(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための樹脂パッケージ及びその製造方法、更にこれを用いた発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。
また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。尚、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0010】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態にかかる樹脂パッケージの製造方法について、図を用いて説明する。
図1(a)〜
図1(d)は、本実施の形態の製造方法を示す図であり、
図2は、これによって得られる樹脂パッケージを用いた発光装置10を示す断面図である。また、説明の簡略化のために、1つの発光装置10用の樹脂パッケージを用いて説明しているが、これに限らず、複数の樹脂パッケージを同時に製造することを排除するものではないことは言うまでもない。
【0011】
(第1の工程)
まず、貫通孔11aを有する金属板(リードフレーム)11を用意する。この金属板11は、発光装置のパッケージ(樹脂成形体)に設けられ、外部から給電するための正負一対の電極として機能させるためのものであり、貫通孔11aは、その正負一対の電極を絶縁するための樹脂(パッケージの底面部)が設けられる領域である。
【0012】
この金属板11を、
図1(a)に示すように、樹脂成型機の第1金型1と第2金型2とで挟み込むようにセットする。尚、以下の説明において、図面上で上側に描かれている第1金型1を上金型、下側に描かれている第2金型2を下金型とも称する。また、金属板11のうち、第1金型(上金型)1と対向する側の面を上面とし、第2金型(下金型)2と対向する側の面を下面とする。
【0013】
金属板11の下面は、後に樹脂パッケージの底面に露出されるため、下金型2が金属板11を押さえる(挟む)貫通孔11a以外の部分と略同じ形状となるよう設けられる。例えば、金属板11が
図1に示すような平板状の場合、下金型2の上面も凹凸のない平面とする。この金属板11の下面と、下金型2との間に、弾性シート12を挟むようする。このとき、金属板11の下面に弾性シート12を予め貼り付けておくのが好ましい。
【0014】
(第2の工程)
次いで、
図1(b)に示すように、上金型1と下金型2の間に挟まれた金属板11の貫通孔(空洞)11a内に、上金型1に設けられる樹脂注入口1aから熱硬化性樹脂を注入する。本実施の形態では、金属板11の下面には弾性シート12が設けられているため、金属板11の貫通孔11a内に注入される熱硬化性樹脂は、上金型1と弾性シートの間に形成された貫通孔11a内に注入される。
【0015】
上金型1の下面、すなわち、金属板11と接する側の面には、
図1(b)に示すような凹部1bを設けてもよい。その場合、貫通孔11aの一部を囲むように設けることで、後に発光装置としたとき、
図2に示すような、発光素子14の周囲に側壁13aを形成させることができる。金属板11の貫通孔11aに注入されて形成される樹脂成形体の底面部13bと同時に側壁13aを一体的に成形することで、金属板11と密着性よく、また機械的強度の高い樹脂パッケージとすることができる。尚、このような側壁13aは、樹脂パッケージ成型後に、枠体を貼り付ける、枠体を描画するなどの方法によって形成してもよい。
【0016】
熱硬化性樹脂を注入して硬化した後、
図1(c)に示すように、金型1、2内から成形品を取り出し、更に、
図1(d)に示すように、弾性シート12を除去することで、樹脂パッケージを得ることができる。尚、必要に応じて金属板11や樹脂成形体を切断するなどして、所望の大きさや形状とすることができる。例えば、
図1(c)に示すように、側壁部13aから延出する金属板を、所望の長さの延出部を残した状態で切断してもよく、或いは
図1(d)に示すように、側壁部13aの外側面と同じ位置となるよう、すなわち延出部がないように(外側面と同一面となるように)してもよい。本実施の形態において、弾性シートを用いているため、下金型と金属板との間に空隙が形成されにくく、すなわち、流動性の高い熱硬化性樹脂が入り込む隙間が形成されにくいので、成型後、金属板の下面、すなわち下金型側の面には、バリとなる樹脂が形成されていない。そのため、無理なバリ取り工程などを経ることなく、生産性よく樹脂パッケージ及び発光装置を得ることができる。
【0017】
こうして成型された樹脂パッケージに、
図2に示すように発光素子13を載置し、導電性ワイヤ15で金属板11と電気的に接合し、封止部材16でこれらを封止することで、発光装置10を得ることができる。
【0018】
図3(a)(b)は、
