(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015]種々の添付図面において同様の要素は同じ参照番号で示される。
【0010】
[0016]基板を研磨し、ここに研磨終了点を決定するためのシステムが説明されている。研磨中に基板からスペクトルを得るために光学的検出器が使用される。そのスペクトルが得られると、そのスペクトルがライブラリーのスペクトルと比較される。この比較は、全ての目的でここに援用する2005年8月36日に出願された米国特許出願第11/213,344号及び2006年5月19日に出願された米国特許出願第60/747,768号に更に説明された最小二乗和マッチング方法のような種々の技術を使用して実行することができる。ライブラリー内の各スペクトルにインデックス数字が指定される場合には、強力な線適合(robust line fitting)を使用してプロットされたインデックス数字に適合する線及び時間に基づいて、合致するインデックス数字をプロットすることができる。ターゲットスペクトルに対応するインデックスに線が交差するときに、ターゲット終了点に到達し、研磨を停止することができる。
【0011】
[0017]研磨中にライブラリーを生成するために得られるスペクトルは、ノイズ又は望ましくない特徴を含む傾向がある。(例えば、ノイズや、罫書き線のような場所をフラッシュするために)怪しい(spurious)データを含むスペクトルは、終了点を決定するために使用すると、結果を歪めさせる。ノイズを伴うスペクトルは、基板の測定から得られるべき「真」のスペクトルとは著しく離れたものとなる。これらの異常値スペクトルは、終了点の決定から除去することができ、又はここに述べる技術を使用するために補償することができる。
【0012】
[0018]
図1は、基板10を研磨するよう動作可能な研磨装置20を示す。この研磨装置20は、回転可能なディスク形状のプラテン24を備え、その上に研磨パッド30が載せられる。プラテンは、軸25の周りを回転するように動作可能である。例えば、モータで駆動シャフト22を回して、プラテン24を回転させることができる。
【0013】
[0019]アパーチャー(即ち、パッドを貫通して続く穴)又は中実の窓を含ませることにより研磨パッドを通る光学的アクセス部36が設けられる。中実の窓は、研磨パッドに固定できるが、ある実施形態では、中実な窓をプラテン24上に支持し、研磨パッドのアパーチャーへ突出させることができる。研磨パッド30は、通常、プラテン24に載せられて、アパーチャー又は窓が、プラテン24のくぼみ26に置かれた光学的ヘッド53の上に横たわるようにする。従って、光学的ヘッド53は、アパーチャー又は窓を通して、研磨されている基板へ光学的にアクセスすることができる。光学的ヘッドは、以下で更に説明する。
【0014】
[0020]研磨装置20は、複合スラリ/すすぎアーム39を備えている。研磨中に、このアーム39は、スラリのような研磨液体38を付与するように動作可能である。或いは又、研磨装置は、研磨パッド30にスラリを付与するように動作可能なスラリポートを含む。
【0015】
[0021]研磨装置20は、研磨パッド30に対して基板10を保持するように動作可能なキャリアヘッド70を備えている。このキャリアヘッド70は、例えば、カルーセルのような支持構造体72から懸架されて、キャリア駆動シャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76に接続されているので、キャリアヘッドが軸71の周りで回転できる。更に、キャリアヘッド70は、支持構造体72に形成された半径方向スロット内を横方向に振動することができる。動作中、プラテンは、その中心軸25の周りを回転され、また、キャリアヘッドは、その中心軸71の周りを回転され、且つ研磨パッドの上面を横切って横方向に並進移動される。
【0016】
[0022]また、研磨装置は、以下に述べるように研磨終了点を決定するのに使用できる光学的監視システムも備えている。この光学的監視システムは、光源51と、光検出器52とを含む。光は、光源51から、研磨パッド30内の光学的アクセス部36を通過し、基板10に当たって、そこから反射され、光学的アクセス部36を戻り、光検出器52へと進む。
【0017】
[0023]二股の光学的ケーブル54を使用して、光源51からの光を光学的アクセス部36へ伝送し且つ光学的アクセス部36から光検出器52へ戻すことができる。二股の光学的ケーブル54は、「幹線」55及び2つの「支線」56、58を含むことができる。
【0018】
