(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エピタキシャル半導体層の深さ全体にわたる、前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジが、前記ターミナル領域の周辺部まわりにて、前記ターミナル領域の外側エッジから後退している、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の半導体デバイス。
【背景技術】
【0003】
(背景)
大電流を送り、高電圧を保持するために、半導体パワーデバイスが広く使用されている。最新の半導体パワーデバイスは一般に単結晶のシリコン半導体材料から製造されている。広く使用されている1つのパワーデバイスとして、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)がある。このパワーMOSFETでは、二酸化シリコンにすることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない介在絶縁体により半導体表面から隔離されたゲート電極に制御信号が供給される。バイポーラトランジスタの作動で使用される少数キャリアの注入が存在しない状態で、多数キャリアのトランスポートにより電流の伝導が生じる。パワーMOSFETは、優れた安全な作動エリアを提供でき、1つのユニットセル構造内に並列にすることができる。
【0004】
当業者に周知のように、パワーMOSFETは、横方向構造または縦型構造を含むことができる。横方向構造では、基板の同じ表面にドレインターミナル、ゲートターミナル、およびソースターミナルが存在する。これと対照的に、縦型構造では基板の対向する表面にソースとドレインが位置する。
【0005】
パワーデバイスにおける最近の開発努力は、パワーデバイス用のシリコンカーバイド(SiC)デバイスを使用することの研究にも向けられている。シリコンカーバイドは、シリコンと比較して広いバンドギャップ、より低い誘電率、高いブレークダウン電界強度、高い熱伝導率および高い飽和電子ドリフト速度を有する。これらの特性によって、シリコンカーバイドパワーデバイスは、従来のシリコンをベースとするパワーデバイスよりも高い温度、高いパワーレベル、および/または低い固有オン抵抗で作動することが可能となっている。非特許文献1に、シリコンカーバイドデバイスのシリコンデバイスに対する優位性についての理論的分析が記載されている。本発明の譲受人に譲渡されたパルモア(Palmour)による米国特許の特許文献1には、シリコンカーバイドで製造されたパワーMOSFETが記載されている。
【0006】
これまで、文献には、シリコンカーバイドパワーMOSFET構造が多数記載されている。例えば、特許文献1、および非特許文献2乃至13である。
【0007】
広く使用されているシリコンパワーMOSFETとして、二重拡散プロセスを使用して製造される二重拡散MOSFET(DMOSFET)がある。
図5には、シリコン製の従来のDMOSFET510が示されている。
図5のデバイスでは、マスク内の共通開口部を通して基板512内にp−ベース領域514およびn
+ソース領域516が拡散されている。p−ベース領域514は、n
+ソース領域516よりも深く打ち込まれている。p−ベース領域514とn
+ソース領域516の間の横方向の拡散の差により表面チャンネル領域が形成されている。基板512の上には、ゲート酸化膜518が設けられ、このゲート酸化膜518上にはゲート電極520が設けられている。基板512の上で、n
+ソース領域516の上およびこれら領域の間に、ソースコンタクト522が設けられている。基板512上の、ソースコンタクト522と反対側にはドレインコンタクト524が設けられている。非特許文献15の教科書、特に「パワーMOSFET(Power MOSFET)」なる名称のついた第7章には、DMOSFETを含むパワーMOSFETの概略が記載されており、その開示内容を参照により本明細書に援用する。DMOSFET構造は、シリコンカーバイドでも製造されている。しかしながら、シリコンカーバイド内でのドーパントの拡散が弱いことにより、シリコンカーバイドでDMOSFETを製造する際には、他のドーピング技術、例えばイオン注入方法が使用されてきた。したがって、本明細書では、この構造を製造する際に使用される方法にかかわらず、ベースまたはウェル領域、およびこのベースまたはウェル領域内にソース領域を有する
図5の構造と類似した構造を示すのに、「DMOSFET」なる用語を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,506,421号「シリコンカーバイドでのパワーMOSFET(Power MOSFET in Silicon Carbide)」明細書
【特許文献2】米国特許第7,074,643号「自己整合されたソースおよびウェル領域を有するシリコンカーバイドパワーデバイスおよびその製造方法(Silicon Carbide Power Devices With Self−Aligned Source and Well Regions And Methods Of Fabrication Same)」明細書
【特許文献3】米国特許第7,381,992号「自己整合されたソースおよびウェル領域を有するシリコンカーバイドのパワーデバイス(Silicon Carbide Power Devices With Self−Aligned Source And Well Regions)」明細書
【特許文献4】米国特許第6,653,659号「シリコンカーバイドインバージョンチャンネルMOSFET(Silicon Carbide Inversion Channel MOSFETs)」明細書
【特許文献5】米国特許第6,956,238号「短絡したチャンネルを有するシリコンカーバイドパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタおよび短絡したチャンネルを有するシリコンカーバイド金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを製造する方法(Silicon Carbide Power Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistors Having A Shorting Channel And Methods Of Fabricating Silicon Carbide Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistors Having A Shorting Channel)」明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2008/0105949号「ハイパワー絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(High Power Insulated Gate Bipolar Transistors)」明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】バットナーガー(Bhatnagar)他による刊行物、名称「パワーデバイス用の6H−−SiC、3C−−SiCおよびSiの比較(Comparison of 6H−SiC, 3C−SiC and Si for Power Devices)」(エレクトロンデバイスに関するIEEEトランザクション(IEEE Transactions on Electron Devices)、第40巻、1993年、645〜655ページ)
