(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773777
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】ドライエッチング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20150813BHJP
H01L 31/0236 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
H01L21/302 105B
H01L31/04 280
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-141189(P2011-141189)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-8876(P2013-8876A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】坂尾 洋介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宗之
(72)【発明者】
【氏名】大竹 文人
(72)【発明者】
【氏名】池田 智
(72)【発明者】
【氏名】竹井 日出夫
【審査官】
杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−197940(JP,A)
【文献】
特開2010−177264(JP,A)
【文献】
特開2010−034155(JP,A)
【文献】
特開2010−034156(JP,A)
【文献】
特開2008−198629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 31/0236
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板表面にテクスチャー構造を形成するためのドライエッチング方法であって、
シリコン基板を配置した減圧下の成膜室内に、フッ素含有ガスとハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含む第1のエッチングガスを導入し、放電用電力を投入してシリコン基板表面を凹凸状にエッチングしてテクスチャー構造を形成する第1工程と、
第1工程でエッチング済みのシリコン基板を配置した減圧下の成膜室内に、フッ素含有ガスとハロゲン含有ガスとのいずれか一方を主成分とし、これに酸素ガスを添加した第2エッチングガスを導入し、放電用電力を投入してシリコン基板表面を更にエッチングしてテクスチャー構造における頂部や谷部に丸みを付与する第2工程と、を含み、
フッ素含有ガスは、CF4、NF3、SF6及びCxHyFzの中から選択され、ハロゲン含有ガスは、Cl2及びHBrの中から選択されることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項2】
同一の処理室内にて、放電用電力の投入を停止せずに、第1のエッチングガス中のフッ素含有ガスとハロゲン含有ガスとのいずれか一方の当該処理室内への導入を停止すると共に酸素ガスの導入量を低下させて第1のエッチングガスから第2のエッチングガスに切り換えて第1工程と第2工程とを連続して行うことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
【請求項3】
第1工程及び第2工程における酸素ガスの導入を、流量制御手段を有する単一のガス導入系により行い、第1工程における酸素流量比を10〜40%の範囲とし、第2工程における酸素流量比を20〜60%の範囲となるように流量制御手段を制御することを特徴とする請求項2記載のドライエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン基板表面にテクスチャー構造を形成するためのドライエッチング方法に関し、より詳しくは、結晶系太陽電池の製造工程において、シリコン基板に対し、その表面に高い光散乱封じ込め効果を発揮するテクスチャー構造を形成するために用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
単結晶や多結晶のシリコン基板を用いた結晶系太陽電池において、シリコン基板表面にドライエッチングにより凹凸形状を形成して粗面化する(テクスチャー構造を付与する)ことで、シリコン基板表面に入射した光の反射を低減させて光電変換効率の向上を図ることが従来から進められている。また、シリコンのインゴットをスライスして結晶系太陽電池用のシリコン基板を得る際、スライス時に生じるシリコン基板のダメージ層を除去する工程からテクスチャー構造を形成する工程までをドライエッチングにより一括して処理することが例えば特許文献1で知られている。
【0003】
上記特許文献1のものでは、ドライエッチング装置の処理室内にて、先ず、スライス時に生じたシリコン基板表面のダメージ層を除去するため、例えば、酸素ガスとダメージ層除去用のSF
6ガスとを所定流量で導入し、シリコン基板を保持するステージに高周波電源から電力投入し、シリコン基板表面をドライエッチングしてダメージ層が除去される。引き続き、処理室内に、例えば、酸素ガスとテクスチャー形成用のCl
2ガス及びNF
