(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気光学効果を有する電気光学基板と、前記電気光学基板に設けられて光波が供給される複数の光導波路と、前記光導波路内を通過する前記光波を変調するための変調信号が供給される複数の信号電極と、を有する光変調素子と、
前記複数の信号電極と金属線を用いて電気的に接続されるとともに前記変調信号を終端する終端抵抗と、
前記終端抵抗が第1の面に設けられた終端基板と、
前記第1の面の表面に形成されることで前記終端基板に配置された熱伝導手段と、を備える光デバイスにおいて、
前記熱伝導手段は、前記終端抵抗で発生した熱を前記電気光学基板から離れる方向に前記終端基板に拡散させるように、前記第1の面における前記終端抵抗の周辺に配置され、
前記第1の面の面積が5mm2以上であることを特徴とする、光デバイス。
前記熱伝導手段は、前記終端抵抗を境に前記電気光学基板から離れる側に形成された面積が、前記終端抵抗を境に前記電気光学基板側に形成された面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の光デバイス。
前記終端抵抗を境にして前記電気光学基板から離れる位置に形成された全ての熱伝導孔により伝導する熱量は、前記終端抵抗を境に前記電気光学基板側に形成された全ての熱伝導孔により伝導する熱量よりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載の光デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、40Gbpsや100Gbpsといった大容量通信に対応するため、多値変調方式や偏波多重方式などに対応した集積型変調器が主流となってきている。これらの変調器では、1つの変調器内に複数の変調部を持っており、例えば、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動4値位相変調)では2つの変調部を持っており、異なる2つのQPSK信号を偏波合成するDP−QPSK(Dual polarization-Quadrature phase shift keying)では4つの変調部を持っている。更には、マッハツェンダ構造を使った位相変調方式に対応するために、従来の単一マッハツェンダ構造のASK(Amplitude Sift Keying)変調方式の2倍の電圧振幅(4倍の電力)で変調器が駆動される。このため、変調器内で消費される電力が、従来の単一マッハツェンダ構造の変調器と比較して8倍以上になっている。更には、変調器の小型化要求に対応するために、終端回路を近接して配置する必要があり、終端回路で発生する熱が問題となっている。
【0005】
特に、リチウムナイオベート(LiNbO
3:以下「LN」という)からなるLN基板を有するLN変調器では、LN基板と筐体との線膨張係数の差に起因した熱応力による温度ドリフト現象などの問題を生じるが、これらの問題を抑制するために、LNに近い線膨張係数を持つステンレス(例えばSUS304)が筐体に用いられている。しかしながら、ステンレスは、熱伝導率があまり高くない金属であるため、終端回路で発生した熱が十分に筐体を通じて放熱されず、終端回路周辺が局所的に高温になってしまう。
【0006】
また、LN基板上に形成された信号電極や接地電極と、終端基板上に形成された終端回路の信号電極や接地電極とは、金など熱伝導率の高い金属を用いてワイヤボンディングなどにより接続されている。
【0007】
このため、筐体を通じて放熱されなかった熱はワイヤボンディングのワイヤを通してLN基板に伝わり、LN基板の温度を局所的に上昇させていた。
【0008】
上記の局所的な温度上昇のため、終端回路が形成された終端基板および終端基板の隣接部分であるLN基板における局所的な熱応力歪の発生、終端基板やLN基板の膨張による終端基板とLN基板の接触による終端基板又はLN基板の破損、温度ドリフト現象の増加などが課題となっている。
【0009】
本発明は、終端回路での発熱による光学特性の劣化や基板の破損を防止し、終端基板と光学素子との機械的干渉を防止し、温度ドリフト現象を抑制する光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面に係る光デバイスは、電気光学効果を有する電気光学基板と、電気光学基板に設けられて光波が供給される複数の光導波路と、光導波路内を通過する光波を変調するための変調信号が供給される複数の信号電極と、を有する光変調素子と、複数の信号電極と電気的に接続されるとともに変調信号を終端する終端抵抗と、終端抵抗が第1の面に設けられた終端基板と、を備え、終端基板には熱伝導手段を配置する。
【0011】