図1(b)の工程の変形例を示す図であり、金属板11を挟む上金型1と下金型2との押圧力を、
図1(b)よりも大きく(強く)しており、これにより、
図3(b)に示すように、弾性シート12を変形させて、その一部が貫通孔11aの内部に入り込み、中央部が最も突出した突出部12aを設ける。このように弾性シート12の弾力性を利用して、変形させることで金型1、2と金属板11との密着性をより高くすることができ、バリを発生しにくくすることができる。
【0019】
上記のように、弾性シート12に突出部12aを形成した後に成形して得られる樹脂パッケージを用いた発光装置20を
図4(a)(b)に示す。樹脂成形体の底面部23bには、裏面のほぼ中央部が最も凹んだ凹部23cが設けられている。この凹部23cの高さ(金属板11の底面からの高さ)や形状は弾性シートの突出部12aの高さや形状によって決められる。このように、樹脂成形体の底面部23bの裏面に凹部23cを設けることで、金属板の貫通孔の幅、すなわち正電極と負電極との間の幅が狭い場合であっても、回路基板へ実装する際の半田の広がりによる短絡を抑制し易くすることができる。更に、樹脂成形体の底面部23bの最下部が、金属板11の裏面よりも高い位置になるようにする、すなわち、実装時に回路基板から浮くようにすることで、半田の溶融時等にかかる成形樹脂への熱的負荷を低減することができる。
【0020】
図5(a)(b)は、弾性シートを
図3(a)(b)とは異なる変形をさせて成形した樹脂パッケージを用いた発光装置30の断面図とその部分拡大図を示す。ここでは、樹脂成形体の底面部33bの裏面が、金属板11に近い側に最も凹んだ凹部33cが形成されている。このような位置に凹部33cを設けることで、金属板11の側面の露出量を多くすることができ、半田のフィレットが形成されやすくなる。また、樹脂成形体の底面部33bの最下面を、金属板11の裏面から高さHの位置となるよう形成することで、半田の溶融時等にかかる熱的負荷を低減することができる。このような形状は、
図3(b)のように弾性シートの一部が貫通孔内に突出するように押圧しておき、成形樹脂注入時の圧力を大きくして、弾性シートの突出部を下方向へ押し戻すようにすることで形成することができる。貫通孔の中央付近にかかる押圧力が最も大きくなるため、弾性シートを下部方向から押すと中央部が最も上側に突出し、その突出部を上側から押すと、やはり中央部にかかる押圧力が大きくなるため、下方向に最も押されるのが中央部となり、このような形状となる。
図5(c)は、弾性シートの突出部を
図5(b)よりも更に強い圧力で押し戻したもので、底面部33bの裏面と金属板11の裏面とが略同一面となるようにしている。このような場合も、底面部33bの中央部により大きな圧力が加わる。このとき、押圧力を制御することで、金属板11と接している底面部33bの端部には微小な凹部33cが形成される。このような小さい凹部にも半田のフィレットを形成することができる。
【0021】
(弾性シート)
弾性シート12は、金型1、2と金属板12との間にできた隙間に樹脂が入り込みにくくするためのものであり、上下金型の押圧力等によって比較的容易に変形可能な弾性を有するものである。これにより、微細な凹凸や歪みのある金型や金属板の表面形状に応じて変形し、その隙間を減らすことができる。具体的には、ポリイミド、ポリエステル等の耐熱性樹脂を用いることができる。耐熱温度は成形温度や発光素子の実装工程の温度から、120℃〜250℃が好ましい。また、金属板に貼り付け可能な粘着層を有していてもよい。粘着層としては成形時に樹脂バリの発生防止の点から金属板(リードフレーム)と接着性に優れ、また剥がした後に接着剤糊残りが発生すると半田実装不良になることから、剥離性に優れたアクリル系、シリコーン系の材料を粘着材として用いることができる。
【0022】
弾性シートの厚さは15ミクロン〜100ミクロンの厚さのシートを使用することができる。コスト、生産性の点からより好ましくは20〜60ミクロン、更に好ましくは25ミクロン〜50ミクロンのシートを使用するのが良い。シートの基材、及び粘着層を金属板の貫通孔断面部に貼り付けることで、成形樹脂が貫通孔内に入り込まない為、半田実装時に微細なフィレットとなり半田実装性が向上するなど、発光装置としたときの電気的接合信頼性が向上する。
【0023】
(熱硬化性樹脂)
樹脂パッケージに用いられる熱硬化性樹脂としては、具体的にはエポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物などをあげることができる。特そして、これら樹脂中に充填材(フィラー)としてTiO
2、SiO
2、Al
2O
3、MgO、MgCO
3、CaCO
3、Mg(OH)
2、Ca(OH)
