特許第5771339号(P5771339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000002
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000003
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000004
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000005
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000006
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000007
  • 特許5771339-原子層堆積リソグラフィ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771339
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】原子層堆積リソグラフィ
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20150806BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20150806BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20150806BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20150806BHJP
   C23C 16/01 20060101ALI20150806BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   G03F7/004 521
   G03F7/38 511
   G03F7/40 521
   G03F7/20 521
   C23C16/01
   C23C16/455
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-558744(P2014-558744)
(86)(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公表番号】特表2015-515641(P2015-515641A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013022988
(87)【国際公開番号】WO2013126175
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2015年5月20日
(31)【優先権主張番号】61/601,511
(32)【優先日】2012年2月21日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ウー バンキュー
(72)【発明者】
【氏名】クマー アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ナラマス オムカラム
【審査官】 石附 直弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−072719(JP,A)
【文献】 特開平02−010361(JP,A)
【文献】 特開平02−033153(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0278179(US,A1)
【文献】 米国特許第5939150(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/00−7/42
H01L 21/027
C23C 16/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス内の化合物層上にフィーチャを形成するための方法であって、
(a)基板表面上に化合物層の第1単原子層を形成するために、処理チャンバ内に配置された基板の表面に第1反応ガス混合物をパルス供給する工程と、
(b)第1単原子層の第1領域を処理するために、エネルギー照射を向ける工程と、
(c)第1単原子層を第1領域から除去する工程と、
(d)第1単原子層の第2領域上に第2単原子層を選択的に形成するために、基板表面に第2反応ガス混合物をパルス供給する工程であって、第2単原子層は、第2領域上に化合物層を形成するために、第1単原子層と反応する工程を含む方法。
【請求項2】
エネルギー照射によって処理された第1単原子層の第1領域に配置された第1単原子層を選択的に除去する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
基板表面上の処理された第1単原子層を除去した後、第1及び第2単原子層の構造又はフィーチャを形成する工程を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
第1単原子層を除去する工程は、
基板表面から処理された第1単原子層を除去するためにエッチング処理を行う請求項2記載の方法。
【請求項5】
光の放射は、約5nmと約400nmの間の波長を有するUV光源である請求項1記載の方法。
【請求項6】
エネルギー照射を向ける工程は、