本発明に係る光デバイスによれば、終端抵抗により変調信号を終端することで終端抵抗が発熱するが、終端基板に熱伝導手段を設けることで、終端抵抗で発生した熱が拡散されるため、終端抵抗の発熱による終端基板の温度上昇を抑制することができるとともに、光変調素子の温度上昇も抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、光変調素子と終端基板とが熱膨張により接触して破損するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0012】
本発明の一側面に係る光デバイスは、熱伝導手段が、第1の面における終端抵抗の周辺に配置される。本発明に係る光デバイスによれば、発熱源である終端抵抗で発生した熱をより効率的に拡散させることができるため、終端抵抗の発熱による終端基板の温度上昇をより効率的に抑制することができるとともに、光変調素子の温度上昇も抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、光変調素子と終端基板とが熱膨張により接触して破損するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0013】
本発明の一側面に係る光デバイスは、熱伝導手段における、終端抵抗を境に電気光学基板から離れる側に形成された面積が、終端抵抗を境に電気光学基板側に形成された面積よりも大きい。本発明に係る光デバイスによれば、発熱源である終端抵抗で発生した熱を、光学特性に対して影響の大きい電気光学基板から離れる方向に効率的に拡散させることができるため、光変調素子の温度上昇を抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0014】
本発明の一側面に係る光デバイスは、第1の面の面積が5mm
2以上である。なお、本発明において各信号電極と電気的に接続される終端抵抗の数は1つでも良いし複数でも良い。本発明に係る光デバイスによれば、終端抵抗により変調信号を終端することで終端抵抗が発熱するが、終端基板における終端抵抗が設けられた面の面積を5mm
2以上にすることで、終端抵抗の発熱による終端基板の温度上昇を抑制することができるとともに、光変調素子の温度上昇も抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、光変調素子と終端基板とが熱膨張により接触して破損するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0015】
本発明の一側面に係る光デバイスは、熱伝導手段は、終端基板における第1の面、及び第1の面と対向する第2の面に配置され、第1の面と第2の面にそれぞれ配置された熱伝導手段は、終端基板に形成された熱伝導孔を介して互いに接続されている。本発明に係る光デバイスによれば、終端抵抗で発生した熱を終端基板の第1の面と第2の面にそれぞれ配置された熱伝導手段で効率的に終端基板に分散させることができるため、終端基板の温度が局所的に高くなることを更に抑制することができるとともに、終端基板や光変調素子の温度上昇を更に抑制することができる。
【0016】
本発明の一側面に係る光デバイスは、終端抵抗を境にして電気光学基板から離れる位置に形成された全ての熱伝導孔により伝導する熱量は、終端抵抗を境に電気光学基板側に形成された全ての熱伝導孔により伝導する熱量よりも大きいことを特徴とする。本発明に係る光デバイスによれば、発熱源である終端抵抗で発生した熱を、光学特性に対して影響の大きい電気光学基板から離れる方向に効率的に拡散することができるため、光変調素子の温度上昇を抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0017】
本発明の一側面に係る光デバイスは、終端抵抗と電気光学基板との距離が、0.5mm以上である。本発明に係る光デバイスによれば、終端抵抗と電気光学基板との距離を0.5mm以上とすることで、終端抵抗で発生する熱がワイヤボンディングのワイヤを通して電気光学基板に伝わることを抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、終端回路での発熱による光学特性の劣化や基板の破損を防止し、終端基板と光学素子との機械的干渉を防止し、温度ドリフト現象を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、一実施形態に係る光変調器の構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、光変調器1は、光ファイバF1によって導入された光波を変調して、光ファイバF2に変調光を出力する光デバイスである。光変調器1は、光入力部2と、中継部3と、光変調素子4と、終端基板5と、光出力部6と、筐体10と、を備え得る。
【0022】
