【実施例】
【0043】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
【0044】
[実施例1−A1]
本発明に係る粉末醤油(キッコーマン社製。以下、全ての実施例、比較例で用いられる粉末醤油は同社製である。)を80gと、本発明に係るパフ化(α化)した米粉(以下、パフ化米粉と称する)20gと、本発明に係る食用油5ccとを用いる。パフ化米粉としては、キッコーマン株式会社製のパフゲン(登録商標)を用いた。食用油としては、日油株式会社製のパナセート(登録商標)を用いた。パナセート(登録商標)は、炭素数6〜10の脂肪酸とグリセロールとをエステル結合したトリアシルグリセロール(TAG)を主成分とする油脂の一例であり、以下、TAG含有油脂と称する。
【0045】
粉末醤油とパフ化米粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、パフ化米粉は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油とパフ化米粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0046】
粉末醤油と、パフ化米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機(筒井理化株式会社製(製品名KAR−75)、1.19mm(14メッシュ)四方の格子を有するメッシュを用いた。以下同じ。)で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(実施例1−A1)を得た。
【0047】
[実施例1−A2]
TAG含有油脂の重量は、粉末醤油とパフ化米粉との合計重量に対して外割で10%とし、具体的には10ccとした。粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例1−A1と同様である。実施例1−A1と同様にして顆粒醤油(実施例1−A2)を得た。
【0048】
[比較例1−A0]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例1−A1と同様であり、食用油は用いない。
【0049】
粉末醤油と、パフ化米粉とを容器に入れ、攪拌し、混合して混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、顆粒醤油(比較例1−A0)を得た。
【0050】
[実施例1−B1]
本発明に係る粉末醤油を80gと、本発明に係る酵素処理により多孔質化した澱粉(以下、多孔質化澱粉と称する。)20gと、本発明に係るTAG含有油脂とを用いる。多孔質化澱粉としては、日澱化学社製:ロンフードOWP(登録商標)を用いた。また、TAG含有油脂は実施例1−A1と同じものを用いた。粉末醤油と多孔質化澱粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、多孔質化澱粉は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油と多孔質化澱粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0051】
粉末醤油と、多孔質化澱粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(実施例1−B1)を得た。
【0052】
[実施例1−B2]
TAG含有油脂は、実施例1−B1と同じものを用い、TAG含有油脂の重量は、粉末醤油と多孔質化澱粉との合計重量に対して外割で10%とし、具体的には10ccとした。粉末醤油及び多孔質化澱粉の重量は、実施例1−B1と同様である。実施例1−B1と同様にして顆粒醤油(実施例1−B2)を得た。
【0053】
[比較例1−B0]
粉末醤油及び多孔質化澱粉の重量は、実施例1−B1と同様であり、食用油は用いない。
【0054】
粉末醤油と、多孔質化澱粉とを容器に入れ、攪拌し、混合して混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、顆粒醤油(比較例例1−B0)を得た。
【0055】
[実施例1−C1]
本発明に係る粉末醤油を80gと、本発明に係るα化(パフ化)したコーン粉砕物の一例としてパフ化コーン粉末(キッコーマン食品株式会社製)20gと、本発明に係るTAG含有油脂とを用いる。TAG含有油脂は実施例1−A1と同じものを用いた。粉末醤油とパフ化コーン粉末との合計重量のうち、粉末醤油は80%、パフ化コーン粉末は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油とパフ化コーン粉末との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0056】
粉末醤油と、パフ化コーン粉末とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(実施例1−C1)を得た。
【0057】
[実施例1−C2]
TAG含有油脂は、実施例1−B1と同じものを用い、TAG含有油脂の重量は、粉末醤油とパフ化コーン粉末との合計重量に対して外割で10%とし、具体的には10ccとした。粉末醤油及びパフ化コーン粉末の重量は、実施例1−C1と同様である。実施例1−C1と同様にして顆粒醤油(実施例1−C2)を得た。
【0058】
[比較例1−C0]
粉末醤油及びパフ化コーン粉末の重量は、実施例1−C1と同様であり、食用油は用いない。
