(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポンプコントローラは、単一のフィルタ膜を有する着脱可能フィルタに対する前記第1のプライミングルーチンを選択するように構成される、請求項1に記載のポンプ。
前記ポンプコントローラは、複数のフィルタ膜を有する着脱可能フィルタに対する前記第2のプライミングルーチンを選択するように構成される、請求項1に記載のポンプ。
前記第2のプライミングルーチンが選択される際に前記選択されたプライミングルーチンを実施するように前記ポンプを制御するステップは、前記着脱可能フィルタにプロセス流体を導入するステップと、所定の時間の間、前記着脱可能フィルタに背圧を印加するステップとを含む、請求項1に記載のポンプ。
前記ポンプコントローラは、前記着脱可能フィルタに少なくとも5psi〜25psiの一定の圧力で背圧を印加するために前記ポンプを制御するように構成される、請求項6に記載のポンプ。
前記第2のプライミングルーチンは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加する前に、前記着脱可能フィルタを通して流体を押し込むステップをさらに含む、請求項1に記載のポンプ。
前記第2のプライミングルーチンは、通気サイクル、パージから通気に至るサイクル、第1のパージから通気に至るサイクル、パージから吸入に至るサイクル、背圧フラッシュ、および第2のパージから通気に至るサイクルをさらに含む、請求項1に記載のポンプ。
通気サイクル、パージから通気に至るサイクル、およびパージから吸入に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加する前に起こり、背圧フラッシュおよび第2のパージから通気に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加した後に起こる、請求項8に記載のポンプ。
前記選択されたルーチンは、通気サイクル、パージから通気に至るサイクル、第1のパージから通気に至るサイクル、パージから吸入に至るサイクル、背圧フラッシュ、および第2のパージから通気に至るサイクルをさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記通気サイクル、前記パージから通気に至るサイクル、および前記パージから吸入に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加する前に起こり、前記背圧フラッシュおよび前記第2のパージから通気に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加した後に起こる、請求項14に記載の方法。
前記着脱可能フィルタに背圧を印加するステップは、前記着脱可能フィルタに5分間〜10分間、背圧を印加するステップを含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
前記着脱可能フィルタに背圧を印加するステップは、前記着脱可能フィルタに5psi〜25psiの一定の圧力で背圧を印加するステップを含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
前記プライミングルーチンは、通気サイクル、パージから通気に至るサイクル、第1のパージから通気に至るサイクル、パージから吸入に至るサイクル、背圧フラッシュ、および第2のパージから通気に至るサイクルをさらに含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
前記通気サイクル、前記パージから通気に至るサイクル、および前記パージから吸入に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加する前に複数回実施され、前記背圧フラッシュおよび前記第2のパージから通気に至るサイクルは、前記着脱可能フィルタに背圧を印加した後に起こる、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示ならびにその様々な特徴および有利な詳細内容は、添付の図面に示し以下の説明に詳述する非限定的な実施形態を参照して、より十分に説明する。よく知られた、製造原料、プロセス技術、構成要素、および装置の説明は、本開示を細部において不必要に不明瞭にすることがないように省略する。しかし、詳細な説明および特定の例は、好ましい実施形態を開示しながら、例示の目的でしか与えられず、限定を目的として与えられないことを当業者は理解されたい。基礎となる(1つまたは複数の)発明概念の範囲内の、様々な代替形態、変更形態、追加部分、または再構成は、本開示を読んだ後、当業者には明らかになるであろう。
【0016】
図1は、流体を流体貯蔵器15からウエハ17に分配するための半導体製造システム10の一部分の1つの実施形態の図である。システム10は、ポンプコントローラ20およびポンプ25を含むこともできる。ポンプコントローラ20は、オンボードポンプ25であるか、または、制御信号、データもしくは他の情報を伝達するための1つまたは複数の通信回線を介してポンプ25に接続することができる。ポンプコントローラ20は、ポンプ25を制御して、流体をウエハ17上に分配する。システム10は、分配ノズルにおける液だれを防ぐことができる止め/吸引弁27などを含むこともできる。
【0017】
ポンプ25は、フィルタ情報45を含む、電子的に読取可能なフィルタ情報タグ40を有する着脱可能フィルタ35を含むことができる。フィルタ情報45は、電子的に読取可能なタグ内に記憶することができる、フィルタ35に関する任意の情報および他の情報を含むことができる。フィルタ情報タグ40からのフィルタ情報45を読み取り、その情報をポンプコントローラ20、システム管理コンピュータ、または他のコンピュータに提供するために、タグリーダ50が提供される。
【0018】
1つの実施形態では、フィルタ情報タグ40は、能動型または受動型RFIDタグとすることができ、タグリーダ50は、RFIDタグリーダとすることができる。他の実施形態では、フィルタ情報タグ40は、バーコード、または他の光学的に読取可能なコードとすることができ、タグリーダ50は、バーコードスキャナ、またはタグ40を読み取ることができる他のスキャナとすることができる。
【0019】
フィルタ情報45の例には、限定されないが、部品番号、設計スタイル、膜タイプ、保持率、フィルタの世代、フィルタ膜の構成、ロット番号、製造番号、装置流量、膜厚、膜泡立点、粒子の特性、フィルタ製造者品質情報、または他の情報が含まれる。設計スタイルは、フィルタが設計されるポンプのタイプ、フィルタの容量/サイズ、フィルタの膜材料の量、またはフィルタ設計に関する他の情報を示す。膜タイプは、膜の材料および/または膜の厚さを示す。保持率は、膜により特定の効率で除去することができる粒子のサイズを示す。フィルタの世代は、フィルタがフィルタ設計の第1世代、第2世代、第3世代、または他の世代かどうかを示す。フィルタ膜の構成は、フィルタがプリーツ付きか、プリーツのタイプ、または膜の設計に関する他の情報を示す。製造番号は、個々のフィルタの製造番号を提供する。ロット番号は、フィルタまたは膜の製造ロットを明記することができる。装置流量は、フィルタが常に良好に分配しながら処理することができる流量を示す。装置流量は、個々のフィルタの製造中に決定することができる。膜泡立点は、フィルタが処理し常に良好に分配することができる流量/圧力の別の指標を提供する。膜泡立点は、個々のフィルタの製造中に決定することもできる。説明により提供される以上の例は、フィルタ情報45内に含むことができる情報を限定しない。
【0020】
フィルタ情報45は、様々な情報を伝達する部品番号を含むことができる。例えば、例示的な部品番号形式の各文字"Aabcdefgh"は、異なる情報を伝達することができる。以下の表1は、部品番号により伝達される情報の例を提供する。
【0022】
表1の例を使用すれば、Impact pump filter(インパクトポンプフィルタ)の部品番号A2AT2RMR1では、フィルタのコネクトロジ(connectology)、フィルタはIntelliGen Pump用に設計されていること(ImpactおよびIntelliGenは、Entegris,Inc.、Billerica、MAの商標である)、膜は薄いUPEであり10nmの保持率を有すること、フィルタはバージョン2のフィルタであること、フィルタはRFIDタグを含むこと、フィルタ膜はMプリーツ(M-pleat)を有すること、フィルタはOリングなしであること、1ボックスにつき1フィルタあることを示すであろう。情報を伝達するための部品番号の使用は、例により提供し、フィルタ情報は、他の形式で伝達することができる。
【0023】
フィルタ35は、動作中、ポンプ25に結合することができる。タグリーダ50は、タグ40からフィルタ情報45を読み取り、フィルタ情報45をポンプコントローラ20に伝達する。ポンプコントローラ20は、フィルタ情報45を処理するか、またはフィルタ情報45をポンプ管理システム(以下に説明する)上に送る。ポンプコントローラ20は、フィルタ情報45にルールを適用し、ポンプ25を動作させるべきかどうか、またどのように動作させるべきかを決定することができる。それに加えて、ポンプコントローラ20は、フィルタ情報45に基づいて分配サイクル中にポンプ25の動作を調整することができる。
