【実施例】
【0087】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0088】
以下、実施例で用いる略号は以下の通りである。
【0089】
cod: シクロオクタジエン(cyclooctadiene)
Cy: シクロヘキシル(cyclohexyl)
TFE: テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)
THF: テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
PhMgBr: フェニルマグネシウムブロマイド(phenyl magnesium bromide)
dba: ジベンジリデンアセトン(dibenzylideneacetone)
【0090】
実施例1
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のジオキサン(0.4mL)-THF-d
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で16時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが49%の収率で得られたことを確認した。
α,β,β-トリフルオロスチレン:
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-179.0(dd,J
FF=32.7,110.3Hz,1F,F
1),-118.5(dd,J
FF=73.5,110.3Hz,1F,F
3),-104.2(dd,J
FF=32.7,73.5Hz,1F,F
2).
【0091】
実施例2
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で16時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが41%、1,1−ジフルオロ-2,2-ジフェニルエチレンが1%、1,2-ジフルオロ-1,2-ジフェニルエチレンが3%の収率で得られたことを確認した。
α,β,β-トリフルオロスチレン:
1H-NMR(C
6D
6):δ 7.16 (tt, J=7.5, 1.5Hz, 1H), 7.47 (dd, J=8.5, 7.5 Hz, 2H), 7.59 (dd, J=8.5, 1.5 Hz, 2H).
19F-NMR(C
6D
6):δ-103.5(dd,J=72,32Hz,1F),-118.0(dd,J=72,107Hz,1F),-179.2(dd,J=107,32Hz,1F).
1,1−ジフルオロ-2,2-ジフェニルエチレン:
19F-NMR(C
6D
6):δ -91.5(s).MS m/z 216(M+),166(M-CF
2),50(CF
2).
1,2-ジフルオロ-1,2-ジフェニルエチレン:
19F-NMR(C
6D
6):δ trans体-154.8(s)、 cis体-130.5(s).
【0092】
実施例3
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸ナトリウム(42.4mg、0.4mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で16時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが7%の収率で得られたことを確認した。
【0093】
実施例4
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸カリウム(55.3mg、0.4mmol)のTHF(0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で16時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが26%、1,2-ジフルオロ-1,2-ジフェニルエチレンが1%の収率で得られたことを確認した。
【0094】
実施例5
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、およびカリウムt-ブトキシド(44.9mg、0.4mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で16時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが17%、1,1−ジフルオロ-2,2-ジフェニルエチレンが2%、1,2-ジフルオロ-1,2-ジフェニルエチレンが2%の収率で得られたことを確認した。
【0095】
実施例6
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PPh
3(5.3mg, 0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、ヨウ化カリウム(32.1mg, 0.240mmol)、およびおよび炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4 mL)/C
6D
6 (0.1 mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を60℃で3時間、80℃で3時間、さらに100℃で19時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが4%の収率で得られたことを確認した。
【0096】
実施例7
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが44%の収率で得られたことを確認した。
【0097】
実施例8
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(2.8mg、0.01mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが41%の収率で得られたことを確認した。
【0098】
実施例9
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(2.8mg、0.01mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(13.2mg、0.04mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが35%の収率で得られたことを確認した。
【0099】
実施例10
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(6.6mg、0.02mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが31%の収率で得られたことを確認した。
【0100】
実施例11
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(2.8mg、0.01mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(3.3mg、0.01mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが31%の収率で得られたことを確認した。
【0101】
実施例12
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが5%の収率で得られたことを確認した。
【0102】
実施例13
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2 (2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、フェニルボロン酸(12.2mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。
この反応溶液を100℃で3時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが3%の収率で得られたことを確認した。
【0103】
実施例14
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、2-ナフタレンボロン酸(17.2mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(35.8mg、0.11mmol)のTHF (0.4mL)-C
6D
6(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。
さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で3時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、2-(
1,2,2-トリフルオロビニル)ナフタレンが29%の収率で得られたことを確認した。
2-(
1,2,2-トリフルオロビニル)ナフタレン
19F-NMR(C
6D
6):δ -103.29(dd,J=71.5,26.3Hz,1F),
-118.00(dd,J=71.5,105.4Hz,1F),-178.56(dd,J=105.4,26.3Hz,1F).