3ガスとを導入し、ステージに高周波電源から電力投入し、シリコン基板表面をドライエッチングすることで、ダメージ層が除去されたシリコン基板面にテクスチャー構造が形成される。
【0004】
ところで、上記の如く、ドライエッチングにより、シリコン基板表面にテクスチャー構造を形成すると、シリコン表面は凹凸を繰り返すものとなるが、その頂部や谷部が尖った鋭利なものとなっている(つまり、断面形状を視ると、ノコギリ刃状となる)。このような場合に、後工程でシリコン基板表面に、例えば真空成膜装置を用いて反射防止膜を成膜すると、その頂部や谷部とに効率よく成膜されず、カバレッジが悪くなる等の問題が生じる。
【0005】
このため、フッ酸と硝酸の混合液等のエッチング液を用いたウエットエッチングにより、頂部や谷部に対し丸みを持たせるランド加工を行うことが提案される。然し、ランド加工のために別途ウエットエッチング用の設備が必要となり、生産性が悪いだけでなく、廃液の処理等も必要となってコスト高を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−35262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、光散乱封じ込め効果を有効に発揮すると共に、後工程で所定の薄膜を形成するような場合でも、カバレッジよく成膜できるようにしたテクスチャー構造を持つシリコン基板を効率よく製造できる低コストのドライエッチング方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、シリコン基板表面にテクスチャー構造を形成するためのドライエッチング方法であって、シリコン基板を配置した減圧下の成膜室内に、フッ素含有ガスとハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含む第1のエッチングガスを導入し、放電用電力を投入してシリコン基板表面を
凹凸状にエッチング
してテクスチャー構造を形成する第1工程と、第1工程でエッチング済みのシリコン基板を配置した減圧下の成膜室内に、フッ素含有ガスとハロゲン含有ガスとのいずれか一方を主成分とし、これに酸素ガスを添加した第2エッチングガスを導入し、放電用電力を投入してシリコン基板表面を更にエッチング
してテクスチャー構造における頂部や谷部に丸みを付与する第2工程と、を含み
、フッ素含有ガスは、CF4、NF3、SF6及びCxHyFzの中から選択され、ハロゲン含有ガスは、Cl2及びHBrの中から選択されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1工程においてシリコン基板表面にテクスチャー構造が形成される。つまり、例えば、CF
4等のフッ素含有ガス(流量比20〜50%)と、Cl
2等のハロゲンガスやHBr等のハロゲン化水素ガスのようなハロゲン含有ガス(流量比30〜60%)と、酸素ガス(流量比10〜40%)とを含む第1のエッチングガスを処理室に導入し、例えば当該処理室内でシリコン基板を保持する基板ステージに高周波電力を投入する。これにより、処理室内にプラズマが形成され、プラズマ中の活性種やイオン種がシリコン基板表面に入射してエッチングが進行する。このとき、基板表面に堆積した酸素がマスクの役割を果たすことで、シリコン表面が凹凸形状にエッチングされて粗面化され、テクスチャー構造となる。
【0010】
次に、第2工程においてシリコン基板表面に形成されたテクスチャー構造に対してランド加工が施される。つまり、例えば、CF
4等のフッ素含有ガス(流量比40〜80%)と、酸素ガス(流量比20〜60%)とを含む第2のエッチングガスを処理室に導入し、当該処理室内でシリコン基板を保持する基板ステージに高周波電力を投入する。これにより、プラズマ中の活性種やイオン種がシリコン基板表面に入射してエッチングが進行し、第1工程で形成されたシリコン基板表面のテクスチャー構造における頂部や谷部がランド加工される。この場合、酸素ガスを添加するのは、酸素ガスの流量を調整することで、エッチングレートを制御して最適な形状を得るためである。そして、第2工程におけるエッチング時間等を適宜制御すれば、ランド加工時による反射率が高くなることを抑制できることが確認された。
【0011】
このように本発明においては、テクスチャー構造の形成と、当該テクスチャー構造に対するランド加工とをドライエッチングにより夫々行うことで、光散乱封じ込め効果を発揮すると共に、後工程で所定の薄膜を形成するような場合でも、カバレッジよく成膜できるようにしたテクスチャー構造をシリコン基板に効率よく製造できる。その上、ウエットエッチングを用いないため、高い生産性を達成でき、しかも、コストダウンを図ることができる。
【0012】
本発明においては、同一の処理室内にて、放電用電力の投入を停止せずに、第1のエッチングガス中のフッ素含有ガスとハロゲン含有ガスとのいずれか一方の当該処理室内への導入を停止すると共に酸素ガスの導入量を低下させて第1のエッチングガスから第2のエッチングガスに切り換えて第1工程と第2工程とを連続して行うことをことが好ましい。このような同一処理室内での一括したドライエッチングによりすることで、更なる生産性の向上と低コスト化を図ることができる。
【0013】