【0024】
ポンプコントローラ20(または他のシステム)は、良好な動作または不良の動作をフィルタ特性に関連付けるためにフィルタ情報45を使用することもできる。ポンプコントローラ20は、動作中、ポンプ25の様々な動作データを追跡することができる。ポンプコントローラ20により追跡される情報は、コントローラ20が利用可能な任意の動作パラメータ、およびポンプコントローラ20により計算される任意の情報を含むことができる。動作データのいくつかの非限定的な例には、圧力、弁動作に関連するパラメータ、モータ位置、モータ速度、液圧、または他のパラメータ(例えば、ポンプが温度センサを含む場合には温度)が含まれる。この情報は、分配が良好な分配であるか/良好な分配であったかを決定するために使用することができる。これは、分配した後か、または分配サイクル中に実時間でなされる可能性がある。
【0025】
動作データは、フィルタ情報45に関連付けることができ、その結果、分配特性に関する様々なフィルタパラメータの効果を特定することができる。例えば、ポンプコントローラ20は、フィルタのロット番号を記録することができ、その結果、ポンプ25の動作データをそのロットに関連付けることができる。この情報は、特定のロットのフィルタが、同じ設計の別のロットのフィルタに比べて、より良いまたはより悪い結果をもたらしたかどうかを特定するために使用することができる。同様に、製造番号は、個々のフィルタがコーティング不良の原因であったかどうかを特定するのを助けるために、個々のフィルタに対する動作データを追跡するのに使用することができる。さらに別の例では、同じ部品番号であるが異なる膜泡立点を有するフィルタが、異なる分配結果をもたらしたかどうかを特定するために、動作データを膜泡立点に関連付けることができる。タグ40からの情報を記録し、分配に関する情報を追跡することにより、フィルタの最適な選択、およびフィルタの製造も助けることができる。
【0026】
ポンプ25は、単段ポンプまたは複数段(「多段」)ポンプを含む任意の適当なポンプとすることができる。多段ポンプの例には、限定されないが、Entegris Intelligen Mini Dispense System、Entegris Intelligen HV分配システム、および他の多段ポンプが含まれる。
図2は、多段ポンプ25の1つの実施形態の図である。多段ポンプ25は、供給段部分105および別個の分配段部分110を含む。流体流の観点から見れば、プロセス流体から不純物をフィルタリングするために、供給段部分105と分配段部分110との間にフィルタ35が配置される。例えば、入口弁125、隔離弁130、遮断弁(barrier valve)135、パージ弁140、通気弁145、および出口弁147を含む、いくつかの弁が、多段ポンプ25を通して流体流を制御することができる。分配段部分110は、分配段110における流体の圧力を特定する圧力センサ112をさらに含むことができる。圧力センサ112により特定される圧力は、以下に説明するように、様々なポンプの速度を制御するために使用することができる。圧力センサの例には、セラミックおよびポリマーの圧電抵抗型および容量型の圧力センサが含まれ、Metallux AG、Korb、Germanyにより製造されるこれらのセンサが含まれる。1つの実施形態によれば、プロセス流体に接触する圧力センサ112の面は、ペルフルオロポリマーである。ポンプ25は、供給チャンバ155内の圧力を読み取るための圧力センサなどの追加の圧力センサ、温度センサ、および他のセンサを含むことができる。
【0027】
供給段105および分配段110は、多段ポンプ25内の流体をポンプ吸引するための転動型ダイアフラムを含むことができる。供給段ポンプ150(「供給ポンプ150」)は、例えば、流体を集めるための供給チャンバ155、供給チャンバ155内で運動し流体を移動させるための供給段ダイアフラム160、供給段ダイアフラム160を動かすためのピストン165、送りネジ170、およびステップモータ175を含む。送りネジ170は、モータから送りネジ170にエネルギーを与えるために、ナット、ギア、または他の装置を通してステップモータ175に結合する。1つの実施形態によれば、供給モータ175は、ナットを回転させ、次に送りネジ170を回転させ、ピストン165を作動させる。分配段ポンプ180(「分配ポンプ180」)は、同様に、分配チャンバ185、分配段ダイアフラム190、ピストン192、送りネジ195、および分配モータ200を含むことができる。分配モータ200は、ネジ式ナット(例えば、トーロンまたは他の材料のナット)を通して送りネジ195を駆動することができる。
【0028】
他の実施形態では、供給段105および分配段110は、空圧作動もしくは液圧作動のポンプ、液圧ポンプ、または他のポンプを含む、他のタイプのポンプを含むことができる。供給段用の空圧作動ポンプ、およびステップモータ駆動の液圧ポンプを使用した多段ポンプの例は、参考として全体が本明細書に組み込まれている、2005年2月4日出願され、現在は2009年1月13日付けの米国特許第7,476,087号として公開される、発明者Zagars等の"PUMP CONTROLLER FOR PRECISION PUMPING APPARATUS"という題名の特許文献1に記載されている。しかし、両段におけるモータの使用は、液圧配管、制御システム、および流体が省かれ、それによりスペースおよび漏洩の可能性を低減させるという点で利点を提供する。供給段および分配段の両方においてモータを使用する多段ポンプの例は、参考として全体が本明細書に組み込まれている、2006年11月20日出願された、発明者Cedrone等の”SYSTEM AND METHOD FOR A PUMP WITH REDUCED FORM FACTOR”という題名の特許文献2、および2008年7月14日に出願された、発明者Cedrone等の”METHOD AND SYSTEM FOR HIGH VISCOSITY PUMP”という題名の特許文献3に提供されている。
【0029】
供給モータ175および分配モータ200は、任意の適当なモータとすることができる。1つの実施形態によれば、分配モータ200は、永久磁石同期モータ(「PMSM」)である。PMSMは、モータ200において磁界方向制御(「FOC」)もしくは当技術分野で知られている他のタイプの位置/速度制御を使用したデジタル信号プロセッサ(「DSP」)、コントローラオンボード多段ポンプ25、または(例えば、
図1に示す)別個のポンプコントローラにより制御することができる。PMSM200は、分配モータ200の位置の実時間フィードバックのためにエンコーダ(例えば、細線回転位置エンコーダ)をさらに含むことができる。位置センサの使用は、分配チャンバ185内の流体運動の正確で繰返し可能な制御につながる、ピストン192の位置の正確で繰返し可能な制御をもたらす。例えば、1つの実施形態によれば、DSPに8000パルスを与える、2000ラインエンコーダを使用すれば、0.045回転角度で正確に測定および制御することができる。それに加えて、PMSMは、振動をほとんどまたは全く出さずに低速度で回転することができる。供給モータ175は、PMSMまたはステップモータとすることもできる。供給ポンプは、そのホームポジションにあるときを示すためのホームセンサを含むことができることにも留意されたい。
【0030】
多段ポンプ25の動作中、多段ポンプ25の弁は、多段ポンプ25の様々な部分に流体流を与えるか、または流体流を制限するために、開放または閉鎖される。1つの実施形態によれば、これらの弁は、圧力または真空のいずれかを有効とするかに応じて開放または閉鎖する空圧作動型(すなわちガス駆動)ダイアフラム弁とすることができる。これらの弁のすべてまたはいくつかは、他のタイプの弁とすることもできる。
【0031】
多段ポンプ25は、限定されないが、それぞれが参考として全体が本明細書に組み込まれている、2005年12月2日に出願された、発明者Cedrone等の"SYSTEM AND METHOD FOR PRESSURE COMPENSATION IN A PUMP"という題名の米国仮特許出願第60/741,682号、2006年8月11日に出願され、現在は2008年10月28日付けの米国特許第7,443,483号明細書として公開される、発明者Clarke等の"SYSTEMS AND METHODS FOR FLUID FLOW CONTROL IN AN IMMERSION LITHOGRAPHY SYSTEM"という題名の特許文献4、2006年11月20日に出願された、発明者Cedrone等の"SYSTEM AND METHOD FOR CORRECTING FOR PRESSURE VARIATIONS USING A MOTOR"という題名の特許文献5、2005年12月2日に出願された、発明者Gonnella等の"SYSTEM AND METHOD FOR CONTROL OF FLUID PRESSURE"という題名の特許文献6、2006年2月28日に出願された、発明者Gonnella等の"SYSTEM AND METHOD FOR MONITORING OPERATION OF A PUMP"という題名の特許文献7、2006年11月20日に出願された、発明者Cedrone等の"SYSTEM AND METHOD FOR PRESSURE COMPENSATION IN A PUMP"という題名の特許文献8、および2006年11月20日に出願された、発明者Cedrone等の"I/O SYSTEMS, METHODS AND DEVICES FOR INTERFACING A PUMP CONTROLLER"という題名の特許文献9に記載された制御方式を含めて、様々な制御方式により制御することができる。
