(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の浄水器は、浄水の排出経路で浄水に添加物が混入される構成であるので、浄水器から容器に混合液を注ぎ出した時点では、混合液中で、添加物が均一に混合していなかった。
このため、均一な混合液を得るためには、コップ等の容器内で混合液を攪拌する等の操作が必要であり、煩雑であった。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたものであり、注ぎ出し後にコップ等の容器内で攪拌等を行うことなく、浄水中に添加物が均一に混合した混合液を得ることができるポット型の浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ポット型の浄水器であって、内部空間を有し上部に開口を有する本体容器と、前記内部空間の上部に設けられた原水貯留部と、該原水貯留部に連通して設けられた浄水カートリッジと、前記浄水カートリッジの下方に設けられ前記浄水カートリッジで濾過された浄水を収容する浄水貯留部と、前記浄水貯留部内の浄水の注ぎ口と、前記本体容器に設けられ前記浄水
と添加物とを攪拌する攪拌手段と、を備えている、ことを特徴とする浄水器が提供される。
【0008】
このような構成によれば、
浄水を攪拌する攪拌手段が浄水器に設けられているので、浄水貯留部内に添加された添加物が浄水器内で浄水に均一に混合される。
【0009】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌手段が、前記浄水貯留部と注ぎ口との間に設けられている。
このような構成によれば、浄水器から浄水を注ぎ出す際に、浄水貯留部内に添加された添加物が浄水に均一に混合される。
【0010】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌手段が、前記浄水貯留部から前記注ぎ口に向けて断面積が狭くなっていくインラインミキサによって構成されている。
【0011】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌手段が、前記浄水貯留部内に設けられている。
このような構成によれば、浄水貯留部内で、浄水貯留部内に添加された添加物が浄水に均一に混合される。
【0012】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌手段が、回転羽根を備えている。
【0013】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌手段が、棒状部材および該棒状部材の下端に連結された攪拌板を備えている。
【0014】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記棒状部材が、前記浄水貯留部の前記注ぎ口とは反対側の位置に配置されている。
【0015】
このような構成によれば、容易に攪拌することができ、また、浄水を注ぐ際に、前記棒状部材が邪魔にならずに注ぐことができる。
【0016】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記攪拌板が前記浄水カートリッジに衝突するのを防止するための衝突防止部材を備えている。
【0017】
このような構成によれば、攪拌する際に、前記攪拌板が前記浄水カートリッジに衝突するのを防止することができる。
【0018】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記浄水カートリッジの下方側に、逆流軽減手段を備えている。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記逆流軽減手段が逆止弁を備えている。
【0019】
本発明の他の好ましい態様によれば、
混合液の液跳ね防止手段を備えている。
【0020】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記混合液の液跳ね防止手段が邪魔板を備えている。
【0021】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記浄水カートリッジの下方側に、邪魔板を備えている。
このような構成によれば、浄水貯留部内の添加物が添加された浄水すなわち添加物入りの浄水(混合液)が、原水貯留部に流れ込みにくく、浄水カートリッジの原水浄化能力が低下することを抑制できる。
【0022】
