(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1活物質における2次粒子が、前記第1活物質の総量に対して30重量%以上〜100重量%未満で含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合電極。
前記複合電極が、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト−ニッケル酸化物、リチウムコバルト−マンガン酸化物、リチウムマンガン−ニッケル酸化物、リチウムコバルト−ニッケル−マンガン酸化物、リチウム含有オリビン型リン酸塩、これらに他の元素で置換またはドープした酸化物から選択される何れか一種又はこれらの二種以上の混合物をさらに含んでなり、
前記他の元素が、Al、Mg、Mn、Ni、Co、Cr、V、Feからなる群から選択される何れか一種又は二種以上の元素であることを特徴とする、請求項11に記載の複合電極。
前記複合電極が、前記複合電極の総量に対して10重量%以下のバインダーおよび導電材を含んでなることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の複合電極。
前記中型又は大型デバイスが、パワーツール(power tool)、電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、およびプラグインハイブリッド電気自動車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;E−bike、E−scooterを含む電気二輪車;電気ゴルフカート(Electric golf cart);電気トラック;電気商用車または電力貯蔵用システムであることを特徴とする、請求項15に記載のリチウム二次電池。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
前記のような従来技術の問題および技術的課題を解決するために、本発明は、二つ以上の活物質を含む複合電極において、前記活物質間の粒子サイズの差を緩和するために、相対的に粒子サイズが小さい活物質(以下、『小粒子活物質』とする。)の粒子(以下、『1次粒子』とする。)を凝集して、混合される他の活物質の粒子サイズと均等な大きさに2次的に粒子化(以下、『2次粒子』とする。)して含む複合電極であることを特徴とする。
【0038】
特に、前記小粒子活物質は、1次粒子の大きさがナノ(nano)サイズであることが好ましい。
【0039】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0040】
本発明は、二つ以上の活物質を含む複合電極において、混合する活物質間の粒子サイズに差がある場合、相対的に小さいサイズの粒子からなる活物質(小粒子活物質)の1次粒子を凝集して乾燥し、2次粒子化する。
【0041】
複合電極を構成する二つ以上の活物質間の1次粒子のサイズの差が大きい場合、上述したように電極の電気伝導性の低下および出力特性の低下を誘発する。
【0042】
そのため、本発明は、小粒子活物質の1次粒子を凝集して複合電極に含まれる他の活物質との粒子サイズが均一になるように2次粒子化することで複合電極に含まれる二つ以上の活物質間の粒子サイズの差がほとんどないようにすることを特徴とある。これにより、本発明に係る複合電極は、導電材が比表面積の広い何れか一方の活物質に偏る現象を緩和して、前記二つ以上の活物質を含む複合電極の電気伝導性を高めることができる。
【0043】
特に、前記小粒子活物質の1次粒子の大きさはナノ(nm)サイズを有することが好ましい。さらに好ましくは、5nm〜200nmの大きさの1次粒子からなる活物質であってもよい。
【0044】
1次粒子が前記のようなサイズからなる場合、これを凝集して2次粒子化するために有利であり、このように2次粒子化して複合電極に含ませる場合、本発明が予想する効果をより極大化することができるためである。
【0045】
本発明により小粒子活物質の1次粒子を凝集して2次粒子化する方法は特に制限されず、公知の方法を用いて1次粒子を凝集して粒子化することができればよい。
【0046】
具体的に、例えば、小粒子活物質の1次粒子とともに水を攪拌機に入れて攪拌して混合物を製造し、これを回転噴霧乾燥法で凝集した後、乾燥して圧着することにより2次粒子を製造することができる。
【0047】
2次粒子の大きさは、小粒子活物質とともに複合電極に含まれる他の活物質の粒子サイズと均等な大きさに製造することが好ましいが、製造過程における誤差を鑑みて、含まれる他の活物質の粒子サイズと均一な大きさを有する2次粒子以外に、これより小さい大きさを有する2次粒子をさらに含んでもよい。前記粒子の大きさは製造過程に応じて異なり得る。
【0048】
小粒子活物質の1次粒子を凝集して製造する2次粒子のサイズは寸法上に制限されず、小粒子活物質とともに電極に含まれる他の活物質との粒子サイズが均一になるように製造されればよい。