【非特許文献2】A.K.アガーワル(Agarwal)、J.B.キャサディ(Casady)、L.B.ローランド(Rowland)、W.F.ヴァレク(Valek)、M.H.ホワイト(White)、およびC.D.ブラント(Brandt)著「1.1kVの4H−−SiCパワーUMOSFET(1.1 kV 4H−−SiC Power UMOSFET’s)」(IEEEエレクトロンデバイスレターズ(Electron Device Letters)、第18巻、第12号、586〜588ページ、1997年12月)
【非特許文献3】A.K.アガーワル(Agarwal)、J.B.キャサディ(Casady)、L.B.ローランド(Rowland)、W.F.ヴァレク(Valek)、およびC.D.ブラント(Brandt)著「1400Vの4H−−SiCパワーMOSFET(1400 V 4H−−SiC Power MOSFETs)」(マテリアルズサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)第264〜268巻、989〜992ページ、1998年)
【非特許文献4】J.タン(Tan)、J.A.クーパー(Cooper),Jr、およびM.R.メロック(Melloch)著「4H−−SiCでの高電圧アキュムレータ層のUMOSFET(High−Voltage Accumulation−Layer UMOSFETs in 4H−−SiC)」、IEEEエレクトロンデバイスレターズ(IEEE Electron Device Letters)、第19巻、第12号、487〜489ページ、1998年12月)
【非特許文献5】J.N.シェノイ(Shenoy)、J.A.クーパー(Cooper)、およびM.R.メロック(Melloch)著「6H−−SiCでの高電圧ダブル注入パワーMOSFET(High−Voltage Double−Implanted Power MOSFET’s in 6H−SiC)」、IEEEエレクトロンデバイスレターズ(IEEE Electron Device Letters)、第18巻、第3号、93〜95ページ、1997年3月)
【非特許文献6】J.B.キャサディ(Casady)、A.K.アガーワル(Agarwal)、L.B.ローランド(Rowland)、W.F.ヴァレク(Valek)、およびC.D.ブラント(Brandt)著「900VのDMOSおよび1100VのUMOS 4H−−SiCパワーFET(900 V DMOS and 1100 V UMOS 4H−−SiC Power FETs)」(IEEEデバイス研究会議(IEEE Device Research Conference)、フォートコリンズ、コロラド州、1997年6月23〜25日)
【非特許文献7】R.ショーナー(Schorner)、P.フレデリックス(Friedrichs)、D.ピーター(Peters)、H.ミットレーナー(Mitlehner)、B.ヴァイス(Weis)、およびD.ステファニー(Stephani)著「1800Vまでのブロッキング能力を有する6H−−SiCでの頑丈なパワーMOSFET(Rugged Power MOSFETs in 6H−SiC with Blocking Capability up to 1800 V)」(マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)、第338〜342巻、1295〜1298ページ、2000年)
【非特許文献8】V.R.ヴァシュリア(Vathulya)およびM.H.ホワイト(White)著「パワーDIMOS構造のためのポリタイプの適性を判断するための、注入されたSiC上のチャンネル移動度の特性化(Characterization of Channel Mobility on Implanted SiC to determine Polytype suitability for the Power DIMOS structure)」(電子材料会議(Electronic Materials Conference)、サンタバーバラ、カリフォルニア州、1999年6月30日〜7月2日)
【非特許文献9】A.V.スヴォロフ(Suvorov)、L.A.リプキン(Lipkin)、G.M.ジョンソン(Johnson)、R.シン(Singh)、およびJ.W.パルモア(Palmour)著「パワーDMOSFETのための注入拡散された4H−−SiCの自己整合構造(4H−−SiC Self−Aligned Implant−Diffused Structure for Power DMOSFETs)」、マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)、第338〜342巻、1275〜1278ページ、2000年)
【非特許文献10】P.M.シェノイ(Shenoy)およびP.J.バリガ(Baliga)著、「プレーナーの6H−−SiC ACCUFET:新しい高電圧パワーMOSFET構造(The Planar 6H−SiC ACCUFET: A New High−Voltage Power MOSFET Structure)」(IEEEエレクトロンデバイスレターズ(IEEE Electron Device Letters)第18巻、第12号、589〜591ページ、1997年12月)
【非特許文献11】ランビエール シン(Ranbir Singh)、セイ−ヒュン−リュー(Sei−Hyung Ryu)、およびジョン W.パルマー(John W.Palmour)著「高温度、大電流、4H−−SiCアキュDMOSFET(High Temperature, High Current, 4H−SiC Accu−DMOSFET)」(マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)、第338〜342巻、1271〜1274ページ、2000年)
【非特許文献12】Y.ワン(Wang)、C.ヴァイツェル(Weitzel)、およびM.バットナーガー(Bhatnagar)著「アキュムレーションモードのSiCパワーMOSFETの設計問題(Accumulation−Mode SiC Power MOSFET Design Issues)」(マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)、第338〜342巻、1287〜1290ページ、2000年)
【非特許文献13】A.K.アガーワル(Agarwal)、N.S.サックス(Saks)、S.S.マーニ(Mani)、V.S.ヘッジ(Hegde)、およびP.A.サンガー(Sanger)著「ラテラルRESURF、6H−−SiCMOSFETの研究(Investigation of Lateral RESURF, 6H−SiC MOSFETs)」(マテリアルサイエンスフォーラム(Materials Science Forum)第338〜342巻、1307〜1310ページ、2000年)
