【実施例】
【0063】
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、
図1、
図3、
図5及び
図7は、各実施例に係る撮影レンズSL(SL1〜SL4)の構成及び無限遠から近距離物体への合焦状態の変化における各レンズ群の移動の様子を示す断面図である。
【0064】
[
参考例(第1実施例
)]
図1は、
参考例である第1実施例に係る撮影レンズSL1の構成を示す図である。この撮影レンズSL1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0065】
このように、この第1実施例に係る撮影レンズSL1において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、負レンズが配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、開口絞りSは、第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL21と両凹レンズL22との間に配置されている。なお、この撮影レンズSL1と像面Iとの間には、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等から構成されるフィルター群FLが配置されている。
【0066】
このような構成の本第1実施例に係る撮影レンズSL1は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0067】
以下の表1に、本第1実施例に係る撮影レンズSL1の諸元の値を掲げる。この表1の全体諸元において、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角、Yは像高、TLは全長、Bfはバックフォーカスを示している。なお、全長TLは、無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面(第1面)から像面Iまでの光軸上の距離を示し、バックフォーカスは、最も像側のレンズ面(第20面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。また、レンズデータにおいて、第1欄mは光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは各光学面の曲率半径を、第3欄dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄nd及び第5欄νdはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれ示している。なお、この表1に示す面番号1〜26は、
図1に示す番号1〜26に対応している。また、曲率半径0.0000はレンズ面においては平面を示し、開口絞りSにおいては開口を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、レンズ群焦点距離は、第1〜第3レンズ群G1〜G3の各々の始面の面番号と焦点距離を示している。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離、曲率半径、面間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
【0068】
(表1)
[全体諸元]
f =32.0
FNO= 1.24
2ω =29.68
Y = 8.35
TL =66.83
Bf =17.9
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 33.7350 4.20 1.60311 60.69
2 86.5367 0.10
3 19.4001 4.00 1.83400 37.18
4 16.1565 2.80
5 23.6229 2.00 1.68893 31.16
6 16.8873 (d6)
7 26.0057 3.00 1.83481 42.73
8 4725.1783 1.60
9 0.0000 4.40 開口絞りS
10 -21.5624 1.20 1.71736 29.57
11 21.3638 3.40
12 -29.6398 3.20 1.88300 40.66
13 -25.7345 0.10
14 39.0173 5.40 1.77250 49.62
15 -24.7388 (d15)
16 86.3934 2.80 1.72916 54.61
17 -42.0234 1.00 1.68893 31.16
18 15.3910 1.00
19 17.8648 3.50 1.83400 37.18
20 257.4921 13.00
21 0.0000 0.50 1.51680 63.88
22 0.0000 1.11
23 0.0000 1.59 1.51680 63.88
24 0.0000 0.30
25 0.0000 2.79 1.51680 63.88
26 0.0000 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 3574.63
第2レンズ群 7 28.74
第3レンズ群 16 113.96
【0069】
この第1実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d6、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d15は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表2に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。なお、この表2において、D0は撮影レンズSL1の最も物体側のレンズ面(第1面)から物体までの距離を示している。この可変間隔の説明は、以降の実施例においても同様である。
【0070】
(表2)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d6 6.40 4.23
d15 0.63 2.80
【0071】
次の表3に、この第1実施例に係る光学系撮影レンズSL1の各条件対応値を示す。なお、この表3において、fは全系の焦点距離を、f1は第1レンズ群G1の焦点距離を、f2は第2レンズ群G2の焦点距離を、f3は第3レンズ群G3の焦点距離を、r1は第2レンズ群G2の最も物体側のレンズ面の曲率半径を、f21は第2レンズ群G2の最も物体側のレンズの焦点距離をそれぞれ表している。以上の符号の説明は以降の実施例においても同様である。
【0072】
(表3)
r1 =26.0057
f21=29.80
(1)f1/f =111.71
(2)f1/f2 =124.38
(3)f1/f3 = 31.37
(4)r1/f2 = 0.90
(5)f21/f = 0.93
(6)f21/f2= 1.04
【0073】
なお、条件式(4)のr1は、第7面の曲率半径であり、条件式(5),(6)のf21は、正メニスカスレンズL21の焦点距離である。このように、第1実施例に係る撮影レンズSL1は、上記条件式(1)〜(6)を全て満足している。
【0074】
図2に、この第1実施例に係る撮影レンズSL1の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、NAは開口数を、Yは半画角に対する像高を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.6nm)を、それぞれ示している。また、非点収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。また、コマ収差図は、像高Yに対する収差を示している。これらの収差図の説明は、以降の実施例においても同様である。
