特許第5773867号(P5773867)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5773867割り振られたデジタル権利管理システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773867
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】割り振られたデジタル権利管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/32 20060101AFI20150813BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20150813BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20150813BHJP
【FI】
   G06F1/00 332B
   G06F1/00 334C
   G06F12/14 540A
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-509553(P2011-509553)
(86)(22)【出願日】2009年5月4日
(65)【公表番号】特表2011-523479(P2011-523479A)
(43)【公表日】2011年8月11日
(86)【国際出願番号】US2009042670
(87)【国際公開番号】WO2009140090
(87)【国際公開日】20091119
【審査請求日】2012年5月1日
【審判番号】不服2014-13670(P2014-13670/J1)
【審判請求日】2014年7月14日
(31)【優先権主張番号】12/121,558
(32)【優先日】2008年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】508301087
【氏名又は名称】エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】オルウィン ドス レメディオス
(72)【発明者】
【氏名】ステファン シェーラー
(72)【発明者】
【氏名】マーク バプスト
(72)【発明者】
【氏名】サトヤジット パトニ
【合議体】
【審判長】 小曳 満昭
【審判官】 白石 圭吾
【審判官】 山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−129323(JP,A)
【文献】 特開平4−195619(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0072070(US,A1)
【文献】 特表2007−511946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護されたコンテンツに対する認証情報を検索して前記認証情報が検索された後に電力を減らすように動作する認証モジュールと、
前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記保護されたコンテンツを受信し、前記認証情報に基づいて復号化するように動作する復号化モジュールと、を備えたデジタル権利管理システム。
【請求項2】
請求項1のデジタル権利管理システムであって、前記認証モジュールは電力を減らす前に前記認証情報を、前記認証モジュールとは異なるメモリに記憶するように動作するデジタル権利管理システム。
【請求項3】
請求項2のデジタル権利管理システムであって、前記復号化モジュールは前記認証情報を前記メモリから検索するように動作するデジタル権利管理システム。
【請求項4】
請求項1のデジタル権利管理システムであって、前記保護されたコンテンツに基づくメディア出力情報を提供するように動作するメディアモジュールを更に備えたデジタル権利管理システム。
【請求項5】
請求項1のデジタル権利管理システムであって、選択的に前記認証モジュールの電力を増やしたり電力を減らしたりするように動作する電力管理モジュールを更に備えたデジタル権利管理システム。
【請求項6】
請求項5のデジタル権利管理システムであって、前記電力管理モジュールは前記復号化モジュールからの認証要求に応答して前記認証モジュールの電力を増やすように動作するデジタル権利管理システム。
【請求項7】
請求項5のデジタル権利管理システムであって、前記電力管理モジュールは前記復号化モジュールが前記保護されたコンテンツを復号化しているときに前記認証モジュールの電力を減らすように動作するデジタル権利管理システム。
【請求項8】
請求項1のデジタル権利管理システムであって、前記認証情報に対する要求を送信し前記要求に応じた前記認証情報を受信するように動作する通信モジュールを更に備えたデジタル権利管理システム。
【請求項9】