なお、第1工程及び第2工程における酸素ガスの導入を、流量制御手段を有する単一のガス導入系により行い、第1工程における酸素流量比を10〜40%の範囲とし、第2工程における酸素流量比を20〜60%の範囲となるように流量制御手段を制御することが好ましい。ここで、第1工程における酸素流量比(処理室に導入する第1のエッチングガスの総流量における第1のエッチングガス中の酸素ガスの流量比が)が上記範囲以外であると、テクスチャー構造を形成できないという問題があり、他方で、第2工程における酸素流量比が上記範囲以外であると、エッチングレートが速すぎるか又は遅すぎて、エッチング形状を制御できないという問題がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態のドライエッチング方法を実施するドライエッチング装置の構成を示す模式図。
【
図2】本発明の効果を示す実験結果を示すSEM写真。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、処理対象物を、結晶系太陽電池に用いられる単結晶や多結晶のシリコン基板(以下、単に基板Wという)とし、その表面にテクスチャー構造を形成する本発明の実施形態のドライエッチング方法を説明する。なお、結晶系太陽電池の構造は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図1には、本実施形態のドライエッチング方法を実施し得るドライエッチング装置EMが示されている。以下では、後述するシャワープレートから基板Wに向かう方向を下方、基板Wからシャワープレートに向かう方向を上方として説明する。
【0016】
ドライエッチング装置EMは、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプなどを備えた真空排気手段11を介して所定の真空度に減圧保持できる真空チャンバ1を備え、成膜室12を画成する。成膜室12の下部空間には基板ステージ2が設けられている。基板ステージ2には、高周波電源3からの出力31が接続されている。基板ステージ2に対向させるように成膜室12の上部にはシャワープレート4が設けられている。シャワープレート4は、真空チャンバ1の内壁面に突設した環状の支持壁13の下端で保持され、支持壁13とシャワープレート4とで画成された空間41にはエッチングガスを導入するガス導入系5が設けられている。
【0017】
ガス導入系5は、空間41に通じる合流ガス管51を備える、合流ガス管51には、マスフローコントローラ等の閉止機能を有する流量制御手段52a、52b、52cが介設されたガス管53a、53b、53cが夫々接続され、第1〜第3のガス源54a、54b、54cに夫々連通している。これにより、ガス種毎に流量制御して処理室12に導入できるようになっている。本実施形態では、第1工程と第2工程とを連続して実施できるように、第1のガス源54aのガスは、CF
4、NF
3、SF
6、CxHyFz等のフッ素含有ガスからなり、第2のガス源54bのガスはCl
2等のハロゲンガスやHBr等のハロゲン化水素ガスのようなハロゲン含有ガスからなり、第2のガス源54bのガスは酸素ガスからなる。以下、上記ドライエッチング装置を用いた本実施形態のエッチング方法について具体的に説明する。
【0018】
先ず、処理室12が所定真空度(例えば、10
−5Pa)に達した状態で、図外の真空ロボットにより基板Wを搬送し、基板ステージ2に保持させる。次に、第1工程として、ガス導入系5の各マスフローコントローラ52a〜52cを介して、第1〜第3のガス源54a、54b、54cから第1のエッチングガスを空間41からシャワープレート4を介して処理室12内に導入する。第1のエッチングガスとして、フッ素含有ガスとしてのCF
4と、ハロゲン含有ガスとしてのCl
2と、酸素ガスとからなり、そして、処理室12内に導入するガスの総流量に体するフッ素含有ガスの流量比を20〜50%の範囲、ハロゲン含有ガスの流量比を30〜60%の範囲、酸素ガスの流量比を10〜40%の範囲とする(この場合、減圧下の処理室12内の圧力は30〜150Paとする)。これに併せて、高周波電源3を介して基板ステージ2に放電用電力を投入する。この場合の投入電力は、電力密度が0.5〜1.5W/cm
2となるように適宜設定する。これにより、第1工程において基板W表面にテクスチャー構造が形成される。つまり、処理室12内にプラズマが形成され、プラズマ中の活性種やイオン種が基板W表面に入射してエッチングが進行する。このとき、基板表面に堆積した酸素がマスクの役割を果たすことで、シリコン表面が凹凸形状にエッチングされて粗面化され、テクスチャー構造となる。
【0019】
上記第1工程におけるエッチングを所定時間行った後、連続して第2工程を実施する。即ち、高周波電源3からの放電用電力の投入を停止せずに、流量制御手段52bを閉弁してハロゲン含有ガスの処理室12内への導入を停止すると共に、流量制御手段52cを制御して酸素ガスの導入量を低下させて第1のエッチングガスから第2のエッチングガスに切り換える。このとき、処理室12内に導入するガスの総流量に体するフッ素含有ガスの流量比を40〜80%の範囲、酸素ガスの流量比を20〜60%の範囲とする(この場合、減圧下の処理室12内の圧力は30〜150Paとする)。
【0020】
この第2工程により、基板W表面に形成されたテクスチャー構造に対してランド加工が施される。つまり、基板W表面に入射するプラズマ中の活性種やイオン種により、第1工程で形成されたシリコン基板表面のテクスチャー構造における頂部や谷部がランド加工される。この場合、酸素ガスを添加するのは、エッチング時に基板W表面に付着、堆積したものを積極的に除去してエッチングレートを高めるためである。そして、第2工程におけるエッチング時間等を適宜制御すれば、ランド加工時による反射率が高くなることを抑制できる。