[0024]上述したように、プラテン24は、くぼみ26を備え、ここに光学的ヘッド53が置かれる。光学的ヘッド53は、二股のファイバケーブル54の幹線55の一端を保持し、これが、研磨されている基板表面へ光を搬送し、更に、基板表面から光を搬送するよう構成されている。光学的ヘッド53は、二股のファイバケーブル54の端の上に横たわる窓又は1つ以上のレンズを含むことができる。或いは又、光学的ヘッド53は、単に研磨パッドの中実な窓付近に幹線55の端を保持することもできる。光学的ヘッド53は、フラッシュシステムの上述したノズルを保持することができる。また、光学的ヘッド53は、例えば、予防的又は矯正的保守を行うために、必要に応じて、くぼみ26から除去されることが可能である。
【0019】
[0025]プラテンは、除去可能な、その場の(in-situ)監視モジュール50を含んでいる。その場の監視モジュール50は、次のもの、即ち光源51、光検出器52、及びこれらの光源51及び光検出器52と信号を送受信する回路、のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、検出器52の出力は、デジタル電子信号でもよく、これは、駆動シャフト22のロータリーカプラー、例えば、スリップリングを経て光学的監視システムのコントローラへ通過することができる。同様に、光源は、コントローラからロータリーカプラーを経てモジュール50へ通過するデジタル電子信号における制御コマンドに応答してオン又はオフに切り換えることができる。
【0020】
[0026]また、その場の監視モジュールは、二股の光学的ケーブル54の支線部分56及び58の各端を保持することもできる。光源は、光を伝送するように動作可能であり、その光は、支線56を経て、光学的ヘッド53に配置された幹線55の端の外へ搬送されて、研磨されている基板に当たる。基板から反射された光は、光学的ヘッド53に配置された幹線55の端に受け取られ、支線58を経て光検出器52へ搬送される。
【0021】
[0027]一実施形態では、二股の光学的ケーブル54は、光ファイバの束である。この束は、光ファイバの第1グループと、光ファイバの第2グループとを含む。第1グループの光ファイバは、光源51からの光を、研磨されている基板表面へ搬送するように接続される。第2グループの光ファイバは、研磨されている基板表面から反射する光を受け取って、その受け取った光を光検出器へ搬送するように接続されている。光ファイバは、第2グループの光ファイバが(二股のファイバケーブル54の断面で見て)二股の光ファイバ54の長手軸を中心とするX字状の形状を形成するように配列することができる。或いは又、他の配列を実施することもできる。例えば、第2グループの光ファイバは、互いの鏡像であるV字状の形状を形成することができる。適当な二股の光ファイバは、テキサス州キャロルトンのベリティインスツルーメント社から入手できる。
【0022】
[0028]光源51は、白色光を放出するように動作可能である。一実施形態では、放出される白色光は、波長が200から800ナノメートルの光を含む。適当な光源は、キセノンランプ又はキセノン水銀ランプである。
【0023】
[0029]光検出器52は、分光計である。分光計は、基本的に、電磁スペクトルの一部分にわたって光の強度を測定するための光学的計器である。適当な分光計は、格子分光計である。分光計の典型的な出力は、波長の関数としての光の強度である。
【0024】
[0030]光源51及び光検出器52は、それらの動作を制御すると共にそれらの信号を受信するように動作可能なコンピューティング装置に接続されている。このコンピューティング装置は、研磨装置の付近に置かれたマイクロプロセッサ、例えば、パーソナルコンピュータを含むことができる。制御に関して、コンピューティング装置は、例えば、光源51の起動(activation)をプラテン24の回転と同期させることができる。
図2に示すように、コンピュータは、その場の監視モジュールの上を基板10が通過する直前に始まり且つその直後に終わる一連のフラッシュを光源51が放出するようにさせることができる。(描かれた点501から511の各々は、その場の監視モジュールからの光が当たって反射する位置を表している。)或いは又、コンピュータは、その場の監視モジュールの上を基板10が通過する直前に始まり且つその直後に終わる連続的な光を光源51が放出するようにさせることができる。図示されていないが、基板10が監視モジュールの上を通過するたびに、基板と監視モジュールとの整列は、その手前のパスの場合とは異なる。基板の一回転にわたって、基板上の異なる角度位置から、更に、異なる半径方向位置から、スペクトルが得られる。即ち、あるスペクトルは、基板の中心付近の位置から得られ、更に、あるスペクトルは、縁付近から得られる。基板は、半径方向ゾーンに区分化することができる。基板の表面上で3つ、4つ、5つ、6つ、7つ又はそれ以上のゾーンを画成することができる。ここに述べる方法の幾つかにおいて、スペクトルは、それに対応するゾーンにグループ分けされる。
【0025】
