(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電子ビーム照射工程は、第1の電子ビームを照射する工程と、次いで、該第1の電子ビームよりもランディングエネルギーの低い第2の電子ビームを照射する工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント用ガラス基板の検査方法。
インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有するパターン面全体及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査装置であって、
ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子銃と、
該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する検出器と、
該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出手段と、を含み、
前記欠陥検出手段は、前記検出器がミラー電子を検出した場合の輝度と前記検出器が二次放出電子を検出した場合の輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とするインプリント用ガラス基板の検査装置。
インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有する微細パターンの凸部及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査装置であって、
ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子銃と、
該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する検出器と、
該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出手段と、を含み、
前記欠陥検出手段は、前記検出器がミラー電子を検出した場合の輝度と前記検出器が二次放出電子を検出した場合の輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とするインプリント用ガラス基板の検査装置。
前記電子銃が、第1の電子ビームと、該第1の電子ビームよりもランディングエネルギーの低い第2の電子ビームを連続的に照射可能なように、前記電子ビームのランディングエネルギーを設定するランディングエネルギー設定手段を更に有することを特徴とする請求項5又は6に記載のインプリント用ガラス基板の検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のナノインプリント用モールドに対し、従来から実行されている光方式の検査では、検出感度が不十分であるという問題があった。つまり、光方式の検査では、サイズが50〜100〔nm〕以下の超微細なパターンや、異物又は有機物等の付着については、検出感度が極端に低下し、適用が困難になるという問題があった。これは、光の波長よりパターン及び異物サイズが小さくなり、S/N(Signal/Noise、信号/雑音)が低下することが大きな要因と考えられている。
【0007】
また、別の検査方法として、光方式より高感度な電子ビームを用いたSEM(Scanning Electron Microscope)方式による欠陥検査も可能である。例えば、ビーム径を絞ることにより、対象異物よりも小さいピクセルサイズを用いることができるので、高分解能で異物の検査を行うことが可能であり、特許文献1に記載のナノインプリント用モールドも検査することが可能である。しかし、SEM方式では、ピクセルサイズが小さいので、検査時間が膨大になり、現実的な時間での検査が困難であり、実用的ではないという問題があった。更に、電子ビームを上述のナノインプリント用モールドに照射すると、ナノインプリント用モールドは総てガラス等の絶縁物の材料で構成されているため、チャージアップ(帯電)が顕著となり、適切がパターン画像を取得することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、超微小サイズ50〜100〔nm〕以下のパターン及び異物の検査について、高感度、高速及び高スループットを実現できるインプリント用ガラス基板、レジストパターン形成方法、インプリント用ガラス基板の検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査方法は、インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有するパターン面全体及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査方法であって、ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子ビーム照射工程と、該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する電子検出工程と、該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出工程と、を含み、前記欠陥検出工程は、前記電子検出工程によりミラー電子を検出した場合の
輝度と前記電子検出工程により二次放出電子を検出した場合の
輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とする。
【0010】
これにより、インプリント用ガラス基板のパターン面の電位が透明導電膜により安定した状態で電子ビームを照射することができ、照射面積の広い電子ビームを用いた写像投影方式により、パターン面の二次元画像を検出面上に結像させて取得することができるので、高速かつ高スループットで適切なパターン面の欠陥検査を行うことができる。
【0011】
これにより、裏面の電位を安定させることができ、インプリント用ガラス基板の電位を安定させた状態で電子ビームにより検査を行うことができる。
【0012】
第2の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査方法は、インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有する微細パターンの凸部及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査方法であって、ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子ビーム照射工程と、該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する電子検出工程と、該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出工程と、を含み、前記欠陥検出工程は、前記電子検出工程によりミラー電子を検出した場合の
輝度と前記電子検出工程により二次放出電子を検出した場合の
輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とする。
【0013】
これにより、パターン面に導電膜が形成されるため、パターン検査時に電子ビームが照射されてもチャージアップを防ぐことができ、適切な検査を行うことが可能となり、高精度のパターン形成を実現することができる。また、導電膜は透明であるので、マスクとしての機能を適正に維持することができ、他の基板のレジスト膜へのレジストパターン形成を高精度に行うことができる。
【0014】
第3の発明は、第1又は2の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査方法において、前記電子ビーム照射工程は、第1の電子ビームを照射する工程と、次いで、該第1の電子ビームよりもランディングエネルギーの低い第2の電子ビームを照射する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
これにより、第1の電子ビームでインプリント用ガラス基板のパターン面の帯電状態を調整した後、第2の電子ビームでパターン面の画像を取得することができ、良好な状態でパターン面画像を取得することができ、高精度な検査を行うことができる。
【0016】
