(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記第1の差分絶対値の全てが前記第1の判定値よりも大きい場合に、前記周波数オフセットを算出することを特徴とする請求項1に記載の周波数オフセット除去回路。
複数の前記第2の差分絶対値の全てが前記第2の判定値よりも小さい場合に、前記周波数オフセットを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数オフセット除去回路。
ベースバンド信号の任意の第1のタイミングにおける周波数レベルを第1の周波数レベルとし、前記第1のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する第1の差分絶対値算出ステップと、
前記第1のタイミングから0.5シンボル後の第2タイミングにおける前記ベースバンド信号の周波数レベルを第2の周波数レベルとし、前記第2のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する第2の差分絶対値算出ステップと、
前記第1の差分絶対値が予め設定された第1の判定値よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値が予め設定された第2の判定値よりも小さい場合に、前記第1の差分絶対値の算出に用いた周波数レベルの平均値としての第1の平均値、又は前記第2の差分絶対値の算出に用いた周波数レベルの平均値としての第2の平均値の少なくともいずれかの平均値を周波数オフセットとして算出する周波数オフセット算出ステップと、
を有することを特徴とする周波数オフセット除去方法。
前記周波数オフセット算出ステップにおいては、前記周波数オフセットを前記第1の平均値、及び前記第2の平均値の平均値として算出することを特徴とする請求項4に記載の周波数オフセット除去方法。
前記周波数オフセット算出ステップにおいては、複数の前記第1の差分絶対値の全てが前記第1の判定値よりも大きい場合に、前記周波数オフセットを算出することを特徴とする請求項4又は5に記載の周波数オフセット除去方法。
前記周波数オフセット算出ステップにおいては、複数の前記第2の差分絶対値の全てが前記第2の判定値よりも小さい場合に、前記周波数オフセットを算出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1つに記載の周波数オフセット除去方法。
受信信号を検波してベースバンド信号を生成する検波部と、前記ベースバンド信号の周波数オフセットを除去する周波数オフセット除去回路と、前記周波数オフセットが除去された前記ベースバンド信号に基づいて受信信号を復調する復調部と、を備えた通信機器であって、
前記ベースバンド信号の周波数レベルを0.5シンボル間隔でサンプリングして一連のサンプルレベルを得るサンプリング部と、
前記サンプルレベル中の任意の第1の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する第1の差分絶対値算出部と、
前記サンプルレベル中の、前記第1の周波数レベルから0.5シンボル後の第2の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する第2の差分絶対値算出部と、
前記第1及び第2の差分絶対値の算出に用いられた前記サンプルレベルの平均値を算出する平均値算出部と、
前記第1の差分絶対値が予め設定された第1の判定値よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値が予め設定された第2の判定値よりも小さい場合に、前記平均値算出部にて算出された前記平均値を前記周波数オフセットとして設定する周波数オフセット保持部と、
を有することを特徴とする通信機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のように所定期間におけるベースバンド信号の振幅平均値を周波数オフセットとして除去する方法にあっては、該所定期間を短く設定した場合にはベースバンド信号に対する周波数オフセット除去の追従性が高くなる一方で周波数オフセット除去精度が比較的低いものになり、該所定期間を長く設定した場合には周波数オフセット除去精度が比較的高いものになる一方でベースバンド信号に対する周波数オフセット除去の追従性が低くなる、というベースバンド信号に対する周波数オフセット除去の追従性とオフセット除去精度とがトレードオフの関係になるという問題があった。
【0006】
