(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、被覆付の光ファイバの切断に際しては被覆を剥がしてコア及びクラッドからなる光ファイバを露出させ、その後に切断作業を行う必要がある。よって、被覆を剥がす工程及び光ファイバを切断する工程が必要となり、作業者にとって手間がかかる。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、コア及びクラッドからなる光ファイバ素線だけでなく、被覆も合わせてモーターによる回転刃によって一度に切り込みを入れる。よって、回転刃の軸ぶれにより、切断時に良好な切断面を安定して得ることができない。また、光ファイバ素線が張力だけによって支えられているため、切り込みを入れる際の微細な振動により加傷部位が広がり、光ファイバ素線に入る切り込みが複雑になる場合がある。よって、このことからも、切断時に良好な切断面を安定して得ることができない。
なお、ここでいう「良好な切断面」とは、特に光ファイバのコア及びクラッドからなるガラス部の切断面に傷、欠け、ひび割れ等がなく、切断面が鏡面であることをいう。
【0008】
本発明の課題は、光ファイバを被覆ごと切断することができ、良好な切断面を安定して得ることができる光ファイバ切断装
置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、コア及びクラッドからなるガラス部と該ガラス部を覆う被覆部とからなる光ファイバを該被覆部ごと切り込みを入れた後に切断する光ファイバ切断装置であって、
前記光ファイバを切断部の両側の少なくとも2箇所で把持して固定するクランプと、
前記光ファイバに切り込みを入れる際に、前記切断部における切り込み側とは反対側で、前記光ファイバに接触する受け材と、
前記クランプにより把持された光ファイバの長手方向に対して直交する方向にスライドするスライド機構と、
前記スライド機構に回転可能に設けられ、前記スライド機構のスライド動作とともに移動し、前記光ファイバの前記切断部に切り込みを入れる刃と、
前記刃により切り込みが入れられる際は、前記切断部における切り込み側とは反対側から前記光ファイバを押さえて該光ファイバが湾曲することを抑制し、前記刃により切り込みが入れられた後は、前記切断部における切り込み側とは反対側から前記光ファイバを押圧して切断する押圧部と、
を備え、
前記刃は回転軸に支持され、当該回転軸は前記スライド機構に負荷を付与できるように支持され、
前記刃は、前記光ファイバに切り込みを入れる前は回転しないように負荷がつけられて固定され、
前記刃は、
前記光ファイバと非接触の状態のときの前記スライド動作によって前記光ファイバと接触して切り込みを入れる際に
のみ前記光ファイバとの摩擦により回転しながら、前記被覆部
の一部と前記ガラス部
の一部に切り込みを入れ
、前記スライド動作によって更にスライドして前記光ファイバと非接触状態になると回転が停止することを特徴とする光ファイバ切断装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光ファイバを被覆ごと切断することができ、良好な切断面を安定して得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態における光ファイバ切断装置の構成について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
図1に、蓋が開いた状態の光ファイバ切断装置1の斜視図を示す。
また、
図2に、蓋が閉じた状態の光ファイバ切断装置1の斜視図を示す。
【0015】
図1又は
図2に示すように、光ファイバ切断装置1は、本体2、蓋3、クランプ4〜7、操作レバー8、刃9、押圧部10等を備えて構成される。その他、図示しないスライド機構、張力付与機構、刃高さ調節機構、ねじり機構、回転機構等を備える。
本体2には、クランプ4、5、操作レバー8、刃9等が設けられる。また、蓋3には、クランプ6、7、押圧部10等が設けられる。