【0032】
1つの実施形態によれば、多段ポンプ25は、準備段階、分配段階、充填段階、予備濾過段階、濾過段階、通気段階、パージ段階、および静的パージ段階を含むことができる。供給段階の間、入口弁125は開放され、供給段ポンプ150は、供給段ダイアフラム160を動かし(例えば、引き)、流体を供給チャンバ155内に引き込む。十分な量の流体が供給チャンバ155を満たすと、入口弁125は閉鎖する。濾過段階の間、供給段ポンプ150は、供給段ダイアフラム160を動かし、流体を供給チャンバ155から移動させる。隔離弁130および遮断弁135は、開放され、フィルタ35を通して流体を分配チャンバ185まで流す。1つの実施形態によれば、隔離弁130を最初に(例えば、「予備濾過段階」において)開放してフィルタ35内に圧力をかけ、次に遮断弁135を開放して流体流を分配チャンバ185内に与えることができる。他の実施形態によれば、隔離弁130も遮断弁135も開放し、供給ポンプを動かしてフィルタの分配側に圧力をかけることができる。
【0033】
濾過段階の間、分配ポンプ180をそのホームポジションに持ってくることができる。いずれも参考として本明細書に組み込まれている、2004年11月23日に出願された、Laverdiere等の"SYSTEM AND METHOD FOR A VARIABLE HOME POSITION DISPENSE SYSTEM"という題名の米国仮特許出願第60/630,384号、2008年9月30日に出願された、Laverdiere等の"SYSTEM AND METHOD FOR A VARIABLE HOME POSITION DISPENSE SYSTEM"という題名の特許文献10、および2005年11月21日に出願された、出願人Entegris, Inc.、発明者Laverdiere等の"SYSTEM AND METHOD FOR VARIABLE HOME POSITION DISPENSE SYSTEM"という題名の特許文献11に記載されているように、分配ポンプのホームポジションは、分配サイクルでは分配ポンプにおいて最大の利用可能体積を与えるが、分配ポンプが提供することができる最大利用可能体積未満である位置とすることができる。ホームポジションは、多段ポンプ25の未使用のホールドアップ体積を低減させるように、分配サイクルでは様々なパラメータに基づいて選択される。供給ポンプ150は、同様に、その最大利用可能体積未満である体積を提供するホームポジションに持ってくることができる。
【0034】
通気段階の最初において、隔離弁130が開放され、遮断弁135が閉鎖され、通気弁145が開放される。別の実施形態では、遮断弁135は、通気段階の間は開放されたままになり、通気段階の最後において閉鎖することができる。この時間中に、遮断弁135が開放されるとき、圧力センサ112が測定することができる、分配チャンバ内の圧力はフィルタ35内の圧力により影響を受けるので、コントローラは、圧力を把握することができる。供給段ポンプ150は、開放した通気弁145を通してフィルタ35から気泡を除去するために流体に圧力をかける。供給段ポンプ150は、所定の速度で通気するように制御され、より長い通気時間およびより低い通気速度を可能にし、それにより通気排出物の量の正確な制御を可能にすることができる。供給ポンプが空圧式ポンプである場合、通気流体パスに流体流制限をかけることができ、供給ポンプにかかる空気圧力は、「通気」設定点圧力を維持するために増加または減少させることができ、他の制御されていない方法を多少制御する。
【0035】
パージ段階の最初に、隔離弁130が閉鎖され、遮断弁135は、通気段階で開放されている場合、閉鎖され、通気弁145が閉鎖され、パージ弁140が開放され、入口弁125が開放される。分配ポンプ180は、分配チャンバ185内の流体に圧力をかけ、パージ弁140を通して気泡を抜く。静的パージ段階の間に、分配ポンプ180が止められるが、パージ弁140は、開放されたままで、空気を抜き続ける。パージ段階または静的パージ段階の間に除去されるどんな余剰の流体も多段ポンプ25から外部に導かれ(例えば、流体源に戻されるか、または処分され)、または供給段ポンプ150にリサイクルすることができる。準備段階の間、供給段ポンプ150が供給源(例えば、供給源ボトル)の周囲圧力に達することができるように、入口弁125、隔離弁130、および遮断弁135を開放し、パージ弁140を閉鎖することができる。他の実施形態によれば、準備段階では、すべての弁を閉鎖することができる。
【0036】
分配段階の間、出口弁147は開放され、分配ポンプ180は分配チャンバ185内の流体に圧力をかける。出口弁147は、分配ポンプ180よりも緩やかに制御に応答することができるので、出口弁147は最初に開放され、ある所定の時間後、分配モータ200を始動することができる。これは、部分的に開放された出口弁147を通して分配ポンプ180が流体を押し出すのを防ぐ。さらに、これは、モータ運動による流体前進運動の前に、弁開放により流体が分配ノズルを持ち上げるのを防ぐ。他の実施形態では、出口弁147は、開放され、同時に分配ポンプ180が分配を開始することができる。
【0037】
分配ノズル内の余剰の流体を除去する、追加の吸引段階を実施することができる。吸引段階の間、出口弁147を閉鎖することができ、余剰の流体を出口ノズルから吸引するために、2次モータまたは真空を使用することができる。あるいは、出口弁147を開放したままにし、分配モータ200を反転させ、そうした流体を分配チャンバ内に戻すことができる。吸引段階は、余剰の流体のウエハ上への液だれを防ぐのを助ける。
【0038】
図3を簡単に参照すれば、この図は、
図2の多段ポンプ25の動作の様々な段階における弁および分配モータのタイミングの図を提供する。他のシーケンスを
図4A〜
図Gに示す。いくつかの弁は、段階が変化する間、同時に閉鎖するものとして示すが、弁の閉鎖は、圧力スパイクを低減させるために、わずかに(例えば、100ミリ秒)ずらしてタイミングをとることができる。例えば、通気段階とパージ段階との間、隔離弁130は、通気弁145の直前に閉鎖することができる。しかし、様々な実施形態において、他の弁タイミングを使用することができることに留意されたい。それに加えて、段階のいくつかを共に実施することができる(例えば、充填/分配段階を同時に実施することができ、その場合、分配/充填段階では入口弁も出口弁も開放することができる)。各サイクルにおいて特定の段階を繰り返す必要がないことにも留意されたい。例えば、すべてのサイクルで、パージ段階および静的パージ段階を実施しない可能性がある。同様に、すべてのサイクルで、通気段階を実施しない可能性がある。さらに、様々な段階を特定のサイクル(例えば、複数の段階を含む通気サイクル)にまとめ、複数のサイクルをまとめて、より大きいサイクルにすることができる。
【0039】
様々な弁の開閉は、多段ポンプ25内の流体に圧力スパイクをもたらす可能性がある。静的パージ段階の間、出口弁147が閉鎖されるので、例えば、静的パージ段階の最後のパージ弁140の閉鎖は、分配チャンバ185内の圧力増加をもたらす可能性がある。これは、各弁が閉鎖されるとき、各弁が少量の流体を移動させることができるので起こる可能性がある。より具体的には、多くの場合、パージサイクルおよび/または静的パージサイクルは、チャンバ185から流体を分配する前に、多段ポンプ25からの流体の分配における飛沫作用または他の摂動を防ぐために分配チャンバ185から空気を逃がすのに使用される。しかし、静的パージサイクルの最後に、分配の開始に備えて分配チャンバ185を封止するために、パージ弁140が閉鎖される。パージ弁140は、閉鎖されるとき、ある量(パージ弁140のホールドアップ体積にほぼ等しい)の余剰流体を分配チャンバ185内に押し込み、次に、分配チャンバ185内の流体の圧力を、流体の分配を目的とするベースライン圧力を超えるまで増加させる。この余剰圧力(ベースラインを超える)は、続く流体分配において問題を引き起こす可能性がある。これらの問題は、パージ弁140の閉鎖による圧力増加が分配に望ましいベースライン圧力の割合をより大きくする可能性があるので、低圧用途では悪化する。
【0040】