【0049】
本発明により、粒子サイズが異なる二つ以上の活物質を含む複合電極は、前記小粒子活物質を全部(100%)2次粒子化して複合電極に含む場合、混合される他の活物質との粒子サイズがほぼ均一になるため、最も好ましいと言えるが、小粒子活物質の総量に対して30%以上を2次粒子化して含む場合にも本発明が予想する効果が発現されることができる。
【0050】
ただし、前記小粒子活物質のうち2次粒子が30%未満で含まれる場合には活物質の電気伝導性の上昇効果が十分でないため本発明が予想する好ましい効果を得ることが難しい。
【0051】
一方、複合電極に含まれる小粒子活物質は、前記のように1次粒子および2次粒子以外に異なる大きさの粒子をさらに含むことができる。
【0052】
すなわち、小粒子活物質の本来の粒子(1次粒子)およびこれを凝集して製造した2次粒子以外に異なる大きさの粒子をさらに含むことができる。
【0053】
これは、1次粒子を2次粒子に製造した後、他の活物質とともに混合して複合体として圧着される過程で2次粒子が割れるか変形することにより様々な大きさの粒子になる可能性があるためである。
【0054】
また、前記2次粒子を製造する際に、好ましくは導電材を添加することができる。すなわち、2次粒子を製造する際に、1次粒子とともに導電材を混合して2次粒子化を行うことができる。
【0055】
このように、導電材を含んで2次粒子を製造する場合、2次粒子の表面だけでなく、2次粒子内部の電気伝導性もまた向上し、混合した2種以上の電極活物質間に導電路(path)が十分に形成されることで電極の電気伝導性がさらに上昇し、リチウム二次電池の抵抗を大きく下げることができる。
【0056】
前記2次粒子に含まれる導電材は1次粒子の総重量に対して0.5重量%〜5重量%で1次粒子と混合されて2次粒子が製造されることができる。
【0057】
含まれる導電材の量が0.5重量%未満の場合には粒子間の十分な導電路を形成し、電気伝導度を向上させることが難しく、5重量%を超えて含む場合には活物質の量が相対的に少なくなるため、電池の容量が低下する恐れがあり、エネルギー密度が低下する問題がある。
【0058】
前記2次粒子に含まれる導電材は、電気伝導度に優れ、二次電池の内部環境で副反応を誘発したり当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば特に制限されない。
【0059】
具体的に、前記導電材として使用される黒鉛は天然黒鉛であるか人造黒鉛などであってもよく、導電性炭素は伝導性の高いカーボン系物質が特に好ましく、具体的には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラックまたは結晶構造がグラフェンやグラファイトを含む物質が挙げられる。
【0060】
一方、前記2次粒子を含む複合電極が正極である場合に、より好ましい効果を提供する。
【0061】
特に、上述したように、小粒子活物質の1次粒子がナノ(nano)サイズである場合、本発明が予想する効果を極大化することができ、正極の場合にはオリビン構造のLiMPO
4(Mは、Co、Ni、MnおよびFeから選択される1種以上の元素である。)で表される活物質がナノサイズ(50nm〜200nm)の1次粒子からなっており、小粒子化合物として好ましい。
【0062】
また、より好ましくは、前記LiMPO
4(Mは、Co、Ni、MnおよびFeから選択される1種以上の元素である。)の中でも比較的安価で、高容量を有し、かつ安定したオリビン構造を有するLiFePO
4(以下、『オリビン』とする。)を使用することができる。
【0063】
前記オリビンは、理論容量が170mAh/gで、標準還元電位が3.4Vであり、作動電圧が電解液の分解などの副反応を誘発するほど高くなく、かつエネルギー密度を維持することができ、比較的充電電位が低いため、3V領域帯での放電出力を確保するために有利である。
【0064】
一方、前記オリビンを正極活物質に含む場合には、正極活物質の総量に対して10〜60重量%含むことが好ましい。
【0065】
オリビンが10重量%未満で含まれる場合には二次電池の安全性に問題があり、60重量%を超えて含まれる場合にはオリビンの低い容量によって全体正極の高容量化に限界があるためである。
【0066】
この際、正極活物質に含まれる前記オリビンの総量に対して30重量%〜100重量%が2次粒子に製造されて含まれるようにする。
【0067】
2次粒子が少なくとも30重量%以上になると複合電極をなす二つ以上の活物質の粒子間の大きさの差によって生じる問題点を解決するために適するめである。
【0068】
さらに、前記オリビン全体(100%)を2次粒子化して正極に含ませることが最も好ましい。
【0069】
本発明は、複合電極に含まれる小粒子活物質を2次粒子化して含むことを特徴としており、前記複合電極に含まれる他の成分は特に制限されないが、好ましくは下記の[化学式