また、特許文献2の技術のようにプリアンブルのデータパターンの振幅平均値を周波数オフセットとして除去する方法にあっては、プリアンブルデータパターンから周波数オフセットを算出した後にペイロード区間でオフセットが生じた場合には、プリアンブルデータパターンにて算出した周波数オフセットは除去すべき最適な周波数オフセットではなくなってしまう、すなわち除去すべき周波数オフセットの値がペイロード区間にまで追従できないという問題があった。また、プリアンブルデータを認識する前にアクセスコードを誤検出してしまった場合には、そもそもプリアンブルデータパターンを認識することができず、周波数オフセットを算出することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、ペイロード区間にまで迅速且つ高精度に追従して周波数オフセットの除去が可能な周波数オフセット除去回路及び方法並びに当該回路を含む通信機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるベースバンド信号の周波数オフセットを除去する周波数オフセット除去回路であって、前記ベースバンド信号の周波数レベルを0.5シンボル間隔でサンプリングして一連のサンプルレベルを得るサンプリング部と、前記サンプルレベル中の任意の第1の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する第1の差分絶対値算出部と、前記サンプルレベル中の、前記第1の周波数レベルから0.5シンボル後の第2の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する第2の差分絶対値算出部と、前記第1及び第2の差分絶対値の算出に用いられた前記サンプルレベルの平均値を算出する平均値算出部と、前記第1の差分絶対値が予め設定された第1の判定値よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値が予め設定された第2の判定値よりも小さい場合に、前記平均値算出部にて算出された前記平均値を前記周波数オフセットとして設定する周波数オフセット保持部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明によるオフセット除去方法は、ベースバンド信号の任意の第1のタイミングにおける周波数レベルを第1の周波数レベルとし、前記第1のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する第1の差分絶対値算出ステップと、前記第1のタイミングから0.5シンボル後の第2のタイミングにおける前記ベースバンド信号の周波数レベルを第2の周波数レベルとし、前記第2のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する第2の差分絶対値算出ステップと、前記第1の差分絶対値が予め設定された第1の判定値よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値が予め設定された第2の判定値よりも小さい場合に、前記第1の差分絶対値の算出に用いた周波数レベルの平均値としての第1の平均値、又は前記第2の差分絶対値の算出に用いた周波数レベルの平均値としての第2の平均値の少なくともいずれかの平均値を周波数オフセットとして算出する周波数オフセット算出ステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による通信機器は、受信信号を検波してベースバンド信号を生成する検波部と、前記ベースバンド信号の周波数オフセットを除去する周波数オフセット除去回路と、前記周波数オフセットが除去された前記ベースバンド信号に基づいて受信信号を復調する復調部と、を備えた通信機器であって、前記ベースバンド信号の周波数レベルを0.5シンボル間隔でサンプリングして一連のサンプルレベルを得るサンプリング部と、前記サンプルレベル中の任意の第1の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する第1の差分絶対値算出部と、前記サンプルレベル中の、前記第1の周波数レベルから0.5シンボル後の第2の周波数レベルを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する第2の差分絶対値算出部と、前記第1及び第2の差分絶対値の算出に用いられた前記サンプルレベルの平均値を算出する平均値算出部と、前記第1の差分絶対値が予め設定された第1の判定値よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値が予め設定された第2の判定値よりも小さい場合に、前記平均値算出部にて算出された前記平均値を前記周波数オフセットとして設定する周波数オフセット保持部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による周波数オフセット除去回路及び方法並びに通信機器によれば、プリアンブル部分のみならずペイロード部分のベースバンド信号に対する適切な判定閾値を設定することができる。