する。1個のカタジオプトリックサブシステムのみを有するシステムの有意な欠点を識別するためには、ペッツヴァルの和と色収差とが、カタジオプトリック部分においてどのように補正されるかを考慮することが必要である。縦色収差CHLに対するレンズの寄与度は、周辺光線高さhの二乗と、レンズの屈折力ψと、材料の分散vとに比例する。その一方で、ペッツヴァルの和に対する面の寄与度は、面曲率と屈折率(空気中の鏡の場合は−2)の急激な変化とにのみ従属する。
【0041】
したがって、色補正に対するカタジオプトリック群の寄与度が大きくなることを可能にするためには、大きい周辺光線高さ(すなわち大直径)が必要とされ、ペッツヴァルの補正に対する寄与度が大きくなることを可能にするためには、大きい曲率(すなわち小直径によって最もうまく達成される小半径)が必要とされる。これらの2つの要件は、矛盾する。
【0042】
ペッツヴァルの補正(すなわち像面湾曲の補正)と色補正とに基づく矛盾する要件は、(少なくとも)1個のさらに他のカタジオプトリック対物レンズ部分をシステム内に導入することによって解決されうる。第1のカタジオプトリック部分は、像面湾曲と縦色収差とのいずれもが大体または完全に補正されうるように設計されうるため、第1の中間像は、これらの収差に関して規定された補正状態を有して、後続の対物レンズ部分が有利な設計を有しうるようになる。
【0043】
1つの実施形態において、第1の対物レンズ部分は、折曲鏡として用いられるとともに、同時に、第1の対物レンズ部分の凹面鏡へと至る放射をこの凹面鏡によって反射される放射から分離させる偏光選択ビーム分割面を有する物理的ビーム分割を備えたカタジオプトリック対物レンズ部分である。
【0044】
いくつかの実施形態において、アクティブミラーとして設計される凹面鏡が設けられて、凹面鏡面の形状が適切な駆動装置により変動せしめられうるようになっている。これは、さまざまな結像誤差を補償するのに用いられうる。
【0045】
本発明にしたがった投影対物レンズのいくつかの実施形態は、少なくとも1点において交差ビーム路を有する。この目的のために、これらの投影対物レンズは、物体平面から凹面鏡へと進む第1のビーム部分と前記凹面鏡から像平面へと進む第2のビーム部分とが生じしめられるように設計され、1個の折曲鏡が、前記凹面鏡に対して、前記ビーム部分の一方が前記折曲鏡上において折り曲げられるとともに、他方のビーム部分は、いかなる口径食も生じることなく前記折曲鏡を通過し、前記第1のビーム部分と前記第2のビーム部分とが交差領域内において交差するような態様に配置される。
【0046】
カタジオプトリック対物レンズ部分の領域内における交差ビーム路により、小型かつ機械的に頑丈な構成の光学素子を有する投影対物レンズを得ることができる。この場合は、いかなる口径食も生じないビーム路が達成されて、いかなる折曲鏡も、折曲鏡上において反射されるか、または前記折曲鏡により反射されずに通過せしめられるかのいずれかであるビームを横切ることがないようになる。このようにすると、システム絞りのみが、軸方向に対称な態様に、結像に寄与する光線の角度分布を制限する。同時に、大きい最大ビーム直径と、可能性としてフィールド平面の領域内における高い収束性または発散性のビームに関連ある最大開口数でも、補正対象となる全体フィールドに関して適度な大きさを達成することが可能になる。この場合に、「全体フィールド」という表現は、略矩形のフィールドのまわりにおける最小円によって外囲されるフィールド領域を表す。補正対象となる全体フィールドの大きさは、フィールドの大きさと光軸に対する軸方向非対称フィールドの側方偏移とともに増大するとともに、補正処理を簡単にするために最小限に抑えられなければならない。
【0047】
交差ビーム路を有するカタジオプトリック投影対物レンズは、たとえば本出願人の2003年10月17日出願の米国仮出願第60/511,673号または2003年12月27日出願の米国特許出願第10/734,623号または2003年12月19日出願の米国仮出願第60/530,622号に開示されている。これらの特許出願の開示内容は、参照により本明細書の内容に含まれる。
【0048】
好適な実施形態において、投影対物レンズの物体面内に配置される軸外有効物体フィールドは、該投影対物レンズの像面内に配置される軸外有効像フィールド上に結像せしめられる。ここで、「有効物体フィールド」という用語は、投影対物レンズにより、所定の開口数において口径食を生じることなく効果的に結像せしめられうる物体フィールドに関する。有効物体フィールドと第1の対物レンズ部分により形成される第1の光軸部分との間における側方偏移の量は、有限物体中心高さhを特徴としうる。同様に、投影対物レンズの像側において、有効像フィールドは、h´=|β・h|にしたがって投影対物レンズの倍率βにより物体中心高さhと関係付けられる有限像中心高さh´だけ、光軸の像側部分に対して側方に偏移する。屈折性の第1の対物レンズ部分と反射屈折性の第2の対物レンズ部分と屈折性の第3の対物レンズ部分とを有する(R−C−R形とも呼ばれる)いくつかの従来式投影対物レンズにおいては、物体側の屈折性の対物レンズ部分と像側の屈折性の対物レンズ部分とにより定義される光軸部分を整合させて、これらの光軸部分間においていかなる側方の軸偏移も存在しないようにする努力がなされた。しかしながら、これらの条件下では、物体フィールド中心と像フィールド中心との間において定義される有限値の物体像シフト(OIS)が引き起こされる。投影対物レンズの物体面と像面とが互いに平行である場合は、物体像シフトは、物体側の光軸に対して平行に有効物体フィールドの中心を通って延在する物体フィールド中心軸と、像側の光軸部分に対して平行に有効像フィールドの中心を通って延在する像フィールド中心軸との間における側方偏移として定義されうる。たとえば、投影対物レンズが走査操作用に設計される投影露光システムに内蔵される場合は、小値の物体像シフトが望ましいかもしれないということがわかった。さらにまた、投影対物レンズの適格性確認に用いられる測定技術は、小さい物体像シフト量が得られると、従来の測定技術に対して単純化されうる。したがって、好適な実施形態においては、下記の条件が成り立つ:
0≦OIS≦|h・(1+|β|)|。
【0049】
この条件にしたがった実施形態において、物体像シフトOISは、物体側の光軸部分と像側の光軸部分とが同軸である設計の物体像シフトより小さくなる。好適な実施形態では、いかなる物体像シフトも存在せず、OIS=0の条件が満たされるようになる。
【0050】
これらの条件は、第1の中間像と凹面鏡との間において第1の中間像に光学的に近接して配置される正の屈折力を備えるフィールドレンズを有する本発明の実施形態において有用でありうる。しかしながら、小値のOISは、たとえば国際特許第2004/019128A号に示されているようなこの種のフィールドレンズを有さない従来設計にも有用でありうる。
【0051】
本発明のまた他の態様は、NA>1.2またはNA>1.3という非常に高い像側開口数を得ることができる潜在性を有するとともに、同時に軌跡全長(物体面と像面との間における軸方向距離)が、投影対物レンズを従来式投影露光システムに内蔵することを可能にし、かつ同時に折曲鏡の上流および/または下流の屈折性対物レンズ部分内におけるレンズの最大寸法(直径)を制限することを可能にする値に制限されうる投影対物レンズを設計することを可能にする。この目的のために、好適な実施形態において、フィールドレンズの屈折力と位置とは、第1の中間像における第1の主光線方向余弦CRA
1に関して、
|CRA1|<|β
1*(Y