【0104】
実施例15
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが65%の収率で得られたことを確認した。
【0105】
実施例16
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のC
6D
6(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが47%の収率で得られたことを確認した。
【0106】
実施例17
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)の1,4-ジオキサン(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが54%の収率で得られたことを確認した。
【0107】
実施例18
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のCD
3CN(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが9%の収率で得られたことを確認した。
【0108】
実施例19
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、P(t-Bu)
3(4.0mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが17%の収率で得られたことを確認した。
【0109】
実施例20
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、P(n-Bu)
3(4.1mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが44%の収率で得られたことを確認した。
【0110】
実施例21
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、エチレンビス(ビスシクロヘキシルホスフィン)(P(Cy)
2CH
2CH
2P(Cy)
2)(8.5mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが42%の収率で得られたことを確認した。
【0111】
実施例22
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、P(o-tol)
3(6.1mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが21%の収率で得られたことを確認した。
【0112】
実施例23
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、Pt-Bu
2Me (3.2mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが60%の収率で得られたことを確認した。
【0113】
実施例24
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、フェニルボロン酸ピナコールエステル(20.4mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが18%の収率で得られたことを確認した。
【0114】
実施例25
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、フェニルボロン酸(12.2mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で2時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが19%の収率で得られたことを確認した。
【0115】
実施例26
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、2-ナフチルボロン酸(17.2mg、0.1mmol)、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL、0.114mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で2時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、2-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ナフタレンが44%の収率で得られたことを確認した。
2-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ナフタレン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-178.4(dd,J
FF=32.0,108.8Hz,1F),-118.0(dd,J
FF=72.3,108.8Hz,1F),-103.4(dd,J
FF=31.0,72.3Hz,1F).
【0116】
実施例27
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、P(n-Bu)
3(4.1mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol) 、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4 mL)/C
6D
6 (0.1 mL) (0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが27%の収率で得られたことを確認した。
【0117】
実施例28
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、P(t-Bu)
3(4.0mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol) 、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4 mL)/C
6D
6 (0.1 mL) (0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが15%の収率で得られたことを確認した。
【0118】
実施例29
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、2-(2-ナフチル)-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン(24.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、2-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ナフタレンが67%の収率で得られたことを確認した。
【0119】
実施例30
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3,2-ジオキサボリナン(25.8mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1-(1,2,2-トリフルオロエテニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンが50%の収率で得られたことを確認した。
1-(1,2,2-トリフルオロエテニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-179.8(dd,J
FF=32.8,109.2Hz,1F),-115.0(dd,J
FF=65.5,109.2Hz,1F),-100.8(dd,J
FF=32.6,65.1Hz,1F), -65.5 (s,3F).