筐体10は、一方向(以下、「方向A」という。)に延びる箱型の部材であって、例えばステンレス鋼から構成されている。筐体10は、方向Aにおける両端面である一端面10a及び他端面10bを有する。一端面10aには光ファイバF1を挿入するための開口が設けられている。他端面10bには光ファイバF2を挿入するための開口が設けられている。筐体10は、例えば、光入力部2、中継部3、光変調素子4、終端基板5及び光出力部6を収容する。
【0023】
光入力部2は、光ファイバF1によって導入される光波を光変調素子4に供給する。光入力部2は、光ファイバF1と光変調素子4との接続を補助するための補助部材を備えても良い。
【0024】
中継部3は、外部から供給される電気信号(一般的に5〜8V)である変調信号を中継して光変調素子4に出力する。中継部3は、例えば筐体10の側面10cに設けられた変調信号入力用のコネクタを介して変調信号を入力し、光変調素子4に変調信号を出力する。
【0025】
光変調素子4は、中継部3から出力される変調信号に応じて、光入力部2から供給される光波を変調光に変換する素子である。光変調素子4は、基板41(電気光学基板)と、複数の光導波路42と、複数の信号電極43と、を備え得る。基板41は、例えばリチウムナイオベート(LiNbO
3)などの電気光学効果を奏する誘電体材料から構成されている。基板41は方向Aに沿って延びており、方向Aにおける両端部である一端部41a及び他端部41bを有する。
【0026】
光導波路42は、基板41上に設けられている。光導波路42は、例えばマッハツェンダ(Mach-Zehnder)型の光導波路であって、光変調素子4の変調方式に応じた構造を有する。この例では、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動4値位相変調)変調などで用いられるネスト型変調器の構成を用いている。この場合、光導波路42は、マッハツェンダ部420の2つの分岐導波路上に、マッハツェンダ部421及びマッハツェンダ部422が設けられた構造を有する。すなわち、マッハツェンダ部420の入力導波路42aは基板41の一端部41aから方向Aに沿って延び、分岐されてマッハツェンダ部421の入力端及びマッハツェンダ部422の入力端にそれぞれ接続されている。マッハツェンダ部420の出力導波路42bでは、マッハツェンダ部421の出力端及びマッハツェンダ部422の出力端から延びる導波路が合流して方向Aに沿って他端部41bまで延びている。
【0027】
信号電極43は、変調信号に応じた電界を光導波路42に印加するため基板41上に設けられ、主に金(Au)などで形成される。
【0028】
信号電極43の配置及び数は、基板41の結晶軸の向き及び光変調素子4の変調方式に応じて決定される。各信号電極43には、中継部3から出力される変調信号がそれぞれ印加される。
【0029】
光変調素子4では、光入力部2から光変調素子4に供給される光波は、入力導波路42aによってマッハツェンダ部421及びマッハツェンダ部422に分岐して入力される。分岐された光波は、マッハツェンダ部421及びマッハツェンダ部422を通過する際に、信号電極43に供給された変調信号によりそれぞれ変調される。マッハツェンダ部421において変調された変調光及びマッハツェンダ部422において変調された変調光は、不図示の位相差付与手段により90度の位相差を付与され、出力導波路42bにおいて合波されて光変調素子4から出力される。ここで信号電極43からの電界により光導波路42を伝播する光への変調作用が及ぶ光導波路を「作用部」という。
【0030】
終端基板5は、変調信号の電気的終端であり、半田や金スズなどのろう材、あるいは接着剤などにより筐体10の内部に固定されている。詳細は後述する。
【0031】
光出力部6は、光変調素子4から出力される変調光を光ファイバF2に出力する。光出力部6は、基板41の他端部41bに設けられている。
【0032】
図2及び
図3は、
図1に示す光変調器の一部拡大図である。
図1〜
図3に示すように、終端基板5は、基板41との間に所定の隙間を空けた位置に配置されており、光変調素子4の信号電極43の各々に共通した基板としている。基板41と終端基板5との隙間は10μm以上100μm以下とすることが望ましい。10μm以上とすることで組み立て時や熱膨張による互いの接触を避けることができ、また100μm以下とすることで信号電極を伝播する高周波信号の特性劣化を防ぐことができる。
【0033】
本実施形態では、1つの終端基板5上に2つの信号電極が配置され、それぞれの信号電極に2つの終端抵抗及び2つのコンデンサが配置された例として説明する。なお、本実施例では終端基板5が一つであるが、終端基板5は、信号電極の数に応じて複数に分割されていても良い。この場合、分割された終端基板間同士の離間距離が互いに熱的影響を受ける範囲内であれば、終端基板5を一体とみなすことができる。
【0034】