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に係るインプリント用ガラス基板の検査方法において、前記二次放出電子の透過率は、前記ミラー電子の透過率と比較して低いことを特徴とする。
【0017】
これにより、低ランディングエネルギーを有する第2の電子ビームの照射により、パターン面からミラー電子を発生させ、パターン面の欠陥を拡大して画像取得を行うことができ、欠陥検出を容易かつ高精度に行うことができる。
【0018】
第5の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査装置は、インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有するパターン面全体及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査装置であって、ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子銃と、該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する検出器と、該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出手段と、を含み、前記欠陥検出手段は、前記検出器がミラー電子を検出した場合の
輝度と前記検出器が二次放出電子を検出した場合の
輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とする。
【0019】
第6の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査装置は、インプリント用の凹凸を有する微細パターンが形成されたパターン面及び平坦面からなる前記パターン面の裏面を有するガラス基板を備え、前記凹凸を有する微細パターンの凸部及び前記平坦面からなる前記パターン面の裏面が透明導電膜で被覆されているインプリント用ガラス基板を検査するインプリント用ガラス基板の検査装置であって、ステージ上に載置された前記インプリント用ガラス基板のパターン面に、所定の照射領域を有する電子ビームを照射する電子銃と、該電子ビームの照射により前記パターン面から発生した複数の電子を、複数画素を有する検出面で同時に検出する検出器と、該検出面で検出された電子から前記パターン面の画像を取得し、前記パターン面の欠陥を検出する欠陥検出手段と、を含み、前記欠陥検出手段は、前記検出器がミラー電子を検出した場合の
輝度と前記検出器が二次放出電子を検出した場合の
輝度との差に基づき、前記パターン面に存在する異物を検出する、ことを特徴とする。
【0020】
これにより、インプリント用ガラス基板のパターン面の電位を安定させた状態で、写像投影型電子線欠陥検査装置を用いて、インプリント用ガラス基板をチャージアップさせることなく、広い領域を有する電子ビームの照射によりパターン面の画像を取得して欠陥検査を行うことができ、高速、高スループットで高精度のパターン面の検査を行うことができる。
【0021】
第7の発明は、第5又は6の発明に係るインプリント用ガラス基板の検査装置において、前記電子銃が、第1の電子ビームと、該第1の電子ビームよりもランディングエネルギーの低い第2の電子ビームを連続的に照射可能なように、前記電子ビームのランディングエネルギーを設定するランディングエネルギー設定手段を更に有することを特徴とする。
【0022】
これにより、適切なランデシィングエネルギーの設定により、インプリント用ガラス基板の帯電状態を調整するのに適するランディングエネルギーの電子ビームをまず照射し、次いで検査に適するランディングエネルギーに設定した電子ビームを照射してパターン面の画像を取得することができ、良好なパターン面画像を取得して高精度な検査を行うことができる。
【0023】
第8の発明は、第5〜7のいずれかの発明に係るインプリント用ガラス基板の検査装置において、前記二次放出電子の透過率は、前記ミラー電子の透過率と比較して低いことを特徴とする。
【0024】
これにより、電子を光に変換することなく直接的に検出してパターン面の画像を取得することができ、簡素かつ容易に検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ナノオーダーの微細パターンが形成されたインプリント用ガラス基板について、高精度に微細パターンを検査することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明を適用した実施例1に係るインプリント用ガラス基板30の断面構成の一例を示した図である。実施例1に係るインプリント用ガラス基板30は、ガラス基板10と、ガラス基板10の表面に被覆された透明導電膜20とを有する。
【0029】
ガラス基板10は、透明で光を透過するガラス材から構成された基板である。ガラス基板10は、様々な種類のガラスが材料として利用されてよく、例えば、石英ガラスが適用されてもよい。ガラス基板10の表面には、微細パターン15が形成されたパターン面11が形成される。微細パターン15は、例えば、凹凸を有する形状パターンであってよい。
図1においては、ガラス基板10の表面に、凸部12と凹部13とが形成されており、凹凸形状の微細パターン15を有するパターン面11を構成している。微細パターン15は、例えば、そのパターンの幅が10〜20〔nm〕、又は10〜50〔nm〕、或いは10〜100〔nm〕といったナノオーダーのパターンとして形成されてよい。
【0030】
ガラス基板10のパターン面11上には、透明導電膜20がコートされている。透明導電膜20は、ガラス基板10のパターン面11の全面に被覆されており、微細パターン15の総てを被覆している。透明導電膜20は、透明で光を透過するとともに、導電性を有する膜である。透過導電膜20のコート厚さは、例えば0.1〜10〔nm〕で制御される。透過導電膜20の抵抗値は100〜1000〔μΩ‐cm〕程度であってよく、UV光透過率は約70%程度であってよい。
【0031】
透明導電膜20には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜が適用される。ITO膜は、一般に酸化インジュウムに5〜10wt%の酸化スズを添加したものである。その他、透明導電膜20として、酸化スズや酸化亜鉛を用いることもできる。本実施例に係るインプリント用ガラス基板30の製造工程では、ガラス基板10の微細パターン15が形成された後に透明導電膜20が被覆される。
【0032】
図2は、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30のガラス基板10の断面構成を示した図である。
図1で説明したように、ガラス基板10は、一方の表面に微細パターン15が形成されたパターン面11を有している。従来は、このようなガラス基板10の状態で、インプリント用ガラス基板としてそのまま利用していた。これに対し、
図1で説明した実施例1に係るインプリント用ガラス基板30は、パターン面11の全面に透明導電膜20が被覆されているので、ガラス基板10の透明性を維持しつつ、パターン面11の表面を導体とすることができる。
【0033】
図3は、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30を用いて、シリコン基板40上にレジストパターンを形成する製造工程を示した図である。
【0034】
図3(a)は、シリコン基板40及びインプリント用ガラス基板30を用意する工程を示した図である。シリコン基板40の一方の表面全体には、レジスト膜50が形成されている。かかるレジスト膜50にレジストパターンを形成することにより、次のエッチング工程でシリコン基板40上に所望のパターンを形成することができる。
【0035】
一方、
図3(a)において、レジスト膜50が形成されたシリコン基板40の上に、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30が、パターン面11をレジスト膜50に対向した状態で用意される。このインプリント用ガラス基板30のパターン面11に形成された微細パターン15を、シリコン基板40のレジスト膜50に転写することにより、レジスト膜50に所定のレジストパターンを形成することができる。
【0036】
図3(b)は、シリコン基板40上のレジスト膜50に、インプリント用ガラス基板30のパターン面11を押し当てた工程を示した図である。