OB)/(L
HOA)|
の条件が成り立つように設定され、ここで、β
1は、第1の対物レンズ部分の倍率を示し、Y
OBは、主光線が考慮される最外側フィールド点の物体高さであり、L
HOAは、第1の中間像から凹面鏡までの幾何学的距離(水平軸の長さ)である。換言すれば、主光線は、中間像においてテレセントリックまたは略テレセントリックであることが望ましいかもしれない。前記に記載の条件にしたがった主光線は、以下では「本質的にテレセントリックな主光線」と呼ばれる。このような中間像に近接する折曲鏡において本質的にテレセントリックな主光線を得ることにより、該折曲鏡のすぐ上流および/または下流におけるレンズの大きさを制限することが可能になる。加えて、高い像側開口数をもたらす役割を担う第3の対物レンズ部分内における配設空間が得られることがわかった。
【0052】
さらにまた、いくつかの実施形態において、非常に高い像側開口数を得るためには、第1の対物レンズ部分の第1の軸方向長さAL1が第3の対物レンズ部分の第3の軸方向長さAL3より小さくすると有利であることがわかり、ここで、軸方向長さAL1は、物体平面と、光軸と第1の折曲鏡との交点との間において測定され、軸方向長さAL3は、光軸と第2の折曲鏡との交点と、像平面との間において測定される。好適な実施形態では、AL1/AL3<0.9、好ましくはAL1/AL3<0.8の条件が成り立つ。
【0053】
本発明にしたがったシステムは、好ましくは、たとえば248nm、193nmまたは157nmまたはそれ以下の遠紫外帯域において用いられうる。
【0054】
前記の特徴およびその他の特徴は、特許請求の範囲だけではなく、明細書および図面にも示されており、個別の特徴は、単独または互いに組み合わされた形態で本発明の一実施形態として、かつその他の分野において実施されうるとともに、有利な実施形態と、さらにまたそれ自体で保護に値する実施形態を表しうる。
【0055】
以下の好適な実施形態の説明において、「光軸」という表現は、光学素子の曲率中心を通る直線または一連の直線分を意味する。光軸は、折曲鏡(偏向鏡)またはその他の反射面上において折り曲げられる。方向および距離は、光軸に対して、像平面または該像平面に配置され、露光対象である基板の方向に向かう場合は「像側」として、物体平面の方向または該物体平面に配置されるレチクルの方向に向かう場合は「物体側」として表される。これらの例における物体は、集積回路のパターンを有するマスク(レチクル)であるが、異なるパターン、たとえば格子であってもよい。これらの例における像は、感光層を備えるとともに基板として用いられるウェーハ上に投影される。その他の基板、たとえば液晶表示装置用の素子または光学格子用の基板も可能である。
【実施例】
【0056】
図1に、浸漬リソグラフィーを手段とする大規模集積回路構成品の製造用に意図されるウェーハステッパ1の形態をとるマイクロリソグラフィー用投影露光システムの略図が示されている。この投影露光システム1は、光源として、193nmの動作波長を有するエキシマレーザー2を有するが、その他の動作波長、たとえば157nmまたは248nmもまた可能である。下流の照明システム3は、自身の出射面4上において下流の投影対物レンズ5のテレセントリック要件に調和せしめられた大型の鮮鋭な境界の均質に照明される照明フィールドを生じしめる。この照明システム3は、照明モードを選択するための装置を有するとともに、本例においては、可変コヒーレンス度を有する従来式照明と環状フィールド照明と双極子または四極子照明との間において切り換えられうる。
【0057】
マスク6を保持し、かつ操作する装置40(レチクル段)は、前記照明システムの後において、投影対物レンズ5の物体平面4上に配置されるとともに走査のために前記平面上において離脱方向7(y方向)に移動せしめられうるような態様に配置される。
【0058】
マスク平面とも呼ばれる前記平面4の後に、マスクの像を、フォトレジスト層により被覆されるウェーハ10上に4:1の縮尺で結像させるカタジオプトリック縮小対物レンズ5が設けられる。その他の縮尺、たとえば5:1、10:1または100:1またはそれ以上も同様に可能である。感光基板として用いられるウェーハ10は、平面状の基板面11とフォトレジスト層とが本質的に投影対物レンズ5の像平面12と一致するように配置される。前記ウェーハは、スキャナ駆動装置からなって、前記ウェーハをマスク6と同期的に、かつ前記マスクに対して平行に移動させる装置50(ウェーハ段)により保持される。この装置50は、さらにまた、マニピュレータを有して、前記ウェーハを投影対物レンズの光軸13に対して平行なz方向と前記軸に対して直角をなすxおよびy方向とのいずれにも移動させる。傾斜装置が一体化されるとともに、光軸13に対して直角に延在する少なくとも1つの傾斜軸を有する。
【0059】
ウェーハ10を保持するために設けられる前記装置50は、浸漬リソグラフィー用に設計される。前記装置は、スキャナ駆動装置により移動せしめられうるとともに、その底部がウェーハ10を保持する平坦なくぼみまたは凹部を有する保持装置15を有する。最上部において開口する液体浸漬媒質20用の扁平な液密保持部が、周縁リム部16によって形成され、浸漬媒質20が、図示されない装置により、前記保持部内に導入されうるとともに、前記保持部から取り除かれうる。前記リム部の高さは、充填される浸漬媒質が、ウェーハ10の表面11を完全に覆い、作動距離が適正に設定されている場合に、投影対物レンズ5の出射側端部領域が、対物レンズ出口と前記ウェーハ表面との間において浸漬液中に浸漬されうるように設計される。システム全体は、中央コンピュータ装置60により制御される。
【0060】
図2に、本発明にしたがった投影対物レンズの1つの好適な実施形態の略図が示されている。この投影対物レンズ200を用いて、マスクのパターン(該対物レンズの物体平面201上に配置される)は、ある縮尺で、前記物体平面に対して平行に整合せしめられる該対物レンズの像平面202上にある縮尺で結像せしめられる。前記投影対物レンズは、物体フィールドを結像させて第1の中間実像211を形成する第1の屈折性対物レンズ部分210と、前記第1の中間像を結像させて第2の中間実像221を形成する第2のカタジオプトリック対物レンズ部分220と、前記第2の中間像をある縮尺で像平面202上に結像させる第3の屈折性対物レンズ部分230とを有する。前記カタジオプトリック対物レンズ部分220は、凹面鏡225を有する。第1の折曲鏡213は、前記第1の中間像に近接して、光軸204に対して45°の角度をなして配置されて、物体平面から到来する放射を凹面鏡225の方向に反射するようになっている。自身の平面状の鏡面が前記第1の折曲鏡の平面状の鏡面に対して直角をなして整合せしめられる第2の折曲鏡223は、凹面鏡225から到来する放射を像平面202の方向に反射する。
【0061】
各折曲鏡213、223は、中間像に光学的に近接して配置されて、光伝導値が低値に保たれうるようになっている。中間像、すなわち近軸中間像と周辺光線中間像との間の領域全体は、好ましくは鏡面上には配置されず、以って結果的に中間像と鏡面との間において有限の最小距離が得られて、鏡面内におけるいかなる欠陥、たとえば傷または不純物も像平面上において鮮鋭に結像せしめられないようになっている。前記最小距離は、放射のサブアパチャー、すなわち特定のフィールド点から発するビームのフットプリントまたは鏡面上における範囲が、鏡面上において5mmまたは10mm未満の直径を有さないように設定されなければならない。両方の第1の中間像211が、すなわち第2の中間像221もまた、折曲鏡と凹面鏡225との間における幾何学的空間内に配置される(実線矢印)実施形態がある。この側部アームは、水平アーム(HOA)とも呼ばれる。また他の実施形態においては、第1の中間像211´は、第1の折曲鏡213の上流においてビーム路内に配置され得、第2の中間像221´は、第2の折曲鏡から下流においてビーム路内に配置されうる(破線により示される矢印)。