終端基板5は、例えば、アルミナから構成されており、厚さが0.1mm〜1.0mmの矩形平板状の部材である。そして、終端基板5上には信号電極43に印加された変調信号を終端するための終端回路51が設けられている。終端回路51は、終端回路用信号電極52と、終端回路用信号電極52に接続される1又は複数の終端抵抗53と、終端回路用接地電極54と、DCブロック用のコンデンサ55と、DC入力用電極56への高周波信号を遮断するための抵抗またはインダクタ57と、終端抵抗53をコンデンサ55及びインダクタ57に接続する電極58と、を備えている。DC入力用電極56へは外部のDC電源からバイアス電圧が印加される。なお、終端基板5上には、コンデンサやインダクタなどを含まず、発熱源である終端抵抗のみが配置される構成としても良い。ここで、終端基板5における終端抵抗53が設けられた面を「終端基板表面5A」(第1の面)といい、終端基板5における終端抵抗53が設けられた面と対向する面を「終端基板裏面5B」(第2の面)という。
【0035】
終端回路用信号電極52及び終端回路用接地電極54は、終端基板5上に形成され、ワイヤボンディングにより形成されるワイヤ59により光変調素子4の信号電極43及び接地電極(不図示)と電気的に接続される。
【0036】
終端抵抗53は変調信号の反射を防止するために設けられており、信号電極43に印加された変調信号の電力が熱として消費される。このため、終端抵抗53の一端は、終端回路用信号電極52に接続されており、終端抵抗53の他端は、終端回路用接地電極54に接続されている。終端抵抗53の抵抗値は、信号電極43の特性インピーダンスと略等しく、例えば50Ω程度であるが、1つの信号電極に複数の終端抵抗を接続する場合は、合成されたインピーダンスが50Ω程度となっていれば良い。そして、各終端抵抗53の発熱により基板41が高温になるのを抑制するために、終端抵抗53と基板41との距離が0.5mm以上となっている。また、各終端抵抗53の発熱により終端基板5が局所的に高温になるのを抑制するために、終端回路用信号電極52に接続される各終端抵抗53は、互いに離れて配置されている。
【0037】
例えば、
図2及び
図3のように1つの終端回路用信号電極52に複数の終端抵抗53を接続する場合は、複数の終端抵抗53同士を所定の間隔を置いて配置するとともに、他方の終端回路用信号電極52に接続される複数の終端抵抗53とも、所定の間隔をおいて配置することが好ましい。このようにすることで、終端抵抗53が多い場合でも発熱源である終端抵抗53が分散して配置されるため、終端基板5が局所的に高温になることを抑制することができる。
【0038】
また終端回路用信号電極52に終端抵抗53が1つだけ接続される場合も同様に、一方の終端回路用信号電極52に接続される終端抵抗53と、他方の終端回路用信号電極52に接続される終端抵抗53とを、所定の間隔をおいて配置することが好ましい。このようにすることで、発熱源である終端抵抗53が分散して配置されるため、終端基板5が局所的に高温になることを抑制することができる。
【0039】
終端基板表面5Aには、更に、熱伝導層61(熱伝導手段60)が形成されている。熱伝導層61は、終端抵抗53で発生した熱を終端基板5や筐体10等に拡散させるものである。熱伝導層61は、熱伝導率が終端基板5と同等かそれ以上の材料であればよく、例えば、金、銀、銅、クロムやそれらの合金、又は半田などの金属が好ましい。このため、熱伝導層61は、終端抵抗53で発生した熱を効率よく終端基板5に分散させる熱伝導手段としての役割を持つ。これにより、終端基板5の温度が局所的に高くなることを抑制することができるとともに、終端基板5や光変調素子4の許容以上の温度上昇を抑制することができる。
【0040】
熱伝導層61は、終端回路が形成されたエリアを除いた位置に形成されてもよいが、
図2や
図3のように終端抵抗53を境に基板41から離れる側に形成された面積が終端抵抗53を境に基板41側に形成された面積よりも大きくなるように形成されることが望ましい。このような構成とすることで発熱源である終端抵抗で発生した熱を、光学特性に対して影響の大きい電気光学基板から離れる方向に効率的に拡散させることができるため、光変調素子の温度上昇を抑制することができる。これにより、光変調素子における光学特性が劣化するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0041】
図2は、絶縁性を有する熱伝導層61の配置例を示している。
図2に示すように、熱伝導層61が絶縁性を有する場合は、例えば、熱伝導層61を、終端回路51に接続させた状態で終端回路51の周囲(周辺)に配置する。
【0042】
図3は、導電性を有する熱伝導層61の配置例を示している。