光ファイバ切断装置1は、蓋3を開いたり(
図1参照)、閉じたり(
図2参照)できる構成となっている。
【0016】
クランプ4〜7は、蓋3が閉じた状態のとき、光ファイバの長手方向に沿った2点で本体2側及び蓋3側の上下から光ファイバを把持する。
なお、図示しない張力付与機構により、把持された光ファイバに張力を付与するとしてもよい。張力付与機構は、例えばクランプ4、6とクランプ5、7とを離間させる。これにより、把持された光ファイバに張力を付与することができる。
【0017】
操作レバー8は、蓋3が閉じた状態で操作するレバーであり、光ファイバに切り込みを入れて切断に至るまでの一連の操作を行うためのレバーである。
【0018】
刃9は、操作レバー8の操作と連動して、光ファイバの長手方向と直交する方向にスライドする。刃9は、光ファイバのうち、まず被覆部の下部に切り込みを入れ、その後、コア及びクラッド(以下、「ガラス部」と記載する)の下部に切り込みを入れる。
刃9は、円板形状であり、図示しないスライド機構に回転可能に支持される。スライド機構は、操作レバー8の操作と連動して光ファイバの長手方向と直交する方向にスライドする。刃9は、例えば、スライド機構と連動して動くように設けられ、操作レバー8の操作と連動して光ファイバの長手方向と直交する方向にスライド動作し、光ファイバに切り込みを入れる。
【0019】
刃9は、スライド機構に回転可能に支持されていることから、スライド動作によって光ファイバと接触すると、摩擦力等により回転する。刃9は、光ファイバと接触状態の間、一定の角度だけ回転し、非接触状態になると回転を終える。なお、刃の動作については後述の
図4において説明する。
【0020】
刃9の材質としては、磨耗による切断性劣化を避けるため、タングステンカーバイド等の低摩耗性の金属、もしくはダイヤモンドコートを施した超硬金属、ルビーや金属の先端をダイヤモンド加工したものであってガラスを切断できるもの、また必要に応じて硬質クロームメッキ、SIP処理等の表面処理をしたものが用いられる。
【0021】
なお、刃9は、図示しない刃高さ調節機構により支持されるとしてもよい。このとき、刃高さ調節機構はスライド機構に支持される。刃9が刃高さ調節機構に支持されることにより、刃高さを適宜調節することができる。また、刃9の支持部には、スライド方向又は/及びスライド方向に直交し、光ファイバに押圧力をもたらす方向に弾性部材を設けて、光ファイバの接触時の押圧を緩和可能としても良い。
【0022】
押圧部10は、蓋3が閉じた状態のとき、刃9により切り込みが入れられる切断部分において、切り込み側とは反対側で光ファイバと接触しており、刃9により切り込みが入れられる際の受け台として機能する。また、押圧部10は、切り込みが入れられた後は光ファイバを押圧して切断する。
押圧部10と光ファイバとが接触する部分(以下、「受け材」と記載する)の材質としては、ゴム、コルク、プラスチック等といった被覆部の材質よりも軟らかいものを用いることが望ましい。被覆部よりも硬い材質を用いると、光ファイバは刃9と接触した際に受け材側に少しも湾曲できず、刃9が必要以上に光ファイバに切り込みを入れてしまい、良好な切断面が得られなくなるからである。
【0023】
図3を参照して、光ファイバの切断工程について説明する。
まず、光ファイバフォルダHに把持された光ファイバを凹溝2bにセットして蓋3を閉じ、光ファイバを上下からクランプ4〜7によりクランプする(ステップS1)。
詳細には、本体2側に設けられたクランプ4、5は光ファイバの下部から、蓋3側に設けられたクランプ6、7は光ファイバの上部から、それぞれ光ファイバを把持する。
なお、このときの光ファイバは被覆されたままの状態である。すなわち、光ファイバは、コア及びクラッドからなるガラス部と被覆部とからなる。また、押圧部10の受け材と光ファイバとは接触している。
【0024】
操作レバー8を押し下げると、操作レバー8の操作と連動して刃9がスライドし、光ファイバの被覆部の下部に切り込みを入れる(ステップS2)。