エネルギー照射が通過する、マスクによって保護されていない第1単原子層の第1領域にエネルギー照射を向ける工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
第1反応ガス混合物又は第2反応ガス混合物のパルス供給の後に、処理チャンバにパージガス混合物をパルス供給する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
第1及び第2単原子層の所定の全厚さが達成されるまで(a)から(c)を繰り返す請求項1記載の方法。
【請求項9】
エネルギー照射を向ける工程は、
第1領域内の第1単原子層の化学的性質を変化させる請求項1記載の方法。
【請求項10】
(a)から(c)は、単一の処理チャンバ内で実行される請求項1記載の方法。
【請求項11】
第1及び第2反応ガス混合物をパルス供給する(a)及び(c)は、処理チャンバ内で形成され、(b)は、別の処理チャンバ内で実行される請求項1記載の方法。
【請求項12】
デバイス内の化合物層上にフィーチャを形成するための方法であって、
原子層堆積プロセス内で実行される第1反応ガス混合物のパルス供給によって堆積される材料層の第1単原子層の第1領域を処理するために、エネルギー照射を向ける工程と、
化合物層の第1単原子層上に第2単原子層を形成するために、原子層堆積プロセスを実行し続ける工程であって、第2単原子層は、第1単原子層の第1領域には付着せず、第2単原子層は、第2領域上に化合物層を形成するために、第1単原子層と反応する工程と、
光照射によって処理された第1領域内の第1単原子層を除去する工程を含む方法。
【請求項13】
原子層堆積プロセスを実行し続ける工程は、
エネルギー照射によって未処理の第1単原子層の第2領域上のみに第2単原子層を選択的に形成する工程を含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
第1単原子層を除去する工程は、
第2単原子層を除去することなく基板表面から処理された第1単原子層を選択的に除去する工程を含む請求項12記載の方法。
【請求項15】
光照射は、約5nmと約400nmの間の波長を有するUV光源である請求項12記載の方法。
【請求項16】
半導体デバイス内の化合物層上にフィーチャを形成するための方法であって、
(a)基板表面上に化合物層の第1単原子層を形成するために、処理チャンバ内に配置された基板の表面に第1反応ガス混合物をパルス供給する工程と、
(b)第1単原子層の第1領域を処理するために、光照射を向ける工程と、
(c)第1単原子層の第1領域上に第2単原子層を選択的に形成するために、第2反応ガス混合物をパルス供給する工程であって、第2単原子層は、第1領域上に化合物層を形成するために、第1単原子層と反応する工程と、
(d)光照射によって処理されなかった第1単原子層の第2領域を選択的に除去する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本発明は、概して、原子層堆積リソグラフィプロセスのための方法及び装置に関し、より具体的には、原子層堆積プロセスをリソグラフィプロセスと共に利用し、これによって半導体分野において基板表面上にフィーチャ/構造を形成するための方法及び装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
集積回路は、単一のチップ上に数百万個のコンポーネント(例えば、トランジスタ、コンデンサ、抵抗)を含む可能性のある複雑なデバイスへと進化してきた。チップ設計の進化は、より速い回路及びより高い回路密度を継続的に要求する。より高い回路密度に対する要求は、集積回路コンポーネントの寸法の減少を必要とする。
【0003】
集積回路コンポーネントの寸法が(例えば、サブミクロン寸法へと)低減されるので、より多くの要素を半導体集積回路の所定の領域内に配置する必要がある。したがって、リソグラフィプロセスは、損傷を与えることなく、精密にかつ正確に、基板上に更に小さなフィーチャを転写するためにより挑戦的になってきている。基板上に精密かつ正確な構造を転写するために、所望の高解像度のリソグラフィプロセスは、露光のための所望の波長範囲での照射を提供することができる適切な光源を有する必要がある。更に、リソグラフィプロセスは、最小構造及び/又はクリティカルディメンジョンの転換によってフォトレジスト層上にフィーチャを転写する必要がある。最近では、極紫外(EUV)放射線源が、短い露光波長を提供するために利用され、これによって基板上における印刷可能な最小サイズを更に低減している。しかしながら、そのような小さい寸法では、後続のエッチングプロセス中でフォトレジスト層の崩れ又は損傷がしばしば発生し、基板表面上に構造をうまく転写することができない原因となっている。
【0004】
従来のリソグラフィプロセスでは、基板上に配置されたフォトレジスト層のいくつかの部分は、化学変換を受けるために入射放射線に曝露される。従来のポジ型露光プロセスでは、化学変換するフォトレジスト層の露光部分は、塩基性水溶液での現像処理中に除去される。マイクロ電子デバイス上に形成されたフィーチャのサイズが縮小し続けるので、塩基性水溶液の現像液は、水の毛細管力及び表面張力に起因する画像の崩れのために問題になることがある。更に、溶液系現像剤は、現像プロセス後に基板上に望ましくない汚染物を残す傾向があり、これによって基板の清浄度に悪影響をもたらす。
【0005】
したがって、所望のクリティカルディメンジョンと共に基板表面上への正確な構造転写を得ることができるように、最小の構造損傷と共にリソグラフィプロセスのプロセス欠陥を制御するための方法及び装置が必要である。
