【文献】
Toru Nakamura, Ken Kiyono, Kazuhiro Yoshiuchi, Rika Nakahara, Zbigniew R. Struzik, and Yoshiharu Yamamoto,Universal Scaling law in human behavioral organization,Physical Review Letters,米国,2007年,Vol. 99,pages 138103-1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記ストレス状態推定装置が任意のタイミングにおける上記被験者のストレス状態を推定するとき、上記算出手段は、該任意のタイミングを含む所定時間内に上記測定手段が取得した上記体動データから中間データを算出し、
上記更新手段は、上記自覚ストレス状態データが入力されたタイミングを含む所定時間内に上記測定手段が取得した上記体動データから上記算出手段が算出した中間データ、および、上記自覚ストレス状態データの組を用いて、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を帰納的に求めることを特徴とする請求項1に記載のストレス状態推定装置。
上記算出手段は、上記体動データが上記被験者の活動または休息の何れを示しているかを、所定の閾値と上記体動データとを比較することによって判定し、判定結果に基づいて上記被験者の休息の長さおよび頻度を抽出することを特徴とする請求項3に記載のストレス状態推定装置。
上記算出手段は、上記被験者のある長さ以上の休息が生じる確率である休息時間頻度累積確率の対数を目的変数とし、当該ある長さの対数を説明変数とした一次の回帰直線を用いた回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾きに基づいて上記ストレス評価値データを算出することを特徴とする請求項5に記載のストレス状態推定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
被験者のストレス状態を体動データから推定することができれば、手軽にストレス状態を把握することができるため好ましい。しかしながら、体動データは、身長、体重などの身体的要素、および個人の動作上の癖、センサの装着状態などによって、大きな個人差を有するばかりでなく、また、同じ個人であっても、身長、体重の変化、または加齢に伴う筋肉の衰えなどによる、時系列上の変化も大きい。そのため、被験者のストレス状態を体動データから推定する技術において、体動データの個人差および個人内変化を考慮してストレス状態の推定を行うための技術が求められている。
【0010】
しかし、特許文献2に記載の技術は疲労度を推定する技術であり、また、上述したような体動データの個人差および個人内変化は考慮されていない。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被験者のストレス状態を体動データから推定する技術において、体動データの個人差および個人内変化を考慮してストレス状態の推定を行うための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るストレス状態推定装置は、上記課題を解決するために、被験者の体動を表す体動データから、該被験者のストレス状態を推定するストレス状態推定装置であって、該体動データを取得する取得手段と、該取得手段が取得した体動データから特徴量を抽出して中間データを算出する算出手段と、該算出手段が算出する中間データと、被験者のストレス状態との間の推定される対応関係を表す関係データを記憶する記憶手段と、該算出手段が算出する中間データから、該記憶手段に記憶されている該関係データを用いて該被験者のストレス状態を推定する推定手段と、該被験者が自覚するストレス状態を表す自覚ストレス状態データの入力を受け付ける入力手段と、該入力手段に該自覚ストレス状態データが入力されたとき、該算出手段が算出した中間データ、および、該入力手段に入力された自覚ストレス状態データの組を用いて、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を表すデータを帰納的に求めて、求めた該対応関係を表すデータを該関係データとして該記憶手段に記憶させる更新手段と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、上記ストレス状態推定装置は、体動データを取得し、取得した体動データから特徴量(例えば、被験者の休息時間の頻度の累積確率、体動データの平均値、標準偏差、歪度、尖度、分散等の統計量等)を抽出して中間データを算出し、中間データとストレス状態との推定される対応関係を表す関係データ(例えば、回帰直線または回帰曲線の係数、機械学習器の学習パラメータなど)を用いて、算出した該中間データから被験者のストレス状態を推定する。
【0013】
ここで、上記ストレス状態推定装置は、入力手段に自覚ストレス状態データが入力されたとき、算出した中間データと、入力された自覚ストレス状態データとの組を用いて、中間データと、自覚ストレス状態データとの間に存在する対応関係を帰納的に求める。帰納的に求める方法としては、例えば、回帰分析、教師あり機械学習等を用いることができる。その上で、求めた対応関係を、中間データとストレス状態との推定される対応関係として、上記関係データを更新する。
【0014】
このように、上記ストレス状態推定装置は、上記中間データと上記自覚ストレス状態データとの対応関係を帰納的に求め、当該対応関係を用いて体動データからストレス状態を推定する。上記中間データと上記ストレス状態との間の推定される対応関係は記憶手段に記憶されているので、自覚ストレス状態データの入力がないときでも、取得した体動データに基づいてストレス状態の推定を随時または連続的に行うことができる。さらに、上記中間データと上記自覚ストレス状態データとの対応関係は、被験者当人から随時取得されるため、体動データの個人差または個人内変化があったとしても、正確なストレス状態の推定を行うことができる。以上のように、上記ストレス状態推定装置によれば、体動データの個人差および個人内変化を考慮して被験者のストレス状態を推定することができる。
【0015】
なお、特許文献2には、問診の結果得られた実疲労レベル情報を、推定された疲労レベルを示す推定疲労レベル情報に対応づけることが記載されているが、そのように対応づけられた情報を、疲労レベルの推定時に用いることも記載されていない。また、特許文献2には、疲労レベルを求めるための演算式における係数や、疲労レベルを推定するためのアルゴリズムを、動的に較正・補正し、疲労レベルの推定精度を向上させることが記載されているが、非特許文献1〜2に挙げられるようなストレス状態と体動データの関連に関するエビデンスに基づいて当該係数およびアルゴリズムをどのように動的に較正・補正するかは記載されておらず、また、体動データの個人差および個人内変化を考慮することを目的とするものでもない。したがって、本発明は、特許文献2に記載の技術とは異なるものである。
【0016】
上記ストレス状態推定装置では、上記ストレス状態推定装置が任意のタイミングにおける上記被験者のストレス状態を推定するとき、上記算出手段は、該任意のタイミングを含む所定時間内に上記測定手段が取得した上記体動データから中間データを算出し、上記更新手段は、上記自覚ストレス状態データが入力されたタイミングを含む所定時間内に上記測定手段が取得した上記体動データから上記算出手段が算出した中間データ、および、上記自覚ストレス状態データの組を用いて、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を帰納的に求めるものであってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、被験者のストレス状態を首尾よく推定することができる。
【0018】