続いて刃9は、摩擦により回転するとともに、接触部位の被覆にさらに切り込みを深くまで侵入し、光ファイバのガラス部の下部に切り込みを入れる(ステップS3)。
なお、このとき、摩擦時の自然な回転によりガラス部に刃が接触するために過剰な加傷が防がれる。また、押圧部10の受け材は、光ファイバが刃9との接触で上方向に大きく湾曲しないように受け台として機能するとともに、光ファイバのブレを抑制する。
【0025】
操作レバー8を更に押し下げると、押圧部10が切り込みの入った箇所を切り込み側とは反対側から押圧して光ファイバを切断する(ステップS4)。また、この押圧ステップに変えて切断部へ張力を加えて切断しても良い。
【0026】
上記のように、光ファイバを切断する作業としては、(1)光ファイバフォルダHに把持された光ファイバを凹溝2bにセットすること、(2)光ファイバ切断装置1の蓋3を閉めること、(3)操作レバー8を押し下げること、の3つの操作だけでよい。つまり、蓋3を閉めた後は、操作レバー8を操作するだけで被覆を剥がさず光ファイバを切断することができる。
なお、光ファイバが切断された後、操作レバー8を更に押し下げると、クランプ4〜7による光ファイバの把持は解放される。
【0027】
図4を参照して、刃9の動作について説明する。
刃9は、操作レバー8が押下されると、図示しないスライド機構のスライド動作により光ファイバに向かってスライドする(状態1)。
刃9は、状態1よりも更にスライドすると、光ファイバと接触する(状態2)。
刃9は、状態1では光ファイバと非接触状態であるため回転しておらず、また状態2では接触時点であり摩擦力等も付与されていないため回転していない。
【0028】
刃9は、状態2よりも更にスライドすると、光ファイバとの摩擦力等により外力が付与されて回転する(状態3)。
刃9は、回転しながら光ファイバの被覆部及びガラス部に順次切り込みを入れる。刃9は、回転することにより、適切な力で無理なく切り込みを入れることができる。
なお、状態3のとき、押圧部10は光ファイバが上方向に湾曲しないように一定の力で押さえているため、ガラス部に適量の切り込みを入れることができる。押圧部10により光ファイバを押さえる力は、バネ等の押圧付与機構によって適宜変更することができる。
【0029】
刃9は、光ファイバと非接触状態になると摩擦力等が付与されなくなるため、回転を停止する(状態4)。
なお、比較例として、刃9がモーターにより回転する構成について実験を行った。その結果、比較例では、光ファイバのガラス部に複数の傷が入り良好な切断面を得ることができなかったが、本実施形態の刃9は、接触時の加傷は単一の切り込みとなり良好な切断面が得られた。
また、従来の固定された刃により加傷する構成とも比べた結果、やはり本実施形態の構成のほうが良好な切断面を得ることができた。これは従来の構成による刃9が被覆部に押し付けられた際、最初は被覆がつぶれ、このつぶれた箇所に切り込みを入れる際にテンションがかかり、いったん傷が入ると一気に切り込みが入り、ガラス部にも過剰の傷が入っていたが、本実施形態の構成によればこのつぶれた被覆に傷が入ることが回避され、スムースに被覆に傷が入ることによるものと考えられる。したがって、常時回転する必要はなく、摩擦による回転とする構成によれば、常時回転させる構成と比較して、構成が単純でありコスト的にも有利である。
また、刃9は光ファイバと接触した部分のみ回転するため、刃9の磨耗を均一にすることができる。
また、刃9の回転方向は、逆転しない構成、又は逆転する構成の何れの構成であってもよい。刃先に方向性のある刃を用いるときに逆転しない構成がよく、逆転しない構成とした場合、光ファイバと接触する刃先が更新されるメリットがある。一方、逆転する構成とし、往復で切断できるように設定すると、一度のスライドで切り込みを入れる構成よりも刃高さを低くでき、切り込みが入りすぎるのを防ぐことができ、さらに都合がよい。また、切断時の回転分を逆回転させて切断時に利用すると、切断開始箇所に戻るため、磨耗に応じて回転開始位置をずらし、コントロールできるメリットがある。
【0030】
次に、
図5A及び