図3に示すように、熱伝導層61が導電性を有する場合は、例えば、熱伝導層61を、終端回路51のコンデンサ55、インダクタ57、電極58、及びDC入力用電極56から離間させた状態で終端回路51の周囲(周辺)に配置し、終端回路用接地電極54に接続するように配置する。
【0043】
なお、熱伝導層61は、終端抵抗53やコンデンサ55の固定位置、終端回路用信号電極52、及びそれらとのギャップ部分を除いた終端基板表面5Aの全面に配置されるのが放熱効率の観点からは望ましいが、放熱効果が得られる範囲であれば、終端回路用接地電極54は終端基板表面5Aの一部に配置されても良い。
【0044】
終端基板表面5Aの面積は、5mm
2以上とすることができる。この場合、終端基板表面5Aの面積は、9mm
2以上であることが好ましい。なお、終端基板表面5Aの面積の上限は70mm
2以下とすることが望ましい。
【0045】
終端基板5は、各終端抵抗53が変調信号の電力を消費して発熱することにより、温度が高くなる。そこで、終端基板表面5Aの面積を5mm
2以上にすることで、終端基板5自体の放熱効果により、終端抵抗53の発熱による終端基板5の温度上昇を抑制することができるとともに、光変調素子4の温度上昇も抑制することができる。これにより、光変調素子4における光学特性が劣化するのを抑制することができ、光変調素子4及び終端基板5が熱膨張により接触して破損するのを抑制することができ、温度ドリフト現象を抑制することができる。そして、終端基板表面5Aの面積を9mm
2以上にすることで、この効果を更に向上することができる。
【0046】
一方、終端基板5の温度が高くなると、終端基板5が熱歪により変形する。このとき、終端基板5と筐体10とは、互いに線膨張係数の異なる異素材で構成されるため、終端抵抗53の発熱により終端基板5全体の変形量が大きくなると終端基板5が破損する恐れがある。そこで、終端基板表面5Aの面積を70mm
2以下にすることで、熱歪による終端基板5全体の変形量が小さくなるため、終端基板5が破損するのを抑制することができる。
【0047】
図4は、終端基板裏面を示す図である。
図5は、
図2におけるV−V線における断面図である。
図4及び
図5に示すように、終端基板裏面5Bには、熱伝導層62(熱伝導手段60)が形成されている。熱伝導層62は、終端抵抗53で発生した熱を終端基板5や筐体10等に拡散させるものである。熱伝導層62は、熱伝導率が終端基板5と同等かそれ以上の材料であればよく、例えば、金、銀、銅、クロムやそれらの合金、又は半田などの金属が好ましい。
【0048】
そして、終端基板表面5Aにある熱伝導層61と、終端基板裏面5Bにある熱伝導層62とは、終端基板5に形成された熱伝導孔63を介して接続されている。このため、熱伝導層62は、終端抵抗53で発生した熱を効率よく終端基板5に分散させる熱伝導手段としての役割を持つ。なお、熱伝導孔63にも、熱伝導層61及び熱伝導層62と同様の材料の熱伝導層(熱伝導手段)が形成されている。このように、終端基板5の表裏面に熱伝導層61及び熱伝導層62を形成することで、熱伝導孔63を介して終端抵抗53で発生した熱を広い範囲の熱伝導層に効率的に分散させることができる。これにより、終端基板5の温度が局所的に高くなることを更に抑制することができるとともに、終端基板5や光変調素子4の温度上昇を更に抑制することができる。
【0049】
なお、
図5では、終端基板裏面5Bに熱伝導層62を形成する構成としているが、熱伝導孔63を形成して熱伝導層62を形成しない構成としてもよい。これにより熱伝導層62を形成しない簡単な構成で終端基板5や光変調素子4の温度上昇を更に抑制することができる。
【0050】
また、本構成において更に終端基板裏面5Bと筐体10とを半田や金スズなどのろう材や熱伝導性の接着剤などの熱伝導性材料で固定する場合は、熱伝導孔63に終端基板裏面5Bと筐体10とを固定する熱伝導性材料を直接接続してもよい。
【0051】
また
図2〜
図5では、終端基板表面5Aにある熱伝導層61と終端基板裏面5Bにある熱伝導層62とが熱伝導孔63を介して接続された構成としているが、熱伝導層61、熱伝導層62及び熱伝導孔63のうち何れかが配置された構成としてもよく、それらの内の2つの組み合わせた構成としてもよい。
【0052】
なお、熱伝導孔63には、その内壁面に熱伝導層61と熱伝導層62とを接続する熱導電層が形成されているが、熱伝導孔63の空間部分の全てまたは一部を熱伝導層で充填するように形成しても良い。これにより熱をより効率的に分散することができる。さらに熱伝導手段が金属の場合には,接地電極の接地効果を安定することもでき、より優れた電気特性を得ることができる。
【0053】