【0062】
この例証的な実施形態における折曲げ角は、正確に90°である。これは、折曲鏡の鏡層の性能にとって有利である。90°より大または小の偏向もまた可能であり、これにより結果的に斜めに配置される水平アームが得られる。
【0063】
全ての対物レンズ部分210、220、230は、正の屈折力を有する。略図において、正の屈折力を有するレンズまたはレンズ群は、外方に向けられた先端を有する両方向矢印により表される一方で、負の屈折力を有するレンズまたはレンズ群は、これに対して、内方に向けられた頭部を有する両方向矢印により表される。
【0064】
第1の対物レンズ部分210は、正の屈折力を有する2つのレンズ群215、216からなり、前記レンズ群間に、実線により示される主光線203が鎖線により示される光軸204と交差する絞り可能位置がある。前記光軸は、第1の折曲鏡213において90°にわたって折り曲げられる。第1の中間像211は、第1の折曲鏡213からすぐ下流の光路内において生じしめられる。
【0065】
第1の中間像211は、後続のカタジオプトリック対物レンズ部分220に対して物体として作用する。この対物レンズ部分は、フィールドに近接する正レンズ群226と、絞りに近接する負のレンズ群227と、前記レンズ群からすぐ下流に配置されるとともに前記第1の中間像を結像させて第2の中間像221を形成する凹面鏡225とを有する。全体として正の作用を有する前記レンズ群226は、「フィールドレンズ」として用いられるとともに、正の単レンズによって形成されるが、前記単レンズの作用は、さらにまた、全体として正の屈折力を有する2個以上の個別のレンズによって生じしめられうる。負のレンズ群227は、負の作用を有する1個以上のレンズからなる。
【0066】
光学的に第2の折曲鏡223の直前に配置される第2の中間像221は、第3の屈折性対物レンズ部分230により像平面202上に結像せしめられる。この屈折性対物レンズ部分230は、第1の正のレンズ群235と、第2の負のレンズ群236と、第3の正のレンズ群237と、第4の正のレンズ群238とを有する。前記正のレンズ群237、238間において、主光線が光軸を横切る絞り可能位置がある。
【0067】
図3に、本質的に
図2を参照して説明された原理を用いて形成される投影対物レンズ300のレンズ断面図が示されている。同一または対応する要素または要素群は、
図2の場合と同じ参照符号に100を加えた参照符号を用いて示されている。
【0068】
このシステムの1つの特別な特徴は、ビームが2つの対向する方向に通過する両凸正レンズ326が、幾何学的に折曲鏡313、323と凹面鏡325との間において、ビームが2回通過する投影対物レンズ領域内に設けられるところにあり、ビームは、前記両凸正レンズの互いに偏移するレンズ部分を、第1の中間像311と凹面鏡325との間における光路内と、前記凹面鏡と第2の中間像321または像平面302との間における光路内との両方において通過する。この正レンズ326は、凹面鏡325より折曲鏡313、323により接近して、特に前記折曲鏡と前記凹面鏡との間における軸方向距離の最初の3分の1以内に配置される。正レンズ326の領域において、周辺光線高さは、主光線高さに比べて小さくなり、主光線高さに対する周辺光線高さの比は、約0.3となる。これにより、正レンズ326は、第1の中間像311と第2の中間像321との両方に対して、フィールドに接近して配置されるとともに、以って両方の中間像に対してフィールドレンズとして作用する。第1の中間像311と凹面鏡325との間における光路内の正の屈折力は、とりわけ、後続のレンズ327および凹面鏡325の直径が小さく保たれうることを保証する。前記凹面鏡から第2の中間像321に至るとともに、さらに像平面へと至る光路内における正の屈折力は、さらにまた第2の折曲鏡323に到達する放射の入射角バンド幅の縮小をもたらすとともに、以って前記第2の折曲鏡を有利な反射層により被覆することができ、さらにまた像フィールドに最も接近するとともに本質的に浸漬投影対物レンズの高い像側開口数(NA=1.20)をもたらす役割を担う屈折性対物レンズ部分330におけるレンズ直径が制限されることになる。
【0069】
前記正レンズは、それが必要とされる場合は、前記折曲鏡により妨害されることなく、2つの中間像に非常に近接する位置に移動せしめられて、強力な補正効果が可能となるようにされうる。フィールドに接近して配置される正の屈折力は、水平アームをより長くすることを可能にする。第1の中間像311における大きい開口のため、水平アームの長さは、一般に短縮されて、凹面鏡325と、前記凹面鏡のすぐ上流に配置される負レンズ群327内の負のメニスカスレンズとの直径が色補正に関連づけられるとともに、よって無制限に大きくされてはならないようになる。フィールドの近傍に正のレンズ群326を含むことにより、さらにまた、ペッツヴァル湾曲の補償によって(凹面鏡と比べて)負レンズ327の屈折力が増大するとともに、以って凹面鏡の領域において相対的に小直径で縦色誤差の補正が向上する。これにより、カタジオプトリック対物レンズ部分は、コンパクトで、かつ相対的に小さいレンズ直径を有して設計されて、適正な色補正が得られうる。
【0070】
2つの中間像311、321にすぐ近接して配置されるフィールドレンズ326もまた、光学的な補正に関して、以下の本文により詳細に説明されるように、重要な利点を有する。原則的に、重要な収差を受ける中間像に近接して光学面を有することは、結像誤差の補正に有利である。その理由は、下記のとおりである:中間像から長距離の位置、たとえばシステム絞りまたは該絞りの共役平面に近接する位置において、光ビームの全ての開放光線は、瞳座標とともに単調に上昇する有限の高さを有し、すなわち光学面は、全ての開放光線に作用する。瞳縁部においてさらに外方に配置される開放ビームもまた、この面上において漸進的に増大する高さ(すなわち、より正確には、主光線から漸増的な距離)を有する。
【0071】
しかしながら、著しい収差を受ける中間像に近接する位置においては、この限りではない。実際に、中間像の火面内に配置される場合は、前記面は、略周辺光線像内または周辺光線像に近接して配置され得、すなわち周辺光線に対して効果的には作用しないが、帯域光線に対して著しい光学効果を有する。このため、たとえば光学収差における輪帯収差を補正することが可能になる。この原理を用いて、たとえば球面輪帯収差に故意に影響を与えることができる。
【0072】
中間像311、321に対向するとともに前記中間像にすぐ隣接して配置される正レンズ326の凸レンズ面は、非球面状の曲面とされる。フィールドに近接した配置とともに、これにより、非常に重要な補正効果を達成することが可能になる。
【0073】
像に最も接近する少なくとも2〜3個のレンズをフッ化カルシウムにより製造して、圧密の問題を回避することができる。固有複屈折を補償するために、これらのレンズの主結晶軸は、互いに対して回転せしめられうる。凹面鏡325は、さらにまた、鏡面の形状が適切なマニピュレータにより変動せしめられうるアクティブミラーの形態をとりうる。これを用いて、さまざまな結像誤差を補償することができる。前記中間像の少なくとも一方に近接するビーム路は、実質的にテレセントリックである。