上記ストレス状態推定装置は、上記入力手段に上記自覚ストレス状態データが入力されたとき、上記中間データおよび上記自覚ストレス状態データの組を蓄積して記憶する蓄積手段をさらに備え、上記更新手段は、該蓄積手段に記憶されている上記中間データおよび上記自覚ストレス状態データの組に対して、上記自覚ストレス状態データを目的変数とし、上記中間データを説明変数とした回帰分析を行うことにより、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を表すデータを求めることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記関係データを回帰分析により首尾よく求めることができる。
【0020】
上記ストレス状態推定装置では、上記蓄積手段は、予め定められた期間を超えて記憶している上記中間データおよび上記自覚ストレス状態データの組を廃棄することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、直近の測定データに基づいて被験者のストレス状態を推定することができるので、被験者における体動データの傾向の個人内の変化の影響を排して、好適にストレス状態を推定することができる。
【0022】
上記ストレス状態推定装置では、上記更新手段は、教師有り機械学習を行う機械学習器を備え、上記関係データおよび上記対応関係を表すデータは、該機械学習器の学習パラメータであり、該機械学習器は、上記自覚ストレス状態データを教師データとし、上記中間データを入力データとして教師あり学習を行うことにより、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を表すデータを帰納的に求めるものであってもよい。
【0023】
上記の構成によれば、上記関係データを機械学習により首尾よく求めることができる。
【0024】
上記ストレス状態推定装置では、上記機械学習器は、多層パーセプトロンであることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、上記関係データを機械学習により首尾よく求めることができる。
【0026】
上記ストレス状態推定装置では、上記特徴量が、上記被験者の休息の長さおよび頻度であってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、非特許文献1に示されるように、被験者の休息の長さおよび頻度と、被験者のストレス状態との間には関連があるため、首尾よく被験者のストレス状態を推定することができる。
【0028】
上記ストレス状態推定装置では、上記算出手段は、上記体動データが上記被験者の活動または休息の何れを示しているかを、所定の閾値と上記体動データとを比較することによって判定し、判定結果に基づいて上記被験者の休息の長さおよび頻度を抽出することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、上記被験者の休息の長さおよび頻度を首尾よく抽出することができる。
【0030】
上記ストレス状態推定装置では、上記中間データが、上記被験者の休息の長さおよび頻度から算出されるストレス評価値データであってもよく、上記算出手段は、上記被験者のある長さ以上の休息が生じる確率である休息時間頻度累積確率の対数を目的変数とし、当該ある長さの対数を説明変数とした一次の回帰直線を用いた回帰分析を行い、得られた回帰直線の傾きに基づいて上記ストレス評価値データを算出するものであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、中間データとして上記のようなストレス評価値データを用いることにより、首尾よく被験者のストレス状態を推定することができる。
【0032】
上記ストレス状態推定装置では、上記特徴量が、上記体動データの2種類以上の統計量であってもよく、上記統計量が、平均値、標準偏差、歪度、尖度および分散からなる群より選ばれるものであってもよい。
【0033】
上記の構成によれば、非特許文献2に示されるように、被験者の体動データの統計量と、被験者のストレス状態との間には相関があるため、首尾よく被験者のストレス状態を推定することができる。
【0034】
上記ストレス状態推定装置は、上記体動データからトレンドを除去するトレンド除去手段を備え、上記算出手段は、上記体動データから1種類以上の統計量を抽出するとともに、該トレンド除去手段によってトレンドが除去された上記体動データから1種類以上の統計量を抽出するものであってもよい。
【0035】
上記の構成によれば、統計量の計算において体動データおよびトレンド除去体動データのどちらを使用するか、統計量ごとに選択することによって、より正確に被験者のストレス状態を推定することができる。
【0036】
上記ストレス状態推定装置は、上記体動データからトレンドを除去するトレンド除去手段を備え、上記算出手段は、該トレンド除去手段によってトレンドが除去された上記体動データから上記中間データを算出するものであってもよい。
【0037】
上記の構成によれば、トレンドを除去した体動データに基づいて中間データを算出することができるため、ストレス以外の要因に起因すると考えられるトレンドを排し、より正確にストレス状態を推定することができる。
【0038】
本発明に係るストレス状態推定方法は、記憶手段を備えたストレス状態推定装置が、被験者の体動に基づいて該被験者のストレス状態を推定するストレス状態推定方法であって、該被験者の体動を測定して、該体動を表す体動データを取得する測定工程と、該測定工程において取得した体動データから特徴量を抽出して中間データを算出する算出工程と、該算出工程において算出した中間データから、該記憶手段に記憶されている該中間データと被験者のストレス状態との間の推定される対応関係を表す関係データを用いて、該被験者のストレス状態を推定する推定工程と、該被験者が自覚するストレス状態を表す自覚ストレス状態データの入力を受け付ける入力工程と、該自覚ストレス状態データが入力されたとき、該中間データ、および、該自覚ストレス状態データの組を用いて、中間データと自覚ストレス状態データとの間の対応関係を表すデータを帰納的に求めて、求めた該対応関係を表すデータを該関係データとして該記憶手段に記憶させる更新工程と、を包含することを特徴としている。
【0039】
上記の方法によれば、本発明に係るストレス状態推定装置と同等の効果を奏する。
【0040】
また、本発明に係る装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータに上記の各装置の機能を実現させるプログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、被験者の体動データから、体動データの個人差および個人内変化を考慮して、被験者のストレス状態を連続的に推定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔第1の実施形態〕
まず、
図1〜
図6を参照して、本発明の一実施形態(第1の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)100について説明する。
【0044】
図1は、ストレス指数評価装置100の構成を示す機能ブロック図である。ストレス指数評価装置100は、ストレス評価部110、体動データ測定部(測定手段)11、自覚ストレス度入力部(入力手段)12、およびストレス指数出力部13を備えている。
【0045】
ストレス評価部110は、体動データ測定部11から被験者の体動を表す体動データを、自覚ストレス度入力部12から該被験者が自覚するストレス状態を表す自覚ストレス度データ(自覚ストレス状態データ)を取得して、これらに基づき被験者のストレス指数データ(ストレス状態推定結果)データを算出して、このストレス指数データをストレス指数出力部13に出力するためのものである。
【0046】