2]で表される三元系リチウム含有金属酸化物(以下、『三元系』とする。)であることができる。
【0070】
[化学式
2]
LiNi
xMn
yCo
1-x-yO
2
(0<x<0.5、0<y<0.5)
【0071】
前記[化学式
2]で表される三元系は、好ましくは、Ni、Co、Mnが同様に構成されたLi[Ni
1/3Co
1/3Mn
1/3]O
2であることができる。
【0072】
前記三元系化合物は、相対的に高い容量を発現することができるため、高容量/高出力の二次電池を製造するために好適である。
【0073】
本発明により、複合電極に含まれる小粒子活物質の2次粒子は、他の活物質粒子と均等な大きさになるように製造しなければならないため、三元系活物質を複合電極に含む場合には前記三元系と近似した粒子サイズ(5μm〜20μm)を有するように、小粒子活物質を5μm〜20μmの大きさに2次粒子化しなければならない。
【0074】
本発明に係る最も好ましい一実施形態として、前記複合電極は正極であってもよく、正極に含まれる二つ以上の活物質は前記化学式1で表される三元系リチウム含有金属酸化物であり、小粒子活物質はオリビンであってもよい。
【0075】
この際、前記オリビンは正極の総量に対して10〜60重量%に含まれることが好ましい。10重量%未満で含まれる場合には二次電池の安全性に問題があり、60重量%を超える場合にはオリビン構造のLiFePO
4の低い容量によって全体正極の高容量化に限界があるためである。
【0076】
前記オリビンは50nm〜200nmの大きさの1次粒子からなっており、三元系リチウム含有金属酸化物と近似した粒子サイズを有するように5μm〜20μmの大きさに2次粒子化することが好ましい。
【0077】
前記のように製造されたオリビン2次粒子は、正極に含まれるオリビンの総量に対して少なくとも30重量%以上含まれるようにする。30%未満で含まれる場合には、前記三元系の粒子との大きさの差が著しいため導電材がオリビン側にのみ偏ることになり、これによって正極の低い電気伝導性が改善し難いためである。
【0078】
一方、正極に含まれる前記オリビンには、1次粒子および三元系の粒子と近似した大きさを有する2次粒子以外にも、正極製造過程で2次粒子が割れるか変形して発生した異なるサイズの粒子がさらに含まれてもよい。このように異なるサイズの粒子をさらに含む場合でもオリビンが1次粒子のみからなる場合よりは正極の電気伝導性が改善した効果を示すことは言うまでもない。
【0079】
一方、本発明に係る正極は、2次粒子および前記[化学式
2]の三元系リチウム含有金属酸化物以外に、下記のようなリチウム含有金属酸化物をさらに含んでもよい。
【0080】
すなわち、前記リチウム含有金属酸化物は当業界に公知の様々な活物質であり、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト-ニッケル酸化物、リチウムコバルト-マンガン酸化物、リチウムマンガン-ニッケル酸化物、リチウムコバルト-ニッケル-マンガン酸化物、リチウム含有オリビン型リン酸塩、これらに他の元素で置換またはドープした酸化物などが全て含まれてもよく、前記他の元素は、Al、Mg、Mn、Ni、Co、Cr、V、Feからなる群から選択される何れか一つまたは二つ以上の元素であってもよい。
【0081】
また、本発明は、前記のような複合電極に、導電材、バインダー、充填剤などを選択的にさらに含んでもよい。
【0082】
含まれる導電材およびバインダーの量が少なすぎると所望の効果が期待できず、反対に多すぎると相対的に活物質の量が少なくなって容量が減少する可能性があるため、前記導電材およびバインダーの含量は複合電極の総量に対して10重量%以下になるように含むことが好ましく、さらに好ましくは、3重量%〜10重量%になるように含む。
【0083】
このような導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスカー(whisker);酸化チタンなどの導電性酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使用することができる。
【0084】
本発明に係る複合電極に含まれる前記導電材は、複合電極内で2種以上の活物質のうち何れか一方の活物質に偏ることなく均一に分布することができ、これによって少量でも電極の導電性を大きく改善することができる。
【0085】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合を容易にする成分であり、このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(ethylene-propylene-diene terpolymer、EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