【0074】
表1に、設計の詳細が表形式で示されている。この場合は、第1欄に、屈折性、反射性またはその他の態様で指定される面の番号が示されており、第2欄に、その面の半径r(単位:mm)が示され、第3欄には、その面と後続の面との間における距離d(単位:mm)が示され、第4欄には、素子の材料が示され、第5欄には、その光学素子の光学的に利用可能な有効半径(単位:mm)が示されている。屈折面は、第1欄において、「R」により示されている。表2に、対応する非球面データが示されており、これらの非球面の矢高は、下式を用いて計算されている:
【数1】
【0075】
この場合、半径の逆数(1/r)は、面頂点における面曲率であり、hは、面点と光軸間の距離である。したがって、矢高は、p(h)、すなわち前記面点と前記面頂点との間におけるz方向、すなわち光軸方向の距離である。定数K、C1、C2等は、表2に示されている。
【0076】
浸漬対物レンズ300は、全てのレンズに用いられるフッ化カルシウムがn=1.5593の屈折率を有する約157nmの動作波長用に設計される。これは、157nmにおいてn
I=1.37である浸漬媒質として真空技術において用いられるパーフルオロエーテル(フォムブリン(Fomblin)登録商標)に適合化せしめられるとともに、約1.5mmの像側動作距離を有する。像側開口数NAは、1.2であり、像縮尺率は、4:1である。このシステムは、26×5.0mm
2の大きさを有する像フィールド用に設計されるとともに、二重テレセントリック系である。
【0077】
図4に、
図3に示された実施形態の変形態様を表すとともに、同様に
図2を参照して説明された原理を用いて形成される投影対物レンズ400のレンズ断面図が示されている。同一または対応する要素または要素群は、
図3の場合と同じ参照符号に100を加えた参照符号を用いて示されている。この例証的な実施形態の詳細は、表3および4に示されている。
【0078】
この実施形態においても、フィールドレンズとして用いられる両凸正レンズ426が、折曲鏡413、423と凹面鏡425の間に配置される中間像411、421に光学的にすぐ近接する水平アーム内に配置されて、以って小さい寸法を有する水平アームが得られる一方で、中間像に対する重要な補正効果がもたらされる。
【0079】
この実施形態のさらに他の特別な特徴は、小さい寸法と小さい最大直径とにより、特にコンパクトな構成を有する第3の屈折性対物レンズ部分430の設計にある。最初の正レンズ群435と後続の負レンズ群436および両者間に開口絞り(口径絞り)Aを有する2つの後続の正レンズ群437、438とを有する基本設計は、
図3に示された設計に対応する。第3のレンズ群437の入射面Eは、ビーム直径の最大拡散領域内かつ周辺光線高さの変曲点の範囲内において、第2のレンズ群436内における唯一のレンズである両凸負レンズ436の後に配置される。この入射面と開口絞りAとの間、または前記開口絞りと像平面との間において、光学設計に重要である発散効果を有するいかなる負レンズも配置されない。特に、正レンズのみが、入射面Eと像平面との間において設けられる。
【0080】
有意な屈折力を有する負レンズが、ビーム直径が相対的に大きくなる領域内に存在しない場合は、このことは、レンズの最大直径がこの領域内において実行可能な大きさに制限されることを可能にする。「相対的に大きいビーム直径」は、本明細書の目的上、特にレンズ上における周辺光線高さが、潜在的な絞り位置、たとえばシステム絞り位置において、少なくとも周辺光線高さの半分の大きさになる場合に生じる。この方法は、負レンズの拡散効果は確かに補正のために望ましいかもしれないが、負レンズから下流におけるあらゆる拡散効果は、負レンズが存在しない場合に必要とされるレンズ直径より大きいレンズ直径をもたらす傾向にあることを考慮に入れている。さらにまた、ビームの光線は、下流の像平面の方向に互いに合同せしめられ、このために正の屈折力が必要とされる。この目的のために必要とされる正レンズは、ビームの合同において負レンズの拡散効果を補償する必要もないという条件で、全体として相対的に適度な設計とされうる。さらに、レンズの個数は、制限されうる。これにより、本発明は、最小限のレンズ寸法を有するコンパクトな投影対物レンズを得ることを可能にする。
【0081】
図5に、光学的な観点において、
図2を参照して説明された原理に基づいて設計される投影対物レンズ500の1つの実施形態が示されている。同一または対応する要素または要素群は、
図2の場合と同じ参照符号に300を加えた参照符号を用いて示されている。
【0082】
図2と
図5とに示されるシステムにおけるビーム形状間の比較から、異なるビーム路が、本発明の範囲内において可能であることがわかる。
図2のシステムにおいては、物体平面から凹面鏡225へと進む第1のビーム部分と、前記凹面鏡から像平面へと進む第2のビーム部分とは、いかなる位置においても交差しないため、非交差ビーム路が示されている。これに対して、
図5に示される実施形態は、交差ビーム路を有する。第1の折曲鏡513は、光軸504の側において、第2の折曲鏡523とは別の方向に向けられて配置され、第2の折曲鏡は、幾何学的に物体平面により接近して配置される。その結果として、物体平面501から凹面鏡525へと進む第1のビーム部分540と、凹面鏡525から第2の折曲鏡523を介して像平面へと進む第2のビーム部分550とは、第2の折曲鏡523の鏡面のすぐ上流の領域内において、中間像511、521に近接して交差する。この場合は、第2の中間像521は、光学的に第2の折曲鏡523の直前に、かつ前記第1の折曲鏡の光軸504に対向する内側鏡縁部528に幾何学的に近接して配置される。放射が、前記第1の折曲鏡により、いかなる口径食も生じることなく内側鏡縁部528の領域において第2の折曲鏡の方向に「付勢」されるこの交差ビーム路は、システムの光伝導値の最適化を可能にする。さらにまた、2個の折曲鏡のためのより大きい物理的空間が得られる。
【0083】
この実施形態においても、正のフィールドレンズ群526が、両方の中間像に光学的に近接して、幾何学的に前記折曲鏡と凹面鏡との間において配置されるが、前記第2の折曲鏡と前記第2の中間像とは、正レンズ526からいくらかさらに離れる。
【0084】
自身の物体平面601上に配置されるパターンを、前記物体平面に対して平行に整合せしめられる像平面602上に、2つの中間実像611、621を生じしめて結像させる投影対物レンズ600の1つの実施形態を、
図6を参照して説明する。この投影対物レンズは、物体フィールドの第1の中間実像611を生じしめる第1のカタジオプトリック対物レンズ部分610と、前記第1の中間像を結像させて第2の中間実像621を形成する後続の第2のカタジオプトリック対物レンズ部分620と、前記第2の中間像621を直接、すなわちいかなるまた他の中間像も生じしめることなく、像平面602上に結像させる後続の第3の屈折性対物レンズ部分とを有する。
【0085】
これまでに説明された実施形態との1つの重要な相違点は、第1の対物レンズ部分610が、コンパクトなカタジオプトリックサブシステムであるところにある。このカタジオプトリック対物レンズ部分610は、光軸が物体平面に対して直角をなす凹面鏡615と、物体平面と凹面鏡との間において配置され、かつ光軸604に対して45°に傾斜せしめられるとともに、投影対物レンズ610の第1の折曲鏡として用いられる平面状のビーム分割面613を有する偏光選択ビームスプリッター660(ビームスプリッタキューブBSC)とを有する。λ/4板661と第1の正レンズ群662と第2の正レンズ群663とビームスプリッター660とまた他のλ/4板664と凹面鏡の直前に配置される負レンズ群665とが、物体平面と凹面鏡との間において、前記順序で配置される。前記凹面鏡に続いて、さらに他のλ/4板666と正レンズ群667とが、折曲鏡613から下流においてビーム路内に配置される。フィールドに近接する位置に正レンズ群626を有する第2のカタジオプトリック対物レンズ部分620の基本構成は、本質的に