より具体的には、パージ弁140の閉鎖により起こる圧力増加のために、圧力が低減されない場合、続く分配段階の間、流体のウエハ上への「吐出」、重複分配、または他の望ましくない流体運動が起こる可能性がある。それに加えて、この圧力増加は、多段ポンプ25の動作中、一定ではない可能性があるので、これらの圧力増加は、続く分配段階の間、分配される流体の量の変化、または他の分配特性をもたらす可能性がある。分配におけるこれらの変化は、次に、ウエハスクラップおよびウエハの再処理の増加をもたらす可能性がある。様々な実施形態は、分配段階の開始にとって望ましい開始圧力を実現するための、システム内の様々な弁閉鎖による圧力増加を説明し、分配前に分配チャンバ185内の任意のベースライン圧力をほぼ実現させることによる、システムごとに異なるヘッド圧力および装置の他の差異を説明する。
【0041】
1つの実施形態では、分配チャンバ185内の流体に対する不要の圧力増加を説明すれば、静的パージ段階の間、分配モータ200は、遮断弁135、パージ弁140、および/または分配チャンバ185内の圧力増加をもたらす可能性がある他の任意の発生源の閉鎖による、どんな圧力増加も補償するために、ピストン192が所定の距離、後退するように反転させることができる。
【0042】
したがって、本明細書に説明する実施形態は、緩やかな流体取扱特性を有する多段ポンプを提供する。分配段階の前に分配チャンバ内の圧力揺動を補償することにより、ダメージを及ぼす可能性がある圧力スパイクを回避または緩和することができる。実施形態の多段ポンプは、プロセス流体の圧力の有害な影響を低減させるのを助けるために、他のポンプ制御装置および弁タイミングを使用することもできる。
【0043】
図5は、ポンプ本体300およびマニホールド325を有するポンプ25の1つの実施形態の図である。ポンプ25は、
図2と併せて上述した、充填チャンバ、分配チャンバ、およびフローパスの一部分を少なくとも部分的に画定する分配ブロック305を含むことができる。1つの実施形態によれば、分配ブロック305は、PTFE、改質型PTFE、または他の材料の単体ブロックとすることができる。これらの材料は、多くのプロセス流体と反応しないか、または最小限の反応しかしないので、これらの材料の使用により、ハードウェアの追加を最小限にして、分配ブロック305内にフローパスおよびポンプチャンバを直接加工することができる。
【0044】
分配ブロック305は、例えば、流体を受け取る入口310、および分配段階の間、流体を分配する分配出口315を含む、様々な外部の入口および出口を含むことができる。
図5の例では、分配ブロック305は、逃される流体を供給チャンバに戻すことができるので、外部パージ出口を含まない。
【0045】
バルブプレート320は、ポンプ25の弁のいくつかまたはすべてを形成するために、分配ブロック305と協調して機能することができる。バルブプレートの1つの実施形態を以下で
図8に示す。他の実施形態では、弁のいくつかまたはすべては、外部にある可能性がある。
【0046】
カバー322は、供給モータ175および分配モータ200を含む、ポンプ25の様々な構成要素を保護する。カバー322は、ピストン、ポンプコントローラ20、流体ライン、空圧ライン、および他の構成要素を保護することもできる。
【0047】
マニホールド325は、フィルタ35に接続を提供する。フィルタ35は、限定されないが、参考として全体が本明細書に組み込まれている、2005年12月2日に出願された、発明者Gashgaee、"O-RING-LESS LOW PROFILE FITTING AND ASSEMBLY THEREOF"という題名の米国仮特許出願第60/741,667号、および2006年11月20日に出願され、現在は2009年6月16日付けの米国特許第7,547,049号として公開される、発明者Gashgaee、"O-RING-LESS LOW PROFILE FITTINGS AND FITTING ASSEMBLIES"という題名の特許文献12に記載されたフィルタ接続部を含む、任意の適当な装置を使用して、マニホールド325に接続することができる。マニホールド325内のフローパスは、分配ブロック305内のフローパスに内部または外部で接続することができる。マニホールド325は、フィルタのフィルタ情報タグを読み取るために配置された一体型タグリーダ50を含むことができる。
【0048】
1つの実施形態によれば、分配ブロック305からの出口330は、マニホールド325上の入口335と流体連通することができ、マニホールド325からの出口340は、分配ブロック305上の入口345と流体連通し、マニホールド325に接続されるフィルタ35用のフローパスを完成させることができる。
図5の実施形態では、マニホールド325は、外部通気弁と流体連通する可能性がある通気出口350を含むことができる。マニホールド325およびポンプ本体300は、一体型タグリーダ50をポンプコントローラに電気的に接続することができる接続部355および360を含むことができる。
【0049】
ポンプ25は、真空源および圧力源に接続することができる入口365および出口370を含むこともできる。1つの実施形態によれば、バルブプレート320により画定された様々な弁を開放および閉鎖するために、真空または圧力の選択装置を使用することができる。
図6は、ポンプ25が様々な通信回線および電源に対する接続部375を含むことができることを示す。1つの実施形態によれば、接続部375は、ポンプ25をポンプ用の既存の電線に接続することができるように構成することができる。
【0050】
図7は、マニホールド325に接続されたフィルタ35の1つの実施形態の図である。マニホールド325は、フィルタをマニホールド325に容易に接続し、またはマニホールド325から取り外すことができる、フィルタ用の即時交換装置を含むことができる。フィルタ35をマニホールド325に接続するか、または別途フィルタ35をポンプに接続するための、当技術分野で知られているか、または開発された、任意の即時交換装置または他の装置を使用することができる。フィルタ用の接続装置の1つの実施形態は、参考として全体が本明細書に組み込まれている、米国仮出願第60/985,103号の優先権を主張する、2008年11月3日に出願された、Towle等の"O-Ringless Seal Couplings"という題名の特許文献13に記載されている。別の実施形態は、参考として全体が本明細書に組み込まれている、2007年1月16日に公開された、Niermeyer等の"Separation Module"という題名の特許文献14に記載された分離モジュールを含むことができる。1つの実施形態によれば、フィルタ35は、ボウル380およびヘッド387を含むことができる。ボウル380は、フィルタカートリッジを収容するように形成することができ、ヘッド387は、マニホールド325の即時交換装置を収容するように形成することができる。タグリーダ50は、フィルタ35に取り付けられるか、または埋め込まれたフィルタ情報タグを読み取るために配置される。
【0051】
図8は、フィルタ35の1つの実施形態を示す。ヘッド387は、マニホールド325上のポートを補完するようにサイジングおよび形成された、出口ポート389、通気ポート390、および入口ポート392を含むことができる。漏洩を防ぐために、出口ポート389、通気ポート390、および入口ポート392にOリングを配置することができる。ヘッド387は、ポンプの即時交換装置に挿入することができるように形成およびサイジングすることができる。取付けを容易にするために、ヘッド387は、ロボットまたは人間が容易に掴める特徴部を含むことができるハンドル部分395を含むことができる。
【0052】
1つの実施形態によれば、フィルタ35は、フィルタ情報タグ40を含むことができる。例えば、RFID、ブルートゥース、IR、他の無線プロトコル、または他の識別装置をフィルタ35上に配置することができる。識別装置は、フィルタに関する製造者情報(フィルタのタイプ、保持率、フィルタを機能させるためのプロトコル(例えば、限定されないが、項目変数(recipe variable)、パラメータ、式、フィルタを使用した動作曲線)、フィルタ圧力損失特性に対するプライミング/充填シーケンス、流量、孔サイズ、または他の情報)を含むことができる。フィルタ情報タグ40は、フィルタ35の側面に取り付けるものとして示すが、フィルタ情報タグ40を他の形式でフィルタ35に結合することもできる。例えば、フィルタ情報タグ40は、ボウル380またはヘッド387のタグ受容部分にプレス嵌合させることができる。他の実施形態では、フィルタ情報タグ40は、ヘッド387もしくはボウル380を形成する材料に埋め込むか、または別途フィルタ35に結合することができる。
【0053】
図9は、弁400を形成するために分配ブロック305およびバルブプレート320を含む弁組立体の1つの実施形態の図である。バルブプレート320は、入口弁125、隔離弁130、遮断弁135、およびパージ弁140の1つまたは複数を含む弁のシステム用のバルブハウジングを提供することができる。1つの実施形態によれば、各弁は、バルブプレート320に少なくとも部分的に組み込まれ、対応するダイアフラムに圧力または真空のいずれを施すかに応じて開放または閉鎖されるダイアフラム弁となる。他の実施形態では、弁のいくつかは、分配ブロック305の外部にあるか、または追加のバルブプレート内に配置されるか、または別途提供される可能性がある。