【0086】
また、前記充填剤は、電極の膨張を抑制する成分として選択的に使用され、当該電池に化学的変化を誘発しない繊維状材料であれば特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0087】
また、複合電極は、例えば、正極集電体上に前記正極活物質、導電材およびバインダー、充填剤などの正極合剤をNMPなどの溶媒に混合して製造されたスラリーを正極集電体上に塗布した後、乾燥および圧延して製造されることができる。
【0088】
前記集電体は、通常、3〜500nmの厚さで製造する。正極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものなどが使用されてもよい。集電体はその表面に微細な凹凸を形成して活物質の接着力を高めてもよく、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔体、発泡剤、不織布体など様々な形態が可能である。
【0089】
負極集電体もまた当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用されてもよい。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化してもよく、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔体、発泡体、不織布体など様々な形態で使用されてもよい。
【0090】
本発明もまた前記複合電極、分離膜、およびリチウム塩含有非水電解液で構成されたリチウム二次電池を提供する。
【0091】
前記分離膜は正極と負極との間に介在され、高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性の薄膜が使用される。分離膜の孔径は一般的に0.01〜10μmであり、厚さは一般的に5〜300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性および疎水性を有するポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラス繊維またはポリエチレンなどで製造されたシートや不織布などが使用される。電解質としてポリマーなどの固体電解質が使用される場合には固体電解質が分離膜の機能を兼ねてもよい。
【0092】
前記リチウム塩含有非水系電解液は、非水電解液とリチウム塩からなっている。非水電解液としては、非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などが使用される。
【0093】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ホルム酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステール、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、ピロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用されてもよい。
【0094】
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリアジテーションリシン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合体などが使用されてもよい。
【0095】
前記無機固体電解質としては、例えば、Li
3N、LiI、Li
5NI
2、Li
3N-LiI-LiOH、LiSiO
4、LiSiO
4-LiI-LiOH、Li
2SiS
3、Li
4SiO
4、Li
4SiO
4-LiI-LiOH、Li
3PO
4-Li
2S-SiS
2などのLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などが使用されてもよい。
【0096】
前記リチウム塩は前記非水系電解質に溶解されやすい物質であり、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO
4、LiBF
4、LiB
10Cl
10、LiPF
6、LiCF
3SO
3、LiCF
3CO
2、LiAsF
6、LiSbF
6、LiAlCl
4、CH
3SO
3Li、CF
3SO
3Li、(CF
3SO
2)
2NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4-フェニルボロン酸リチウム、イミドなどが使用されてもよい。
【0097】
また、非水系電解液には、充放電特性、難燃性などの改善を目的として、例えば、ピリジン、トリエチルホスフェート、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されてもよい。