[0031]信号の受信に関して、コンピューティング装置は、例えば、光検出器により受け取られた光のスペクトルを記述する情報を保持する信号を受信することができる。コンピューティング装置は、この信号を処理して、研磨ステップの終了点を決定することができる。特定の理論に限定されることなく、基板から反射される光のスペクトルは、研磨が進むにつれて進化する。反射光のスペクトルの特性は、膜の厚みが変化するにつれて変化し、膜の特定厚みによって特定のスペクトルが示される。コンピューティング装置は、終了点に到達したときを1つ以上のスペクトルに基づいて決定するロジックを実行することができる。終了点を決定するベースである1つ以上のスペクトルは、ターゲットスペクトルを含むことができる。ここでは、ターゲットスペクトルが言及されるが、基準スペクトルもカバーされるものとする。ターゲットスペクトルとは、研磨終了点に達したときのウェハに対応するスペクトルである。システムが研磨停止信号を受信するときと、プラテンが回転を停止するときとの間にはタイムラグがあるために、研磨を停止するための信号は、実際の終了点より前の時間、即ち基準スペクトルが得られるときに、送信されてもよい。基準スペクトルとターゲットスペクトルとの間の相関は、研磨及びシステムパラメータに依存するので、簡単化のために、本出願ではターゲットスペクトルが言及されている。
【0026】
[0032]本明細書で使用するターゲットスペクトルとは、当該膜がターゲット厚みを有するときに当該膜から反射する白色光により示されるスペクトルを指す。例えば、ターゲット厚みは、1、2又は3ミクロンである。或いは又、ターゲット厚みは、例えば、当該膜が除かれて、その下の膜が露出されたときには、ゼロである。
【0027】
[0033]
図3は、研磨ステップの終了点を決定するための方法300を示す。設定基板を研磨することからスペクトルが収集される(ステップ302)。スペクトルは、ライブラリーに記憶される(ステップ304)。或いは又、ライブラリーは、収集されずに(例えば、基板の予想厚み及び層の屈折率を含むモデルから)理論に基づいて計算されたスペクトルを含むことができる。各スペクトルが独特のインデックス値を有するようにスペクトルがインデックスされる。インデックス値は、研磨が進むにつれて単調に増加するように選択することができ、例えば、インデックス値は、プラテンの回転数に比例させることができる。従って、各インデックス数字は、整数であり、また、インデックス数字は、関連するスペクトルが現れる予想プラテン回転を表すことができる。ライブラリーは、研磨装置のコンピューティング装置のメモリにおいて実施することができる。
【0028】
[0034]基板のバッチから1つの基板が研磨され、プラテンの回転ごとに次のステップが遂行される。1つ以上のスペクトルが測定されて、現在のプラテン回転に対する現在スペクトルが得られる(ステップ306)。ライブラリーに記憶されたスペクトルで、現在スペクトルに最良に適合するものが決定される(ステップ308)。現在のスペクトルに最良に適合すると決定されたライブラリースペクトルのインデックスが、終了点のインデックストレースに添付される(ステップ310)。その終了点のトレースがターゲットスペクトルのインデックスに到達したときに終了点がコールされる(ステップ312)。
【0029】
[0035]ある実施形態では、得られた各スペクトルに合致するインデックスが時間又はプラテンの回転に基づいてプロットされる。強力な線適合を使用してそのプロットされたインデックス数字に線が適合される。線がターゲットインデックスに合うところが、終了点時間又は回転を定める。
【0030】
[0036]ある実施形態では、正確さ及び/又は精度を向上させるために、収集されたスペクトルが処理される。ここに述べる処理技術を単独で又は組み合わせて使用して、終了点決定の結果を改善することができる。
【0031】
[0037]終了点決め技術を改善する1つの方法は、サンプルデータが比較されるライブラリーを改善することである。
図4を参照すると、GUI400は、単一の回転中に基板上の単一ゾーンから得られた8つのスペクトルのグラフ表示である。スペクトル410の1つは、他のものと著しく異なる。ここでは、スペクトルの7つ401、402、403、404、405、406、407は、各波長において同様の強度をもつように見える。しかしながら、1つのスペクトル410は、ほとんどの波長において、他の7つとは異なる強度を示す。
【0032】
[0038]異常値スペクトルは、ユーザが目で見て決定し選択することができる。或いは又、システムは、異常値スペクトルがあることを自動的に決定することができる。異常値は、スペクトルごとに、そのスペクトルと他の全てのスペクトルとの間の累積二乗和の差を計算することにより見出すことができる。ある実施形態では、互いに比較される全てのスペクトルは、同じ半径方向ゾーン内にあり、同じ回転中に又は規定の時間周期内に得られる。累積二乗和の差415は、GUI400に表示することができる。任意であるが、この値は、各スペクトルを、そのスペクトルに対する累積二乗和の最低の差で除算することにより、正規化することができる。正規化された結果420をGUIに表示することができる。正規化された二乗和値が所定値又は閾値440、例えば、1.5又は2を越えるようなスペクトルは、破棄される。累積二乗和の差が正規化されない場合には、累積二乗和の差の絶対値を使用して、どのスペクトルが異常値であるか決定することができる。この場合も、異常値の閾値として所定値をセットすることができる。この所定値は、実験で決定することができる。