図2に示された基本設計に対応する。第3の屈折性対物レンズ部分は、正レンズ群のみを有し、前記正レンズ群間に絞り位置が配置される。
【0086】
したがって、この例証的な実施形態においては、折曲は、この折曲を担う折曲鏡613と第1のサブシステムにより生じしめられる第1の中間像611との間において配置される少なくとも1個の正レンズ667の形態をとる正の屈折力を有する第1のカタジオプトリック対物レンズ部分内において起こる。全体としてのシステムは、第1のλ/4板により直線偏光放射に変換される円偏光入力光を用いて作用し、前記直線偏光放射は、斜めに配置されるビーム分割層613に対してp偏光されるとともに、よって本質的に完全に前記ビーム分割層を通過して凹面鏡650に達する。前記ビーム分割層と凹面鏡との間に配置されるλ/4板は、前記直線変更放射により2回通過されるとともに、この過程で偏光優先方向を90°にわたって回転させて、凹面鏡から偏光分割層613に到達する放射が前記層に対してs偏光されるとともに、後続の対物レンズ部分の方向に反射されるようにする。第3のλ/4板666は、放射を円偏光放射に変換し、然る後に前記放射は後続のサブシステムを通過する。
【0087】
第1のカタジオプトリック対物レンズ部分610は、鏡の曲率と前記鏡の上流の負の屈折力とに関連して、像面湾曲と縦色収差とのいずれもが大体または完全に補正されうるように設計されうるため、後続の部分的な対物レンズは、これらの結像誤差の負荷を全くまたはわずかしか受けない。さらにまた、この構成では、物体平面と水平に整合せしめられるカタジオプトリック対物レンズ部分620との間における物理的空間を拡大させることが可能になり、これを利用して光伝導値を低減させることができる。
【0088】
開口絞りAは、好ましくは、像に最も接近する第3の対物レンズ部分630内において、主光線が光軸と交差する位置に配置される。2つのさらに他の絞り可能位置が、第1および第2の対物レンズ部分内において、各々が凹面鏡615、625に接近して示されている。
【0089】
第1の対物レンズ部分は、物理的にコンパクトなものになりうる。
図7に、
図6に示されたシステムの第1の対物レンズ部分610として用いられうるカタジオプトリックサブシステムの実施形態が示されており、この実施形態の詳細は、表5に示されている。同一または対応する要素または要素群は、
図6の場合と同じ参照符号に100を加えた参照符号を用いて示されている。全てのレンズは、球面状であり、全てのビーム分割ブロック760を含む透明要素は、合成石英ガラスにより構成される。
【0090】
図8に、ビーム路を折り曲げるために設けられる折曲鏡のさまざまな実施態様の略図が示されている。これらの折曲鏡は、たとえば、特に表面鏡として独立型の平面鏡の形態をとりうる(
図8(a)および(b))。この場合は、
図2の実施形態においては、
図8(b)に示されるような別個の鏡が一緒に保持されることも可能である。これらの折曲鏡は、さらにまた、
図8(c)および(d)に示されるように、独立型のプリズムの形態をとりうる。反射プリズム面は、それが必要とされる場合は、自身上において生じる入射角によって内部全反射面として作用しうるか、または反射コートを有しうる。特に、
図2〜4に示される実施形態では、これらの鏡は、
図8(e)に示されるような鏡プリズムの外側反射面の形態もとりうる。
【0091】
図9に、
図2を参照して説明されたようなR−C−R形の投影対物レンズ900のさらに他の実施形態が示されている。前記の基本構造に関する説明を参照する。第1の屈折性対物レンズ部分910は、物体面901内に配置される軸外有効物体フィールドOFを第1の中間像911に結像させるように設計される。第1の平面状の折曲鏡913は、前記第1の中間像のすぐ上流において第1の対物レンズ部分内に配置される。凹面鏡925を含む第2のカタジオプトリック対物レンズ部分920は、前記第1の中間像を、第2の折曲鏡923のすぐ上流において前記折曲鏡からある距離に配置される第2の中間像921に結像させるように設計される。自由に接近可能な開口絞りASを含む第3の屈折性対物レンズ部分930は、前記第2の中間像を、光軸の外側に配置される有効像フィールドIFが創出される像面902上に結像させるように設計される。前記第1の対物レンズ部分910は、中継システムとしての役割を果たして、前記第1の中間像を第1の折曲鏡913に接近させて配置する。第2のカタジオプトリック対物レンズ部分920は、前記折曲鏡に幾何学的に近接し、かつ両方の中間像に光学的に近接する位置において正の単レンズ(フィールドレンズ926)を含み、以ってフィールド関連の結像誤差の効率的な補正を可能にする。前記第3の対物レンズ部分は、本実施形態においては26mm・5.5mmのフィールドサイズの有効物体フィールドOFにおいてNA=1.20である像側開口数を得るために投影対物レンズの縮小率の重要な部分を提供する集束レンズ群としての役割を果たす。軌跡全長(物体面901と像面902との間における軸方向距離)は、1400mmである。波面収差は、約4mλrmsである。詳細は、表9、9Aに示されている。結像の主光線CRは、主光線の軌道を辿りやすくするために、実線で描かれている。
【0092】
第1の対物レンズ部分910のレンズは、該レンズの回転対称軸であるとともに、物体面901に対して垂直をなす第1の光軸部分OA1を形成する。第2の対物レンズ部分の凹面鏡925とレンズとの回転対称軸は、本実施形態では、物体側の第1の光軸部分OA1に対して垂直に整合する、第2の光軸部分OA2を形成する。換言すれば、光軸は、第1の折曲鏡913により、90°折り曲げられる。第3の対物レンズ部分930のレンズは、第1の光軸部分OA1に対して平行かつ像面902に対して垂直をなす第3の光軸部分OA3を形成する。本実施形態において、物体側の第1の光軸部分OA1と像側の第3の光軸部分OA3とは同軸であって、いかなる側方軸偏移もこれらの光軸部分間において存在しないようになっている。この構成は、屈折性対物レンズ部分のレンズの取付けに関して望ましいかもしれない。第1および第3の光軸部分OA1、OA3が同軸である同様の構成が、
図10に、投影対物レンズ1000として示されている。この設計の詳細は、表10、10Aに示されている。いずれの実施形態においても、有限値の物体像シフトOISが存在する。
【0093】
投影対物レンズ900において、第1の折曲鏡913のすぐ上流のレンズ面ASPは、第1の中間像に光学的に接近する非球面である。フィールド関連の結像誤差の効率的な補正が達成される。投影対物レンズ1000において、フィールドレンズ1026は、凹面鏡に対向する非球面状レンズ面ASPを有する。この非球面は、第1および第2の中間像1011、1021の両方に最も近接するレンズ面であり、したがってビーム路に沿った2点における補正に非常に効果的である。この設計の波面収差は、約3mλrmsである。
【0094】
図11に示される投影対物レンズ1100の実施形態(詳細は表11、11A)は、好適な実施形態において、物体側における第1の光軸部分OA1と像側における第3の光軸部分OA3との間における側方軸偏移AOが適切に調節されると、実際的な利点が得られることを実証する一例である。以下で用いられる用語を理解しやすくするために、