請求項8のデジタル権利管理システムであって、前記通信モジュールは前記認証情報を受信した後に電力を減らすように動作するデジタル権利管理システム。
【請求項10】
請求項1のデジタル権利管理システムを備えたデバイス。
【請求項11】
保護されたコンテンツに対する認証情報を認証モジュールにより検索することと、
前記認証情報が検索された後に前記認証モジュールの電力を減らすことと、
前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記認証情報を復号化モジュールに提供することと、
前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記保護されたコンテンツを前記認証情報に基いて復号化することと、を備えたデジタル権利管理方法。
【請求項12】
請求項11のデジタル権利管理方法であって、電力を減らす前に前記認証情報を記憶することを更に備えたデジタル権利管理方法。
【請求項13】
請求項12のデジタル権利管理方法であって、
前記保護されたコンテンツを復号化する前に前記記憶された認証情報を検索することと、
前記保護されたコンテンツに基づくメディア出力情報を提供することと、を更に備えたデジタル権利管理方法。
【請求項14】
請求項11のデジタル権利管理方法であって、選択的に前記認証モジュールの電力を増やしたり電力を減らしたりすることを更に備えたデジタル権利管理方法。
【請求項15】
請求項14のデジタル権利管理方法であって、
認証要求に応答して前記認証モジュールの電力を増やすことと、
復号化モジュールが前記保護されたコンテンツを復号化しているときに前記認証モジュールの電力を減らすことと、を更に備えたデジタル権利管理方法。
【請求項16】
第1の回路と第2の回路とを備えたデバイスであって、
前記第1の回路は、
保護されたコンテンツに対する認証情報を検索し前記認証情報が検索された後に電力を減らすように動作する認証モジュールと、
選択的に前記認証モジュールの電力を増やしたり電力を減らしたりするように動作する電力管理モジュールと、
前記認証情報に対する要求をワイヤレスで送信し前記要求に応じた前記認証をワイヤレスで受信するように動作する通信モジュールと、を備えており、
前記第2の回路は、
前記第1の回路の電力が減らされている間に、前記認証情報を検索するとともに、前記保護されたコンテンツを前記認証情報に基づいて復号化するように動作する復号化モジュールと、
前記保護されたコンテンツに基づくメディア出力情報を提供するように動作するメディアモジュールと、を備えているデバイス。
【請求項17】
請求項16のデバイスであって、前記認証モジュールは電力を減らす前に前記認証情報をメモリに記憶するように動作し、前記復号化モジュールは前記認証情報を前記メモリから検索するように動作するデバイス。
【請求項18】
請求項16のデバイスであって、前記電力管理モジュールは前記復号化モジュールからの認証要求に応答して前記認証モジュールの電力を増やし前記復号化モジュールが前記保護されたコンテンツを復号化しているときに前記認証モジュールの電力を減らすように動作するデバイス。
【請求項19】
請求項16のデバイスであって、
前記メディア出力情報に基づく画像を提供するように動作するディスプレイと、
前記メディア出力情報に基づくオーディオを提供するように動作するスピーカと、の少なくとも一つを更に備えたデバイス。
【請求項20】
請求項16のデバイスであって、前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記通信モジュールの電力が増やされるデバイス。
【請求項21】
デジタル権利コンテンツを管理する方法であって、
保護されたコンテンツに対する認証情報を認証モジュールにより検索することと、
前記認証情報が検索された後に前記認証モジュールの電力を減らすことと、
前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記認証情報を復号化モジュールに提供することと、
前記認証モジュールの電力が減らされている間に前記保護されたコンテンツを前記認証情報に基づいて復号化することと、を備えた方法。
【請求項22】
請求項2のデジタル権利管理システムであって、前記メモリは、前記認証モジュールの関与なしに前記復号化モジュールによってアクセス可能であるデジタル権利管理システム。
【請求項23】
