特許第5783223号(P5783223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5783223鉱石スラリー製造設備および鉱石スラリー製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5783223
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】鉱石スラリー製造設備および鉱石スラリー製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 23/00 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   C22B23/00 101
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-228108(P2013-228108)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2015-86457(P2015-86457A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2015年5月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】特許業務法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中野 修
【審査官】 池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−345250(JP,A)
【文献】 特開2011−225956(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0008856(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/115161(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00−61/00
B01D 21/00−21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料鉱石スラリーを予備濃縮して中間鉱石スラリーを得る第1シックナーと、
前記中間鉱石スラリーを濃縮して濃縮鉱石スラリー得る、前記第1シックナーよりシックニング効果の高い第2シックナーと、を備える
ことを特徴とする鉱石スラリー製造設備。
【請求項2】
前記第1シックナーには、前記中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%となるように凝集剤が添加される
ことを特徴とする請求項1記載の鉱石スラリー製造設備。
【請求項3】
第1シックナーにより原料鉱石スラリーを予備濃縮して中間鉱石スラリーを得て、
前記第1シックナーよりシックニング効果の高い第2シックナーにより前記中間鉱石スラリーを濃縮して濃縮鉱石スラリー得る
ことを特徴とする鉱石スラリー製造方法。
【請求項4】
前記第1シックナーに添加する凝集剤を前記中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%となるように調整する
ことを特徴とする請求項3記載の鉱石スラリー製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石スラリー製造設備および鉱石スラリー製造方法に関する。さらに詳しくは、例えば、ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高温加圧硫酸浸出法を用いた湿式製錬において、高温加圧硫酸浸出工程に送るニッケル酸化鉱石のスラリーを製造するための鉱石スラリー製造設備および鉱石スラリー製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リモナイト鉱等に代表される低品位ニッケル酸化鉱石からニッケル、コバルト等の有価金属を回収する湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出法(HPAL: High Pressure Acid Leaching)である高温加圧硫酸浸出法が知られている。
【0003】
図3に示すように、ニッケル酸化鉱石からニッケル・コバルト混合硫化物を得る湿式製錬には、前処理工程(1)と、高温加圧硫酸浸出工程(2)と、固液分離工程(3)と、中和工程(4)と、脱亜鉛工程(5)と、硫化工程(6)と、無害化工程(7)とが含まれる(例えば、特許文献1)。
【0004】
前処理工程(1)では、ニッケル酸化鉱石を解砕分級して鉱石スラリーを製造する。高温加圧硫酸浸出工程(2)では、前処理工程(1)で得られた鉱石スラリーに硫酸を添加し、220〜280℃で撹拌して高温加圧酸浸出し、浸出スラリーを得る。固液分離工程(3)では、高温加圧硫酸浸出工程(2)で得られた浸出スラリーを固液分離して、ニッケルおよびコバルトを含む浸出液(以下、「粗硫酸ニッケル水溶液」という。)と浸出残渣とを得る。
【0005】