【0059】
粉末醤油と、パフ化コーン粉末とを容器に入れ、攪拌し、混合して混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、顆粒醤油(比較例1−C0)を得た。
【0060】
[試験例1]
上述した実施例及び比較例に係る顆粒醤油を、所定の条件下で吸湿させた後、1.19mm(14メッシュ)四方の格子を有するメッシュを通過した顆粒醤油の重量を測定した。メッシュに乗せた顆粒醤油の重量(X)に対するメッシュを通過した顆粒醤油の重量(Y)の比率であるメッシュ通過率((Y/X)×100(%))を計算した。
【0061】
具体的には、温度30℃、相対湿度52%の環境において実施例及び比較例に係る顆粒醤油を、容器に入れ、密閉した。そして当該容器を、同環境下で15時間放置した。その後、この顆粒醤油の重量(Y)を測定した。
【0062】
当該容器をタッピング装置(HOSOKAWA MICRON CORP社製、製品名POWDER TESTER)で衝撃を加えることを20回繰り返した。このタッピング装置は、顆粒醤油を収容した容器を、2cm程度の高さから台座に落下させることを繰り返し行える装置である。
【0063】
タッピング装置で衝撃を加えた後、容器中の顆粒醤油をメッシュに供給し、メッシュを通過した顆粒醤油の重量(X)を測定し、メッシュ通過率を計算した。
【0064】
メッシュの格子は、1.19mm(14メッシュ)であった。また、実施例及び比較例に係る顆粒醤油の平均粒径は、1mmであった。当該顆粒醤油は、1mmのスクリーンで押出造粒し乾燥後、14メッシュ(目開き1.19mm)を通過したものである。
【0065】
図1に、実施例及び比較例に係るメッシュ通過率を示す。同図に示すように、実施例1−A1は約60%、実施例1−A2は約75%、実施例1−B1は約73%、実施例1−B2は約68%、実施例1−C1は約72%、実施例1−C2は約58%であった。比較例1−A0は約13%、比較例1−B0は約40%、比較例1−C0は約37%であった。
【0066】
経験的に、固結が防止された顆粒醤油であるためには、メッシュ通過率は50%を超えていることが好ましい。食用油(TAG含有油脂)を混合した実施例1−A1、実施例1−A2、実施例1−B1、実施例1−B2、実施例1−C1及び実施例1−C2は、何れも、メッシュ通過率が50%を超え、食用油を添加していない比較例1−A0、比較例1−B0及び比較例1−C0は、何れもメッシュ通過率が50%を下回っている。
【0067】
すなわち、粉末醤油と多孔質体と食用油とを混合することで、固結が防止された顆粒醤油が得られた。
【0068】
[比較例2−A]
本発明に係る粉末醤油を80gと、粉末醤油を担持しうる澱粉の一例として市販のα化したタピオカ20gと、本発明に係るTAG含有油脂5ccとを用いる。
【0069】
粉末醤油とα化したタピオカとの合計重量のうち、粉末醤油は80%、α化したタピオカは20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油とα化したタピオカとの合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0070】
粉末醤油と、α化したタピオカとを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(比較例2−A)を得た。
【0071】
[比較例2−B]
本発明に係る粉末醤油を80gと、粉末醤油を担持しうる澱粉の一例としてα化されていない馬鈴薯澱粉(松谷化学工業株式会社製)20gと、本発明に係るTAG含有油脂5ccとを用いる。
【0072】
粉末醤油とα化されていない馬鈴薯澱粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、α化されていない馬鈴薯澱粉は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油とα化されていない馬鈴薯澱粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0073】
粉末醤油と、α化されていない馬鈴薯澱粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(比較例2−B)を得た。
【0074】
[比較例2−C]
本発明に係る粉末醤油を80gと、粉末醤油を担持しうる市販の乳糖20gと、本発明に係るTAG含有油脂5ccとを用いる。
【0075】
粉末醤油と乳糖との合計重量のうち、粉末醤油は80%、乳糖は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油と乳糖との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0076】
粉末醤油と、乳糖とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(比較例2−C)を得た。
【0077】
[比較例2−D]
本発明に係る粉末醤油を80gと、粉末醤油を担持しうる市販の上新粉20gと、本発明に係るTAG含有油脂5ccとを用いる。上新粉は、うるち米を製粉したものである。
【0078】
粉末醤油と上新粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、上新粉は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油と上新粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0079】