請求項2のデジタル権利管理システムであって、前記メモリは、前記認証モジュールから独立して電力供給される権利管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概してデジタル権利管理に関し、更に詳しくはデジタル権利管理を採用しているデバイスの電力消費を低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツは、モバイル携帯型デバイス並びに当該コンテンツの配布及び格納の容易性により広く普及してきた。そのようなコンテンツは、例えばゲーム、着信音、写真、音楽クリップ、ビデオクリップ、ストリーミングメディア、及び他の適切なコンテンツを含むことができる。かかるコンテンツを不正コピーし及び/又はかかるコンテンツへの不正アクセスを減少させることを支援するために、種々のデジタル権利管理(DRM)規格、例えばオープンモバイルアライアンス(OMA)DRMが開発されてきている。しかし、保護されたコンテンツに対してDRMを利用するためには、モバイルデバイスの電力消費を増大させる付加的な処理が必要になる。
【0003】
更に、幾つかのモバイルデバイス、例えば携帯電話は、デバイスの主要な機能(例えば通信機能)を担う主要プロセッサとデジタルコンテンツを担う副次的プロセッサとを含む。従って、2つの別個のプロセッサを用いることにより電力消費は更に増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DRMで保護されたコンテンツを利用する多数のモバイルデバイスは多くの場合バッテリー電源であるので、バッテリー寿命を延ばすために電力消費を低減することがとりわけ望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例では、デジタル権利管理システムは認証モジュール及び復号化モジュールを含む。必要に応じてこれらモジュールは別個の集積回路に実装されてよい。認証モジュールは保護されたコンテンツに対する認証情報を検索し、認証情報が検索された後に電力を減らす。復号化モジュールは、認証モジュールが電力を減らされている間に保護されたコンテンツを認証情報に基いて復号化する。関連する方法もまた開示される。
【0006】
数ある利益のなかでもとりわけ、公知のデジタル権利管理システム及び方法よりも消費電力の小さいデジタル権利管理システム及び方法が提供される。一つの例では、デジタル権利管理システムは、ホスト処理回路(又はその部分)が認証情報を得た後に電力を減らされることができるように、ホスト処理回路とメディア処理回路の間でデジタル権利管理エージェントを割り振る。従って、ホスト処理回路(又はその部分)の電力を減らすことによって、デジタル権利管理システムの電力消費が公知のデジタル権利管理システムに比べて小さくなる。他の利益は当業者によって認識されるであろう。
【0007】
一つの例では、認証モジュールは電力を減らす前に認証情報をメモリ内に記憶する。復号化モジュールは認証情報をメモリから検索する。メディアモジュールは保護されたコンテンツに基くメディア出力情報を提供する。
【0008】
一つの例では、デジタル権利管理システムは電力管理モジュールを含む。電力管理モジュールは選択的に認証モジュールの電力を増やしそして電力を減らす。例えば、電力管理モジュールは、復号化モジュールからの認証要求に応答して認証モジュールの電力を増やす。また、電力管理モジュールは、復号化モジュールが保護されたコンテンツを復号化しているときに認証モジュールの電力を減らす。
【0009】
一つの例では、デジタル権利管理システムは通信モジュールを含む。通信モジュールは認証情報に対する要求を送信し、要求に応じて認証を受信し、認証情報を受信した後に電力を減らすように動作する。
【0010】
デバイスはデジタル権利管理システムを含み、ワイヤレス携帯型デバイスあるいは適切なデバイスであってよい。
【0011】
ここに用いられる「回路」及び/又は「モジュール」という用語は、電子回路、一つ以上のソフトウエア又はファームウエアプログラムを実行する一つ以上のプロセッサ(例えば共用され、専用の、又はグループのプロセッサ、例えば限定はされないがマイクロプロセッサ、DSP、又は中央処理ユニット)及びメモリ、組み合わせ論理回路、ASIC、及び/又は説明された機能を提供する他の適切な要素を含むことができる。「回路」又は「モジュール」は、動作不能の状態にするレベルまでを含み所望の減少させられた電力レベルまで電力を減少させることによって、「電力を減らされる(powered down)」ことができる。同様に、「回路」又は「モジュール」は動作状態にするレベルまで電力供給を増大させることによって「電力を増やされる(powered up)」ことができる。また、当業者に理解されるであろうように、「回路」又は「モジュール」の動作、設計、及び組織化は、ハードウエア記述言語、例えばVerilog(登録商標)、VHDL又は他の適切なハードウエア記述言語において記述されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図面と共に以下の記述を参照することによって本開示は更に容易に理解されるであろう。図面において同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0013】
図1図1はデジタル権利管理割り振りシステムの例示的な図である。