熱伝導孔63の位置、数、形状等は、特に限定されるものではないが、終端抵抗53を境にして基板41から離れる位置に形成された全ての熱伝導孔63により伝導する熱量は、終端抵抗53を境に基板41側に形成された全ての熱伝導孔63により伝導する熱量よりも大きくなるように、設定することが好ましい。具体的に説明すると、熱伝導孔63の内壁面に熱伝導層が形成された場合、もしくは熱伝導孔63の内部に熱伝導層が充填された場合においては、熱伝導孔63の断面における熱伝導層の面積の合計を考慮すればよい。また、熱伝導孔63が全て同じ形状の場合においては、終端抵抗53を境に基板41から離れる位置に形成された熱伝導孔63の個数の合計が、基板41側に形成された熱伝導孔63の個数の合計より多くなるように形成すればよい。
【0054】
また、熱伝導孔63の形状や体積が同じでない場合や、熱伝導孔63の内壁面に形成された熱導電層に用いる材料が一部異なる場合、もしくは熱伝導孔63の内部に充填される熱導電層の一部が異なる材料で形成される場合は、終端抵抗53を境に基板41から離れる位置に形成された各熱伝導孔の熱伝導の合計が、基板41側に形成された各熱伝導孔の熱伝導の合計より多くなるように形成すればよい。
【0055】
また、終端回路51に複数形成される終端抵抗53間の離間距離は、終端基板5の温度上昇抑制の効果と基板サイズの大型化回避の問題を考慮した所定の範囲内とすることが望ましい。
【0056】
当該離間距離が所定の距離以上あることにより、終端基板5における発熱源を局所的に集中させずに分散させることができるため、終端基板5の温度上昇を抑制することができるとともに、光変調素子4の温度上昇も抑制することができる。これにより、光変調素子4における光学特性が劣化するのを抑制し、光変調素子4及び終端基板5が熱膨張により接触して破損するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0057】
一方、当該離間距離が所定の距離以下であることにより、終端基板5が大型化するのを抑制することができる。
【0058】
また、終端抵抗53と基板41との距離は、基板41の温度上昇抑制の効果や光学特性劣化の問題を考慮した所定の範囲内とすることが望ましい。
【0059】
終端抵抗53と基板41との距離、発熱源である終端抵抗53からの熱がワイヤボンディングのワイヤ59を経由して基板41に伝わることや輻射により基板41に伝わることを抑制でき、基板41の温度上昇を抑制するとともに光学特性の劣化を抑制することができる。
【0060】
一方、終端抵抗53と基板41との距離が所定の距離以下であることにより、光学特性の劣化を抑制すると同時に光変調器1が大型化するのを抑制することが好ましい。
【0061】
また、作用部における信号電極43と終端回路51の終端抵抗53との最短距離は、基板41の温度上昇抑制の効果や光学特性劣化の問題を考慮した所定の範囲内とすることが望ましい。
【0062】
当該最短距離が所定の距離以上あることにより、終端抵抗53からの伝熱により、温度ドリフト現象などの光学特性劣化に対する影響力の大きい作用部の温度が高くなり過ぎるのを抑制することができるため、作用部における熱の影響を抑制することができる。これにより、光変調素子4における光学特性が劣化するのを抑制し、温度ドリフト現象を抑制することができる。
【0063】
一方、当該最短距離が所定の距離以下であることにより、光変調器1が大型化するのを抑制することができる。
【0064】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば、上記実施形態では、光変調器を例に説明したが、本発明は光変調器に限られることはなく、終端抵抗を有する終端基板を有する光デバイスであれば光スイッチなど他のデバイスであっても良い。
【0066】
また、上記実施形態では、熱伝導手段を接地電極とは別体であるものとして説明したが、熱伝導手段は接地電極を兼ねても良い。この場合、熱伝導手段と接地電極とは電気的に接続される。この場合、熱伝導手段と接地電極とを、同じ材料で構成される一様な接地電極としても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、終端回路用信号電極及び終端回路用接地電極の具体的な形状を説明しなかったが、終端回路用信号電極及び終端回路用接地電極を電気光学基板側に曲げるものとしてもよい。これにより、終端基板の所望の方向の長さを短くすることができるため、光デバイスの更なる小型化が可能となる。
【0068】
また、上記実施形態では、熱伝導手段を終端基板の表裏面(終端基板表面5A及び終端基板裏面5B)に形成するものとして説明したが、終端抵抗53で発生した熱を拡散させることができれば、熱伝導手段の形成位置や形状などは特に限定されるものではなく、例えば、
図6〜
図9に示すものとすることができる。
図6は、熱伝導手段の配置例を示す平面図である。
図7は、熱伝導手段の配置例を示す平面図である。
図8は、
図7に示すVIII−VIII線における断面図である。
図9は、
図7に示すIX−IX線における断面図である。
【0069】