【0054】
1つの実施形態によれば、1枚の材料405が、バルブプレート320と分配ブロック305との間に挟まれ、様々な弁のダイアフラムを形成する。1つの実施形態によれば、材料405は、1枚のPTFEまたは他の可撓性材料とすることができる。バルブプレート320は、材料405を挿入することができるバルブシート410を形成する。1つの実施形態によれば、バルブシート410は、材料405がデッドスペースを残すことなく輪郭を形成することができる形状を有する。Oリング415は、各弁のエッジの周りの環状溝420内に配置することができる。Oリング415は、バルブプレート側、分配ブロック側に配置されるか、またはOリングは、両側に配置することができる。流体は、流体フローパス425および430を通して弁400内および弁400外に流れることができる。フローパス425および430は、必要または要望に応じて配置およびサイジングすることができる。
【0055】
1つの実施形態によれば、バルブプレート320は、弁のホールドアップ体積を低減し、真空揺動による体積変化を排除し、真空要件を低減し、弁ダイアフラムへの応力を低減するように構成することができる。弁構成の例は、参考として全体が本明細書に組み込まれている特許文献2および特許文献3に記載されている。
【0056】
バルブプレート320は、各弁が対応するダイアフラムまたはダイアフラムの一部分に圧力または真空を施すための弁制御入口435を含むことができる。入口に圧力または真空を選択的に施すことにより、対応する弁は、開放および閉鎖され、その結果、入口425から出口430までの流体流を制限または許容することができる。1つの実施形態によれば、圧力または真空の適用は、圧力源450からの圧力、または真空源455からの真空のいずれかに対して弁制御供給ライン445を開放する電磁弁440により調整することができる。
【0057】
図10は、ポンプ25および他の構成要素への接続部の1つの実施形態の図である。
図10の実施形態では、ポンプ25は、ポンプトラック(pump track)460に接続することができるオンボードポンプコントローラを含む。ポンプトラック460は、複数のポンプをコンパクトな空間に設定することができ、I/O信号用接続部(465に示す)、シリアル通信部(470に示す)、および電気接続部(475に示す)を提供することができる。トラック460は、弁を開閉するのに使用される、圧力/真空用の空圧接続部(480に示す)を提供することもできる。
【0058】
ポンプ25の入口は、レジストボトルまたは他の流体供給部などの、流体供給部15に接続することができる。ポンプ25の出口は、ポンプ25の出口とウエハとの間の止め吸引弁に接続することができる。ポンプ25は、マニホールド325とポンプ25の他の部分との間に内部または外部の流体接続部(495に示す)を含むことができる。それに加えて、ポンプ25は、マニホールド325のタグリーダと、ポンプコントローラまたはポンプ25の他の電子要素との間の電気接続部(497に示す)を含むことができる。
【0059】
図11は、ポンプ25の動作を制御するためのシステムの1つの実施形態の図である。ポンプコントローラ20は、オンボードポンプ25であるか、または制御信号、データ、もしくは他の情報を伝達するための1つまたは複数の通信回線を介してポンプ25に接続することができる。ポンプコントローラ20は、オンボードPCBボード、リモートコントローラとして、または他の適当な形式で実装することができる。それに加えて、ポンプコントローラ20の機能は、オンボードコントローラと別のコントローラとの間で分散させることができる。
【0060】
1つの実施形態によれば、ポンプコントローラ20は、多段ポンプ25の動作を制御するための1組の制御命令60を含むコンピュータ読取可能媒体55(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ドライブ、または他のコンピュータ読取可能媒体)を含むことができる。プロセッサ65(例えば、CPU、ASIC、RISC、DSP、または他のプロセッサ)は、命令を実行することができる。プロセッサの1つの例は、Texas Instruments TMS320F2812PGFA 16-bit DSP(Texas Instrumentsは、Dallas,TX based companyである)である。別の実施形態では、命令60は、ハードウェアとして実装することができる。それに加えて、ポンプコントローラ20は、簡潔にするために図示しない、追加のプロセッサ、メモリ、インターフェース、ディスプレイ装置、周辺装置または他のコンピュータ構成要素を含む、当技術分野で知られている様々なコンピュータ構成要素を含むことができる。
【0061】
1組のインターフェース70は、ポンプコントローラ20がシリアル、パラレル、またはアナログのデータ/信号をモータ、弁、または他の構成要素に伝達し、センサ、タグリーダ50、コントローラ、またはポンプ25の他の構成要素からのデータ/信号を受け取ることを可能にすることができる。例えば、ポンプコントローラ20は、信号を供給モータ175(
図2参照)、分配モータ200(
図2参照)、電磁弁440を制御するためのソレノイド(
図9参照)、およびポンプ25の他の構成要素に送出することができる。ポンプコントローラ20は、構成要素を直接制御するために信号を生成するか、またはポンプ25の構成要素を動作させるために弁、モータ、または他のコントローラにより読み取られる信号を生成することができる。ポンプコントローラ20は、圧力センサ112(
図2参照)などのセンサ、タグリーダ50、およびポンプ25の他の構成要素からアナログ信号またはデジタル信号を受け取ることもできる。インターフェース70は、必要に応じてアナログおよびデジタルインターフェースを含むことができ、インターフェース70と、限定されないが、アナログデジタルコンバータ、フィルタ、および他の信号処理要素などのプロセッサ65との間に追加の構成要素が存在する可能性がある。
【0062】
1つの実施形態によれば、ポンプコントローラ20は、ポンプ管理システムに接続するためのインターフェース80を含むこともできる。インターフェース80は、ポンプコントローラ20がネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、広域ネットワーク、DeviceNetネットワーク、または当技術分野で知られているか、もしくは開発された他のネットワーク)、バス(例えば、SCSIバス)、または他の通信回線に接続するのを可能にすることができる。参考として全体が本明細書に組み込まれている、2005年12月2日に出願された、Cedrone等の"I/O INTERFACE SYSTEM AND METHOD FOR A PUMP"という題名の米国仮特許出願第60/741,657号、および特許文献9に記載されたI/Oインターフェースコネクタは、ポンプコントローラ20を様々なインターフェースおよび作成ツールに接続するために使用することができる。
【0063】
ポンプコントローラ20は、ポンプ25の動作に関してポンプコントローラ20に命令を提供することができるポンプ管理システム85に接続することができる。ポンプ管理システム85は、分配項目または他の情報をポンプコントローラ20に提供するために、ポンプコントローラ20に接続する、コンピュータまたはコンピュータのネットワークとすることができる。ポンプ管理システム85は、ポンプコントローラ20から動作データを収集することもできる。ポンプ管理システム85は、中央制御およびデータ収集を提供するために複数のポンプに接続することができる。1つの実施形態によれば、ポンプ管理システム85は、いくつかのポンプから収集される動作データ97のデータリポジトリ90を維持することができる。データリポジトリは、データベース、ファイルシステム、または他のデータ記憶システムとすることができる。
【0064】
ポンプコントローラ20は、動作中、タグリーダ50からフィルタ情報45を受け取ることができる。ポンプコントローラ20は、情報45を分析し、ポンプ25を動作させるべきかどうか、またはどのように動作させるべきかを決定するために、命令60を実行することができる。1つの実施形態によれば、ポンプコントローラ20は、情報45にルールを適用することができる。例えば、ポンプコントローラ20は、ポンプを動作させるべきかどうかを決定するために情報45を記憶情報95と比較することができる。例えば、限定されないが、これは、フィルタがポンプ25と共に使用するのに適当かどうかを決定するために、部品番号を予測部品番号と比較することを含む。それに加えて、フィルタが適当である場合、ポンプコントローラ20は、フィルタ情報45に基づいて、ポンプ25をどのように動作させるべきかを決定することができる。別の実施形態では、ポンプコントローラ20は、フィルタ情報45をポンプ管理システム85に送出することができ、ポンプ管理システム85は、ポンプ25を動作させるべきかどうか、またはどのように動作させるべきかを決定するためにルールを適用することができる。