【0033】
[0039]
図5を参照すれば、異常値が破棄された後に、残りのスペクトルを表示することができる。全てのスペクトルが非常に接近しているか、又は2つ以上の異常値が存在することがあるので、ユーザが結果を目で見て点検し、変更することができる。ユーザは、ボックス430をチェックすることにより、どのスペクトルを使用すべきか選択することができる。或いは又、ユーザは、どのスペクトルを保持し、どれを破棄するか定義する閾値440を変更することができる。スペクトルを破棄することは、そのスペクトルをその後の計算に使用しないか、又はそのスペクトルを削除することを単に意味することができる。
【0034】
[0040]8つのスペクトル又はフラッシュが示されているが、回転中に得られるいかなる数のスペクトルも使用できる。しかしながら、典型的に、少なくとも3つのスペクトルが望ましく、5から10のスペクトルで充分な量のデータが与えられると共に、望ましい、即ち高速の処理速度が与えられる。
【0035】
[0041]ライブラリーに適用される自動方法は、基板研磨中に得られるスペクトルに同様に適用することもできるし、それとは別に適用することもできる。終了点信号を発生するのに使用されるソーススペクトルは、研磨中に得られる測定されたスペクトルの過半数に合致しないスペクトルを破棄するために同様に分類することができる。異常値(1つ又は複数)は、スペクトルごとに、そのスペクトルと他の全てのスペクトルとの間の累積二乗和の差を計算することにより決定することができる。単一の回転中に得られたスペクトルは、一緒にグループ化される。任意であるが、スペクトルはゾーンへグループ化することができ、また、単一ゾーンは個々にアドレスすることができる。この値は、各スペクトルを、そのスペクトルに対する累積二乗和の最低の差で除算することにより正規化される。正規化された二乗和の値が所定値を越えるようなスペクトルは、破棄される。残りのスペクトルは、異常値が破棄された後にユーザが再検討し且つ編集するために、例えば、次の研磨シーケンスに対して閾値をリセットすべきかどうかユーザが決定するために、表示することができる。
【0036】
[0042]終了点決めプロセス中に適用できる別の方法は、スペクトルをマッチングするためにサーチされるライブラリーの部分を制限することである。ライブラリーは、典型的に、基板を研磨する間に得られるものより広い範囲のスペクトルを含む。この広い範囲は、より厚い出発層から得られるスペクトル及び研磨し過ぎの後に得られるスペクトルを考慮している。基板研磨中に、ライブラリーのサーチは、所定範囲のライブラリースペクトルに制限される。ある実施形態では、研磨されている基板の現在回転インデックスNが決定される。Nは、全てのライブラリースペクトルをサーチすることにより決定することができる。その後の回転中に得られるスペクトルに対して、ライブラリーは、Nの自由度の範囲内でサーチされる。即ち、ある回転中に、インデックス数字がNであると分かった場合に、その後の回転中(X回転後)中に、自由度をYとすれば、サーチされる範囲は、(N+X)±Yとなる。例えば、基板の第1の研磨回転において、合致するインデックスが8であると分かり且つ自由度が5であると選択される場合に、第2の回転中に得られるスペクトルに対して、インデックス数字9±5に対応するスペクトルだけがマッチングのために探索される。
【0037】
[0043]或いは又、ライブラリーのスペクトルに指定されるインデックス数字がプラテンの回転を近似する場合には、ライブラリーサーチは、プラテンの回転により所定の自由度に制限することができる。即ち、スペクトルが回転8において得られ且つ自由度が6である場合には、8±6内にあるスペクトルとのマッチングに対してライブラリーをサーチすることができる。
【0038】
[0044]上述した技術は、いずれも、マッチングのためにライブラリー全体をサーチするものより高速である。処理速度を高めることで、基板研磨中にスペクトルマッチングを遂行して、終了点を決定することができる。更に、これは、順序のスキップを防止することができ、即ちスペクトルパターンが繰り返される傾向があるために生じる規則的な反復厚み、例えば、2000オングストロームだけ相違する層厚みに対してシステムが同じスペクトルを与えることを防止できる。
【0039】
