【実施例】
【0090】
以下、合成例、比較合成例及び実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算による測定値である。
【0091】
[モノマー合成例]
本発明の重合性酸不安定化合物を以下のように合成した。
[モノマー合成例1](モノマー1)の合成
【化42】
【0092】
メタクリル酸クロリド120g、テルピネオール180gとトルエン1,500gの混合物に、氷冷、撹拌下、トリエチルアミン111gを添加した。その後、室温にて16時間撹拌した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶剤留去により粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、目的物のモノマー1を得た。
【0093】
[モノマー合成例2〜4](モノマー2〜4)の合成
モノマー合成例1と同様の方法でモノマー2〜4を得た。
モノマー2は、テルピネオールとメタクリル酸−5−カルボン酸−4−オキサトリシクロ[4.2.1.0
3,7]ノナン−5−オン−2−イルとの反応、
モノマー3は、テルピネオールと4−ビニル安息香酸との反応、
モノマー4は、テルピネオールと5−ビニル−1−ナフトエ酸との反応
に換えて合成を行った。
【化43】
【0094】
また、PAGモノマー1〜6は、以下の通りである。
【化44】
【0095】
[ポリマー合成例]
[ポリマー合成例1]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、4−アセトキシスチレンを11.3g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:4−ヒドロキシスチレン=0.30:0.70
重量平均分子量(Mw)=8,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.88
この高分子化合物を(ポリマー1)とする。
【0096】
【化45】
【0097】
[ポリマー合成例2]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、メタクリル酸3−ヒドロキシフェニルを13.7g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸3−ヒドロキシフェニル=0.23:0.77
重量平均分子量(Mw)=8,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.99
この高分子化合物を(ポリマー2)とする。
【0098】
【化46】
【0099】
[ポリマー合成例3]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル)を16.8g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル)=0.23:0.77
重量平均分子量(Mw)=8,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.88
この高分子化合物を(ポリマー3)とする。
【0100】
【化47】
【0101】
[ポリマー合成例4]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル)を8.7g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル):メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル=0.30:0.40:0.30
重量平均分子量(Mw)=8,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.74
この高分子化合物を(ポリマー4)とする。
【0102】
【化48】
【0103】
[ポリマー合成例5]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、インデンを1.7g、4−アセトキシスチレンを10.8g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:インデン:4−ヒドロキシスチレン=0.23:0.10:0.67
重量平均分子量(Mw)=6,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.97
この高分子化合物を(ポリマー5)とする。
【0104】
【化49】
【0105】
[ポリマー合成例6]
2Lのフラスコにモノマー1を6.2g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルを5.3g、4−アセトキシスチレンを6.8g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:4−ヒドロキシスチレン=0.28:0.30:0.42
重量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.71
この高分子化合物を(ポリマー6)とする。
【0106】
【化50】
【0107】
[ポリマー合成例7]
2Lのフラスコにモノマー1を5.8g、メタクリル酸1−ヒドロキシナフタレン−5−イルを6.8g、メタクリル酸テトラヒドロ−2−オキソフラン−3−イルを7.5g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸1−ヒドロキシナフタレン−5−イル:メタクリル酸テトラヒドロ−2−オキソフラン−3−イル=0.26:0.30:0.44
重量平均分子量(Mw)=8,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.87
この高分子化合物を(ポリマー7)とする。
【0108】
【化51】
【0109】
[ポリマー合成例8]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、4−アセトキシスチレンを10.7g、アセナフチレンを1.7g、溶剤としてテトラヒドロフランを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:4−ヒドロキシスチレン:アセナフチレン=0.23:0.67:0.10
重量平均分子量(Mw)=6,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この高分子化合物を(ポリマー8)とする。
【0110】
【化52】
【0111】
[ポリマー合成例9]
2Lのフラスコにモノマー1を5.3g、7−アセトキシインデンを2.0g、4−アセトキシスチレンを10.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:7−ヒドロキシインデン:4−ヒドロキシスチレン=0.24:0.10:0.66
重量平均分子量(Mw)=5,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.71
この高分子化合物を(ポリマー9)とする。
【0112】
【化53】
【0113】
[ポリマー合成例10]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、4−アセトキシスチレンを8.3g、6−ヒドロキシクマリンを2.7g、クマリンを1.5g、溶剤としてテトラヒドロフランを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:4−ヒドロキシスチレン:6−ヒドロキシクマリン:クマリン=0.23:0.52:0.15:0.10
重量平均分子量(Mw)=6,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.91
この高分子化合物を(ポリマー10)とする。
【0114】
【化54】
【0115】
[ポリマー合成例11]
2Lのフラスコにモノマー1を5.1g、メタクリル酸(5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)を15.5g、クロモンを1.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル):クロモン=0.23:0.67:0.10
重量平均分子量(Mw)=6,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.60
この高分子化合物を(ポリマー11)とする。
【0116】
【化55】
【0117】
[ポリマー合成例12]
2Lのフラスコにモノマー3を6.5g、4−アセトキシスチレンを10.7g、クロモンを1.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー3:4−ヒドロキシスチレン:クロモン=0.23:0.67:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.71