【0065】
記憶情報95をポンプ管理システム85によりユーザインターフェースを通してポンプコントローラ20に提供するか、または他の情報を別途提供することができる。1つの実施形態では、ポンプコントローラ20は、特定のフィルタからの情報95を記憶することができる。例えば、ポンプコントローラ20は、フィルタからのフィルタ情報45を記憶情報95として記憶することができる。
【0066】
ポンプコントローラ20は、動作データ97を記憶し、動作データ97をフィルタ情報45に関連付けることもできる。別の実施形態では、ポンプコントローラ20は、動作データ97をポンプ管理システム85に送出し、ポンプ管理システム85は、動作データ97をフィルタ情報45に関連付けることができる。
【0067】
様々なフィルタ特性に対する動作データの分析は、ポンプ25を動作させるべきかどうか、またはどのように動作させるべきかを決定するためのルールを発見的に更新するために使用することができる。例えば、ポンプコントローラ20は、特定の部品番号を有するフィルタが適当であるように、最初にルールを適用することができる。適当な部品番号を有するフィルタおよび膜泡立点の第1の範囲が良好な分配コーティングをもたらし、同じ部品番号を有するフィルタおよび膜泡立点の第2の範囲が不良の分配コーティングの数の増加をもたらしたことが長期間発見されれば、ポンプコントローラ20またはポンプ管理システム85は、フィルタが適当な部品番号を有するものであっても、膜泡立点の第2の範囲内の膜泡立点を有するフィルタと共にポンプコントローラ20が動作しないように、ルールを更新することができる。したがって、データの分析は、ポンプコントローラ20またはポンプ管理システム85の意思決定を更新するために使用することができる。
【0068】
1つの実施形態によれば、フィルタ情報45は、ポンプ25の動作を最適化するために使用することができる。ポンプコントローラ20および/またはポンプ管理システム85は、動作ルーチンのライブラリ100を維持することができる。フィルタ情報45を受け取るとき、フィルタ情報および分配用の他のパラメータは、適当な動作ルーチンを決定するために使用することができる。例えば、最適な動作ルーチンは、様々なフィルタおよび流体に関して経験的に構築され、ライブラリ100内に記憶することができる。動粘度、流体タイプ、または他のパラメータおよびフィルタ情報45の少なくともいくつかを使用すれば、ポンプコントローラ20またはポンプ管理システム85は、ライブラリ100にアクセスし、ポンプ25の最適な動作を決定することができる。ライブラリ100は、完全な分配サイクルのライブラリ、または適宜組み合わせて完全な分配サイクルにすることができる分配サイクルの最適な段階のライブラリを含むことができる。ライブラリ100は、フィルタまたは他のポンプの動作を準備するためのルーチンを含むこともできる。
【0069】
図12は、フィルタ情報に基づいてポンプの動作を制御するための方法の1つの実施形態の図である。
図12の様々な処理ステップは、ポンプコントローラ20、ポンプ管理システム85、または他の装置により実施することができる。新規のフィルタがポンプに接続される(ステップ505)とき、電子タグリーダは、タグから1組のフィルタ情報を読み取ることができる(ステップ510)。フィルタが適当であるかどうかを決定するために、1組のルールをフィルタ情報に適用することができる(ステップ515)。フィルタが適当であるかどうかを決定するためのルールは、フィルタ情報、およびプロセス流体、環境特性、必要なサイクル時間、または他の因子などの、他の因子に依存する可能性がある。例えば、プロセス流体がある粘度を有する場合、フィルタが特定の部品番号またはある部品番号および泡立点を有するときのみ、フィルタが適当であるとみなされるように、ルールを適用することができる。したがって、適用されるルールは、複数のフィルタ情報および他の情報に依存する可能性がある。フィルタが適当なフィルタでなければ、対応する動作を行うことができる(ステップ520)。そうでない場合、ポンプの動作は、進む可能性がある(ステップ525)。
【0070】
1つの実施形態によれば、フィルタ部品番号は、部品番号が整合しているかどうかを決定するために、予測部品番号または許容部品番号と比較することができる(ステップ515)。部品番号が整合していれば、ポンプの動作は、進む可能性がある(ステップ525)。部品番号が整合していなければ、ポンプコントローラ(または他の装置)は、ポンプの動作が進むべきでないことを決定することができる(ステップ520)。ポンプに接続されたフィルタが適当でないことをポンプ管理システムまたは人間ユーザに知らせるために、アラームまたは通知を生成することができる。
図12のステップは、必要または要望に応じて繰り返すことができる。
【0071】
フィルタが分配動作にとって適当である場合、ポンプの動作ルーチンを決定するために、フィルタ情報を使用することができる。これは、プライミングルーチン、分配サイクル、プライミングルーチンもしくは分配サイクルの特定の段階を決定するステップ、またはポンプをどのように動作させるかを別途決定するステップを含むことができる。1つの実施形態によれば、フィルタと流体/流体特性との組合せに対する最適なプライミングルーチンおよび分配サイクルを決定することができる。
【0072】
一般に、プライミングに必要な時間を最小化し、分配サイクルを実施するのが望ましい。分配サイクルおよびプライミングルーチンにおける段階のタイプ、数、および長さは、使用するフィルタの特性、分配流体、および他の因子に依存する可能性がある。実施形態は、最適な動作ルーチン、サイクル、または段階を指定する動作ルーチンのライブラリを含むことができる。
【0073】
図13は、ポンプのプライミングを最適化するための方法の1つの実施形態の図である。
図13の様々な処理ステップは、ポンプコントローラ20、ポンプ管理システム85、または他の装置により実施することができる。フィルタ情報および流体特性が集められる(ステップ605および607)。これは、例えば、フィルタ上の電子的に読取可能なタグ上に記憶されたフィルタ情報を受け取るステップを含むことができる。収集することができる追加情報は、項目情報、所望のサイクル時間、または他の情報を含むことができる。フィルタ情報、流体情報、および/または他の情報を使用すれば、プライミングルーチンのライブラリからプライミングルーチンを選択することができる(ステップ610)。
【0074】
ポンプ管理システム85がポンプの最適なプライミングルーチンを決定するとき、ポンプ管理システム85は、プライミングルーチンを実施するためにポンプコントローラ20に必要な情報を提供することができる。ポンプコントローラ20は、プライミングルーチン用の情報を受け取った後(または、ポンプコントローラ20がライブラリからプライミングルーチンを決定した後)、プライミングルーチンを実施することができる(ステップ615)。
【0075】
プライミングルーチンを監視し(ステップ620)、調整する(ステップ625)ことができる。1つの実施形態によれば、プライミングルーチンは、ポンプコントローラ20によりオンザフライで調整することができる。例えば、特定のフィルタ部品番号のプライミングルーチンは、プライミング中に使用される最大圧力を指定することができる。しかし、フィルタ装置フローは、個々のフィルタがより高い圧力で動作することができることを示すことができる。ポンプコントローラ20は、より高い圧力を使用するためにプライミングルーチンを調整し、したがって、より短い時間でプライミングを行うことができる。別の例では、ポンプコントローラ20は、プライミングルーチン中の圧力が、プライミングルーチン中に予測される圧力を超えつつあることを特定することができる。ポンプコントローラ20は、そのフィルタに対するプライミングルーチンを減速させることができる。ポンプコントローラ20は、別途、ポンプ動作の監視およびフィルタ情報に基づいて、ポンプ動作を調整することができる。プライミングは、プライミングが完了するか、または別途終了するまで続く可能性がある(ステップ630)。
図13のステップは、必要または要望に応じて繰り返すことができる。
【0076】
プライミングルーチンは、生成分配サイクルが起こる前にフィルタを十分湿らせるように選択することができる。任意の数の異なるプライミングルーチンは、様々なフィルタおよび流体特性に関してライブラリ100に記憶することができる。
図14〜
図16は、プライミングルーチンの例を示すフローチャートである。各ルーチンは、いくつかの段階を含む、いくつかのサイクルを含むことができる。以下の説明では、構成段階を含む、以下のサイクルの例が使用される。
【0078】
パージから通気に至る段階では、流体は、分配チャンバに押し込まれ、通気弁を開放した状態で、パージ弁を通して分配チャンバから供給チャンバに押し戻す。パージから吸入に至る段階では、流体は、分配チャンバに押し込まれ、次に、通気することなく入口弁を開放した状態で、パージ弁を通して分配チャンバから供給チャンバに押し戻す。表2のサイクルおよび段階は、例として提供し、他のサイクルおよび段階を使用することができる。