図3(b)において、インプリント用ガラス基板30は、シリコン基板40に到達するまでレジスト膜50に押し当てられている。これにより、レジスト膜50が、インプリント用ガラス基板30の成形されたパターン面11に合わせたパターン形状に変形し、微細パターン15が転写される。
【0037】
図3(c)は、シリコン基板40にインプリント用ガラス基板30側から光を照射した工程を示した図である。インプリント用ガラス基板30を構成するガラス基板10は透明であり、透明導電膜20も透明であるので、インプリント用ガラス基板30の裏面(パターン面11と反対側の面)から照射された光は、インプリント用ガラス基板30を透過してレジスト膜50に到達し、レジスト膜50が硬化する。なお、このときの光は、レジスト膜50を硬化させることができれば、種々の光が用いられてよいが、例えばUV光(Ultraviolet、紫外光)を用いてもよい。レジスト膜50は、紫外光等の光が照射されると、硬化する材料を用いる。
【0038】
図3(d)は、インプリント用ガラス基板30をシリコン基板40のレジスト膜50から分離した工程を示した図である。紫外光の照射を終え、インプリント用ガラス基板30を分離すると、シリコン基板40上には、レジスト膜50による所定のレジストパターンが形成されている。このレジストパターンを用いて、次にエッチング工程等によりシリコン基板40上に所望の凹凸微細パターン15を有するパターン形状に加工することが可能となる。なお、
図3においては、レジストパターン形成対象の基板として、シリコン基板40を例に挙げて説明したが、表面にレジスト膜15がコートされていれば、他の種類の基板に対しても同様に本レジストパターン形成方法を適用することができる。
【0039】
このように、本実施例に係るレジストパターンの形成方法は、通常のインプリント用ガラス基板と同様の製造工程で、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30を用いて実行することができる。よって、高精度な微細パターン15を有するレジストパターンをシリコン基板40上のレジスト膜50に形成するためには、インプリント用ガラス基板30に形成された微細パターン15を高精度に形成する必要があることが分かる。
【0040】
つまり、このプロセスにおいて、インプリント用ガラス基板30の検査は、レジスト面に押し当ててパターン転写をする前に必要となる。インプリント用ガラス基板30にパターン欠陥や異物があると、転写されるレジストパターンに、正規のパターン形状から変形したパターン欠陥の形状を転写してしまう。また、異物があると異物の影響を受けて、正常なパターンが転写されない。または、異物の影響によりレジストの厚み方向にも変形を生じて、形成されたレジストパターンを用いてウエハがエッチングされたときに、該当部位だけ深くエッチングされ、ピンホールなどの不良を生じる。このように、インプリント用ガラス基板30の微細パターン15の不良や異物があると、結果として、正常な半導体・LSI構造を形成できずに、製造した半導体が不良品となってしまう。
【0041】
このため、インプリント用ガラス基板30の欠陥検査が重要となる。インプリントのパターン転写では、パターン形状がそのまま転写されるため、パターンサイズが100〔nm〕以下、例えばL/S(Line/Space)の線とスペース幅が夫々100〔nm〕以下となる。このように、微細なパターンでは、光での分解ができなくなるので、光検査装置での対応が困難となり、電子線を用いた欠陥検査装置を用いるのが有効となる。特に、写像投影型電子線欠陥検査装置は、2次元像を連続的に撮像できるため、高速で、高分解能で微細パターン15と微小異物の検査を行うときに有効な手段である、ただし、写像投影型電子線欠陥検査装置は、チャージアップ(帯電)等により表面電位の変動があると、得られる像が安定しない課題がある。よって、写像投影型電子線欠陥検査装置では、絶縁体のガラス基板10を撮像するのは困難であった。この問題を解決するため、本実施例では、ガラス基板10のパターン面11に、透明導電膜20をコートしている。これにより、ガラス基板10の表面電位が安定し、写像投影型電子線欠陥検査装置を用いたときに、安定した電子像が得られる。なお、検査の具体的な方法や装置の構成については、後述する。
【0042】
図4は、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30に用いられる透明導電膜20の透過率特性の一例を示した図である。通常、金属は光(可視光)を反射するが、
図4に示すように、透明導電膜20においては、可視光領域(
図4中、Visibleで示されている領域)で80%の透過率を示していることが分かる。このように、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30においては、透過率を低下させることなくパターン面11を導電性にできることが分かる。なお、
図4において、可視光領域よりもやや波長が短い紫外光の領域も、高い透過率を示している。このように、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30は、可視光の光だけでなく、紫外光も利用可能である。
【0043】
また、パターン面11を導電性にすると、種々の電子ビームを用いたパターン面11の検査が可能となる。一般に、電子ビームを基板等の試料に照射して、試料から発生した電子を検出することにより、試料表面の画像を光照射よりも遙かに高精度に取得することができる。よって、微細パターン15がナノオーダーの場合には、光ビームを用いた検査よりも電子ビームを用いた検査を行うことが好ましいが、電子ビームによる検査は、試料がチャージアップ(帯電)してしまうと、適切な表面画像を取得することができない。試料のチャージアップは、試料が絶縁体である場合に発生し易い。よって、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30のように、ガラス基板10が絶縁体でチャージアップし易い材料であっても、検査対象となるパターン面11に透明導電膜20を被覆することにより、チャージアップを発生し難くすることができる。そうすると、パターン面11を、電子ビームを用いて高精度に検査することが可能となるので、微細パターン15を高精度に形成することが可能となる。よって、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30は、そのような電子ビームを用いた高精度な欠陥検査を行うことを可能とするものである。
【0044】
なお、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30の製造方法は、例えば、
図2で示した状態の微細パターン15が形成されたガラス基板10のパターン面11の全面に、蒸着で透明導電膜20を被覆するようにして製造してよい。例えば、処理チャンバ内にガラス基板10を載置し、CVD(Chemical Vapor Deposition)により透明導電膜20を蒸着させるようにしてよい。これにより、ガラス基板10のパターン面11の全面に透明導電膜20を形成することができる。その他、透明導電膜20は、めっきにより形成してもよい。例えば、めっき液を満たしためっき槽にガラス基板10を浸漬し、電気めっき又は無電解めっき等により透明導電膜20を形成するようにしてもよい。
【0045】
実施例1に係るインプリント用ガラス基板30によれば、パターン面11全体が透明導電膜20で覆われているため、表面電位を確実に安定化させ、電子ビームによる高分解能なパターン面11の検査を適切に行うことができる。
【実施例2】
【0046】
図5は、本発明を適用した実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの断面構成の一例を示した図である。
図5において、ガラス基板10のパターン面11aに透明導電膜20が被覆されている点では、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30と同様であるが、透明導電膜20が、パターン面11aの全面ではなく、微細パターン15の凸部12にのみ形成されている点で、実施例1に係るインプリント用ガラス基板とは異なっている。このように、パターン面11aの全面ではなく、透明導電膜20の一部のみ、例えば凸部12のみを被覆するようにしてもよい。微細パターン15のパターン幅は、10〜20〔nm〕と極めて微小であるので、凸部12のみに透明導電膜20が形成されておいても、絶縁体のガラス基板10からなるパターン面11aは、導電性が相当に高まると考えられ、検査時のチャージアップ抑制には大きな効果が得られる。