図5Bを参照して、切断時の光ファイバの状態について説明する。
図5Aに、刃9により切り込みが入れられた際の光ファイバの状態を示す。刃9は、スライドして光ファイバと接触し、回転しながら接触部の近傍から光ファイバの被覆部に切り込みを入れ、更にはガラス部に切り込みを入れる。このとき、光ファイバは、刃9との接触により外力が付与されて上方向に湾曲する。
ここで、本実施形態では、押圧部10の受け材が切断部における切り込み側とは反対側で光ファイバと接触しており、一定の力で光ファイバを押さえているため、光ファイバが上方向に大きく湾曲すること、およびスライド方向への大きなたわみを防止することができる。一方で、刃9が光ファイバと接触したときに光ファイバが少しも湾曲しないとなると、光ファイバに必要以上の切り込みが入ってしまい、良好な切断面が得られない。よって、受け材には光ファイバよりも軟らかい材質(例えば、ゴム等)を用い、かつ、押圧部10は光ファイバが多少湾曲する程度の力で押さえることが望ましい。
【0031】
図5Bに、刃9により切り込みが入れられた後、切り込み側とは反対側から押圧部10により押圧されて切断に至った光ファイバの状態を示す。
光ファイバの切断時において、押圧部10の受け材と光ファイバとが接触していること、及び、刃9が回転しながら切り込みを入れること、によって適切な位置及び高さで光ファイバを切断することができ、良好な切断面を得ることができる。
【0032】
図6を参照して、刃高さについて説明する。
図6に示すように、ここでいう「刃高さ」とは、光ファイバの長手方向(軸方向)に対して垂直方向の高さであって、クランプ4、5とクランプ6、7との接触面から刃先までの高さをいう。刃9の刃高さは、例えば100〜300μmの範囲、特に150〜250μmの範囲が好ましい。刃高さを100〜300μmの範囲にして、主要なメーカにより製造されている直径250μmの光ファイバについて切断実験を行った結果、何れも光ファイバ素線部分のコア及びクラッド部分の端面において、界面品質の良い切断面を得ることができた。
なお、
図6に示すように、刃高さは光ファイバのすべてを貫通する程度の高さに設定されるが、刃9がスライドして光ファイバに接触すると、既述したように光ファイバは上方向に湾曲する。よって、刃高さは、光ファイバが湾曲状態となることを考慮して定められる。また、刃高さは、上記のように必ずしも100〜300μmの範囲に限定されるものでなく、切断される光ファイバの被覆の材質や径の大きさ等に合わせて適宜変更してもよい。
【0033】
その他、光ファイバ切断装置1に関して以下の構成を備えるとしてもよい。
例えば、刃9はバネ等の刃圧調整機構により支持され、光ファイバの切断時には刃圧調整機構により刃圧が調整されるとしてもよい。刃圧調整機構により刃圧が調整されることで、ガラス部に対して不要な破損を抑制することができ、良好な切断面を得易くすることができる。
【0034】
また、図示しないねじり機構により、光ファイバを周方向にねじるように回転させて切り込みを入れから、切断箇所に外力を加えて切断してもよい。このようにすることによって切断後の切断端面に、適当な傾斜角度を設けることができる。
被覆にねじれを加えることによって被覆に刃の入りやすい方向ができるため、固定された刃ではガラス部に入る傷が複雑な形状となり、良好な切断端面を得る確率が低かった。
また、刃をモーターによって回転する方法によっても上述と同様の理由から良好な切断端面を得る確率が低かった。しかしながら、本願の方法によれば、被覆への刃の侵入に応じて刃が回転するために不要なテンションが開放され、きれいな傷がガラス部につけられ、良好な切断端面を得ることができた。
【0035】
図7A及び
図7Bを参照して、光ファイバをねじるように回転させた状態で、切り込みが入れられた後に切断が行われた切断面の状態について説明する。
図7Aに、刃9により切り込みが入れられた後の光ファイバの状態を示す。
また、
図7Bに、
図7Aに示した光ファイバを周方向にねじるように回転させて切断した光ファイバの切断面の状態を示す。