図11´に、重要な特徴とパラメータとを示す略図が示されている。
【0095】
光学的な観点から、軸外有効物体フィールドOFは、第1の対物レンズ部分1110により、第1の折曲鏡1113と第2の対物レンズ部分1120の正のフィールドレンズ1126との間に配置される第1の中間像1111に結像せしめられる。この第2の対物レンズ部分は、凹面鏡1125を含むとともに、結像サブシステムとして設計されて、正レンズ1126と第2の折曲鏡1123との間に配置される第2の中間像1121を創出する。第3の対物レンズ部分1130は、集束レンズ群としての役割を果たして、この場合はNA=1.30である非常に高い像側開口数NAで、軸外有効像フィールドIFを生じしめる。
【0096】
図9および10の実施形態と対照的に、直角をなす平面により第1および第2の折曲鏡を形成する折曲プリズムが非対称的に用いられて、以って側方軸偏移AOが、物体側における第1の光軸部分OA1と像側における第3の光軸部分OA3との間において得られる(
図11´参照)。この特定の実施形態において、軸偏移AOは、物体フィールド中心を通って第1の光軸部分OA1に対して平行に延在する物体フィールド中心軸OFCAと像フィールドIFの中心を通るとともに第3の光軸部分OA3に対して平行に延在する像フィールド中心軸IFCAとが一致する(同軸となる)ような態様に設定される。換言すれば、有効物体フィールドOFと像フィールドIFとの間には、いかなる物体像シフト(OIS)も存在しない。この特性は、一般に、軸外物体フィールドを有するカタジオプトリック投影対物レンズではなく、光軸を中心とする有効物体フィールドを有する投影対物レンズ(たとえば純屈折性の対物レンズまたは物理的ビーム分割機能を有するカタジオプトリック対物レンズまたは瞳オブスキュレーションを有する対物レンズ)でしか得られない。
図11´から明らかなように、側方軸偏移AOの大きさは、OIS=0であることが望まれる場合は、側方軸偏移AOと像フィールド中心高さh´との和が、物体フィールド中心高さhと等しくなるように設定される。その場合は、以下のとおりとなる:
|AO|=|h
*(1+|β|)|
本発明の好適な実施形態のまた他の有利な態様は、フィールドレンズの正の屈折力を適切に選択することに関する。以下に例証的に示されるように、屈折力を適正に選択することにより、NA=1.3またはNA=1.35等の非常に高い像側開口数を有する投影対物レンズを製造することが可能になる一方で、折曲鏡の上流および/または下流のレンズの最大寸法と投影対物レンズの軌跡全長とが適度に維持される。実証のために、
図12に、NA=1.25の像側開口数と関連ある従来技術の対物レンズの軌跡長(1400mm、国際特許第2004/019128A1号の
図19)より小さい1250mmの軌跡長とを有する、国際特許第2004/019128号に示されているようなR−C−R形の従来技術の投影対物レンズの変形態様が示されている。いかなるフィールドレンズも幾何学的に折曲鏡と凹面鏡との間に配置されない。
【0097】
比較のために、
図13に、本発明の一実施形態として、正のフィールドレンズ1326が幾何学的に折曲鏡1313、1323と凹面鏡1325との間に配置される、同じ開口数(NA=1.25)と軌跡長(1250mm)とを有する投影対物レンズ1300が示されている。比較しやすくするために、
図14の略図において、フィールドレンズを有さない従来技術のシステムが(a)に、フィールドレンズFLを含む本発明の実施形態が(b)に示されている。主光線CRの軌道は、
図12および13において実線で描かれるとともに、加えて周辺光線MRの軌道も示されている
図14にも略示されている。
【0098】
次に、
図12の実施形態に関連ある従来技術のシステムのいくつかの独特な特徴を、
図14(a)の参照符号を用いて要約する。第1の対物レンズ部分は、第1の中間像IMI1を折曲プリズムの第1の折曲鏡FM1に近接して創出するように設計される屈折性中継レンズ群L1である。凹面鏡CMを含む軸方向にコンパクトな(短い)第2のカタジオプトリック対物レンズ部分は、第2の中間像IMI2を第2の折曲鏡FM2に近接して創出する。第3の対物レンズ部分により形成される純屈折性の主集束レンズ群L2は、像を形成する。
【0099】
前記第1の対物レンズ部分は、第1のレンズ群LG1と第2のレンズ群LG2(各々が正の屈折力)とに細分され、瞳面は、これらのレンズ群間において、主光線CRが光軸OAと交差する位置に配置される。第3の対物レンズ部分は、正の屈折力を有する第3のレンズ群LG3と、負の屈折力を有する第4のレンズ群LG4と、正の屈折力を有する第5のレンズ群LG5とを前記の順序で含む。像側瞳面は、この第3の対物レンズ部分内において、主光線が光軸と交差する位置に配置される。開口絞りASは、一般に、この位置に配置される。光学的に第1および第2の中間像間の瞳面は、凹面鏡CMに近接する位置または該凹面鏡の位置に配置される。
【0100】
これに代わる方法として、開口絞りは、さらにまた、また他の瞳面の一方、すなわち屈折性中継レンズ群L1内またはカタジオプトリックレンズ群内において、凹面鏡に接近して配置されうる。
【0101】
主光線CRは、第1の中間像IMI1と該中間像に光学的に近接する第1の折曲鏡とにおいて収束する。ここで、収束する主光線は、主光線高さCRH、すなわち主光線と光軸との間における半径方向距離が、光の伝播方向に減少していく主光線である。その一方で、主光線は、第2の中間像IMI2と第2の折曲鏡とにおいて発散する(すなわち主光線高さが光の伝播方向に増加していく)。
【0102】
折曲鏡と凹面鏡との間において中間像を有する折曲形状により、第1の中間像および第2の中間像に最も近い第2のレンズ群LG2および第3のレンズ群LG3は、折曲鏡がこれらのレンズと中間像との間に配置されるため、それぞれ光学的に前記中間像から相対的に遠くに位置する。主光線の収束/発散の結果として、折曲鏡に最も近い前記レンズは、大型(大きいレンズ直径)になる傾向を有する。この効果は、より大きい距離が凹面鏡と折曲鏡との間において設定されて、以ってより長い水平アーム(HOA)の対物レンズが形成される場合には、より弱くなりうることに注意されたい。
【0103】
これらの条件を考慮すると、水平光軸は、像側開口数NAを増大せしめると短くなる傾向を有する。このことは、以下のように理解されうる。凹面鏡の第1の目的は、投影対物レンズのペッツヴァルの和(像面湾曲)を補正することにある。ペッツヴァルの和の補正に対する凹面鏡の寄与度は、凹面鏡の曲率に直接比例する。システムの開口数を増大させるとともに、同時に水平アームHOAの長さを一定に保てば、凹面鏡を含むカタジオプトリックレンズ群の直径は増加する。その1つの潜在的な結果として、凹面鏡の曲率は、より小さくなり、以ってペッツヴァルの和の補正に対する凹面鏡の効果は低下する。このことは、その場合にはペッツヴァルの和の補正が投影対物レンズのその他の部分において達成されなければならなくなり、以って設計がより複雑になるため、あまり望ましくないと考えられる。
【0104】
その一方で、ペッツヴァルの和の補正に対するカタジオプトリックレンズ群の補正効果を維持することが望まれる場合は、凹面鏡を含むカタジオプトリックレンズ群の直径を本質的に一定に維持しなければならない。しかし、このことは、水平アームの長さを減じることに対応し、これは、
図14(a)の略図および
図12の投影対物レンズ1200に示されるように、中間像における相対的に大きい主光線角をもたらす。