【概要】
【0006】
原子層堆積リソグラフィプロセスを実行するための方法及び装置が、本開示において提供される。一実施形態では、デバイス内の材料層上にフィーチャを形成するための方法は、基板表面上に材料層の第1単原子層(単分子層、単層)を形成するために、処理チャンバ内に配置された基板の表面に第1反応ガス混合物をパルス供給する工程と、第1単原子層の第1領域を処理するために、エネルギー照射を向ける工程と、第1単原子層の第2領域上に第2単原子層を選択的に形成するために、基板表面に第2反応ガス混合物をパルス供給する工程を含む。
【0007】
別の一実施形態では、デバイス内の材料層上にフィーチャを形成するための方法は、原子層堆積プロセス内で実行される第1反応ガス混合物のパルス供給によって堆積される材料層の第1単原子層の第1領域を処理するために、光照射を向ける工程と、材料層の第1単原子層上に第2単原子層を形成するために、原子層堆積プロセスを実行し続ける工程と、光照射によって処理された第1領域内の第1単原子層を除去する工程を含む。
【0008】
更に別の一実施形態では、原子層堆積プロセスとリソグラフィプロセスを実行するように構成された処理チャンバは、内部に内部処理領域を画定するチャンバ本体上に配置されたチャンバ蓋を有するチャンバ本体と、内部処理領域内に配置された台座と、内部処理領域内に反応ガスを送出するために、チャンバ本体上に配置されたガス送出システムと、内部処理領域に向かってエネルギー照射を向けるために、チャンバ蓋の下に配置されたエネルギービーム源と、エネルギービーム源と台座との間に配置されたマスクを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】本発明の一実施形態を実行するのに適した原子層堆積(ALD)リソグラフィ処理チャンバの一実施形態の断面図を示す。
図2図1に示されるALDリソグラフィ処理チャンバを用いて実行可能なALDリソグラフィプロセスを実行するためのフロー図を示す。
図3A】〜
図3E】本発明の一実施形態に係るALDリソグラフィプロセスの実行における異なる段階中の半導体デバイスの断面図を示す。
【0010】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
【0011】
しかしながら、添付図面は本発明の例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【発明の詳細な説明】
【0012】
原子層堆積(ALD)リソグラフィプロセスを実行するための方法及び装置が、本開示において提供される。ALDリソグラフィプロセスは、従来のフォトレジスト層及び/又はハードマスク層を用いることなく、基板表面上にフィーチャを形成するために、リソグラフィプロセスと共にALDプロセスを利用する。ALDリソグラフィ処理チャンバは、原子層堆積される層の上にフィーチャ/構造を形成するために、原子層堆積される層を堆積するためと、リソグラフィプロセス(例えば、エネルギービーム処理プロセス)を実行するための二重の機能を提供する。基板は、1以上の非導電性材料(例えば、シリコン、酸化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、及びサファイア)を含むことができる。基板はまた、誘電材料(例えば、二酸化ケイ素、有機シリケート、及び炭素ドープ酸化ケイ素)を含むこともできる。更に、基板は、用途に応じて、任意の他の材料(例えば、金属窒化物及び金属合金)を含むことができる。1以上の実施形態において、基板は、ゲート誘電体層とゲート電極層を含むゲート構造を形成し、これによって続いてその上に形成される相互接続構造(例えば、プラグ、ビア、コンタクト、ライン、及びワイヤ)との接続を促進することができる。基板は、集積回路、太陽電池、MEMS、又は他のデバイス製造のために使用することができる。
【0013】
更に、基板は、いかなる特定のサイズ又は形状に限定されるものではない。基板は、とりわけ、直径200mm、直径300mm、又は他の直径(例えば、450mm)を有する円形の基板であることができる。基板はまた、任意の多角形、正方形、長方形、湾曲形状、又はさもなければ非円形ワークピース(例えば、フラットパネルディスプレイの製造に使用される多角形のガラス基板)であることができる。
【0014】
本発明は、ALDプロセスとこれに続くリソグラフィプロセス(例えば、エネルギービーム処理工程)によって基板上に材料層を堆積/形成し、これによって堆積された材料層上にフィーチャ/構造を形成するための方法を提供する。プロセスは、基板表面上へのフィーチャ/構造の転写を助長するために、従来のフォトレジスト層及び/又はハードマスク層を用いることなく、基板表面上に所望の小さなクリティカルディメンジョンを有するフィーチャ/構造を効率的に形成することができ、これによって製造のサイクル時間及びコストを改善し、製造の複雑さも低下させる。有利には、ALD及びリソグラフィプロセスの両方を、単一のチャンバ内で実行することができる。
【0015】
図1は、ALDリソグラフィ処理チャンバ134の一実施形態の概略断面図である。ALDリソグラフィ処理チャンバ134は、周期的な堆積(例えば、ALD又は化学蒸着(CVD))のために適合されたガス送出装置130を含む。本明細書内で使用される用語ALD及びCVDは、基板構造の上に薄い層を堆積させるための反応物質の逐次的導入を指す。複数の薄層を堆積させるために、反応物質の逐次的導入を繰り返し、これによってコンフォーマル層を所望の厚さに形成することができる。チャンバ134はまた、リソグラフィプロセスと共に、他の堆積技術用に適合させることができる。