ストレス評価部110は、体動データ取得部20、活動状態判定演算処理部(算出手段)21、休息時間頻度累積確率演算処理部(算出手段)22、ストレス評価値演算処理部(算出手段)23、自覚ストレス度データ取得部24、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部(更新手段)25、ストレス指数演算処理部(推定手段)26、ストレス指数出力部27、体動データ記憶部40、活動状態判定データ記憶部41、休息時間頻度累積確率データ記憶部42、ストレス評価値データ記憶部(蓄積手段)43、自覚ストレス度データ記憶部(蓄積手段)44、ストレス指数演算用パラメータ記憶部(記憶手段)45、およびストレス指数データ記憶部46を備えている。
【0047】
体動データ測定部11は、被験者の体動データを測定して採取するためのものである。体動データとは、体動の大小を表現した時系列データである。体動データ測定部11は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、または測位装置を備え、被験者の体の1または複数箇所に装着され、装着部分の活動(体動)を測定するものであり得る。装着部分としては、特に限定されないが、例えば、腕部、腰部、脚部、体感、頭部等であり得、特に、手首であることが好ましい。また、被験者を撮像する撮像装置を備え、撮像した画像情報を解析して被験者の体動を検出するものであってもよい。
【0048】
この実施形態では、0.5秒間隔で採取された被験者の加速度を表す加速度時系列データを使用しているが、採取の時間間隔およびデータの種類はこれに限定されない。採取の時間間隔は任意であればよく、また加速度時系列データ以外にも、例えば、ゼロクロス時系列データ、加速度の積分値の時系列データなど、体動の大小を表すデータであれば使用することが可能である。
【0049】
自覚ストレス度入力部12は、被験者が自ら自覚しているストレスの度合いを、任意のタイミングで入力するためのものである。例えば、LCD等の表示装置およびキーボードまたはタッチパネル等の入力装置を備え、「今自覚している心理的ストレス度を入力して下さい」等の表示により被験者が自覚するストレス状態の入力を促し、被験者からの回答の入力を受け付ける形態が考えられるが、これに限定されない。また、自覚ストレス度データの入力形式については、0を「まったくストレスを感じていない」状態とし、100を「ひどくストレスを感じている」状態とすることで、0〜100の整数で入力させることができるが、これに限定されず、自覚ストレスの度合いを、2つ以上の値で入力できれば良い。例えば、「まったくストレスを感じていない、どちらかといえばストレスを感じていない、ストレスを感じている、どちらかといえばストレスを感じている、ひどくストレスを感じている」など、五段階で表示し、被験者に当てはまるものを選択させても良い。
【0050】
ストレス評価部110は、体動データ測定部11および自覚ストレス度入力部12から取得したデータに基づいて、被験者のストレス状態を推定し、ストレス指数を算出するものである。
【0051】
ストレス評価部110によってストレス指数が算出される過程について、
図2を用いて説明する。
図2は、ストレス評価部110の処理過程を示すフローチャートである。
【0052】
まず、体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始する(ステップ婦S0)。ストレス評価部110の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に格納する(ステップS2)。
【0053】
なお、以下の説明では、体動データ測定部11が測定した体動データを、M_dataと表記することもある。また、測定を開始してから最初に測定された体動データを、M_data[0]、次に測定された体動データを、M_data[1]、n+1番目に測定された体動データを、M_data[n]と表記することもある。
【0054】
また、自覚ストレス度入力部12に入力された自覚ストレス度データを、self_dataと表記することもある。また、体動データ測定部11がn+1番目の体動データを測定しているときに自覚ストレス度入力部12に入力された自覚ストレス度データを、self_data[n]と表記することもある。
【0055】
図3に、M_dataと、self_dataとを時系列上に並べて示す。上述したように、本実施形態では、体動データM_dataは0.5秒間隔で継続して採取されるので、M_data[n]は、測定開始からn/2秒後に体動データ測定部11が測定した体動データを示し、self_data[n]は、測定開始からn/2秒後の前後(例えば、±0.25秒)に自覚ストレス度入力部12に入力された自覚ストレス度データを示す。
【0056】
続いて、ステップS3〜S7において、体動データ記憶部40に格納された体動データに基づいて、ストレス評価値データを算出する。以下では、一例として、ストレス評価部110が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部110は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0057】
ステップS3において、活動状態判定演算処理部21は、体動データ記憶部40から体動データを取得し、これらの体動データに基づき被験者が活動しているか休息しているかを時系列に沿って表す活動状態判定データを算出する。なお、以下の説明では、活動状態判定演算処理部21が算出した活動状態判定データを、A_dataと表記することもある。また、体動データM_data[n]に対応する活動状態判定データをA_data[n]と表記することもある。
【0058】
図4は、処理フローのステップS3を説明した図である。
図4に示すように、ステップS3では、活動状態判定演算処理部21は、測定開始からn番目に測定した体動データM_data[n]を中心とする前後各X個のデータ、つまりM_data[n―X]〜M_data[n+X]を処理して、活動状態判定データA_data[n―X]〜A_data[n+X]を算出する。本実施形態では、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であればよく、計算量および精度を考慮して適宜設定すればよい。また、処理が終わったM_dataについては、適宜体動データ記憶部40から消去してもよい。
【0059】
活動状態判定演算処理部21は、活動状態判定データA_dataを、体動データM_dataと活動状態判定閾値M_thとを比較することにより算出する。本実施形態では、活動状態判定閾値M_thを0.1Gとするが、これに限定されず、活動状態判定閾値M_thは任意の値を使用できる。体動データM_dataが活動状態判定閾値M_thより大きければ、活動状態にあると判断し、体動データM_dataが活動状態判定閾値M_thより小さければ、休息状態にあると判断する。本実施形態では、活動状態にある時は活動状態判定データA_dataを1とし、休息状態にある時は活動状態判定データA_dataを0とするが、これに限定されず、活動状態判定データA_dataは活動状態か休息状態かを区別できる値であればよい。
【0060】
活動状態判定演算処理部21は、算出した活動状態判定データを活動状態判定データ記憶部41に格納する(ステップS4)。
【0061】
ステップS5において、休息時間頻度累積確率演算処理部22は、活動状態判定データ記憶部41から活動状態判定データA_data[n―X]〜A_data[n+X]を取得し、これらの活動状態判定データに基づき、休息時間頻度累積確率(特徴量)データを算出する。この明細書中において、休息時間頻度累積確率P(rt≧x)とは、休息状態が連続している時間rtがxを超えている頻度の全体に対する確率をいう。言い換えれば、休息時間頻度累積確率P(rt≧x)とは、x秒以上連続する休息が生じる確率を指し、例えば、活動状態判定データA_data[n―X]〜A_data[n+X]において、x秒以上連続していた休息時間の合計がy秒であったときには、P(rt≧x)は、y/Xとなる。休息時間頻度累積確率演算処理部22は、A_data[n―X]〜A_data[n+X]を解析し、x(0<x≦X)について、x秒以上連続する休息時間の合計時間を求めることにより、各xについての休息時間頻度累積確率を表す休息時間頻度累積確率データを算出する。