図6に示す熱伝導手段64は、終端基板5の側面に形成されている。このように熱伝導手段64を終端基板5の側面に形成しても、終端抵抗で発生した熱を拡散させることができる。
【0070】
図7に示す熱伝導手段65は、終端基板5の側面に形成されて、筐体10に接続されている。このように終端基板5の側面に形成される熱伝導手段65を筐体10に接続することで、終端抵抗で発生した熱を終端基板5から筐体10に拡散させることができる。この場合、熱伝導手段65と筐体10との接触面積が増えるため、終端抵抗で発生した熱を効果的に筐体10に拡散させることができる。
【0071】
熱伝導手段65としては、半田や金スズなどのろう材、あるいは高熱伝導性の接着剤、ワイヤボンディングなどの金属線、リボンなどが用いられる。また熱伝導手段65として終端基板5の線膨張係数と筐体10の線膨張係数との間の値をもつ部材を用いた場合、終端基板5、筐体10、基板41で発生する応力歪みが緩和され光デバイスとしての光学特性の劣化を抑制することができるため、より好適である。
【0072】
なお、熱伝導手段65としてワイヤボンディングなどの金属線、リボンを用いる場合は、終端基板5の表面と終端基板5の周囲に位置して終端基板5が固定される筐体10の表面とを接続することで、容易にワイヤボンディングを行うことができる。
【0073】
図8に示す熱伝導手段65aは、筐体10を掘り下げた凹部に配置された終端基板5の周囲に形成されている。つまり、筐体10を掘り下げた凹部に終端基板5を配置し、終端基板5と筐体10との間に熱伝導手段65aを充填することにより、熱伝導手段65aが終端基板5の周囲と筐体10とに接続されている。これにより、終端抵抗で発生した熱を終端基板5から筐体10に拡散させることができる。
【0074】
図9に示す熱伝導手段65bは、
図8に示す熱伝導手段65aと同様であるが、更に、終端基板裏面5Bと筐体10との間にも熱伝導手段65bが充填されている。これにより、終端抵抗で発生した熱を更に終端基板5から筐体10に拡散させることができる。なお、熱伝導手段65bは終端基板5と筐体10とを固定するための固定材を兼ねていてもよい。
【実施例】
【0075】
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0076】
[評価1]
評価1では、終端基板表面5Aの面積が変えられた4つの光変調器1をモデルとして、終端基板5及び基板41の温度状態をシミュレーションにより解析した。
【0077】
比較例1は、終端基板表面5Aの面積を2.5mm
2とした。実施例1は、終端基板表面5Aの面積を5mm
2とした。実施例2は、終端基板表面5Aの面積を9mm
2とした。実施例3は、終端基板表面5Aの面積を17mm
2とした。
【0078】
筐体10の材料はステンレス(SUS304)、基板41の材料はLN、終端基板5の材料はアルミナ(Al
2O
3)、終端回路用信号電極52の材料は金(Au)、終端抵抗53の材料をニッケル(Ni)とした。また、基板41の寸法は2.0mm(縦)×1.0mm(厚み)、終端基板5の厚みは0.3mm、終端回路用信号電極52の厚さは10μm、とした。また計算を簡単にするため終端基板表面5A上にはコンデンサは配置せず発熱源である終端抵抗のみとした。2つの終端回路用信号電極52にはそれぞれ1つの終端抵抗53を接続した。
【0079】
そして、終端抵抗53に0.5Wと1.0Wの電力を印加したときの、終端基板5及び基板41の最高温度を解析した。解析結果から0.5Wと1.0Wの各条件におけるそれぞれの最小温度を0とした時の温度変化(相対温度)を求めたものを表1に示し、それをグラフ化したものを
図10及び
図11に示す。なお、基板41において最高温度を示した点は終端基板5と対向する付近であった。表1にはその点における最高温度を示す。
【表1】
表1、
図10及び
図11に示すように、印加電力の大きい方が終端基板5及び基板41の温度上昇が大きくなっているが、終端基板表面5Aの面積の変化に対する終端基板5及び基板41の温度変化の関係は、印加電力が異なっても同様の関係を示した。つまり、終端基板表面5Aの面積が5mm
2よりも小さい場合は、終端基板表面5Aの面積が小さくなるに従い温度が急峻に高くなったのに対し、終端基板表面5Aの面積が5mm
2以上の場合は、終端基板表面5Aの面積の変化に拘らず殆ど温度変化がなかった。
【0080】
このような結果から、終端基板表面5Aの面積を5mm
2以上とすることで、終端基板5及び基板41の温度上昇を抑えることができるとともに、終端基板表面5Aの面積の変化に拘らず、略同程度の温度上昇に抑えることができる。また終端抵抗53に印加される電力が変化しても同様に終端基板表面5Aの面積の変化に拘らず、略同程度の温度上昇に抑えることができる。また終端基板表面5Aの面積を9mm
2以上とすることで更に高い効果が得られることが分った。
【0081】