また、判定閾値設定のためにプリアンブル部分を検出するための回路を設ける必要もない。更に、ペイロード部分に出現するデータパターンに基づいて判定閾値を更新することができるのでオフセットの変動に追従して適切な判定閾値を設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施例>
図1には、本実施例の周波数オフセット除去回路10の構成が示されている。周波数オフセット除去回路10は、検波部20(
図3)から供給されるベースバンド信号に周波数オフセットが存在する場合であっても、当該周波数オフセットを除去して当該ベースバンド信号が示すデータ値を正しく判別するための回路である。
【0015】
サンプリング部11は、検波部20(
図3)から供給されるベースバンド信号を遅延させて出力する。
【0016】
図2には、サンプリング部11の構成が示されている。サンプリング部11は、ベースバンド信号の周波数レベルを0.5シンボル間隔でサンプリングして一連のサンプルレベルを得ることが可能であり、直列に接続された8つの遅延回路50−0〜50−7からなる。なお、ここでの0.5シンボル間隔とは、例えばマスタクロック周波数と伝送レートと遅延回路段数とによって定められる設計値であり、必ずしもそれらの製造誤差に起因して結果として生じる間隔を示しているわけではない。遅延回路50−0〜50−7の各々は、入力信号を0.5シンボル分だけ遅延させて後段に出力する。かかる構成により、ベースバンド信号は0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、及び4シンボルずつ遅延し、それぞれ信号レベルD0、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、及びD8として出力される。換言すれば、サンプリング部11は、4シンボル分に相当するサンプリング期間内において0.5シンボルをサンプリング間隔としてベースバンド信号の周波数レベルをサンプリングして得られた信号レベル(以下、サンプルレベルと称する)D0、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、及びD8を出力する。なお、1シンボルはベースバンド信号の半周期に相当する。
【0017】
減算部12−0〜12−6は、サンプリング部11から出力されたサンプルレベルD0〜D8に対して減算処理を施す。詳細には、減算部12−0はサンプルレベルD0とD2の差、減算部12−1はサンプルレベルD1とD3の差、減算部12−2はサンプルレベルD2とD4の差、減算部12−3はサンプルレベルD3とD5の差、減算部12−4はサンプルレベルD4とD6の差、減算部12−5はサンプルレベルD5とD7の差、減算部12−6はサンプルレベルD6とD8の差をそれぞれ減算値S0、S1、S2、S3、S4、S5、S6として出力する。
【0018】
絶対値化部13−0〜13−6は、減算値S0〜S6の絶対値(以下、差分絶対値と称する)A0〜A6を出力する。以下、減算部12−0、12−2、12−4及び12−6と絶対値化部13−0、13−2、13−4及び13−6とをまとめて第1の差分絶対値算出部と称する。また、減算部12−1、12−3及び12−5と絶対値化部13−1、13−3及び13−5とをまとめて第2の差分絶対値算出部と称する。
【0019】
これらの算出部の動作について敷衍すれば以下のようになる。すなわち、第1の差分絶対値算出部は、サンプルレベルD1〜D8中の任意の1つ(以下、第1の周波数レベルと称する)を基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接するサンプルレベルの各々間の差分絶対値(以下、第1の差分絶対値と称する)を複数算出する。換言すれば、第1の差分絶対値算出部は、ベースバンド信号の任意のタイミング(以下、第1のタイミングと称する)における周波数レベルを第1の周波数レベルとし、当該第1のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第1の差分絶対値として複数算出する。