本発明の他の好ましい態様によれば、筒状の添加物収納容器と該添加物収納容器の一端部に設けられ添加物供給口を設けたノズルとを有し、添加物を浄水貯留部内に添加する、添加手段を備えている。
このような構成によれば、容易に前記添加物を前記浄水貯留部内に添加することができる。
【0023】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記開口を開閉自在に閉鎖する蓋を備えている。
このような構成によれば、ごみ等が浄水器内に混入するのを防ぐことができ、また、浄水器を傾ける際に、水がこぼれるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、注ぎ出し後にコップ等の容器内で攪拌等を行うことなく、浄水中に、添加物が均一に混合した混合液を得ることができるポット型の浄水器が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の浄水器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のポット型浄水器1の構成を示す模式的な断面図である。
【0027】
浄水器1は、原水貯留部内の原水を浄化カートリッジで浄化して濾過済みの水(浄水)とし、この浄水を下部の浄水貯留部に貯留しておく所謂ポット型の浄水器であり、浄水貯留部の浄水に、風味、物性を付加するための添加物を混合して使用する用途に適したものである。
【0028】
図1に示されているように、浄水器1は、内部空間2を有し上部に開口4を有する有底円筒の本体容器6を備えている。本体容器6の上部の開口4は、蓋8によって開閉自在に閉鎖されている。このような蓋8によれば、ごみ等が浄水器内に混入するのを防ぐことができ、また、浄水器を傾ける際に、水がこぼれるのを防ぐことができる。
【0029】
本実施態様では、本体容器6の内部空間2の底部が、角をなくした緩やかな凹型形状とされている。この構造によって、添加物が内部空間2の底部の角に偏在し、浄水との均一な混合が困難になることが防止される。
【0030】
内部空間2の上部には、上方に向かって開口した箱状の内側部材である仕切部10が取付けられ、仕切部10の内部が、濾過前の水である原水を収容する原水貯留部12とされている。本実施態様の浄水器1では、仕切部10は、本体容器6の内側に着脱自在に取付けられる構造を有している。
【0031】
また、仕切部10の下端には、原水貯留部12と連通し原水貯留部12内の原水を濾過する浄水カートリッジ14が嵌合されている。さらに、内部空間2の浄水カートリッジ14の下方側は、浄水カートリッジ14で濾過された浄水を収容する浄水貯留部16とされている。
【0032】
浄水貯留部16の容量は、持ち運び時の利便性、冷蔵庫への収容性を考慮し、5L以下であることが好ましく、2L以下であることがより好ましい。また、一度に使用可能な浄水の量が少なくなり過ぎないよう、浄水貯留部16の容量0.5L以上であることが好ましい。
【0033】
浄水カートリッジ14は、従来からポット型の浄水器で使用されている浄水カートリッジと同一構造を有する公知のカートリッジであり、上端に、図示しない空気排出筒を有し、空気排気筒の外周側面には、原水流入口が設けられている。また、空気排気筒の頂部には、空気排出穴が設けられている。
【0034】
本実施態様では、浄水カートリッジ14では、繊維状濾材、粒状濾材、および膜のうちの少なくとも1つが筒状容器内部に濾材として収納され、水道水などの原水中の残留塩素、細菌、あるいは鉄錆などの微粒子を除去する。
【0035】
濾材を収納する方法としては、個別の円筒部材に1種類の濾材を収納し、これを組み合わせて一体化する方法、1つの円筒状の部材に2種類以上の濾材をまとめて収納する方法等が用いられる。
【0036】
繊維状濾材は、濾過を妨げる空気溜まりが形成され難くするため、粒状濾材より下流に配置することが好ましい。
また、繊維状濾材を粒状濾材の下流に配置すると、繊維状濾材が粒状濾材からの微粉流出を抑制するフィルターを兼ね、粒状濾材の下流側に別途フィルターを配さなくともよくなるため、浄水カートリッジの構造をさらにシンプルかつコンパクトにでき好ましい。
【0037】
なお、輸送中や濾過中に繊維状濾材がずれたり抜け落ちたりしない様に、繊維状濾材の上下に支持部材を配し、筒状容器内に固定する構成が好ましい。
【0038】
また、繊維状濾材周囲の少なくとも一部を、不織布、焼結材、ナイロンメッシュなどで覆うと、繊維状濾材の形状が保持され取り扱いが簡便になり、加工がしやすく、また、フィルターとしての効果も高まる。繊維状濾材は、イオン交換繊維を含むことが好ましい。