中和工程(4)では、固液分離工程(3)で得られた粗硫酸ニッケル水溶液を中和する。脱亜鉛工程(5)では、中和工程(4)で中和した粗硫酸ニッケル水溶液に硫化水素ガスを添加して亜鉛を硫化亜鉛として沈殿除去する。硫化工程(6)では、脱亜鉛工程(5)で得られた脱亜鉛終液に硫化水素ガスを添加してニッケル・コバルト混合硫化物とニッケル貧液とを得る。無害化工程(7)では、固液分離工程(3)で発生した浸出残渣と、硫化工程(6)で発生したニッケル貧液とを無害化する。
【0006】
上記のようなニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高温加圧硫酸浸出法を用いた湿式製錬においては、ニッケル酸化鉱石を解砕し、湿式篩を使用して所定の大きさ以下に分級し、スラリー化して高温加圧硫酸浸出工程に送る。また、高温加圧硫酸浸出工程に送られる鉱石スラリーは、高温加圧硫酸浸出工程における酸消費量、得られる浸出液のニッケル濃度およびその他の不純物濃度が所定の割合となる様に、数種類のニッケル酸化鉱石をブレンドして作られる。
【0007】
この時点で得られる鉱石スラリーの固体成分率(鉱石スラリー中の固体分(鉱石)の重量比率)は10〜20%と低いため、このまま高温加圧硫酸浸出工程に送ると高温加圧浸出工程後の工程内のニッケル濃度が低く、同じニッケル量を処理するための液量が多くなり、効率的にニッケルを回収できない。そこで、シックナーを用いて鉱石スラリーの固体成分率を上げてから高温加圧硫酸浸出工程へ送ることが行われる。これにより、高温加圧硫酸浸出工程への単位時間当たりのニッケル通過量が増加し、ニッケル回収効率が高くなる。
【0008】
高温加圧硫酸浸出工程に送られる鉱石スラリーは、固体成分率が高いほど高温加圧硫酸浸出工程への単位時間当たりのニッケル通過量を増加させることができる。しかし、固体成分率が高すぎると鉱石スラリーの粘度が上昇し、ポンプ能力律速により送液が困難になったり、配管閉塞したりする。そのため、鉱石スラリーの固体成分率は最適値(40〜45%)で維持されるよう調整される。
【0009】
鉱石種によりシックニング挙動が異なるため、シックナーから得られる鉱石スラリーの固体成分率は、ブレンドした鉱石種、ブレンド比率、シックニングに用いる凝集剤の種類、添加量等に依存する。そのため、従来はブレンドした鉱石種やブレンド比率に応じて、過去のデータや作業者の経験則を参考に凝集剤の種類や添加量を調整し、目的とする固体成分率の鉱石スラリーを得ていた。
【0010】
しかし、鉱石種を変更した際には、凝集剤の調整が困難であり、鉱石スラリーの固体成分率や比重が低下することがあった。また、同じ鉱石種であってもシックニング挙動に影響を与えるケイ素品位は大きく変動することがあり、これによっても鉱石スラリーの固体成分率や比重が低下することがあった。
【0011】
図4に示すように、従来の鉱石スラリー製造設備Bは、要求されるスラリー処理量に応じて複数のシックナー101、102を並列に接続し、各シックナー101、102から得られた鉱石スラリーを鉱石スラリー貯槽103に一時貯留し、高温加圧硫酸浸出工程へ供給している。
【0012】
このように、複数のシックナー101、102を並列に接続することで、スラリー処理量を増加させることができる。しかし、単一のシックナーを用いる場合に比べて鉱石スラリーの固体成分率や比重の変動が大きくなり、調整がより困難になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−350766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記事情に鑑み、スラリー処理量を維持しつつ、固体成分率および比重の高い鉱石スラリーを製造できる鉱石スラリー製造設備および鉱石スラリー製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明の鉱石スラリー製造設備は、原料鉱石スラリーを予備濃縮して中間鉱石スラリーを得る第1シックナーと、前記中間鉱石スラリーを濃縮して濃縮鉱石スラリー得る、前記第1シックナーよりシックニング効果の高い第2シックナーと、を備えることを特徴とする。
第2発明の鉱石スラリー製造設備は、第1発明において、前記第1シックナーには、前記中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%となるように凝集剤が添加されることを特徴とする。
第3発明の鉱石スラリー製造方法は、第1シックナーにより原料鉱石スラリーを予備濃縮して中間鉱石スラリーを得て、前記第1シックナーよりシックニング効果の高い第2シックナーにより前記中間鉱石スラリーを濃縮して濃縮鉱石スラリー得ることを特徴とする。
第4発明の鉱石スラリー製造方法は、第3発明において、前記第1シックナーに添加する凝集剤を前記中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%となるように調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1発明によれば、第1シックナーで予備濃縮された中間鉱石スラリーが第2シックナーに供給されるので、第2シックナーにおいて鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、第2シックナーの粒子沈降に要求される水面積を小さくすることができ、スラリー処理量を増加できる。また、後段がシックニング効果の高い第2シックナーであるので、固体成分率および比重の高い濃縮鉱石スラリーを製造できる。