【0020】
第2の差分絶対値算出部は、サンプルレベルD1〜D8のうちの第1の周波数レベルから0.5シンボル後のサンプルレベル(以下、第2の周波数レベルと称する)を基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接するサンプルレベルの各々間の差分絶対値(以下、第2の差分絶対値と称する)を複数算出する。換言すれば、第2の差分絶対値算出部は、上記第1のタイミングから0.5シンボル後のタイミング(以下、第2のタイミングと称する)におけるベースバンド信号の周波数レベルを第2の周波数レベルとし、当該第2のタイミングを基準に1シンボル間隔毎に互いに隣接する周波数レベルの各々間の差分の絶対値を第2の差分絶対値として複数算出する。
【0021】
以下、比較部14−0〜14−6と、論理和部15と、微分回路16と、閾値保持部18とをまとめて周波数オフセット保持部と称する。周波数オフセット保持部は、第1の差分絶対値A0、A2、A4、A6の全てが予め設定された第1の判定値1よりも大きく、且つ前記第2の差分絶対値A1、A3、A5の全てが予め設定された第2の判定値2よりも小さい場合に、平均値算出部17にて算出された平均値を周波数オフセットとして設定する。
【0022】
比較部14−0〜14−6は、差分絶対値A0〜A6と、予め設定された第1及び第2の判定値(以下、判定値1及び2と称する)とを比較する。
【0023】
詳細には、比較部14−0は差分絶対値A0が判定値1より大きい場合に論理値”1”の比較結果値C0を出力する。また、比較部14−0は差分絶対値A0が判定値1以下である場合には論理値”0”の比較結果値C0を出力する。同様に、比較部14−2は差分絶対値A2が判定値1より大きい場合、比較部14−4は差分絶対値A4が判定値1より大きい場合、比較部14−6は差分絶対値A6が判定値1より大きい場合にそれぞれ比較結果値C2、C4、C6を論理値”1”として出力し、そうでない場合には論理値”0”として出力する。
【0024】
また、比較部14−1は差分絶対値A1が判定値2より小さい場合に比較結果値C1を論理値”1”として出力する。また、比較部14−1は差分絶対値A1が判定値2以上である場合には比較結果値C1を論理値”0”として出力する。同様に、比較部14−3は差分絶対値A3が判定値2より小さい場合、比較部14−5は差分絶対値A5が判定値2より小さい場合にそれぞれ比較結果値C3、C5を論理値”1”として出力し、そうでない場合には論理値”0”として出力する。
【0025】
かかる構成により、第1の差分絶対値A0、A2、A4、A6の各々が第1の判定値1よりも大きく且つ第2の差分絶対値A1、A3、A5の各々が第2の判定値2よりも小さいという条件のときに、比較結果値C0〜C6の全ての論理値が”1”になる。以下、差分絶対値A0、A2、A4、A6をピーク系列絶対値と称し、差分絶対値A1、A3、A5を中点系列絶対値と称する。また、判定値1をピーク系列判定値、判定値2を中点系列判定値とも称する。
【0026】
ピーク系列判定値及び/又は中点系列判定値は、例えばベースバンド信号の振幅方向の大きさや予想されるオフセットの大きさ等を勘案してユーザーの判断により手動調整可能である。手動調整は、例えば外部からの判定値変更信号の入力によってなされる。判定値変更信号は、例えば、比較部14−0〜14−6がピーク系列判定値又は中点系列判定値の候補値として予め有している複数の判定値のうちの1つを指定する内容であっても良いし、判定値を数値で直接指定する内容であっても良い。また、例えば、使用される伝送方式を示す伝送方式信号(図示せず)に応じて比較部14−0〜14−6がこれらの判定値を自動調整するようにしても良い。伝送方式信号は、例えば、受信フレーム内に含まれているものでも良いし、外部から別途供給されるものでも良い。
【0027】
論理和部15は、比較結果値C0、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6の論理和を求める。比較結果値C0〜C6の全ての論理値が”1”の場合に、論理和部15は論理値”1”を微分回路16に供給する。比較結果値C0〜C6のうちの少なくとも1つの論理値が”0”の場合には、論理和部15は論理値”0”を微分回路16に供給する。
【0028】
微分回路16は、論理和部15から供給される論理値が”0”から”1”に変化するときの立ち上りエッジを検出して判定パルス信号を生成する。微分回路16は、判定パルス信号を閾値保持部18に供給する。以下、比較部14−0〜14−6と論理和部15と微分回路16とをまとめてパルス生成部と称する。