【非特許文献14】シェノイ(Shenoy)他著「6H−−SiCでの高電圧二重注入パワーMOSFET(High−Voltage Double−Implanted Power MOSFET’s in 6H−SiC)」IEEEエレクトロンデバイスレターズ(Electron Device Letters)、第18巻、第3号、1997年3月、93〜95ページ)
【非特許文献15】B.J.バリガ(Baliga)著「パワー半導体デバイス(Power Semiconductor Devices)」PWS出版社(PWS Publishing Company)、1996年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
シリコンカーバイドの潜在的な利点にかかわらず、パワーMOSFETを含むパワーデバイスをシリコンカーバイドで製造することは、困難となる場合がある。例えば上記のように、DMOSFETは、p−ベース領域をn
+ソースよりも深く打ち込む二重拡散プロセスを使用して、シリコン内に一般に製造される。残念なことに、シリコンカーバイドでは、従来のpタイプおよびnタイプのドーパントの拡散係数は、シリコンと比較して小さいので、許容できる拡散時間および温度を使用してp−ベース領域およびn
+ソース領域を必要な深さにすることが困難となる場合がある。p−ベースおよびn
+ソースを注入するのに、イオン注入法を使用してもよい。例えば非特許文献14を参考されたい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(概要)
本発明の一部の実施形態によれば、半導体デバイスを形成する方法は、第1の導電タイプの半導体層内に前記第1の導電タイプのターミナル領域を形成するステップと、前記半導体層内に第2の導電タイプのウェル領域を形成するステップとを含むことができる。前記ウェル領域は、前記半導体層内の前記ターミナル領域の少なくとも一部に隣接してよく、前記半導体層内への前記ウェル領域の深さは、前記半導体層内への前記ターミナル領域の深さよりも深くすることができ、前記第1と第2の導電タイプとは異なっていてもよい。前記半導体層上にエピタキシャル半導体層を形成してよく、前記ターミナル領域と電気的な接触を設けている、前記第1の導電タイプのターミナルコンタクト領域を前記エピタキシャル半導体層内に形成してよい。さらに、前記ターミナルコンタクト領域上にオーミックコンタクトを形成してよい。
【0012】
前記ターミナル領域と前記ウェル領域の外周部との間の、前記半導体層の表面に隣接する前記ウェル領域の部分がチャンネルを定めており、前記エピタキシャル半導体層上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート絶縁層を形成してよく、前記ゲート絶縁層の上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート電極を形成してよい。前記エピタキシャル半導体層を形成した後に、前記ターミナルコンタクト領域の中心部および前記ターミナル領域の中心部を通して、前記第2の導電タイプのウェルコンタクト領域を、前記ウェル領域との電気的な接触を設けるように、形成してよい。前記オーミックコンタクトは、前記ターミナルコンタクト領域および前記ウェルコンタクト領域の上の第1の金属層と、前記第1の金属層の部分の上の、前記ウェルコンタクト領域と反対側の第2の金属層と、前記第1の金属層の部分の上の、前記ターミナルコンタクト領域と反対側の、前記第2の金属層を囲むシリコン層とを含むことができる。
【0013】
前記エピタキシャル半導体層は、エピタキシャルシリコンカーバイド層を含むことができ、前記エピタキシャルシリコンカーバイド層は、約1200Å(120nm)から約1800Å(180nm)の範囲内の厚さを有することができる。さらに、前記第1の導電タイプをnタイプとし、前記第2の導電タイプをpタイプとしてよい。
【0014】
前記エピタキシャル半導体層を形成するステップは、第1のドーパント濃度で前記第1の導電タイプを有する前記エピタキシャル半導体層を形成するステップを含むことができ、前記ターミナルコンタクト領域を形成するステップは、第2のドーパント濃度で前記第1の導電タイプを有する前記ターミナルコンタクト領域を形成するステップを含むことができ、前記第2のドーパント濃度は、前記第1のドーパント濃度よりも、少なくとも2桁高くし得る。前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジは、前記ターミナル領域の周辺部まわりにて、前記ターミナル領域の外側エッジから後退させることができる。より詳細には、前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジを、前記ターミナル領域の外側エッジから少なくとも約0.1μmだけ後退させることができる。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、半導体デバイスは、第1の導電タイプの半導体層と、前記半導体層内の、第1の導電タイプのターミナル領域と、前記半導体層内の、第2の導電タイプのウェル領域とを備えることができる。前記ウェル領域は、前記半導体層内の前記ターミナル領域の少なくとも一部に隣接でき、前記半導体層内への前記ウェル領域の深さは、前記半導体層内への前記ターミナル領域の深さよりも深くでき、前記第1と第2の導電タイプとは異なってよい。前記ターミナル領域および前記ウェル領域を含む前記半導体層上にエピタキシャル半導体層を設けることができ、前記エピタキシャル半導体層は、内部に前記第1の導電タイプのターミナルコンタクト領域を含むことができ、前記ターミナルコンタクト領域は、前記ターミナル領域との電気的な接触を設けることができる。さらに、前記ターミナルコンタクト領域上にオーミックコンタクトを設けることができる。
【0016】
前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジは、前記ターミナル領域の周辺部まわりにて、前記ターミナル領域の外側エッジから後退させることができる。より詳細には、前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジを、前記ターミナル領域の外側エッジから少なくとも約0.1μmだけ後退させることができる。前記ターミナル領域と前記ウェル領域の外周部との間の、前記半導体層の表面に隣接する前記ウェル領域の部分がチャンネルを定めることができ、前記エピタキシャル半導体層上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート絶縁層を設けてもよく、前記ゲート絶縁層の上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート電極を設けてもよい。
【0017】
前記ターミナルコンタクト領域の中心部および前記ターミナル領域の中心部を通して、前記第2の導電タイプのウェルコンタクト領域を、前記ウェル領域との電気的な接触を提供するように、設けることができる。さらに、前記オーミックコンタクトは、前記ターミナルコンタクト領域および前記ウェルコンタクト領域の上の第1の金属層と、前記第1の金属層の部分の上の、前記ウェルコンタクト領域と反対側の第2の金属層と、前記第1の金属層の部分の上の、前記ターミナルコンタクト領域と反対側の、前記第2の金属層を囲むシリコン層とを含むことができる。