【0047】
図6及び
図7は、実施例2の係るインプリント用ガラス基板30aの製造方法の一例を示した図である。
図6は、インプリント用ガラス基板30aのレジスト形成までの製造工程を示した図である。
【0048】
図6(a)は、ガラス基板10の全面に、透明導電膜20を被覆した状態を示した図である。このように、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの製造方法においては、ガラス基板10のパターン加工を行う前に、ガラス基板10の微細パターン15を形成する面(加工前のフラット面)に、例えばITO膜等の透明導電膜20をコートする。
【0049】
図6(b)は、透明導電膜20の上に、更に金属膜21を被覆する工程を示した図である。金属膜21は、ハードパターンマスクの役割を果たす。金属膜21は、例えば、Cr膜であってもよい。
【0050】
図6(c)は、金属膜21の更に上に、レジスト60を被覆した工程を示した図である。これにより、金属膜21をエッチング加工することが可能な状態となる。
【0051】
図6(d)は、レジスト60をエッチング加工し、レジストパターンを形成した工程を示した図である。レジスト60のエッチングは、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)等により、微細加工に適した手法が用いられてよい。このようにして、レジストパターンが形成される。
【0052】
図7は、レジストパターン形成後から、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの完成までの製造工程を示した図である。
【0053】
図7(a)は、金属膜21がエッチングされ、金属膜21をハードパターンマスクとしてパターン形成した工程を示した図である。これにより、金属膜21をマスクとして機能させて透明導電膜20に微細パターン15を形成することが可能となる。
【0054】
図7(b)は、透明導電膜20がエッチングされ、透明導電膜20に微細パターン15が形成された工程を示した図である。
図7(b)において、微細パターン15の凸部12を形成しようとする部分に、透明導電膜20が残された状態となる。
【0055】
図7(c)は、ガラス基板10がエッチングされ、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aが完成した工程を示した図である。
図7(c)においては、ガラス基板10上に微細パターン15が形成され、パターン面11aが完成する。
【0056】
ここで、
図7(a)〜(c)の工程は、総てエッチングによりパターン形成が行われている。エッチングは、上述のように、反応性イオンエッチング等の、微細加工に適した方法が適用されてよい。エッチング加工によれば、凹部13等の深さは角度等を、高精度に制御することができるので、微細パターン15を高精度に形成することができる。実施例1に係るインプリント用ガラス基板30の製造方法では、微細パターン15の形成後に蒸着により透明導電膜20を形成していたため、微細パターン15の側壁や凹部13の角部の膜厚等が制御できず、例えば、部分的に厚くなったり、角部が丸くなったりするという状態が発生し易かった。しかしながら、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの製造方法によれば、凸部12のみ透明導電膜20が存在するので、膜の形状が丸くなる、又は、厚みが異なる部分があるなどの変動要因が無くパターン転写及びレジストの硬化を実現できる。また、インプリント用ガラス基板30aのパターン面11aの凸部12の電位を安定させることができる。実施例2の方式では、透明導電膜20の代わりに、金、Pt、Al、Ta、Cr、CrN等の金属膜やDLC(Diamond−like Carbon)、カーボン、導電性の有機膜等を用いることが可能である。これらは、紫外光の透過率は低いが、コートされていない、微細パターン15の凹部13の側壁及び底部から紫外光の伝播が行われ、レジスト50の硬化が達成できる。
【0057】
このように、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aを用いると、シリコン基板40等の基板に対し、高精度なレジストパターンを形成できるとともに、ガラス基板10のパターン面11aの電位を安定できる。よって、写像投影型電子線欠陥装置によるインプリント用ガラス基板30aのパターン検査及び異物検査を実現することができる。
【0058】
図8は、
図6及び
図7とは異なる実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの製造方法を示した図である。
【0059】
図8(a)は、ガラス基板10の全面に透明導電膜20がコートされた工程を示した図である。この工程は、
図6(a)の工程と同様であるので、構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図8(b)は、透明導電膜20の上にレジスト60がコートされた工程を示した図である。このように、透明導電膜20の上に金属膜21を形成せず、直接レジスト60を形成するようにしてもよい。
【0061】
図8(c)は、レジスト60をエッチングした工程を示した図である。エッチングは、反応性イオンエッチング等の高精度な微細加工が可能なエッチング方法で行われてよい。
【0062】
図8(d)は、透明導電膜20及びガラス基板10がエッチングされ、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aが完成した工程を示した図である。
図8(d)においても、加工はエッチングにより行われているため、凹部13の側壁や底部は十分に制御され、高精度な微細パターン15を形成することができる。
【0063】
このように、金属膜21を形成せずに、透明導電膜20上に直接的にレジスト膜60を形成してエッチング加工を行うようにしてもよい。
【0064】
なお、実施例1の
図3において説明したレジストパターンの形成方法は、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aを用いて実行することができる。実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aによれば、パターン面11aの微細パターン15を高精度にパターン形成できるため、高精度なレジストパターンをシリコン基板40上のレジスト膜50に形成することができる。
【実施例3】
【0065】
図9は、本発明を適用した実施例3に係るインプリント用ガラス基板30bの断面構成の一例を示した図である。
図9において、パターン面11の全面に透明導電膜20が被覆されている点では、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30と同様であるが、更にガラス基板10の裏面16も、透明導電膜20で被覆されている点で、実施例1に係るインプリント用ガラス基板30と異なっている。
【0066】
このように、ガラス基板10の裏面16も、透明導電膜20で覆うように構成してもよい。これにより、インプリント用ガラス基板30bの裏面16の電位も安定するので、インプリント用ガラス基板30b全体の電位がより安定し、パターン面11の電位を更に安定させることができる。
【0067】
なお、実施例3に係るインプリント用ガラス基板30bの製造方法は、ガラス基板10の裏面16にも蒸着やめっき等により透明導電膜20を被覆すればよく、実施例1において説明したのと同様の製造方法で製造することができる。
【0068】
また、実施例1の
図3において説明したレジストパターン形成方法についても、同様の方法を適用することができ、シリコン基板40以外の基板にも適用できる点も、
図3における説明と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0069】
実施例3に係るインプリント用ガラス基板30bによれば、パターン面11の電位をより安定させ、電子ビームを用いて行うパターン検査において、より高精度な検査を行うことができる。
【実施例4】
【0070】
図10は、本発明を適用した実施例4に係るインプリント用ガラス基板30cの断面構成の一例を示した図である。