【0062】
休息時間頻度累積確率演算処理部22は、算出した休息時間頻度累積確率データを休息時間頻度累積確率データ記憶部42に格納する(ステップS6)。
【0063】
ステップS7において、ストレス評価値演算処理部23は、休息時間頻度累積確率データ記憶部42から休息時間頻度累積確率データP(rt≧1)、P(rt≧2)、・・・、P(rt≧X)を取得し、取得した休息時間頻度累積確率データに基づき、ストレス評価値データ(中間データ)を以下のようにを算出する(ステップS7)。
【0064】
ストレス評価値演算処理部23は、まず、休息時間頻度累積確率P(rt>x)とxとの間の回帰分析を行う。具体的には、ストレス評価値演算処理部23は、休息時間頻度累積確率データP(rt≧1)、P(rt≧2)、・・・、P(rt≧X)について、それぞれlog(P(rt≧1))、log(P(rt≧2))、・・・、log(P(rt≧X))を求め、P(rt≧x)とxとの間の対応関係を最小二乗法を用いて下記式(1)で近似することにより、α1を算出する。
【0065】
log(P(rt≧x))=α1×log(x)+β1・・・(1)
なお、本実施形態においては、最小二乗法を使用しているが、これに限定されず、回帰分析のための公知のアルゴリズムを使用することが可能である。
【0066】
図5(a)は、log(P(rt≧x))をlog(x)に対してプロットした場合の一例を示す図であり、
図5(b)は、上記式(1)に示される回帰直線61を加えた図である。
【0067】
ストレス評価値演算処理部23は、算出したα1に基づきストレス評価値データを算出する。なお、以下の説明では、ストレス評価値演算処理部23が算出したストレス評価値データを、E_dataと表記することもある。また、測定開始n秒後に対応するストレス評価値データを、E_data[n]と表記することもある。
【0068】
本実施形態では、ストレス評価値演算処理部23は、ストレス評価値データE_data[n]を、次の計算式(2)に基づいて算出する。
【0069】
E_data[n]=−α1・・・(2)
ストレス評価値演算処理部23は、このように得られたストレス評価値データE_data[n]を、ストレス評価値データ記憶部43に格納する(ステップS8)。
【0070】
ステップS9において、自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度入力部12に自覚ストレス度データself_data[n]が入力されているか否かを確認する(ステップS9)。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていれば、ステップS10に進み、ステップS10〜ステップS13の処理を行う。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていなければ、ステップS10〜ステップS13の処理を行わずに、ステップS14に進む。
【0071】
ステップS10では、自覚ストレス度データ取得部24が、自覚ストレス度入力部12から自覚ストレス度データself_data[n]を取得し、続いて、ステップS11において、自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度データself_data[n]を、自覚ストレス度データ記憶部44に記憶する。
【0072】
ここで、ステップS8においてストレス評価値データ記憶部43に記憶されたストレス評価値データE_data[n]と、ステップS11において自覚ストレス度データ記憶部44に記憶された自覚ストレス度データself_data[n]とは、互いに関連づけられて(例えば、同じタイムスタンプまたはIDが付されている状態で)それぞれの記憶部に蓄積されており、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25によって、自覚ストレス度データおよび当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データの組として取得可能である。
【0073】
なお、本実施形態において、「自覚ストレス度データおよび当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データの組」は、詳細に述べれば、自覚ストレス度データと、当該自覚ストレス度データが入力されたタイミングに対応するストレス評価値データとの組であり、任意のタイミングに対応するストレス評価値データとは、当該任意のタイミングを含む所定の期間に測定された体動データから算出されたストレス評価値を指す。
【0074】
ステップS12において、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25は、自覚ストレス度データ記憶部44およびストレス評価値データ記憶部43に蓄積されている、自覚ストレス度データおよび当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データの組(ステップS10において記憶された自覚ストレス度データself_data[n]とこれに対応するストレス評価値データE_data[n]との組を含む)を取得する。続いて、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25は、自覚ストレス度データと、当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データとの間の対応関係を、取得した上記組について最小二乗法を用いて下記式(3)で線形近似することにより、ストレス指数演算用パラメータ(関係データ)α2およびβ2を算出する。
【0075】
self_data=α2×E_data+β2・・・(3)
なお、本実施形態においては、最小二乗法を使用しているが、これに限定されず、回帰分析のための公知のアルゴリズムを使用することが可能である。
【0076】
図6(a)は、自覚ストレス度データを、当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データに対してプロットした場合の一例を示す図であり、
図6(b)は、
図6(a)に上記式(3)に示される回帰直線71を加えた図である。
【0077】
なお、上記線形近似のために用いる自覚ストレス度データおよび当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データの組は、自覚ストレス度データ記憶部44およびストレス評価値データ記憶部43に所定の期間内(例えば、直近の3箇月間)に蓄積されているものに限定することが好ましい。これにより、被験者の経年的な体質変化に対応した、ストレス指数演算用パラメータを得ることができる。なお、上記所定の期間は任意に設定することができる。
【0078】
続いて、ステップS13において、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25は、算出したストレス指数演算用パラメータα2およびβ2によって、ストレス指数演算用パラメータ記憶部45に記憶されているストレス指数演算用パラメータα2およびβ2を更新する。すなわち、ストレス指数演算用パラメータ記憶部45には、予め設定されているか、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25によって更新されているストレス指数演算用パラメータが記憶されており、自覚ストレス度データが自覚ストレス度入力部12に入力される毎に、当該ストレス指数演算用パラメータが更新される。予め設定されているストレス指数演算用パラメータとしては、例えば、あらかじめ測定した複数の被験者における平均値などを適宜用いることができる。
【0079】