【0018】
前記エピタキシャル半導体層は、エピタキシャルシリコンカーバイド層を含むことができ、このエピタキシャルシリコンカーバイド層は、約1200Å(120nm)から約1800Å(180nm)の範囲内の厚さを有することができる。前記第1の導電タイプをnタイプとし、前記第2の導電タイプをpタイプとすることができる。前記エピタキシャル半導体層の前記ウェル領域の外側の部分は、第1のドーパント濃度での前記第1の導電タイプを有し、前記ターミナルコンタクト領域は、第2のドーパント濃度での前記第1の導電タイプを有し、前記第2のドーパント濃度は、前記第1のドーパント濃度よりも、少なくとも2桁高くすることができる。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態によれば、半導体デバイスを形成する方法は、第1の導電タイプの半導体層内に上記第1の導電タイプのターミナル領域を形成するステップと、前記半導体層内に第2の導電タイプのウェル領域を形成するステップとを含むことができる。前記ウェル領域は、前記半導体層内の前記ターミナル領域の少なくとも一部に隣接してよく、前記半導体層内への前記ウェル領域の深さは、前記半導体層内への前記ターミナル領域の深さよりも深くすることができ、前記第1と第2の導電タイプは異なっていてよい。前記ターミナル領域および前記ウェル領域を含む前記半導体層上にエピタキシャル半導体層を形成でき、前記エピタキシャル半導体層は、内部に前記第1の導電タイプのターミナルコンタクト領域を含み、前記ターミナルコンタクト領域は、前記ターミナル領域との電気的な接触を設けることができる。さらに、前記ターミナルコンタクト領域上にオーミックコンタクトを形成してよい。
【0020】
前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジは、前記ターミナル領域の周辺部まわりにて、前記ターミナル領域の外側エッジから後退させることができる。より詳細には、前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジを、前記ターミナル領域の外側エッジから少なくとも約0.1μmだけ後退させることができる。
【0021】
前記ターミナル領域と前記ウェル領域の外周部との間の、前記半導体層の表面に隣接する前記ウェル領域の部分がチャンネルを定めることができ、前記エピタキシャル半導体層上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート絶縁層を形成でき、前記ゲート絶縁層の上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート電極を形成できる。前記オーミックコンタクトは、前記ターミナルコンタクト領域の上の金属層を含むことができる。前記ターミナルコンタクト領域の中心部および前記ターミナル領域の中心部を通して、前記第2の導電タイプのウェルコンタクト領域を、前記ウェル領域との電気的な接触を設けるよう、形成できる。前記エピタキシャル半導体層は、エピタキシャルシリコンカーバイド層を含むことができ、このエピタキシャルシリコンカーバイド層は、約1200Å(120nm)から約1800Å(180nm)の範囲内の厚さを有することができる。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態によれば、半導体デバイスを形成する方法は、第1の導電タイプの半導体層を設けるステップを含むことができる。前記半導体層は、この半導体層内に第1の導電タイプのターミナル領域およびこの半導体層内に第2の導電タイプのウェル領域を含むことができ、前記ウェル領域は、前記半導体層内の前記ターミナル領域の少なくとも一部に隣接し得る。前記半導体層内への前記ウェル領域の深さは、前記半導体層内への前記ターミナル領域の深さよりも深くでき、前記第1と第2の導電タイプは異なっていてよい。前記半導体層上にエピタキシャル半導体層を形成でき、前記エピタキシャル層を通して前記第1の導電タイプのターミナルコンタクト領域を、前記ターミナル領域との電気的な接触を設けるよう、形成してよい。さらに、前記ターミナルコンタクト領域上にオーミックコンタクトを形成できる。
【0023】
前記ターミナル領域と前記ウェル領域の外周部との間の、前記半導体層の表面に隣接する前記ウェル領域の部分がチャンネルを定めることができ、前記エピタキシャル半導体層上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート絶縁層を形成でき、前記ゲート絶縁層の上に、前記チャンネルと反対側に、ゲート電極を形成できる。さらに、前記エピタキシャル半導体層は、エピタキシャルシリコンカーバイド層を含むことができる。
【0024】
前記エピタキシャル半導体層を形成するステップは、第1のドーパント濃度で前記第1の導電タイプを有する前記エピタキシャル半導体層を形成するステップを含むことができ、前記ターミナルコンタクト領域を形成するステップは、第2のドーパント濃度で前記第1の導電タイプを有する前記ターミナルコンタクト領域を形成するステップを含むことができ、前記第2のドーパント濃度は、前記第1のドーパント濃度よりも、少なくとも2桁高くできる。前記ターミナルコンタクト領域の外側エッジは、前記ターミナル領域の周辺部まわりにて、前記ターミナル領域の外側エッジから後退させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
さまざまな実施形態を示す添付図面を参照して、本発明についてさらに完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式で実施することが可能であり、ここに提示されている実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例はこの開示が十分でかつ完全となり、本発明の範囲を当業者に完全に伝達するために提供されている。図中において、大きさ、および層や領域の相対的な大きさは、明確にするために強調されていることがある。全体を通して同じ構成要素には同じ番号が付けられている。
【0027】
ここで使用されている用語は特定の実施例を説明する目的にのみ使用されており、本発明を制限することを意図していない。ここで使用されているように、単数形の「1つ」(a、an)および「その」(the)は、文脈により明確に表れていない限り、複数形も同様に含むことを意図している。さらに、「備えている」(comprising)、「含んでいる」(including)、「有している」(having)、およびこれらの変形の用語は、本明細書で使用される場合、言及されている機能、ステップ、操作、構成要素、および/または構成部品が存在することを示しているが、1つまたは複数のその他の機能、ステップ、操作、構成要素、構成部品、および/またはそれらのグループの存在または付加を除外するものではない事は理解されよう。対照的に、「のみからなる」(consisting of)の用語は、本明細書で使用される場合、言及されている機能、ステップ、操作、構成要素、および/または構成部品を特定し、かつ、その他の機能、ステップ、操作、構成要素、および/または構成部品を除外する。
【0028】