粉末醤油と、上新粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(比較例2−D)を得た。
【0080】
[比較例2−E]
本発明に係る粉末醤油を80gと、粉末醤油を担持しうるα化されていない市販の米粉20gと、本発明に係るTAG含有油脂5ccとを用いる。
【0081】
粉末醤油と米粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、米粉は20%としてあり、TAG含有油脂は、粉末醤油と米粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0082】
粉末醤油と、米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(比較例2−E)を得た。
【0083】
[試験例2]
上述した比較例に係る顆粒醤油について、試験例1と同様にメッシュ通過率を計算した。なお、メッシュの格子は、1.19mm(14メッシュ)であった。また、本試験例の比較例に係る顆粒醤油の平均粒径は、1mmであった。
【0084】
図2に、比較例に係るメッシュ通過率を示す。同図に示すように、比較例2−Aは約23%、比較例2−Bは約0.09%、比較例2−Cは約1%、比較例2−Dは約0.59%、比較例2−Eは、約0.09%であった。上述の比較例は何れも、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0085】
これらの比較例及び、試験例1に係る実施例との相違は、多孔質体にある。多孔質体として、α化した米粉、酵素処理により多孔質化した澱粉、α化したコーン粉砕物を用いた試験例1に係る実施例は、メッシュ通過率が50%を超え、これら以外の多孔質体等を用いた本試験例の比較例は、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0086】
すなわち、本発明に係る多孔質体を用いることで、固結が防止された顆粒醤油が得られた。
【0087】
[実施例3−A]
本発明に係る粉末醤油を80gと、本発明に係るパフ化米粉20gと、本発明に係る食用油として米油5ccとを用いる。
【0088】
粉末醤油とパフ化米粉との合計重量のうち、粉末醤油は80%、パフ化米粉は20%としてあり、米油は、粉末醤油とパフ化米粉との合計重量に対して外割で5%(5cc)とした。
【0089】
粉末醤油と、パフ化米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器に米油を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(実施例3−A)を得た。
【0090】
[比較例3−B]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例3−Aと同様であり、食用に供され、常温下で液体状の油として市販のコーン油5ccを用いる。実施例3−Aと同様にして、顆粒醤油(比較例3−B)を得た。
【0091】
[比較例3−C]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例3−Aと同様であり、食用に供され、常温下で液体状の油として市販の菜種油5ccを用いる。実施例3−Aと同様にして、顆粒醤油(比較例3−C)を得た。
【0092】
[比較例3−D]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例3−Aと同様であり、食用に供され、常温下で液体状の油として市販のオリーブ油5ccを用いる。実施例3−Aと同様にして、顆粒醤油(比較例3−D)を得た。
【0093】
[比較例3−E]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例3−Aと同様であり、食用に供され、常温下で液体状の油として市販のごま油5ccを用いる。実施例3−Aと同様にして、顆粒醤油(比較例3−E)を得た。
【0094】
[比較例3−F]
粉末醤油及びパフ化米粉の重量は、実施例3−Aと同様であり、食用に供され、常温下で固体状の油として市販のラード5ccを用いる。粉末醤油と、パフ化米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にラードを入れ、ラードが溶融する程度の温度に加熱し、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油(実施例3−F)を得た。
【0095】
[試験例3]
上述した実施例及び比較例に係る顆粒醤油について、試験例1と同様にメッシュ通過率を計算した。なお、メッシュの格子は、1.19mm(14メッシュ)であった。また、本試験例の実施例及び比較例に係る顆粒醤油の平均粒径は、1mmであった。
【0096】
図3に、実施例及び比較例に係るメッシュ通過率を示す。同図に示すように、実施例3−Aは70.94%、比較例3−Bは42.64%、比較例3−Cは23.04%、比較例3−Dは45.35%、比較例3−Eは43.83%、比較例3−Fは30.57%であった。実施例3−Aのメッシュ通過率は50%を超え、比較例3−B〜Fは何れも、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0097】