【0016】
チャンバ134は、側壁131と底部132を有するチャンバ本体129を含む。チャンバ本体129を貫通して形成されたスリットバルブトンネル133は、基板102(例えば、200mm、300mm、又は450mmの半導体基板又はガラス基板)を供給する、及びチャンバ134から取得するためのロボット(図示せず)用のアクセスを提供する。
【0017】
基板支持体192は、チャンバ134内に配置され、処理中に基板102を支持する。基板支持体192は、リフト114に取り付けられ、これによって基板支持体192と載置された基板102を上下動させる。リフトプレート116は、リフトプレート116の高さを制御するリフトプレートアクチュエータ118に接続される。リフトプレート116を上下動させ、これによって基板支持体192を貫通して移動自在に配置されたピン120を上下動させることができる。ピン120は、基板支持体192の表面の上で基板102を上下動させるために使用される。基板支持体192は、処理中に基板支持体192の表面に基板102を固定するための、真空チャック、静電チャック、又はクランプリングを含むことができる。
【0018】
基板支持体192は加熱され、これによって載置された基板102を加熱することができる。例えば、基板支持体192は、埋め込み加熱素子(例えば、抵抗ヒータ)を使用して加熱することができる、又は放射熱(例えば、基板支持体192の上方に配置された加熱ランプ)を使用して加熱することができる。パージリング122が基板支持体192の上に配置され、これによって上への堆積を防止するために、基板102の周縁部にパージガスを供給するパージチャネル124を画定する。
【0019】
ガス送出装置130が、チャンバ本体129の上部に配置され、これによってガス(例えば、処理ガス及び/又はパージガス)をチャンバ134に供給する。ポンピングシステム178はポンピングチャネル179と連通しており、これによって任意の所望のガスをチャンバ134から排出し、チャンバ134のポンピングゾーン166内部を所望の圧力又は所望の圧力範囲に維持するのを支援する。
【0020】
一実施形態では、ガス送出装置130は、2つの類似のバルブ142A、142Bからガス流を供給するためのガス導入口137A、137Bを有する拡張チャネル190を含む。バルブ142A、142Bからのガス流は、一緒に及び/又は別々に供給することができる。
【0021】
一構成において、バルブ142A及びバルブ142Bは、別々の反応ガス源に結合されるが、同一のパージガス源に結合される。例えば、バルブ142Aは、反応ガス源138に結合され、バルブ142Bは、反応ガス源139に結合され、両方のバルブ142A、142Bは、パージガス源140に結合される。各バルブ142A、142Bは、弁座アセンブリ144A、144Bを有する送出ライン143A、143Bを含み、弁座アセンブリ146A、146Bを有するパージライン145A、145Bを含む。送出ライン143A、143Bは、反応ガス源138、139と連通しており、拡張チャンネル190のガス導入口137A、137Bと連通している。送出ライン143A、143Bの弁座アセンブリ144A、144Bは、反応ガス源138、139から拡張チャンネル190までの反応ガスの流れを制御する。パージライン145A、145Bは、パージガス源140と連通し、送出ライン143A、143Bの弁座アセンブリ144A、144Bの下流の送出ライン143A、143Bと交差する。パージライン145A、145Bの弁座アセンブリ146A、146Bは、パージガス源140から送出ライン143A、143Bまでのパージガスの流れを制御する。反応ガス源138、139から反応ガスを送出するためにキャリアガスが使用される場合は、キャリアガス及びパージガスとして同一のガス(すなわち、キャリアガス及びパージガスとして使用されるアルゴンガス)が使用される。
【0022】
各バルブ142A、142Bは、バルブの弁座アセンブリ144A、144Bが閉じているとき、送出ライン143A、143Bからの反応ガスのフラッシングを可能にするために、ゼロデッドボリュームバルブとすることができる。例えば、パージライン145A、145Bは、送出ライン143A、143Bの弁座アセンブリ144A、144Bに隣接して配置することができる。弁座アセンブリ144A、144Bが閉じているとき、パージライン145A、145Bは、送出ライン143A、143Bをフラッシュするためにパージガスを供給することができる。図示の実施形態では、パージライン145A、145Bは、送出ライン143A、143Bの弁座アセンブリ144A、144Bからわずかに離間するように配置され、これによって開いたときに、パージガスが弁座アセンブリ144A、144B内へ直接送出されない。本明細書で使用されるようなゼロデッドボリュームバルブは、無視できるデッドボリュームを有する(つまり、必ずしもゼロデッドボリュームではない)バルブとして定義される。各バルブ142A、142Bは、反応ガス138、139及びパージガス140の組み合わせたガス流及び/又は別々のガス流を提供するように使用することができる。パージガスのパルスは、パージライン145Aの弁座アセンブリ146Aのダイアフラムを開閉することによって供給することができる。反応ガス源138からの反応ガスのパルスは、送出ライン143Aのダイアフラム弁座144Aを開閉することによって供給することができる。
【0023】