層、領域、または基板のようなある構成要素が他の構成要素の「上(on)」にあるとき、これはその他の構成要素の上に直接載っていることも可能であるし、または間に介在する構成要素があってもかまわないことは理解されよう。さらに、「下に(beneath)」あるいは「上に横たわっている(overlies)」のような相対的な用語は、ある層あるいは領域の、別の層あるいは領域に対する、図に示されているような基板あるいは下地層との相対的な関係を記述している場合がある。これらの用語は、図に示されている方向に加えて、デバイスの異なる方向をも包含する意図があると理解されよう。最後に、「直接に(directly)」の用語は、介在する構成要素が存在しないことを意味する。ここで使用されているように、用語「および/または(and/or)」は、関連して列挙されている1つまたは複数の項目のいずれかおよび全ての組み合わせを含み、「/」と簡略されることがある。
【0029】
ここでは種々の構成要素、構成部品、領域、層、および/または部分を記述するために第1、第2などの用語が使用されているが、これらの構成要素、構成部品、領域、層、および/または部分はこれらの用語で制限されるべきではないことは理解されよう。これらの用語は、1つの構成要素、構成部品、領域、層、または部分を、他の領域、層、または部分から区別するためにのみ使用されている。したがって、以下で議論されている第1の構成要素、構成部品、領域、層、または部分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の構成要素、構成部品、領域、層、または部分と呼ぶことが可能である。
【0030】
本発明の理想化された実施形態の略図である断面図および/または他の図を参照して、本発明の実施形態についてここで説明する。このように、例えば製造技術および/または許容誤差の結果としての図の形状からのずれを予想すべきである。したがって、本発明の実施形態は、ここに示された領域の特定形状だけに限定されるものとみなすべきでなく、例えば製造の結果生じる形状のずれも含むべきものである。例えば、四角形として示されるかまたは記述される領域は、通常の製造公差によって、丸くなるか、または曲がった特徴を一般に有する。したがって、図に示された領域は、もともと略図であり、それらの形状は、デバイスの領域の精密な形状を示す意図ではなく、ここに特に明記しない限り、本発明の範囲を限定する意図ではない。
【0031】
ここで異なるように定義されない限り、ここで使用される(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、本発明が属する技術の通常の技量を有する者によって共通して理解される意味と同じ意味を有する。共通して使用される辞書に定義されているような用語は、対応する技術および本明細書の文脈における意味と一貫性のある意味を有するものと解釈すべきであり、特にここで明示的に定義しない限り、理想化されたか、または過度に形式的な意味で解釈すべきでない。
【0032】
図4Aは、本発明の一部の実施形態に係るDMOSFET(二重拡散金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を示す断面図であり、
図4Bは、
図4Aの断面図が
図4Bの切断線4−4’に沿ったものとなるような平面図である。図示するように、
図4Aおよび4BのDMOSFETは、第1の導電タイプ(例えばnタイプの導電性)を有する半導体層101(例えば、シリコンカーバイド層および/または基板)と、対向する表面103および105を含むことができる。半導体層101の表面103の上/内部に、第1の導電タイプのソース/ドレインターミナル領域107を形成してもよく、第2の導電タイプ(例えばpタイプの導電性)のウェル領域109を、ウェル領域109が半導体層101の表面103においてソース/ドレインターミナル領域107をそれぞれ囲むように、半導体層101の表面103の上/内部に、形成してもよい。図示するように、半導体層101内へのウェル領域109の深さを、半導体層101内へのソース/ドレインターミナル領域107の深さよりも深くしてもよく、第1の導電タイプと第2の導電タイプとは異なっている。例えば層101内へのソース/ドレインターミナル領域107の深さを、約2000Å(200nm)またはそれ以下としてよい。
【0033】
ソース/ドレインターミナル領域107とウェル領域109とを含む半導体層101の表面103上にエピタキシャル半導体層111(例えばエピタキシャルシリコンカーバイド層)を設けてもよい。さらに、エピタキシャル半導体層111は、この層を貫通する第1の導電タイプのソース/ドレインターミナルコンタクト領域115を含んでもよく、ターミナルコンタクト領域115は、ソース/ドレインターミナル領域107と電気的な接触を提供することができる。ソース/ドレインターミナル領域107の周辺にて、ソース/ドレインターミナル領域107の外側エッジからターミナルコンタクト領域115の外側エッジを後退させてもよい。さらに、ターミナルコンタクト領域115の上にオーミックコンタクト117(例えば金属コンタクト)を設けてもよく、エピタキシャル半導体層111の上にゲート絶縁層119(例えばシリコン酸化膜)を設けてもよく、ゲート絶縁層119の上にゲート電極121(例えば縮退的にドープされたポリシリコンゲート電極)を設けてもよい。したがって、半導体層101の表面103に隣接するウェル領域109の、ソース/ドレインターミナル領域107とウェル領域109の外周の間の部分が、DMOSFETデバイスのチャンネルを構成することができる。
【0034】
図4Aおよび4Bにさらに示されるように、層101の両側にあるオーミックコンタクト117と123との間に電流が流れるように縦型トランジスタ構造を定めるよう、半導体層101の表面105上にオーミックコンタクト123を設けてもよい。さらに、オーミックコンタクト117とウェル領域109との間に電気的な接触を提供するように、ターミナルコンタクト領域115の中心部とソース/ドレインターミナル領域107の中心部とを貫通して、第2の導電タイプのウェルコンタクト領域125を設けてもよい。したがって、オーミックコンタクト117が、反対の導電タイプの、ターミナルコンタクト領域115とウェルコンタクト領域125とのオーミック接触を提供するように構成してよい。
【0035】
図4Cに示されるように、例えばオーミックコンタクト117は、第1の導電タイプのターミナルコンタクト領域115の部分の上、および第2の導電タイプのウェルコンタクト領域125の上に、金属層117a(例えばニッケル層)を含むことができる。nタイプのターミナルコンタクト領域115については、ターミナルコンタクト領域115と反対側の、金属層117aの部分の上に、半導体層117b(例えばシリコン層)を設けてもよい。pタイプのウェルコンタクト領域125については、金属層117aおよび117cが異なる金属を備えるように、ウェル領域125と反対側の、金属層117aの部分の上に、金属層117c(例えばアルミ層)を設けてもよい。
図4Cのオーミックコンタクト構造が例として設けられているが、本発明の他の実施形態においては、別のオーミックコンタクト合金部および/または構造を使用してもよい。
【0036】
