(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
正の誘電率異方性を有する液晶組成物であって、前記液晶組成物が一般式(LC1)及び/又は一般式(LC2)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、
(式中、R
11及びR
21は炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A
11及びA
21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
(該構造中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して−H、−Cl、−F、−CF
3又は−OCF
3を表し、ベンゼン環の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子は−Cl、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)を表し、A
12、A
13、A
22及びA
23はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
(該構造中、X
3及びX
4はそれぞれ独立してH、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表し、シクロヘキサン環の1つ又は2つ以上のCH
2基は酸素原子で置換されていてもよく、該構造中ベンゼン環の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はCl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。)を表し、Y
11及びY
21はそれぞれ独立して−Cl、−F、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
11〜Z
22はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
11〜m
22はそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、m
11+m
12、及びm
21+m
22はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表し、A
11、A
13、A
21、A
23、Z
11、Z
12、Z
21及び/又はZ
22が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。)さらに一般式(LC3)から一般式(LC7)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
(式中、R
31〜R
72はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−又は−OCF
2−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、X
5及びX
6はそれぞれ独立してH、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、屈折率異方性(Δn)およびネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)を低減又は上昇させることなく、粘度(η)が十分に低く、なおかつ、誘電率異方性(Δε)が正の液晶組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、種々のフルオロベンゼン誘導体を検討し、特定の化合物を組み合わせることにより前記課題を解決することができることを見出し、本件発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、正の誘電率異方性を有する液晶組成物であって、前記液晶組成物が一般式(LC1)及び/又は一般式(LC2)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、さらに一般式(LC3)から一般式(LC7)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物を提供し、更に、当該液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供する。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、R
11及びR
21は炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A
11及びA
21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0012】
【化3】
【0013】
(該構造中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して−H、−Cl、−F、−CF
3又は−OCF
3を表し、ベンゼン環の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子は−Cl、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)を表し、A
12、A
13、A
22、及びA
23はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0014】
【化4】
【0015】
(該構造中、X
3及びX
4はそれぞれ独立してH、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表し、シクロヘキサン環の1つ又は2つ以上のCH
2基は酸素原子で置換されていてもよく、該構造中ベンゼン環の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はCl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。)を表し、Y
11及びY
21はそれぞれ独立して−Cl、−F、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
11〜Z
22はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
11〜m
22はそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、m
11+m
12、及びm
21+m
22はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表し、A
11、A
13、A
21、A
23、Z
11、Z
12、Z
21及び/又はZ
22が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。)
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R
31〜R
72はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−又は−OCF
2−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、X
5及びX
6はそれぞれ独立してH、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。)
【発明の効果】
【0018】
本発明の液晶組成物は、Δεが正であってその絶対値が大きいという特徴を有する。またηも低く、回転粘性(γ