【0120】
実施例31
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-(4-ホルミル)フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(21.8mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。
さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1-(1,2,2-トリフルオロエテニル)-4-(ホルミル)ベンゼンが41%の収率で得られたことを確認した。
1-(1,2,2-トリフルオロエテニル)-4-(ホルミル)ベンゼン
19F NMR (376 MHz, THF-d
8, d/ppm): -180.0 (dd, J
FF= 32.8, 108.4 Hz, 1F), -114.3 (dd, J
FF = 63.5, 108.4 Hz, 1F), -100.4 (dd, J
FF= 32.8, 63.5 Hz, 1F)
【0121】
実施例32
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、1,4-ビス-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)ベンゼン (30.2mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,4-ビス-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼンが10%および1-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼンが25%の収率で得られたことを確認した。
1,4-ビス-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-178.4(dd,J
FF=33.0,108.0Hz,1F),-114.3(dd,J
FF=70.0,108.0Hz,1F),-87.9(dd,J
FF=33.0,70.0Hz,1F)
1-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼン
19F NMR (376 MHz, THF-d
8, d/ppm): -179.7 (dd, J
FF= 32.4, 108.9 Hz, 1F), -117.4 (dd, J
FF = 71.2, 108.9 Hz, 1F), -103.4 (dd, J
FF= 32.4, 71.2 Hz, 1F)
【0122】
実施例33
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、1,4-ビス-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)ベンゼン (30.2mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で60時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,4-ビス-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼンが32%の収率で得られたことを確認した。
【0123】
実施例34
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-(4-メトキシカルボニル)フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン (24.8mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1-(メトキシカルボニル)-4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼンが38%の収率で得られたことを確認した。
1-(メトキシカルボニル)-4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゼン
19F NMR (376 MHz, THF-d
8, d/ppm): -180.1 (dd, J
FF = 32.8, 108.8 Hz, 1F), -115.0 (dd, J
FF = 65.6, 108.8 Hz, 1F), -101.2 (dd, J
FF= 32.8, 65.6 Hz, 1F)
【0124】
実施例35
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-(4-シアノ)フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン (20.4mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。
さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゾニトリルが25%の収率で得られたことを確認した。
4-(1,2,2-トリフルオロエテニル)ベンゾニトリル
19F NMR (376 MHz, THF-d
8, d/ppm): -180.6 (dd, J
FF= 32.7, 108.4 Hz, 1F), -113.6 (dd, J
FF = 63.4, 108.4 Hz, 1F), -99.5 (dd, J
FF= 32.7, 63.4 Hz, 1F)
【0125】
実施例36
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、2-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)トルエン (21.5mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で5時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、2-(1,2,2-トリフルオロエテニル)トルエンが50%の収率で得られたことを確認した。
2-(1,2,2-トリフルオロエテニル)トルエン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-163.8(dd,J
FF=29.4,117.1Hz,1F),-121.4(dd,J
FF=77.6,117.1Hz,1F),-107.1(dd,J
FF=29.4,77.6Hz,1F)
【0126】
実施例37
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd
2(dba)
3(5mg, 0.005mmol)、PCy
3(5.6mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol)のTHF (0.4mL)-THF-D
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにヘキサフルオロプロペン(HFP)(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、(Z)-1-フェニル-1,2,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペンが48%、(E)-1-フェニル-1,2,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペンが10%、2-フェニル-1,1,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペンが10%の収率で得られたことを確認した。
(Z)-1-フェニル-1,2,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-158.7(qd,J
FF=12.6,9.3Hz,1F),-110.5(qd,J
FF=8.2,9.3Hz,1F),-68.5(dd,J
FF=12.6,8.2Hz,3F).
(E)-1-フェニル-1,2,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-173.1(qd,J
FF=10.4,130.9Hz,1F),-148.1(qd,J
FF=21.9,130.9Hz,1F),-69.8(dd,J
FF=21.9,10.4Hz,3F).
2-フェニル-1,1,3,3,3−ペンタフルオロ-1-プロペン
19F-NMR(THF-d
8,δ/ppm):-80.6(qd,J
FF=10.9,14.9Hz,1F),-79.4(qd,J
FF=23.4,14.9Hz,1F),-62.0(dd,J
FF=23.4,10.9Hz,3F).
【0127】
実施例38
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(cod)
2(2.8mg、0.01mmol)、PPh
3(5.3mg、0.02mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(19.0mg、0.1mmol) 、および炭酸セシウム(39.1mg、0.12mmol)のTHF (0.4 mL)/C
6D
6 (0.1 mL) (0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12μL、0.097mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol: 上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β-トリフルオロスチレンが14%の収率で得られたことを確認した。
【0128】
参考例1
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Ni(η
2-TFE)(PCy
3)
2(28.8 mg、0.04mmol)、COD(4.9μL、0.04 mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(7.6 mg、0.04 mmol)のTHF(0.4mL) - THF-d
8(0.1mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(12.3μL、0.100 mmol:
19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。
)を加えた。この反応溶液を60℃で3時間さらに80℃で72時間放置した。反応を
19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,1−ジフルオロ-2,2-ジフェニルエチレンが10%の収率で得られたことを確認した。