図10において、パターン面11aの微細パターン15の凸部12にのみ透明導電膜20が被覆されている点では、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aと同様であるが、ガラス基板10の裏面16も更に透明導電膜20で被覆されている点で、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30cと異なっている。
【0071】
このように、実施例3と同様に、ガラス基板10の裏面16も、透明導電膜20で覆うように構成してよい。これにより、インプリント用ガラス基板30cの裏面16の電位を安定させることができ、インプリント用ガラス基板30c全体の電位を安定させることができる。そして、インプリント用ガラス基板30cのパターン面11aの電位を更に安定させることができ、電子ビームを用いてもチャージアップを発生させず、高精度なパターン面11aの検査を行うことができる。パターン面11aの微細パターン15を、高精度に形成できる点は、実施例2と同様である。
【0072】
実施例4に係るインプリント用ガラス基板30cの製造方法は、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aの製造方法とほぼ同様に製造することができる。具体的には、実施例2の
図6(a)及び
図8(a)において、最初にガラス基板10の裏面にも透明導電膜20が被覆されたガラス基板10を用意するようにし、それ以後は
図6(b)〜
図7(c)、
図8(b)〜
図8(d)の工程を実行するようにすれば、実施例2に係るインプリント用ガラス基板30aと同様の製造方法を適用することができる。
【0073】
また、レジストパターン形成方法については、実施例1の
図3において説明した内容をそのまま実施例4に係るインプリント用ガラス基板30cを用いて実行することができ、シリコン基板40以外の基板に適用できる点も実施例1と同様である。
【0074】
実施例4に係るインプリント用ガラス基板30cによれば、パターン面11aに形成された微細パターン15を高精度に形成することができるとともに、パターン面11aの電位を更に安定させ、電子ビームを用いて高精度なパターン検査を行うことができる。
【実施例5】
【0075】
実施例5においては、本発明を適用したインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査方法及び検査装置の説明を行う。実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査方法及び検査装置は、実施例1乃至4に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cに共通に適用することができる。
【0076】
図11は、実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置の全体構成の一例を示した図である。実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置においては、写像投影方式が適用されている。
【0077】
実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置は、電子ビームを生成する1次光学系70と、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cを載置するステージ120と、試料からの放出電子又はミラー電子を拡大結像させる2次光学系90と、それらの電子を検出する検出器100と、検出器100からの信号を処理する画像処理装置110と、位置合わせ用の光学顕微鏡140と、レビュー用のSEM150とを備える。
【0078】
1次光学系70は、電子ビームを生成し、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cに向けて照射する手段である。1次光学系70は、電子銃71と、レンズ72、75と、アパーチャ73、74と、E×Bフィルタ76と、レンズ77、79、80と、アパーチャ78とを有する。電子銃71により電子ビームが生成され、レンズ72、75及びアパーチャ73、74により電子ビームが整形されるとともに方向付けられる。そして、E×Bフィルタ76により、電子ビームは磁界と電界によるローレンツ力の影響を受け、斜め方向から入射してきた電子ビームが、鉛直下方向に偏向されてインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの方に向かう。レンズ77、79、80は、電子ビームを方向付けるとともに、適切な減速を行ってランディングエネルギーLEの調整を行う。
【0079】
1次光学系70がインプリント用ガラス基板30、30a〜30cに向けて照射する電子ビームは、所定の領域を有する電子ビームであり、検出器100において複数画素分の領域を有する電子ビームである。従って、一度の照射でパターン面11、11aの広い面積領域を照射することができる。例えば、ビーム径φ300μm(又は、270×80〔μm〕程度の楕円)で照射されてもよい。
【0080】
ランディングエネルギーLEの調整は、ランディングエネルギー設定手段130により行われる。ランディングエネルギー設定手段130は、電子銃71のカソード電位を設定する加速電圧設定手段131と、ステージ120側の基板電位を設定する基板電圧調整機構132とを備える。ランディングエネルギー設定手段130は、加速電圧設定手段131及び基板電圧調整機構132で電子銃71側とステージ120側の間の電位差を調整することにより、所望のランディングエネルギーLEの設定及び調整を行う。
【0081】
1次光学系70は、電子ビームのインプリント用ガラス基板30、30a〜30cへの照射を行うが、プレチャージ用の第1の電子ビームと撮像用の第2の電子ビームの双方の照射を行うようにしてもよい。
【0082】
ステージ120は、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cを載置する手段であり、x−yの水平方向及びθ方向に移動可能である。また、ステージ120は、必要に応じてz方向に移動可能であってもよい。ステージ120の表面には、静電チャック等の試料固定機構が備えられていてもよい。
【0083】
ステージ120には、基板電圧調整機構132が設けられる。基板電圧調整機構132は、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cの電位を調整することにより、照射する電子ビームのランディングエネルギーLEを調整する。インプリント用ガラス基板30、30a〜30cには、負の電圧が印加されており、2次光学系90の第一レンズ80の主面の電位が正であり、従って、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cの近傍では、正の電界が形成されている。例えば、基板電圧は、1〜3〔kV/mm〕に設定されてもよい。
【0084】
ステージ120上には、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cが載置されており、1次光学系70にてランディングエネルギーLE−5〜−10〔eV〕でパターン面11、11aに照射する。インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11上に異物が存在する場合には、異物がチャージアップして、1次光学系40の入射電子が異物10に接触せずに跳ね返され、ミラー電子が2次光学系90により検出器100に導かれる。一方、異物のない正常な部位は二次放出電子(二次電子、反射電子、後方散乱電子のいずれか、または、混在している状態)が2次光学系90により検出器100に導かれる。このとき、二次放出電子は、試料表面21から広がった方向に放出されるため、透過率が低く、例えば、0.5〜4.0%程度である。これに対し、ミラー電子は、方向が散乱しないので、ほぼ100%の高い透過率を達成できる。よって、ミラー電子を形成した異物の信号だけが高い輝度(電子数が多い状態)を得ることが可能となり、周囲の二次放出電子との差異・割合が大きく、高いコントラストを得ることが可能となる。
【0085】
また、ミラー電子の像は、光学倍率よりも拡大するという性質を有する。
図12は、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査方法で得られるパターン面11上の異物画像及び概略原理を示した図である。