1)も小さく、液晶性に優れ、広い温度範囲で安定な液晶相を示す。更に、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、低電圧駆動が可能である実用的で信頼性の高い液晶組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願発明における液晶組成物は前記一般式(LC1)及び/又は一般式(LC2)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、さらに一般式(LC3)から(LC7)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する。一般式(LC1)及び/又は一般式(LC2)で表される化合物と一般式(LC3)から一般式(LC3)で表される化合物を含む液晶組成物は低温においても安定した液晶相を示すため、実用的な液晶組成物であるということができる。
【0020】
これらの一般式(LC1)から一般式(LC7)中、R
11〜R
72はそれぞれ独立して炭素数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよいが、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基であることが好ましく、直鎖であることが好ましい。
A
11及びA
21はそれぞれ独立してはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が好ましい。
A
12、A
13、A
22及びA
23はそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が好ましい。
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5及びX
6はそれぞれ独立してH又はFが好ましい。
【0021】
Y
11及びY
21はそれぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3が好ましく、F又はOCF
3がより好ましい。
Z
11〜Z
22はそれぞれ独立して単結合、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、存在するZ
11及びZ
12のうち一つが−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す場合、他は単結合を表すことが好ましく、全てが単結合を表すことが更に好ましい。
m
11〜m
22はそれぞれ独立して0〜2の整数を表すことが好ましく、m
11+m
12及びm
21+m
22はそれぞれ独立して1、2又は3が好ましい。
【0022】
一般式(LC1)で表される液晶化合物は、下記一般式(LC1−1)〜(LC1−3)
【0024】
(式中、R
11、A
11、A
12、A
13、Z
11、Z
12及びY
11は一般式(LC1)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物であることがより好ましい。下記一般式(LC1−1−1)から一般式(LC1−3−16)
【0030】
(式中、R
11は一般式(LC1)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0031】
一般式(LC2)で表される化合物は、下記一般式(LC2−1)から一般式(LC2−3)
【0033】
(式中、R
21、A
21、A
22、A
23、Z
21、Z
22及びY
21は一般式(LC1)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物であることがより好ましい。下記一般式(LC2−1−1)から一般式(LC2−3−16)
【0039】
(式中、R
21は一般式(LC2)におけると同じ意味を表す。)で表される化合物であることがさらに好ましい。
本発明の液晶組成物には、高分子安定化(PS)モードなどの液晶表示素子を作製するために、重合性化合物を含有することができる。使用できる重合性化合物として、光などのエネルギー線により重合が進行する光重合性モノマーなどが挙げられ、構造として、例えば、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体などの六員環が複数連結した液晶骨格を有する重合性化合物などが挙げられる。具体的には重合性化合物が一般式(PC1)
【0041】
(式中、P
1は重合性官能基を表し、Sp
1は炭素原子数0〜20のスペーサー基を表し、Q
1は単結合、−O−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−CH=CH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OOCO−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は−C≡C−を表し、n
1及びn
2はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R
3は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜25のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、O原子が直接隣接しないように、−O−、−S−、−NH−、−N(CH
3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−より置き換えられていても良く、あるいはR
3はP
2−Sp
2−Q
2−(式中、P
2、Sp
2、Q
2はそれぞれ独立してP
1、Sp
1、Q
1と同じ意味を表す。)を表す。)で表される重合性化合物であることが好ましい。
【0042】
より好ましくは、重合性化合物一般式(PC1)におけるMGが以下の構造
【0044】
(式中、C
1〜C
3はそれぞれ独立して1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF
3、OCF
3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Y
1及びY
2はそれぞれ独立して−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH
2CH
2COO−、−CH
2CH
2OCO−、−COOCH
2CH
2−、−OCOCH
2CH
2−、−CONH−、−NHCO−又は単結合を表し、n
5は0、1又は2を表す。)で表される重合性化合物であり、
Sp
1及びSp
2がそれぞれ独立してアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つ又は2つ以上のCH
2基はO原子が直接隣接しないように−O−、−S−、−NH−、−N(CH
3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていてもよく、
P
1及びP
2がそれぞれ独立して以下の一般式(PC1−a)〜一般式(PC1−d)
【0046】
(式中、R
81〜R
92はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)のいずれかで表される。
【0047】
より具体的には、重合性化合物一般式(PC1)が一般式(PC1)−1又は一般式(PC1)−2
【0049】
(式中、P
1、Sp
1、Q
1、P
2、Sp
2、Q
2及びMGは一般式(PC1)と同じ意味を表し、n
3及びn
4はそれぞれ独立して1、2又は3を表す。)で表される重合性化合物であることが好ましい。
【0050】
より具体的には、一般式(PC1)が一般式(PC1)−3〜一般式(PC1)−8