【0039】
粒状濾材としては、活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブ、コーラルサンド、骨炭、ヒドロキシアパタイト、珪酸チタニウムなどが使用される。
【0040】
活性炭は、形状は限定されず、粉末炭、粒状炭、繊維状炭、破砕炭、ビーズ状炭、ハニカム状炭、成形炭などが用いられる。
【0041】
また、粒状濾材と繊維状濾材の更に下流側に鉄錆などの微粒子や細菌などが除去可能な膜を配置してもよい。膜としては、平膜、中空糸膜、チューブラー膜などが用いられる。
【0042】
浄水カートリッジ14の下流側には、逆流軽減手段が取付けられ、浄水貯留部16内の添加物が添加された浄水すなわち添加物入りの浄水(混合液)が、原水貯留部12に流れ込み、浄水カートリッジ14の原水浄化能力が低下することが抑制されている。
【0043】
逆流軽減手段としては、逆止弁や混合溶液の液跳ね防止手段などが使用される。
【0044】
逆止弁としては、
図2に示されているようなアンブレラー弁20や、
図3に示されているようなダックビル弁22が使用される。
【0045】
液跳ね防止手段として、
図4および
図5に示されているような邪魔板19、19’を備えた構造を採用してもよい。
【0046】
図4および
図5に示されているように、邪魔板19、19’は、浄水カートリッジ14の下方に所定距離をおいて、浄水カートリッジ14の浄水出口を下方から覆うように配置されている。
【0047】
この邪魔板19、19’により、外部からの振動または本体容器6を傾ける動作などによって、浄水カートリッジ14に向かって跳ね上がった本体容器6内の液体が、浄水出口を通して浄水カートリッジ14内に直接浸入することを防ぐことができる。
【0048】
図4に示されている邪魔板19は、一枚の邪魔板が他方の邪魔板を覆う形になっており、持ち運ぶ際に浄水貯留部16内の混合液がどの方向に揺れても、混合液が浄水出口を通して浄水カートリッジ14内に流れ込みにくい。
【0049】
また、
図5に示されている邪魔板19’は、浄水貯留部16内の混合液を注ぎ口24からコップ等に注ぐ際に、浄水貯留部16内の混合液が浄水カートリッジ14内に流れ込みにくく、かつ、構造がシンプルなため、洗浄が容易でありメンテナンス性に優れる。
【0050】
また、本体容器6の上部には、一端側に、浄水貯留部16内の混合液を注ぎ出すための注ぎ口24が形成され、他端側に、取っ手26が設けられている。
【0051】
本体容器6、蓋8、仕切部10、逆流軽減手段18等の材質として、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、MS樹脂、ナイロン樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1などの樹脂および、ステンレス、鍍金加工が施された鉄などの金属が挙げられる。具体的には、機械的強度、表面外観、成型加工性、機能性などを加味して選択されるが、内容物を外部から目視できるように透明であることが好ましい。また、本体容器6に、抗菌性を付与してもよい。
【0052】
本実施態様の浄水器1は、さらに、浄水貯留部16内の混合液を、注ぎ口24からの注ぎ出し前に攪拌する攪拌手段である、インライン式ミキサー28を備えている。浄水器1では、インライン式ミキサー28は、本体容器6の内部空間26の底部、すなわち浄水貯留部16の底部から注ぎ口24に向かって延びるように配置され、注ぎ口24から流出する混合液の全量が通過する流路を形成している。
【0053】
本実施態様では、インライン式ミキサー28は、入水口30から出水口32に向けて、断面積が縮小していく漏斗形状を有している。インライン式ミキサー28は、駆動部の無い、いわゆる静止型混合手段であり、内部にエレメントを有し、エレメントにより順次攪拌混合される。エレメントの形状は、例えば長方形の板を、長手方向中心軸線を中心にして180度ねじった形状などが挙げられる。
【0054】
この構造により、インライン式ミキサー28内を通過する液体の流速、混合効率、混合液が注ぎ出る際の流速が増加され、浄水貯留部16内に添加された添加物が、浄水カートリッジ14によって濾過された浄水中に均一に混合される。
【0055】
本実施態様では、本体容器6、蓋8、仕切部10、浄水カートリッジ14、攪拌手段28は相互に着脱可能に構成されている。
【0056】
次に、浄水器1の使用方法について説明する。まず、蓋8、仕切部10を本体容器6から取り外し、添加物を本体容器6の浄水貯留部16内に添加する。