この高分子化合物を(ポリマー12)とする。
【0118】
【化56】
【0119】
[ポリマー合成例13]
2Lのフラスコにモノマー4を7.7g、4−アセトキシスチレンを10.4g、クマリンを1.8g、溶剤としてテトラヒドロフランを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー4:4−ヒドロキシスチレン:クマリン=0.23:0.65:0.12
重量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.69
この高分子化合物を(ポリマー13)とする。
【0120】
【化57】
【0121】
[ポリマー合成例14]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルを5.3g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー1を6.5g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー1=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.86
この高分子化合物を(ポリマー14)とする。
【0122】
【化58】
【0123】
[ポリマー合成例15]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルを5.3g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー2を5.7g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー2=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.80
この高分子化合物を(ポリマー15)とする。
【0124】
【化59】
【0125】
[ポリマー合成例16]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルを5.3g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.77
この高分子化合物を(ポリマー16)とする。
【0126】
【化60】
【0127】
[ポリマー合成例17]
2Lのフラスコにモノマー1を3.3g、メタクリル酸−3−エチル−3−エキソテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニルを4.1g、メタクリルアミド3−ヒドロキシフェニルを5.4g、メタクリル酸−2,7−ジヒドロ−2−オキソベンゾ[C]フラン−5−イルを6.5g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸−3−エチル−3−エキソテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.1
7,10]ドデカニル:メタクリルアミド3−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸−2,7−ジヒドロ−2−オキソベンゾ[C]フラン−5−イル:PAGモノマー3=0.15:0.15:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.81
この高分子化合物を(ポリマー17)とする。
【0128】
【化61】
【0129】
[ポリマー合成例18]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、6−アセトキシ−2−ビニルナフタレンを6.4g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.89
この高分子化合物を(ポリマー18)とする。
【0130】
【化62】
【0131】
[ポリマー合成例19]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル)を6.5g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(5−ヒドロキシインダン−2−イル):メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.86
この高分子化合物を(ポリマー19)とする。
【0132】
【化63】
【0133】
[ポリマー合成例20]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸(5,8−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)を7.4g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(5,8−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル):メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.20:0.40:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.81
この高分子化合物を(ポリマー20)とする。
【0134】
【化64】
【0135】
[ポリマー合成例21]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸(6−ヒドロキシクマリン−3−イル)を7.4g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー6を7.4g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸(6−ヒドロキシクマリン−3−イル):メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー6=0.30:0.20:0.40:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.92
この高分子化合物を(ポリマー21)とする。
【0136】
【化65】
【0137】
[ポリマー合成例22]
2Lのフラスコにモノマー2を12.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシピリジル−6−イルを5.4g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー3を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー2:メタクリル酸2−ヒドロキシピリジル−6−イル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=8,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.89
この高分子化合物を(ポリマー22)とする。
【0138】
【化66】
【0139】
[ポリマー合成例23]
2Lのフラスコにモノマー1を6.7g、メタクリル酸−4−ヒドロキシ−1−ナフタレンを4.5g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー4を5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸−4−ヒドロキシ−1−ナフタレン:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー4=0.30:0.20:0.40:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.73
この高分子化合物を(ポリマー23)とする。
【0140】
【化67】
【0141】
[ポリマー合成例24]
2Lのフラスコにモノマー1を5.6g、4−アミロキシスチレンを2.0g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルを5.3g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを6.7g、PAGモノマー5を5.7g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:4−アミロキシスチレン:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー5=0.20:0.10:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.91
この高分子化合物を(ポリマー24)とする。
【0142】
【化68】
【0143】
[ポリマー合成例25]