図4Aおよび4BのDMOSFETでは、ターミナル領域107とウェル領域109の外周部との間の半導体層101の表面103に隣接するウェル領域109の部分によって、ゲート電極121によって導電度を制御できるチャンネルを定めることができる。したがって、DMOSFETがオン状態になると、ターミナルコンタクト領域115、ターミナル領域107、ウェル領域109のチャンネル、エピタキシャル半導体層111、および層101を通って、オーミックコンタクト117と123との間で電流が流れることができる。エピタキシャル半導体層111は、エピタキシャル半導体層111が第1の導電タイプである場合でも、DMOSFETがターンオフされたとき(例えばゲート電極121にゼロ電圧ゲートバイアスが印加されたとき)、ウェル領域109に隣接するその部分が完全にキャリアの空乏状態となり得るよう、十分薄くできる。とりわけ、ゲート電極121から生じる電界がない場合に、ウェル領域109に隣接する(第1の導電タイプの)エピタキシャル半導体層111の部分が空乏状態となるよう、第2の導電タイプのウェル領域109のドーパント濃度を十分高くすることができる。したがって、エピタキシャル半導体層111は、これに隣接するウェル領域109の部分からキャリア(例えば電子)の流れを隔離する比較的高品位の導電チャンネルを提供することができる。
【0037】
図4Aにさらに示されるように、半導体層101の表面103に対して平行な方向に、ターミナル領域107の外側エッジからターミナルコンタクト領域115の外側エッジを後退させてもよい。これにより、デバイスがターンオフされるときに、チャンネルのまわり/チャンネルを通るブレークダウンの可能性を低くすることができる。ターミナルコンタクト領域115の外側エッジはターミナル領域107の外側エッジから少なくとも約0.1μm後退させることができ、特に、ターミナル領域107の外側エッジに対するターミナルコンタクト領域115の外側エッジの後退を少なくとも約0.2μm、さらにとりわけ少なくとも約0.4μmとしてよい。例えば、ターミナルコンタクト領域115の外側エッジをターミナル領域の外側エッジに対して約0.4μmから約0.5μmの範囲内で後退させることができる。
【0038】
層101をnタイプの導電性のシリコンカーバイド(SiC)層および/または基板とし、エピタキシャル半導体層111をnタイプの導電性のエピタキシャルシリコンカーバイド層としてよい。とりわけ、エピタキシャル半導体層111を約1200Å(120nm)から約1800Å(180nm)の範囲内の厚さ、さらにとりわけ、約1400Å(140nm)から約1600Å(160nm)の範囲内の厚さのエピタキシャルシリコンカーバイド層とすることができる。例えばエピタキシャル半導体層111を約1500Å(150nm)の厚さを有するエピタキシャルシリコンカーバイド層とすることができる。ここで用いられるように、エピタキシャルなる用語は、その上にエピタキシャル層が形成される、下に横たわっている半導体層/基板の結晶格子構造と実質的に適合した結晶格子構造を有する、実質的に単結晶の結晶半導体層を意味する。
【0039】
本発明の一部の実施例によれば、層101をシリコンカーバイド層および/または基板とし、エピタキシャル半導体層111をシリコンカーバイド層とし、(ソース/ドレインターミナル領域107、ターミナルコンタクト領域115、層101、およびエピタキシャル層111の)第1の導電タイプをnタイプとし、(ウェル領域109およびウェルコンタクト領域125の)第2の導電タイプをpタイプとしてよい。したがって、
図4Aおよび4BのDMOSFETをシリコンカーバイドのnチャンネルDMOSFETとしてよい。さらに、ウェル領域109の外側のエピタキシャル半導体層111の部分は、第1のドーパント濃度の第1の導電タイプ(例えばnタイプ)を有することができ、エピタキシャル層111を貫通するターミナルコンタクト領域115は、第2のドーパント濃度の第1の導電タイプ(例えばnタイプ)を有することができ、この場合、第2のドーパント濃度は、第1のドーパント濃度よりも少なくとも2桁高くすることができる。
【0040】
nチャンネルデバイスでは、ソース/ドレインターミナル領域107、ターミナルコンタクト領域115、層101、およびエピタキシャル半導体層111を、周期律表のV列(Column V)からのnタイプの元素(例えば窒素、リンなど)でドープしてよく、ウェル領域109およびウェルコンタクト領域125を周期律表のIII列(Column III)からのpタイプの元素(例えばホウ素、アルミなど)でドープしてよい。さらに、ソース/ドレインターミナル領域107とウェル領域109の下方エッジの間に、第2の導電タイプ(例えばpタイプ)の随意の高濃度にドープされた領域129を設けてもよい。高濃度にドープされた領域129のドーパント濃度は、ウェル領域109のドーパント濃度よりもかなり高く(例えば少なくとも2桁高い濃度に)することができる。同様に、ウェルコンタクト領域125のドーパント濃度をウェル領域109のドーパント濃度よりもかなり高く(例えば少なくとも2桁高い濃度に)してよい。さらに、ターミナルコンタクト領域115のドーパント濃度を、(コンタクト領域125および117の外部の)ソース/ドレインターミナル領域107および/またはエピタキシャル半導体層111のドーパント濃度よりもかなり高く(例えば少なくとも2桁高い濃度に)してよい。例えば、ウェル領域109から離間したエピタキシャル半導体層111の部分は約1×10
17cm
−3以下(例えば約3×10
16cm
−3)のドーパント濃度を有することができ、(エピタキシャル半導体層111を貫通する)ターミナルコンタクト領域115は、約1×10
19cm
−3以上のドーパント濃度を有することができる。さらに、ウェル領域109から離間したエピタキシャル半導体層111の部分は、半導体層101のドーパント濃度よりも高いドーパント濃度を有することができる。例えばエピタキシャル半導体層111は、半導体層101のドーパント濃度の少なくとも約5倍の高さのドーパント濃度、とりわけ、半導体層101のドーパント濃度よりも少なくとも約1桁高いドーパント濃度を有することができる。
【0041】
図4Aに示されるように、ターミナルコンタクト領域115およびウェルコンタクト領域125は、エピタキシャル半導体層111を越え、層101のウェル領域109および/またはソース/ドレインターミナル領域107の中に伸びていてもよい。点線により、ターミナルコンタクト領域115およびウェルコンタクト領域125の、エピタキシャル半導体層111内および層101のウェル領域109および/またはソース/ドレインターミナル領域107内の部分が示されている。
【0042】
次に、
図1A、2、3A、および4Aの断面によって、さらに
図1B、3B、および4Bの対応する平面図によって、本発明の一部の実施形態に係るシリコンカーバイドDMOSFETのような半導体デバイスを形成する作業について説明する。
図1Aおよび1Bに示されるように、第1の導電タイプ(例えばnタイプ)のソース/ドレインターミナル領域107、第2ドレインタイプ(例えばpタイプ)の埋設領域129、および第2の導電タイプ(例えばpタイプ)のウェル領域109を、第1の導電タイプ(例えばnタイプ)の単結晶半導体層101(例えばシリコンカーバイド層および/または基板)の表面103内に注入することができる。とりわけ、逆の導電タイプのソース/ドレインターミナル領域107および埋設領域129に注入を行うために、表面103の部分を選択的に露出させるのに、ソース/ドレイン注入マスクを使用できる。例えばこのソース/ドレイン注入マスクは、ソース/ドレインターミナル領域107を形成すべき部分を除いた表面103のすべての部分を覆うことができる。例えば、係るソース/ドレイン注入マスクは、107と表示された部分を露出させながら、103および109と表示された