【0014】
図2図2は本開示に従うデジタル権利管理システムの例示的なブロック図である。
【0015】
図3図3はデジタル権利管理システムによって用いることができる例示的なステップを示すフローチャートである。
【0016】
図4図4はデジタル権利管理システムの代替的な実施形態の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、デジタル権利管理割り振りシステム100の例示的な図が示されている。デジタル権利管理割り振りシステム100はデバイス102、例えば携帯型モバイルメディアデバイス、携帯電話、及び/又は他の適切なモバイルデバイスを含む。デジタル権利管理割り振りシステム100はまた、当該分野で知られているような権利発行者104及び当該分野で知られているようなコンテンツ発行者106を含む。この例では別個に描かれているが、権利発行者104及びコンテンツ発行者106は必要に応じて組み合わされて単一の権利/コンテンツ発行者としてもよい。権利発行者104及びコンテンツ発行者106はネットワーク108を介してデバイス102と通信する。ネットワーク108は任意の公知のネットワーク、例えばワイヤレスセルラーネットワーク、ワイヤレスLAN、パケットスイッチネットワーク、PSTNネットワーク、及び/又は任意の他の適切なネットワークであってよい。
【0018】
デバイス102はデジタル権利管理(DRM)システム110を含む。DRMシステム110は保護されたコンテンツ(例えばゲーム、着信音、写真、音楽クリップ、ビデオクリップ、ストリーミングメディア、及び他の適切な保護されたコンテンツ)に対する認証情報(例えば権利オブジェクト又は他の適切な認証情報)を取得してその保護されたコンテンツをその認証情報に基いて復号化する。例えばDRMシステム110は、保護されたコンテンツ112をコンテンツ発行者106から要求して、保護されたコンテンツ112に対する認証情報114を権利発行者104から要求することができる。DRMシステム110は次いでその後、保護されたコンテンツ112を認証情報114に基いて復号化することができる。DRMシステム110は必要に応じて選択的にDRMシステム110の部分部分の電力を増やしそして電力を減らすことにより、デバイス102の電力消費を低減する。
【0019】
図2を参照すると、DRMシステム110の例示的な図が示されている。DRMシステム110はホスト処理回路200及びメディア処理回路202を含む。ホスト処理回路200は通信モジュール204、電力管理モジュール206及び認証モジュール208を含む。電力管理モジュール206は通信モジュール204及び認証モジュール208に動作的に接続される。認証モジュール208は通信モジュール204に動作的に接続される。
【0020】
以下に更に詳細に論じられるように、電力管理モジュール206は電力消費を低減するために選択的に認証モジュール208及び/又は通信モジュール204の電力を増やしたり電力を減らしたりする。幾つかの実施形態では、電力管理モジュール206は必要に応じて電力消費を更に低減するために、選択的にホスト処理モジュール200の他の回路209の電力を増やしたり電力を減らしたりすることができる。また幾つかの実施形態では、電力管理モジュール206はホスト処理モジュール200の外部にあってよく、電力消費を更に低減するために選択的にホスト処理モジュール200の電力を増やしたり電力を減らしたりすることができる。
【0021】
通信モジュール204は、認証情報114及び/又は保護されたコンテンツ112を検索する(retrieve)ためにネットワーク108を介して権利発行者104及びコンテンツ発行者106と通信する。例えば通信モジュール204は、パス210を介しての認証モジュール208からの認証要求に応答して認証情報114に対する要求を送信することができる。通信モジュール204は次いでその後、要求に応答して認証情報114を受信することができる。通信モジュール204は、デジタル権利管理認証情報及び/又は保護されたコンテンツを検索するための当該分野で一般的に知られた回路を含む。この例ではデバイス102はワイヤレス携帯型デバイスであり、従ってアンテナ212を用いてワイヤレスでネットワーク108と通信する。
【0022】
メディア処理回路202はメディアモジュール214及び復号化モジュール216を含む。メディアモジュール214は保護されたコンテンツ112に基いてメディア出力情報218(例えばオーディオ及び/又はビデオ出力)を提供する。従ってメディアモジュール214は、デジタルメディアコンテンツに基くメディア出力情報を提供可能な当該分野で公知の任意の適切なメディアプレイヤであってよい。幾つかの実施形態では、DRMシステム110はまた、メディア出力情報218に基いて画像を提供するディスプレイ220及び/又はメディア出力情報218に基いてオーディオを提供するスピーカ222を含むことができる。
【0023】