電源103は、チャンバ本体129上に配置された蓋105に結合される。電源103は、間に形成された開口104を通って接続された電源103の下に配置されるエネルギービーム源106に電力を供給するように構成される。一実施形態では、エネルギービーム源106は、UV光又は他のエネルギー照射を提供することができる任意の適切な高エネルギー照射源(例えば、水銀マイクロ波アークランプ、パルスキセノンフラッシュランプ、高効率UV発光ダイオードアレイ、及び電子ビーム発生器)であることができる。UVランプバルブは、1以上のガス(例えば、電源103による励起用のキセノン(Xe)、又は水銀(Hg))で満たされた密閉プラズマバルブであることができる。エネルギービーム源106から出射された光は、エネルギービーム源106の下方に配置された窓111を通過することによって基板に入る。窓111は、亀裂なしに真空を維持するのに十分な厚さを有する石英ガラスから作ることができる。フォトマスク及び/又はフィーチャ転写シールド113が、基板102と窓111の間に配置される。フィーチャ転写シールド113の位置は、窓111と基板102の表面の間で調整することができ、これによって基板102の表面上にフィーチャ/構造を転写するのに役立つ。処理チャンバ134内に配置されたフォトマスク/フィーチャ転写シールド113は、エネルギービーム源106がオンにされたとき、エネルギービーム源106からの光の一部のみが、基板102のある領域へと通過し、いくつかの他の領域を光への曝露から保護することを許容することによって支援することができる。フォトマスク/フィーチャ転写シールド113と共にエネルギービーム源106は、堆積プロセス中及び/又は堆積プロセス後に、真空を破ることなく基板表面上に配置された材料層上にフィーチャ/構造を転写するリソグラフィプロセスを実行するように構成されたフィーチャ/構造転写機構としての機能を果たす。
【0024】
一実施形態では、フォトマスク/フィーチャ転写シールド113は、180nm未満の寸法を有する内部に形成されたフィーチャ/構造を提供し、これによって画像縮小あり又は無しで、同様のフィーチャ/構造を基板表面上に転写することができる。フォトマスク/フィーチャ転写シールド113と共にエネルギービーム源106を利用してリソグラフィプロセスを実行することができる方法に関する詳細は、図2〜3Eを参照して更に説明する。
【0025】
図1において、処理条件を制御するために、制御ユニット180をチャンバ134に結合することができる。制御ユニット180は、中央演算処理装置(CPU)182、サポート回路184、及び関連する制御ソフトウェア183を含むメモリ186を含む。制御ユニット180は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサの任意の形態のうちの1つであることができる。CPU182は、任意の適切なメモリ186(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー(商標名)ディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、ハードディスク、又はローカル又はリモートの任意の他の形式のデジタルストレージ)を使用することができる。様々なサポート回路は、チャンバ134をサポートするためのCPU182に結合することができる。制御ユニット180は、個々のチャンバコンポーネント(例えば、バルブ142A、142Bのプログラマブルロジックコントローラ148A、148B)に隣接して配置される別のコントローラに結合することができる。制御ユニット180とチャンバ134の様々な他のコンポーネントとの間の双方向通信が、総称して信号バス188と呼ばれる多数の信号ケーブルを介して処理され、そのうちのいくつかが図1に示されている。ガス源138、139、140及びバルブ142A、142Bのプログラマブルロジックコントローラ148A、148Bからの処理ガス及びパージガスの制御に加えて、制御ユニット180は、基板処理で使用される他の活動(そのうちのいくつかは、本明細書の別の箇所に記載されるが、他の活動の中でもとりわけ、基板搬送、温度制御、チャンバ排気など)の自動制御に関与するように構成可能である。
【0026】
図2は、基板上の半導体デバイス構造内にパターン化された原子層堆積材料層を形成するためのALDリソグラフィプロセスを実行するために使用されるプロセス200の一実施形態のフロー図を示す。図2に記載された方法200は、以下に説明される図3A図3Eに示される製造段階に対応する。図3A図3Eは、プロセス200によって図示される異なる段階で、その上に所望の構造/フィーチャを有する原子層堆積材料層を形成するように構成された基板(例えば、図1に示される基板102)の概略断面図を示す。
【0027】
プロセス200は、基板(例えば、図3Aに示される基板102)を処理チャンバ(例えば、図1に示される処理チャンバ134内に配置された基板102)又は他の適切な処理チャンバ内に供給することによって、ブロック202で開始する。図3Aに示される基板102は、結晶化シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープのポリシリコン、ドープ又は非ドープのシリコン基板及びパターン化又は非パターン化基板、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープ酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアなどの材料を含むことができる。基板102は、様々な寸法(例えば、200mm、300mm、又は450mmの直径、又は他の寸法、ならびに、長方形又は正方形のパネル)を有することができる。特に断りのない限り、本明細書に記載される実施形態及び実施例は、直径200mm、直径300mm、又は直径450mm(例えば、直径300mm)を有する基板上で実施することができる。