【0105】
図12から、非常に大きいレンズ直径が、特に第1の折曲鏡のすぐ上流の第2のレンズ群LG2の2個または3個の正レンズに関して必要とされることがわかる。
【0106】
しかしながら、開口数を増大させることが望まれる場合は、第3の対物レンズ部分内において、主にウェーハに隣接する最も近い瞳位置の近傍に十分なレンズ間隔を設けなければならない。さらにまた、対物レンズの軌跡長を妥当な値に制限することが望まれる場合は、第1の対物レンズ部分(中継レンズ群L1)を軸方向により短く設計するとともに、第1の折曲鏡のすぐ上流のレンズの直径を減じることが望ましいと思われる。
【0107】
これらの目的は、
図14(b)の略図および
図13の実施形態1300に例証的に示されるように、十分な正の屈折力を有するフィールドレンズを、幾何学的に、中間像に光学的にもっとも近い前記折曲鏡と凹面鏡との間に導入することによって達成されうる。
図13からわかるように、レンズ1326によって得られる正の屈折力は、主光線CRを光軸に対して略平行に、または第1の折曲鏡1313上に若干発散させて案内することを可能にし、以って第1の折曲鏡のすぐ上流の2個または3個のレンズの直径は、
図12の設計と比べた場合に実質的に減じられうる。さらにまた、第1の対物レンズ部分1310の第1の軸方向長さAL1は、
図12の第1の対物レンズ部分1210の対応する長さと比べた場合に、実質的に減じられる。その結果として、第3の対物レンズ部分内において、開口数の増大に寄与するレンズを導入するためのより大きい空間を得ることができる。また、フィールドレンズを導入すると、凹面鏡を含む水平アームは、実質的により長くなり、凹面鏡は、実質的により小さくなる。
【0108】
図3の実施形態において、さらにまた、第1および第2の両方の中間像は、フィールドレンズ1326と、凹面鏡1325を含む鏡群との間における空間内に配置されることがわかる。特に、中間像と最も近い光学面(凹面鏡に対向する正レンズ1326のレンズ面)との間における軸方向距離が十分に大きくなって、前記最も近い光学面は、軸方向に近軸中間像(近軸光線により形成される中間像)と周辺光線中間像(結像の周辺光線により形成される)との間において形成される中間像空間の外側に位置するようになる。少なくとも10mmの最小距離が、この場合に得られる。フィールドレンズは、第1の対物レンズ部分1310の最後のレンズとして、かつ第3の対物レンズ部分1330の第1のレンズ(縮小投影対物レンズとしての意図される用途において光伝播方向に見た場合)として効果的である。したがって、
図13が、1個のレンズ(フィールドレンズ1326)が光学的に第1および第3の両方の結像サブシステム内に配置される、2つの屈折性結像サブシステム(第1の対物レンズ部分1310と第3の対物レンズ部分1330とによって形成される)を有する投影対物レンズの図であることは、注目に値する。さらにまた、各折曲鏡は、屈折性結像サブシステム内において、それぞれのサブシステムのレンズ間に配置される。
【0109】
以下の
図15〜17の実施形態(詳細はそれぞれ表15、15A、16、16Aおよび17、17Aに示す)は、
図13の実施形態を基本とするとともに、十分な屈折力を有するフィールドレンズを有する基本設計が適度なレンズ寸法でさらに一層高い像側開口数を得ることを可能にすることを例証的に示している。詳細は、それぞれ表15、15A、16、16Aおよび17、17Aに示されている。
【0110】
N=1.30の像側開口数が、
図15の投影対物レンズ1500において得られる。ここで、主光線CRは、第1および第2の折曲鏡において光軸に対して略平行になる。特に、|CRA1|=0.055の第1の主光線方向余弦が第1の折曲鏡において得られ、CRA2=0.058の第2の主光線方向余弦が第2の折曲鏡において得られる。
【0111】
投影対物レンズ1300および1500において、水平アーム内の正のフィールドレンズ1326、1526は、折曲鏡に非常に接近して配置されて、続いて、中間像が、前記フィールドレンズと凹面鏡との間において光学材料がない空間内に配置されるようになる。しかし、交差するレンズ形記号から明らかなように、1個以上の切り詰められたレンズが、折曲鏡に近接して用いられなければならず、このことは、レンズの取付けをより複雑にする。
【0112】
このような取付けの問題は、正のフィールドレンズ1626が、折曲鏡1613、1623から遠く離れて、前記折曲鏡のすぐ上流および下流のレンズ間に形成される円筒状空間のほとんど外側において配置される
図16の投影対物レンズ1600において回避される。この実施形態においては、安定な取付け技術を用いる円形レンズが用いられうる。光学的な観点から、第1および第2の折曲鏡における主光線角は、略零(本質的にテレセントリックな主光線)となる。いずれの中間像1611および1621も本質的に折曲鏡とフィールドレンズ1626との間に配置されるため、前記フィールドレンズは、この場合は、凹面鏡1625を含む第2のカタジオプトリック結像対物レンズ部分1620の一部分となる。この変形態様では、折曲鏡に近接した設置空間の問題が回避される。NA=1.30の像側開口数が得られる。
【0113】
この設計型式は、さらに一層高い開口数が得られる潜在性を有しており、このことは、NA=1.35の像側開口数を有する、
図17に示される投影対物レンズ1700から明らかである。
図16の実施形態の場合と同様に、主光線は、折曲鏡において略テレセントリックとなり、中間像1711、1721は、本質的に、折曲鏡とフィールドレンズ1726との間に配置される。
図16の実施形態に対して開口数が増大することから、この実施形態では、さらに他の、かつ/またはより強いレンズのための十分な空間が、高開口数をもたらす役割を担う第3の対物レンズ部分内において得られうることがわかる。
【0114】
すでに記載のように、本発明により、相対的に少量の光学材料を用いて製造されうる、特にNA>1の開口数での浸漬リソグラフィーを可能にする高開口数を有するカタジオプトリック投影対物レンズを製造することができる。以下に、特にコンパクトな投影対物レンズが製造されうることを表すパラメータを考慮して、材料消費量が潜在的に少量であることを実証する。
【0115】
一般に、投影対物レンズの寸法は、像側開口数NAが増大すると、劇的に増大する傾向にある。経験的に、最大レンズ直径D
maxは、NAの増大とともにD
max〜NA
kにしたがって線形を上回って著しく増加する傾向にあることがわかった。k=2の値は、本明細書の目的上用いられる近似値である。さらにまた、最大レンズ直径D
maxは、像フィールドの大きさ(像フィールド高さY´により表され、ここで、Y´は、像フィールド点と光軸との間における最大距離である)に比例して増加することがわかった。本明細書の目的上、線形の従属性が仮定される。これらの考慮事項に基づいて、第1の小型性パラメータCOMP1は、下記のように定義される:
COMP1=D
max/(Y´・NA
2)
任意の値の像フィールド高さと開口数とにおいて、第1の小型性パラメータCOMP1は、コンパクトな設計が望まれる場合には、可能な限り小さくならなければならないことが明らかである。
【0116】
投影対物レンズを得るために必要な全体としての材料消費量を考慮すると、レンズの絶対数N
Lもまた直接的に関連する。一般に、より少数のレンズを有するシステムは、より多数のレンズを有するシステムより好ましい。したがって、第2の小型性パラメータCOMP2は、下記のように定義される:
COMP2=COMP1・N
L