第2発明によれば、中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%であるので、第2シックナーにおいて鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、スラリー処理量を増加できる。
第3発明によれば、第1シックナーで予備濃縮された中間鉱石スラリーが第2シックナーに供給されるので、第2シックナーにおいて鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、第2シックナーの粒子沈降に要求される水面積を小さくすることができ、スラリー処理量を増加できる。また、後段がシックニング効果の高い第2シックナーであるので、固体成分率および比重の高い濃縮鉱石スラリーを製造できる。
第4発明によれば、中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%であるので、第2シックナーにおいて鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、スラリー処理量を増加できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る鉱石スラリー製造設備の説明図である。
図2】実施例および比較例で得られた鉱石スラリーの(A)ケイ素品位に対する固体成分率を示すグラフ、(B)ケイ素品位に対する比重を示すグラフである。
図3】高温加圧硫酸浸出法を用いた湿式製錬の全体工程図である。
図4】従来の鉱石スラリー製造設備の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る鉱石スラリー製造設備は、ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高温加圧硫酸浸出法を用いた湿式製錬において、高温加圧硫酸浸出工程に送るニッケル酸化鉱石のスラリーを製造するのに用いられる。すなわち、鉱石スラリー製造設備は、ニッケル酸化鉱石を解砕分級してスラリー化したものを原料鉱石スラリーとし、その原料鉱石スラリーを目的の固体成分率および比重となるように濃縮して濃縮鉱石スラリーを製造する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の鉱石スラリー製造設備Aは、第1シックナー1と、第2シックナー2と、鉱石スラリー貯槽3とを備える。
【0020】
各シックナー1、2は、円筒状の外枠と中心部が深くなった円錐状の底部とを有するシックナー本体と、シックナー本体の内部で回転するレーキとを備える。シックナー本体に供給された鉱石スラリーが沈降して凝集することで上部の上澄み液部分と下部の沈降濃縮部とが形成され、シックナー本体の最下部に設けられているスラリー回収口から濃縮された鉱石スラリーが回収される。鉱石スラリーの沈降性を向上させるため、シックナー本体に凝集剤を添加してフロックを形成させることが行われる。また、レーキをゆっくりと回転することにより、沈降濃縮部で鉱石スラリーの沈降濃縮を進め、一様な堆積状態を確保する。
【0021】
第1シックナー1と第2シックナー2は直列に接続されている。前段の第1シックナー1には原料鉱石スラリーが供給されており、第1シックナー1から得られた中間鉱石スラリーは後段の第2シックナー2に供給されている。第2シックナー2から得られた濃縮鉱石スラリーは鉱石スラリー貯槽3に供給され一時貯留された後、高温加圧硫酸浸出工程に送られる。
【0022】
なお、本明細書では、第1シックナー1に供給される鉱石スラリーを「原料鉱石スラリー」、第1シックナー1から得られた鉱石スラリーを「中間鉱石スラリー」、第2シックナーから得られた鉱石スラリーを「濃縮鉱石スラリー」と称する。
【0023】
第2シックナー2としては、第1シックナー1よりシックニング効果の高いシックナーが用いられる。ここで、シックニング効果とは得られる鉱石スラリーの固体成分率および比重の程度を意味し、シックニング効果が高いとは、高い固体成分率および比重の鉱石スラリーが得られることを意味する。シックニング効果は、シックナーの形状や大きさ等に依存する。
【0024】
第1シックナー1に供給される原料鉱石スラリーは、ニッケル酸化鉱石を解砕し、湿式篩を使用して所定の大きさ以下に分級し、さらに複数種類のニッケル酸化鉱石をブレンドしてスラリー化したものである。原料鉱石スラリーの固体成分率は10〜20%である。
【0025】
第1シックナー1により原料鉱石スラリーを予備濃縮して中間鉱石スラリーを得る。ここで、中間鉱石スラリーの固体成分率が35〜40%となるように、第1シックナーに添加する凝集剤の種類や添加量を調整することが好ましい。
【0026】
得られた中間鉱石スラリーをシックニング効果の高い第2シックナー2に供給し、中間鉱石スラリーを濃縮して濃縮鉱石スラリー得る。濃縮鉱石スラリーの固体成分率は40〜45%である。濃縮鉱石スラリーは鉱石スラリー貯槽3に一時貯留された後、高温加圧硫酸浸出工程に送られる。