【0079】
図14を参照すれば、入口および出口管を充填し(ステップ705)、通気サイクルを実施する(ステップ710)ことができる。次に、パージから通気に至るサイクルが起こる可能性がある(ステップ715)。次のステップでは、パージから吸入に至るサイクルが起こる可能性がある(ステップ720)。これに、通気サイクル(ステップ725)、第2のパージから吸入に至るサイクル(ステップ730)、最終通気サイクル(ステップ735)、およびパージから放出に至るサイクル(ステップ737)が続く可能性がある。最後に、分配サイクルが実施される(ステップ740)。
【0080】
図15の実施形態では、入口および出口管を充填し(ステップ805)、通気サイクルを実施する(ステップ810)ことができる。次に、パージから通気に至るサイクルが起こる可能性がある(ステップ815)。このサイクル中に、分配チャンバは、流体を充填され、遮断弁が閉鎖される。隔離弁およびパージ弁が開放される。分配モータは、通気弁を開放した状態で、流体が分配チャンバから供給チャンバを通って流れるように作動する。次のステップでは、パージから吸入に至るサイクルが起こる可能性がある(ステップ820)。
【0081】
次に、順方向圧力段階(ステップ825)および順方向フラッシュ段階(ステップ827)を含むフィルタプライミングサイクルを実施することができる。順方向圧力段階では、供給チャンバが充填され、遮断弁および通気弁が閉鎖され、隔離弁が開放される。供給段モータは、フィルタ内の流体を上流から加圧するように作動する。順方向圧力段階では、流体は、フィルタから流れ出ない。加圧は、持続的な時間の間、予備濾過または濾過のサイクルで使用される圧力設定点をほぼ上回った状態で起こる。1つの実施形態によれば、流体を5psi〜25psiで5分間〜10分間加圧することができるが、より高いか、またはより低い圧力およびより短いか、またはより長い時間を使用することができる。順方向フラッシュ段階は、パージから通気に至る段階と同様であるが、比較的高い速度で起こる可能性があり、その結果、任意の溶解ガスが存在する場合、溶解ガスを通気によりフィルタから押し出すことができる。1つの実施形態によれば、順方向フラッシュは、ポンプの最大動作速度またはその近く(例えば、その少なくとも75%)で実施される。例えば、3mL/secの最大分配速度を有するEntegris Intelligen Mini分配システムでは、順方向フラッシュは、0.5mL/sec〜3.0mL/secで起こる可能性があるが、2.25mL/sec〜3mL/secで起こるのが好ましい。パージから通気に至るサイクル(ステップ830)および分配サイクル(ステップ835)を実施することもできる。
【0082】
図16の実施形態は、フィルタプライミングサイクルが、順方向圧力ステップ825の代わりに背圧ステップ840を含み、順方向フラッシュ段階827の代わりに後退フラッシュ段階845を含むことを除けば、
図15の実施形態と同様である。背圧ステップ840では、通気弁および隔離弁は閉鎖され、遮断弁は開放される。分配モータは、特定の時間の間、フィルタ内の流体を下流から加圧するように作動する。背圧段階では、流体は、フィルタから流れ出ない。加圧は、持続的な時間の間、予備濾過または濾過のサイクルで使用される圧力設定点をほぼ上回った状態で起こる。1つの実施形態によれば、流体を5psi〜25psiで5分間〜10分間加圧することができる。背圧フラッシュでは、通気弁は開放され、遮断弁および隔離弁は開放される。流体は、分配チャンバからフィルタを通して流され、通気される。1つの実施形態によれば、背圧フラッシュは、ポンプの最大動作速度またはその近く(例えば、その少なくとも75%)で実施される。パージから通気に至るサイクル(ステップ830)および分配サイクル(835)を実施することもできる。
【0083】
図14〜
図16のステップは、必要または要望に応じて繰り返すことができる。いくつかの場合、各サイクルは、次のステップに進む前に数回繰り返される。ルーチンの1つのサイクルまたは複数のサイクル内の段階は、様々な順序で実施することができる。別の例では、単一のルーチンにおいて、複数の順方向圧力ステップ、順方向フラッシュステップ、背圧ステップ、および背圧フラッシュステップを使用することができる。必要または要望に応じて、プライミングルーチンにおいて、追加または代わりの段階を使用することができる。
【0084】
Entegris Intelligen Mini分配システムを使用して、
図14、
図15、および
図16の方法により、様々なテストが行われた。テストは、各方法において濾過速度および濾過圧力の両方を変化させて行われた。順方向圧力ステップおよび背圧ステップにおいて、様々な圧力および時間もテストされた。表3は、順方向加圧段階または背圧印加段階を有しない、
図14による方法のテスト項目の例を提供する。
【0086】
表4は、順方向圧力段階を有する方法のテスト項目の例を提供する。
【0088】
表5は、背圧段階を有する方法のテスト項目の例を提供する。
【0090】
以上の項目によるテストは、表6の設定と同じ、連続的な分配サイクルの分配項目を使用して実施された。
【0092】
テストは、プロセス流体としてPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を使用し、Entegris Inc.、Billerica、MAによる以下のフィルタ、A2AT20MK1-Impact2 V2 10nm Symmetric UPE、A2ST20KM1 Impact 2 V2 Asymmetric 10nm、A2SF20MK1 Impact 2 V2 Asymmetric 5nm、およびA2DT200K1 Impact 2 Duo 10nmのフィルタを使用して実施された。各プライミングルーチンが完了した後、ポンプは、流体内の粒子数(気泡数)が閾値(2mL当り1個)未満に降下するまで、連続的な分配サイクルを通して作動した。一般に、順方向加圧ステップを有する方法は、Impact2 V2 Symmetric 10nm、Impact 2 V2 Asymmetric 10nm、Impact 2 V2 Asymmetric 5nmのフィルタをプライミングするのに最も有効であることがわかった。
【0093】
しかし、背圧段階を使用したルーチンは、A2DT200K1 -10 nm Duoフィルタに極めて速いプライミングを提供することがわかった。表5の項目および以下の背圧状態、すなわち25psiで5分間、10psiで5分間、10psiで10分間、25psiで10分間を使用することにより、ポンプは、表3の方法のほぼ半分の時間で許容可能な粒子数を達成した。しかし、同じプライミングルーチンは、単一の膜フィルタに適用される際、利点をあまり示さなかった。
【0094】
図17は、A2DT200K1-10 nm Duoフィルタと共に使用される際の
図20のプライミングルーチンの結果を提供する。
図17は、分配されるPGME流体2mLにつき検出される0.2μmを超える気泡の数を示す。10psiの背圧段階を10分間使用すれば、プライミングシーケンスの端部(t=0)から、粒子数(すなわち気泡数)が常に1未満になるまで、分配が約3.2時間かかる。同じフィルタに対する前のプライミングルーチンは、同じ結果に到達するのに最大で9時間かかる。A2DT200K1 -10 nm Duoフィルタでは、テスト圧力および時間は、許容可能な分配に到達する全体時間に最小の影響しか及ぼさないようにみえた。
【0095】
前から明らかなように、プライミングルーチンは、ポンプが準備できるまでの時間を最小化するために、フィルタのタイプに基づいて選択することができる。いくつかの複数膜フィルタでは、背圧印加段階および背圧フラッシュ段階を含むプライミングルーチンを選択するのが有利である可能性があるが、単一膜フィルタでは、順方向圧力段階および順方向フラッシュ段階を含むプライミングルーチンを選択するのが有利である可能性がある。他の場合、順方向加圧段階および背圧印加段階、ならびに順方向フラッシュ段階および背圧フラッシュ段階のどちらも含むプライミングルーチンを選択するのが有利である可能性がある。さらに他の実施形態では、複数膜フィルタに、順方向加圧段階および順方向フラッシュ段階を含むプライミングルーチンを選択することができ、単一膜を含むフィルタに、背圧印加段階および背圧フラッシュ段階を含むプライミングルーチンを選択することができる。
【0096】
分配サイクル、またはポンプ分配サイクルの特定の段階も最適化することができる。
図18は、ポンプの分配サイクルを最適化するための方法の1つの実施形態の図である。