図1Bの部分を覆うことになる。例えばウェル領域109の外側の半導体層101の部分は、約1×10
16cm
−3未満、特に、約5×10
15cm
−3未満、さらにとりわけ、約5×10
14cm
−3未満のドーパント濃度を有することができる。
【0043】
同じ注入マスクを使用し、ターミナル領域107および埋設領域129の異なる深さに注入を行うのに、異なる注入エネルギーを使用できる。例えばリュウ(Ryu)に付与された米国特許の特許文献2には、nタイプのソース領域とpタイプの埋設領域とを形成することが記載されている。注入することについては、さらに、非特許文献14に論じられている。上記参考文献の開示内容全体を、参照により、ここに援用する。
【0044】
ソース/ドレインターミナル領域107および埋設領域129を形成した後に、(第2のフォトリソグラフィパターニングを必要としない)時間エッチングをソース/ドレイン注入マスクに施し、前もってソース/ドレインターミナル領域のために定めていた開口部を広くすることができる。これにより、結果としてのウェル注入マスクは、107および109と表示された部分を露出させながら、103と表示された
図1Bの部分を覆うように(ソース/ドレイン注入マスクに対して)広げられた開口部を有することができる。このようにして、ソース/ドレインターミナル領域107を囲むウェル領域109に注入を行うのに、ウェル注入マスクを使用でき、ウェル注入マスクを通して第2の導電タイプのドーパントを層101内に注入することにより、ウェル領域109を形成できる。ソース/ドレインターミナル領域107内に第2の導電タイプのドーパントを注入することになるかもしれないが、ソース/ドレインターミナル領域107内の第1の導電タイプのドーパント濃度は十分高いので、第1の導電タイプをソース/ドレインターミナル領域107内に維持することができる。したがって、ソース/ドレイン注入マスクに対してウェル注入マスクを自己整合でき、よって同じマスク層を使用し、1回だけのフォトリソグラフィパターニング作業を使用するだけで、双方のマスクを設けることができる。自己整合されたソースおよびウェル領域の形成が例えば特許文献2に記載されており、この米国特許の開示内容全体を、参照により、ここに援用する。
【0045】
ソース/ドレインターミナル領域107、埋設領域129、およびウェル領域109が一旦注入されると、ウェル注入マスクを除くことができ、注入されたドーパントを活性化し、および/または層101の表面103における注入損傷をアニールするために熱アニールを実行することができる。あるいは、その後の熱的作業(例えばエピタキシャル半導体層の成長)により十分なアニーリングを行うことができ、別の熱アニールが不要となるかもしれない。
【0046】
周期律表のV列からのnタイプの元素(例えば窒素、リンなど)を、ソース/ドレインターミナル107および層101にドープし、周期律表のIII列からのpタイプの元素(例えばホウ素、アルミなど)を、ウェル領域109および埋設領域129にドープしてよい。層101の表面103における結晶の損傷を低減するために、例えばソース/ドレインターミナル領域107に窒素をドープし、埋設領域129およびウェル領域109にアルミをドープすることができる。
【0047】
図2に示されるように、ソース/ドレインターミナル領域107とウェル領域109とを含む層101の表面103の上に(例えば化学的気相法を使って)比較的薄いエピタキシャル半導体層111(例えばシリコンカーバイド層)を形成できる。エピタキシャル半導体層111は、例えば、約1200Å(120nm)から約1800Å(180nm)の範囲内にある厚さを有することができ、より詳細には、エピタキシャル半導体層は、約1400Å(140nm)から約1600Å(160nm)の範囲内の厚さを有することができる。エピタキシャル半導体層111は、例えば、約1×10
17cm
−3未満のドーパント濃度を有するnタイプの導電性を有することができる。このエピタキシャル半導体層111は、例えば、約1500Å(150nm)の厚さと、約3×10
16cm
−3のドーパント濃度を有する、窒素をドープされたエピタキシャルシリコンカーバイド層として形成できる。上記のように、エピタキシャル半導体層111は、この層に隣接するウェル領域109の部分からキャリア(電子)の流れを隔離する比較的高品位の導電チャンネルを提供できる。したがって、エピタキシャル半導体層111は、(ウェル領域109の外部の)半導体層101の部分のドーパント濃度の少なくとも約5倍の大きさのドーパント濃度、とりわけ(ウェル領域109の外部の)半導体層101の部分のドーパント濃度よりも少なくとも約1桁高いドーパント濃度を有することができる。
【0048】
図3Aおよび3Bに示されるように、第1の導電タイプ(例えば、nタイプ)のターミナルコンタクト領域115および第2の導電タイプ(pタイプ)のウェルコンタクト領域125を、エピタキシャル半導体層111を通して注入し、ソース/ドレインターミナル領域107およびウェル領域109とそれぞれ電気的な接触を供給されるようにしてもよい。ターミナルコンタクト領域115に、周期律表のV列から選択された元素(例えば窒素、リンなど)をドープすることができ、ウェルコンタクト領域125に周期律表のIII列から選択された元素(例えばホウ素、アルミなど)をドープできる。とりわけ、抵抗を小さくし、および/またはその後形成される金属層との接触を向上させるために、ターミナルコンタクト領域115にリンをドープすることができる。さらに、ターミナルコンタクト領域115のドーパント濃度を、ターミナル領域107および/またはエピタキシャル半導体層111のドーパント濃度よりも著しく高く(例えば2桁高く)することができ、ウェルコンタクト領域125のドーパント濃度をウェル領域109のドーパント濃度よりも著しく高く(例えば2桁高く)できる。
【0049】
このようにして、注入されたコンタクト領域115および125は、ソース/ドレインターミナル領域107およびウェル領域109を露出させるようにエピタキシャル半導体層111の部分を除去する代わりに、エピタキシャル半導体層111を介して電気的な接触を提供することができる。したがって、(制御が困難となり得る)エピタキシャル半導体層111をエッチングする作業を省略でき、および/またはソース/ドレインターミナル領域107および/またはウェル領域109との改良された電気的接触を設けることができる。
【0050】
図3Aにさらに示されるように、ターミナルコンタクト領域115の外側エッジを、ソース/ドレインターミナル領域107の周辺部のまわりにて、ソース/ドレインターミナル領域107の外側エッジから距離dだけ後退させてよい。ターミナルコンタクト領域115の外側エッジを、例えば、ターミナル領域107の外側エッジから(層101の表面103に対して平行な方向に)少なくとも約0.1μmの距離dだけ、特に、少なくとも約0.2μmの距離dだけ、さらにとりわけ、少なくとも約0.4μmの距離dだけ後退させてよい。例えば、ターミナルコンタクト領域115の外側エッジをターミナル領域107の外側エッジに対して約0.4μmから約0.5μmの範囲内にある距離dだけ後退させてよい。十分な後退を設けることにより、比較的高濃度にドープされたターミナルコンタクト領域115とチャンネル領域との間の距離dを広げ、よってトランジスタの性能を改善できる。