図2に示す各収差図から明らかなように、この第1実施例に係る撮影レンズSL1では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0075】
[第2実施例]
図3は、第2実施例に係る撮影レンズSL2の構成を示す図である。この撮影レンズSL2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0076】
このように、この第2実施例に係る撮影レンズSL2において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、負レンズが配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、開口絞りSは、第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL21と両凹レンズL22との間に配置されている。なお、この撮影レンズSL2と像面Iとの間には、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等から構成されるフィルター群FLが配置されている。
【0077】
このような構成の本第2実施例に係る撮影レンズSL2は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0078】
以下の表4に、本第2実施例に係る光学系撮影レンズSL2の諸元の値を掲げる。なお、この表4に示す面番号1〜26は、
図3に示す番号1〜26に対応している。
【0079】
(表4)
[全体諸元]
f =32.0
FNO= 1.24
2ω =29.55
Y = 8.35
TL =67.83
Bf =17.9
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 31.6963 4.20 1.60311 60.69
2 84.6431 0.10
3 19.1926 4.00 1.83400 37.18
4 15.7501 2.80
5 27.5058 2.00 1.68890 31.16
6 18.0134 (d6)
7 26.3645 3.00 1.88300 40.66
8 6348.2640 1.60
9 0.0000 3.50 開口絞りS
10 -21.0843 1.20 1.71736 29.57
11 21.4095 3.50
12 -29.5633 3.20 1.83481 42.73
13 -24.3102 0.10
14 38.2013 5.40 1.77250 49.62
15 -25.2095 (d15)
16 108.3578 2.80 1.69680 55.52
17 -31.1138 1.00 1.67270 32.19
18 16.2311 1.00
19 19.4752 3.50 1.83400 37.18
20 640.9531 13.00
21 0.0000 0.50 1.51680 63.88
22 0.0000 1.11
23 0.0000 1.59 1.51680 63.88
24 0.0000 0.30
25 0.0000 2.79 1.51680 63.88
26 0.0000 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 7852.20
第2レンズ群 7 28.96
第3レンズ群 16 115.02
【0080】
この第2実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d6、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d15は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表5に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0081】
(表5)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d6 6.40 4.17
d15 0.63 2.86
【0082】
次の表6に、この第2実施例に係る撮影レンズSL2の各条件対応値を示す。
【0083】
(表6)
r1 =26.3645
f21=29.98
(1)f1/f =245.38
(2)f1/f2 =271.40
(3)f1/f3 = 68.27
(4)r1/f2 = 0.91
(5)f21/f = 0.94
(6)f21/f2= 1.04
【0084】
なお、条件式(4)のr1は、第7面の曲率半径であり、条件式(5),(6)のf21は、正メニスカスレンズL21の焦点距離である。このように、第2実施例に係る撮影レンズSL2は、上記条件式(1)〜(6)を全て満足している。
【0085】
図4に、この第2実施例に係る撮影レンズSL2の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図4に示す各収差図から明らかなように、この第2実施例に係る撮影レンズSL2では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0086】
[第3実施例]
図5は、第3実施例に係る撮影レンズSL3の構成を示す図である。この撮影レンズSL3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0087】
このように、この第3実施例に係る撮影レンズSL3において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、負レンズが配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、開口絞りSは、第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL21と両凹レンズL22との間に配置されている。なお、この撮影レンズSL3と像面Iとの間には、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等から構成されるフィルター群FLが配置されている。
【0088】
このような構成の本第3実施例に係る撮影レンズSL3は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0089】
以下の表7に、本第3実施例に係る撮影レンズSL3の諸元の値を掲げる。なお、この表7に示す面番号1〜26は、
図5に示す番号1〜26に対応している。
【0090】
(表7)
[全体諸元]
f =32.0
FNO= 1.24
2ω =28.66
Y = 8.10
TL =67.23
Bf =17.9
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 29.3012 4.20 1.60311 60.69
2 77.0249 0.10
3 18.9354 4.00 1.88300 40.66
4 16.0658 2.80
5 24.9943 1.80 1.72825 28.38
6 15.7326 (d6)
7 26.7023 3.00 1.88300 40.66
8 865.1656 2.00
9 0.0000 3.50 開口絞りS
10 -19.8589 1.20 1.68893 31.16
11 21.0669 3.20
12 -27.8260 3.00 1.83481 42.73
13 -23.3973 0.10
14 36.0097 5.20 1.78800 47.35
15 -25.2095 (d15)
16 440.3747 2.80 1.69680 55.52
17 -25.0487 1.00 1.68893 31.16
18 16.2765 0.80