【0027】
以上のように、第1シックナー1で予備濃縮された中間鉱石スラリーが第2シックナー2に供給されるので、第2シックナー2において鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、第2シックナー2の粒子沈降に要求される水面積を小さくすることができ、第2シックナー2のスラリー処理量を増加できる。ひいては鉱石スラリー製造設備A全体のスラリー処理量を増加できる。また、中間鉱石スラリーの固体成分率を35〜40%とすれば、第2シックナー2において鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、これによってもスラリー処理量を増加できる。そのため、複数のシックナーを並列に接続した従来構成の鉱石スラリー製造設備と同様に高いスラリー処理量を維持できる。
【0028】
また、後段がシックニング効果の高い第2シックナー2であるので、固体成分率および比重の高い濃縮鉱石スラリーを製造できる。
【0029】
さらに、第1シックナー1と第2シックナー2が直列に接続されているので、複数のシックナーを並列に接続した構成に比べて鉱石スラリーの固体成分率や比重の変動が小さくなり、凝集剤等の調整が容易となる。
【実施例】
【0030】
(固体成分率、比重)
上記第1シックナー1と第2シックナー2を直列に接続した構成の鉱石スラリー製造設備(実施例)と、並列に接続した構成の鉱石スラリー製造設備(比較例)とを用いて鉱石スラリーを製造した。すなわち、実施例の鉱石スラリー製造設備は図1に示す上記実施形態に係る鉱石スラリー製造設備Aであり、比較例の鉱石スラリー製造設備は図4に示す従来構成の鉱石スラリー製造設備Bである。実施例における第1シックナー1と比較例における第1シックナー101とは同一のシックナーであり、同一のシックニング効果を有する。また、実施例における第2シックナー2と比較例における第2シックナー102とは同一のシックナーであり、同一のシックニング効果を有する。
【0031】
実施例および比較例において得られた鉱石スラリーのケイ素品位に対する固体成分率を示すグラフを図2(A)に示す。また、ケイ素品位に対する比重を示すグラフを図2(B)に示す。
【0032】
図2(A)、(B)から分かるように、実施例、比較例ともに、ケイ素品位が高いほど、固体成分率および比重が低くなる。しかし、ケイ素品位が同じであれば、実施例の方が比較例に比べて、固体成分率および比重が高いことが分かる。これより、上記実施形態の鉱石スラリー製造設備Aによれば、固体成分率および比重の高い鉱石スラリーを製造できることが確認できた。
【0033】
(スラリー処理量)
上記実施例において、第1シックナー1に添加する凝集剤の添加量を調整して、中間鉱石スラリーの固体成分率を35〜40%とした。また、実施例および比較例において、高温加圧硫酸浸出工程へのスラリー供給量が250m3/hとなるように操業を行った。実施例および比較例における各シックナーへの供給スラリー、排出スラリー、および鉱石スラリー貯槽内の鉱石スラリーの比重および流量を表1に示す。なお、原料鉱石スラリーの比重は1.20t/m3である。
【0034】
実施例では、第1シックナー1により比重1.20t/m3の原料鉱石スラリーを濃縮して比重1.38t/m3の中間鉱石スラリーを得た。また、第2シックナー2により比重1.38t/m3の中間鉱石スラリーを濃縮して比重1.51t/m3の濃縮鉱石スラリー得た。第2シックナー2への中間鉱石スラリーの供給量を618m3/hとすることで、目標とするスラリー供給量250m3/hが得られた。
【0035】
比較例では、第1シックナー101により比重1.20t/m3の原料鉱石スラリーを濃縮して比重1.38t/m3の鉱石スラリーを得た。また、第2シックナー102により比重1.20t/m3の原料鉱石スラリーを濃縮して比重1.51t/m3、固体成分率44%の鉱石スラリー得た。第2シックナー102への原料鉱石スラリーの供給量を656m3/hとして流量179m3/hの鉱石スラリーを得た。目標とするスラリー供給量250m3/hに対する不足分を第1シックナー101から補った。すなわち、第1シックナー101からは流量71m3/hの鉱石スラリーを得た。鉱石スラリー貯槽103において、第1シックナー101および第2シックナー102から得られた鉱石スラリーを混合することで比重1.42t/m3、固体成分率42%の鉱石スラリーが得られた。
【0036】
以上より、実施例では、第2シックナー2への供給量を比較例より少なくしても、排出量が多くなり、目標とするスラリー供給量が得られることが分かる。これは、第2シックナー2には予備濃縮された中間鉱石スラリーが供給されるため、第2シックナーにおいて鉱石スラリーの沈降速度が速くなり、第2シックナー2の粒子沈降に要求される水面積を小さくすることができ、スラリー処理量を増加できるためと考えられる。
【0037】
これより、上記実施形態の鉱石スラリー製造設備Aによれば、スラリー処理量を増加でき、従来構成の鉱石スラリー製造設備と同様に高いスラリー処理量を維持できることが確認できた。
【0038】
【表1】
【符号の説明】
【0039】
A 鉱石スラリー製造設備
1 第1シックナー
2 第2シックナー
3 鉱石スラリー貯槽
図1
図3
図4
図2