ステップS14では、ストレス指数演算処理部26は、ストレス評価値データ記憶部43から、ストレス評価値データE_data[n]を取得し、ストレス指数演算用パラメータ記憶部45から、最新のストレス指数演算用パラメータα2およびβ2を取得し、ストレス指数データ(ストレス状態推定結果データ)を算出する。なお、以下の説明では、ストレス指数演算処理部26が算出したストレス指数データを、R_dataと表記することもある。また、体動データM_data[n]の測定時に対応するストレス指数データをR_data[n]と表記することもある。
【0080】
ストレス指数演算処理部26は、ストレス指数データR_data[n]を、下記の計算式(4)によって算出する。
【0081】
R_data[n]=α2×E_data[n]+β2・・・(4)
ストレス指数演算処理部26は、算出したストレス指数データR_data[n]を、ストレス指数データ記憶部46に格納する(ステップS15)。
【0082】
以上によって、ストレス評価部110による、ストレス指数を算出する処理は終了する(ステップS16)。
【0083】
なお、以上では、自覚ストレス度データと、当該自覚ストレス度データに対応するストレス評価値データとの間の対応関係を算出するに当たり、直線回帰を用いている(一次式により近似している)が、曲線回帰を用いてもよい。すなわち、上記式(3)および式(4)に代えて、曲線を表す式を用い、ストレス指数演算用パラメータとして、当該曲線を表す式に含まれるパラメータを用いてもよい。
【0084】
ストレス指数出力部13は、LCD等の表示装置またはスピーカー等の音声出力装置を備え、ストレス評価部110が算出したストレス指数を、ストレス評価部110のストレス指数出力部27を介して取得し、出力(表示、音声出力等)するものである。
【0085】
なお、ストレス指数評価装置100において、データを格納させるための各種の記憶部は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクなどのRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現することができるが、これらに限定されない。また、ストレス指数評価装置100において、データに対して操作または処理をする各種の取得部、出力部、演算部、処理部などについては、例えば、それぞれ独立した回路によって実現することができるが、これに限定されず、例えば、コンピュータ等の演算処理回路によって実現される仮想回路であってもよい。また、これらの処理部はストレス指数評価装置100内に備えられているが、これらの処理部はすべて同一装置内にある必要はなく、一部の処置部がほかの装置内にあり、複数の装置間でネットワークなどの情報伝達手段を用いてデータの受け渡しを行ってもよい。
【0086】
〔第2の実施形態〕
図7〜
図8を参照して、本発明の一実施形態(第2の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)200について説明する。説明の便宜上、第1の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0087】
図7は、ストレス指数評価装置200の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置200は、ストレス評価部110の代わりに、ストレス評価部210を備えている。
【0088】
ストレス評価部210は、ストレス評価部110と比較して、ストレス評価値演算処理部23、およびストレス評価値データ記憶部43、を備えていない。また、ストレス指数演算用パラメータ更新演算処理部25、およびストレス指数演算用パラメータ記憶部45の代わりに、学習パラメータ更新演算処理部(更新手段)28、および学習パラメータ記憶部(記憶手段)48を備えている。
【0089】
ストレス評価部210において、体動データ記憶部40、活動状態判定データ記憶部41、休息時間頻度累積確率データ記憶部42、自覚ストレス度データ記憶部44、学習パラメータ記憶部48、およびストレス指数データ記憶部46は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクなどのRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現することができるが、これらに限定されない。
【0090】
また、ストレス評価部210において、体動データ取得部20、活動状態判定演算処理部21、休息時間頻度累積確率演算処理部22、自覚ストレス度データ取得部24、学習パラメータ更新演算処理部28、ストレス指数演算処理部26、ストレス指数出力部27は、例えば、それぞれ独立した回路によって実現することができるが、これに限定されず、例えば、コンピュータ等の演算処理回路によって実現される仮想回路であってもよい。また、本発明においてこれらの処理部はストレス評価部210内に備えられているが、これらの処理部はすべて同一装置内にある必要はなく、一部の処置部がほかの装置内にあり、複数の装置間でネットワークなどの情報伝達手段を用いてデータの受け渡しを行ってもよい。
【0091】
ストレス評価部210によってストレス指数が算出される過程について、
図8を用いて説明する。
図8は、ストレス評価部210の処理過程を示すフローチャートである。
【0092】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部210に送信する(ステップS0)。
【0093】
ストレス評価部110の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データM_dataを格納する(ステップS2)。
【0094】
以下では、一例として、ストレス評価部210が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部210は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0095】
活動状態判定演算処理部21は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得し、これらの体動データに基づき活動状態判定データA_data[n―X]〜A_data[n+X]を算出し(ステップS3)、活動状態判定データ記憶部41に格納する(ステップS4)。なお、本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0096】
本実施形態でも、活動状態判定閾値M_thを0.1Gとし、活動状態にある時は活動状態判定データA_dataを1とし、休息状態にある時は活動状態判定データA_dataを0とする。
【0097】
休息時間頻度累積確率演算処理部22、は、活動状態判定データ記憶部41から活動状態判定データA_data[n―X]〜A_data[n+X]を取得し、これらの活動状態判定データに基づき、被験者の休息時間の頻度の累積確率(特徴量)を示す休息時間頻度累積確率データ(P(rt≧x)、0<x≦X:中間データ)を算出して(ステップS5)、休息時間頻度累積確率データ記憶部42に格納する(ステップS6)。
【0098】
自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度入力部12から自覚ストレス度データself_data[n]が入力されているかを確認する(ステップS7)。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていれば、ステップS8に進み、ステップS8〜ステップS11の処理を行う。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていなければ、ステップS8〜ステップS11の処理を行わずに、ステップS12に進む。
【0099】
ステップS8において、自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度入力部12から自覚ストレス度データself_data[n]を取得する。ステップS9において、自覚ストレス度データ取得部24は、取得した自覚ストレス度データself_data[n]を自覚ストレス度データ記憶部44に記憶する。