【0021】
第1工程における酸素流量比を10〜40%の範囲とし、第2工程における酸素流量比を20〜60%の範囲となるように流量制御手段を制御することで、第1工程におけるテクスチャー構造の形成と、第2工程におけるランド加工とを効率よく行うことができる。なお、第1工程における酸素流量比(処理室に導入する第1のエッチングガスの総流量における第1のエッチングガス中の酸素ガスの流量比)が上記範囲以外であると、テクスチャー構造を形成できないという問題があり、他方で、第2工程における酸素流量比(処理室に導入する第2のエッチングガスの総流量における第2のエッチングガス中の酸素ガスの流量比)が上記範囲以外であると、エッチングレートが速すぎるか又は遅すぎて、エッチング形状を制御できないという問題がある。
【0022】
以上によれば、単一のドライエッチング装置EMにより、テクスチャー構造の形成と当該テクスチャー構造に対するランド加工とを行うことで、光散乱封じ込め効果を発揮すると共に、後工程で所定の薄膜を形成するような場合でも、カバレッジよく成膜できるようにしたテクスチャー構造をシリコン基板に効率よく製造できる。その上、ウエットエッチングを用いないため、高い生産性を達成でき、しかも、コストダウンを図ることができる。なお、シリコンのインゴットをスライスして基板Wを得る際、スライス時に生じる基板Wのダメージ層を除去する工程を上記第1工程に先立って同一の処理室12内で行うことができる。この場合、ドライエッチングの条件は、上記従来例のものが利用できるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0023】
次に、以上の効果を確認するため、
図1に示すドライエッチング装置を用いて次の実験を行った。発明実験では、基板として公知の方法で得た多結晶シリコン基板を用い、第1工程の条件として、第1のエッチングガスをCF
4とCl
2と酸素ガスとし、その流量CF
4:Cl
2:酸素ガスの流量を700:1400:300sccmとし、エッチング時の処理室の圧力を40Paとした。また、高周波電源3からの投入電力を2kWとし、20秒間、前記処理を行った。第2工程の条件として、第2のエッチングガスをCF
4と酸素ガスとし、その流量CF
4:酸素ガスの流量を300:30sccmとし、エッチング時の処理室の圧力を40Paとした。また、高周波電源3からの投入電力を、電力密度が1.0W/cm
2となるように設定し、10秒(試料1)、30秒(試料2)、60秒(試料3)間に夫々設定して前記処理を行った。
【0024】
図2には、第2工程の処理時間を変化させたときの試料1〜試料3のSEM写真を、第1工程を実施した直後のものを比較試料とし、そのSEM写真と共に示す。これによれば、比較試料では(
図2中、最左側)、基板W表面は凹凸を繰り返すものとなるが、その頂部や谷部が尖った鋭利なものとなっている(つまり、断面形状を視ると、ノコギリ刃状となる)ことが判る。それに対して、試料1〜試料3においては、その頂部や谷部に対して丸みが付与(形成)され、処理時間が長くなるのに従い、より角がとれて丸みが付与されていることが判る。
【0025】
次に、公知の分光光度計を用い、試料1〜試料3及び比較試料について、基板表面Wに対して垂直に光を入射させて可視光領域における反射率(%)を測定した。
図3は、波長400〜1000nmにおける反射率の測定結果を示すグラフである。なお、
図3中、実線が試料1、一点鎖線が試料2、二点鎖線が試料3、そして、点線が比較試料のものである。これによれば、第2工程の処理時間が長くなるのに従い、反射率が高くなっていることが確認され、これにより、処理時間で反射率が制御できることが確認された。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、本発明のドライエッチング方法を実施し得るドライエッチング装置EMとして、基板ステージ2に電力投入するものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、誘導結合型放電を用いるドライエッチング装置等、本発明のドライエッチング方法は他の形式のドライエッチング装置にも広く適用可能である。
【0027】
上記実施形態では、単一のドライエッチング処理装置EMにて第1工程及び第2工程を実施したが、これを別個に行うこともでき、更に、第2工程でハロゲン含有ガスを停止するものを例に説明したが、フッ素含有ガスを停止するようにしてもよい。また、上記実施形態では、フッ素含有ガス、ハロゲン含有ガス及び酸素ガスを夫々別のガス源としているが、フッ素含有ガスと酸素ガスとの混合ガス、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの混合ガスを夫々ガス源としてもよい。
【符号の説明】
【0028】
EM…ドライエッチング装置、12…処理室、2…基板ステージ、3…高周波電源、4…シャワープレート、5…ガス導入系、52a〜52c…マスフローコントローラ(流量制御手段)、53a〜53c…ガス管、54a〜54c…(フッ素含有ガス、ハロゲン含有ガス及び酸素ガス用の各)ガス源、W…基板(シリコン基板)。