【0028】
基板102は、エネルギービーム源106及びガス導入口137A、137Bに面する上向きに露出された第1表面302を有し、その上でALDリソグラフィプロセスが容易に実行される。
【0029】
図3Bに示されるように、ブロック204において、基板102が処理チャンバ134内に搬送された後、第1反応ガス混合物のパルスが、処理チャンバ134内に供給され、これによって基板102の表面302の上に材料層305の第1単原子層304を形成する。第1反応ガス混合物のパルス供給の間に、第1反応ガス混合物は、必要に応じて、熱ALDプロセス又はプラズマALDプロセス中に処理チャンバ134内に、還元ガス混合物(「試薬」、例えば、水素ガス(H)又はNHガス)と同時に、順次に、あるいはまた還元ガス混合物なしで供給することができる。処理チャンバ134内に供給することができる好適な第1反応ガス混合物は、ケイ素含有ガス(例えば、SiH、Si、又は他の好適なケイ素含有化合物)、タンタル含有ガス、チタン含有ガス、コバルト含有ガス、タングステン含有ガス、アルミニウム含有ガス、ニッケル含有ガス、銅含有ガス、ホウ素含有ガス、リン含有ガス、窒素含有ガス、又は半導体デバイス内で使用するのに適した基板表面上に単原子層を堆積させることができる他の適切なガスを含むことができる。本明細書に記載される代替的な試薬(すなわち、堆積プロセス中に単原子層を形成するための反応性前駆体と使用される還元性薬剤)の例は、水素(例えば、H又は原子のH)、窒素(例えば、N又は原子のN)、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、水素及びアンモニアの混合物(H/NH)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリエチルボラン(EtB)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、メチルシラン(SiCH)、ジメチルシラン(SiC)、ホスフィン(PH)、それらの誘導体、それらのプラズマ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0030】
ブロック204での第1反応ガス混合物のパルスの間、第1反応ガス混合物のパルスは、所定の時間間隔持続する。本明細書で用いられる用語パルスは、処理チャンバ内に注入された1回分の物質を指す。以下で更に説明される、第1反応ガス混合物の、又は第1及び第2反応ガス混合物の各パルスの間に、パージガス混合物が、第1及び/又は第2反応性前駆体ガス混合物の各々の又は複数のパルスの間に処理チャンバ内にパルスされ、これによって基板表面によって未反応/非吸収である不純物又は残留前駆体ガス混合物(例えば、反応ガス混合物からの未反応不純物他)を除去することができるので、それらを処理チャンバからポンプで排出できる。
【0031】
ブロック204での操作では、第1反応ガス混合物のパルスが、処理チャンバ134内にパルスされ、これによって材料層305の第1単原子層304を形成する。処理チャンバ134内にパルスされる第1反応性前駆体ガス混合物の各パルスは、約3Å〜約5Åの間の厚さを有する材料層305の第1単原子層304を堆積させることができる。
【0032】
第1反応性前駆体ガス混合物のパルス供給の間に、いくつかのプロセスパラメータも調整される。一実施形態では、プロセス圧力は、約7トール〜約30トールの間で制御される。処理温度は、約125℃〜約450℃の間である。RF電力は、約100ワット〜約2000ワットの間で制御することができる。第1反応ガス混合物内に供給される反応ガスは、約5sccm〜約10sccmの間で制御することができる。還元ガス(例えば、NHガス)は、約100sccm〜約700sccmの間で供給することができる。
【0033】
図3Cに示されるように、ブロック206において、光ビーム308が、エネルギー源106から材料層305の第1単原子層304へと向けられ、これによって第1単原子層304の第1領域310を処理する。その後、第1領域310内に位置する材料層305が処理され、これによって材料層305の処理層306を形成する。フォトマスク/フィーチャ転写シールド113を透過したエネルギー源106からの光ビーム308は、フォトマスク/フィーチャ転写シールド113によって保護されていない材料層305の第1領域310にのみ伝わる。フォトマスク/フィーチャ転写シールド113を通過した光は、材料層305の保護された領域312を処理することなく、材料層305の第1領域310のみを処理する。第1領域310内に位置する材料層305は、光処理後に化学変換を受け、エッチング液で除去可能な材料である処理層306へと変換される。その後、この処理された材料306は、基板表面302から化学的に除去される適切なエッチャントを含むプロセスによって後に除去することができる。あるいはまた、材料層305が、エッチング処理可能であり、エネルギー処理は、処理層306をネガ型パターン形成のためのエッチング耐性層に変換することが理解される。
【0034】
一実施形態では、エネルギービーム源106から向けられた光ビーム308は、極紫外線、ディープUV光、電子ビーム、X線、イオンビーム、又は他の適切なビームであることができる。一例では、エネルギービーム源106から向けられた光ビーム308は、約5nm〜約400nmの間の波長を有するUV光であることができる。