この場合も、COMP2が小値であることは、コンパクトな光学システムであることを示す。
【0117】
さらに、本発明の好適な実施形態にしたがった投影対物レンズは、入口側のフィールド面を光学的に共役な出口側のフィールド面に結像させる少なくとも3個の対物レンズ部分を有しており、結像対物レンズ部分は、中間像で連結される。一般に、投影対物レンズの製造に必要なレンズの個数および全体としての材料は、光学システムの結像対物レンズ部分の個数N
OPが増えると増加する。対物レンズ部分毎の平均レンズ数N
L/N
OPを可能な限り少数に維持することが望ましい。したがって、第3の小型性パラメータCOMP3は、下記のように定義される:
COMP3=COMP1・N
L/N
OP
この場合も、光学材料の消費量が少ない投影対物レンズは、COMP3が小値であることを特徴とする。
【0118】
表18に、小型性パラメータCOMP1、COMP2、COMP3の計算に必要な値と、詳細表(表の番号(同じ番号の図に対応)は、表18の第1欄に示されている)に示された各々のシステムに関するこれらのパラメータのそれぞれの値とがまとめられている。したがって、少なくとも1個の凹面鏡と少なくとも2個の結像対物レンズ部分(すなわち少なくとも1個の中間像)とを有するコンパクトなカタジオプトリック投影対物レンズを得るためには、以下の条件(1)〜(3)の少なくとも1つが観察されなければならない:
(1) COMP1<11
好ましくは、COMP1<10.7が観察されるべきである。
【0119】
(2) COMP2<340
好ましくは、COMP2<320、さらに好ましくはCOMP2<300が観察されるべきである。
【0120】
(3) COMP3<110
好ましくは、COMP3<100が観察されるべきである。
【0121】
いくつかの実施形態においては、COMP1<11であり、かつ同時にCOMP2<340となって、これにより特にコンパクトな設計が可能になる。
【0122】
また他の態様は、いくつかの実施形態において最大のレンズに対して特に小さく、以って製造および取付けが容易である凹面鏡の大きさに関する。いくつかの実施形態では、凹面鏡は、鏡直径D
Mを有し、投影対物レンズは、最大レンズ直径D
maxを有し、D
M<0.75
*D
maxの条件が成り立つ。好ましくは、D
M<0.70
*D
maxの条件が満たされうる。
【0123】
表18から、本発明にしたがった好適な実施形態では、一般に、これらの条件の少なくとも一方が観察されることがわかり、本明細書に開示の設計規則によれば、適度な材料消費量および/または小さい凹面鏡を有するコンパクトな設計が得られることが示されている。
【0124】
物体平面から到来する放射を凹面鏡の方向に偏向させる第1の折曲鏡と、前記凹面鏡から到来する放射を像平面の方向に偏向させる第2の折曲鏡とを有するR−C−R形のカタジオプトリック投影対物レンズの例を用いて、本発明を詳細に説明した。本発明は、異なる折曲形状を有する設計、たとえば物体平面から到来する放射が、直接凹面鏡に向けられた後に、前記凹面鏡から到来する放射を像平面の方向に偏向させるように配置される第1の折曲鏡上において反射される設計でも実施されうる。これらの実施形態において、第2の折曲鏡は、一般に、第1の折曲鏡の下流に設けられて、物体平面と像平面との平行配置を可能にする。
【0125】
前記の全てのシステムは、完全システム、すなわち実在の物体(たとえばフォトリソグラフィーマスク)から実像を(たとえばウェーハ上に)形成するシステムでありうることは自明である。しかし、これらのシステムは、より大きいシステムのサブシステムとしても用いられうる。したがって、たとえば、前記の1つのシステムの「物体」は、物体平面の上流に配置される結像システム(たとえば中継システム)により生じしめられる像でありうる。同様に、前記の1つのシステムによって形成される像は、像平面から下流のシステム(たとえば中継システム)において物体として用いられうる。「第1の対物レンズ部分」および「第2の対物レンズ部分」等の表現を用いて列挙される対物レンズ部分は、これらの対物レンズ部分が縮小対物レンズとして用いられる場合に、ビームがこれらの対物レンズ部分を通過する順序に関連する。「第1」および「第2」等の表現は、相対的なものとして理解されるべきである。「第1」の対物レンズ部分は、ビームが対物レンズ部分を通過する方向において、「第2」の対物レンズ部分の上流に配置される。この第1の対物レンズ部分は、必ずしも全体としてのシステムにおける第1の対物レンズ部分、すなわちシステム内において像平面のすぐ後続の対物レンズ部分である必要はない。しかしながら、図示された例証的な実施形態においては、そうである。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表9】
【表9A】
【表10】
【表10A】
【表11】
【表11A】
【表12】
【表12A】
【表13】
【表13A】
【表15】
【表15A】
【表16】
【表16A】
【表17】
【表17A】
【表18】
【図面の簡単な説明】
【0126】
【
図1】本発明にしたがったカタジオプトリック投影対物レンズの1つの実施形態を有する浸漬リソグラフィー用投影露光システムの略図である。
【
図2】屈折性の第1の対物レンズ部分と反射屈折性の第2の対物レンズ部分と屈折性の第3の対物レンズ部分とを有する、本発明にしたがった投影対物レンズの好適な実施形態の設計を示す略図である。
【
図3】本発明にしたがった投影対物レンズの第1の実施形態のレンズ断面図である。
【
図4】本発明にしたがった投影対物レンズの第2の実施形態のレンズ断面図である。
【
図5】異なる折曲形状と交差ビーム路とを有する、本発明にしたがった投影対物レンズの1つの実施形態の設計を示す略図である。
【
図6】反射屈折性の第1の対物レンズ部分と反射屈折性の第2の対物レンズ部分と屈折性の第3の対物レンズ部分とを有する、本発明にしたがった投影対物レンズの1つの実施形態を示す略図である。
【
図7】
図6に示された設計に用いられうる、物理的ビームスプリッターを有する反射屈折性の第1の対物レンズ部分の1つの実施形態のレンズ断面図である。
【
図8】本発明にしたがった投影対物レンズ用の折曲鏡の異なる鏡構成を示す図である。
【
図9】同軸の第1および第3の対物レンズ部分を有する実施形態のレンズ断面図である。
【
図10】同軸の第1および第3の対物レンズ部分を有するまた他の実施形態のレンズ断面図である。
【
図11】いかなる物体像シフト(OIS)も存在しないように側方に偏移する第1および第3の対物レンズ部分を有する実施形態のレンズ断面図であり、
図11´は、そのための条件を示す図である。
【
図12】いかなるフィールドレンズも有さない基準システムのレンズ断面図である。
【
図13】折曲鏡において本質的にテレセントリックな主光線を有する実施形態のレンズ断面図である。
【
図14】従来システム(a)と、折曲鏡において本質的にテレセントリックな主光線を有する実施形態(b)とにおける主光線の軌道を示す略図である。
【
図15】折曲鏡における本質的にテレセントリックな主光線と前記折曲鏡に幾何学的に接近するフィールドレンズとを有しており、前記フィールドレンズは、光学的に第1の対物レンズ部分内と第3の対物レンズ部分内との両方に位置するまた他の実施形態のレンズ断面図である。
【
図16】折曲鏡からさらに離間して光学的に反射屈折性の第2の対物レンズ部分内においてフィールドレンズを有するとともに、NA=1.30を有する実施形態のレンズ断面図である。
【
図17】NA=1.35を有する
図16の投影対物レンズの変形態様を示す図である。