図18の様々な処理ステップは、ポンプコントローラ20、ポンプ管理システム85、または他の装置により実施することができる。1つの実施形態によれば、フィルタ情報および流体特性が集められる(ステップ855および857)。これは、例えば、フィルタ上の電子的に読取可能なタグ上に記憶されたフィルタ情報を受け取るステップを含むことができる。収集することができる他の情報は、項目情報、サイクル時間、または他の情報を含むことができる。フィルタ情報、流体情報、および/または他の情報を使用すれば、適当な分配サイクルまたは分配サイクルの一部分は、動作ルーチンのライブラリから決定することができる(ステップ860)。例えば、限定されないが、ライブラリは、濾過段階および通気段階を含む、最適な濾過ルーチンを規定することができる。流体特性、フィルタ情報、または他の情報が与えられれば、分配サイクルの最適な濾過タイミングおよび通気タイミングを決定することができる。したがって、例えば、10nm Symmetric UPE FilterおよびIPAでは、ライブラリは、ポンプがそのデフォルト通気段階を使用し、濾過速度が0.3mL/sであり、濾過圧力が6psiであり、濾過段階が40秒続くことを規定することができる。ステップ865では、ポンプコントローラ20は、規定された濾過ルーチンを使用して分配サイクルを実施することができる。
【0097】
1つの実施形態によれば、分配サイクルを監視することができる(ステップ870)。フィルタ情報および監視に基づいて、分配サイクルは、ポンプコントローラ20によりオンザフライで調整することができる(ステップ875)。例えば、分配サイクル中の圧力が、フィルタの装置フローに基づく許容可能な圧力を超え始めるとき、これは、フィルタが詰まり始めていることを示す可能性がある。ポンプコントローラ20は、ポンプにより与えられた圧力を低減するように分配サイクルを調整することができる。ポンプコントローラ20は、ポンプの動作の監視およびフィルタ情報に基づいてポンプの動作を別途調整することができる。分配サイクルは、分配サイクルが完了するか(ステップ880)、または別途終了するまで続くことができる。
図18のステップは、必要または要望に応じて繰り返すことができる。
【0098】
図19は、複数のコンピュータにわたって分布するか、または単一のコンピュータ上で動くことができる1組のコード900の1つの実施形態の図である。コード900は、通信回線を介し、ユーザインターフェースを通してタグリーダからフィルタ情報を受け取るか、または別途フィルタ情報を受け取ることができるフィルタ情報受領コード905を含むことができる。同様に、コード900は、通信回線を介し、ユーザインターフェースを通して流体情報を受け取るか、または別途流体情報を受け取ることができる流体情報受領コード910を含むことができる。コード900は、ポンプ内のセンサから動作データを受け取るか、通信回線を介してポンプから動作データを受け取るか、または別途動作データを受け取ることができる動作データ受領コード915をさらに含むことができる。ルール適用コード920は、ポンプを動作させるべきかどうか、またはどのように動作させるべきかを決定するために、フィルタ情報にルールを適用することができる。ポンプ動作コード925は、ルール適用コード920の出力に基づいてポンプを動作させるか、または他の規定された動作を行うことができる。
【0099】
プライミングルーチン決定コード930は、ポンプに対する適当なプライミングルーチンを決定するために、プライミングルーチンのライブラリにアクセスすることができる。ポンプ動作コード935は、コード930により決定されたプライミングルーチンに応じてポンプを動作させることができる。プライミング監視コード940は、ポンプの動作を調整すべきかどうかを決定するためにプライミング中にポンプの動作データを監視することができ、プライミング調整コード945は、プライミングルーチンを調整することができる。ポンプ動作コード935は、プライミング調整コード945により決定された調整プライミングルーチンに応じてポンプを動作させることができる。
【0100】
分配段階決定コード950は、プライミング中にポンプをどのように動作させるべきかを決定するために、分配サイクルのライブラリまたは分配サイクルの一部分にアクセスすることができる。ポンプ動作コード955は、コード950により決定された分配サイクルまたは分配サイクル段階に応じてポンプを動作させることができる。分配サイクル監視コード960は、ポンプの動作を調整すべきかどうかを決定するために、分配サイクル中にポンプの動作データを監視することができ、分配サイクル調整コード965は、分配サイクルを調整することができる。ポンプ動作コード955は、分配サイクル調整コード965により決定された、調整分配サイクルまたは分配サイクル段階に応じてポンプを動作させることができる。
【0101】
データ相関コード970は、動作データをフィルタ情報に関連付けることができる。データ分析コードは、良好な分配および不良の分配に対応するフィルタ特性を特定するために、関連データを分析することができる。ルール調整コード980は、コード975によるデータ分析の結果に基づいてルール適用コード920により適用されたルールを調整することができる。
【0102】
図19に示すコードモジュールは、モノリシックプログラム、任意の数の別個のプログラム、1つのプログラムの機能、複数のプログラムの機能として実装されるか、または適当なソフトウェアアーキテクチャおよびプログラム言語に応じて別途実装することができることに留意されたい。コード900の機能は、限定されないが、ポンプ管理システムおよびポンプコントローラを含む、複数の装置間に分布させることができる。それに加えて、機能のすべてまたはいくつかは、ハードウェアまたはファームウェアとして実装することができる。
【0103】
ある時間の間、フィルタに背圧を印加することにより、より大きい気泡が取り除かれ、上流の膜で捕捉されると考えられる。したがって、本明細書に説明する実施形態は、フィルタが複数の膜を有する際、背圧ステップを含むプライミングルーチンを適用することができる。
【0104】
様々な実施形態を、液体分配ポンプに使用されるフィルタに関して説明してきたが、本開示は、そうした実施形態に限定されない。例えば、フィルタ情報タグは、任意のタイプのフィルタに関するフィルタ情報を記憶するために使用することができる。フィルタ情報は、タグリーダにより読み取られ、フィルタを使用している装置またはシステムを動作させるかどうか、またはどのように動作させるかを決定するために使用することができる。例えば、フィルタ情報タグは、ガス浄化プロセスまたは他の用途でフィルタに使用することができる。
【0105】
本明細書に使用する、言葉「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはそれらの他の任意の変形形態は、包括的内容を保護するものとする。例えば、要素のリストを含むプロセス、生成物、項目、または装置は、必ずしもこれらの要素にのみ限定されず、明確に列挙していないか、またはそうしたプロセス、項目、もしくは装置に本来備わっている他の要素を含むことができる。さらに、それとは逆に、明確に述べていなければ、「または(or)」は、包括的な「または(or)」を指し、排他的な「または(or)」を指さない。例えば、条件Aまたは(or)Bは、以下のいずれか1つを満たす、すなわち、Aが真で(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽で(または存在せず)Bが真である(または存在する)、および、AもBも真である(または存在する)。
【0106】
それに加えて、本明細書に与えた任意の例または図は、共に使用される任意の言葉または複数の言葉に関する制約、限定、または明確な定義であると決してみなされるべきでない。その代わり、これらの例または図は、特定の実施形態に関して記載されたものであり、例示のためだけのものとみなされるべきである。これらの例または図を使用する任意の言葉または複数の言葉は、共に、もしくは明細書内の他の場所で与えられるか、または与えられない可能性がある、他の実施形態ならびにその実装形態および適応形態を含み、そうしたすべての実施形態は、その言葉または複数の言葉の範囲内に含まれるものとすることを当業者は理解するであろう。言語により指示される、そうした非限定的な例および図は、限定されないが、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「例えば(e.g.)」、「1つの実施形態では(in one embodiment)」などを含む。
【0107】
さらに、本開示の様々な態様の変更形態および代替的実施形態は、本説明を考慮すれば、当業者には明らかになろう。したがって、本説明は、例示のためだけのものとみなされ、本開示を実行する一般的な方法を当業者に教示することを目的とする。例えば、以上の説明は、主として多段ポンプの例を使用するが、本明細書に説明する実施形態は、単段ポンプまたは他のポンプと共に使用することもできる。本明細書に図示および説明する本開示の形態は、現在好ましい実施形態であると考えられるべきであることを理解されたい。要素および材料は、本明細書に図示および説明するものの代わりをすることができ、パーツおよびプロセスは逆にすることができ、本開示のいくつかの特徴は独立して使用することができるが、当業者においては、本開示の本説明の利益を得た後、すべてが明らかになろう。技術的思想および特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、本明細書に説明する要素の変更を行うことができる。