【0100】
ステップS10において、ストレス評価部210は、休息時間頻度累積確率データを入力とし、自覚ストレス度データを教師とした機械学習を実施する。学習パラメータ更新演算処理部28は、学習パラメータ記憶部48から、機械学習器の内部状態を規定する重み係数等の学習パラメータ(関係データ)を取得する。そして、学習パラメータ更新演算処理部28は、自覚ストレス度データ記憶部44から取得した自覚ストレス度データself_data[n]を教師として、休息時間頻度累積確率データ記憶部42から取得した休息時間頻度累積確率データ(測定開始からn番目の体動データに対応するもの。より具体的には、当該体動データの測定時を含む所定の幅の期間内の体動データから算出されたもの)を入力とした機械学習を行う。
【0101】
本実施形態では、機械学習器として、バックプロパゲーションを用いた多層パーセプトロンを使用するが、これに限定されず、教師あり機械学習を実施する公知の機械学習器を用いることができる。
【0102】
学習パラメータ更新演算処理部28は、機械学習の結果、更新された学習パラメータを学習パラメータ記憶部48に格納する(ステップS11)。
【0103】
ステップS12において、ストレス指数演算処理部26は、学習パラメータ記憶部48から最新の学習パラメータを取得し、ステップS10において説明したものと同じ機械学習器を用いて、ストレス指数データR_data[n]を算出する。すなわち、ストレス指数演算処理部26は、上記機械学習器に休息時間頻度累積確率データ記憶部42から取得した休息時間頻度累積確率データを入力して得られた出力をストレス指数データR_data[n]とする。
【0104】
ストレス指数演算処理部26は、算出されたストレス指数データR_data[n]を、ストレス指数データ記憶部46に格納する(ステップS13)。
【0105】
以上によって、ストレス評価部210による、ストレス指数を算出する処理は終了する(ステップS14)。
【0106】
〔第3の実施形態〕
図9〜
図10を参照して、本発明の一実施形態(第3の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)300について説明する。説明の便宜上、第1〜2の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0107】
図9は、ストレス指数評価装置300の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置300は、ストレス評価部110の代わりに、ストレス評価部310を備えている。
【0108】
図3に示すように、ストレス評価部310は、体動データ取得部20、統計量演算処理部(算出手段)29、自覚ストレス度データ取得部24、学習パラメータ更新演算処理部(更新手段)28、ストレス指数演算処理部(推定手段)26、ストレス指数出力部27、体動データ記憶部40、統計量データ記憶部47、自覚ストレス度データ記憶部44、学習パラメータ記憶部(記憶手段)48、およびストレス指数データ記憶部46を備えている。
【0109】
ストレス評価部310において、体動データ記憶部40、統計量データ記憶部49、自覚ストレス度データ記憶部44、学習パラメータ記憶部48、ストレス指数データ記憶部46は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクなどのRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現することができるが、これらに限定されない。
【0110】
また、ストレス評価部310において、体動データ取得部20、統計量演算処理部29、自覚ストレス度データ取得部24、学習パラメータ更新演算処理部28、ストレス指数演算処理部26、ストレス指数出力部27は、例えば、それぞれ独立した回路によって実現することができるが、これに限定されず、例えば、コンピュータ等の演算処理回路によって実現される仮想回路であってもよい。また、本発明においてこれらの処理部はストレス評価部310内に備えられているが、これらの処理部はすべて同一装置内にある必要はなく、一部の処置部がほかの装置内にあり、複数の装置間でネットワークなどの情報伝達手段を用いてデータの受け渡しを行ってもよい。
【0111】
ストレス評価部310によってストレス指数が算出される過程について、
図10を用いて説明する。
図10は、ストレス評価部310の処理過程を示すフローチャートである。
【0112】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部310に送信する(ステップS0)。
【0113】
ストレス評価部310の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データを格納する(ステップS2)。
【0114】
以下では、一例として、ストレス評価部310が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部310は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0115】
統計量演算処理部29は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得し、これらの体動データから統計量(特徴量)を演算処理して統計量データ(中間データ)を算出する(ステップS3)。本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0116】
本実施形態では、統計量として体動データM_dataの平均値、標準偏差、歪度、尖度について演算処理しているが、これに限られず、上記のうち二つ以上を演算処理すればよい。また、標準偏差の代わりに、分散を用いることも可能である。
【0117】
統計量演算処理部29は、算出された各種統計量データを、統計量データ記憶部49に格納する(ステップS4)。
【0118】
自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度入力部12から自覚ストレス度データself_data[n]が入力されているかを確認する(ステップS5)。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていれば、ステップS6に進み、ステップS6〜ステップS9の処理を行う。自覚ストレス度データself_data[n]が入力されていなければ、ステップS6〜ステップS9の処理を行わずに、ステップS10に進む。
【0119】
ステップS6において、自覚ストレス度データ取得部24は、自覚ストレス度入力部12から自覚ストレス度データself_data[n]を取得する。ステップS7において、自覚ストレス度データ取得部24は、取得した自覚ストレス度データself_data[n]を自覚ストレス度データ記憶部44に記憶する。
【0120】
ステップS8において、ストレス評価部310は、統計量データを入力とし、自覚ストレス度データを教師とした機械学習を実施する。学習パラメータ更新演算処理部28は、学習パラメータ記憶部48から、機械学習器の内部状態を規定する重み係数等の学習パラメータ(関係データ)を取得する。そして、学習パラメータ更新演算処理部28は、自覚ストレス度データ記憶部44から取得した自覚ストレス度データself_data[n]を教師として、統計量データ記憶部49から取得した統計量データ(測定開始からn番目の体動データに対応するもの。より具体的には、当該体動データの測定時を含む所定の幅の期間内の体動データから算出されたもの)を入力とした機械学習を行う。
【0121】
本実施形態でも、機械学習器として、バックプロパゲーションを用いた多層パーセプトロンを使用するが、これに限定されず、教師あり機械学習を実施する公知の機械学習器を用いることができる。
【0122】
学習パラメータ更新演算処理部28は、機械学習の結果、更新された学習パラメータを学習パラメータ記憶部48に格納する(ステップS9)。