【0086】
図12(a)は、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査方法及び検査装置により得られた40〔nm〕のサイズの異物250の画像280を示す図である。
図12(a)において、異物250は、ピクセルサイズ2×2〔μm〕の領域をおおよそ満たす程度の大きさとなっている。ここで、ピクセルサイズとは、検出器の1画素に対応する試料上の実際のサイズであり、試料上で見ている最小単位のサイズのことを意味する。従って、
図12(a)においては、実際の異物サイズは40〔nm〕であるにも関わらず、2×2〔μm〕の大きさに近い程度に拡大されて画像80上は表示されている。これはつまり、例えば、ピクセルサイズが1〔μm〕、1.5〔μm〕程度の大きさで試料表面を検査しても、40〔nm〕程度の異物250を発見できることを意味する。
図12(a)において、異物250を検出する撮像用の電子ビームのランディングエネルギーLEは、1〔eV〕であり、ピクセルサイズは100〔nm〕である。通常、異物の実際のサイズが40〔nm〕である場合には、これを撮像するために40〔nm〕より小さいピクセルサイズであることが必要とされるが、本実施例に係る電子線検査方法においては、異物10が光学倍率よりも拡大された異物の拡大像を取得することができる。
【0087】
図12(b)は、従来のSEM(Scanning Electron Microscope)型の異物検査装置で得られる異物サイズ40〔nm〕の画像280を示した図である。
図12(b)において、
図12(a)と同様のピクセルサイズ2×2〔μm〕における異物250の画像が示されているが、
図12(a)で示された異物250の画像と比較して、相当に小さいサイズとなっていることが分かる。
【0088】
このように、本実施例に係る電子線検査方法は、従来のSEM方式と比較して、異物250のサイズを大幅に拡大して画像を取得することができる。つまり、異物250からの信号を光学倍率よりも拡大して検出することができ、超微小サイズの異物250に対しても高い感度を実現できるだけでなく、実際の異物よりも大きなピクセルサイズを用いて検出することができる。
【0089】
図12(c)は、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11a上に異物250が存在している状態を示した側面図である。
図12(c)においては、理解の容易のため、微細パターン15は省略してある。凸部12の上に異物250が存在している状態と考えてもよい。
図12(c)において、異物250の表面は球面状であるため、表面から反射される電子信号は、垂直ではなく、広がるように軌道を変えて移動する。これは、異物250が球面の表面形状を有することにより、電位分布がパターン面11、11aとは異なる状態となっており、マクロ的にパターン面11、11aを見ると、異物250の存在する部分の電位分布が歪んでいるためである。
【0090】
図13は、本実施例に係る異物検査方法により取得される異物250の拡大像280とその断面階調の一例を示した図である。
図13(a)は、本実施例に係る異物検査方法により取得される異物250の拡大像280の一例を示した図である。
図13(a)において、中央の白領域が異物250の拡大像281であり、黒領域が、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11aの表面画像282を示している。ここで、異物サイズ(直径)は40〔nm〕であり、光学倍率は300倍である。このとき、従来の異物検査方法によれば、異物10の像は40〔nm〕×光学倍率300=12〔μm〕であるが、
図13(a)の本実施例に係る異物検査方法によれば、異物250の拡大像281のサイズは190〔μm〕となる。また、検出器の画素サイズは、15〔μm〕である。
【0091】
図13(b)は、ピクセル位置における断面階調を示した図であり、横軸がピクセル位置座標、縦軸が断面階調を示している。
図13(b)において、山になっている部分△が、階調が高くなっている領域であり、
図13(a)の白くなっている拡大像281の部分である。つまり、画像280上の拡大像281の横幅△は、190〔μm〕である。ここで、検出器100のピクセルサイズが15〔μm〕であるから、従来の方式によれば、異物サイズは画像280上では12〔μm〕で表示され、よって、異物250の画像は、1ピクセル以下の信号となってしまい、1ピクセルで異物10を正確に表現することはできない。
【0092】
一方、本実施例に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査方法及び検査装置によれば、異物250の拡大像281は、12.7ピクセルサイズで検出可能である。よって、更に低倍率の大きなピクセルサイズで撮像可能である。大きなピクセルサイズで撮像が可能であれば、パターン面11、11a全体を高速で検査することが可能となり、高速かつ高スループットの異物検査が可能となる。例えば、異物サイズ10〜30〔nm〕のとき、物面上のピクセルサイズが異物サイズより大きい100〜1000〔nm〕ピクセルサイズの使用が可能となり、高速の異物検査が可能となる。
【0093】
このように、ミラー電子の像は、光学倍率よりも拡大され、その拡大率は5〜50倍に及ぶ。典型的な条件では、20〜30倍の場合が多い。このとき、ピクセルサイズは、異物サイズの3倍以上のピクセルサイズで検出可能であり、高速・高スループットで実現できる。よって、例えば、直径20〔nm〕サイズの異物10に対して、60〔nm〕ピクセルサイズ、100〔nm〕ピクセルサイズ、500〔nm〕ピクセルサイズ等3倍以上のピクセルサイズを用いて撮像及び検査することが可能となる。これは、SEM方式等に比べて、高スループット化に著しく優位な特徴を有する。
【0094】
図11に戻る。2次光学系90は、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cから反射した電子を、検出器100に導く手段である。2次光学系90は、レンズ91、93と、NAアパーチャ92と、アライナ94とを有する。インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11aから反射された電子は、対物レンズ80、レンズ79、アパーチャ78、レンズ77及びE×Bフィルタ76を再度通過して、2次光学系90に導かれる。そして、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11aからの放出電子は、写像光学系により、拡大倍率50〜500倍で検出器に結像される。2次光学系90においては、レンズ91、NAアパーチャ92、レンズ93を通過して電子が集められるとともに、アライナ94で整えられて検出器100に電子が検出される。
【0095】
なお、異物250の材料は、半導体、絶縁物、金属等の種類を選ばない。
図14は、金属材料の異物250を示した図である。
図14(a)は、パターン面11上にある金属材料の異物250を示した図である。
図14(b)は、金属材料の異物250の拡大図である。
図14(b)において、金属・半導体、又はそれらの混在したもの等の異物250であっても、表面は自然酸化膜251等が形成されており、絶縁材料で覆われる。よって、金属材料の異物250についても、酸化膜251によるチャージアップの発生があり、これを利用することが可能である。
【0096】
図11に戻る。検出器100は、2次光学系90により導かれた電子を検出する手段であり、その検出面に複数の画素(ピクセル)を有する検出器100が適用される。検出器100は、検出面に複数画素を有するため、所定の領域を有する電子ビームからの複数の電子を、同時に二次元的に検出することができる。検出器100は、種々の二次元型センサを適用することができる。例えば、検出器100には、CCD(Charge Coupled Device)や、TDI(Time Delay Integration)−CCDが適用されてよい。検出器10に、TDI−CCDが適用された場合には、検出器100は、MCP(Micro Channel Plate)、蛍光板、リレーレンズ、TDIの構成となる。MCPにより検出電子量の増倍がなされ、蛍光板にて光信号に変換される。この2次元の光信号は、リレーレンズによりTDIセンサに結像されて、検出される。TDIでは、試料を連続移動しながら、2次元画像信号の取得が出来るため、高速画像信号取得が可能となる。このTDIからの信号は、画像処理装置110により、電子像形成及び欠陥検出、欠陥分類判別がなされる。しかしながら、CCD及びTDI−CCDは、電子を光に変換してから信号検出を行うセンサであるため、光電変換等の手段を要する。よって、上述のように、光電変換やシンチレータをもちいて、電子を光に変換し、光の像情報を、光を検知するTDIに伝達して検出するという変換プロセルを要する。