【0098】
場合に応じて、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含んでもよく、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含んでもよい。
【0099】
このような本発明に係る二次電池は、小型デバイスの電源として使用される電池セルに使用されるだけでなく、好ましくは、多数の電池セルを含む中大型の電池モジュールに単位電池として使用されることができる。
【0100】
前記中大型デバイスの好ましい例としては、パワーツール(power tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)およびプラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;E-bike、E-scooterを含む電気二輪車;電気ゴルフカート(Electric golf cart);電気トラック;電気商用車または電力貯蔵用システムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
以下、実施例を参照して本発明の内容をより詳述するが、下記実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範疇はこれによって限定されない。
【0102】
実施例1
(2次粒子の製造)
オリビン構造のLiFePO
4粉末を水とともに攪拌機に入れて混合してスラリーを製造した後、これを回転噴霧乾燥法で凝集して乾燥し、10μmサイズの2次粒子を製造した。
【0103】
(正極の製造)
前記方法によって製造されたLiFePO
4 2次粒子と一般的なLiFePO
4を50対50に混合した材料20重量%と、Li[Ni
1/3Co
1/3Mn
1/3]O
2 60重量%、黒鉛 7重量%、デンカブラック 7重量%およびPVDF 6重量%を含む正極活物質を製造した。具体的に、前記含量比のLi[Ni
1/3Co
1/3Mn
1/3]O
2とLiFePO
4および黒鉛とデンカブラックをグラインディング(grinding)、シービング(sieving)した後、バインダーとしてPVDF 6重量%をともにコーティングして正極合剤を製造し、これを正極集電体に塗布し、圧延および乾燥して二次電池用正極を製造した。
【0104】
(リチウム二次電池の製造)
前記のように製造された正極を含み、黒鉛をベースとする負極の間に多孔性ポリエチレンの分離膜を介在し、リチウム電解液を注入して、ポリマー型リチウム二次電池を製作した。
【0105】
前記ポリマー型リチウム二次電池を4.2Vでフォーメーションした後、4.2Vと2.5Vとの間で充放電しながらSOCによって出力を測定した(C-rate=1C)。
【0106】
実施例2
LiFePO
4を100%2次粒子化して正極活物質に含むこと以外は、前記実施例1と同様な方法でポリマーリチウム二次電池を製作した。
【0107】
比較例
LiFePO
4を2次粒子化することなく、そのまま正極活物質に含むこと以外は、前記実施例1と同様な方法でポリマーリチウム二次電池を製作した。
【0108】
前記実施例および比較例によって製作されたフルセル(full cell)リチウム二次電池に対して4.2V〜3Vの電圧範囲でSOCによる出力変化をそれぞれ測定し、その結果を
図1に示した。
【0109】
図1に示すデータは一つの例示にすぎず、SOCによる詳細的なPower数値はセルの仕様によって異なるため、詳細的数値よりはグラフの傾向が重要であると言える。
【0110】
このような観点で
図1を参照すると、本発明の実施例1によるリチウム二次電池の場合、全SOC区間にわたり、比較例によるリチウム二次電池よりはるかに高いレベルの出力が現れることが確認できる。実施例2の場合、SOCが低い領域では抵抗が大きくなるため比較例の場合より現れる出力量が少ないが、それ以外の全区間では比較例より高いレベルの出力量を示すことを確認した。
【0111】
これは、本発明に係る複合電極に含まれる2種以上の活物質間の粒子間の差が少なくなることにより導電材が複合電極内に均一に分布して活物質の電気伝導性を向上させた結果であると言える。
【0112】
本発明によって出力特性が大きく改善し、使用可能なSOC領域もまた拡張したリチウム二次電池を提供することができる。
【0113】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能であるはずである。したがって、本発明に開示された実施例等は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、本発明の保護範囲は、請求の範囲に基づき解釈されなければならず、これと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。