【0057】
なお、添加物としては、風味、物性、機能性を濾過水に付与する物質が挙げられる。風味、物性を付加するための添加物としては、飲料水の素(液体、粉末)などの調味料、茶葉、香料、氷などが、機能性を付与するものとしては、香料、薬草、サプリメントなどが挙げられる。
【0058】
次に、仕切部10を本体容器6に取付け、水道水等の原水を仕切部10の原水貯留部12に注入し、蓋8を閉める。
【0059】
仕切部10の原水貯留部12に注入された原水は、浄水カートリッジ14の空気排出筒の側面外周の原水流入口から浄水カートリッジ14内に流入し、濾材によって濾過された後、本体容器6の浄水貯留部16に落下し、濾過された水すなわち浄水として貯留される。
【0060】
濾過の際、浄水カートリッジ14内の空気は、空気排気穴から大気中に排出されるため、原水貯留部12内の原水は空気抵抗を受けることなく、最高の透過速度で浄水貯留部16に落下し、浄水貯留部16内に添加された添加物と混合され貯留される。
【0061】
そして、添加物入りの浄水(混合液)を飲用等する場合には、浄水器1を傾け、浄水貯留部16に貯留されている混合液を、注ぎ口24からコップ等に注ぎ出す。この際、混合液は、全量が、インライン式ミキサー28によって構成された流路を通過し、流路通過時に、インライン式ミキサー28の作用で、浄水に対する添加物の混合が促進され、浄水中に添加物が均一に混合した混合液として流出する。
【0062】
次に、本発明の他の好ましい実施形態の浄水器について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の浄水器40の構成を示す模式的な断面図である。
図6から明らかなように、浄水器40は、攪拌手段の具体的構成以外は、第1の実施形態の浄水器1と同一の構成を備えている。
【0063】
以下、相違点を中心に、浄水器40の構成を説明する。浄水器40は、攪拌手段として、浄水器1のインライン式ミキサー28に代えて、手動攪拌器42を備えている。手動攪拌器42は、蓋8に形成された孔8aを貫通して浄水貯留部16の底部付近まで延びる棒状部材44と、棒状部材44の下端に連結された攪拌板46とを備えている。攪拌板46には、複数の開口48が形成されている。
【0064】
図6のように、攪拌板46は、内部が中空となった略半球形状であり、棒状部材44は、略円柱状であることが好ましい。
また、本実施態様では、本体容器6の内部空間は、65〜310mm程度の内径または幅と、150〜310mm程度の深さを有している。そして、攪拌板46の最大外径は、100〜140mmであり、棒状部材44の長さは、200〜360mmであることが好ましい。
【0065】
このような構成によれば、攪拌板46で本体容器6を傷つけることなく、効果的に攪拌することができ、また、棒状部材44を容易に持つことができ、効率よく攪拌を行うことができる。
【0066】
このような構成によれば、添加物入りの浄水(混合液)の注ぎ出しに先立って、棒状部材44の上端44aを把持し、手動攪拌器42を上下動させることで、浄水貯留部16内の混合液を攪拌し、浄水貯留部16内に添加された添加物を浄水中に均一に混合させることできる。この状態で、浄水器40を傾けることにより、浄水中に添加物が均一に混合した混合液が注ぎ口24から流出させられる。
また、棒状部材44が、浄水貯留部16内の注ぎ口24とは径方向に反対側の位置に配置されていることが好ましい。このような構成によれば、容易に攪拌することができ、また、浄水を注ぐ際に、棒状部材が邪魔にならない。
【0067】
上記第2の実施形態では、手動攪拌器42は、棒状部材と攪拌板とを備えていたが棒状部材のみを備えた構成でもよい。
【0068】
また、本実施形態では、攪拌板46が浄水カートリッジ14に衝突するのを防止するための衝突防止部材が設けられていることが好ましい。
図6のように、棒状部材44と本体容器6の両方に、それぞれ、衝突防止部材44a、6aが設けられていることがより好ましい。
例えば、棒状部材側衝突防止部材44aは、棒状部材44の外周に嵌合した直径が4〜20mmのリング状であり、本体容器側衝突防止部材6aは、棒状部材44が挿通される開口を有する幅22〜30mmの直方体形状の部材であり、棒状部材側衝突防止部材44aが下方側に位置するように、本体容器6の内壁に取り付けられている、衝突防止部材6a、44aの材料としては、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが使用される。