[0045]上述したように、単一の回転中に複数のスペクトルを得ることができる。終了点を決定する1つの方法において、ライブラリー内のインデックス数字に対して各スペクトルがマッチングされる。次いで、各スペクトルは、強力な線適合に対して使用される。線は、研磨の割合に対応する。
図6を参照すれば、グラフ600は、ライブラリー内の回転インデックスに合致し且つ時間に基づいてプロットされた20個のスペクトルを示す。スペクトルの各々が異なるインデックスでマッチングするためにデータがある程度散在する。この散在は、ゾーン内の非均一厚み、ノイズ性のデータ、又はファクタの組み合わせによることもある。2つ以上のスペクトルが重畳する場合には、より大きな記号がグラフ600に描かれる。
【0040】
[0046]別の方法として、スペクトルが先ず平均化され、次いで、ライブラリーに対してマッチングされる。
図7を参照すれば、全てのスペクトルが平均化され、その平均スペクトルを使用して、最良のインデックス突き合わせに対してライブラリーをサーチする。
図6について述べた技術に使用されたものと同じ生のスペクトルを使用して、異なる、強力な線適合結果が得られる。これは、異なる終了点決定を生じさせる。
【0041】
[0047]本明細書で説明される要旨及び機能的動作の実施形態は、本明細書で説明される構造及びその構造的等効物を含めて、デジタル電子回路、或いはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで具現化することができ、或いはそれらの1つ以上の組み合わせで具現化することができる。本明細書に説明された要旨の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として具現化することができ、即ちデータ処理装置により実行するために又はデータ処理装置の動作を制御するために有形のプログラムキャリアにおいてエンコードされたコンピュータプログラムインストラクションの1つ以上のモジュールとして具現化することができる。有形のプログラムキャリアは、伝播信号又はコンピュータ読み取り可能な媒体である。伝播信号は、人為的に発生される信号、例えば、マシン発生される電気、光学又は電磁信号であり、これは、適当な受信装置へ送信してコンピュータにより実行するように情報をエンコードするために発生される。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な記憶装置、マシン読み取り可能な記憶基板、メモリ装置、マシン読み取り可能な伝播信号に作用する事柄の構成、或いはそれらの1つ以上の組み合わせである。
【0042】
[0048]「データ処理装置」という語は、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、或いはマルチプロセッサ又はコンピュータを含めて、データを処理するための全ての装置、デバイス及びマシンを包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベースマネージメントシステム、オペレーティングシステム、又はその1つ以上の組み合わせを構成するコードを包含することができる。
【0043】
[0049]コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られている)は、コンパイル又は解釈言語、或いは宣言又は手続言語を含めて、任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、更に、コンピューティング環境で使用するのに適したコンポーネント、サブルーチン又は他のユニットをスタンドアローンプログラム又はモジュールとして含む任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしも、ファイルシステム内のファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分、当該プログラムに専用とされた単一のファイル、又は複数の座標付きファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのサイトに配置されるか又は複数のサイトにわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続される1つのコンピュータ又は複数のコンピュータにおいて実行されるように展開することができる。
【0044】
[0050]本明細書で述べるプロセス及びロジックフローは、入力データに対して動作して出力を発生することで機能を遂行するように1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサにより遂行することができる。また、このプロセス及びロジックフローは、特殊目的のロジック回路、例えば、FPGA(現場でプログラム可能なゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって遂行することもできるし、また、装置は、その特殊目的のロジック回路として具現化することもできる。