【0051】
トランジスタの活性接合領域を設けるのに、ターミナルコンタクト領域115を使用していないので、結晶の破壊の懸念が低減されている。したがって、リンが他のnタイプのドーパントよりも大きな結晶破壊を生じさせる可能性がある場合でも、リンのような元素により、ターミナルコンタクト領域115に比較的高いドーパント濃度で注入し、低抵抗および/または改善されたオーミックコンタクトを設けることができる。ターミナルコンタクト領域115およびウェルコンタクト領域125の注入を行った後で、コンタクト領域115および125のドーパントを活性化するのに、第2の熱アニールを実行してもよい。
【0052】
次に、
図4A、4B、および4Cに示されるように、ゲート絶縁層119、ゲート電極121、およびオーミックコンタクト117および123を形成してよい。ゲート絶縁層119をシリコン酸化膜とし、ゲート電極121を縮退的にドープされたポリシリコンの層とすることができる。上述のように、各オーミックコンタクト117は、金属層117a(例えばニッケル層)と、ターミナルコンタクト領域115と反対側の金属層117aの部分の上のドープされたシリコン層117bと、金属層117c(例えばアルミ層)とを含むことができる。オーミックコンタクト123を層101の表面105上の金属層とすることができる。
図4Aには示されていないが、層101は、オーミックコンタクト123との電気的接触を改善するために、表面105に隣接する第1の導電タイプの比較的高濃度にドープされた領域を含むことができる。ゲート絶縁層、ゲート電極、および/またはオーミックコンタクトを形成する作業は、例えば、特許文献2、リュウ(Ryu)に付与された米国特許の特許文献3、リュウ(Ryu)他に付与された米国特許の特許文献4、リュウ(Ryu)他に付与された米国特許の特許文献5に記載されている。上記に参考とした特許の各々の開示全体を、参照により、ここで援用する。
【0053】
エピタキシャルシリコンカーバイド層111を通した注入を使用し、比較的高いドーパント濃度のターミナルコンタクト領域115およびウェルコンタクト領域125を形成することにより、エピタキシャルシリコンカーバイド層111のエッチング/パターニングを必要とすることなく、著しい処理コスト/複雑性を増すことなく、オーミックコンタクト117との改善された電気的接続を設けることができる。さらに、(例えば酸化中の消費、エピタキシャル層の除去中の消費などに起因する)ソース/ドレインターミナル領域の望ましくない消失/厚さの減少を低減/解消できるので、下に横たわっているソース/ドレインターミナルおよび/またはウェル領域を露出するためにエピタキシャルシリコンカーバイド層をエッチング/パターニングする構造と比較して、プロセスの再現性および/またはデバイス性能を改善することができる。
【0054】
上述のように、本発明の一部の実施形態によれば、シリコンカーバイドDMOSFETを提供できる。しかしながら、本発明の他の実施形態に係る他の電子デバイス構造に、エピタキシャル層を通して高濃度にドープされたターミナルコンタクト領域を使用してもよい。例えば、表面105に隣接する、層101のコレクター領域を追加することにより、
図4A〜Cの構造を絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)として実現してよい。より詳細には、第1の導電タイプ(例えばnタイプ)のターミナル領域107により、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のエミッタ領域を提供することができ、第2の導電タイプ(例えばpタイプ)を有する、表面105に隣接する、層101の高濃度にドープされた部分によって、IGBTのコレクター領域を提供することができる。IGBTの構造は、例えば、チャン(Zhang)他の米国特許出願による特許文献6で論じられている。より一般的には、上述のように電気的接触をしているターミナルコンタクト領域を有するエピタキシャル半導体層の下に埋め込まれたターミナル領域は、任意の半導体電子デバイスのターミナル領域として実現できる。例えば、ターミナル領域107をバイポーラ接合トランジスタ(BJT)のベース、エミッタ、またはコレクターとすることができ、ターミナル領域107をIGBTのエミッタまたはコレクターとすることができ、ターミナル領域107を金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のソースまたはドレインとすることができ、ターミナル領域107をダイオードのアノードまたはカソードとすることができ、ターミナル領域107をゲートターンオフ(GTO)サイリスタのアノード、カソード、またはゲートとすることができる、等々である。
図4Aのデバイスは、ターミナル領域107がnタイプのソース領域となるように、例えばnタイプのDMOSFETとして実現してよい。
【0055】
さらに、例えばnチャンネルデバイスについて論じたが、本発明の別の実施形態によれば、他のタイプのデバイスにも実施できる。例えば、本発明の別の実施形態によれば、上述の異なる半導体領域、層、コンタクト、および基板の導電タイプを反転することにより、pチャンネルのデバイスを設けることができる。上述のように、半導体層101、ソース/ドレインターミナル領域107、ソース/ドレインターミナルコンタクト領域115、およびエピタキシャル層111が、nタイプの導電性を有するように、nタイプとして第1の導電タイプを設け、ウェル領域109およびウェル領域コンタクト125がpタイプの導電性を有するように、pタイプとして第2の導電タイプを設けることにより、nチャンネルのDMOSFETを設けることができる。本発明の別の実施形態によれば、上述のように、半導体層101、ソース/ドレインターミナル領域107、ソース/ドレインターミナルコンタクト領域115、およびエピタキシャル層111が、pタイプの導電性を有するように、pタイプとして第1の導電タイプを設け、ウェル領域109およびウェル領域コンタクト125がnタイプの導電性を有するように、nタイプとして第2の導電タイプを設けることにより、pチャンネルのDMOSFETを設けることができる。加えて、本発明のさらに別の実施形態によれば、nチャンネルの、およびpチャンネルのIGBTを設けることができる。
【0056】
以上で、例としてシリコンカーバイドの層/基板およびシリコンカーバイドのエピタキシャル層について論じたが、本発明の別の実施形態によれば、他の半導体材料(例えばシリコン、窒化ガリウム、ガリウムヒ素など)を使用してもよい。加えて、本発明のさらに別の実施形態によれば、半導体層101の同じ表面上にすべてのターミナル領域およびコンタクトを設けることにより、水平デバイスを設けることができる。
【0057】
図および明細書において本発明の実施形態について開示した。特定の用語を使用したが、これら用語は、包括的でかつ説明のためにのみ使用したものであって限定することを意図としたものではなく、発明の範囲は、以下の請求項に記載されている。