【0097】
そこで、実施例5においては、検出器100に、EB−TDIを適用した例を挙げて説明する。EB−TDIでは、光電変換機構・光伝達機構が不要であり、直接電子がEB−TDIセンサ面に入射するので、分解能の劣化が無く、高いMTF(Modulation Transfer Function)及びコントラストを得ることが可能となる。EB−TDIを用いると、これまで、検出が不安定であった小さい異物10の弱い信号のS/Nを上げることが可能であり、より高い感度を得ることができる。S/Nの向上は1.2〜2倍に達する。
【0098】
また、EB−TDIの他に、EB−CCDを備えて任意に切り替えて交換可能に使用できると有効である。例えば、
図15に示すような使用方法がある。
【0099】
図15は、EB−TDI102と、EB−CCD101を切り替え可能に、用途に応じて双方を交換可能に使えるようにした検出器100を示した図である。
図15において、検出器100は、EB−CCD101及びEB−TDI102を備える。EB−CCD101及びEB−TDI102は、電子ビームを受け取る電子センサであり、検出面に直接に電子ビームeを入射させる。この構成においては、EB−CCD101は、電子ビームの光軸調整、画像撮像条件の調整と最適化を行うのに使用される。一方、EB−TDI102を使用する場合には、EB−CCD101を移動機構Mによって光軸から離れた位置に移動させてから、EB−CCD101を使用するときに求めた条件を使用して又はそれを参考にしてEB−TDI102による撮像を行って、評価又は測定を行う。
【0100】
この検出器100においては、EB−CCD101を使用するときに求めた電子光学条件を用いて又はそれを参考にして、EB−TDI102によるインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの欠陥検出を行うことができる。EB−TDI102による欠陥検査の後に、EB−CCD101を使用してレビュー撮像を行い、欠陥の種類やサイズ等の欠陥評価を行うことも可能である。このとき、EB−CCD101では、画像の積算が可能であり、それによるノイズの低減が可能で、高いS/Nで欠陥検出部位のレビュー撮像が可能となる。このとき、更に、EB−CCD71の画素がEB−TDI72の画素に比べてより小さいものを用いると有効である。つまり、写像投影光学系で拡大された信号のサイズに対して、多くのピクセル数で撮像することが可能となり、より高い分解能で検査や欠陥の種類等の分類・判定のための撮像が可能となる。
【0101】
なお、EB−TDI102は電子ビームeを直接受け取って電子像を形成するために使用することができるよう、画素を二次元的に配列した例えば矩形形状をしており、画素サイズは、例えば12〜16〔μm〕である。一方、EB−CCD101の画素サイズは、例えば6〜8〔μm〕のものが使用される。
【0102】
また、EB−TDI102は、パッケージ105の形に形成され、パッケージ105自体がフィードスルーの役目を果たし、パッケージのピン103は大気側にてカメラ104に接続される。
【0103】
図11に戻る。画像処理装置110は、検出器100で検出した電子からインプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11aの表面画像を生成し、欠陥検出を行う欠陥検出手段である。画像処理装置110は、画像生成と、欠陥を検出するための演算処理を行うので、コンピュータ等の演算処理手段が適用されてよい。
【0104】
次に、
図16を用いて、画像処理装置110で行われる欠陥検出のための演算処理の一例について説明する。
図16は、ダイ−ダイ比較による欠陥検出の方法の一例を示した図である。
【0105】
図16(a)は、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cに微細パターン15が形成された領域(ダイ)が複数存在する例を示した図である。
図16(a)において、ダイ1とダイ2が示されているが、各ダイは、通常、同様のパターンが形成されている。このとき、2つのダイの同一部位を比較することにより、パターン信号に差異が生じた場合、その部位に欠陥があると判定できる。
図16の例では、ダイ1とダイ2に同様のパターンが作成されている。この二つのダイの同一パターン領域を比較して、もしも一方に欠陥があれば、比較画像(比較して差分の信号をえる)にて、欠陥部の信号を検出して、欠陥の判定ができる。
【0106】
図16(b)は、ダイのパターン例とパターン欠陥部の例を示した図である。
図16(b)に示されたパターン例において、最も左のパターンには欠損が生じており、真ん中のパターンには余分なパターンが形成されており、最も右のパターンは正常なパターンが形成されている。これを、総て正常なパターンを有するダイと比較をして差分信号を得ると、パターンが欠損した部分とはみ出した部分は、差分が0にはならず、正か負の信号が検出され、欠陥部の信号が検出されることになる。例えば、このようにして、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cに形成されたダイ同士を比較して、欠陥を検出するようにしてもよい。なお、欠陥には、パターン不良や異物付着のいずれか又は双方が含まれてよい。
【0107】
また、2つのダイで比較するのではなく、CADデータとの比較を行うことも可能である。CADデータには、欠陥が無いため、電子ビームを照射して得られた検査画像との比較を行い、差異があるとその部位に欠陥があると判定できる。
【0108】
図17は、電子ビームの照射方法の一例について説明するための図である。
図17のダイ1に示すように、パターン欠陥検査でダイ−ダイまたはCADデータ−ダイの検査を行うときに、ダイのエリアの外側5〜500〔μm〕の範囲を照射領域として選択して電子ビームを照射すると、継続して第2の検査としてパーティクル検査を行うときに大変有効となる。パターン欠陥検査での電子ビーム照射が次のパーティクル検査のプレチャージ効果を含んでいるとき、パーティクル検査を行うエリア(ケアエリア)がダイのパターン形成エリアとすると、上述したように、ダイの外部に最初の第1の検査でビームを照射すると、その部位にもプレチャージされて、プレチャージが行われた表面電位状態の均一性が高まる。
【0109】
また、他の効果として、次のような利点がある。つまり、スキャンを行うときに、ケアエリアの手前で、電子ブームのブランキングを解除してビーム照射を行うことが重要である。そのときに、ケアエリアでブランキングを解除すると、解除時の電子ビーム照射ムラ(ドーズ不均一)が発生してしまうからである。よって、このようなドーズ不均一を防ぎ、安定したケアエリアの像を得るために、
図17に示すように、一定距離外側で電子ビームのブランキング解除を行い、電子ビーム照射を開始すると均質な像を得ることができ、高精度のパターン検査が可能となる。
【0110】
次に、実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置において、電子ビーム照射工程が、第1の電子ビームを照射する工程と、第2の電子ビームを照射する工程の2つの工程を含み、第1の電子ビームと第2の電子ビームのランディングエネルギーLE1、LE2が異なる場合について考える。
【0111】
例えば、パターン欠陥検査時のランディングエネルギーを、第1のランディングエネルギーLE1とする。その後、ダイ領域内における異物検査を行うが、このときのランディングエネルギーを第2のランディングエネルギーLE2とする。このとき、LE1>LE2とすると大変効果的である。異物250の検出では、第1の電子ビームによるプレチャージにより、異物250の表面電位を安定化させると検出感度を高くできるからである。第1のランディングエネルギーLE1でチャージアップした電位よりも低い第2のランディングエネルギーLE2で電子ビームを照射すると、チャージアップ電圧の影響を強く受けて、異物250からの2次電子放出電子の軌道が大きく変化し、高いS/Nを得ることが可能となる。
【0112】