認証モジュール208及び復号化モジュール216はDRMエージェント224として集合的に動作し、パス225(例えばIPCパス)を介して通信する。従って、DRMエージェント224はホスト処理回路200及びメディア処理回路202の間で割り振られている(例えば分割されている)。DRMエージェント224をホスト処理回路200及びメディア処理回路202の間で分割することで、選択的にホスト処理回路200又はその一部の電力を増減することによって電力消費の低減を実現することができる。
【0024】
加えてDRMエージェント224はまた、権利管理モジュール227を含む。権利管理モジュール227は保護されたコンテンツ112に付随する承認(例えば権利オブジェクトから取得される)を管理するように動作する。権利管理モジュール227はホスト処理回路200又はメディア処理回路202のいずれかに含まれていてよい。例えば、保護されたコンテンツがアクセスされた回数(例えばその保護されたコンテンツが再生された回数)に基いてその保護されたコンテンツへのアクセスを制限する承認である場合には、権利管理モジュール227はメディア処理回路202内に含まれていてよい。しかし、保護されたコンテンツへのアクセスを時間に基いて制限する承認である場合には、権利管理モジュール227はホスト処理回路200内に位置させることができる(例えばホスト処理回路はリアルタイムクロックを含むがメディア処理回路202は含まないことを想定)。この例では、権利管理モジュール227はメディア処理回路202内に含まれている。しかし、上述したように、権利管理モジュール227は必要に応じてホスト処理回路200内に含まれていてよい。
【0025】
DRMシステム110はまた、認証情報114及び保護されたコンテンツ112を記憶するメモリ226を含む。メモリ226は任意の適切な記憶媒体、例えば揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は他の適切な記憶媒体であってよい。図示はしないが、当業者であればメモリ226は権利オブジェクトに付随する他の承認をも記憶可能であることを理解するであろう。
【0026】
動作中、認証モジュール208はネットワーク108を介して権利発行者104から保護されたコンテンツ112に対する認証情報114を検索する。また、認証モジュール208は保護されたコンテンツ112を検索することができる。認証モジュール208は電力を減らすのに先立ち認証情報114(及び/又は保護されたコンテンツ112)をメモリ226に記憶する。より具体的には、電力管理モジュール206は認証モジュール208が使用中(例えば認証情報を取得中)であるかどうかを決定し、それに基いて選択的にホスト処理回路200の電力を減らす。例えば、電力管理モジュール206は、認証モジュール208が認証情報114(及び/又は保護されたコンテンツ112)を検索し且つ記憶した後に認証モジュール208の電力を減らすことができる。また、電力管理モジュール206は通信モジュール204が使用されていない場合にその電力を減らすこともできる。
【0027】
復号化モジュール216はメモリ226から認証情報114(及び/又は保護されたコンテンツ112)を検索する。一旦検索されたら、復号化モジュール216は保護されたコンテンツ112を認証情報114に基いて復号化し、暗号化されていないコンテンツ228をメディアモジュール214に供給する。認証情報114は既に認証モジュール208によって取得されているので、復号化モジュール216は保護されたコンテンツ112を独立して復号化することができる一方で認証モジュール208の電力が減らされる。このようにDRMシステム110の電力消費が低減される。
【0028】
メディアモジュール214は暗号化されていないコンテンツ228を受け取り、それに基くメディア出力情報218を提供する。前述したように、メディアモジュール214はメディア出力情報218を必要に応じてディスプレイ220及び/又はスピーカ222に供給することができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、復号化モジュール216は、選択的に認証モジュール208の電力を増やしそして電力を減らすために、パス230を介して電力管理モジュール206と通信することができる。例えば、復号化モジュール216は、復号化モジュール216が保護されたコンテンツ112を復号化しているときに、電力管理モジュール206が認証モジュール208の電力を減らすことを要求することができる。また、復号化モジュール216は、保護されたコンテンツに対して認証情報が要求されているときに、電力管理モジュールが認証モジュール208の電力を増やすことを要求することができる。更に、復号化モジュール216は、認証モジュール208(又はホスト処理回路200)からタイミング情報を得るために、電力管理モジュール206が認証モジュール208の電力を増やすことを要求することができる。他の実施形態では、選択的に認証モジュール208及び/又はホスト処理回路200(若しくはその部分)の電力を増やしそして電力を減らすために、電力管理モジュール206は、認証モジュール208、ホスト処理回路200(若しくはその部分)及び/又は復号化モジュール216を監視することができる。