【0029】
平均値算出部17は、第1及び第2の差分絶対値の算出に用いられたサンプルレベルD0〜D7の平均値を算出してこれを閾値保持部18に供給する。
【0030】
閾値保持部18は、平均値算出部17から供給される平均値を、微分回路16から判定パルス信号が供給されたタイミングで取り込み、これを判定閾値として保持する。
【0031】
判別部19は、サンプルレベルD7と閾値保持部18に保持されている判定閾値とを比較する。例えば、判別部19は、サンプルレベルD7が当該判定閾値よりも大きい場合には判別結果として論理値”1”を出力し、小さい場合には判別結果として論理値”0”を出力する。
【0032】
図3には周波数オフセット除去回路10を含む通信機器100の構成が示される。
【0033】
検波部20は、例えば無線送信されたIF(Intermediate Frequency)信号などの受信信号を周波数検波して得られたベースバンド信号を周波数オフセット除去回路10に供給する。
【0034】
シンボルクロック再生部30(以下、STR(Symbol Timing Recovery)30と称する)は、周波数オフセット除去回路10から出力された判別結果に基づいてシンボルクロックを再生する。
【0035】
データ判定部40は、判別部19から出力された判別結果からデータ値が論理値”0”であるか”1”であるかを、STR30によって再生されたシンボルクロックに同期して判定する。データ判定部40は、当該判定結果を復調データとして出力する。以下、STR30とデータ判定部40とをまとめて復調部45と称する。このように、復調部45は、波数オフセットが除去されたベースバンド信号に基づいて受信信号を復調する。
【0036】
図4には、受信フレームフォーマットの一例が示されている。ペイロードデータの前にプリアンブルが付加されている。プリアンブルは、例えば論理値010101・・・等の”0”及び”1”繰り返しデータパターンからなる。なお、”0”及び”1”の繰り返しデータパターンは、プリアンブル部分のみならず、ペイロード部分にも出現し得る。周波数オフセット除去回路10は、検波周波数のサンプリング対象部分がプリアンブルであるかペイロードであるかにかかわらず、検波周波数が”0”及び”1”の繰り返しデータパターンであることを判別した場合に判定閾値を設定することができる。
【0037】
以下、
図5(a)及び(b)並びに
図1を参照しつつ、周波数オフセット除去回路10による判定閾値の設定動作について説明する。
【0038】
図5(a)及び(b)には、論理値010101・・・の繰り返しデータで周波数変調された信号を周波数検波して得られるベースバンド信号の一例が示されている。周波数オフセット除去回路10が、このようなベースバンド信号を受信したときの動作を以下に説明する。
【0039】
サンプリング部11は、ベースバンド信号の周波数レベルを0.5シンボル間隔でサンプリングして、サンプルレベルD0〜D8を得る。減算部12−0〜12−6は、サンプルレベルD0とD2、D1とD3、D2とD4、D3とD5、D4とD6、D5とD7、D6とD8の各々の差をそれぞれ減算値S0、S1、S2、S3、S4、S5、S6として出力する。絶対値化部13−0〜13−6は、減算値S0、S1、S2、S3、S4、S5、S6の絶対値である差分絶対値A0、A1、A2、A3、A4、A5、A6を出力する。
【0040】
比較部14−0〜14−6は、差分絶対値A0、A2、A4、A6の各々と判定値1とを比較し、差分絶対値A1、A3、A5の各々と判定値2とを比較する。比較部14−0〜14−6は、差分絶対値A0、A2、A4、A6の各々が判定値1よりも大きく且つ差分絶対値A1、A3、A5の各々が判定値2よりも小さいという条件を満たす場合に比較結果値C0〜C6の全ての論理値を”1”として出力する。
【0041】
このような条件を満たしているか否かを判定することにより以下のことを判別できる。第1に、差分絶対値A0、A2、A4、A6の各々と判定値1との比較から、サンプリング対象としているベースバンド信号の周波数レベルが示すデータ値が0101・・・、又は1010・・・等の”0”と”1”の繰り返しデータパターンであることを判別できる。第2に、差分絶対値A1、A3、A5の各々と判定値2との比較から、隣接し合う振幅中点同士の差異が小さいこと、すなわちサンプリング対象としているベースバンド信号の周波数レベルが当該サンプリング期間中における周波数オフセット量の変動により乱れていないことを判別できる。