【0052】
(式中、W
1はそれぞれ独立してF、CF
3、OCF
3、CH
3、OCH
3、炭素原子数2〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、COOW
2、OCOW
2又はOCOOW
2を表し(式中、W
2は炭素原子数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、n
3、n
4及びn
6はそれぞれ独立して0、1、2、3又は4を表す。)で表される重合性化合物であることがより好ましい。
【0053】
さらには、一般式(PC1)−3〜一般式(PC1)−8におけるSp
1、Sp
2、Q
1及びQ
2がすべて単結合であり、n
3及びn
4において、n
3+n
4が3〜6であり、P
1及びP
2が一般式(PC1−c)であり、W
1がF、CF
3、OCF
3、CH
3又はOCH
3であり、n
6が1以上であることが好ましい。
【0054】
また、一般式(PC1)におけるMGが一般式(PC1)−9で表される円盤状液晶化合物であることも好ましい
【0056】
(式中、R
93はそれぞれ独立してP
1−Sp
1−Q
1又は一般式(PC1−e)
【0058】
(式中、P
1、Sp
1及びQ
1は一般式(PC1)と同じ意味を表し、R
94及びR
95はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、R
96は炭素原子数1〜20のアルコキシ基を表し、該アルコキシ基中の少なくとも1つの水素原子が前記一般式(PC1−a)〜(PC1−d)で表される置換基で置換されていてもよい。)の置換基を表す。)
重合性化合物の使用量は好ましくは0.1〜2.0質量%である。
【0059】
更に、本発明の液晶組成物は、その安定性を向上させるために酸化防止剤を1種又は2種以上含有することもでき、UV吸収剤を1種又は2種以上含有することもできる。
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、TNモード、OCBモード、IPSモード、FFSモード又はVA−IPSモード用液晶表示素子に適用できる。
上述の重合性化合物を含有する本発明の液晶組成物を用いることで、高分子安定化(PS)モード液晶表示素子を作製することができる。具体的には、二枚の基板間に重合性化合物を含有する液晶組成物を狭持し、電圧印加下あるいは電圧無印加下で紫外線等のエネルギーによって液晶組成物中の重合性化合物を重合させることで作製することができる。この液晶表示素子においては、重合性化合物の高分子化によって液晶分子の配向状態を記憶化させることができ、それによって配向状態の安定性を向上させることができる。また、応答速度の改善も期待できる。
【実施例】
【0060】
以下、例を挙げて本願発明を更に詳述するが、本願発明はこれらによって限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0061】
液晶組成物の物性として、以下のように表す。
T
N-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T-n :ネマチック相の下限温度(℃)
ε⊥ :25℃での分子長軸方向に対し垂直な方向の誘電率
Δε :25℃での誘電率異方性
no :25℃での常光に対する屈折率
Δn :25℃での屈折率異方性
Vth :25℃での周波数1KHzの矩形波を印加した時の透過率が10%変化するセル厚6μmのセルでの印加電圧(V)
η
20 :20℃でのバルク粘性(mPa・s)
γ
1 :回転粘性(mPa・s)
化合物記載に下記の略号を使用する。
【0062】
【表1】
【0063】
【化25】
【0064】
(実施例1)
以下のような、一般式(LC3)、一般式(LC6)及び一般式(LC7)で表される化合物で構成される液晶ベース組成物Aを調製した。
【0065】
【表2】
【0066】
以下に、液晶ベース組成物Aを用いて調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0067】
【表3】
【0068】
(比較例1)
以下に、液晶組成物Aを用いて調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0069】
【表4】
【0070】
当該液晶組成物は本願の一般式(LC2)で表される化合物を含有しない液晶組成物である。実施例1の方がはるかに低粘度であり、γ
1も小さく、本発明の組み合わせが非常に優れたものであることがわかる
(実施例2)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0071】
【表5】
【0072】
(実施例3)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0073】
【表6】
【0074】
(実施例4)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0075】
【表7】
【0076】
(実施例5)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0077】
【表8】
【0078】
(実施例6)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0079】
【表9】
【0080】
(実施例7)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0081】
【表10】
【0082】
(実施例8)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0083】
【表11】
【0084】
(実施例9)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0085】
【表12】
【0086】
(実施例10)
以下に、調製した液晶組成物とその物性値を示す。
【0087】
【表13】
【0088】
このように、実施例2〜10の液晶組成物は低粘度であり、γ
1も小さく、本発明の組み合わせが非常に優れたものであることがわかる。
(実施例11)
櫛形電極構造の透明電極を同一基板に一対設けた第一の基板と電極構造を設けない第二の基板を使用し各々の基板上に垂直配向性の配向膜を形成し、第一の基板と第二の基板をギャップ間隔4.0ミクロンのIPS用空セルを作製した。この空セルに実施例10で示された液晶組成物を注入し液晶表示素子を作製した。この表示素子の電気光学特性を測定したところ、透過率が10%変化する印加電圧は、1.39vであった。また、5vを印加した時の応答速度は4.6ミリ秒であり、電圧をオフにした時の応答速度は11.9秒であった。
この実施例3で示された液晶組成物99%に対して、式(PC−1)−3−1で表される重合性化合物
【0089】
【化26】
【0090】
を1%添加し均一溶解することにより重合性液晶組成物CLC−Aを調製した。CLC−Aの物性は実施例8で示された液晶組成物の物性とほとんど違いはなかった。
上述のIPS用空セルにCLC−Aを挟持した後、周波数1KHzで1.8Vの矩形波を印加しながら、300nm以下の紫外線をカットするフィルターを介して、高圧水銀灯により液晶セルに紫外線を照射した。セル表面の照射強度が20mW/cm
2となるように調整して600秒間照射して、重合性液晶組成物中の重合性化合物を重合させた垂直配向性液晶表示素子を得た。この表示素子の電気光学特性を測定したところ、透過率が10%変化する印加電圧は、1.58vであった。また、5vを印加した時の応答速度は4.2ミリ秒であった。また、電圧をオフにした時の応答速度は4.7ミリ秒と、実施例8で示された液晶組成物のみで作製した液晶表示素子と比較して、非常に速いものであった。