【0045】
[0051]コンピュータプログラムを実行するのに適したプロセッサは、例えば、汎用及び特殊目的の両マイクロプロセッサ、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ或いはその両方からインストラクション及びデータを受け取る。コンピュータの本質的な要素は、インストラクションを遂行するためのプロセッサと、インストラクション及びデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置である。また、一般的に、コンピュータは、データを記憶するための1つ以上の大量記憶装置、例えば、磁気ディスク、磁気光学ディスク又は光学ディスクも備え、或いはそこからデータを受け取り、そこへデータを転送し、又はその両方を行うよう作動的に結合される。しかしながら、コンピュータは、このような装置を有する必要はない。
【0046】
[0052]コンピュータプログラムインストラクション及びデータを記憶するのに適したコンピュータ読み取り可能な媒体は、一例として、半導体メモリ装置、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリ装置;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又は除去可能なディスク;磁気光学ディスク;並びにCD ROM及びDVD−ROMディスクを含めて、不揮発性メモリ、媒体及びメモリ装置の全ての形態を含む。プロセッサ及びメモリは、特殊目的のロジック回路により補足することができ、又はそれに合体することができる。
【0047】
[0053]ユーザとの対話を与えるために、本明細書に述べる要旨の実施形態は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータへ入力を与えることができるようにするキーボード及びポインティング装置、例えば、マウス又はトラックボールとを有するコンピュータにおいて具現化することができる。ユーザとの対話を与えるのに他の種類の装置を使用することもでき、例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバックであり、また、ユーザからの入力は、音響、スピーチ又は触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0048】
[0054]本明細書は、多数の細目を含んでいるが、それらは、発明の範囲又は特許請求の範囲を限定するものと解釈されてはならず、むしろ、特定の発明の特定の実施形態特有の特徴を説明するものと解釈されたい。また、別々の実施形態に関して本明細書に述べた幾つかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて具現化することもできる。逆に、単一の実施形態に関して説明した種々の特徴は、複数の実施形態において別々に又は適した副組合せ(subcombination)で具現化することもできる。更に、それらの特徴は、幾つかの組み合わせにおいて作用するものとして説明され且つそのように最初に請求もされるが、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴を、あるケースでは、その組み合わせから削除することができ、且つ請求された組み合わせが副組み合わせ又は副組み合わせの変形へと向けられてもよい。
【0049】
[0055]同様に、動作は添付図面において特定の順序で描かれたが、これは、このような動作を、図示された特定の順序又は逐次の順序で遂行すること、又は希望の結果を得るために図示された全ての動作を遂行すること、を要求していると理解されてはならない。ある環境では、マルチタスク及び並列処理が効果的なことがある。更に、上述した実施形態において種々のシステムコンポーネントを分離したことは、全ての実施形態においてそのような分離を要求していると理解されてはならず、また、上述したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般的に、単一のソフトウェア製品に一緒に一体化もできるし、又は複数のソフトウェア製品へとパッケージもできることを理解されたい。
【0050】
[0056]本明細書に述べる要旨の特定の実施形態を説明した。他の実施形態も、特許請求の範囲内に含まれる。例えば、特許請求の範囲に列挙された動作は、異なる順序で遂行されても、希望の結果を得ることができる。一例として、添付図面に描かれたプロセスは、希望の結果を得るのに、必ずしも、図示された特定の順序又は逐次の順序を必要としない。ある具現化においては、マルチタスク及び並列処理が効果的なこともある。