【実施例】
【0041】
以下の実施例において、反応原料の粘度は、25℃においてオストワルド粘度計にて測定した値、得られたオルガノポリシロキサン化合物の粘度は25℃において回転粘度計にて測定した値を、不揮発分は105℃,3時間の条件に曝した後の質量変化から算出した値を示したものである。また、得られたオルガノポリシロキサン化合物の色調外観を目視にて確認した。得られた光硬化性と室温硬化性を備えたオルガノポリシロキサン化合物の光硬化性を確認する方法は、光硬化性と室温硬化性を備えたオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対し、ジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)2質量部を加えて混合した後、紫外線照射装置・ASE−20(日本電池(株)製商品名)を用いて、紫外線を1m/minのスピードで3回照射(照射エネルギー量は約1,500mJ/cm
2)させた後、JIS K6249に準じてゴム硬度の測定を行った。また、得られた光硬化性と室温硬化性を備えたオルガノポリシロキサン化合物の縮合硬化性を確認する方法は、密閉条件下にて光硬化性と室温硬化性を備えたオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対し、ジブチル錫ジメトキサイド0.1質量部を加えて混合した後、空気中に放置し、JIS A5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定した。使用可能な範囲は紫外線照射後の硬度をデュロメーターAで10以上、タックフリータイムを30分間以下と定めて評価を行った。
【0042】
[実施例1]
(A)成分として25℃の粘度が12mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8010、信越化学工業(株)製、式(1)においてR
1=メチル基、R=プロピレン基。nは平均で14)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)16.4質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)23.8質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(1)を得た(以下、ポリシロキサン(1)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0043】
[実施例2]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製、式(1)においてR
1=メチル基、R=プロピレン基。nは平均で60)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)3.2質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)4.7質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(2)を得た(以下、ポリシロキサン(2)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0044】
[実施例3]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、(B)成分である分子内に2つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズBEI、昭和電工(株)製)5.4質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)4.7質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(3)を得た(以下、ポリシロキサン(3)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0045】
[実施例4]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)2.6質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)5.6質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(4)を得た(以下、ポリシロキサン(4)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=0.67である。
【0046】
[実施例5]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)3.8質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)3.7質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(5)を得た(以下、ポリシロキサン(5)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.5である。
【0047】
[実施例6]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)2.6質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)3.8質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(6)を得た(以下、ポリシロキサン(6)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=0.81、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0048】
[実施例7]
(A)成分として25℃の粘度が90mm
2/sの両末端がアミノ基で封鎖されたオルガノポリシロキサン(商品名;KF−8012、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)4.7質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)7.0質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(7)を得た(以下、ポリシロキサン(7)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.48、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0049】
[比較例1]
実施例2において、(A)成分の代りに25℃の粘度が100mm
2/sの両末端が水酸基で封鎖されたオルガノポリシロキサン100質量部に変更し、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)3.4質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)4.8質量部とを予備混合した後に加え、室温で30分間撹拌し、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(8)を得た(以下、ポリシロキサン(8)とよぶ)。
上記(A)成分中の水酸基当量;P
OHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
OH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0050】
[比較例2]
実施例2において、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)を1.6質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)を2.4質量部に変更したほかは実施例2と同様にして、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(9)を得た(以下、ポリシロキサン(9)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=0.50、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=1.0である。
【0051】
[比較例3]
実施例2において、(B)成分である分子内に1つのアクリル基と分子内に1つのイソシアネート基を有する有機化合物(商品名;カレンズAOI、昭和電工(株)製)を2.0質量部と、(C)成分である3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−9007A、信越化学工業(株)製)を6.5質量部に変更したほかは実施例2と同様にして、目的とするオルガノポリシロキサン化合物(10)を得た(以下、ポリシロキサン(10)とよぶ)。
上記(A)成分中のアミノ基当量;P
NHと(B)成分及び(C)成分のイソシアネート基当量;P
NCOの比が(P
NCO/P
NH)=1.0、(B)成分と(C)成分のモル比率は[(B)成分/(C)成分]=0.45である。
【0052】
上記実施例及び比較例における試験結果について表1,2にまとめた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
また、実施例1,2及び比較例2,3により得られたオルガノポリシロキサン化合物の組成物化を以下の手順にて行った。
【0056】
[実施例8]
実施例1にて得られたポリシロキサン(1)140.2質量部に対し、(E)成分であるジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)0.3質量部、(F)成分であるジブチルスズジオクトエート0.2質量部、及び(D)成分であるビニルトリメトキシシラン4質量部を添加し、均一に混合してシロキサン組成物(a)を調製した。
【0057】
[実施例9]
実施例2にて得られたポリシロキサン(2)107.9質量部に対し、(E)成分であるジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)0.3質量部、(F)成分であるジブチルスズジオクトエート0.2質量部、及び(D)成分であるビニルトリメトキシシラン4質量部を添加し、均一に混合してシロキサン組成物(b)を調製した。
【0058】
[実施例10]
実施例2にて得られたポリシロキサン(2)107.9質量部に対し、(E)成分であるジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)0.3質量部、(F)成分であるビスマストリス(ネオデカノエート)0.3質量部、及び(D)成分であるビニルトリメトキシシラン4質量部を添加し、均一に混合してシロキサン組成物(c)を調製した。
【0059】
[比較例4]
比較例2にて得られたポリシロキサン(9)104質量部に対し、(E)成分であるジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)0.3質量部、(F)成分であるジブチルスズジオクトエート0.2質量部、及び(D)成分であるビニルトリメトキシシラン4質量部を添加し、均一に混合してシロキサン組成物(d)を調製した。
【0060】
[比較例5]
比較例3にて得られたポリシロキサン(10)108.5質量部に対し、(E)成分であるジエトキシアセトフェノン(光重合開始剤)0.3質量部、(F)成分であるジブチルスズジオクトエート0.2質量部、及び(D)成分であるビニルトリメトキシシラン4質量部を添加し、均一に混合してシロキサン組成物(e)を調製した。
【0061】
得られたシロキサン組成物(a)〜(e)に紫外線照射装置・ASE−20(日本電池(株)製商品名)を用いて、紫外線を1m/minのスピードで3回照射(照射エネルギー量は約1,500mJ/cm
2)し硬化させ(紫外線硬化)、更に23±2℃,50±5%RHの条件で7日間硬化を行い(RTV硬化)、ゴム物性をJIS K6249に準拠して測定した。また、未硬化状態での保存性を確認するために、上記の各未硬化物を70℃で7日間保存した後に同様の手法にて硬化させ、同様にゴム物性を測定した。また、得られたゴムに対し、各種耐久試験を行い、ゴム物性の確認を行った。耐久条件試験は下記に示す条件で行った。
耐熱試験;150℃×1,000時間
耐湿試験;85℃,85%RH×1,000時間
【0062】
上記の結果を表3に示す。
【0063】
【表3】