【0042】
なお、ベースバンド信号の周波数レベルが示すデータ値が1010・・・であっても、サンプリングタイミングが例えば
図5(a)の場合には当該条件を満たさない。しかし、サンプリング部11がサンプリングタイミングを0.5シンボルよりも短い間隔で徐々に変化させていくことによって、サンプリングタイミングが
図5(b)のようになった場合に当該条件を満たす。
【0043】
また、ベースバンド信号の周波数レベルがサンプリング期間中における周波数オフセット量の変動によって乱れて例えば
図6のようになっている場合には、サンプルレベルD5とD7の差が所定の判定値2よりも大きくなるので上記条件を満たさない。
【0044】
論理和部15は、比較結果値C0〜C6の論理和を求めてその結果を出力する。上記条件を満たす場合すなわち比較結果値C0〜C6の全ての論理値が”1”の場合には、論理和部15は論理値”1”を微分回路16に供給する。一方、比較結果値C0〜C6のうちの少なくとも1つの論理値が”0”の場合には、論理和部15は論理値”0”を微分回路16に供給する。
【0045】
微分回路16は、論理和部15から供給される論理値が”0”から”1”に変化するときの立ち上がりエッジを検出して判定パルス信号を生成する。微分回路16は、判定パルス信号を閾値保持部18に供給する。平均値算出部17は、サンプルレベルD0〜D7の信号レベルの平均値を算出してこれを閾値保持部18に供給する。閾値保持部18は、平均値算出部17から供給される平均値を、微分回路16から判定パルス信号が供給されたタイミングで取り込み、これを判定閾値として保持する。
【0046】
図5(b)の場合、サンプルレベルD0〜D7の信号レベルの平均値はベースバンド信号の振幅中点となる。また、
図5(b)の場合には、比較結果値C0〜C6の全ての論理値が”1”となるので、閾値保持部18は当該平均値を判定閾値として保持する。なお、
図5(a)や
図6の場合には比較結果値C0〜C6の全ての論理値が”1”とはならないので、閾値保持部18は、平均値算出部17によって算出された平均値を判定閾値として採用しない。つまり、この場合、閾値保持部18は、判定閾値を設定しない。
【0047】
判別部19は、サンプルレベルD7と閾値保持部18に保持されている判定閾値とを比較する。判別部19は、サンプルレベルD7が判定閾値よりも大きいと判別した場合には判別結果として例えば論理値”1”を出力し、小さい場合には判別結果として例えば論理値”0”を出力する。
【0048】
上記したように、本実施例の周波数オフセット除去回路10によれば、検波周波数のサンプリング対象部分がプリアンブルであるかペイロードであるかにかかわらず、検波周波数が”0”及び”1”の繰り返しデータパターンであることを判別した場合に判定閾値を設定することができる。特に、検波周波数に周波数オフセットの変動による乱れが生じていないときに当該設定を行なうので、プリアンブル部分に比較して周波数オフセットの変動が生じやすいと考えられるペイロード部分のデータパターンを閾値設定のためにサンプリングした場合にも適切な判定閾値を設定し、周波数オフセットを除去することができる。このように、本実施例の周波数オフセット除去回路10によれば、適切な判定閾値を設定できるので、周波数オフセット除去の精度を向上できる。
【0049】
また、ペイロード部分に”0”及び”1”の繰り返しデータパターンが出現する度に判定閾値を設定するので、時間と経過と共に周波数オフセット値が変動した場合であっても、当該変動に追従して適切な判定閾値を随時再設定することができる。また、プリアンブルデータが到来する前の他のデータをプリアンブルデータと誤認識して不適切な判定閾値を設定してしまった場合であっても、”0”及び”1”の繰り返しデータパターンが出現した時に適切な判定閾値を再設定することができる。かかる再設定により、これ以降のデータを正しく判定することができる。このように、本実施例の周波数オフセット除去回路10によれば、周波数オフセットの変動に対する高い追従性を実現できる。
【0050】
故に、本実施例の周波数オフセット除去回路10によれば、周波数オフセットの変動に追従して適切な判定閾値を設定できると共に、ベースバンド信号に対する周波数オフセット除去の追従性とオフセット除去の精度とを両立させることもできる。
【0051】
なお、上記の実施例は、周波数偏移変調(FSK)されたベースバンド信号を処理対象とした場合の例であるが、これに限られない。例えば、位相偏移変調(PSK:phase shift keying)された位相検波信号や、振幅偏移変調(ASK:amplitude-shift keying)された振幅検波信号の場合にも、本発明の周波数オフセット除去回路を適用することができる。