これにより製造条件のバラツキにより終端基板5のサイズが異なっても終端基板5及び基板41の温度上昇を略同程度に抑えることができるため、光変調素子における温度ドリフト現象など温度上昇に起因する光学特性への影響のバラツキも抑えることができ、光学特性のバラツキの少ない光変調素子を提供することが可能となる。
【0082】
また終端抵抗53に印加される電力が変化しても同様な効果が得られるため、光変調素子の駆動電圧が変更されても同一サイズの終端基板5を用いることができ、駆動電圧の仕様毎に異なるサイズの終端基板5を揃える必要がなくなる。
【0083】
次に、比較例1及び実施例1〜3について、終端基板5付近の基板41における10mm幅の範囲の温度差を解析した。解析結果における最小温度を0とした時の温度変化(相対温度)を求めたものを表2に示し、それをグラフ化したものを
図12に示す。
【表2】
表2及び
図12に示すように、終端基板表面5Aの面積が5mm
2よりも小さい場合は、終端基板表面5Aの面積が小さくなるに従い温度差が急峻に大きくなったのに対し、終端基板表面5Aの面積が5mm
2以上の場合は、終端基板表面5Aの面積の変化に拘らず温度差が安定し、更に終端基板表面5Aの面積が9mm
2以上の場合は、更に温度差が安定した。
【0084】
このような結果から、終端基板表面5Aの面積を5mm
2以上、更には9mm
2以上とすることで、基板41の温度差を小さく抑えることができるとともに、終端基板表面5Aの面積の変化に拘らず略同程度の温度差にすることができることが分かった。
【0085】
これにより基板41の温度差を小さく抑えることができるため、光変調素子における温度ドリフト現象など温度上昇に起因する光学特性への影響のバラツキも抑えることができ、光学特性のバラツキの少ない光変調素子を提供することが可能となる。
【0086】
[評価2]
評価2では、終端基板表面5Aの面積は同じであるが、終端基板表面5Aの形状が変えられた2つの光変調器1をモデルとして、終端基板5及び基板41の温度状態をシミュレーションにより解析した。
【0087】
実施例4及び実施例5ではどちらも、終端基板5を矩形平板状として、終端基板表面5Aの面積を同じとした。実施例4は、終端基板5の辺の長さの比(縦横比)を1.2とし、実施例5は、終端基板5の辺の長さの比を1.0とした。
【0088】
そして、信号電極43に0.5Wの電力を印加したときの、終端基板5及び基板41の最高温度を解析した。解析結果における最小温度を0とした時の温度変化(相対温度)を求めたものを表3に示す。
【表3】
表3に示すように、終端基板表面5Aの面積が同じであれば、終端基板5の辺の長さの比を変えても、終端基板5及び基板41の温度に大きな変化はなかった。
【0089】
このような結果から、終端基板5の形状よりも、終端基板表面5Aの面積の方が、終端基板5及び基板41の温度上昇に影響を与えることが分かった。このため、終端基板5の形状に関わらず終端基板5の面積を5mm
2以上とすることが温度上昇を抑えるためには重要となる。
【0090】
[評価3]
評価3では、評価2と同様に、終端基板表面5Aの面積は同じであるが、終端抵抗53の配置が変えられた4つの光変調器1をモデルとして、終端基板5の温度状態をシミュレーションにより解析した。
【0091】
終端抵抗53の中心と終端基板5における基板41側の端縁との距離d(
図3参照)が、実施例6では0.2mm、実施例7では0.5mm、実施例8では1.0mm、実施例9では2.0mmとなるように終端抵抗53を配置した。
【0092】
そして、終端抵抗53の位置に対する終端基板5における基板41側の端縁の温度(Te)を解析した。解析結果を表4に示し、それをグラフ化したものを
図13に示す。なお、終端基板5における基板41側の端縁に対する終端抵抗53の中心位置を抵抗位置という。また、表4において終端基板の相対温度とは、温度(Te)のうち最小温度を0とした時の温度変化(相対温度)を求めたものである。
【表4】
表4及び
図13に示すように、抵抗位置が0.5mmよりも短い場合は、終端基板の相対温度が急峻に大きくなった。これはワイヤ59付近の終端基板5の温度が終端抵抗53と同じく高い温度となっており、基板41に熱が伝わり易い状態であることを意味する。また抵抗位置が0.5mm以上の場合は、終端基板の相対温度が小さくなり安定している。これはワイヤ59付近の終端基板5の温度が終端抵抗53付近よりも低い温度となっており、基板41に熱が伝わりづらい状態であることを意味する。
【0093】
このような結果から、抵抗位置を0.5mm以上とすることで、終端抵抗53で発生した熱がワイヤボンディングのワイヤ59を通じて基板41に伝わることを抑制することができるため、光変調素子における温度ドリフト現象など温度上昇に起因する光学特性への影響のバラツキも抑えることができ、光学特性のバラツキの少ない光変調素子を提供することが可能となる。