また、プレチャージとなる第1の電子ビームのランディングエネルギーLE1と、第2の電子ビームのランディングエネルギーLE2の差異は、実験してみると5〜20〔eV〕程度が良い。また、好ましくは、10〜15〔eV〕が良い。これは、異物250と周囲との電位差があるときに、第1のランディングエネルギーLE1の電子ビームを負帯電領域で照射すると、第1のランディングエネルギーLE1の値により、チャージアップ電圧は異なる。第2のランディングエネルギーLE2との相対比により、第1のランディングエネルギーLE1が大きいとチャージアップ電圧が高く、異物250の上方(検出器100側)で反射ポイントが形成される。この位置により、ミラー電子の軌道と透過率が変化して最適なチャージアップ電圧条件が決まる。また、第1のランディングエネルギーLE1が低すぎると、ミラー電子形成の効率が低下する。本件では、この第1のランディングエネルギーLE1と第2のランディングエネルギーLE2の差異が上記の範囲であるのが望ましいことを発見・発明している。また、第1のランディングエネルギーLE1の値は、0〜40〔eV〕、好ましくは5〜20〔eV〕であることが望ましい。
【0113】
次に、今まで説明した実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置を用いて、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cのパターン面11、11a上の異物150の検査を行う例を述べる。1次系電子ビームが試料に照射されるエネルギーLEが3〔eV〕を採用したとする。このとき、ランディングエネルギーLEは、1次系の電子銃71のカソード電圧とインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの電圧(印加電圧)との差が、照射される電子ビームのエネルギーとなる。このビームの照射により、異物がチャージアップして、異物250に照射されるビームだけがミラー電子となり、2次光学系90によって検出器100に導かれる。異物250のない正常部では、ビーム照射による2次放出電子(二次電子、反射電子、後方散乱電子またはそれらの混在したもの)が2次光学系90により検出器100に導かれる。このとき、二次放出電子の放出率ηはLE=0に近いほど低下する(0に近付く)。更に、パターン面11、11aからの放出方向が発散分布を持っているため、(例えば、二次電子であればコサイン即に従う)、2次光学系90にて検出器100に到達する割合は、設計計算上、〜数%程度である。このように、ミラー電子の到達率が高く、周囲部位の到達率・放出率が低いので、相対的に大きな電子数の比、つまり輝度の差が発生する。従って、大きなコントラスト、S/Nを得ることが可能となる。例えば、100〔nmPx〕、20〔nm〕φの異物250で、S/N=5〜10が得られる。通常、S/N≧3で充分検出・検査可能であるので、このようなごく微小の異物250の検査を、異物サイズより大きなピクセルサイズにて実現することが可能となる。
【0114】
次に、実施例5に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置で、プレチャージを用いた例を述べる。プレチャージのランディングエネルギーLE1=16〔eV〕、撮像・検査時のランディングエネルギーLE2=3〔eV〕で、絶縁物の異物250を効率よく検査できる。パターン面11、11aに被覆された透明導電膜20、20a及び金属膜21の面上の異物250を検査可能である。この工程では、検査領域全面に第1のランディングエネルギーLE1で電子ビームを照射する。次に、第2のランディングエネルギーLE2で電子ビームを照射して、異物250の撮像・検査を実施することができる。これは、プレチャージ効果がどの程度の時間維持できるかによるが、通常、除電処理等施さないと、10〜30時間程度、場合によっては150時間以上、維持可能である。
【0115】
この様なプレチャージを行った場合、プレチャージを行わない場合と比較すると、ミラー電子形成の効果を大きくできて、S/Nを3〜10倍程度向上することが可能である。
【実施例6】
【0116】
図18は、本発明を適用した実施例6に係るインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置の全体構成の一例を示した図である。実施例6においては、装置系を含めたインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの検査装置の例について説明する。
【0117】
図18において、本実施例に係る異物検査装置は、ロードポート190と、ミニエンバイロメント180と、ロードロック162と、トランスファーチャンバ161と、メインチャンバ160と、電子線コラム系200と、画像処理装置系110がある。ミニエンバイロメント180には、大気搬送ロボット、基板アライメント装置、クリーンエアー供給機構等がある(図示せず)。トランスファーチャンバ161には、真空用搬送ロボットがあり(図示せず)、常に真空状態のトランスファーチャンバ161にロボットがあることにより、圧力変動によるパーティクル等の発生を最小限に抑制することが可能である。
【0118】
メインチャンバ160には、x、y、θ(回転)方向に移動するステージ120がありその上に静電チャックが設置されている。インプリント用ガラス基板30、30a〜30cそのもの又はインプリント用ガラス基板30、30a〜30cがパレットや冶具に設置された状態で、静電チャックに設置される。
【0119】
メインチャンバ160は、チャンバ内は、真空制御系230により、真空状態が保たれるように制御される。また、メインチャンバ160、トランスファーチャンバ161及びロードロック162は、除振台170上に載置され、床からの振動が伝達されないように構成されている。
【0120】
また、メインチャンバ160には電子コラム200が設置されている。このコラムには、1次光学系70及び2次光学系90のコラムとインプリント用ガラス基板30、30a〜30cのからの2次放出電子またはミラー電子等を検出する検出器100が設置されている。検出器100からの信号は画像処理装置系110に送られて信号処理される。信号処理は、検査を行っているオンタイム中の処理と画像のみ取得して後で処理するオフライン処理の両方が可能である。画像処理装置で処理されたデータはハードディスクやメモリなどの記録媒体に保存される。また、必要に応じて、コンソールのモニタに表示することが可能である。例えば、検査領域・異物数マップ・異物サイズ分布/マップ・異物分類・パッチ画像等である。このような信号処理を行うため、システムソフト220が備えられている。また、電子コラム系に電源を供給すべく、電子光学系制御電源210が備えられている。
【0121】
次に、インプリント用ガラス基板30、30a〜30cの搬送機構について説明する。
【0122】
インプリント用ガラス基板30、30a〜30cは、ロードポートより、ミニエンバイロメント180中に搬送され、その中でアライメント作業がおこなわれる。大気搬送ロボットによりロードロック162に搬送される。ロードロック162では、大気から真空状態に真空ポンプ(図示せず)により排気される。一定圧力1〔Pa〕程度以下になると、トランスファーチャンバ161にある真空搬送ロボットによりロードロック162からメインチャンバ160にインプリント用ガラス基板30、30a〜30cが搬送される。そして、ステージ120上の静電チャック機構上に設置される。
【0123】
そして、x、y、z、θステージ120及び光学顕微鏡150により、高精度のアライメントが行われる。そして、電子ビームを用いた写像投影光学系によりインプリント用ガラス基板30、30a〜30cの異物検査及びパターン欠陥検査が行われる。このとき、パターン面11、11aの表面電位が重要である。その表面電位を測定するために、真空中で測定可能な表面電位装置がメインチャンバ160に取り付けられている。この表面電位測定器により試料上の2次元の表面電位分布を測定して、電子像を形成する2次光学系90のフォーカス制御を行う。インプリント用ガラス基板30、30a〜30cの2次元的位置のフォーカスマップをこの電位分布を元に製作して、検査中のフォーカスを変更制御しながら、検査を行う。これにより、場所による表面電位の変化による像のボケや歪みを減少でき、精度の良い安定した画像を取得する検査が可能となる。
【0124】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。