【0069】
このような構成によれば、棒状部材44がある程度の高さまで引き上げられると、棒状部材側衝突防止部材44aが本体容器側衝突防止部材と衝突し、棒状部材44はそれより上方には上がらない。この結果、攪拌の等際、攪拌板46が過度に上昇し、浄水カートリッジ14に衝突するのを防止することができる。
【0070】
次に、本発明の他の好ましい実施形態の浄水器について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態の浄水器50の構成を示す模式的な断面図である。
図7から明らかなように、浄水器50も、攪拌手段の具体的構成以外は、第1の実施形態の浄水器1および第2の実施形態の浄水器40と同一の構成を備えている。
【0071】
以下、相違点を中心に、浄水器50の構成を説明する。浄水器50は、攪拌手段として、浄水器1のインライン式ミキサー28および、手動回転攪拌器52を備えている。手動回転攪拌器52は、浄水貯留部16の底面中央に配置された手動回転羽根54を備えている。本実施形態では、攪拌手段としてインライン式ミキサー28および手動回転攪拌器52を備えているが、手動回転攪拌器52のみでもよい。
【0072】
手動回転羽根54は、取っ手26の裏側に設けられた操作レバー56を手動操作することによって回転駆動され、浄水貯留部16内の添加物入りの浄水(混合液)を攪拌するように構成されている。
具体的には、浄水器50では、回転羽根54と操作レバー56を接続する操作ワイヤ58が、複数の滑車60を介して本体容器6に配置され、操作レバ−56を手動で操作すると、その動きが操作ワイヤ58によって回転羽根54の回転駆動部62に伝達され、手動回転羽根54が回転駆動される。
【0073】
このような構成によれば、混合液の注ぎ出しに先立って、或いは注ぎ出しと同時に、操作レバー56を操作して、手動回転羽根54を回転駆動させることによって、添加物をより均一に浄水中に混合させられる。
【0074】
また、本体容器6の底面部が、角をなくした緩やかな凹型形状であるので、少量の浄水に添加物を混合する際に、手動回転羽根54の回転に伴って浄水貯留部16内で生じる混合液の飛散が軽減される。
【0075】
そして、浄水貯留部16に貯留されている混合液を、注ぎ口24からコップ等に注ぎ出す際には、混合液は、全量が、インライン式ミキサー28によって構成された流路を通過し、流路通過時に、インライン式ミキサー28の作用で、浄水に対する添加物の混合が促進され、浄水中に添加物が均一に混合した混合液として浄水器50から流出する。
【0076】
操作レバー56が取っ手26の裏側に設けられているので、収納の際など、操作レバー56が周囲の物体と接触することで誤操作が生じることを防止可能となる。
【0077】
さらに、片手で浄水器を持ち上げた状態で、操作レバー56を操作することが可能となり、また、例えば、溶解し難い添加物を用いた場合でも、片手で操作レバー56を操作しながらコップなどの容器に混合液を注ぐことで浄水中に添加物がさらに均一に混合した混合液を得ることが可能となる。
【0078】
上記第3の実施形態では、手動回転羽根54は、手動で動かされる操作レバーを動力源として回転駆動される構成であったが、ぜんまい仕掛け、磁石の反発および吸引力、ゴムの伸縮力などを非電力の駆動力として回転駆動される構成でもよい。
【0079】
次に、本発明のもう一つの好ましい実施形態の浄水器について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態の浄水器70の構成を示す模式的な断面図である。
図8から明らかなように、浄水器70も、回転羽根の駆動方式以外は、第3の実施形態の浄水器50と同一の構成を備えている。
【0080】
以下、相違点を中心に、浄水器70の構成を説明する。浄水器70は、浄水器50の手動回転攪拌器52に代えて、電動回転攪拌器72を備えている。電動回転攪拌器72も、手動攪拌機52と同様に浄水貯留部16の底面中央に配置された、電動回転羽根74を備えている。
【0081】
具体的には、浄水器70では、電動回転羽根74とスイッチ76を接続する電線78が本体容器6に配置され、取っ手26の裏側に設けられたスイッチ76を操作すると、本体容器6に内蔵された電源80および駆動源82によって、電力が電動回転羽根74の回転駆動部62に供給され、電動回転羽根74が回転駆動される。
【0082】
電源として、携帯用のバッテリー、乾電池などの電源コードを有さない携帯可能な形態のものが好ましい。しかしながら、アダプターなどを介して家庭用電源を電源とする構成でもよい。この場合、本体容器に伝わせた電気配線によって電力が電動回転羽根74の回転駆動部62に供給され、電動回転羽根74が回転駆動される。