【0030】
図3を参照すると、DRMシステム110によって用いることができる例示的なステップが全般的には300で示されている。処理はステップ302で開始される。ステップ304では、認証モジュール208が保護されたコンテンツ112に対して認証情報114を検索する。幾つかの実施形態では、認証モジュール208は復号化モジュール216からの要求に応答して認証情報114を検索することができる。ステップ306では、認証情報114が検索された後に電力管理モジュール206が認証モジュール208の電力を減らす。ステップ308では、復号化モジュール216が保護されたコンテンツ112を認証情報114に基いて復号化する一方で、認証モジュール208の電力が減らされる。従って、復号化モジュール216が保護されたコンテンツ112を復号化している一方で、認証モジュール208の電力を減らすことによってDRMシステム110の電力消費を低減することができる。処理はステップ310で終了する。
【0031】
図4を参照すると、DRMシステム110の代替的な実施形態の例示的なブロック図が示されている。この例では、ホスト処理回路200及びメディア処理回路202の両方がそれぞれ完全なDRAMエージェント400及び402を含む。DRAMエージェント400,402は、それぞれ認証モジュール404,406と、それぞれ復号化モジュール408,410と、それぞれ権利管理モジュール412,414とを含む。しかし、DRAMエージェント400の復号化モジュール408とDRAMエージェント402の認証モジュール406は冗長であるから、電力管理モジュール206は電力消費を低減するために動作中にそれらの電力を減らすことができる。また、電力管理モジュール206は、電力消費を低減するために、権利管理モジュール412又は414の一つの電力をも減らすことができる。従って、DRMシステム110の電力消費を更に低減するために、認証モジュール404は図2の認証モジュール208のように動作することができ、復号化モジュール410は図2の復号化モジュール216のように動作することができ、権利管理モジュール412又は414の一つは図2の権利管理モジュール227のように動作することができる。
【0032】
上述したように、数ある利益のなかでもとりわけ、公知のデジタル権利管理システムよりも消費電力の小さいデジタル権利管理システム及び方法が提供される。デジタル権利管理システムは、ホスト処理回路(又はその部分)が認証情報を得た後に電力を減らされることができるように、ホスト処理回路とメディア処理回路の間でデジタル権利管理を割り振る。従って、ホスト処理回路(又はその部分)の電力を減らすことによって、デジタル権利管理システムの電力消費が公知のデジタル権利管理システムに比べて小さくなる。他の利益は当業者によって認識されるであろう。
【0033】
また、限定はされないがCDROM、RAM、他の形態のROM、ハードドライブ、分散型メモリ等のコンピュータ可読メモリに記憶された実行可能な情報に基いて集積回路を造る集積回路設計システム(例えばワークステーション)が知られている。その情報は、任意の適切な言語、限定はされないが例えばハードウエア記述言語あるいは他の適切な言語を提示するデータ(例えばコンパイルされ又は他の方法で提示される)を含んでいてよい。従って、ここに説明される回路及び/又はモジュールはまた、そのようなシステムによって集積回路として製造されてもよい。例えば、コンピュータ可読媒体に記憶され、実行されたときに認証モジュール及び復号化モジュールを含む集積回路を造ることを集積回路設計システムにさせる情報を用いて、集積回路がディスプレイにおける使用のために造られてよい。認証モジュールは保護されたコンテンツに対する認証情報を検索するように動作する。認証モジュールは、認証情報が検索された後に電力を減らすように動作する。復号化モジュールは保護されたコンテンツを認証情報に基いて復号化するように動作する一方で、認証モジュールは電力を減らされる。ここに説明される他の動作を実行する回路及び/又はモジュールを有する集積回路もまた適切に製造されてよい。
【0034】
この開示は特定の例を含むが、開示はそのように限定されないことが理解されるべきである。図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を精査することで、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、多くの修正、変更、変形、置換、及び均等なものを当業者は想起するであろう。
図1
図2
図3
図4