19 19.4519 3.40 1.83400 37.18
20 -127.8912 13.00
21 0.0000 0.50 1.51680 63.88
22 0.0000 1.11
23 0.0000 1.59 1.51680 63.88
24 0.0000 0.30
25 0.0000 2.79 1.51680 63.88
26 0.0000 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 7615.78
第2レンズ群 7 28.59
第3レンズ群 16 95.38
【0091】
この第3実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d6、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d15は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表8に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0092】
(表8)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d6 6.60 4.33
d15 0.63 2.90
【0093】
次の表9に、この第3実施例に係る撮影レンズSL3の各条件対応値を示す。
【0094】
(表9)
r1 =26.7023
f21=31.15
(1)f1/f =237.99
(2)f1/f2 =266.38
(3)f1/f3 = 79.85
(4)r1/f2 = 0.93
(5)f21/f = 0.97
(6)f21/f2= 1.09
【0095】
なお、条件式(4)のr1は、第7面の曲率半径であり、条件式(5),(6)のf21は、正メニスカスレンズL21の焦点距離である。このように、第3実施例に係る撮影レンズSL3は、上記条件式(1)〜(6)を全て満足している。
【0096】
図6に、この第3実施例に係る撮影レンズSL3の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図6に示す各収差図から明らかなように、この第3実施例に係る撮影レンズSL3では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0097】
[第4実施例]
図7は、第4実施例に係る撮影レンズSL4の構成を示す図である。この撮影レンズSL4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凹レンズL22、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23、及び、両凸レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と両凹レンズL32との接合負レンズCL31、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33から構成される。
【0098】
このように、この第4実施例に係る撮影レンズSL4において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、負レンズが配置されている。また、第2レンズ群G2は、最も像側のレンズが両凸形状である(両凸レンズL24)。また、開口絞りSは、第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL21と両凹レンズL22との間に配置されている。なお、この撮影レンズSL4と像面Iとの間には、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等から構成されるフィルター群FLが配置されている。
【0099】
このような構成の本第4実施例に係る撮影レンズSL4は、無限遠から近距離物体への合焦に際して、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体方向に移動する。なお、開口絞りSは、合焦に際し、第2レンズ群G2とともに移動する。
【0100】
以下の表10に、本第4実施例に係る撮影レンズSL4の諸元の値を掲げる。なお、この表10に示す面番号1〜26は、
図7に示す番号1〜26に対応している。
【0101】
(表10)
[全体諸元]
f =32.0
FNO= 1.24
2ω =29.59
Y = 8.35
TL =70.13
Bf =17.9
[レンズデータ]
m r d nd νd
1 29.2625 4.00 1.60311 60.69
2 75.2290 0.10
3 21.1759 4.00 1.83400 37.18
4 15.6335 2.80
5 25.3803 3.40 1.68893 31.16
6 19.1390 (d6)
7 26.6070 3.00 1.88300 40.66
8 657.2810 1.60
9 0.0000 3.50 開口絞りS
10 -24.3424 1.20 1.72825 28.38
11 19.5526 3.20
12 -26.8107 3.20 1.77250 49.62
13 -28.3839 0.10
14 41.1814 5.20 1.88300 40.66
15 -26.5456 (d15)
16 67.7377 4.00 1.69680 55.52
17 -20.9763 1.00 1.68893 31.16
18 15.6839 1.00
19 19.0132 3.50 1.83400 37.18
20 -1109.8435 13.00
21 0.0000 0.50 1.51680 63.88
22 0.0000 1.11
23 0.0000 1.59 1.51680 63.88
24 0.0000 0.30
25 0.0000 2.79 1.51680 63.88
26 0.0000 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 2606.14
第2レンズ群 7 32.24
第3レンズ群 16 78.56
【0102】
この第4実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d6、及び、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d15は、無限遠から近距離物体への合焦に際し変化する。次の表11に、無限遠合焦時及び近距離物体合焦時の可変間隔を示す。
【0103】
(表11)
無限遠 近距離
D0 ∞ 700.0000
d6 6.80 3.99
d15 0.63 3.44
【0104】
次の表12に、この第4実施例に係る撮影レンズSL4の各条件対応値を示す。
【0105】
(表12)
r1 =26.6070
f21=31.33
(1)f1/f = 81.44
(2)f1/f2 = 80.84
(3)f1/f3 = 33.17
(4)r1/f2 = 0.83
(5)f21/f = 0.98
(6)f21/f2= 0.97
【0106】
なお、条件式(4)のr1は、第7面の曲率半径であり、条件式(5),(6)のf21は、正メニスカスレンズL21の焦点距離である。このように、第4実施例に係る撮影レンズSL4は、上記条件式(1)〜(6)を全て満足している。
【0107】
図8に、この第4実施例に係る撮影レンズSL4の無限遠合焦状態及び近距離物体合焦状態(D0=700mm)における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。
図8に示す各収差図から明らかなように、この第4実施例に係る撮影レンズSL4では、無限遠合焦状態から近距離物体合焦状態までの各状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。