2Lのフラスコにモノマー1を8.8g、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチルを2.4g、メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イルを5.6g、メタクリル酸−2−オキソオキソラン−3−イルを4.3g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
モノマー1:メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:メタクリル酸−2−オキソオキソラン−3−イル=0.40:0.10:0.25:0.25
重量平均分子量(Mw)=9,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.90
この高分子化合物を(ポリマー25)とする。
【0144】
【化69】
【0145】
[比較合成例1]
上記ポリマー合成例と同様の方法で下記ポリマーを合成した。
共重合組成比(モル比)
ヒドロキシスチレン:メタクリル酸1−エチルシクロペンチルエステル=0.70:0.30
重量平均分子量(Mw)=9,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.86
この高分子化合物を(比較ポリマー1)とする。
【0146】
【化70】
【0147】
[比較合成例2]
上記ポリマー合成例と同様の方法で下記ポリマーを合成した。
共重合組成比(モル比)
ヒドロキシスチレン:メタクリル酸1−ジメチルシクロヘキシル=0.67:0.33
重量平均分子量(Mw)=8,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.91
この高分子化合物を(比較ポリマー2)とする。
【0148】
【化71】
【0149】
[比較合成例3]
上記ポリマー合成例と同様の方法で下記ポリマーを合成した。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸1−ジメチルシクロヘキシル:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:PAGモノマー3=0.30:0.30:0.30:0.10
重量平均分子量(Mw)=7,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.89
この高分子化合物を(比較ポリマー3)とする。
【0150】
【化72】
【0151】
[比較合成例4]
上記ポリマー合成例と同様の方法で下記ポリマーを合成した。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸1−ジメチルシクロヘキシル:メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル:メタクリル酸3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4,8]ノナン−9−イル:メタクリル酸−2−オキソオキソラン−3−イル=0.40:0.10:0.25:0.25
重量平均分子量(Mw)=8,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.89
この高分子化合物を(比較ポリマー4)とする。
【0152】
【化73】
【0153】
[実施例、比較例]
上記で合成した高分子化合物を用いて、界面活性剤として住友スリーエム(株)製界面活性剤のFC−4430を100ppm溶解させた溶剤に表1,2に示される組成で溶解させた溶液を、0.2μmサイズのフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
【0154】
表1,2中の各組成は次の通りである。
ポリマー1〜24:上記ポリマー合成例1〜24で得られた高分子化合物
比較ポリマー1〜3:上記比較合成例1〜3で得られた高分子化合物
有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
CyP(シクロペンタノン)
【0155】
酸発生剤:PAG1、PAG2(下記構造式参照)
【化74】
【0156】
塩基性化合物:Amine1、Amine2、Amine3(下記構造式参照)
【化75】
【0157】
溶解制御剤:DRI1、DRI2(下記構造式参照)
【化76】
【0158】
電子ビーム描画評価
描画評価では、上記で合成した高分子化合物を用いて、表1,2に示される組成で溶解させた溶液を、0.2μmサイズのフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
電子ビーム描画の試験では、得られたポジ型レジスト材料をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)ベーパープライムされた直径6インチφのSi基板上に、クリーントラックMark 5(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコートし、ホットプレート上で110℃で60秒間プリベークして100nmのレジスト膜を作製した。これに、(株)日立製作所製HL−800Dを用いてHV電圧50keVで真空チャンバー内描画を行った。
描画後直ちにクリーントラックMark 5(東京エレクトロン(株)製)を用いてホットプレート上で60秒間ポストエクスポージャベーク(PEB)を行い、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、ポジ型のパターンを得た。
得られたレジストパターンを次のように評価した。
120nmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における、最小の寸法を解像力とし、120nmLSのラインウィドスラフネス(LWR)をSEMで測定した。
レジスト組成とEB露光における感度、解像度の結果を表1,2に示す。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
耐ドライエッチング性評価
耐ドライエッチング性の試験では、上記各ポリマー2gをシクロヘキサノン10gに溶解させて0.2μmサイズのフィルターで濾過したポリマー溶液をSi基板にスピンコートで成膜して300nmの厚さの膜にし、以下のような条件で評価した。
CHF
3/CF
4系ガスでのエッチング試験:
東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後のポリマー膜の膜厚差を測定し、1分あたりのエッチング速度を求めた。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHF
3ガス流量 30ml/min
CF
4ガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
この評価では、膜厚差の少ないもの、即ち減少量が少ないものがエッチング耐性があることを示している。
耐ドライエッチング性の結果を表3に示す。
【0162】
【表3】
【0163】
ArF露光実験
表4に示されるレジスト材料を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)ベーパープライムしたSi基板にスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを160nmにした。これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S307E,NA0.85、σ0.93、2/3輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて90nmライン,180nmピッチのパターンを露光し、露光後直ちに表4に示す温度で60秒間PEBし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、90nmラインアンドスペースパターンを得、このときの感度とパターンの断面形状をSEMにて観察した。結果を表4に示す。
【0164】
表4中の各組成は次の通りである。
酸発生剤:PAG3,4(下記構造式参照)
【化77】
【0165】
塩基性化合物:Amine3(上記と同様)、Quencher1、(下記構造式参照)
【化78】
【0166】
【表4】
【0167】
表1〜4の結果より、本発明の高分子化合物を用いたレジスト材料は、十分な解像力と感度とエッジラフネスを満たし、ポリマー型の酸発生剤を共重合した場合は、従来型の酸不安定基を用いても解像性能とエッジラフネスの性能が一段向上し、ポリマー型の酸発生剤を含まない本発明の実施例よりも優れる場合があるが、本発明の酸不安定基に酸発生剤を共重合することによる相乗効果によって極めて優れた解像性能と小さなエッジラフネスを示した。また、表3の結果より、エッチング後の膜厚差が小さいことから優れた耐ドライエッチング性を有していることがわかった。表4の結果より、ArF露光において、基板からの反射を抑えて定在波による側壁のラフネスの発生を抑えることができる。