【0035】
処理層306を形成するために向けられた光エネルギーは、材料層305の化学結合又は原子構造を損傷し、修復し、修正し、又は変更することができ、これによって基板表面302上の未処理の材料層305とは異なる膜特性を有する処理層306を形成すると考えられている。そうすることによって、材料層305の一部のみの膜特性を選択的に変え、材料層305の他の部分は変化しないままに維持するような選択的な膜変更プロセスを得ることができる。こうして、選択的エッチング/膜除去プロセスが後に実行され、これによって必要に応じて基板表面302から材料層の一部(すなわち、プロセスに応じて処理された部分又は未処理の部分)のみを選択的に除去することができる。
【0036】
図3Dに示されるように、ブロック208において、光処理プロセスが材料層305の第1領域310に実行された後、第2反応ガス混合物のパルスが処理チャンバ134内に供給され、これによって基板102の表面302上に材料層305の第2単原子層314を形成する。第2反応ガス混合物のパルス供給の間、第2反応ガス混合物は、必要に応じて、熱ALDプロセス又はプラズマALDプロセス中に処理チャンバ134内に、還元ガス混合物(又は試薬と呼ばれる、例えば、水素ガス(H)又はNHガス)と同時に、順次に、あるいはまた還元ガス混合物なしで供給することができる。なお、第2単原子層314は、化学反応によって第1単原子層304上に吸収され、これによって第2単原子層314からの原子が第1単原子層304から原子にしっかりと付着することができると考えられている。光処理プロセスを施された処理層306は、未処理の第1単原子層304とは異なる化学的性質を有することができるので、処理層306内の原子は、第2単原子層314からの原子にうまく付着することができないことがあり、これによって第2単原子層314からの原子は、未処理の第1単原子層304からの原子にのみ付着することができる。このように、ブロック212で図3Eを参照して以下で更に述べるが、後に形成された第2単原子層314は、未処理の第1単原子層304上にのみ選択的に堆積し、これによって第2単原子層314を攻撃することなく、基板表面から処理された第1単原子層304のみを選択的に除去するための後に実行される除去プロセスを支援する。代替的なネガ型プロセスでは、第2単原子層314は、処理層306の上に配置され、第1単原子層304の未処理部分が除去される。
【0037】
一実施形態では、処理チャンバ134内に供給することができる好適な第2反応ガス混合物は、ケイ素含有化合物(例えば、SiH、Si、又は他の好適なケイ素含有化合物)、酸素含有ガス(例えば、HO、O、又はO)、タンタル含有ガス、チタン含有ガス、コバルト含有ガス、タングステン含有ガス、アルミニウム含有ガス、ニッケル含有ガス、銅含有ガス、ホウ素含有ガス、リン含有ガス、窒素含有ガス、又は半導体デバイス内で使用するのに適した基板表面上に単原子層を堆積させることができる他の適切なガスを含むことができる。本明細書に記載される代替的な試薬(すなわち、堆積プロセス中に単原子層を形成するための反応性前駆体と使用される還元性薬剤)の例は、水素(例えば、H又は原子のH)、窒素(例えば、N又は原子のN)、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、水素及びアンモニアの混合物(H/NH)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリエチルボラン(EtB)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、メチルシラン(SiCH)、ジメチルシラン(SiC)、ホスフィン(PH)、それらの誘導体、それらのプラズマ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
ブロック208での第2反応ガス混合物のパルスの間、第2反応ガス混合物のパルスは、所定の時間間隔持続する。本明細書で用いられる用語パルスは、処理チャンバ内に注入された1回分の物質を指す。第2反応ガス混合物の、又はブロック204及び206で実行される第1及び第2反応ガス混合物の各パルスの間に、パージガス混合物が、第1及び/又は第2反応性前駆体ガス混合物の各々の間又は複数のパルスの後に処理チャンバ内にパルスされ、これによって基板表面によって未反応/非吸収である不純物又は残留前駆体ガス混合物(例えば、反応ガス混合物からの未反応不純物他)を除去することができるので、それらを処理チャンバからポンプで排出できる。
【0039】
ブロック208での操作では、第2反応ガス混合物のパルスが、処理チャンバ134内にパルスされ、これによって保護領域312内で未処理の第1単原子層304上に第2単原子層314を選択的に形成する。処理チャンバ134内にパルスされる第2反応性前駆体ガス混合物の各パルスは、約3Å〜約5Åの間の厚さを有する材料層305の第2単原子層304を堆積させることができる。
【0040】
第2反応性前駆体ガス混合物のパルス供給の間に、いくつかのプロセスパラメータも調整される。一実施形態では、プロセス圧力は、約5トール〜約30トールの間で制御される。処理温度は、約125℃〜約450℃の間である。RF電力は、約100ワット〜約800ワットの間で制御することができる。第2反応ガス混合物内に供給される反応ガスは、約5sccm〜約20sccmの間で制御することができる。還元ガス(例えば、NHガス)は、約100sccm〜約700sccmの間で供給することができる。