図7Bに示すように、光ファイバを回転させつつ切断することにより、切断面を傾斜角度βに傾斜させることができ、突合せ接続時の反射を抑制することができる。なお、切断面の傾斜角度βは約8°となる。
【0036】
また、本実施形態では、被覆部及びガラス部からなる光ファイバを被覆ごと切断し得る構成について説明してきたが、被覆ごと切断する場合と被覆を剥がしてガラス部を切断する場合の両方の切断機構を備える構成としてもよい。このとき、押圧部10の構造は2段構造にするとよい。
【0037】
図8に、2段構造の押圧部10aを示す。また、同図に光ファイバフォルダHを示す。
2段構造の押圧部10aは、2段のうち一方は切断時に光ファイバの被覆部に接触し、他方は切断時にガラス部に接触しないように構成される。また、光ファイバフォルダHには、被覆ごと切断する場合の凹溝H1と被覆を剥がして切断する場合の凹溝H2とがある。
被覆ごと切断する場合、光ファイバを凹溝H1に収納し、光ファイバフォルダHを光ファイバ切断装置1にセットして蓋3を閉じる(
図1及び
図2参照)。このとき、光ファイバはクランプ4〜7により把持されるとともに、押圧部10の受け材と接触する。
一方、被覆を剥がして切断する場合、光ファイバを凹溝H2に収納し、光ファイバフォルダHを光ファイバ切断装置1にセットして蓋3を閉じる(
図1及び
図2参照)。このとき、光ファイバはクランプ4〜7に把持され、押圧部10の受け材とは接触しない。
このように、押圧部10の形状を被覆部用とガラス部用の2段構造にすることで、被覆ごと切断する場合と被覆を剥がして切断する場合の何れの場合でも、光ファイバ切断装置1を利用することができる。
【0038】
また、本実施形態では、1本の光ファイバを切断する場合を例に挙げて説明してきたがこれに限らず、複数の光ファイバが一体となったテープ心線についても同様に切断することができる。すなわち、テープ心線を切断する場合、テープ心線を光ファイバフォルダHに収納し、光ファイバフォルダHを光ファイバ切断装置1にセットして蓋3を閉じる(
図1及び
図2参照)。このとき、テープ心線はクランプ4〜7により把持されるとともに、押圧部10の受け材と接触する。操作レバー8を押し下げると、刃9は、テープ心線に含まれる複数本の光ファイバの被覆部及びガラス部に切り込みを入れる。切込みを入れる際、刃9は回転する。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、切断部における切り込み側とは反対側で受け材と光ファイバとが接触しているため、切り込みが入れられた際に光ファイバが上方向に大きく湾曲することを防止することができる。また、刃9は回転しながら切り込みを入れることができる。よって、適切な位置及び高さで光ファイバに切り込みを入れることができ、良好な切断面を安定して得ることができる。
【0040】
また、刃9は回転軸に支持され、回転軸はスライド機構に負荷を付与できるように支持されることにより、刃9は光ファイバに切り込みを入れる前は回転せず、光ファイバと接触して切り込みを入れる際に回転することができる。この構成によって、平均的に刃が用いられることとなる。ただし、光ファイバとの接触時の摩擦により回転する構成になっていれば、光ファイバに加傷される切り込み自体は負荷がないものと変わらない。
【0041】
また、クランプ4、6とクランプ5、7とを離間させるような張力付与機構を備えることで、刃9により光ファイバに切り込みが入れられた際、光ファイバが上方向に大きく湾曲することを防止することができる。
【0042】
また、刃高さ調節機構を備えることで、適切な高さで光ファイバに切り込みを入れることができる。
【0043】
また、ねじり機構を備えることで、一方の光ファイバを周方向にねじり、切断端面を傾斜させることができる(
図7B参照)。切断端面を傾斜させることにより、突合せ接続時の反射を抑制することができる。
【0044】
また、操作レバー8を備えることで、光ファイバに切り込みを入れ、切り込みを入れた箇所を押圧して光ファイバを切断する一連の操作を簡易に行うことができる。