【0052】
また、上記の実施例は、プリアンブルを有するデータを処理対象とした場合の例であるが、これに限られない。プリアンブルを有しないデータであっても”0”及び”1”の繰り返しデータパターンが出現する場合には上記の例と同様の効果を奏することができる。
【0053】
また、上記の実施例は、10101(
図5(a)及び(b))のデータパターンにおいて9つのサンプルレベルD0〜D8を取得してこれらに基づいて判定閾値を設定した場合の例であるが、これに限られない。例えば、1010や10101010など任意の長さのデータパターン長をサンプリング対象とすることができる。サンプリング対象のデータパターン長は、プリアンブルのデータ長より長くても短くても良い。また、データパターン長に応じて、減算部12−0〜12−6、絶対値化部13−0〜13−6、比較部14−0〜14−6の段数を増減すれば良い。
【0054】
また、上記の実施例は、平均値算出部17がサンプルレベルD0〜D7の平均値を算出し、閾値保持部18が当該平均値を判定閾値として保持する場合の例であるが、これに限られない。平均値算出部17は、第1の差分絶対値A0、A2、A4及びA6の算出に用いたサンプルレベルD0、D2、D4及びD6の平均値(以下、第1の平均値と称する)、及び/又は第2の差分絶対値A1、A3及びA5の算出に用いたサンプルレベルD1、D3及びD5の平均値(以下、第2の平均値と称する)を算出することもできる。更に、平均値算出部17は、第1の平均値及び第2の平均値の平均値(以下、第3の平均値と称する)を算出することもできる。この場合、閾値保持部18は、第1の平均値、第2の平均値、第3の平均値のうちの1つを判定閾値として保持する。
【0055】
<第2の実施例>
図7には、本実施例の周波数オフセット除去回路10の構成が示されている。以下、第1の実施例と異なる部分について主に説明する。
【0056】
周波数オフセット除去回路10は、非選択部60を更に含む。非選択部60は、非選択信号B0〜B6に応じて、論理和部15による論理和の対象から除外されるべき比較結果値をC0〜C6のうちから少なくとも1つ選択する。非選択信号B0〜B6の各々は”0”又は”1”の論理値である。
【0057】
非選択部60は、論理積部60−0〜60−6からなる。論理積部60−0は、比較結果値C0と非選択信号B0の論理積を出力する。非選択信号B0の論理値が”1”の場合に比較結果値C0が論理和の対象から除外され、比較結果値C0の論理値かかわらず、論理積部60−0の出力は論理値”1”となる。一方、非選択信号B0の論理値が”0”の場合には、比較結果値C0が論理和の対象とされ、比較結果値C0の論理値に応じて論理積部60−0の出力が論理値”0”又は”1”となる。
【0058】
同様に、論理積部60−1は比較結果値C1と非選択信号B1、論理積部60−2は比較結果値C2と非選択信号B2、論理積部60−3は比較結果値C3と非選択信号B3、論理積部60−4は比較結果値C4と非選択信号B4、論理積部60−5は比較結果値C5と非選択信号B5、論理積部60−6は比較結果値C6と非選択信号B6の論理積をそれぞれ出力する。
【0059】
論理和部15は、非選択部60によって非選択とされた比較結果値以外の比較結果値(C0〜C6のうちの少なくとも1つ)の論理和を出力する。例えば、非選択信号B0〜B3、B5及びB6の論理値を”0”として比較結果値C0〜C3、C5及びC6を選択し、非選択信号B4の論理値を”1”として比較結果値C4を非選択とすることができる。この場合には、サンプルレベルD4とD6の差が判定値1以下であっても、他の比較条件を満たしている場合には、論理和部15は微分回路16に対して論理値”1”を供給する。
【0060】
平均値算出部17は、非選択信号B0〜B6の内容にかかわらず、サンプルレベルD0〜D8の全ての平均値を算出しても良いし、非選択信号B0〜B6の内容に応じてサンプルレベルD0〜D8のうちの少なくとも1つを平均値の算出対象から除外することもできる。例えば、上記例のように非選択信号B4のみ論理値が”1”である場合には、サンプルレベルD4とD6を算出対象から除外することもできる。
【0061】
このように、本実施例の周波数オフセット除去回路10によれば、比較結果値C0〜C6のうちの少なくとも1つを非選択として論理和部15による論理和の対象から除外することにより、判定閾値を設定する際の判定条件を可変とすることができる。