これらの実施例及び比較例、及び試験例1に係るTAG含有油脂を用いた実施例との相違は、用いる食用油にある。食用油として、TAG含有油脂を用いた試験例1の実施例1−A1、1−A2、1−B1、1−B2、1−C1、1−C2、米油を用いた本試験例の実施例3−Aは、メッシュ通過率が50%を超え、これら以外の油を用いた本試験例の比較例3−B〜Fは、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0098】
すなわち、本発明に係る食用油を用いることで、固結が防止された顆粒醤油が得られた。なお、比較例3−Fについては、固体状の油を用いたため製造時に加熱されている。この加熱により、比較例3−Fに係る顆粒醤油は、風味が低下したものであった。
【0099】
[実施例4−B〜4−G、比較例4−A、4−H、4−I]
各実施例及び比較例で用いる本発明に係る粉末醤油と、本発明に係るパフ化米粉と、本発明に係るTAG含有油脂との割合を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
表1に示す割合の粉末醤油とパフ化米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器に、粉末醤油とパフ化米粉との合計重量に対して外割で5%のTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油を得た。
【0102】
[試験例4]
上述した実施例及び比較例に係る顆粒醤油について、試験例1と同様にメッシュ通過率を計算した。なお、メッシュの格子は、1.19mm(14メッシュ)であった。また、本試験例の実施例及び比較例に係る顆粒醤油の平均粒径は、1mmであった。
【0103】
図4に、実施例及び比較例に係るメッシュ通過率を示す。同図に示すように、比較例4−Aは54.27%、実施例4−Bは62.61%、実施例4−Cは69.64%、実施例4−Dは73.20%、実施例4−Eは81.66%、実施例4−Fは73.57%、実施例4−Gは63.82%、比較例4−Hは43.14%、比較例4−Iは37.03%であった。実施例4−B〜4−Gのメッシュ通過率は50%を超え、比較例4−H、4−Iは何れも、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0104】
この結果から、粉末醤油とパフ化米粉との割合は、30:70〜95:5であることが好ましいことが得られた。
【0105】
[実施例5−B〜5−E、比較例5−A]
各実施例及び比較例で用いる本発明に係る粉末醤油と、本発明に係るパフ化米粉と、本発明に係るTAG含有油脂との割合を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
表2に示す割合の粉末醤油とパフ化米粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器に、粉末醤油とパフ化米粉との合計重量に対して外割で表2に示した割合のTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た。この混合物にエタノール水(濃度90%)を40ml添加した後、押出造粒機で当該混合物を顆粒化し、さらに乾燥させて顆粒醤油を得た。
【0108】
[試験例5]
上述した実施例及び比較例に係る顆粒醤油について、試験例1と同様にメッシュ通過率を計算した。なお、メッシュの格子は、1.19mm(14メッシュ)であった。また、本試験例の実施例及び比較例に係る顆粒醤油の平均粒径は、1mmであった。
【0109】
図5に、実施例及び比較例に係るメッシュ通過率を示す。同図に示すように、比較例5−Aは33.42%、実施例5−Bは57.31%、実施例5−Cは73.20%、実施例5−Dは78.01%、実施例5−Eは75.92%であった。実施例5−B〜5−Eのメッシュ通過率は50%を超え、比較例5−Aは、メッシュ通過率が50%を下回っている。
【0110】
この結果から、粉末醤油とパフ化米粉とに対して、TAG含有油脂の割合は外割で1〜20%であることが好ましいことが得られた。なお、TAG含有油脂の割合が外割で20%を超えると、油が多すぎて造粒が困難であった。
【0111】
[比較例6−A]
比較例6−Aで用いる粉末醤油と、パフ化米粉と、TAG含有油脂とは、実施例1−A1と同じである。粉末醤油と、パフゲン(登録商標)とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た(比較例6−A)。
【0112】
[比較例6−B]
比較例6−Bで用いる粉末醤油と、多孔質化澱粉と、TAG含有油脂とは、実施例1−B1と同じである。粉末醤油と、多孔質化澱粉とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た(比較例6−B)。
【0113】
[比較例6−C]
比較例6−Cで用いる粉末醤油と、パフ化コーン粉末と、TAG含有油脂とは、実施例1−C1と同じである。粉末醤油と、パフ化コーン粉末とを容器に入れ、攪拌して混合した。さらに、容器にTAG含有油脂を入れ、攪拌して混合し、混合物を得た(比較例6−C)。
【0114】
[試験例6]
これらの比較例6−A〜6−Cに係る混合物について、試験例1に示したようにメッシュ通過率を計算した。
【0115】
比較例6−A、6−Cのメッシュ通過率は、0%、比較例6−Bについては5%であり、何れも、メッシュ通過率が50%を下回った。
【0116】
比較例6−A〜6−Cと、試験例1の実施例1−A1、1−B1、1−C1との相違は、顆粒化の有無である。この結果から、混合物を顆粒化することで固結が防止された顆粒醤油が得られた。