【0123】
ステップS10において、ストレス指数演算処理部26は、学習パラメータ記憶部48から最新の学習パラメータを取得し、ステップS8において説明したものと同じ機械学習器を用いて、ストレス指数データR_data[n]を算出する。すなわち、ストレス指数演算処理部26は、上記機械学習器に統計量データ記憶部49から取得した統計量データを入力して得られた出力をストレス指数データR_data[n]とする。
【0124】
ストレス指数演算処理部26は、算出されたストレス指数データR_data[2n]を、ストレス指数データ記憶部46に格納する(ステップS11)。
【0125】
以上によって、ストレス評価部310による、ストレス指数を算出する処理は終了する(ステップS12)。
【0126】
〔第4の実施形態〕
図11〜
図12を参照して、本発明の一実施形態(第4の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)400について説明する。説明の便宜上、第1〜3の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0127】
図11は、ストレス指数評価装置400の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置400は、第1の実施形態に係るストレス指数評価装置100に対して。ストレス評価部110の代わりに、ストレス評価部410を備えている。ストレス評価部410は、ストレス評価部110の部材をすべて備え、さらにトレンド除去演算処理部(トレンド除去手段)30、およびトレンド除去データ記憶部50を備えている。
【0128】
ストレス評価部410によってストレス指数が算出される過程について、
図12を用いて説明する。
図12は、ストレス評価部410の処理過程を示すフローチャートである。
【0129】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部410に送信する(ステップS0)。
【0130】
ストレス評価部410の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データを格納する(ステップS2)。
【0131】
以下では、一例として、ストレス評価部410が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部410は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0132】
トレンド除去演算処理部30は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得して、トレンド除去処理を行い、トレンド除去後体動データを算出する(ステップS3)。これは、例えば被験者が体動データの測定を行っている間に、運動または作業を行っていた場合、運動または作業による体動が外乱となってしまい、ストレス評価が正しく行われない可能性があるからである。トレンド除去処理をすることによって、この影響を回避することができる。なお、本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0133】
本実施形態において、トレンド除去演算処理部30は、フーリエ変換を行い、2Hz以下の周波数をカットすることで、トレンド除去処理を行っている。トレンド除去処理は、胎動データの巨視的なトレンドを減少させるものであればよく、使用する方法は限定されない。例えば、フーリエ変換、離散コサイン変換などの直交変換を行い、体動データの周波数の低い領域をカットする、またはゲインを下げることで、トレンド除去処理をすることが可能である。また、例えば体動データの回帰直線または回帰曲線を求め、体動データから当該回帰直線または回帰曲線に示される値を減ずることで、トレンド除去処理を行うことも可能である。この場合において、上記回帰直線または回帰曲線を求める手法は限定されず、例えば、最小二乗法を使用して、特定の次数を有する関数にフィッテイングするばよい。また、上記回帰直線または回帰曲線は、小区間に区切り、区間ごとに求めてもよい。
【0134】
トレンド除去演算処理部30は、算出されたトレンド除去体動データを、トレンド除去データ記憶部50に格納する(ステップS4)。
【0135】
活動状態判定演算処理部21は、トレンド除去データ記憶部50から、トレンド除去体動データを取得して、当該トレンド除去体動データから活動状態判定データを作成する(ステップS5)。
【0136】
ステップS5〜ステップS18の処理は、体動データに代えてトレンド除去体動データを使用すること以外は、第1の実施形態におけるステップS3〜ステップS16と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0137】
ストレス評価部410は、体動データの代替として、トレンド除去体動データを使用するため、ストレス指数をより正確に算出することができる。
【0138】
〔第5の実施形態〕
図13〜
図14を参照して、本発明の一実施形態(第5の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)500について説明する。説明の便宜上、第1〜4の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0139】
図13は、ストレス指数評価装置500の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置500は、第2の実施形態に係るストレス指数評価装置200に対して、ストレス評価部210の代わりに、ストレス評価部510を備えている。ストレス評価部510は、ストレス評価部210の部材をすべて備え、さらにトレンド除去演算処理部(トレンド除去手段)30、およびトレンド除去データ記憶部50を備えている。
【0140】
ストレス評価部510によってストレス指数が算出される過程について、
図14を用いて説明する。
図14は、ストレス評価部510の処理過程を示すフローチャートである。
【0141】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部510に送信する(ステップS0)。
【0142】
ストレス評価部510の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データM_dataを格納する(ステップS2)。
【0143】
以下では、一例として、ストレス評価部510が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部510は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0144】
トレンド除去演算処理部30は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得して、トレンド除去処理を行い、トレンド除去後体動データを算出する(ステップS3)。トレンド除去演算処理部30は、算出されたトレンド除去体動データを、トレンド除去データ記憶部50に格納する(ステップS4)。なお、本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0145】
活動状態判定演算処理部21は、トレンド除去データ記憶部50から、トレンド除去体動データを取得して、当該トレンド除去体動データから活動状態判定データを作成する(ステップS5)。
【0146】
ステップS5〜ステップS17の処理は、体動データに代えてトレンド除去体動データを使用すること以外は、第2の実施形態におけるステップS3〜ステップS14と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0147】
ストレス評価部510は、体動データの代替として、トレンド除去体動データを使用するため、ストレス指数をより正確に算出することができる。