2などの微粒子などを混入させることで光の透過率を調整し、発光素子からの光の約60%以上を遮光するよう、より好ましくは約90%を遮光するようにするのが好ましい。尚、ここでは基体によって光を反射するか、又は吸収するかどちらでもよいが、発光装置を照明などの用途に用いる場合は、より好ましくは反射させることによって遮光するのが好ましい。そのため、発光素子からの光に対する反射率が60%以上であるものが好ましく、より好ましくは90%以上反射するものが好ましい。例えば、TiO
2を用いる場合は、好ましくは10〜30wt%、より好ましくは15〜25wt%配合させるのがよい。これら各種充填材は、1種類のみ、或いは2種類以上を組み合わせて用いることができ、例えば、反射率を調整するための充填材と、膨張係数を調整するための充填材とを併用するなどの用い方ができる。
【0024】
また、ディスプレイなどに用いる場合であって、コントラストを向上させたい場合は、発光素子からの光の吸収率が60%以上、より好ましくは90%以上吸収するものが好ましい。このような場合、充填材としては、アセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用することができる。
【0025】
また、熱硬化性樹脂の線膨張係数は、5〜35×10
−6/Kに調整することが好ましく、さらに好ましくは7〜20×10
−6/Kに調整することが望ましい。これにより、基体成型後、冷却時に生じる反りを抑制し易くすることができ、歩留まりよく製造することができる。尚、本明細書において基体の線膨張係数とは、各種充填剤等で調整された熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度以下での線膨張係数を指す。
【0026】
また、別の観点から、熱硬化性樹脂の線膨張係数は、金属板の線膨張係数との差が小さくなるように制御するのが好ましい。好ましくは金属板に対して0.5倍〜2.0倍、より好ましくは0.6倍〜1.4倍とするのがよい。これにより、個片化後の発光装置において、第1及び第2の導電部材と基体とが剥離するのを抑制し、信頼性に優れた光半導体装置とすることができる。
【0027】
(金属板)
金属板は、発光素子が載置可能な領域を有する板状部材であり、樹脂成型後に正負一対の電極として機能するような貫通孔を有する。
図2に示すような、上下とも平らな面であるものや、一部に凹部や切り欠きが設けられたものも用いることができる。更には、貫通孔の側面に、
図6(c)に示すような薄厚部41aを設けてもよい。
図6は、ディスプレイに適した黒色系の樹脂を用いた発光装置40を示す図であり、
図6(a)は斜視図、
図6(b)は底面図、
図6(c)はX−X線における断面図である。ディスプレイは、高精細な画像を得るためには発光装置を高密度で配置させるのが好ましいため、
図6(b)に示すように金属板41は、樹脂成形体の端部(外側面)から離間するように設けるのが好ましい。そのため、弾性シートの凸部によって形成される底面部43bの凹部43cは、金属板11の裏面の全周囲に形成される。このようにすることで、発光装置の外壁に半田フィレットを形成しなくても密着性よく、しかも高密度で実装することができる。
【0028】
金属板としては、具体的な材料としては、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン、これらは単体又は合金として用いることができる。更に、最表面に、発光素子からの光を反射可能な材料を設けるのが好ましく、具体的には金、銀、銅、Pt、Pd、Al、W、Mo、Ru、Rh等が好ましい。特に、可視域の反射率は70%以上である事が好ましく、Ag、Ru、Rh、Pt、Pdなどが好的に用いられる。また、金属板の表面光沢が高いほうがよく好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上である。ここで示される光沢度は日本電色製 微小面色差計VSR 300Aを用い、45°照射、垂直受光で得られる数字である。
【0029】
<実施の形態2>
図7(a)(b)(c)(d)は、第1金型(上金型)1側にも弾性シート72を設けた樹脂パッケージの製造方法を説明する図である。ここでは、
図7(a)に示すように、第1金型(上金型1)に弾性シート72を貼り付けている。このように金属板11の上下ともに弾性シートを設けて金型で挟持することで、金属板にかかる押圧力をその弾性シートで吸収することができる。そのため、金属板11の変形を低減することができ、貫通孔11aの幅の変動を少なくすることができる。更に、発光素子を実装する側の面、すなわち金属板11の上面にも、成型時に樹脂が入り込むことを抑制することができるため、実装不良や導電性ワイヤの接続不良を抑制することができる。さらに、金型と金属板とを直接触れないようにすることができるため、金属板の上面を損傷しにくくして、メッキなどにより高光沢加工を施した面を、そのままの状態で保つことができる。上金型側に設ける弾性シートは、下金型側に設ける弾性シートと同種のものを用いることができる。