【0041】
反応性前駆体ガス混合物の各々のパルスの間又はいくつかのパルスの後に、パージガス混合物が処理チャンバ内へその後供給され、これによって処理チャンバから残留物及び不純物をパージ排出する。パージガス混合物のパルス供給の間に、いくつかのプロセスパラメータも調整される。一実施形態では、プロセス圧力は、約1トール〜約100トールの間で制御される。処理温度は、約125℃〜約450℃の間である。RF電力は、約100ワット〜約800ワットの間で制御することができる。Ar又はNガスは、約200sccm〜約1000sccmの間で供給することができる。
【0042】
図2に示されるループ210によって示されるように、パージガス混合物のパルスに続いて、第1及び/又は第2反応ガス混合物をパルス供給し、その後パージガス混合物をパルス供給する工程から始まる追加のサイクルを、材料層305の所望の厚さ範囲に到達するまで繰り返し実行することができる。ブロック204での第1反応ガス混合物のパルス供給の次のサイクルが開始するとき、プロセス圧力及び他のプロセスパラメータを所定のレベルに調整し、これによって材料層305の後続の単原子層の堆積を支援することができる。
【0043】
ブロック204、206、及び208は、必要に応じて、異なる機能を提供する異なるチャンバ内で実行されてもよいことに留意されたい。例えば、ブロック204において、第1単原子層を形成するための堆積プロセスは、第1堆積チャンバ内で実行することができる。その後、ブロック206において、基板をその後、光露光プロセスを実行するための所望の波長範囲の光源を有する第2チャンバに搬送することができる。その後、ブロック208において、基板をその後、第1単原子層上への第2単原子層の堆積を終了させるために第1チャンバに戻すことができる。あるいはまた、ブロック208において、必要に応じて、基板を第3処理チャンバに搬送し、これによって基板上への第2単原子層の形成を終了させることができる。なお、第1、第2、及び/又は第3処理チャンバはすべて、クラスタツール内に組み込むことができ、真空を破り、大気に基板を曝露することなく、第1、第2、及び/又は第3処理チャンバ(又は第1処理チャンバへ戻る)間で基板を搬送することができることに留意されたい。
【0044】
図3Eに示されるように、ブロック212では、材料層305が所定の厚さに達した後、基板102は、基板表面302から処理層306を除去する除去プロセスを実行するために処理チャンバ134から除去することができる。なお、第2単原子層314が第1単原子層304上に形成された後、第2単原子層314からの原子は、第1単原子層304からの原子と反応し、これによってその後、第1単原子層304及び第2単原子層314の両方からの原子を含む化合物材料316を形成するであろうことに留意されたい。
【0045】
一実施形態では、除去プロセスは、基板102から処理層306を除去するように構成された任意の適切なエッチング/現像プロセスであることができる。除去プロセスの適切な例としては、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチングプロセス、現像プロセス、アッシングプロセス、又は他の適切な膜除去プロセスを含む。処理層306を除去するのに利用可能である任意の従来の適切なエッチングプロセスを利用してもよい。除去プロセスが完了した後、基板302上に残った処理層306は除去され、露出領域310内で基板102の下地面303を露出させる。
【0046】
一実施形態では、除去プロセスは、基板102から処理層306を除去するためにハロゲン含有ガスを供給するドライエッチングプロセスによって実行することができる。ハロゲン含有ガスの好適な例は、とりわけ、塩素ガス(Cl)、三フッ化窒素(NF)、六フッ化硫黄ガス(SF)、炭素・フッ素含有ガス(例えば、CF、CHF、又はC)、塩素ガス(Cl)、塩化ホウ素(BCl)、及び塩化水素(HCl)を含む。いくつかの実施形態では、除去処理を実行するために、いくつかの還元剤をハロゲン含有ガスと共に供給することができる。好適な還元剤としては、とりわけ、一酸化炭素(CO)、酸素ガス(O)、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、及びそれらの組み合わせなど炭化水素ガスを含むが、これらに限定されない。
【0047】
除去プロセスが基板102上で実行され、終了した後、その上に所望のフィーチャが形成された材料層を得ることができる。そうすることによって、追加のフォトレジスト層及び/又はハードマスク層を使用せずに、材料層上にフィーチャ/構造をここでは直接転写することができるので、フォトレジスト層及び/又はハードマスク層を利用する現像プロセスを伴う従来のリソグラフィプロセスが排除される。したがって、製造の複雑さ、コスト及びサイクル時間が、こうして効率的に低減され、改善される。
【0048】
このように、ALDリソグラフィプロセスを実行するための方法及び装置が、本開示内に提供される。ALDリソグラフィプロセスは、フォトレジスト層及び/又はハードマスク層から形成される従来のマスクを用いることなく、基板表面上にフィーチャを形成するために、リソグラフィプロセスと共にALDプロセスを利用する。本明細書中に記載されるようなALDリソグラフィプロセスは、製造の複雑さ、コスト及びサイクル時間を効率的に削減し、製造の柔軟性及び生産性を向上させる。
【0049】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E