【0148】
〔第6の実施形態〕
図15〜
図16を参照して、本発明の一実施形態(第6の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)500について説明する。説明の便宜上、第1〜5の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0149】
図15は、ストレス指数評価装置600の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置600は、第3の実施形態に係るストレス指数評価装置300に対して、ストレス評価部310の代わりに、ストレス評価部610を備えている。ストレス評価部610は、ストレス評価部310の部材をすべて備え、さらにトレンド除去演算処理部(トレンド除去手段)30、およびトレンド除去データ記憶部50を備えている。
【0150】
ストレス評価部610によってストレス指数が算出される過程について、
図16を用いて説明する。
図16は、ストレス評価部610の処理過程を示すフローチャートである。
【0151】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部610に送信する(ステップS0)。
【0152】
ストレス評価部610の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データM_dataを格納する(ステップS2)。
【0153】
以下では、一例として、ストレス評価部610が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部610は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0154】
トレンド除去演算処理部30は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得して、トレンド除去処理を行い、トレンド除去後体動データを算出する(ステップS3)。トレンド除去演算処理部30は、算出されたトレンド除去体動データを、トレンド除去データ記憶部50に格納する(ステップS4)。なお、本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0155】
統計量演算処理部29は、トレンド除去データ記憶部50から、トレンド除去体動データを取得して、当該トレンド除去体動データから統計量データ(中間データ)を作成する(ステップS5)。
【0156】
ステップS5〜ステップS14の処理は、体動データに代えてトレンド除去体動データを使用すること以外は、第3の実施形態におけるステップS3〜ステップS12と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0157】
ストレス評価部610は、体動データの代替として、トレンド除去体動データを使用するため、ストレス指数をより正確に算出することができる。
【0158】
〔第7の実施形態〕
図17〜
図18を参照して、本発明の一実施形態(第7の実施形態)に係るストレス指数評価装置(ストレス状態推定装置)700について説明する。説明の便宜上、第1〜6の実施形態と同じところについては説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0159】
図17は、ストレス指数評価装置700の構成を示すブロック図面である。ストレス指数評価装置700は、第6の実施形態に係るストレス指数評価装置600に対し、ストレス評価部610の代わりに、ストレス評価部710を備えている。ストレス評価部710は、統計量演算処理部29の代わりとして、第一種統計量演算処理部(算出手段)31、および第二種統計量演算処理部(算出手段)32を備えている。
【0160】
ストレス評価部710によってストレス指数が算出される過程について、
図18を用いて説明する。
図18は、ストレス評価部710の処理過程を示すフローチャートである。
【0161】
体動データ測定部11が体動データM_dataの測定を開始し、測定した体動データM_dataをストレス評価部710に送信する(ステップS0)。
【0162】
ストレス評価部710の体動データ取得部20は、体動データ測定部11から体動データM_dataを取得して(ステップS1)、体動データ記憶部40に体動データM_dataを格納する(ステップS2)。
【0163】
以下では、一例として、ストレス評価部710が測定開始からn番目の体動データM_data[n]測定時のストレス指数データR_data[n]を算出するときの処理について説明する。なお、ストレス評価部710は、任意のタイミングにおいて、または連続的にストレス指数データを算出することができることはいうまでもない。
【0164】
トレンド除去演算処理部30は、体動データ記憶部40から体動データM_data[n―X]〜M_data[n+X]を取得して、トレンド除去処理を行い、トレンド除去後体動データを算出する(ステップS3)。トレンド除去演算処理部30は、算出されたトレンド除去体動データを、トレンド除去データ記憶部50に格納する(ステップS4)。なお、本実施形態でも、Xとして1800を用いるが、これに限定されず、Xは整数であれば良い。
【0165】
第一種統計量演算処理部31は、体動データ記憶部40から、体動データを取得して、第一の統計量データ(中間データ)を作成する(ステップS5)。第一種統計量演算処理部31は、算出された第一の統計量データを、統計量データ記憶部49に格納する(ステップS6)。
【0166】
第二種統計量演算処理部32は、トレンド除去データ記憶部50から、トレンド除去体動データを取得して、第二の統計量データ(中間データ)を作成する(ステップS7)。第二種統計量演算処理部32は、算出された第二の統計量データを、統計量データ記憶部49に格納する(ステップS8)。
【0167】
第一種統計量演算処理部31で算出される統計量(特徴量)、および第二種統計量演算処理部32で算出される統計量(特徴量)は、それぞれ、体動データの平均値、標準偏差(または分散)、歪度、尖度のうちの一つ以上である。統計量の種別に応じて第一種統計量演算処理部31および第二種統計量演算処理部32のどちらかで処理するか選択することによって、統計量のもつ性質、または被験者の仕事内容などから動きの特徴に合わせて、トレンド除去の有無を柔軟に設定することができる。
【0168】
ステップS9〜ステップS16の処理は、第6の実施形態におけるステップS7〜ステップS14と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0169】
ストレス評価部710は、統計量の計算において体動データおよびトレンド除去体動データのどちらを使用するか、統計量ごとに選択することによって、より正確にストレス指数を算出することができる。
【0170】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、ストレス指数評価装置のストレス評価部の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0171】
後者の場合、ストレス評価部は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるストレス指数評価装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、ストレス指数評価装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0172】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0173】
また、ストレス指数評価装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0174】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。