【0083】
スイッチ76の形状は、ボタン型やレバー型が好ましい。これによって小さな力で操作することが可能となる。
【0084】
このような構成によれば、添加物が混合されている浄水すなわち混合液の注ぎ出しに先立って、或いは注ぎ出しと同時に、スイッチ76を操作して、電動回転羽根74を回転駆動させることによって、添加物がより均一に浄水に混合させられる。
【0085】
電動回転羽根74を用いることで、より効率よく均一な混合液を得ることが可能となる。このため、高粘度の物質や分散しにくい物質などを、迅速かつ均一に浄水と混合することも可能となる。
【0086】
スイッチ76が取っ手26の裏側に設けられているので、収納の際など、スイッチ76が周囲の物体と接触することで誤操作が生じることを防止可能となる。
【0087】
さらに、片手で浄水器を持ち上げた状態で、スイッチ76を操作することが可能となり、また、例えば、溶解し難い添加物を用いた場合でも、片手でスイッチ76を操作しながらコップなどの容器に混合液を注ぐことで、浄水中に添加物が均一に混合した混合液を得ることが可能となる。
【0088】
そして、浄水貯留部16に貯留されている混合液を、注ぎ口24からコップ等に注ぎ出す際には、混合液は、全量が、インライン式ミキサー28によって構成された流路を通過し、流路通過時に、インライン式ミキサー28の作用で、浄水に対する添加物の混合が促進され、浄水中に添加物がさらに均一に混合した混合液として浄水器70から流出する。
【0089】
次に、本発明のもう一つの好ましい実施形態の浄水器について説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態の浄水器90の構成を示す模式的な断面図である。
図9から明らかなように、浄水器90は、第1の実施形態の浄水器1と同一の構成を備えている。
【0090】
以下、相違点を中心に、浄水器90の構成を説明する。浄水器90は、添加物を浄水貯留部16内に供給する添加手段を備えている点で、浄水器1と異なっている。
【0091】
添加手段は、添加物を収容する添加物収納容器92と、添加材収納容器92から所定量の添加物を供給させる供給機構94とを備えている。
図10に示されているように添加物収納容器92は、一端が開口し添加物を収容する容器本体96と、容器本体96の開口部に取付けられたノズル98とを備えている。容器本体96は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂などの硬質樹脂で形成され、側壁に可撓性を有することが好ましい。また、ノズル98は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂などで形成されている。
【0092】
添加物収納容器92は、容器本体96内に所定の添加物が充填され、ノズル98が下方に向けられた状態で浄水貯留部16の内周面に取付けられる。尚、ノズル98は、容器本体96の側壁が外部から押圧される等して容器本体96の内圧が上昇すると、容器本体96内の添加物を吐出できるように構成されている。
【0093】
供給機構94は、取っ手26に設けられたレバー100と、レバー100の作動によって容器本体96の側壁を押圧する押圧機構102を備えている。
図9に示されているように、押圧機構102は、ピボット104を中心に揺動可能に設けられた略U字状の作動部材106を備えている。作動部材106は、一端106aがレバー100に連結され、他端106bが容器本体96の側壁の側方に位置するように配置されている。
【0094】
このような構成によれば、使用者が、レバー100の下方部分を浄水器90の外側方向に引くことにより、作動部材106が、ピボット104を中心に矢印A方向に回動し、作動部材106の他端106bが、添加物を収容した容器本体96の側壁を押圧する。この結果、容器本体96の内圧が上昇し、容器本体96内の添加物が、ノズル96を通して吐出される。したがって、容易に添加物を浄水貯留部内に添加することができることができる。
【0095】
また、ノズルの添加物供給口を、ノズルの側壁に設けてもよい。このような構成によれば、添加物収納容器を横向きに設置しても、容易に添加物を浄水貯留部内に添加することができることができる。
【0096】
本発明は、前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。